(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586522
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】接続片
(51)【国際特許分類】
H02K 3/22 20060101AFI20190919BHJP
H02K 3/24 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
H02K3/22
H02K3/24 Z
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-516697(P2018-516697)
(86)(22)【出願日】2016年9月26日
(65)【公表番号】特表2018-533344(P2018-533344A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016072807
(87)【国際公開番号】WO2017055202
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年7月6日
(31)【優先権主張番号】102015116811.1
(32)【優先日】2015年10月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516297448
【氏名又は名称】ダイナミック イー フロー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ナデレル,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シュワイナート,ニコラウス
【審査官】
島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−19567(JP,A)
【文献】
特開2013−188030(JP,A)
【文献】
特表2017−517859(JP,A)
【文献】
特開2002−239489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/22
H02K 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気導波路と冷却管とを接続するための接続片であって、
中空の内部空間を有する流体密封ハウジング(1)と、
前記導波路を受け入れるための前記ハウジング(1)内の導波路開口部(2)と、
冷却管を収容するための前記ハウジング(1)内の冷却管開口部(3)と、
電気絶縁性分離要素(4)を備え、
内部空間は前記導波路開口部(2)と前記冷却管開口部(3)とを液圧的に接続するように形成され、前記ハウジング(1)は、冷却管側ハウジング部(5)と、前記冷却管側ハウジング部(5)から分離可能な導波路側ハウジング部(6)とを備え、前記冷却管側ハウジング部(5)と前記導波路側ハウジング部(6)との間に分離要素(4)が配置され、分離要素(4)は冷却管側ハウジング部(5)と導波路側ハウジング部(6)とが互いから離間するように離れて隣接するように形成され、
分離要素(4)が冷却溝(7)を有する球状に形成される、ことを特徴とする、接続片。
【請求項2】
前記分離要素(4)がセラミック材料から成ることを特徴とする、請求項1に記載の接続片。
【請求項3】
前記接続片は、前記導波路開口部(2)内に配置された、前記導波路を前記導波路側ハウジング部(6)に固定するための導電性連結片(8)を備え、前記連結片(8)は、前記連結片(8)の玉側の端部に、球形の断片状または円錐形の凹部(9)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の接続片。
【請求項4】
前記連結片(8)は、前記連結片(8)の導波路側の端部に集積ディスク(10)を含み、集積ディスク(10)は電気導波路を受けるための2つ以上の孔を有することを特徴とする、請求項3に記載の接続片。
【請求項5】
前記連結片(8)はコンタクトプレート(11)を含み、前記コンタクトプレート(11)は、前記導波路側ハウジング部(6)を通って形成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の接続片。
【請求項6】
前記ハウジング(1)は2つ以上の内部空間を有し、前記内部空間の第1の内部空間と、第1の内部空間とは異なる前記内部空間の第2の内部空間は、前記ハウジング(1)の内部で液圧的に互いに離されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接続片。
【請求項7】
前記第1の内部空間は1つの導波路開口部(2)に液圧的に接続され、前記第2の内部空間は3つの導波路開口部(2)に液圧的に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の接続片。
