(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2つのゼラチンストリップ間にカプセル充填された少なくとも一つの既製固形剤(preformed solid dosage form)と少なくとも一つの液相(liquid phase)とを有する複数相の軟質ゼラチンカプセルを製造する装置であって、
軟質ゼラチンカプセルを2つのゼラチンストリップから形成すると共に複数の凹部を有する円筒状の第1及び第2回転ダイ(die)であって、該第1及び第2回転ダイのそれぞれが、1つの軟質ゼラチンカプセルを充填して封止する空孔を形成するために他方の回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能である、第1及び第2回転ダイと、
前記第1回転ダイに隣接して位置するリボンガイドローラであり、該リボンガイドローラと前記第1回転ダイとの間で第1ゼラチンストリップを前記第1回転ダイに供給するリボンガイドローラであって、それぞれが前記第1回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能である複数の突起を有し、軟質ゼラチンカプセル殻の第1半分を形成する第1ゼラチンストリップの錠剤受け窪みを形成するリボンガイドローラと、
前記錠剤受け窪みを有する前記第1ゼラチンストリップを受けるために前記第1回転ダイの上方に且つ前記第1回転ダイの前記第2回転ダイとは反対側に隣接して位置する剤形ガイドローラであって、それぞれが前記第1回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能である複数の凹部を有し、前記既製固形剤を前記第1ゼラチンストリップの前記錠剤受け窪みに堆積させる空孔を形成して、前記複数の凹部は、前記剤形ガイドローラ上に位置するディスペンサから前記既製固形剤を受ける大きさに設定される剤形ガイドローラと、
第2ゼラチンストリップを前記第2回転ダイに供給するフィード手段と、
前記第2ゼラチンストリップに窪みを形成して、軟質ゼラチンカプセル殻の第2半分を形成する手段と、
円筒状の前記第1及び第2回転ダイの上方に位置して、少なくとも一つのノズルを用いて前記軟質ゼラチンカプセルに少なくとも一つの液相を供給する少なくとも一つの充填手段と、を備え、
前記少なくとも一つの既製固形剤と前記少なくとも一つの液相とが互いに独立的に前記軟質ゼラチンカプセルに導かれ、
前記少なくとも一つの既製固形剤が、錠剤、カプレット、又はカプセルである、装置。
前記ディスペンサが、ホッパー(hopper)、シュート(chute)、ランプ(ramp)及びフィード漏斗(feed funnel)からなる群から選択される、請求項1に記載の装置。
円筒状の前記第1及び第2回転ダイの上方に位置して、少なくとも一つのノズルを用いて前記軟質ゼラチンカプセルに少なくとも一つの液相を供給する前記少なくとも一つの充填手段が、前記少なくとも一つの液相を、少なくとも一つのノズルを用いて、第1及び第2カプセル殻片を一緒に端部で動かすことによって形成された前記空孔の中へ導くように配置されている、請求項1に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各々が異なる相を有する複数の剤形を一回に投与することを可能にする軟質ゼラチン剤形に対するニーズが存在する。固形剤(solid dosage form)及び液体充填相(liquid fill phase)を含む軟質ゼラチン固形剤を提供することが望ましい。該軟質ゼラチン固形剤は、各相の化学安定性を維持しつつ、複数相間の如何なる化学反応も防止する。既製固形剤を組み込み、例えば物理的及び化学的安定性、固形剤の活性成分放出プロフィール(active ingredient release profile)、生物学的利用性及び臨床実績のような、液相と混合された既製固形剤の確立した製薬特徴を保持することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様によれば、少なくとも一つの液相及び少なくとも一つの固相を含む複数相の軟質ゼラチン剤形(soft gelatin dosage forms)、製造装置及び製造方法が提供される。
【0009】
各々異なる相を有する複数の剤形の一回投与を提供する軟質ゼラチン剤形を製造することは、本発明の更なる態様である。
【0010】
本発明は、各相の化学安定性を維持しつつ、複数相間の如何なる化学反応も防止する、固形剤及び液体充填相を含む軟質ゼラチン剤形を更に提供する。
【0011】
軟質ゼラチン剤形の中に既製固形剤を組み込むことは、本発明の更なる態様である。この能力(特性)は、液相と結合する既製固形剤の確立した製薬的特徴、例えば物理的及び化学的安定性、固形剤の活性成分放出プロフィール、生物学的利用性及び臨床実績を保持する。
【0012】
本発明の態様によれば、2つのゼラチンストリップ間の封入された少なくとも一つの既製固形剤及び少なくとも一つの液相を有する複数相軟質ゼラチンカプセルを製造する装置が提供される。その装置は、2つのゼラチンストリップから軟質ゼラチンカプセルを形成するために第1と第2円筒状回転ダイとを具備している。そのダイは、複数の凹部(recess)を有し、各々の凹部は、他のダイにおける同程度の寸法の凹部と連動でき、1つの軟質ゼラチンカプセルを充填して、封入するための空孔を形成する。リボンガイドローラは、第1回転ダイに第1ゼラチンストリップを供給するために、第1回転ダイに隣接して位置する。リボンガイドローラは、複数の突起(projection)を有する。各々の突起は、第1回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能であり、第1ゼラチンストリップ内の錠剤受け窪み(tablet receiving depression)を形成する。その窪みは、第1軟質ゼラチンカプセル殻の第1半分を形成する。剤形ガイドローラは、第1回転ダイに隣接して位置する。その剤形ガイドローラは複数の凹部を有し、各々の凹部は第1回転ダイにおける同程度の寸法の凹部と連動可能であり、第1ゼラチンストリップの錠剤受け窪みに既製固形剤を堆積させるための空孔を形成する。複数の凹部は、剤形ガイドローラ上側に位置するディスペンサから既製固形剤を受けられる大きさに設定されている。フィード手段は、第2ゼラチンストリップを第2回転ダイに供給する。第2ゼラチンストリップの窪みを形成するための手段は、軟質ゼラチンカプセル殻の第2半分を形成する。少なくとも一つの充填手段は、第1及び第2円筒状回転ダイの上方に位置されている。充填手段は、少なくとも一つのノズルによって、少なくとも一つの液相を軟質ゼラチンカプセルに供給する。このように、少なくとも一つの既製固形剤及び少なくとも一つの液相は互いに独立的に、軟質ゼラチンカプセルに導かれる。
【0013】
その装置は、剤形ガイドローラに隣接して配置されるシールドを更に備え、剤形ガイドローラの凹部に既製固形剤を保持できる。
【0014】
ディスペンサは、ホッパー(hopper)、シュート(chute)、ランプ(ramp)及びフィード漏斗(feed funnel)からなる群から選択されることができる。
【0015】
本発明の他の観点によれば、軟質ゼラチンカプセルに少なくとも一つの既製固形剤及び少なくとも一つの液相をカプセル充填(encapsulation)するための方法が、提供される。その方法は、次のステップを備える。(1)第1カプセル殻片を提供するステップ。(2)第1カプセル殻片に少なくとも一つの既製固形剤を導入するステップ。(3)第2カプセル殻片を提供するステップ。(4)第1カプセル殻片及び第2カプセル殻片を一緒に端で動かして空孔を形成するステップ。(5)少なくとも一つの液相を空孔に導入するステップ。(6)第1カプセル殻片及び第2カプセル殻片を封止して軟質ゼラチンカプセルを形成するステップ。少なくとも一つの既製固形剤と少なくとも一つの液相とが、互いに独立的に軟質ゼラチンカプセルに導かれる。少なくとも一つの既製固形剤は、錠剤、カプレット、カプセル、固体材料のスラグ(a slug of solid material)及び粒剤からなる群から選択される。
【0016】
本発明の他の観点によれば、経口投与のための複数相の軟質ゼラチンカプセルが提供される。その軟質ゼラチンカプセルは、少なくとも一つの活性成分を備える少なくとも一つの既製固形剤と少なくとも一つの液体充填相とを備える。少なくとも一つの固形剤と少なくとも一つの液体充填相とが、互いに独立的に軟質ゼラチンカプセルに導かれる。
【0017】
本発明の実施形態において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤は、製薬等級決定剤形(pharmaceutical grade finished dosage form)でもよい。
【0018】
本発明の実施形態において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤は、錠剤、カプレット、カプセル、固体材料のスラグ及び粒剤からなる群から選択される。
