特許第6586498号(P6586498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6586498
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】模型玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/22 20060101AFI20190919BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20190919BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20190919BHJP
   G09F 13/00 20060101ALN20190919BHJP
【FI】
   A63H33/22 A
   G02B6/00 301
   G02B6/42
   !G09F13/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-181800(P2018-181800)
(22)【出願日】2018年9月27日
【審査請求日】2018年12月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】沢入 透
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 勇助
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
【審査官】 中村 和正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−006008(JP,A)
【文献】 実開平03−018896(JP,U)
【文献】 特開平09−187575(JP,A)
【文献】 特表平07−501464(JP,A)
【文献】 特開2015−207476(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3107706(JP,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0082261(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
第1発光部材と、
前記第1発光部材と重ね合された第2発光部材と、
を備え、
前記第1発光部材は、
前記光源からの光を複数方向へ分割する第1分光部と、
前記第1分光部からの光を導く複数の第1導光体と、
を有し、
前記複数の第1導光体それぞれの先端部には、当該第1導光体によって導かれた光を反射して第1方向に光を射出する第1発光部が設けられており、
前記第2発光部材は、
前記光源からの光を複数方向へ分割する第2分光部と、
前記第2分光部からの光を導く複数の第2導光体と、
を有し、
前記複数の第2導光体それぞれの先端部には、当該第2導光体によって導かれた光を反射して第2方向に光を射出する第2発光部が設けられており、
前記複数の第1導光体は、前記複数の第1導光体と一体に形成され、導光方向に延びる少なくとも1つのリブをそれぞれ有し、
前記複数の第2導光体は、前記複数の第2導光体と一体に形成され、導光方向に延びる少なくとも1つのリブをそれぞれ有する模型玩具。
【請求項2】
請求項1記載の模型玩具であって、
前記第1導光体の前記リブは、前記第1分光部から前記第1導光体の前記先端部まで延びており、
前記第2導光体の前記リブは、前記第2分光部から前記第2導光体の前記先端部まで延びている模型玩具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の模型玩具であって、
前記複数の第1導光体のなかで相対的に長い第1導光体ほど前記リブの数が多く、
前記複数の第2導光体のなかで相対的に長い第2導光体ほど前記リブの数が多い模型玩具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の模型玩具であって、
前記第1発光部材と前記第2発光部材との重ね合わせ方向に、前記光源、前記第1分光部、前記第2分光部の順に配置されており、前記第1分光部を透過した一部の光が前記第2分光部に入射し、
前記第1分光部は、前記光源に対して凹となる円錐状に形成された第1プリズム面を有し、
前記第2分光部は、前記光源に対して凸となる円錐状に形成された第2プリズム面を有する模型玩具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項記載の模型玩具であって、
前記複数の第1導光体と、前記複数の第2導光体とは、前記第1発光部材と前記第2発光部材との重ね合わせ方向に対向して配置される第1導光体と第2導光体とのペアを1つ以上構成し、
ペアとなる前記第1導光体及び前記第2導光体それぞれの前記リブは、前記重ね合わせ方向に接している模型玩具。
