(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0041】
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、第一実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(
図2)が設けられている。
【0042】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
【0043】
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0044】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
【0045】
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,残高表示器59が設けられている。
【0046】
なお、
図1の39は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
【0047】
また、
図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
【0048】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、第1特別図柄(第1特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(当否抽選)が行われる第1始動口(特1始動口と呼称する場合がある)11と、該第1始動口11の直下にあって、遊技球の入球に起因して、第2特別図柄(第2特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(当否抽選)が行われる第2始動口(特2始動口と呼称する場合がある)12が、上下に並んで配設されている。
第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されている。対して、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物に内蔵されると共に、普通電動役物が入球不能な閉鎖状態から、所定の開放時間に亘って入球可能な開放状態に移行して、該開放状態中に普通電動役物に入球することによって入球が可能となるように構成されており、普通電動役物を開放するか否かの普通図柄抽選で当選し、普電開放遊技時のみ入球可能となっている。
【0049】
第1始動口11又は、第2始動口12に遊技球が入球すると、複数種類の乱数(数値データ)が抽出され、保留記憶として記憶される。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、上述したように、普通図柄抽選での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、通常モード(通常遊技状態)時であれば、1回の当選により約0.2秒の開放が1回行なわれる。
【0050】
第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の普通入賞口31〜34が配設されている。
【0051】
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10は、後述する当否判定の判定結果を示す第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示態様を、予め定められた変動時間の経過後に表示する。
【0052】
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで大当り抽選の結果を報知する大当り演出が行われる。
【0053】
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
【0054】
また、
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(
図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、第一実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0055】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置、電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、
図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
【0056】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
【0057】
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0058】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントSW14a、一般入賞口31〜34に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW31a等からの検出信号が入力される。
【0059】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は上述した第1始動口SW11a及び第2始動口SW12aでの検出を契機として抽出した数値データに基づいて、大当り遊技状態(特別遊技状態)を発生させるか否かの、後述する当否判定処理を実行する。
これにより、主制御装置80は、当該パチンコ機50全体の制御を司るよう構成されている。
【0060】
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9、第2特図表示装置10、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0061】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12が内蔵された普通電動役物の開閉を制御する。
【0062】
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0063】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0064】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠開放SW35,内枠開放SW36,球切れSW23,払出SW21,満杯SW22からの信号が入力され、満杯SW22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW22,球切れSW23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0065】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
【0066】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
