【実施例】
【0025】
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。
図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなる。これにより、遊技球が所定の発射強度未満で発射された場合に到達するのが第1遊技領域3aとなり、所定の発射強度以上で発射された場合に到達するのが第2遊技領域3bとなる。また、第1遊技領域3a及び第2遊技領域3bには、図示しない多数の遊技釘が植設されている。
【0026】
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の右の第2遊技領域3bには、ゲート17と第2始動口B12b(本発明の第2始動口及び可変入賞装置からなる第2始動口Bに相当)とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口B12bは開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口B12bに入球できない構成となっている。第2遊技領域3bの複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15が上下に配置され、第2大入賞口15の右側には右入賞口31dが設けられている。
【0027】
センターケース5の下には、内部に第1始動口11(本発明の第1始動口に相当)と第2始動口A12a(本発明の第2始動口及び第2始動口Aに相当)とを備えた始動振分装置33が配置されている。なお始動振分装置33の詳細な構成及び作用については
図2を用いて後述する。始動振分装置33には、植設された遊技釘により、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)を流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11及び第2始動口Aには、ほぼ第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下した遊技球のみが入球可能となる。始動振分装置33の左方には、第1左入賞口31a、第2左入賞口31b、及び第3左入賞口31cが設けられている。なお、第1左入賞口31a、第2左入賞口31b、第3左入賞口31c、右入賞口31dは、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0028】
また、始動振分装置33の下方には、第2大入賞口15へ入球した遊技球が進入する確変口94を設けた振分装置92が配置されており、構成については
図3を用いて後述する。
【0029】
第2大入賞口15の下方には、7セグメントLEDからなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10、および複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19が配置される。なお、第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10は、遊技者が視認しづらい位置に配置され、尚且つ表示する図柄自体も判別が難しい態様にすることより、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
【0030】
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技球を流下させた場合に限り始動振分装置33に遊技球が進入し、第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(
図4参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始して所定時間後に停止し、第2始動口A12aに遊技球が入球(第2始動口スイッチA12c(
図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動を開始して所定時間後に停止する。
【0031】
第2遊技領域3bに遊技球を流下させると、ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(
図4参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始して所定時間後に停止し、停止した普図の態様に応じて、後述する普電役物ソレノイド12e(
図4参照)を駆動させる。普電役物ソレノイド12eが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の羽根部材が開放して、第2始動口B12bへの入球(第2始動口スイッチB12d(
図4参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口B12bである普通電動役物に遊技球が入球すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始して所定時間後に停止する。本実施例では、第2始動口B12bは普通電動役物の羽根部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
【0032】
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)、及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)は、一方の特別図柄が変動中であっても他方の特別図柄の当否判定を実行し、該当否判定の結果に基づいて各特別図柄表示装置9、10で変動表示を開始し所定時間後に確定表示を行う。これにより二つの特別図柄は同時に変動表示を実施することが可能な構成となる。演出図柄表示装置6では、その時点の遊技状態に応じて、第1特別図柄に連動した第1擬似図柄の演出表示と第2特別図柄に連動した第2擬似図柄の演出表示とを同時に表示する(詳細は図を用いて後述する)。
【0033】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する第1大入賞口ソレノイド14bと第2大入賞口ソレノイド15b(
図4参照)とが駆動する。第1大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して第1大入賞口14の扉部材が開放し、第1大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(
図4参照)が遊技球を検出)が可能となり、第2大入賞口ソレノイド15bが駆動すると、ほぼ同期して第2大入賞口15の扉部材が開放し、第2大入賞口15への遊技球の入球(カウントスイッチ15a(
図4参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。大当り遊技における各大入賞口の開放内容については
図15を用いて後述する。
【0034】
ゲート17と普通電動役物からなる第2始動口B12bと、第1大入賞口14、第2大入賞口15とは、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に配置されているため、遊技状態が大当り遊技状態又は開放延長遊技状態に移行した場合は、遊技者は発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整することになる(所定の発射強度以上で遊技球を発射)。
【0035】
次に、遊技機の作動概要について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口11、第2始動口A12a、及び第2始動口B12bへの遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)(本発明の通常遊技状態に相当)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(本発明の高確率遊技状態に相当)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/305.1、高確率が1/30.51に設定されている。
【0036】
また、普通電動役物(第2始動口B12b)の作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(本発明の開放延長状態に相当)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。
【0037】