【請求項6】
請求項5記載の模型玩具であって、
前記第1発光部材と、前記第2発光部材とは、同じ部材であり、前記重ね合わせ方向に見た場合に、それぞれ左右対称形状である模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
アクセサリ、人形等のグッズの内部に発光素子が装着されたイルミネーショングッズが知られている。特許文献1に記載されたイルミネーショングッズは、薄肉の透光体で形成された羽根を有する人形であって、2枚の羽根の中間部には、発光素子と電池が配置されている。発光素子の光は、左右両側の羽根の中間部に入射し、羽根の内部を導光され、2枚の羽根の外側辺部から出射される。これにより、2枚の羽根の外側辺部が発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−187575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたイルミネーショングッズは、光を導光する羽根が薄肉の透光体によって形成されており、厚肉の透光体で形成されている場合と比較し、入射部から出射部まで導光される間に透光体内部で繰り返される光の反射が多くなる。このため、光の導光効率が低く、導光距離が長くなるほどに光が著しく減衰される。発光部が複数箇所に設けられる場合に、全ての発光部において所望の発光強度を得ることが難しい。一方、厚肉の透光体によれば、導光効率は高まるが、成型時の収縮による変形が発生し、部品の組み立てが困難となる虞があり、製造コストも上昇する。
【0005】
本発明は、成形性に優れ、1つの光源により複数箇所を効率的に発光させることができる模型玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る模型玩具は、光源と、第1発光部材と、前記第1発光部材と重ね合された第2発光部材と、を備え、前記第1発光部材は、前記光源からの光を複数方向へ分割する第1分光部と、前記第1分光部からの光を導く複数の第1導光体と、を有し、前記複数の第1導光体それぞれの先端部には、当該第1導光体によって導かれた光を反射して第1方向に光を射出する第1発光部が設けられており、前記第2発光部材は、前記光源からの光を複数方向へ分割する第2分光部と、前記第2分光部からの光を導く複数の第2導光体と、を有し、前記複数の第2導光体それぞれの先端部には、当該第2導光体によって導かれた光を反射して第2方向に光を射出する第2発光部が設けられており、前記複数の第1導光体は、導光方向に延びる少なくとも1つのリブをそれぞれ有し、前記複数の第2導光体は、導光方向に延びる少なくとも1つのリブをそれぞれ有する。
【0007】
また、本発明に係る模型玩具においては、前記第1導光体の前記リブが、前記第1分光部から前記第1導光体の前記先端部まで延びており、前記第2導光体の前記リブが、前記第2分光部から前記第2導光体の前記先端部まで延びていてもよい。
【0008】
また、本発明に係る模型玩具においては、前記複数の第1導光体のなかで相対的に長い第1導光体ほど前記リブの数が多く、前記複数の第2導光体のなかで相対的に長い第2導光体ほど前記リブの数が多くてもよい。
【0009】
また、本発明に係る模型玩具においては、前記第1発光部材と前記第2発光部材との重ね合わせ方向に、前記光源、前記第1分光部、前記第2分光部の順に配置されており、前記第1分光部を透過した一部の光が前記第2分光部に入射し、前記第1分光部は、前記光源に対して凹となる円錐状に形成された第1プリズム面を有し、前記第2分光部は、前記光源に対して凸となる円錐状に形成された第2プリズム面を有してもよい。
【0010】
また、本発明に係る模型玩具においては、前記複数の第1導光体と、前記複数の第2導光体とが、前記第1発光部材と前記第2発光部材との重ね合わせ方向に対向して配置される第1導光体と第2導光体とのペアを1つ以上構成し、ペアとなる前記第1導光体及び前記第2導光体それぞれの前記リブは、前記重ね合わせ方向に接していてもよい。
【0011】
また、本発明に係る模型玩具においては、前記第1発光部材と、前記第2発光部材とが、同じ部材であり、前記重ね合わせ方向に見た場合に、それぞれ左右対称形状であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、成形性に優れ、1つの光源により複数箇所を効率的に発光させることができる模型玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態を説明するための、模型玩具の一例の正面図である。
図2図1の模型玩具の分解斜視図である。
図3図1の模型玩具の第1発光部材の前面側の斜視図である。
図4図1の模型玩具の第1発光部材の後面側の斜視図である。
図5図1の模型玩具の第1分光部及び第2分光部における光の進路を示す模式図である。