【0067】
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
【0068】
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW28からのタッチ信号、発射停止SW29から発射停止信号が入力される。
【0069】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0070】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0071】
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0072】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0073】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
このように、サブ統合制御装置83、および演出図柄制御装置82は、主制御装置80からのデータ及びコマンド(信号、或いは通知)に基づいて、複数種類設けられた各種演出の内から何れかを選択決定して、該選択決定した各種演出を演出図柄表示装置6に表示して実行するよう構成されている。
【0074】
[動作の説明]
[第一実施形態]
次に、第一実施形態におけるパチンコの動作について説明する。
【0075】
第一実施形態のパチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、上述した普通図柄抽選処理での当選により一定期間にわたり開放される普電開放遊技が行われることで入賞が可能となる第2始動口12が設けられており、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に起因して抽出された乱数による大当り抽選が行われる。そして、大当り抽選の際には、第1特別図柄に関しては第1特図表示装置9にて、第2特別図柄に関しては第2特図表示装置10にて、各特別図柄の変動表示が行われると共に、これらを停止表示(確定表示)することで大当り抽選の結果が報知される。また、これと並行して、演出図柄表示装置6の画面上で、各特別図柄に対応した演出図柄を変動表示させた後にこれらを停止表示させ、大当り抽選の結果を報知する疑似演出が行われる。
【0076】
また、パチンコ機50では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞により抽出された乱数(数値データ)が、最大4個まで保留記憶として記憶され、第1特図保留数表示装置18又は第2特図保留数表示装置19にて、各々の保留記憶の数が表示されると共に、各保留記憶に対応する保留図柄が表示される。
また、演出図柄表示装置6の画面上では、上記各特別図柄に対応した演出図柄を変動表示させる疑似演出に加えて、第1特図保留数表示装置18又は第2特図保留数表示装置19にて表示される保留図柄に対応した第1保留図柄や第2保留図柄が表示されるようにしてもよい。さらに、変動中の保留記憶に係る大当りの期待度を示す変動中図柄も表示されるように構成してもよい。
【0077】
上記保留記憶に関して実行される大当り抽選で当たると、所定ラウンド数の大当り遊技が行われる。
そして、大当り遊技の終了後は、一定期間(所定数の大当り抽選が行われるまでの期間)にわたり、パチンコ機50の遊技状態が、大当り抽選で当る確率が上昇する「確変モード」や、普通図柄抽選処理での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選処理での当選時の第2始動口12(普通電動役物)の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される「時短モード」や、確変モードと時短モードのどちらでもない遊技状態である「通常モード」に移行可能に構成されている。
なお、本実施形態では、「確変モード」中は、「時短モード」と同様に、普通図柄抽選処理での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選処理での当選時の第2始動口12(普通電動役物)の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される。また一方、「時短モード」では、大当り抽選に係る当否抽選確率は上昇しない。
また、「時短モード」における上記機能すなわち、普通図柄抽選処理での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選処理での当選時の第2始動口12(普通電動役物)の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される機能は、以下、「開放延長機能」とも呼称する。よって、該「開放延長機能」は、「確変モード」および「時短モード」の何れにおいても、作動する。
【0078】
以下では、第一実施形態のパチンコ機50の動作について詳細に説明する。
(1)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、
図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0079】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
【0080】
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S75に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数1,2の更新(S45)を行うことで、各種乱数(数値データ)の更新を実行する。
【0081】
なお、初期値乱数は、0〜3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。
また、大当り判定用乱数は、0〜3899の範囲であり、乱数の大きさは3900である。なお、通常モードにおいて大当りとなる値の数は13(大当り確率は1/300)で、775〜778,1775〜1778,2775〜2779となる。また、確変モードにおいては、大当りとなる値の数は、13よりも大きい数となる。
【0082】
また、大当り図柄決定用乱数の値は、0〜99の範囲であり、乱数の大きさは100である。
【0083】
また、変動パターン決定用乱数1の値は、0〜1020の範囲であり、乱数の大きさは1021である。
また、変動パターン決定用乱数2の値は、0〜600の範囲であり、乱数の大きさは601である。
【0084】
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50),始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当った際に行われる大当り遊技を制御する大当り遊技処理と(S60)を行う。また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。
【0085】
また、S75では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(2)始動入賞確認処理について