また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。
【0038】
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させている。これにより、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
【0039】
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機では、通常遊技状態から高確率遊技状態へ移行するか否かの決定は、当否判定時に大当り図柄の種類によって決定するのではなく、大当り遊技中において第2大入賞口15に入球した遊技球が確変口94に入球することによって、当該大当り遊技終了後から高確率遊技状態に移行することを決定する構成となっている(高確率付与手段)。
【0040】
また、本実施例のパチンコ遊技機は、大当り遊技中に遊技球が確変口94へ入球することを条件に、大当り遊技終了後に第1特図及び第2特図の変動表示が合計120回行われるまで、若しくは該120回までに新たに大当りが生起するまで高確率遊技状態を継続する構成(所謂ST機)となり、大当り遊技中に遊技球が確変口94に入球しなければ、高確率遊技状態とはならず、第1特図及び第2特図の変動表示が合計100回行われるまで、若しくは該100回までに新たな大当りが生起するまで時短状態(開放延長状態)となる。大当り遊技の内容(第1大入賞口14と第2大入賞口15の作動内容)は第1特図の大当り時と第2特図の大当り時とで異なる内容となり、詳細については
図15を用いて後述する。
【0041】
次に、
図2を用いて始動振分装置33の構成について説明する。
図2は、始動振分装置33の構成を説明するための概略正面図であって、内部構造が判り易いように、前方手前側から所定位置にて切断した断面図となっている。始動振分装置33は、遊技盤1の表側面に該始動振分装置33を取り付けるための取付基板33bと、該取付基板33bの前方に図示断面異型状で且つ内部に遊技球の振分け可能な空間が形成されたハウジングとしてなるハウジング部材33cと、で構成される。
【0042】
取付基板33bは、皿ビスを前方から挿入して遊技盤1に螺着可能な4箇所のビス孔が穿設されてなる。なお、
図2に示すハウジング部材33cは、上述したように内部構成が判り易い状態で図示するため、ハウジング部材33cの最も前方の位置に設けられて遊技球が外部へ流出することを防止するハウジング蓋体(図示しない)を、便宜上、取り外した状態で図示している。ハウジング部材33cの上部には、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能に上方に向かって入球口33aが開設されている。
【0043】
また、ハウジング部材33cの下部両側には其々、入球口33aからハウジング部材33c内部に入球した遊技球を、ハウジング部材33cの後方に排出するための第1始動口11と第2始動口A12aが前方に向かって開設されている。第1始動口11は、図示しない第1始動口スイッチ11aに連通し、第2始動口A12aは、同じく図示しない第2始動口スイッチA12cに連通するように構成されている。更に、第1始動口11及び第2始動口A12aの前方には、遊技球を各始動口へ誘導するための誘導レールが前方視断面略横向きE字状に形成されている。該誘導レールは、後方に向かって下り傾斜して形成されている。これによって、入球口33aからハウジング部材33c内部に入球した遊技球が、次に説明する振分部材34により何れかの誘導レールに振り分けられると、遊技球を確実且つ速やかに第1始動口11又は第2始動口A12aに誘導可能となっている。
【0044】
ハウジング部材33cの略中央には、左右対称な前方視断面錨状に形成され且つ中央の支軸34aにて左右に揺動(回動)可能に枢設されてなる振分部材34を備える。振分部材34の直下位置には、振分部材34が時計回りに所定角度だけ揺動した位置で、振分部材34の右側下部が当接することで振分部材34の時計回りの揺動を停止させ、且つ、振分部材34が反時計回りに所定角度だけ揺動した位置で、振分部材34の左側下部が当接することで振分部材34の反時計回りの揺動を停止させるストッパー部材33dが、前方視断面二等辺三角形状で前方に突出して形成されている。
【0045】
なお、振分部材34は、時計回りに揺動してストッパー部材33dに当接した場合(
図2(e))、自重によって該姿勢を維持して半時計回りに逆回転しないように構成されている。そして、当該姿勢において、上方の入球口33aから遊技球が入球すると、落下してきた遊技球を振分部材34の左上部の凹部にて受け止めることで(
図2(a))、重心位置が変化して、反時計方向に揺動してそれ以上の揺動をストッパー部材33dにて停止されて(
図2(b))、再度自重により当該姿勢を維持するように構成されている。
【0046】
この際、振分部材34は、先に受け止めた遊技球を、左下方に位置する誘導レール上に落下させて、第1始動口11に向けて振分け可能に構成される。同様に、振分部材34は、遊技球を右下方に位置する誘導レール上に落下させて、第2始動口A12aに向けて振分け可能に構成される。このように、始動振分装置33は、入球口33aから遊技球が入球する都度、該遊技球を第1始動口11と第2始動口A12aに交互に且つ1個ずつ振分けることが可能に構成されている。
【0047】
次に、
図3を用いて、確変口94を備えた振分装置92を説明する。振分装置92の内側上部にはワープ出口92aが設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口92aから振分装置92内に流れ込む。ワープ出口92aの下方には一対の振分羽根93が設けられており、第2大入賞口15の開閉動作時に作動する。
【0048】
振分羽根93が閉鎖されているとき(図(a))にワープ出口92aから遊技球が流出すると、ハズレ口92bに導かれるため遊技球は確変口94には入球しない。開放されているとき(図(b))にワープ出口92aから遊技球が流出すると、Vで示された確変口94に入球する。従って、図(a)の閉鎖状態と図(b)の開放状態とで各々の時間を設定し交互に組み合わせることで確変口94への遊技球の入球率が設定できる。なお、振分装置92に誘導される遊技球は、第2カウントスイッチ15aで第2大入賞口15への入球を検出済の遊技球となる。
【0049】
図4は、パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0050】
主制御装置80の入力端には、遊技盤中継端子板74を介して第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11aと、第2始動口A12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチA12cと、第2始動口B12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチB12dと、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17aと、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントスイッチ14aと、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するための第2カウントスイッチ15aと、確変口94への入球を検出する確変口スイッチ94aと、第1左入賞口31a、第2左入賞口31b、第3左入賞口31c、右入賞口31dに入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31eとが接続されている。
【0051】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0052】
主制御装置80の出力端には、遊技盤中継端子板74を介して第1大入賞口14の扉部材を駆動する第1大入賞口ソレノイド14bと、第2大入賞口15の扉部材を駆動する第2大入賞口ソレノイド15bと、第2始動口B12bとなる普通電動役物の羽根部材を駆動する普電役物ソレノイド12eと、振分装置92内の振分羽根93を駆動する振分羽根ソレノイド93bと、が接続されており、図柄表示装置中継端子板90を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置9と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置18と、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置10と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置19と、普通図柄を表示する普通図柄表示装置7と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置8とが接続されており、裏配線中継端子板75及び外部接続端子板78を介して図示しないホールコンピュータ87と、が接続されている。