【0019】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤の少なくとも一つの活性成分は、以下からなる群から選択される:医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせ。
【0020】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの液体充填相は、親油性(lipophilic)又は親水性(hydrophilic)である。
【0021】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの親油性の液体充填相は希釈油(diluent oils)を備える。
【0022】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、希釈油は、植物油、鉱油、食品用油(food grade oils)、製薬上許容可能な油又はそれらの混合物から成る。
【0023】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの液体充填相は、少なくとも一つの活性成分を更に備える。少なくとも一つの液体充填相の少なくとも一つの活性成分は、以下からなる群から選択される:医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせ。
【0024】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤の医薬品原料はアスピリン錠であり、少なくとも一つの液体充填相の少なくとも一つの活性成分はオメガ3系油である。
【0025】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤の医薬品原料は、アセトアミノフェン錠剤(acetaminophen tablet)であり、少なくとも一つの液体充填相の少なくとも一つの活性成分は、アセトアミノフェン(acetaminophen)である。
【0026】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤の医薬品原料は、イブプロフェン錠剤であり、少なくとも一つの液体充填相の少なくとも一つの活性成分は、イブプロフェンである。
【0027】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤の医薬品原料は、偽エフェドリン・カプレット(pseudoephedrine caplet)であり、少なくとも一つの液体充填相の少なくとも一つの活性成分は、ロラタジン(loratadine)である。
【0028】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤は、少なくとも一つのコーティングを有する。
【0029】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤上の少なくとも一つのコーティングは、以下からなる群から選択される:即座に放出可能なコーティング、保護コーティング、腸溶性又は遅延性放出コーティング、持続的に放出可能なコーティング、バリアコーティング、水分シールド・コーティング及びそれらの組み合わせ。
【0030】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤上の少なくとも一つのコーティングは、以下からなる群から選択される:フイルムコーティング、ゼラチンコーティング及びそれらの組み合わせ。
【0031】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤上の少なくとも一つのコーティングは、少なくとも一つの活性成分を更に備える。
【0032】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、少なくとも一つの既製固形剤上の少なくとも一つのコーティングの少なくとも一つの活性成分は、以下からなる群から選択される:医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能的賦形剤及びそれらの組み合わせ。
【0033】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、軟質ゼラチンカプセルは少なくとも一つのコーティングを有する。
【0034】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、軟質ゼラチンカプセル上の少なくとも一つのコーティングは以下からなる群から選択される:即座に放出可能なコーティング、保護コーティング、腸溶性又は遅延性放出コーティング、持続的に放出可能なコーティング、バリアコーティング、水分シールド・コーティング及びそれらの組み合わせ。
【0035】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、軟質ゼラチンカプセル上の少なくとも一つのコーティングは少なくとも一つの活性成分から更に成る。
【0036】
本発明の他の実施例において、軟質ゼラチンカプセルは上記記載の通りである。そこにおいて、軟質ゼラチンカプセル上の少なくとも一つのコーティングの少なくとも一つの活性成分は、以下からなる群から選択される:医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせ。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は少なくとも一つの液体充填相及び少なくとも一つの固相を備える複数充填相の軟質ゼラチン剤形へのカプセル充填に関する。少なくとも一つの液体充填相及び少なくとも一つの既製固相を互いと独立して組み込むことができる軟質ゼラチン剤形を製造するための装置及び方法が開示されている。少なくとも一つの液相と少なくとも一つの固相とが、互いに独立的に軟質ゼラチン剤形に導かれる。個相及び液相は、API、栄養補給剤又は治療的な目的のために使用する物質を含む活性成分を有することができる。
【0039】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、単一投与で複数の薬物又は治療的な物質を運ぶことができ、各相から薬物又は治療的な物質の差動の放出(differential release)を提供する製薬薬物送達システムを設計するため能力を提供する。本発明の複数相の軟質ゼラチン剤形は、一回投与のための2つ以上の相を混合するのに特に役立つ。ここで、少なくとも1つが固相で、少なくとも他方が液相である。軟質ゼラチンカプセルへの既製固形剤の混合によれば、固形剤の確立した製薬特徴が保持できる。
【0040】
図1は、少なくとも一つの液相及び少なくとも一つの固相を含む軟質ゼラチンカプセルの製造のための装置10を例示する。装置10は、関連技術分野において、周知の機械に類似する従来の回転ダイ軟質ゼラチン・カプセル充填機械の改造である。従来の軟質ゼラチン・カプセル充填機械(ダイロール12及び14)の2つの回転ダイに加えて、装置10は、更に2つのダイロール16及び18を有する。如何なる回転ダイ構成の従来の如何なる一つ以上のチャネルの軟質ゼラチン・カプセル充填機械が、本発明により構成されることができる。
【0041】
例えば、錠剤、カプレット、カプセル又は他の固体の従来手段により形成される固形剤30は、粒剤の形であることができ、ガイドロール16の上方に配置されるホッパー32に収容される。ホッパー32は、ガイドロール16の各ポケットに、一つの固形剤30を放出する。固形剤は、ガイドロール上の位置の他の配布装置を使用することでガイドロール16のポケットに堆積できる。その配布装置は、限定されるものではないが、例えば静的シュート、振動ランプ等のランプ、フィード漏斗又は他の従来手段を含む。
【0042】
リボンガイドローラ18は、複数の突起を有し、それぞれの突起は回転ダイ14の同程度の寸法の凹部と連動可能である。ゼラチン・リボンのための従来のフィーダは、リボンガイドローラ18と回転ダイ14との間のゼラチン・リボン20aを供給する。ゼラチン・リボン・ポケット22は、リボンガイドローラ18によってゼラチン・リボン20a上に前もって形成される。前もって形成されたゼラチン・リボン・ポケット(既製ゼラチン・リボン・ポケット)22は、軟質ゼラチンカプセルの第1半分を形成する。
【0043】
ガイドロール16のポケットは、回転ダイ14のポケットと連動可能であり、回転ダイ14上の既製ゼラチン・リボン・ポケット22に、前もって形成された固形剤(既製固形剤)30を堆積させるための空孔を形成する。シールド50が、一つの固形剤30をガイドロール16のポケット又はゼラチン・リボン・ポケット22に保持するために用いられることが可能である。
【0044】
円筒状回転ダイ12、14は、複数のポケットを有し、それぞれのポケットは他のダイの同程度の寸法の凹部にと連動可能であり、軟質ゼラチンカプセルに充填して、封止するための空孔を形成する。ゼラチン・リボンのための従来のフィーダは、第2ゼラチン・リボン20bをダイロール12、14の間に供給する。軟質ゼラチンカプセルの第2半分は、従来の方法で、例えば押圧法又は真空法によって形成される。