図6図1の模型玩具の第1導光体及び第2導光体における光の進路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための模型玩具の一例を示す。
【0015】
図1に示す模型玩具は、戦闘人形等に付属する武器10であり、武器10は、本体部11と、本体部11の一端に取り付けられた先端カバー12と、本体部11の両側に取り付けられた一対のサイドカバー13とを有する。
【0016】
先端カバー12は、本体部11の長手方向に沿って本体部11に対して接近又は離間するようにスライド可能である。また、サイドカバー13は、本体部11の幅方向に沿って本体部11に対して接近又は離間するようにスライド可能である。そして、サイドカバー13は、図示しないリンク機構を介して先端カバー12と連結されており、先端カバー12のスライド動作に応じて、サイドカバー13もまたスライドされる。
【0017】
本体部11は、正面及び背面の複数箇所に開口部14を有する。先端カバー12及びサイドカバー13が本体部11に接近する方向にスライドされている状態では、全ての開口部14は、先端カバー12及びサイドカバー13によって塞閉される。一方、先端カバー12及びサイドカバー13が本体部11から離間する方向にスライドされている状態では、全ての開口部14が露出される。
【0018】
図2に示すように、本体部11は、本体部11の背面側(第1方向側)を形成する第1本体部15と、本体部11の正面側(第2方向側)を形成する第2本体部16とを有する。第1本体部15と第2本体部16との間には、第1発光部材20A及び第2発光部材20Bが配置されている。第1発光部材20Aと第2発光部材20Bとは重ね合されており、重ね合わせ方向に第1本体部15と第2本体部16とによって挟持されている。
【0019】
第1本体部15の外表面には、光源部カバー17が取り付けられる。光源部カバー17は、LED等の光源18、光源18の点灯及び消灯を制御する制御回路(不図示)、及び電池(不図示)等を保持している。第1本体部15において光源部カバー17が取り付けられる箇所には孔19が設けられており、光源部カバー17が第1本体部15に取り付けられることにより、光源部カバー17に保持された光源18が孔19を通して本体部11の内部に挿入される。
【0020】
本体部11の内部に収容された光源18は、重ね合されている第1発光部材20A及び第2発光部材20Bのうち、第1発光部材20Aと対向して配置される。光源18の光は、第1発光部材20Aに入射し、また、第1発光部材20Aを介して第2発光部材20Bに入射する。第1発光部材20A及び第2発光部材20Bは、アクリル、ポリカーボネート等の透明又は半透明な樹脂材料からなる。
【0021】
第1発光部材20Aは、第1本体部15の5箇所の開口部14にそれぞれ重なって配置される5つの第1発光部21A〜25Aを有する。第1発光部材20Aに入射した光は、第1発光部材20Aの内部を導光されて第1発光部21A〜25Aに達し、第1発光部21A〜25Aから出射される。第1本体部15の5箇所の開口部14が露出されている状態で、これらの開口部14を通し、第1発光部21A〜25Aの発光が視認可能である。
【0022】
第2発光部材20Bは、第2本体部16の5箇所の開口部14にそれぞれ重なって配置される5つ第2発光部21B〜25Bを有する。第2発光部材20Bに入射した光は、第2発光部材20Bの内部を導光されて第2発光部21B〜25Bに達し、第2発光部21B〜25Bから出射される。第2本体部16の5箇所の開口部14が露出されている状態で、これらの開口部14を通し、第2発光部21B〜25Bの発光が視認可能である。
【0023】
図3及び図4は、第1発光部材20Aを示す。
【0024】
第1発光部材20Aは、第1分光部26Aと、5つの第1導光体27A〜31Aとを有する。光源18の光は、まず第1分光部26Aに入射し、第1分光部26Aに入射した光は、第1分光部26Aによって複数方向へ分割される。第1導光体27A〜31Aは、第1分光部26Aから放射状に延びており、第1分光部26Aによって分割された光を各導光体の長さ方向にそれぞれ導光する。
【0025】
上記5つの第1発光部21A〜25Aは、第1導光体27A〜31Aの先端部に設けられている。図3に示す第1発光部21A〜25Aの前面側は平板状に形成されており、第1発光部21A〜25Aの前面側が第1本体部15の5箇所の開口部14に向くように、第1発光部材20Aは第1本体部15に組み付けられる。一方、図4に示す第1発光部21A〜25Aの後面側は凹凸状に形成されている。第1発光部21A〜25Aに導光された光は、各発光部の後面側の凹凸によって散乱され、各発光部の前面側から出射される。
【0026】