【0053】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0054】
なお、払出制御装置81には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号の出力が停止したことに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0055】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0056】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお、本実施例では遊技球を機外に払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに持玉データとして記憶する封入式の構成にしても良い。
【0057】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル27からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
【0058】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0059】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタンスイッチが接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0060】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
【0061】
次に、
図5を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S70までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0062】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0063】
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S75)に移行する。
【0064】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0065】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。例えば、この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。本実施例での当選値(第1特図、第2特図に共通の特図当選値)は、通常遊技状態(低確率)では23〜35、高確率遊技状態では23〜152となっている。
【0066】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
【0067】
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。小当り図柄判定用乱数更新処理(S35)は「0」〜「149」の150個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0068】
続く当り決定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選(普図当選)することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0069】
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0070】
変動パターン決定用乱数更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0071】
続く入賞確認処理(S55)では、第1始動口11、第2始動口Aa12a、第2始動口B12b、ゲート17、第1〜3入賞口31a〜31c、右入賞口31d、第1大入賞口14、第2大入賞口15、確変口94の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口A12a、第2始動口B12bに入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得するが、保留記憶できる数を第1始動口11で4個まで、第2始動口A12aと第2始動口B12bとで4個までとしており、それぞれの保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11、第2始動口A12a、又は第2始動口B2bに入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0072】
続いて、大当りか否かを判定する当否判定処理(S60)を行う。この当否判定処理(S60)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S65)が実行される。各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、第1大入賞口ソレノイド14b、第2大入賞口ソレノイド15b、普電役物ソレノイド12e、振分羽根ソレノイド93b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知したときには、賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0073】
続く不正監視処理(S70)は、普通入賞口(第1〜3左入賞口31a〜31c、右入賞口31d)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。
【0074】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S75)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S40)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0075】
次に
図6に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口11、第2始動口A12a、第2始動口B12bに遊技球が入球したときに取得する大当り判定用等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理となる。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを、後述する当否判定処理を実施する以前に確認(判定)する先読判定処理(本発明の乱数値確認手段に相当)を行う。また、本処理では、第1始動口11、第2始動口A12a及び第2始動口B12bへの入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶(本発明の第1保留記憶に相当)、第2始動口A12a及び第2始動口B12bに遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶(本発明の第2保留記憶に相当)として説明する。
【0076】
本実施形態においては、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口A12a、第2始動口B12bに遊技球が入賞したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
【0077】
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(4個)未満か否か判定する(S105)。肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する処理を行う(S110)。
【0078】