【0045】
固形剤30を含んでいる軟質ゼラチンカプセル(ゼラチン・リボン・ポケット22)の第1半分及び軟質ゼラチンカプセルの第2半分は、充填のための空孔を形成する。空孔は、円筒状回転ダイ12、14の上方の一つ以上の液ホッパー36に収容される楔(wedge)38を介して少なくとも一つの液相34を射出することにより充填される。軟質ゼラチンカプセルの第1及び第2半分は、封止され、単一の軟質ゼラチンカプセル40を形成する。
【0046】
本発明の実施例は、前もって形成された固形剤(既製固形剤)を提供することによって準備されることができる。その後、第1軟質ゼラチンカプセル殻片が形成される。既製固形剤は、第1軟質ゼラチンカプセル殻片に導かれる。第2軟質ゼラチンカプセル殻片が形成される。第1及び第2軟質ゼラチンカプセル殻片は、一緒に端部で動かして、空孔を形成する。少なくとも一つの液相が、空孔に導入される。その後、第1及び第2軟質ゼラチンカプセル殻片は、封止され、本発明の軟質ゼラチンカプセルが形成される。
【0047】
図2は、固体の卵形錠剤(oval tablet)30を含んでいる本発明によって作られる軟質ゼラチンカプセル40を例示する。これらの軟質ゼラチンカプセルは、大きさがほぼ15mm×10mmである。
図3は、固体の丸い錠剤(solid round tablet)330を含んでいる本発明によって作られる軟質ゼラチンカプセル340を例示する。丸い既製固体錠剤は、比較のためにも示されている。
図4は、固体の長方形錠剤(solid oblong tablet)430を含んでいる本発明によって作られる軟質ゼラチンカプセル440を例示する。
【0048】
既製固体の長方形錠剤(preformed solid oblong tablet)は、比較のためにも示される。軟質ゼラチンカプセルの形状及び寸法は、本発明によって変化できる。カプセルの形状は、限定されるものではないが、円形、卵形、長方形又は非標準形状であることができる。典型的軟質ゼラチン剤形は、限定されるものではないが、表1で示す形状及び寸法であることができる。本発明は、様々なコンポーネント(形及び形状)を軟質ゼラチンカプセルに取り込み、無限の様々な形状及び寸法の軟質ゼラチンカプセルを製造する能力を提供する。
【0050】
軟質ゼラチンカプセルの殻は、可塑性ゼラチン又は他の機能性ポリマー物質から形成されることができる。可塑性ゼラチン又は他の機能性ポリマー物質は、液体、流体、ペースト(pastes)又は他の充填物質のカプセル充填のために、典型的に使われる。
【0051】
軟質ゼラチンカプセルの外側の殻は、一つ以上のコーティングで被覆されていることができる。一つ以上のコーティングは、限定されるものではないが、即座に放出可能なコーティング、保護コーティング、腸溶性又は遅延性放出コーティング、持続的に放出可能なコーティング、バリアコーティング及びそれらの組み合わせであることができる。軟質ゼラチンカプセルの外側の殻上の一つ以上のコーティングは、軟質ゼラチンカプセルの徐放(controlled release)を提供し、軟質ゼラチン殻を分解(degradation)から保護し、又は、液相及び固形剤と同じであるか、又は異なることができる一つ以上の活性成分を供給するのに有効であることができる。代替的に、例えばペクチン又は合成ポリマーの添加物は、軟質ゼラチンカプセル殻に組み込まれることができ、投与上の溶解を遅らせる。軟質ゼラチン殻相へのこのようなコーティング、又は添加物は、文献に記載されており、本発明の技術分野の専門家に知られている。軟質ゼラチンカプセルの一つ以上のコーティング外殻については、如何なる従来技術が適用されることができ、パンコーティングコーティング(pan coating)、流動床コーティング(fluid bed coating)又はスプレーコーティングであることができるが、これらに限定されることはない。
【0052】
軟質ゼラチンカプセルの液体充填相は、固形剤を運送するための一つ以上の液体を備えることができ、軟質ゼラチン殻と互換性を持って、固形剤を劣化させるか又は分解させない。液体充填相は、親水性又は親油性のように広く分類されることができる流体の一つ以上の組合せから成ることができる。
【0053】
親油性液体充填相が、溶剤、サスペンション、エマルジョン類、ミクロエマルジョン、自動乳化系(self-emulsifying systems)及び軟質ゼラチンカプセル製剤の技術分野における当業者に知られている他の液体あることができる活性成分、活性成分又は複数の活性成分の調製剤の油の形でもよい。有用な油の例としては、オメガ3系脂肪酸、植物油、鉱油又は他の食用油が挙げられる。植物油は、トウゴマの実油(castor bean oil)、ココナッツオイル(coconut oil)、落花生油(peanut oil)、パームナッツ油(palm kernel oil)、カノーラ油(canola oil)、アボカド油(avocado oil)、マツヨイグサ油(evening primrose oil)、米糠油(rice bran oil)、ルリヂサ油(borage oil)、ヒマワリ油(sunflower oil)、大豆油(soybean oil)、パーム油(palm oil)、トウモロコシ油(corn oil )及びサフラワー油(safflower oil)を含むことができる。好適な油は、オメガ3系脂肪酸トリグリセリド又はエチル・エステル類である。オメガ3系脂肪酸の例としては、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。
【0054】
親水性液体充填相は、一般的にポリエチレングリコールを主成分としており、PEG 400又はPEG 600と一般に呼ばれ、液体充填相とカプセル殻の間の水分バランスに影響を及ぼすように設計された比率にあるグリセロール、プロピレングリコール及び水のより小さい量を有する。
【0055】
この種の組合せは、本発明の属する技術分野の専門家に知られている。より小さい範囲に使用する他の親水性材料は、限定されることはないが、メメトキシ・ポリエチレン・グリコール、ジエチレングリコール・モノエチル・エーテル・テトラヒドロフルフリル・アルコール・ポリエチレングリコール、プロピレンカーボネート、n−メチル−2−ピロリドン、ポリオキシエチレン−ポリ−オキシ・プロピレン共重合体ベンジルアルコール(polyoxyethylene-poly-oxypropylene copolymers benzyl alcohol)及びエチルアルコールである。
【0056】
充填製剤は、製薬溶剤、サスペンション及び半固体の製造のための使用される確立した手順を用いることで用意することができ、軟質ゼラチン製剤に属する技術分野の専門家により認識される。
【0057】
個別液相又は複数の液相が、複数相のインシチュー・カプセル充填を容易にする単一であるか、二重であるか、複数の楔設計によって、カプセル内に導入されることができる。
【0058】
液体充填相は、軟質ゼラチンカプセル内に並んで層にされる異なる液相を含むことができる。各層をなした相は、活性成分又は複数の活性成分を組み込むことができる。
【0059】
充填物質は、軟質ゼラチン・カプセル充填の技術分野において周知である賦形剤、例えば分散剤、界面活性剤、可塑剤、香料、不透明化している薬品、防腐剤、脆化防止剤(embrittlement inhibiting agents)、着色剤、染料及び色素及び崩壊剤を含むこともできる。
【0060】
固相は、既製錠剤、カプレット、カプセル、固体材料のスラグ(slugs of solid materials)、粒剤又は他の固形剤の形であることができる。好ましくは、固相は、既製固形剤中に備えられる。好ましくは、既製固形剤は、人間又は動物に対する投薬に適している剤形である製薬完了剤形(pharmaceutical finished dosage form)である。製薬完了剤形の製薬特徴は、受け入れられて、前もって調整当局の承認を得ることができ、又は調整機関により評価される。
【0061】
固形剤の形状及び寸法は、本発明に従って変化できる。カプセルの形状は、円形、卵形、長方形又は非標準形状であることができるが、これらに限られない。固形剤は、軟質ゼラチンカプセルの総内部容積より小さくなるように大きさで設計される。
【0062】
固形剤は、即座に放出可能なコーティング、保護コーティング、腸溶性又は遅延性放出コーティング、持続的に放出可能なコーティング、バリアコーティング、水分シールド・コーティング及びそれらの組み合わせの一つ以上のコーティングで被覆されていることができるが、それに限定されるものではない。固形剤上の一つ以上のコーティングは、固形剤の活性成分の徐放を提供し、固形剤を液体充填相との相互作用から保護し、又は一つ以上の活性成分を供給するのに有効である。好ましくは、固形剤は、被覆されているフィルムである。固形剤上の一つ以上のコーティングは、パンコーティング、流動床コーティング(fluid bed coating)又はスプレーコーティングを含む医薬業界において認識されている従来のコーティングテクニックでも塗布されることができるが、これらに限られるものではない。任意には、コーティングされている又はコーティングされていない固形剤は、周知の従来の錠剤コート技術(tablet enrobing techniques)によって、ゼラチン膜に被覆されることができる。即座に放出可能なコーティングは、様々な経口製薬固形剤において、用いられているようなハイドロ・アルコールのフイルムコーティング又はセルロース・フイルムコーティング系である。