次に、第1始動口11又は第2始動口12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について、
図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンにて実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0086】
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、S120に処理を移行する。
【0087】
S105では、主制御装置80は、第1特別図柄に係る保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S120に処理を移行する。
【0088】
S110では、主制御装置80は、第1特別図柄に係る、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、疑似演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやスーパーリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数(数値データ)を保留記憶として記憶する。
すなわち、S110では、第1始動口11に遊技球が入球したことに起因して、数値データとしての各種乱数を抽出すると共に、該抽出した数値データを第1特別図柄に係る保留記憶として記憶する。
そして、消化されていない第1特別図柄に係る保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。
【0089】
S115では、主制御装置80は、新たに発生した第1特別図柄に係る保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理を実行し、S120に処理を移行する
本実施形態の先読み判定処理(S115)は、後述する当否判定処理の実行前に、記憶された数値データが大当りとなる内容を備えているか否か、すなわち特定の数値と合致するか否かを、後述する当否判定処理の前に確認する処理である。
さらに、確認した結果に係る情報(信号)である各種先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0090】
S115の処理後、S100の否定判定後、或いはS105の肯定判定後に移行する、S120では、主制御装置80は、第2始動口SW12aの検出信号に基づき、第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S120:Yes)、S125に処理を移行し、否定判定の場合は(S120:No)、本処理を終了する。
【0091】
S125では、主制御装置80は、第2特別図柄に係る保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S125:No)、S130に処理を移行し、肯定判定の場合は(S125:Yes)、本処理を終了する。
【0092】
S130では、主制御装置80は、第2特別図柄に係る、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、疑似演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやスーパーリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数(数値データ)を保留記憶として記憶する。
すなわち、S130では、第2始動口12に遊技球が入球したことに起因して、数値データとしての各種乱数を抽出すると共に、該抽出した数値データを第2特別図柄に係る保留記憶として記憶する。
そして、消化されていない第2特別図柄に係る保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S135に処理を移行する。
【0093】
S135では、主制御装置80は、新たに発生した第2特別図柄に係る保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
本実施形態の先読み判定処理(S135)は、後述する当否判定処理の実行前に、記憶された数値データが大当りとなる内容を備えているか否か、すなわち特定の数値と合致するか否かを、後述する当否判定処理の前に確認する処理である。
さらに、確認した結果に係る情報(信号)である各種先読みコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する処理である。
【0094】
なお、本実施形態では上述したように、第1特別図柄と第2特別図柄で其々固有の先読み判定処理として、S115とS135を備えるようにしたが、本処理の最終にて共通の先読み判定処理を1回行うように構成しても良い。
【0095】
さらに、本実施形態では、S110及びS130にて保留数コマンドを、また、S115及びSS135にて各種先読みコマンドを、個別に送信する構成としたが、保留数コマンドと先読みコマンドを1つのコマンドとして生成し、1回の送信処理にて送信するような構成としても良い。つまり、S110とS115の異なるコマンド、S130とS135の異なるコマンドを、各々合成して1つの合成コマンドとして、S115又はS135にて送信するようにしても良い。
(3)先読み判定処理について
次に、新たに発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留記憶に関し、これに対応する大当り決定用乱数等の値と合致するか否かを判定する先読み判定処理について、
図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
なお、本実施形態では、
図7に示す処理は、上記S115及びS135の何れにおいても実行される共通の処理である。
【0096】
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。
【0097】
S155では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド1を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
【0098】
一方、S160では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が特定値(疑似演出でスーパーリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S160:Yes)、S165に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S160:No)、S170に処理を移行する。
【0099】
S165では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド2を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
【0100】