S110に続いては、時短フラグが0か否か判定する(S115)。時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら第1,2特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮され、尚且つ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態(開放延長状態)であることを、値が0なら非時短状態(非開放延長状態)であることを主制御装置80が判断する。
【0079】
S115が肯定判定なら(S115:yes)、先読判定処理(本発明の乱数値確認手段に相当)を行う(S120)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が大当りの期待が持てる第1保留記憶か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を確認する。
【0080】
S120に続いては、先読判定の結果に基づいて記憶した第1保留記憶が大当り値か否か判定し(S125)、肯定判定なら(S125:yes)、第1先読判定フラグに1をセットする(S130)。第1先読フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら第1保留記憶に大当り値が記憶されていることを、値が0なら第1保留記憶に大当り値が記憶されていないことを主制御装置80が判断する。
【0081】
S130、又はS125の否定判定(S125:no)に続いては、先読判定の結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S135)、S135、又はS115の否定判定(S115:no)に続いては、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S140)。
【0082】
S140、又はS100の否定判定(S100:no)、S105の否定判定(S105:no)に続いては、第2始動口スイッチA12cが遊技球を検出したか否か判定し(S145)、否定判定なら(S145:no)、第2始動口スイッチB12dが遊技球を検出したか否か判定する(S150)。S145が肯定判定(S145:yes)、又はS150が肯定判定(S150:yes)なら、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(4個)未満か否か判定する(S155)。肯定判定であれば(S155:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する処理を行う(S160)。
【0083】
S160に続いては、時短フラグが0か否か判定し(S165)、肯定判定なら(S165:yes)、S120と同一内容の先読判定処理を行い(S170)、先読判定の結果に基づいて記憶した第2保留記憶が大当り値か否か判定し(S175)、肯定判定なら(S175:yes)、第2先読判定フラグに1をセットする(S180)。S175が否定判定、即ち、ハズレなら(S175:no)、先読判定の結果に基づいて記憶した第2保留記憶のリーチ判定用乱数がスーパーリーチ値か否か判定し(S185)、肯定判定なら(S185:yes)、第2先読判定フラグに2をセットする(S190)。
【0084】
第2先読判定フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら第2保留記憶に大当り値が記憶されていることを、値が2なら第2保留記憶にスーパーリーチ値が記憶されていることを、値が0なら第2保留記憶に大当り値及びスーパーリーチ値が記憶されていないことを主制御装置80が判断する。
【0085】
S180、S190、又はS185の否定判定(S185:no)に続いては、先読判定の結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S193)、S193、又はS165の否定判定(S165:no)に続いては、S160で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S195)。S195又は、S150、S155の否定判定(S150:no、S155:no)に続いてはリターンする。
【0086】
サブ統合制御装置83は、第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する保留図柄の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、第1及び第2先読判定コマンドを受信すると、受信した先読判定コマンドの内容に基づいて先読演出の内容を判定し指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。本実施例では、第1、2先読判定フラグの設定は、通常遊技状態(非時短状態)のみで行われるが、先読判定処理自体は遊技状態に拘わらず実施してもよく、先読判定コマンドのサブ統合制御装置83への送信も遊技状態を参照して実施する構成としてもよい。
【0087】
また、本実施例では、変動パターン決定用乱数を始動口入球時に取得する構成としたが、特別図柄の変動開始時に取得(後述する当否判定処理時に取得)する構成も考えられる。
【0088】
次に、
図7に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する特図変動パターン選択テーブル切替処理を説明する。本処理は、本発明の選択テーブル切替手段に相当する。本処理を開始すると、時短フラグが0か否か判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定なら(S200:yes)、テーブルフラグが0か否か判定する(S205)。テーブルフラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、通常遊技状態において、特図用の変動パターン選択テーブルが通常用とは異なるテーブルに切り替えられていることを、値が0なら、通常遊技状態において通常用の変動パターン選択テーブルが使用されていることを主制御装置80が判断する。
【0089】
S205が肯定判定、即ち、通常遊技状態において通常用の変動パターン選択テーブルが使用されていたなら(S205:yes)、第2先読フラグの値が0よりも大きいか否か判定し(S210)、否定判定なら(S210:no)リターンし、肯定判定、即ち、第2保留記憶に大当り値か、ハズレだがスーパーリーチとなる値が記憶されていたなら(S210:yes)、第1先読フラグの値が0よりも大きいか否か判定し(S215)、肯定判定、即ち、第1保留記憶に大当り値が記憶されていたなら(S215:yes)リターンし、否定判定、即ち、第1保留記憶に大当り値が記憶されていないなら(S215:no)、第2先読フラグの値が1か否か判定する(S220)。
【0090】
S220が否定判定、即ち、第2先読フラグの値が0よりも大きいが1ではないなら(S220:no)、その値は2となるため、大当りとはならないガセの変動時間短縮演出を実施するか否かの判定を行うために、切替抽選乱数を抽出し(S225)、抽出した乱数値が変動パターン選択テーブルの切替値か否か判定し(S230)、否定判定なら(S230:no)リターンする。
【0091】
S220が肯定判定(S220:yes)、又はS230が肯定判定(S230:yes)なら、第1特別図柄で使用する変動パターン選択テーブルを通常用から変動時間短縮用に切り替える処理(S235)と、第2特別図柄で使用する変動パターン選択テーブルを通常用から変動時間延長用に切り替える処理(S240)とを行い、テーブルフラグに1をセットし(S245)、サブ統合制御装置83にテーブル変更コマンドを送信し(S250)リターンする。
【0092】
S205が否定判定、即ち、通常遊技状態において特図用の変動パターン選択テーブルが通常用とは異なるテーブルに切り替えられているなら(S205:no)、第2先読フラグの値が0か否か判定し(S255)、否定判定なら(S255:no)リターンし、肯定判定、即ち、既に第2特別図柄の大当り図柄が確定(第2先読フラグ=1に対応)したか、又は第2先読フラグの値が2の第2保留記憶に対応した第2特別図柄のスーパーリーチ変動がハズレ図柄で確定(第2先読判定フラグに0をセット)したなら(S255:yes)、第1特別図柄で使用する変動パターン選択テーブルを変動時間短縮用から通常用に切り替える処理(S260)と、第2特別図柄で使用する変動パターン選択テーブルを変動時間延長用から通常用に切り替える処理(S265)とを行い、テーブル復元コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S270)リターンする。