【0063】
典型的コーティング系は、水性であることができ、アルコールベース又は有機溶剤ベースであることができ、或いはヒドロキシプロピルメチルセルロース及び誘導剤、及びポリビニルのアルコール及び誘導剤を含む組合せであることができる。フィルムで被覆した錠剤の実施例は、以下から成る:アモキシシリン(Amoxicillin)、アジスロマイシン(Azithromycin)、アテノロール(Atenolol)、アムロジピン(Amlodipine)、アセクロフェナク(Acelofenac)、アミトリプチリン(Amtriptyline)、アンピシリン塩酸塩(Ampicillin HCI)、シプロフロキサシン(Ciprofloxacin)、セファドロキシル塩酸塩(Cefadroxil HCI)、セレコキシブ(Celecoxib)、シメチジン(Cimitidine)、カルシウム錠剤(Calcium Tablets)、セチリジン塩酸塩(Certizine HCI)、クラリスロマイシン(Clarithromycin)、燐酸クロロキン(Chloroquine Phosphate)、エリスロマイシンエストレート(Erythromycin estolate)、エリスロマイシンストリート(Erythromycin striate)、エナラプリルマレアート(Enalpril Maleate),エレクトロンジブ(Elctronxib)、鉄(Ferrous)、フマル酸塩(fumarate), ファモチジン(Famotidine)、フルペンチキソール(Flupenthixol)、フルオキセチンフェロジピン(Fluoxetine Felodipine)、ガチフロキサシン(Gatifloxacin)、グリクラジド(Gliclazide)、イブプロフェン(Ibuprofen)、インダパミド(Indapamide)、ケトロラック(Ketorolac)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、レボフィクセイション(Levofixation)、レボセトリンジー(Levocetrinzie)、ロサルタン(Losartan)、カリウム(Potassium)、レバミゾール(Levamisole)、メトホルミン(Metormin)、メチロパ(Methylopa)、メトラ(Metra)+テトラゾール(Tetraozole)、メトロニドソール(Metronidozole)、メチル(Methyl)、コンブラマイン(Comblamine)、メトロプララルニフェディン(Metropralal Nifedipne)、ノルフロキサシン(Norfloxacin)、ニフェドパイン(Nifedopine)、ノルフロキサシン(Norfloxacin)、ノルフラックス(Nifedopine)+ ティンドゾル(Tindazole)、オフラクサシン(Oflaxacin)、オフラクサシン(Oflaxacin)+ オミダゾール(Omidazole)、オラザッパイン(Olazzapine)、オリダゾール(Orridazole)、オフレクサシン(Oflexacin)+ オミダゾールパラセタモール(Omidazole Paracetamol)、プラバスタイン(Pravastain)、プルメタジン(Prmethazine)、キニーネ(Quinine)、硫酸塩(sulphate)、プリマキン(Primaquine)、ラミプリル(Ramipril)、ティンダゾール(Tindazole)、チィリ(Tiri)+ ドキシシクライン(Doxicycline)、チィリ(Tiri)+ テトラサイクリン(Tetracyline)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、ベラパミル(Verapamil)、ハーブ(herbal)や栄養補助食品(Neutraceuticals)。
【0064】
典型的保護コーティングは、酸化防止剤、キレート薬、色料又は染料を含むが、これに限定されるものではない。
【0065】
固形剤の一般的な腸溶性コーティングは、以下の一つ以上の認識されたコーティング剤からなることができるが、それらに限定されない:メチルアクリレート―メタクリル酸共重合体、酢酸セルロース・コハク酸塩、フタル酸ヒドロキシ・プロピル・メチルセルロース、ヒドロキシ・プロピル・メチル酢酸セルロース・コハク酸塩(ヒプロメロース酢酸塩コハク酸塩)、ポリ酢酸ビニル・フタル酸塩(PVAP)、メタクリル酸メチル―メタクリル酸共重合体、アルギン酸ナトリウム/アルギン酸及びステアリン酸。腸溶性錠剤の例は、以下から成る:アスピリン及びクロピドグレル組合せ、アスピリン、ビサコジル、ジクロフェナク―ナトリウム、ドキシラミン・コハク酸塩、エソメプラゾール、ニンニク錠剤、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ペントキシフィリン、パンクレアチン、ラベプラゾール、セラチオペプチダーゼ及びバルプロ酸ナトリウム。
【0066】
持続的放出錠剤(Sustained release tablets)はフィルムが被覆されていても良く、腸溶性であっても良く、或いは、ポリマーマトリックスが調製され得る。持続的に放出可能なフイルムコーティングは、周知のワックス又はワックスのような物質、脂肪アルコール、セラック、ゼイン、水素化された植物油、水不溶性セルロース、アクリル及び/又はメタクリル酸のポリマー及び他の徐々に消化できるか分散可能な個体等の水不溶性物質であることができるが、これらに限定されない。持続的放出剤形の例は、以下から成る:アセタゾラミド・ペレット、アミノフィリン、アミトリプチリン・ペレット、カプトプリル(Captoprill)、ジクロフェナク・ナトリウム、ジルチアゼム、グリクラジド、鉄、レボドパ、炭酸リチウム、メトホルミン、メチルドパ、ニフェジピン、硫酸サルブタモール、テオフィリン、ベラパミルHCl、ビタミン剤、鉱物の補助食品及び亜鉛を有するビタミン。
【0067】
水分シールド・コーティングは、水分バリアを感湿性薬又は吸湿性薬に提供する。この種のコーティングは、固形剤に適用され、例えば水がゼラチン又は機能性ポリマー・カプセル殻系の加工助剤及び主要な可塑剤として用いられる軟質ゼラチン・カプセル充填プロセスから生じる水分から固形剤を保護することができる。水分シールド・コーティングを組み込んでいる剤形の例は、以下を含むが、これに限定されるものではない:アミトリプチリン(Amitriyptyline) HCI、アモキシシリン及びクラブラニン酸(Clavulanic Acid)の組合せ、アトルバスタチン及びカルシウムの組合せ、カルシウム錠剤、クロピドグレル、エタンブトール、グルコサミン及びコンドロイチン(Chondritin)の組合せ、特定のハーブの製品、総合ビタミン剤、ラニチジンHCI、リファンピシン及び他の吸湿性薬。
【0068】
本発明における液相及び複数相の軟質ゼラチンカプセルの固形剤に導入される活性成分は、API、栄養補給剤、治療的な目的のために使用する物質、機能性賦形剤又は活性成分及び機能性賦形剤の組合せから成ることができ、活性成分の吸収される胃腸管又は胃腸部位における放出を制御するか、又は該放出に影響を及ぼす。液相及び固形剤の各々は、一つ以上の活性成分を含むことができる。液相の活性成分及び固形剤の活性成分は、同じことでもよいが異なってもよい。
【0069】
本発明は、周知の如何なる活性成分の使用も考察する。活性成分又は薬剤の特定の組合せを選択することは、完全に当業者の知識範囲内である。いくつかの実施形態では、活性成分は、以下を含むが、それらに限定されるものではない:API、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質及び機能性賦形剤。
【0070】
APIは、限定されるものではないが、以下を含むことができる。鎮痛薬、抗炎症剤、反蠕虫学、抗不整脈薬、反喘息薬品、抗バクテリア薬品、抗ウイルス薬、抗凝固剤、反痴呆薬品、反抑制剤、反糖尿病患者、抗てんかん薬、抗真菌薬、反痛風薬品、抗高血圧症薬品、抗マラリア薬、反片頭痛薬品、抗ムスカリン薬品、抗悪性腫瘍薬、免疫抑制薬、抗原虫性薬品、解熱剤抗甲状腺性薬品、鎮咳薬、不安緩解剤、鎮静剤、催眠薬、神経遮断薬、神経保護薬品、ベータ受容体遮断薬、心臓変カ性因子、細胞接着抑制剤、副腎皮質ステロイド、サイトカイン受容体活動モジュレータ、利尿薬、反パーキンソンの薬品、胃腸薬品、ヒスタミンH―受容体アンタゴニスト、HMG―CoA還元酵素抑制剤、表皮放出、脂質を調整している薬品、筋弛緩薬、硝酸塩及び他の抗狭心症薬剤、非ステロイド性反喘息薬剤、栄養的な薬品、オピオイド鎮痛薬、性ホルモン、刺激薬及び反勃起障害薬品。栄養補助食品は、限定されるものではないが、5-ヒドロキシ・トリプトファン、アセチルL-カルニチン、αリポ酸、α-ケトグルタル酸(ketoglutarates)、ミツバチ製品、塩酸ベタイン、ウシの軟骨、カフェイン、セチルミリストレート(cetyl myristoleate)、炭、キトサン、コリン、コンドロイチン硫酸、補酵素Q10、コラーゲン、初乳(colostrum)、クレアチン、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ジメチルアミノ・エタノール、フマル酸、ゲルマニウム セスキオキサイド(germanium sequioxide)、腺製品、グルコサミンHCI、硫酸グルコサミン、ヒドロキシ基を含むメチル酪酸塩、免疫グロブリン、乳酸、L-カルニチン、肝臓製品、リンゴ酸、マルトース1水和物 (maltose-anhydrous)、マンノース(d-マンノース)、メチル・スルホニル基メタン、植物ステリン、ピコリン酸(picolinic acid)、ピルビン酸塩、赤いイースト抽出物、S-アデノシルメチオニン、セレニウム酵母、サメ軟骨、テオブロミン、硫酸バナジル及び酵母を包含することができる。