第1導光体27A〜31Aのうち、第1導光体27Aが最も長く形成されている。第1分光部26Aを通り且つ第1導光体27Aに沿って延びる軸線Xを中心にして、第1発光部材20Aは左右対称に形成されており、第1導光体27Aを除く第1導光体28A〜31Aのうち、第1導光体28Aと第1導光体29Aとが対称となっており、第1導光体30Aと第1導光体31Aとが対称となっている。そして、第1導光体28A,29Aは最も短く形成されており、第1導光体30A,31Aは、第1導光体27Aよりも短く且つ第1導光体28A,29Aよりも長く形成されている。
【0027】
図3に示す第1導光体27A〜31Aの前面側は平板状に形成されている。一方、図4に示す第1導光体27A〜31Aの後面側にはリブ32が設けられている。第1導光体27A〜31Aそれぞれのリブ32は、各導光体の長さ方向に延びており、各導光体と一体に形成されている。
【0028】
第1導光体27Aを例にして、リブ32が形成されることにより、リブ32の形成箇所における第1導光体27Aの厚みが大きくなる。これにより、光が第1導光体27Aの先端部(第1発光部21A)に向けて第1導光体27Aの内部を導光される際に、第1導光体27Aの内部で繰り返される光の反射が少なくなり、導光効率が高まる。導光効率を高める観点から、第1導光体27Aに形成されるリブ32は、好ましくは、第1分光部26Aから第1導光体27Aの先端部(第1発光部21A)まで延びる。
【0029】
そして、第1導光体27Aの厚みが、リブ32の形成箇所において部分的に大きくなっていることから、第1導光体27A全体が肉厚に形成される場合に比べて、成型時の収縮による第1導光体27Aの変形が抑制される。第1導光体27Aの変形が抑制されることにより、例えば第1発光部材20Aと第1本体部15との組み立て、第1発光部材20Aと第2発光部材20Bとの組み立てが容易となる。他の第1導光体28A〜31Aについても同様であり、リブ32が形成されることによって導光効率が高まり、且つ成形性も高まる。
【0030】
第1導光体27A〜31Aそれぞれのリブ32は、導光体毎に1つに限定されず、複数設けられてもよい。リブ32が導光体毎に複数設けられ得る場合に、第1導光体27A〜31Aそれぞれの長さに応じてリブ32の数が設定されてもよく、好ましくは、相対的に長い導光体ほどリブ32の数が多く設定される。図4に示す例では、第1導光体27A〜31Aのうち最も長い第1導光体27Aには、7つのリブ32が設けられており、最も短い第1導光体28A,29Aには、2つのリブ32が設けられており、中間の長さの第1導光体30A,31Aには、3つのリブ32が設けられている。
【0031】
第1導光体27A〜31Aそれぞれの導光効率は、各導光体の長さにも関連しており、長いほどに低下するところ、相対的に長い導光体ほどリブ32の数が多く設定されることにより、長さに起因する導光効率の低下を補うことができる。これにより、第1導光体27A〜31Aそれぞれの導光効率を調整し、第1発光部21A〜25Aの輝度を均一化できる。
【0032】
図2を参照して、第2発光部材20Bは、第2分光部26Bと、5つの第2導光体27B〜31Bとを有し、5つの第2発光部21B〜25Bは、第2導光体27B〜31Bの先端部に設けられている。第2分光部26Bは、第1発光部材20Aの第1分光部26Aと同一に形成されており、5つの第2導光体27B〜31Bは、第1発光部材20Aの5つの第1導光体27A〜31Aと同一に形成されており、5つの第2発光部21B〜25Bは、第1発光部材20Aの5つの第1発光部21A〜25Aと同一に形成されている。すなわち、第1発光部材20Aと第2発光部材20Bとは、同じ部材である。
【0033】
そして、第1発光部材20Aと第2発光部材20Bとは後面側を突き合わせて重ね合される。上記のとおり、第1発光部材20Aは、軸線Xを中心に左右対称な形状であり、第2発光部材20Bもまた左右対称な形状である。したがって、重ね合わせ方向に対向して配置される第1導光体と第2導光体とをペアとして、5つの第1導光体27A〜31Aと、5つの第2導光体27B〜31Bとは、5つのペア(第1導光体27Aと第2導光体27Bのペア、第1導光体28Aと第2導光体29Bのペア、第1導光体29Aと第2導光体28Bのペア、第1導光体30Aと第2導光体31Bのペア、第1導光体31Aと第2導光体30Bのペア)を構成する。
【0034】
図5は、第1分光部26A及び第2分光部26Bにおける光の進路を模式的に示す。
【0035】
第1発光部材20A及び第2発光部材20Bの重ね合わせ方向に、光源18、第1分光部26A、第2分光部26Bの順に配置されている。第1分光部26Aの前面側には、光源18に対して凹となる円錐状の第1プリズム面33Aが設けられている。第2分光部26Bの前面側にも、第1プリズム面33Aと同一形状に形成された円錐状の第2プリズム面33Bが設けられているが、第2プリズム面33Bは、第1プリズム面33Aとは逆に、光源18に対して凸となる。
【0036】