【0093】
以上が主制御装置80が実行する特図変動パターン選択テーブル切替処理となる。なお、第2先読フラグの値が1の場合に0がセットされるタイミング(第2特図の大当り図柄が確定)は、図を用いて後述するが、値が2の場合に0がセットされるタイミングは、上述したように対応するスーパーリーチがハズレ図柄で確定表示を行った時点でもよいし、第2特別図柄が所定回数の変動表示を実施した時点でもよいし、値に2がセットされてから所定時間が経過した時点としてもよい。
【0094】
次に、
図8〜10に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する第1当否判定処理を説明する。本実施例のパチンコ遊技機は、第1保留記憶と第2保留記憶との当否判定を個々に行う構成であり、本処理は、個別に行う第1特別図柄の当否判定に係る処理となる。従って本処理は、本発明の大当り判定手段と第1特別図柄制御手段とに相当する処理となる。
【0095】
本処理を開始すると、条件装置が作動中か否か、即ち大当り遊技中か否かを判定し(S300)、肯定判定なら(S300:yes)リターンし、否定判定、即ち大当り遊技中でなければ(S300:no)、第1特図が変動中か否かを判定し(S305)、変動中でなければ(S305:no)、第1特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S310)、確定表示中でなければ(S310:no)、第1保留記憶が有るか否か判定し(S315)、確変フラグが0か否か判定する(S320)。
【0096】
確変フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら高確率遊技状態(確変状態ともいう)であることを、値が0なら通常遊技状態(通常状態、低確率状態ともいう)であることを判断する。S320が否定判定、即ち、高確率遊技状態なら(S320:no)、高確率遊技状態の処理として従来技術に沿った処理が行われるため、説明は割愛する。
【0097】
S320が肯定判定、即ち、通常遊技状態(低確率遊技状態)なら(S320:yes)、第1保留記憶のシフト処理を行う(S325)。これにより最も古い第1保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタから1を減算する。
【0098】
続いて、第1特図強制ハズレ変動フラグが0か否か判定する(S330)。第1特図強制ハズレ変動フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、第1特図と同時変動が可能に構成されている第2特図が大当りとなる変動表示を開始していることに基づいて第1特図が強制的にハズレ変動を開始することを、値が0なら該第1特図が強制的にハズレ変動を開始しないことを主制御装置80が判断する。
【0099】
S330が肯定判定、即ち、第2特図が大当りとなる変動表示を行っていないなら(S325:yes)、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と、予め設定された通常遊技状態用の当否判定テーブル(低確率1/305.1)とを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S335)。次に、比較結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定し(S340)(本発明の大当り判定手段に相当)、肯定判定、即ち、大当りなら(S340:yes)、第1保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて、第1特図として確定表示を行う大当り図柄を選択する処理を行い(S350)(図柄選択手段)、選択した大当り図柄に基づいて大当り遊技内容となる第1大入賞口14及び第2大入賞口15の開放パターンを設定する処理を行う(S360)。
【0100】
ここで、
図15の図表を用いて、大当り図柄の種類に応じた大当り遊技の内容について説明する。第1特図と第2特図とは、それぞれに10種類の大当り図柄を備え、どの大当り図柄でも10ラウンドの大当り遊技を行う。また、全ての大当り遊技において1ラウンドから9ラウンドまでは第1大入賞口14が作動し、最終の10ラウンドのみ確変口94を備えた第2大入賞口15が作動する構成となっている。従って、10ラウンドでの第2大入賞口15への遊技球の入球が大当り遊技終了後の遊技状態に影響を与える構成となり、1ラウンドから9ラウンドまでの第1大入賞口14の作動内容は、第1特図,第2特図ともにどの大当り図柄でも共通の作動内容(9カウント、又は29.0秒間まで開放)となるが、最終10ラウンドのみ第1特図と第2特図とでは異なる内容となっている。
【0101】
第1特図が大当りした場合の最終10ラウンドの作動内容は、大当り図柄が1〜5(5種類)なら、第2大入賞口15は1〜9ラウンドの第1大入賞口14と同様に9カウント、又は29.0秒間の開放を行い、大当り図柄が6〜10(5種類)なら、第2大入賞口15は0.2秒の開放を1回のみ行って終了する。10ラウンドにおける、振分装置92内の振分羽根93は、特図及び大当り図柄の種類に拘わらず、第2大入賞口15の開放開始から0.2秒後に閉鎖状態から開放状態に変化し、第2大入賞口15の開放終了から0.2秒後に閉鎖状態から開放状態に戻る。また、確変口93に遊技球が入球すると、振分羽根93は開放状態から閉鎖状態に戻る。
【0102】
対して、第2特図が大当りした場合の最終10ラウンドの作動内容は、全ての大当り図柄(10種類)において1〜9ラウンドの第1大入賞口14と同様に、第2大入賞口15が9カウント、又は29.0秒間の開放を行う。従って、遊技球は第2大入賞口15へ容易に入球可能となり、振分装置92内の羽根部材93は第2大入賞口15の作動時に開放状態に変化しているため、第2大入賞口15に入球した遊技球は容易に確変口94に入球する。これにより、第2特図が大当りした場合は、ほぼすべての大当り遊技終了後において高確率遊技状態、且つ時短状態に移行するが、第1特図が大当りした場合は、約1/2の確率で大当り遊技終了後に高確率遊技状態、且つ時短状態に移行する。この構成は、本発明の「前記第1保留記憶が当選した場合よりも前記第2保留記憶が当選した場合の方が、大当り遊技終了後の遊技状態が遊技者に有利となる確率が高い構成」に相当する。
【0103】
なお、本実施例では、第2大入賞口15への入球率が確変口94への入球率に影響を与える構成としたが、振分羽根93の開閉動作の制御により確変口94の入球率を変化させる構成としてもよい。
【0104】
図8に戻り、S360に続いては、当否判定結果及び第1保留記憶のリーチ決定用乱数,変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、当該処理時に設定されている変動パターン選択テーブルから選択する(S365)。
【0105】
続いて、第2特図強制ハズレ変動フラグに1をセットする(S370)。第2特図強制ハズレ変動フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、第1特図が大当りとなる変動表示を開始していることに基づいて第2特図が強制的にハズレ変動を開始することを、値が0なら該第2特図が強制的にハズレ変動を開始しないことを主制御装置80が判断する。S370により第2特図強制ハズレ変動フラグに1がセットされると、それ以降変動表示を開始する第2特図は変動開始時からハズレ変動を選択して変動を開始する。第1特図に大当り図柄が確定表示された時点で第2特図強制ハズレ変動フラグには0がセットされる。
【0106】
続いて、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S375)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた第1擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9を直接制御して第1特別図柄の変動を開始する。
【0107】
S340が否定判定なら(S340:no)、S335の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:yes)、小当り図柄を選択し(S385)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S360)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S365)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S375)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1特図に対応した第1擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9を直接制御して特別図柄の変動を開始する。小当り遊技では、特図の種類に拘わらず第1大入賞口14が1.0秒の開放を1回行う。