【0071】
栄養補給剤は、ビタミン、ミネラル、繊維、脂肪酸、アミノ酸、ハーブの補助食品又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0072】
ビタミンは、限定されるものではないが、以下を包含することができる。アスコルビン酸(ビタミンC)、Bビタミン、ビオチン、脂肪に溶解するビタミン、葉酸、ヒドロキシクエン酸、イノシトール、鉱物のアスコルビン酸塩、混合トコフェロール、ナイアシン(ビタミンB3)、口チック酸、パラアミノ安息香酸、パントテン酸塩(panthothenates)、パントテン酸(ビタミンB5)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、リボフラビン(ビタミンB2)、合成ビタミン、チアミン(ビタミンB1)、トコトリエノール(tocotrienols)、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミン油及び油溶性ビタミン。
【0073】
ハーブの補助食品は、限定されるものではないが、以下を含むことができる。アルニカ、コケモモ、サラシナショウマ、ネコの爪、カモミール、エキナセア、マツヨイグサ油、コロハ、フラックスシード、ナツシロギク、ニンニク、ショウガ色の根、イチョウ(ginko biloba)、ヤクヨウニンジン、アキノキリンソウ、サンザシ、カワカワ、カンゾウ、牛乳アザミ、オオバコ、ラウオルフィア(rauowolfia)、センナ、大豆、オトギリソウ、ノコギリパルメット、ウコン、カノコソウ。
【0074】
ミネラルは、限定されるものではないが、以下を含むことができる。ホウ素、カルシウム、キレート化ミネラル、塩化物、クロミウム、被覆ミネラル、コバルト、銅、ドロマイト、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、鉱物の混合物、鉱物の製品、モリブデン、リン、カリウム、セレニウム、ナトリウム、バナジウム、リンゴ酸、ピルビン酸塩、亜鉛及び他のミネラル。
【0075】
好適な栄養補給剤には、限定されるものではないが、以下を含むことができる。Bビタミン及びビタミンB複合体、ベータカロチン、カルシウム、コラーゲン、共同Q―10、クランベリー、エキナセア、アマの種油、葉酸、ニンニク、ショウガ、ヤクヨウニンジン、グルコサミン、コンドロイチン、緑茶、鉄、レシチン、ルテイン、リコピン、マグネシウム、メラトニン、牛乳アザミ、ナイアシン、オメガ3系油、カリウム、プロバイオティクス、ノコギリパルメット、セレニウム、オトギリソウ、トコフェロール、カノコソウ、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、亜鉛及びそれらの組み合わせ。好適な栄養補給剤の組合せは、以下から成る:コエンザイムQ10及びオメガ3系油、エキナセア、ニンニク及びショウガ、グルコサミン及びコンドロイチン、ビタミンD及びカルシウム、ビタミンD、カルシウム及びマグネシウム、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛、そして、ビタミンE及び他のトコフェロール。
【0076】
本発明によって、固体及び液相を含んでいる軟質ゼラチンカプセルは、多くの重要な利点を活性成分の投与に提供する。
【0077】
本発明に係る複数相の軟質ゼラチン剤形は、2つ以上の活性成分を供給するために用いることができ、さもなければ互いに相互に作用する。一つ以上の活性成分は、液体充填相及び固形剤の他の活性成分に溶解される。
【0078】
本発明の他の使用は、固形剤及び液相に導入される一以上のAPIの放出の有効な制御を提供することである。液相は、溶剤、予め分散した製剤又は自動乳化性の製剤によって、該液相においてAPIの即座の放出能力を提供する。固相は、固相のAPIの遅延放出を提供するために被覆されていることができる。
【0079】
二つ以上のカプセル、又は錠剤が処方されるとき、1つの剤形へのそれらの組合せは、患者に利益、投薬便宜性及び低コストを提供する。
【0080】
イブプロフェン及びアセトアミノフェン等の鎮痛薬は、効能及び関連する治療有効性におけるそれらのモードにおいて異なるので、混用投薬は改良された無痛覚(analgesia)及び安全性を提供する。本発明によれば、個々の個形剤としてアセトアミノフェン、イブプロフェン又は他の組合せの固体の投薬構成の混合を設計する能力を提供し、又は両方又は他の活性要素を含むことができる液相と一つの個形剤内に組み込まれる。
【0081】
本発明は、ポリピルとして有効でもよい。ポリピルは活性成分の組合せを含む薬物であり、投与される錠剤又はカプセルの数を減らす。ポリピル形の併用投与は、心血管疾患及び糖尿病の治療に役立つ。
【0082】
本発明は、2つ以上のAPIを1つの剤形に組み入れることに関連する、時間、出費等の問題を低減することができる。1つの剤形の新しい混合のためには、新規な製剤の発達が必要であり、安全性、有効性及び効力を示す製薬研究及び臨床研究が必要である。本発明は、液体又は個相であることができる一つのAPI又は複数のAPIの確立した形を利用して複数のAPIを単位剤形(unit dosage form)に組み込む能力を提供する。本発明によれば、APIを確立した錠剤、カプレット又はカプセルの形に保持することができる。これは、液相(liquid phase)又は流相(fluid phase)と混合して固形剤の製薬特徴を保持する能力を提供する。鍵となる特徴は、以下を含む:物理的又は化学的安定性、錠剤又はカプレットのAPI放出プロフィール、生物学的利用能及び臨床実績。最初固体の混合によって確立した臨床実績を保持することによって、さもなければ新規な製剤に必要とされる広範囲な第III相臨床試験(Phase III clinical studies)を行う必要性を回避できる。
【0083】
確立した多数のオフパテント又はジェネリックな薬物を混合することによって、本発明は、心血管状態を治療するのに有効となると共に、低コスト治療の可能性を提供する。
【0084】
本発明は、HMG-CoA抑制剤(スタチン)及びオメガ3系脂肪酸の単位投与量の併用投与(combined administration)に役立つことができる。スタチンは、一つの成分のHMG―CoA抑制剤又は他の活性成分と混合するスタチンを含む錠剤又はカプセルの形であることができる。市販のスタチンは、ファイザー社によって販売されるLIPITOR(商標)又はTORVAST(商標)(アトルバスタチンカルシウム)、ノバルティス社によって販売されるLESCOL(商標)又はLESCOL XL(商標)(フルバスタチンナトリウム)、メルク社によって販売されるMEVACOR(商標)、ALTOCOR(商標)又はALTOPREV(商標)(ロバスタチン)、コーワ社によって販売されるLIVALO(商標)又はPITAVA(商標)(ピタバスタチン)、ブリストル‐マイヤーズスクイブ社によって販売されるPRAVACHOL(商標)、SELEKTINE(商標)又はLIPOSTAT(商標)(プラバスタチン・ナトリウム)、アストラゼネカ社によって販売されるCRESTOR(商標)(ロスバスタチンカルシウム)、メルク社によって販売されるアストラゼネカ、ZOCOR(商標)又はLIPEX(商標)(シンバスタチン)。2つ以上の活性成分を含んでいる確立した錠剤剤形の例としては、メルク社によって販売されるVYORTIN(商標)(シンバスタチン+エゼチミベ)、メルクによって販売されるADVICOR(商標)(ロバスタチン+ナイアシン)で売られるファイザー社によって販売されるCADUET(商標)(aアトルバスタチンカルシウム及びアムロジピンベシル酸塩,)、メルク社によって販売されるSIMCOR(商標))(シンバスタチン+ナイアシン)。オメガ3系脂肪酸は、エチル・エステル類又はトリグリセリドの形であることができる。
【0085】
本発明によれば、商業的に販売されたものより小さい剤形の使用ができるようにすることができる。軟質ゼラチンカプセルの固形剤のカプセル充填は、意図された目的部位に達する前に固形剤の溶解に対する保護を提供する。このように、市販の固形剤と比較して、カプセル充填された固形剤は耐久性がある必要はないかもしれない。