光源18の光は、第1プリズム面33Aを透過して第1分光部26Aに入射する。第1分光部26Aに入射した光のうち、一部の光は、第1分光部26Aと第2分光部26Bとの境界部B1にて第1分光部26A側に反射され、一部の光は、境界部B1を通過して第2分光部26Bに入射する。第1分光部26A側に反射された光は、第1プリズム面33Aによって360°全方位に反射され、第1導光体27A〜31Aに入射する複数の光に分割される。一方、第2分光部26Bに入射した光は、第2プリズム面33Bによって360°全方位に反射され、第2導光体27B〜31Bに入射する複数の光に分割される。
【0037】
ここで、第1プリズム面33A及び第2プリズム面33Bの頂角θが過度に小さいと、光源18の光が第1プリズム面33Aに入射する際の入射角度が過度に大きくなり、第1プリズム面33Aを透過して第1分光部26Aに入射する光が減少する。また、頂角θが過度に大きいと、第2プリズム面33Bに入射する際の入射角度が過度に小さくなり、光が第2プリズム面を透過して第2分光部26Bの外に逃げてしまう。第1プリズム面33A及び第2プリズム面33Bにて全反射が生じる臨界角をαとして、頂角θは、好ましくは、第1プリズム面33Aに対する光の入射角度が第1プリズム面全体において臨界角α以下となり、第2プリズム面33Bに対する光の入射角度が第2プリズム面全体において臨界角α以上となるように設定され、第1発光部材20A及び第2発光部材20Bの材料の屈折率にもよるが、例えば110°〜130°である。
【0038】
図6は、第1導光体27A及び第2導光体27Bにおける光の進路を模式的に示す。
【0039】
上述したとおり、第1プリズム面33Aによって反射された光のうち、一部の光が第1導光体27Aに入射し、第2プリズム面33Bによって反射された光のうち、一部の光が第2導光体27Bに入射する。そして、第1導光体27Aに入射した光は、第1導光体27Aの先端部(第1発光部21A)に向けて導光され、第2導光体27Bに入射した光は、第2導光体27Bの先端部(第2発光部21B)に向けて導光される。
【0040】
ここで、第1発光部材20Aと第2発光部材20Bとが後面側を突き合わせて重ね合されていることにより、第1導光体27Aのリブ32と第2導光体27Bのリブ32とが、重ね合わせ方向に接している。上述したとおり、第1導光体27A及び第2導光体27Bは、成型時の収縮による変形が抑制されているので、リブ32同士は密に接する。第1導光体27Aに入射した光と、第2導光体27Bに入射した光とは、リブ32同士の境界部B2を跨いで第1導光体27A及び第2導光体27Bを相互に行き来し、第1導光体27A及び第2導光体27Bそれぞれの先端部に向かうに従って混ざり合う。このため、ペアとなる第1導光体27Aと第2導光体27Bとで入射光量が相違していても、第1発光部21Aの輝度と第2発光部21Bの輝度とが均一化される。
【0041】
第1導光体と第2導光体との他のペア(第1導光体28Aと第2導光体29Bのペア、第1導光体29Aと第2導光体28Bのペア、第1導光体30Aと第2導光体31Bのペア、第1導光体31Aと第2導光体30Bのペア)についても同様であり、したがって、第1発光部材20Aの5つの第1発光部21A〜25A、及び第2発光部材20Bの5つの第2発光部21B〜25Bの輝度が均一化される。
【0042】
以上、武器10を例にして本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した武器10に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能であり、複数箇所に発光部を有する乗り物等の模型玩具にも適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 武器
11 本体部
12 先端カバー
13 サイドカバー
14 開口部
15 第1本体部
16 第2本体部
17 光源部カバー
18 光源
19 孔
20A 第1発光部材
20B 第2発光部材
21A〜25A 第1発光部
21B〜25B 第2発光部
27A〜31A 第1導光体
27B〜31B 第2導光体
32 リブ
33A 第1プリズム面
33B 第2プリズム面
【要約】
【課題】成形性に優れ、1つの光源により複数箇所を効率的に発光させることができる模型玩具を提供する。
【解決手段】模型玩具10は、光源18と、第1発光部材20Aと、第2発光部材20Bと、を備える。第1発光部材20Aは、光源18からの光を複数方向へ分割する第1分光部26Aと、第1分光部26Aからの光を導く第1導光体27A〜31Aと、を有する。第1導光体27A〜31Aのそれぞれの先端部には第1発光部21A〜25Aが設けられている。第2発光部材20Bも同様に、第2分光部26Bと、第2導光体27B〜31Bと、を有し、第2導光体27B〜31Bのそれぞれの先端部には、第2発光部21B〜25Bが設けられている。第1導光体27A〜31A及び第2導光体27B〜31Bは、導光方向に延びる少なくとも一つのリブ32をそれぞれ有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6