【0108】
S380が否定判定なら(S380:no)、ハズレ図柄を選択し(S390)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S365)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S375)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1特図に対応した第1擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0109】
S330が否定判定、即ち、第2特図が大当りとなる変動表示を開始していたなら(S330:no)、S325で判定対象とした第1保留記憶の大当り判定は行わず、強制的にハズレ図柄を選択し(S390)、変動パターンを選択し(S365)、S375に進むが、この場合は、リーチ乱数の値に拘わらずリーチ変動は選択されない。
【0110】
次に、
図8のS305が肯定判定、即ち、第1特図が変動中であれば(S305:yes)、
図9のフローチャートに進み、第1特図の変動時間(S365で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9を制御してS350,S385又はS390で選択した確定図柄を確定表示させる(S405)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた第1擬似図柄(左中右)を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して第1特図に対応した第1擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1特別図柄と第1擬似図柄とは変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
【0111】
S405に続いては、確定表示させた第1特別図柄が大当り図柄か否か判定し(S410)、肯定判定なら(S410:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S415)、第2特図強制ハズレ確定処理を行い(S420)、第1先読フラグに0をセットし(S425)、第2特図強制ハズレ変動フラグに0をセットする(S430)。S420の第2特図強制ハズレ確定処理は、第1特図の大当りが確定したことに基づいて、第2特図が変動を行っていた場合は強制的に第2特図のハズレ確定表示を行って第2特図の変動表示を終了させる処理となる。
【0112】
続いて、確変フラグが1か否か判定し(S435)、肯定判定なら(S435:yes)、確変フラグに0をセットする(S440)。S440、又はS435の否定判定(S435:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S445)肯定判定なら(S445:yes)、時短フラグに0をセットする(S450)。S450、又はS445の否定判定(S445:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S455)と、役物連続作動装置作動開始処理(S460)とを行い、当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S465)。
【0113】
一方、S410が否定判定、即ち、確定図柄が大当り図柄ではなかったなら(S410:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S475)、確変フラグが1か否か判定し(S480)、肯定判定なら(S480:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S485)、確変カウンタが0か否か判定し(S490)、肯定判定なら(S490:yes)、確変フラグに0をセットする(S495)。
【0114】
S495、又はS480,S490が否定判定なら(S480:no,S490:no)、時短フラグが1か否か判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S505)、時短カウンタが0か否か判定し(S510)、肯定判定なら(S510:yes)、時短フラグに0をセットする(S515)。
図9のフローチャートに示すように、特別図柄が当否判定に応じた確定表示を行うごとに、高確率遊技状態と時短状態(開放延長状態)を規制する確変カウントと時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値(0)に至ることで高確率遊技状態と時短状態とが終了し、通常遊技状態に移行する。
【0115】
続いて、S515、又はS500,S510が否定判定なら(S500:no,S510:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S520)、肯定判定なら(S520:yes)、小当り遊技の作動開始を行う処理を行なう(S525)。S465,S525、又はS520の否定判定(S520:no)に続いては、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S470)リターンする。
【0116】
図8に戻り、S310が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S310:yes)、
図10のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S550)、否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、確定図柄表示終了処理(S555)を行い、第1特別図柄表示装置9(第2特別図柄表示装置10を)制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示を行いリターンする。なお、
図10に示すフローチャートは、後述する第2当否判定処理においても同一の構成となる。
【0117】
図11、12(10)は、主制御装置80が実行する第2当否判定処理を示すフローチャートとなる。本処理の処理構成は
図8から10を用いて説明した第1当否判定処理と同一となり、異なるのは、第1当否判定処理において第2特図の変動に対して行っていた処理が、本処理(第2当否判定処理)では第1特図の変動に対して行う処理部となる。例えば、第1当否判定処理のS370(
図8)は、第1特図が大当りとなる変動を開始する時点で、該時点以降に開始する第2特図の変動を変動開始時からハズレ変動を選択するように制御するため、第2特図強制ハズレ変動フラグに1をセットしたが、本処理(第2当否判定処理)では、同様に第1特図強制ハズレ変動フラグに1がセットされる(S660)。従って、本処理の説明は、ほぼ全てが第1当否判定処理と重複するためフローチャートのみ示し援用する。
【0118】
次に、
図13,14に示す図表を用いて、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターン(変動時間)を決定するために使用する変動パターン選択テーブルの一例(
図7の特図変動パターン選択テーブル切替処理のS235,S240,S260,S265で切り替えあ行われる変動パターン選択テーブルの内容)を説明する。
図13の(1)は、第1特図と第2特別図柄とで通常遊技状態において使用する通常変動パターン選択テーブルの一例となる。この選択テーブルにおける変動パターン1の変動時間は11.0秒に設定され、この変動パターン1が通常遊技状態において最も多く選択される変動時間となる。
【0119】
通常遊技状態においては第1特図と第2特図とで共通の変動パターン選択テーブルを用いているが、個々に通常遊技状態用の変動パターン選択テーブルを備えてもよく、その場合は、例えば、リーチAの変動パターンは第1特図にはあるが第2特図にはない構成としたり、個々の選択テーブルにしか存在しない変動パターンを備えることで、それぞれの特別図柄に変動時間の特徴を持たせることができる。但しその場合も、最も多く選択される変動パターン1の変動時間は同一時間とすることで、平均時間は略同一とするのが好ましい。