また、S170では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が特定値(疑似演出でノーマルリーチとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S170:Yes)、S175に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S170:No)、S180に処理を移行する。
【0101】
S175では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係るリーチ判定用乱数と変動パターン決定用乱数1,2の値が上記特定値であることを示す先読みコマンド3を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
【0102】
一方、S180では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数1,2が、上記特定値のうちのいずれでもないことを示す先読みコマンド4を生成してサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
また、他の構成として、ハズレ図柄も複数備え、該ハズレ図柄には予め大まかな変動内容が指定されており、変動パターン決定用乱数を用いて変動パターンを選択する構成も考えられる。この場合は、大当り図柄決定用乱数ではなく、図柄決定用乱数となる。
大まかな変動内容とは、リーチを行わずにハズレる変動か、リーチを行った後にハズレる変動か、或いは、疑似連続変動(一変動中に、あたかも複数回変動したかのように見せかける変動演出)を行なう変動か、といった情報である。そして、該大まかな変動内容が、ハズレ図柄によって指定されており(例えばリーチハズレの場合は変動パターン決定用乱数にて、複数あるリーチ演出の中から選択することになる。)、これにより、図柄情報を先読みコマンドで送るだけで、サブ統合制御装置83は当否結果、及び変動内容を把握することができ、その内容によって先読み演出を実行するか否かを決定することができる。
先読み判定処理で判断する内容は特に限定するものではなく、先読み演出で行ないたい内容に合致したデータを主制御装置80が送ればよい。
【0103】
本実施形態の主制御装置80は、上述した、S155、S165、S175、およびS180の各種先読みコマンドの送信設定処理では、何れにおいても、先読みコマンドと併せて、「変動テーブル種別コマンド(情報)」を生成してサブ統合制御装置83に送信する。
「変動テーブル種別コマンド」は、現状、後述する当否判定処理(
図9参照)のS250及びS260にて変動パターンを決定する際に参照する変動テーブルが、平均変動時間の異なる複数種類の第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れに設定されている状態であるかを判断し、参照することが設定されている変動テーブルの種別を示唆するコマンドである。
本実施形態では、通常遊技状態では第1変動テーブルが、確変遊技状態(ST期間)又は時短遊技状態には第2変動テーブルが参照されるように設定されているので、上記判定に際し、確変フラグ又は時短フラグの値を判定し、該フラグに1が設定されていれば第2変動テーブルを、0が設定されていれば第1変動テーブルを参照する状態にあると判断し、当該内容のコマンドを生成する。
なお、このような構成に限らず、参照する変動テーブル種別を示唆するフラグを個別に備えてこれを判定するようにしても良いし、参照する変動テーブル種別を示唆する情報を所定のバッファに格納して、該格納された情報を判定するようにしても良い。
本実施形態では、当該変動テーブルの種別に基づいて、後述する「期待度演出」の対象を決定するものである。
【0104】
(4)当否判定処理について
次に、保留記憶として記憶された大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、
図8〜11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
【0105】
まず、
図8に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
【0106】
S205では、主制御装置80は、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、
図10のS280に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
【0107】
S210では、主制御装置80は、特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、
図11のS290に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、
図9のS215に処理を移行する。
【0108】
続いて
図9に関して、S215では、主制御装置80は、第2特別図柄に係る保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、S380に処理を移行する。
【0109】
S220では、主制御装置80は、第2特別図柄に係る保留記憶の数をデクリメントすると共に、第2特別図柄に係る最も古い保留記憶を選択し、後述するS230、S235、S245、S250、S255、S260、及びS265等にて参照するために、該保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動処理して、S225に処理を移行する。
【0110】
S215にて否定判定の場合、S380では、主制御装置80は、第1特別図柄に係る保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S380:Yes)、S385に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S380:No)、S382に処理を移行する。
【0111】
S385では、主制御装置80は、第1特別図柄に係る保留記憶の数をデクリメントすると共に、第1特別図柄に係る最も古い保留記憶を選択し、後述するS230、S235、S245、S250、S255、S260、及びS265等にて参照するために、該保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動処理して、S225に処理を移行する。
【0112】
このように本実施形態では、第2特別図柄に係る保留記憶が有る場合は、第1特別図柄に優先して処理を行うように構成されている。
【0113】
S382では、主制御装置80は、待機コマンド送信処理を実行して、本処理を終了する。
待機コマンド送信処理は、現在が変動表示を実行しておらず且つ、第1特別図柄に係る保留記憶、及び第2特別図柄に係る保留記憶の何れも存在しておらず、即時次に変動表示を行う予定が無い状態であるとして、サブ統合制御装置83に対して、待機コマンドを送信する処理である。