【請求項8】
前記第1の内部空間は2つの導波路開口部(2)に液圧的に接続され、前記第2の内部空間は2つの導波路開口部(2)に液圧的に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の接続片。
【請求項9】
冷却管側ハウジング部(5)と導波路側ハウジング部(6)は、板バネ軸受ネジ(12)によって互いに接続されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の接続片。
【請求項10】
前記冷却管側ハウジング部(5)は、銅から成ることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の接続片。
【請求項11】
前記導波路側ハウジング部(6)は、ガラス繊維強化プラスチックから成ることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接続片。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気導波路と冷却管とを接続するための接続片に関する。前記接続片は、中空の内部空間を有するハウジングと、前記導波路を受け入れるための前記ハウジング内の導波路開口部と、ハウジング内に冷却管を収容する冷却管開口部と、電気絶縁性分離要素とを備え、内部空間は導波路開口部と冷却管開口部とが液圧的な接続により形成され、ハウジングは、冷却管側ハウジング部と、冷却管側ハウジング部から分離可能な導波路側ハウジング部とを備える。冷却管側ハウジング部と導波路側ハウジング部との間に分離要素が配置され、冷却管側ハウジング部と導波路側ハウジング部とが互いに隣接するように設計され、冷却溝を有する。前記冷却溝は内部構造の一部である。
【0002】
本発明の文脈における電気導波路とは、冷却液の水圧導通および電流の電気伝導のために使用することを可能とする導波路を意図する。特に、電気導波路は、円形状であり、1.0mm〜3.2mmの範囲の外径を有する。
【0003】
電気導波路および冷却管を流れる冷却剤は電気絶縁性流体からなり、流体は液状または気体状である。流体が気体状の場合は、すべての油圧機器への言及を空気圧機器に置き換える必要がある。例えば、導波路開口部と冷却管開口部の内部が空気圧接続を形成することが挙げられる。
【0004】
一般的な接続片は、出願人の国際特許出願PCT/EP2015/057400から公知であり、これは本出願に先行し公開されている。従って、例えば100バール以上の非常に高い圧力および/または、例えば100℃より高い温度で一般的な接続片を非常に正確に組み立てなければならず、これにより費用負担が高まり、かつエラーが発生しやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、製造が容易かつ耐故障性である上述のタイプの接続片を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を解決するために、本発明は、分離要素が球状に形成されている上述のタイプの接続片を提案する。球状に形成することの大きな利点は、中空の導波路側ハウジング部に対する冷却管側ハウジング部の自動的なセンタリングのために、本発明による接続片の組立において提供される。少なくとも最終組立位置を確定する直前に、中空導波路側ハウジング部に対する冷却管側ハウジング部の球の形状が正確に調整される。冷却管側ハウジング部と中空導波路側ハウジング部との間のオフセット電圧は、本発明による接続片の気密性を損なう可能性があるので構造的に排除される。このように、本発明の接続片は機能を失うことなく、製造が容易かつ耐故障性である。更に、その形状により球は最適な耐圧性をもつ。特に、必要とされる内圧が高圧における場合において、材料の疲労圧力および/または電圧ピークが回避され、本発明による接続片の寿命を著しく延命する。球の冷却溝は通路開口部、特に貫通孔である。
【0007】
本発明において特に有利な実施形態では、分離要素はセラミック材料から成る。セラミック材料は、耐圧性、耐熱性、および電気絶縁性に優れている。好ましいセラミック材料はジルコニアである。本発明における別の実施形態では、分離要素は、より低い圧力およびより低い温度で十分な安定を保つポリテトラフルオロエチレン(PTFE、Teflon(登録商標))で作られる。
【0008】
本発明における非常に有利な実施形態では、接続片は導波路開口部内に配置され、電気導波路を中空導波路側ハウジング部に取り付けるための導電性接続片を含み、該接続片は球状の形状または円錐形の凹状の断片を球の端部に有する。接続片は、通常細線の電気導波路と導波路側ハウジング部との間のアダプタとしての役割を果たす。球状の凹部を有する断片は、球を部分的に囲み、球との安定した接続を提供する。球の直径は、4mm〜30mmの範囲内であり、球形または円錐形の凹部を有する断片と球の大きさは一致する。好ましくは、直径は8mm、10mm、12mmまたは15mmに等しい。