【0120】
図13の(2)は、第1特図と第2特別図柄とで主に時短状態(開放延長状態)において使用する短縮変動パターン選択テーブルの一例となる。この選択テーブルにおいても変動パターン1が最も多く選択され、その変動時間は約2.0秒に設定されており、リーチ変動に関しては通常変動パターン選択テーブルと変わらないため、時短状態(開放延長状態)で使用する短縮変動パターン選択テーブルの平均変動時間は通常変動パターン選択テーブルの平均変動時間よりも短くなる。
【0121】
また、この短縮変動パターン選択テーブルは、
図7のフローチャートを用いて説明した特図変動パターン選択テーブル切替処理によって、通常遊技状態においても第1特図の変動時間を選択するために使用する(テーブルフラグ=1、且つ第2先読フラグ=1の期間)(本発明の第1選択テーブルに相当)。
【0122】
図14(3)も、
図7の特図変動パターン選択テーブル切替処理によって、通常遊技状態において第2特図の変動時間を選択するために使用する延長用変動パターン選択テーブルとなる。この選択テーブルにおいても変動パターン1が最も多く選択され、その変動時間は約20.0秒に設定されており、平均変動時間は通常変動パターン選択テーブルの平均変動時間よりも長くなる(本発明の第2選択テーブルに相当)。
【0123】
次に、
図16から
図19に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理は、
図8のS360で設定された開放パターンに基づいて第1大入賞口14と第2大入賞口15とが作動する大当り遊技を制御する処理となる。また、本処理の大当り遊技終了時においては、大当り遊技中、詳しくは第2大入賞口15の作動時に実施する確変口入球確認処理(図を用いて後述)による確変口94への入球確認結果に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を設定する。
【0124】
本処理を開始すると、役物連続作動装置が未作動か否か判定する(S900)。肯定判定、即ち、大当り遊技中でなければ(S900:yes)、小当り遊技中か否か判定し(S905)、小当り遊技中でなければ(S905:no)リターンする。小当り遊技中なら(S905:yes)、小当り開始演出中か否か判定し(S910)、肯定判定なら(S910:yes)、小当り開始演出の終了時間か否か判定する(S915)。S915が否定判定なら(S915:no)リターンし、肯定判定なら(S915:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行って(S920)リターンする。
【0125】
S910が否定判定なら(S910:no)、小当り動作中(第1大入賞口14作動)か否か判定し(S925)、肯定判定なら(S925:yes)、第1カウントスイッチ14aの検出球数(第1大入賞口14への入球数)が9個未満か否か判定し(S930)、否定判定なら(S930:no)、小当り遊技としての第1大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S935)、否定判定なら(S935)、リターンする。S930、又はS935が肯定判定なら(S930:yes、S935:yes)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行い(S940)、小当り終了演出処理を行い(S945)リターンする。S925が否定判定、即ち、小当り遊技となる第1大入賞口14の開放が終了していたなら(S925:no)、小当り終了演出の時間が終了したか否か判定し(S950)、否定判定なら(S950:no)リターンし、肯定判定なら(S950:yes)、小当り遊技終了処理を行って(S955)リターンする。
【0126】
S900が否定判定、即ち、大当り遊技中であれば(S900:no)、
図17のフローチャートに進み、第1大入賞口14及び第2大入賞口15が閉鎖中か否か判定する(S1000)。S1000が肯定判定なら(S1000:yes)、大当り開始演出中か否か判定し(S1005)、肯定判定なら(S1005:yes)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定する(S1010)。S1010が否定判定なら(S1010:no)リターンし、肯定判定なら(S1010:yes)、第1大入賞口14の開放処理を行って(S1015)リターンする。
【0127】
S1005が否定判定、即ち、大当り開始演出中ではないなら(S1005:no)、開放間インターバル中か否か判定し(S1020)、肯定判定なら(S1020:yes)、インターバルの終了時間か否か判定し(S1025)、否定判定なら(S825:no)リターンする。S1025が肯定判定なら(S1025:yes)、次に開始するのは最終の10ラウンドか否か判定し(S1030)、否定判定なら前述したS1015に進み第1大入賞口14の開放処理を行う。S1030が肯定判定なら(S1030:yes)、第2大入賞口15の開放処理を行い(S1035)、第2大入賞口15に入球した遊技球が進入する振分装置92内の振分羽根93の作動処理を行い(S1040)、確変口有効フラグに1をセットして(S1045)リターンする。
【0128】
確変口有効フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、高確率遊技状態への移行を決定するための確変口93への遊技球の入球有効期間であることを、値が0なら該入球有効期間ではないことを主制御装置80が判断する。なお、確変口94への入球確認は、後述する確変口入球確認処理で行う。
【0129】
S1020が否定判定、即ち、第1大入賞口14及び第2大入賞口15は閉鎖中だが、大当り開始演出中でも開放間インターバル中でもないなら(S820:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S1050)、否定判定なら(S1050:no)、サブ統合制御装置83に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S1055)リターンする。
【0130】
S1000が否定判定、即ち、第1大入賞口14又は第2大入賞口15が開放中なら(S1000:no)、
図18のフローチャートに進み、1〜9ラウンドの実施中、即ち、第1大入賞口14の作動中か否か判定し(S1100)、肯定判定なら(S1100:yes)、第1カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S1105)、肯定判定なら(S1105:yes)、当該ラウンドにおいて第1大入賞口14に入球した遊技球が9個未満か否か判定する(S1110)。S1105が否定判定(S1105:no)又はS1110が肯定判定なら(S1110:yes)、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S1115)、否定判定なら(S1115:no)リターンする。S1110が否定判定(S1110:no)、又はS1115が肯定判定なら(S1115:yes)、第1大入賞口14の閉鎖処理を行い(S1120)、サブ統合制御装置83にインターバルコマンドを送信する大当りインターバル処理を行い(S1125)リターンする。
【0131】
S1100が否定判定、即ち、第2大入賞口15の作動する最終10ラウンドの遊技中なら(S1100:no)、第2カウントスイッチ15aが遊技球を検出したか否か判定し(S1130)、肯定判定なら(S1130:yes)、当該ラウンドにおいて第2大入賞口15に入球した遊技球が9個未満か否か判定する(S1135)。S1130が否定判定(S1130:no)又はS1135が肯定判定なら(S1135:yes)、第2大入賞口15の開放時間が終了したか否か判定し(S1140)、否定判定なら(S1140:no)リターンする。S1135が否定判定(S1135:no)、又はS1140が肯定判定なら(S1140:yes)、第2大入賞口15の閉鎖処理を行い(S1145)、サブ統合制御装置83に大当り終了演出指示コマンドを送信する大当り終了演出処理を行い(S1150)リターンする。
【0132】
図17に戻り、S1050が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S1050:yes)、