【0086】
本発明によれば、投薬の際に固形剤の早期解散を防止するように機能する賦形剤の必要を減らすことができ、より小さい及びより安価な固形剤が使用できる。次の部分は、本発明の薬剤の併用投与の利点の実施例であり、薬剤の併用投与は軟質ゼラチンカプセルの固形剤及び液体充填相の形であることができる。
【0087】
(実施例)
実施例1:
アスピリン(固形剤)及びオメガ3油(液相)
【0088】
アスピリンは、血小板凝集に影響を及ぼす酵素のアセチル化によってもたらされる血小板凝集を阻害することで周知である。このように、アスピリンは、血液希釈化を提供するために広く投与される。アスピリンの投与は、心臓発作又はストロークの危険率の低下を示した。腸溶性アスピリン錠は、心血管病(cardiovascular conditions)をもつ患者の標準治療としてよく認められる。アスピリンの腸溶性種類(Enteric coated brands)及び一般的なバージョンは、商業的に広く利用できる。
【0089】
オメガ3系脂肪酸が、高いコレステロール及び高血圧を含む心臓病の危険因子を減らすのに有効であることは公知である。オメガ3系脂肪酸は、心血管病をもつ患者の標準治療の一部としても投与される。
【0090】
心臓病のための一般の薬剤療法は、アスピリン及び高効力オメガ3系油(例えばグラクソ・スミスクラインによるLOVAZA(商標)の併用投与を含む。患者は、概してアスピリン及びオメガ3系油の別々の一つの剤形を服用する。
【0091】
しかし、アスピリン及びオメガ3系油を従来の一つの剤形に組み込むことは、重大な問題を含む。水分及び強力なアセチル化剤がある場合には、アスピリンが不安定となるということはよく認識されている。したがって、アスピリンの軟質ゼラチン製剤は、非常に不安定である。更に、脂質製剤は、アスピリンの反応性による問題を含む。
【0092】
本発明は、腸溶性アスピリン錠(enteric coated aspirin tablet)を、高効力オメガ3系油を含有している軟質ゼラチンカプセルに組み込み、このことによりさもなければ従来の軟質ゼラチン製剤によって、発生する安定性及びインタラクティブ分解に対処する能力を提供する。
【0093】
アスピリン構成要素は、アスピリンを含んでいる如何なる適切なフィルム又は腸溶性錠剤又はカプセルであることができる。アスピリンの投与量は、概して81mgである。本発明は、必要に応じて他の投与強度を例えばグラクソ・スミスクラインによるLovaza(商標)のような高効力のオメガ3系油を含有している軟質ゼラチンカプセルに組み込む能力を提供する。
【0094】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0096】
実施例2:
即座の及び遅延の放出アセトアミノフェン
【0097】
アセトアミノフェンは、風邪とインフルエンザ治療処置としてアセトアミノフェンを含んでいる軟質ゼラチン製品のような製薬製品を使用した周知の解熱性及び鎮痛性成分である。
【0098】
325、500又は650mgのアセトアミノフェンを含んでいる経口投与剤形を投与することは望ましいが、軟質ゼラチン剤形の限定事項によってその投与量が325mgに制限される。主要な制約は、液体充填物質内でのアセトアミノフェンの可溶性とカプセル・寸法とに関係している。患者によって飲み込みやすい軟質ゼラチンカプセル形を製作するのに十分に小さな溶媒の体積に325mg以上のアセトアミノフェンを溶かすことは可能でない。更に、325mg以上のアセトアミノフェンを含有している軟質ゼラチン製剤は比較的アルカリ性であり、それは軟質ゼラチン殻に有害であり、安定性課題をもたらすことができる。
【0099】
肝臓毒性をもたらす血流の高濃度に至っている高い投与量と関連したアセトアミノフェンの安全性又は毒性に関する懸念もある。このような懸念は、液製剤におけるアセトアミノフェンの高い投与量を含んでいる軟質ゼラチンカプセルに関連する。軟質ゼラチンカプセルは摂取中比較的急速に溶解する。そして、液製剤は血流中のアセトアミノフェンの高濃度につながることができる。したがって、それは、より遅い放出構成要素と混合されるアセトアミノフェンの即座の放出形態を供給する製剤にとって望ましい。本発明の剤形は、遅い放出構成要素によって与えられる、動きのより長い期間と組み合わされる即時の症状救助に影響を及ぼす活性成分の放出プロフィールを設計する能力を提供する。このように、溶剤におけるアセトアミノフェンの大量瞬時投与(bolus)から高い血中濃度に関連する潜在的毒性懸念が、回避される。
【0100】
本発明は、アセトアミノフェンの即座の及び遅い放出の態様を必要に応じた割合及び総投与量で混合する能力を提供する。好ましくは、腸溶性アセトアミノフェン錠剤又はカプセルは、遅い放出を提供する。即時の放出は、液体充填相に溶解されるアセトアミノフェンによって提供される。本発明により提供される強化された安全性は、アセトアミノフェン及び他の活性成分を組み込んでいる広範囲の製薬製品に適用できる。
【0101】
様々な製剤の腸溶性アセトアミノフェン錠剤又はカプレットは、周知である。本発明は、アセトアミノフェンの如何なる所望の量の如何なる適切な塗被固形剤を実用的な寸法制限に適応する。典型的被覆アセトアミノフェン錠剤又はカプレットの構成は、以下の通りである:
【0103】
軟質ゼラチンカプセルの液体及び個相のアセトアミノフェンの異なる比率を公式化することは当業者の知識の範囲内にある。固体及び液相のアセトアミノフェンの様々な比率は、軟質ゼラチンカプセルの全体の体積に、そして、その結果公称のカプセルサイズに影響を及ぼす。例えば、アセトアミノフェン錠剤又はカプセル及びアセトアミノフェン液相(アセトアミノフェンは、等しく2つの相で分けられる)を含んでいる本発明の公称の軟質ゼラチンカプセル寸法は、以下の通りである:
【0105】
アセトアミノフェン及び他の医薬品原料の組合せは、鎮痛薬、抗ヒスタミン剤又は風邪症状の緩和剤(cold relief)として有効であることができる。他の医薬品原料は、必要に応じて固体及び/又は液相に組み込まれることができる。アセトアミノフェンと結合されることができる他の活性成分は、以下を含むが、これに限定されるものではない:コデイン、コデイン・リン酸塩、コデイン硫酸塩、カフェイン、ヒドロコドン(Hydrocodone)、アセチルサルチル酸、塩酸偽エフェドリン、硫酸偽エフェドリン、臭素フェノール不アミン・マレアート、クロルシクリジン塩酸塩、クロルフェニラミン・マレアート、d-マレイン酸ブロムフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、ドキシラミン・コハク酸塩、酒石酸フェノール・インダミン、フェノール不アミン・マレアート、マレイン酸ピリラミン、塩酸トリプロリジン、デキストロメトルファン・ハイドロ臭化物、グアイフェネシン(Guaiphenesin)、塩酸フェニレフリン及びそれらの組み合わせ。
【0107】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0110】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0113】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0115】
実施例6:
即座放出及び遅い放出のイブプロフェン
【0116】
イブプロフェンは、痛み軽減のために、軟質ゼラチン製品のような広範囲の製薬製品において使用される周知の解熱性、抗炎症性及び鎮痛性成分である。イブプロフェンを含んでいる軟質ゼラチン製品は、大部分の市場において、店頭で直ちに利用できる。軟質ゼラチンカプセルは、摂取中にカプセルが比較的に急速に溶解されるので、急速に作用することで公知である。
【0117】
投与頻度の低減又は長い作用持続時間が重要な患者の利益であるときには、例えば、慢性的な痛みの治療において単一の軟質ゼラチン剤形からの即時及び遅延放出を提供することが好ましい。
【0118】
本発明は、イブプロフェンの即座の及び遅い放出の形態を必要に応じた割合及び総投与量に取り入れる能力を提供する。即時の放出は液体充填相に溶解されたイブプロフェンにより提供される。好ましくは、腸溶性イブプロフェン錠剤又はカプセルは、遅い放出を提供する。本発明によって提供されるイブプロフェンの放出の制御は、血液の最大濃度を低下させることによって、店頭製薬製品の安全が強化できる。概念は、イブプロフェン及び他の活性成分を組み込んでいる広範囲の製薬製品に適用できる。
【0119】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0123】
実施例8:
偽エフェドリン(固形剤)及びロラタジン(液相)
【0124】
ロラタジンは、長時間作用性の抗ヒスタミン剤である。偽エフェドリンは、比較的短時間作用性を有する鬱血除去剤である。ロラタジン及び偽エフェドリンを含んでいる組合せ錠剤製品は、例えば鼻詰まり及び鼻孔内のうっ血のアレルギー症の治療のために市販である。
【0125】