【0009】
本発明のさらなる実施形態では、接続片は、接続片の中空導体端部に集積ディスクを備え、該集積ディスクは、電気導波路を受け入れるための2つ以上の孔を有する。集積ディスクは、2つ以上の電気導波路の接続部への液圧的及び電気的合流に役立つ。集積ディスクは、好ましくは3,6,9またはそれ以上の孔を有する。代替の実施形態において、集積ディスクは、電気導波路を受け入れるための唯一の孔を有する。この場合は、集積ディスクはスリーブである。
【0010】
本発明における別の実施形態では、連結片はコンタクトプレートを含み、該コンタクトプレートは中空導波路側ハウジング部を通過することによって形成される。コンタクトプレートは、ハウジングの外部からアクセス可能な接続片の電気導波路のための電気的接続を提供する。
【0011】
本発明における極めて有利な実施形態では、ハウジングは2つ以上の内部空間を有し、該内部空間における第1の内部空間と、第1の内部とは異なる第2の内部空間とは、ハウジング内の内部空間から液圧的に分離される。ハウジング内に2つ以上の内部空間を有するため、接続片は、入口および出口を有する1つまたは複数の回路および/または冷却回路を可能にする装置における、大きな利点を提供する。従って、本発明による接続片は、電気導波路で巻かれたコイルを含む電磁機械に対する中央の電気的かつ油圧的な接続装置として機能する。
【0012】
本発明における第1の特定の実施形態では、第1の内部は液体駆動により導波路開口部に接続され、第2の内部は3つの導波路開口部に液体駆動により接続される。この構成は、例えば三相交流用のスター結線において使用される。第1の内部における導波路開口部は、この場合、冷却剤入口を介して冷却剤が供給される液圧的なスターポイントである。スターポイントから出発し、1つ以上の電気導波路がスター接続の3つのアーム内へと導かれる。1つまたは複数の電気導波路を含む相が、各アームから冷却剤出口に接続された第2の内部空間の3つの導波路開口のうちの1つに液圧的に戻される。導波路開口部は、全て互いに電気的に絶縁されている。
【0013】
本発明における第1の特定の実施形態では、第1の内部は液体駆動により導波路開口部に接続され、第2の内部は3つの導波路開口部に液体駆動により接続される。この構成は、例えば三相交流用のデルタ接続において使用される。第1の内部空間の2つの導波路開口は冷却剤入口に接続され、導波路開口は1つまたは複数の導波路に接続され、他の導波路開口は1つまたは複数の電気導波路に接続される。電気導波路は、デルタ接続における3本の脚部により導かれる。各脚部において、冷却剤出口に接続された第2の内部の2つの導波路開口部に押し戻される1つ以上の電気導波路を含む相であり、一方の導波路開口部は複数の電気導波路に接続され、他の導波路開口部は1または複数の電気導波路が接続されている。他の導波路開口部は、それぞれが互いに電気的に接続されている。さもなければ、導波路開口部は互いに電気的に絶縁される。
【0014】
本発明における非常に有利な実施形態では、冷却管側ハウジング部および中空導波路側ハウジング部は、板バネ軸受ネジによって互いに接続されている。ネジに関し、特にスチール製のネジは、2つのハウジング部品の連続的かつ十分な強度の圧迫を可能にし、2つのハウジング部品間の密な接続を達成する。ネジの締付トルクは約6Nmである。皿バネは、ハウジング部品の幾何学的な延長部における温度に関連する変動を補償する。
【0015】
本発明における好ましい実施形態では、銅製の冷却管側ハウジング部および中空導波路側ハウジング部はガラス繊維強化プラスチックからなる。銅は、特に50未満のビッカース硬度および約200N /mm
2の引張強度を有する軟質銅である。更に、多くのセラミック材料の2:1における熱膨張係数に対する銅の熱膨張係数の比は、冷却管側ハウジング部と球との間の広温度範囲のシールド接続の達成に最適であることが判明している。ガラス繊維強化プラスチックは、中空導波路側ハウジング部に十分な機械的安定性および電気絶縁性を付与し、個々の導波路開口部間の短絡または電圧破壊を排除する。
【0016】
本発明における接続片は、少なくとも1つの電気導波路が巻回された少なくとも1つのコイルを含む電磁機器に使用される。好ましい電磁機器は、電気モータ、発電機、変圧器、チョーク、周波数変換器およびバッテリである。適切に配置されることにより、このように完全な電気システムに導波路冷却を装備することを可能にする。例えば周波数変換器により、バッテリなどを接続することが可能となる。
【0017】
本発明は、図を参照して2つの好ましい実施形態において例示され、図のさらなる詳細が図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る接続片の断面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る接続片の断面図である。