図19のフローチャートに進み、大当り終了演出時間が経過したか否か判定し(S1200)、否定判定なら(S1200:no)リターンする。S1200が肯定判定なら(S1200:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S1205)、条件装置の作動停止処理(S1210)を行い、確変口フラグが1か否か判定する(S1215)。
【0133】
確変口フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、第2大入賞口15が作動する最終10ラウンドで確変口94に遊技球が入球したことを、値が0なら入球していないことを主制御装置80が判断する。
【0134】
ここで、
図20に示したフローチャートを用いて主制御装置が実行する確変口入球確認処理を説明する。本処理は、第2大入賞口15が作動する最終10ラウンドを開始(確変口有効フラグ=1)すると起動する処理となる。本処理を開始すると、確変口有効フラグが1か否か判定し(S1300)、否定判定なら(S1300:no)リターンし、肯定判定なら(S1300:yes)、確変口スイッチ94aが遊技球を検出したか否か判定する(S1305)。S1305が否定判定なら(S1305:no)リターンし、肯定判定なら(S1300:yes)、確変口入球フラグに1をセットし(S1310)、サブ統合制御装置83に確変口入球確認コマンドを送信し(S1315)、確変口有効フラグに0をセットし(S1320)、振分羽根ソレノイド93bの作動を終了し(S1325)リターンする。
【0135】
図19に戻り、S1215が肯定判定なら(S1215:yes)、確変フラグに1を設定し(S1220)、確変カウンタに120を設定し(S1225)、時短フラグに1を設定し(S1230)、時短カウンタに120を設定する(S1235)。S1215が否定判定なら(S1215:no)、確変フラグに0を設定し(S1240)、確変カウンタに0を設定し(S1245)、時短フラグに1を設定し(S1250)、時短カウンタに100を設定する(S1255)。S1215が否定判定なら(S1215:no)、確変有効フラグに0を設定し(S1240)、確変フラグに0をセットし(S1245)、確変カウンタに0を設定し(S1250)、時短フラグに1を設定し(S1255)、時短カウンタに100を設定する(S1260)。
【0136】
S1215の判定結果により、第2大入賞口15が作動する最終ラウンドで遊技球が確変口94に入球すれば(確変口フラグ=1)、大当り遊技終了後から特図が120回の変動表示を行うまでは高確率遊技状態(確変フラグ=1)及び時短状態(開放延長状態)(時短フラグ=1)に移行し、最終ラウンドで遊技球が確変口94に入球しなければ(確変口フラグ=0)、大当り遊技終了後から特図が100回の変動表示を行うまで時短状態(開放延長状態)(時短フラグ=1)のみに移行する。
【0137】
S1235又はS1260に続いては、サブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドと、設定した遊技状態を示す状態指定コマンドを送信し(S1166、S1270)リターンする。
【0138】
次に、
図21を用いて、演出図柄表示装置6の演出表示例について説明する。(1)は通常遊技状態における表示例となる。具体的な表示内容は、画面上側に第1擬似図柄表示領域とその下に第1保留記憶数表示領域とを配置し、第1擬似図柄表示領域には第1特図に対応した左中右の擬似図柄を表示し、第1保留記憶数表示領域には第1保留記憶の数に応じた保留図柄を表示する。画面下側には第2擬似図柄表示領域とその下に第2保留記憶数表示領域とを配置し、第2擬似図柄表示領域には第2特図に対応した左中右の擬似図柄を表示し、第2保留記憶数表示領域には第2保留記憶の数に応じた保留図柄を表示する。
【0139】
図21(2)は、通常遊技状態において、
図7を用いて説明した特図変動パターン選択テーブル切替処理により、第1特図と第2特図とが用いる変動パターン選択テーブルがそれぞれ短縮用と延長用の変動パターン選択テーブルに切り替えられた場合(テーブル変更コマンド(S250)受信)の表示例となり、この場合は、背景の態様が変化し通常遊技状態とは異なる演出モードとなる。
【0140】
以上が実施例の説明となる。本実施例では、特図変動パターン選択テーブル切替処理(
図7)が第1特図の変動パターン選択テーブルを通常状態用から短縮用に切り替える場合、短縮用の変動パターン選択テーブルとして時短状態中(開放延長状態中)に使用する変動パターン選択テーブル(
図13(2))を用いたが、時短状態中(開放延長状態中)に使用する変動パターン選択テーブルではなく、専用の短縮用変動パターン選択テーブルを用いる構成としてもよい。なお、その際には、時短状態中(開放延長状態中)に使用する変動パターン選択テーブルよりも専用の短縮用変動パターン選択テーブルのほうが平均変動時間が短い構成が好適である。
【0141】
また、実施例のパチンコ遊技機は、通常遊技状態において第2保留記憶に大当り値が確認できた場合、第1保留記憶に大当り値がないことを条件に変動パターン選択テーブルを第1特図と第2特図とでそれぞれに短縮用と延長用とに切替を行う構成とした。この構成を踏まえ、第1保留記憶の大当り判定用の乱数値が、通常遊技状態ではハズレと判定される値であっても、高確率遊技状態では大当りと判定される場合があるため、通常遊技状態中に先読判定処理でハズレと判定された第1保留記憶は、先読判定処理で大当りが確認された第2保留記憶の当否判定に応じた大当り確定表示が行われるまでに、全て消化(当否判定を実施)しておくことが望ましい。
【0142】
また、
図6を用いて説明した始動入賞処理では、第1先読フラグを立てる判定として、大当り判定乱数の値が通常遊技状態で大当りとなる値か否かを確認したが、高確率遊技状態で大当りとなる値か否かまで確認して第1先読フラグを立てる構成も考えられる。
詳しくは、通常遊技状態の大当り値は記憶されていないが高確率遊技状態で大当りが生起する第1保留記憶が記憶されている場合も第1先読フラグを立てる構成となり、この構成では、高確率遊技状態のみ大当りとなる第1保留記憶も本発明の特定の値に含まれる構成となる。
【0143】
これにより第2特図の大当り遊技終了後に高確率遊技状態に移行した場合、当該大当り遊技以前に記憶した第1保留記憶(通常遊技状態ではハズレだが高確率遊技状態では大当りとなる)によって大当りが生起してしまうことによって、遊技者に不利な遊技状態に戻ってしまうことを回避することが可能となる。
【0144】
また、第2保留記憶に大当りが確認され、その時点で高確率遊技状態のみで大当りとなる第1保留記憶が記憶されていた場合は、大当り遊技終了後に通常遊技状態となる可能性がある大当りを獲得するか、それとも該大当りを回避するかを遊技者に選択させる構成も考えられる。その場合、サブ統合制御装置83が実行する先読演出判定(第1先読判定コマンドと第2先読判定コマンドに基づいて判定)に基づいて、演出図柄表示装置6において高確率遊技状態に移行後すぐに第1特図の大当りを獲得するか、該獲得を放棄して高確率遊技状態を確保するかのいずれかが選択できることを報知し、遊技者が放棄した場合は実施例に記載した構成を行い、遊技者が第1特図の大当りを選択した場合は、所定の操作(例えば、主制御装置80に接続した演出ボタンを設け、該演出ボタンの操作)を行うことで、第1特図の変動表示に用いる変動パターン選択テーブルを通常状態の選択テーブルよりも平均変動時間が長い選択テーブル(例えば、第2、又は第4選択テーブル)に切り替え、第2特図の変動表示に用いる変動パターン選択テーブルを通常状態の選択テーブルよりも平均変動時間が短い選択テーブル(例えば、第1、又は第3選択テーブル)に切り替える構成としてもよい。これにより、第2保留記憶の大当りを先に生起させて高確率遊技状態に移行した状態で第1保留記憶の大当りを席させることができる。
【0145】
この構成により、遊技者が自身の遊技状況に応じて安全な遊技状態かギャンブルかを選択可能とする遊技性を提供することができる。
【0146】
また、始動入賞処理において第1先読フラグを立てる場合、第1保留記憶が大当りとなる値であったなら、大当り図柄の種類(容易に確変口94に入球可能な大当りか否かを判断)に応じて異なるフラグ値を設定する構成としてもよい。この構成により、第2保留記憶に大当り値が確認された場合、第1先読フラグの値が大当りを示すが大当り遊技中に容易に確変口94に入球可能な大当りであった場合は、変動パターン選択テーブルを切り替えず、第1先読フラグの値が大当り遊技中に確変口94に入球させるのが困難な大当りを示す場合は、変動パターン選択テーブルを切り替えて第2保留記憶の大当りよりも先に第1保留記憶の大当りを発生させる構成も考えられる。
【0147】
この構成により、遊技者が効率的(有利な遊技状態を確保しながら)に大当りを獲得することが可能となる。