なお、待機コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、直前に変動表示が終了して確定表示態様にて表示されている特別図柄に対応した疑似図柄(演出図柄とも呼称する)に関して、該確定表示態様に対応した疑似確定表示態様にて維持する「待機表示」を開始する。演出図柄表示装置6にて該待機表示を実行中の画面を、以下に「待機画面」と呼称する。また、後述するが、本実施形態では、待機フラグに1が設定されている状態での表示として、「待機表示」の他に「デモ表示」(後で、詳述する)を備える。演出図柄表示装置6にて該デモ表示を実行中の画面を、以下に「デモ画面」と呼称する。また、デモ表示或いはデモ画面を実行する演出は、所謂デモンストレーション演出であって、機種説明、ルール説明、仕様説明、メーカー情報、或いは、CM等を行う演出である。
【0114】
S225では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
【0115】
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
【0116】
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、通常モードに対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
このように本実施形態のS230およびS235は、始動入賞確認処理のS110又はS130にて記憶された数値データに基づいて、大当り遊技を発生させるか否かの当否判定すなわち大当り判定を実行する処理である。
【0117】
S240では、主制御装置80は、S230又はS235の判定結果を参照して、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S240:Yes)、S245に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S240:No)、S260に処理を移行する。
なお、上述したハズレ図柄を複数備える構成の場合には、S240で否定判定時に移行する上記S260において、ハズレ図柄決定処理が行なわれるように構成すれば良い。
【0118】
S245では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定することで、当該大当り図柄に対応して予め定められた大当り遊技のラウンド数等を決定する。そして、S250に処理を移行する。
【0119】
S250では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S255に処理を移行する。
【0120】
ここで、S250の処理について詳述する。
S250では、上述したように、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定するものであるが、所定の変動テーブルを参照して該決定が行われる。
本実施形態において、変動テーブルには、変動パターン決定用乱数に対応した複数の変動パターンが設定されており、更にこれらの変動パターンには個々に変動時間が指定されている。
また、本実施形態の変動テーブルは、設定された変動パターンが指定する変動時間の平均である平均変動時間に関して、比較的長時間である平均変動時間に設定された第1変動テーブルと、該第1変動テーブルよりも比較的短時間である平均変動時間に設定された第2変動テーブルとを備える。
なお、平均変動時間の時間差は、リーチ演出の出現率による差であったり、リーチなしハズレでの変動時間の差であったりと、他のパラメータの差異の度合を反映することで、色々考えられる。
そして、本実施形態では、変動パターン決定処理にて参照する変動テーブルとして、上記第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れかが選択されており、選択されている変動テーブルに基づいて上記決定処理が為されるようになっている。
第1変動テーブルが参照される場合には、変動時間が比較的長時間となる傾向にあり、大当りとなるか否かの「変動演出」に対して充分な演出時間を充当することができ、一変動単位の多彩で趣向性に溢れた演出を遊技者に提供し易くなる。また、第2変動テーブルが参照される場合には、変動時間が比較的短時間となる傾向にあり、変動がテンポよくスピィーディーに消化されて、単位時間あたりの大当りの期待度が増し、大当りによる出玉を遊技者に期待させ易くなる。
【0121】
更に詳述すると、本実施形態では、通常遊技状態(通常モード)では第1変動テーブルが参照され、確率変動状態(確変)且つ時短遊技状態(普電の開放延長状態)では第2変動テーブルが参照されるように構成されている。
よって、S250では、先ず、現在参照することになっている変動テーブルの種別を判断し、該判断の結果に基づいて第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れかを参照して、変動パターンの決定処理を行うものである。
すなわち、S250は、平均変動時間の異なる第1変動テーブル又は第2変動テーブルの何れかを参照して、変動パターンを選択する処理である。
なお、このようなS250の処理の内容は、後述するS260においても同様である。
【0122】
S255では、主制御装置80は、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S270に処理を移行する。
【0123】
一方、S240で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
なお、本実施形態では、S260にて、ハズレ時の消化した保留記憶に係る変動パターン(変動時間)を決定すると共に、これに先立って、ハズレ図柄を決定する処理を行う。この構成に限定することなく、S260の実行前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えるように構成しても良い。これにより、上述したハズレ図柄を複数備える構成であれば、好適な制御処理を行うことができる。
このようにS245及びS260は、大当りとなるか否かの判定結果に基づいて、該判定結果を示す特別図柄すなわち、大当り図柄又はハズレ図柄を、決定する処理である。
【0124】
S265では、主制御装置80は、確変モード(本実施形態ではST期間)中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S270に処理を移行する。
【0125】
S270では、主制御装置80は、上述したS220においてデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、S275に処理を移行する。
【0126】
S275では、主制御装置80は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、特別図柄の変動を開始させ、本処理を終了する。
すなわち、S275では、上記S250又はS260で決定した変動パターンの種別を示す変動パターン信号(コマンド)を、サブ統合制御装置83に送信する処理を行う。
【0127】
なお、変動開始コマンド(特図変動開始コマンドとも呼称する)を受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、特別図柄の変動時間をもとに、特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する疑似演出(変動演出)を選択し、選択した疑似演出を表示開始させる「変動開始処理」(