【
図3】本発明の第1または第2の実施形態に係る接続片の他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る接続片の断面図を示す。第1の実施形態は、スター接続において使用される。第1の実施形態に係る接続片は、8本の導波路と2本の冷却管、すなわち冷媒入口と冷媒出口とを接続するためのものである。接続片は、2つの空洞状の内部空間を有する導波路開口部(2)と、電気導波路を収容するためのハウジング(1)内の4つの導波路開口部(2)と、冷却管を受けるためのハウジング(1)内の2つの冷却管開口部(3)と、4つの電気絶縁分離要素(4)とを含む。ハウジング(1)は、冷却管側ハウジング部(5)と、冷却配管側ハウジング部(5)から分離可能な中空導波路側ハウジング部(6)とを備える。冷却管側ハウジング部(5)は、銅製である。中空導波路側ハウジング部(6)は、ガラス繊維強化プラスチックからなる。
【0020】
各分離要素(4)は、冷却管側ハウジング部(5)と中空導波路側ハウジング部(6)との間に配置され、冷却管側ハウジング部(5)と中空導波路側ハウジング部(6)との間に冷却溝(7)を有し、冷却溝(7)は内部の一部とされる。本発明によると、各分離要素(4)が球状として形成されることが必要とされる。球はセラミック材料、すなわちジルコニアで作られる。更に、接続片は、中空導波路開口部(2)内に配置された4つの導電性連結片(8)を備え、中空導波路側ハウジング部(6)に電気導波路を固定する。各連結片(8)は、球が受容される球形の断片を有する凹部(9)上の連結片(8)における球側の端部に位置する。あるいは、凹部(9)は円錐形であってもよい。さらに、各連結片(8)は、それぞれの連結片(8)の中空導波路側の端部に集積ディスク(10)を含む。入口内部(
図1における左側の内部)の一部である1つの連結片(8)の集積ディスク(10)は、電気導波路を受け入れるための2つまたは任意の数でより多くの孔を有する。ドレイン内部(
図1における右側の内部)の一部である3つの連結片(8)の各集積ディスク(10)は、電気導波路を受け入れるための2つまたは任意の数でより多くの孔を有する。該導波路は集積ディスクにろう付けされる。集積ディスクは、それぞれの連結片(8)にろう付けされる。入口内部の連結片(8)は、ハウジング(1)内におけるドレイン内部の3つの連結片(8)から液圧的に分離され、電気的に絶縁される。ドレイン内部の3つの連結片(8)は、ハウジング(1)内に液圧的に接続され、互いに電気的に絶縁される。冷却管側ハウジング部(5)と中空導波路側ハウジング部(6)とは、10枚の板バネ軸受ネジ(12)によって連結されている。
【0021】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る接続片の断面図を示す。第2の実施形態はデルタ接続において使用される。第2の実施の形態に係る接続片は、第1の実施の形態に係る接続片と同様に構成される。しかしながら、4つの連結片(8)は、液圧的および電気的に異なり接続されている。2つの外側連結片(8)の各集積ディスク(10)は、導電性を受け入れるための2つ以上の孔を有する。2つの内側連結片(8)の各集積ディスク(10)は、導電性を受け入れるための2つ以上の孔を有する。2つの内側連結片(8)は、互いに電気的に接続される。さもなければ、連結片(8)は互いに電気的に絶縁される。入口内部は、2つの導波路開口部(2)に液圧的に接続される。ドレイン内部は、2つの導波路開口部(2)に液圧的に接続される。入口内部の左側に示される2つの連結片(8)(
図2の左側内部)は、ハウジング(1)内で互いに液圧的に接続され、互いに電気的に絶縁される。右側に示される2つの連結片(8)(
図2の右側内部)は、ハウジング(1)内で相互に液圧的に接続され、互いに電気的に絶縁される。2つの内部連結片(8)は、異なる内部空間に属するが、電気的に接続されている。
【0022】
図3は、本発明の第1または第2の実施形態に係る接続片における他の断面図を示す。断面図は、
図1および
図2による断面に直角に向けられ、入口内部の連結片(8)を可視する。入口内部の連結片(8)における凹部(9)の直径は15mmである。入口内部における球状に適合された分離要素(4)の直径は15mmである。連結片(8)は、コンタクトプレート(11)を含み、該コンタクトプレート(11)は、中空導波路側ハウジング部(6)を通過させて形成される。コンタクトプレート(11)は、例えば電気ケーブルまたはケーブルラグとの安定した接続を可能にする孔を有する。
【0023】
参照番号のリスト
1 ハウジング
2 導波路開口部
3 冷却管開口部
4 分離要素
5 冷却管側ハウジング部
6 導波路側ハウジング部
7 冷却溝
8 連結片
9 凹部
10 集積ディスク
11 コンタクトプレート
12 ネジ