本発明は単一の経口剤形(oral dosage form)に2つの活性成分を提供する能力を提供する。単一の経口剤形では、1つの活性成分が即時の放出され、別の一活性成分が、遅延放出される。本発明に係る剤形の混合のために固相として適切な承認された一成分製薬剤形は、制限されないが、例えばロラタジン及びセチリジンの抗ヒスタミン剤、例えば偽エフェドリンの鬱血除去剤を含む。一成分製品は、錠剤、カプレット又はカプセルでもよい。
【0126】
本発明の一実施形態によれば、ロラタジンは、即座放出のための液体充填製剤内に提供される。徐放(Extended Release )偽エフェドリン固形剤、例えば錠剤又はカプセルは、遅効性(slow release)のために提供される。
【0127】
本発明の軟質ゼラチン剤形は以下の構成を含むことができる:
【0129】
実施例9:
マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せ
【0130】
妊婦用ビタミン剤 を含むマルチ・ビタミンは、活性成分の様々なタイプ及び量を含む栄養補給剤のカテゴリを表す。概して、マルチ・ビタミンのための剤形は、圧縮錠剤又はカプレットである。製品は、しばしば別々の剤形として表される:ブリスターカード上に並ぶと共にドコサヘキサエン酸(DHA)及び他の脂溶性栄養補給剤を含む、被覆カプセル形の錠剤(カプレット)及び軟質ゼラチンカプセル。
【0131】
代替的に、マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せは、軟質ゼラチンカプセルとして現わされることができる。軟質ゼラチンカプセルは、会社及び消費者の好適な剤形である。しかし、様々な形の複数の要素の混合及び分散、軟質ゼラチン充填製剤における物理的及び化学的タイプ、及び活性成分、機能性賦形剤(functional excipients)と軟質ゼラチンカプセル殻との間におけるインタラクティビティによって、マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せの軟質ゼラチン製剤の製剤、製造及び安定性は、非常に問題を含む。
【0132】
マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せの軟質ゼラチン製剤は、上記限界が考慮された軟質ゼラチン・カプセル充填のために、通常、適切な形で微粒状にされた固体の油及びワックス分散に基づく。固体成分の分散のために使用する油のタイプは、概して大豆油又は他の等価な食品用の油である。油の粘性は、食品ワックス又は製薬承認ワックス、例えば蜜蝋によって、調整され、固体成分の分散の均一性及び安定性を提供する。様々な物理的な特徴を有する複数の固体成分を含む充填物質の製造は、上記のように非常に問題を含む。
【0133】
本発明は、固相の非互換の成分を分離することによって、問題の成分を分離する能力を提供する。このように、従来の軟質ゼラチン製剤の製造及び安定性に関連した問題点が問われる。液体充填相は、油、例えばDHA、及び脂溶性のビタミン及び栄養補給剤を含むことができる。
【0134】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0136】
実施例10:
マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せ
【0137】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0139】
実施例11:
マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せ
【0140】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0142】
実施例12:
妊婦用のマルチ・ビタミンの組合せ
【0143】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0145】
実施例13:
マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せ
【0146】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0148】
実施例14:
マルチ・ビタミン及びマルチ鉱物の組合せ
【0149】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0151】
実施例15:
タムスロシン塩酸塩(固形剤)及びデュタステライド(液相)
【0152】
複数の活性成分を含む経口剤形を含む多くの実施例がある。通常、機能性賦形剤と各々を有する活性成分における非互換性と関連した課題が製剤設計によって、取り上げられる。
【0153】
しかし、消化管からの吸収に影響を及ぼす脂質ベースの薬運搬を必要とする可溶性脂質として分野の専門家に知られている多くの活性成分がある。脂質ベースの薬物送達システムは、摂取(例えば、SEDDS、SMEDDS)の後のエマルジョン又はミクロエマルジョンを生成する製剤に対する脂質母体における疎水性の薬物の可溶化をもたらす。脂質ベースの薬物送達の概念に関連した多くの発表された例がある。
【0154】
軟質ゼラチンカプセル形及び製造プロセスの特徴は、脂質ベースの薬物送達のための活性成分の単位投与製剤のために最適である。薬物送達は、分野の専門家により認識される。更に、例えば中間鎖のモノ及びジグリセリドの可溶性薬品の特定のタイプ、CAPMUL MCM(登録商標)は、脂質に溶解する活性成分のための優れた溶媒であることに加えて、消化管から脂質活性成分の吸収を強化する水−油系のための乳状特性を有する。
【0155】
アボダート(商標)は、CAPMUL MCM(登録商標)溶剤におけるデュタステライドを含む軟質ゼラチンカプセルの確立したブランドである。
【0156】
デュタステライドは、テストステロンのジヒドロテストステロンへの転換を阻害する5―α―還元酵素抑制剤であり、良性前立腺肥大症(BPH)の治療のために使われる。
【0157】
タムスロシンは、BPHの対症療法において、使用するα1a選択アルファ遮断薬である。塩酸タムスロシンの徐放粒剤を含んでいる殻が硬いカプセルは、様々な商品名、例えばFLOMAX(商標)の下で市場に出される。
【0158】
塩酸タムスロシンの徐放錠剤製剤は、アステラス医薬から市販している。
【0159】
デュタステライド及び塩酸タムスロシンの組合せは、JALYN(商標)の商標名で入手可能である。製品は、2つの固体成分を有する2つの部分の堅い殻のカプセルの形にある。デュタステライド軟質ゼラチンカプセル及びタムスロシンの消化器官用粒剤の量は、堅い殻のカプセルに別に組み込まれている。
【0160】
本発明は、腸溶性粒剤又はタムスロシンの錠剤形をデュタステライド含有軟質ゼラチンに組み込む能力を提供する。この方法によって、2つの活性成分の機能性放出プロフィールは、製造複雑さの低減に効果がある軟質ゼラチン剤形に組み込まれる。
【0161】
本発明の軟質ゼラチン剤形は、以下の構成を含むことができる:
【0163】
本願明細書において示されている教示からみて、本発明の他の修正及び変更は、当業者に直ちに明らかである。前述の考察及び説明は、本発明の幾つかの実施形態を図示しているが、それらに制限されるものではない。
【0164】
本願には、下記の発明も提示される。
[項1]
2つのゼラチンストリップ間にカプセル充填された少なくとも一つの既製固形剤(preformed solid dosage form)と少なくとも一つの液相(liquid phase)とを有する複数相の軟質ゼラチンカプセルを製造する装置であって、
軟質ゼラチンカプセルを2つのゼラチンストリップから形成すると共に複数の凹部を有する円筒状の第1及び第2回転ダイ(die)であって、該第1及び第2回転ダイのそれぞれが、1つの軟質ゼラチンカプセルを充填して封止する空孔を形成するために他方の回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能である円筒状の第1及び第2回転ダイと、
前記第1回転ダイに隣接して位置し、第1ゼラチンストリップを前記第1回転ダイに供給するリボンガイドローラであって、それぞれが前記第1回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能である複数の突起を有し、軟質ゼラチンカプセル殻の第1半分を形成する第1ゼラチンストリップの錠剤受け窪みを形成するリボンガイドローラと、
前記第1回転ダイに隣接して位置する剤形ガイドローラであって、それぞれが前記第1回転ダイの同程度の寸法の凹部と連動可能である複数の凹部を有し、前記既製固形剤を前記第1ゼラチンストリップの前記錠剤受け窪みに堆積させる空孔を形成して、前記複数の凹部は、前記剤形ガイドローラ上に位置するディスペンサから前記既製固形剤を受ける大きさに設定される剤形ガイドローラと、
第2ゼラチンストリップを前記第2回転ダイに供給するフィード手段と、
前記第2ゼラチンストリップに窪みを形成して、軟質ゼラチンカプセル殻の第2半分を形成する手段と、
円筒状の前記第1及び第2回転ダイの上方に位置して、少なくとも一つのノズルを用いて前記軟質ゼラチンカプセルに少なくとも一つの液相を供給する少なくとも一つの充填手段と、を備え、
前記少なくとも一つの既製固形剤と前記少なくとも一つの液相とが互いに独立的に前記軟質ゼラチンカプセルに導かれる、装置。
[項2]
前記剤形ガイドローラに隣接して配置されており、既製固形剤を前記剤形ガイドローラの前記凹部に保持するシールドを更に有する項1に記載の装置。
[項3]
前記ディスペンサが、ホッパー(hopper)、シュート(chute)、ランプ(ramp)及びフィード漏斗(feed funnel)からなる群から選択される、項1に記載の装置。
[項4]
少なくとも一つの既製固形剤と少なくとも一つの液相との軟質ゼラチンカプセルへのカプセル充填方法であって、
第1カプセル殻片を提供するステップと、
少なくとも一つの既製固形剤を前記第1カプセル殻片に導くステップと、
第2カプセル殻片を提供するステップと、
前記第1及び第2カプセル殻片を一緒に端部で動かして空孔を形成するステップと、
少なくとも一つの液相を前記空孔に導くステップと、
前記第1及び第2カプセル殻片を封止して前記軟質ゼラチンカプセルを形成するステップと、を備え、
前記少なくとも一つの既製固形剤と前記少なくとも一つの液相とが互いに独立的に軟質
ゼラチンカプセルに導かれる方法。
[項5]
前記少なくとも一つの既製固形剤が、錠剤、カプレット、カプセル、固体材料のスラグ及び粒剤からなる群から選択される、項4に記載の方法。
[項6]
少なくとも一つの活性成分を備える少なくとも一つの既製固形剤と少なくとも1つの液体充填相とを備える経口投与のための複数相の軟質ゼラチンカプセルであって、
前記少なくとも一つの固形剤と前記少なくとも一つの液体充填相とが、互いに独立的に前記軟質ゼラチンカプセルに導かれる、複数相の軟質ゼラチンカプセル。
[項7]
前記少なくとも一つの既製固形剤は、製薬等級決定剤形である、項6に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項8]
前記少なくとも一つの既製固形剤錠剤は、カプレット、カプセル、固体材料のスラグ及び粒剤からなる群から選択される、項6又は7に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項9]
前記少なくとも一つの既製固形剤の前記少なくとも一つの活性成分が、医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項6〜8の何れか一項に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項10]
前記少なくとも1つの液体充填相は、親油性又は親水性である項6〜9の何れか一項に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項11]
親油性の前記少なくとも一つの液体充填相が希釈油を備える、項10に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項12]
前記希釈油が植物油、鉱油、食品用油、製薬上許容可能な油又はそれらの混合物からなる、項11に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項13]
前記少なくとも一つの液体充填相が、少なくとも一つの活性成分を更なる備える、項6〜12の何れか一項に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項14]
前記少なくとも一つの液体充填相の前記少なくとも一つの活性成分は、医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項13に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項15]
前記少なくとも一つの既製固形剤の前記医薬品原料がアスピリン錠であり、前記少なくとも一つの液体充填相の前記少なくとも一つの活性成分がオメガ3系油である、項14に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項16]
前記少なくとも一つの既製固形剤の前記医薬品原料はアセトアミノフェン錠剤であり、
前記少なくとも一つの液体充填相の前記少なくとも一つの活性成分は、コデイン、コデイン・リン酸塩、コデイン硫酸塩、カフェイン、ヒドロコドン、アセチルサルチル酸、塩酸偽エフェドリン、硫酸偽エフェドリン、マレイン酸デクスクロルフェニラミン、クロルシクリジン塩酸塩、クロルフェニラミン・マレアート、デキスブロムフェニルアミンマレアート、デキスクロルフェニルアミンマレアート、塩酸ジフェンヒドラミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、ドキシラミン・コハク酸塩、酒石酸フェノール・インダミン、フェノール不アミン・マレアート、ピリラミンマレアート、塩酸トリプロリジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、グアイフェネシン、塩酸フェニレフリン、アセトアミノフェン及びそれらの組み合わせから群から選択される、項14に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項17]
前記少なくとも一つの既製固形剤の前記医薬品原料は、アセトアミノフェン錠剤であり、
前記少なくとも一つの液体充填相の前記少なくとも一つの活性成分はアセトアミノフェンである、項16に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項18]
前記少なくとも一つの既製固形剤の前記医薬品原料は、イブプロフェン錠剤であり、
前記少なくとも一つの液体充填相の前記少なくとも一つの活性成分は、イブプロフェンである、項14に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項19]
前記少なくとも一つの既製固形剤の前記医薬品原料は、偽エフェドリン・カプレットであり、
前記少なくとも一つの液体充填相の前記少なくとも一つの活性成分は、ロラタジンである、項14に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項20]
前記少なくとも一つの既製固形剤は、少なくとも一つのコーティングを有する、項6〜19の何れか一項に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項21]
前記既製固形剤の前記少なくとも一つのコーティングは、即座に放出可能なコーティング、保護コーティング、腸溶性又は遅延性の放出コーティング、持続的に放出可能なコーティング、バリアコーティング、水分シールド・コーティング及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項20に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項22]
前記既製固形剤の前記少なくとも一つのコーティングは、フイルムコーティング、ゼラチンコーティング及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項20又は21に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項23]
前記既製固形剤の前記少なくとも一つのコーティングは、少なくとも一つの活性成分を更に含む、項20〜22の何れか一項に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項24]
前記少なくとも一つの活性成分は、医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項23に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項25]
前記軟質ゼラチンカプセルは、少なくとも一つのコーティングを有する、項6〜24の何れか一項に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項26]
前記軟質ゼラチンカプセル上の前記少なくとも一つのコーティングは、即座に放出可能なコーティング、保護コーティング、腸溶性又は遅延性の放出コーティング、持続的に放出可能なコーティング、バリアコーティング及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項25に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項27]
前記軟質ゼラチンカプセル上の前記少なくとも一つのコーティングが、少なくとも一つの活性成分を更に含む、項25又は26に記載の軟質ゼラチンカプセル。
[項28]
前記少なくとも一つの活性成分が医薬品原料、栄養補助食品、栄養補給剤、治療的な物質、機能性賦形剤及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項27に記載の軟質ゼラチンカプセル。