図19)を備える。「変動開始処理」については、後述する。
また、変動開始コマンドは、さらに、大当り抽選により消化された保留記憶が、第1始動口11への入賞により生成されたものであるか、第2始動口12への入賞により生成されたものであるかを示している。
【0128】
続いて
図10に関して、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に移行するS280では、主制御装置80は、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S280:No)、本処理を終了する。
【0129】
S285では、主制御装置80は、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を終了し、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の確定図柄すなわち、上述したS245またはS260にて決定した大当り図柄又はハズレ図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
このように、S285は、大当りとするか否かの当否判定結果に基づいて決定された特別図柄に係る大当り図柄またはハズレ図柄を表示させる処理である。そして、図柄確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、特別図柄に対応した疑似図柄によって、上述したように疑似確定表示を行うことにより、当否抽選の結果を表示する。
【0130】
続いて
図11に関して、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の確定表示中に移行するS290では、主制御装置80は、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S290:Yes)、S295に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S290:No)、本処理を終了する。
【0131】
S295では、主制御装置80は、特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)の確定表示を終了し、S300に処理を移行する。
S300では、主制御装置80は、確定表示されていた特図(第1特別図柄又は第2特別図柄)が大当り時のものであるか否か、すなわち大当り図柄であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S300:No)、S340に処理を移行する。
【0132】
S305では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S310)、その後、S315に処理を移行する。
【0133】
S315では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
【0134】
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S325),役物連続作動装置作動開始処理(S330),大当り開始演出処理(S335)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
【0135】
一方、S300にて否定判定が得られた場合に移行するS340では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S340:Yes)、S345に処理を移行し、確変フラグが1ではない場合には(S340:No)、S355に処理を移行する。
【0136】
なお、本実施形態のパチンコ機50は、所謂ST機として構成されている。すなわち、確変フラグに1が設定されている状態は、ST期間中を意味しており、該ST期間は、確変図柄にて大当りとなった後、所定の変動回数(例えば、100回)が終了するまでの期間において、大当りとするか否かの当否抽選の確率を、通常遊技状態時の低確率よりも高い、高確率に変動(確率変動、確変)させた状態である。
また、パチンコ機50は、確変カウンタを備える。確変カウンタは、ST期間である所定の変動回数(例えば、100回)に対応したカウンタ値(例えば、100)がST期間開始時に設定され、変動終了毎にデクリメント処理されるカウンタである。該確変カウンタが0となることで、ST期間が終了する。
【0137】
S345で、主制御装置80は、確変カウンタのデクリメント処理を行い、併せて、確変カウンタが0となったか否か、つまり、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)が無くなったか否かの判定を行い、0となった場合には(S345:Yes)、S350に処理を移行し、0ではない場合には(S345:No)、S355に処理を移行する。
S350で、主制御装置80は、確変フラグに0を設定して、S355に処理を移行する。
【0138】
S355で、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S355:Yes)、S360に処理を移行し、時短フラグが1ではない場合には(S355:No)、S370に処理を移行する。
【0139】
なお、本実施形態では、S310で確変フラグの1を0に置き換える場合、また、S320で時短フラグの1を0に置き換える場合、所定の確変フラグバッファ及び所定の時短フラグバッファに、該情報を格納する。後述するが、大当り遊技状態の終了時に、大当り遊技状態終了後の遊技状態(確変、時短、或いは通常)を決定する際、該確変フラグバッファ及び時短フラグバッファに格納された情報を参照する。
【0140】
なお、本実施形態のパチンコ機50は、上述したST期間に対応して、時短状態も発生するように構成されている。つまり確変状態中(ST期間中)は、時短状態中となる。また、上記確変フラグとは別に、時短フラグを備え、時短フラグに1が設定されている状態は、時短中であり且つST期間中を意味しており、該時短期間は、確変図柄にて大当りとなった後、所定の変動回数(例えば、100回)が終了するまでの期間において、普通図柄の変動時間を短縮し、普通電動役物の開放時間を通常時よりも延長する状態である。
また、パチンコ機50は、上記確変カウンタとは別に時短カウンタを備える。時短カウンタは、時短状態である所定の変動回数(例えば、100回)に対応したカウンタ値(例えば、100)が時短状態開始時に設定され、変動終了毎にデクリメント処理されるカウンタである。該時短カウンタが0となることで、時短状態が終了する。
図示しないが、主制御装置80は、時短フラグが1であることに基づいて、普通電動役物の開放時間を延長する「開放延長制御処理」を備える。
【0141】
S360で、主制御装置80は、時短カウンタのデクリメント処理を行い、併せて、時短カウンタが0となったか否かの判定を行い、0となった場合には(S360:Yes)、S365に処理を移行し、0ではない場合には(S360:No)、S370に処理を移行する。
S365で、主制御装置80は、時短フラグに0を設定して、S370に処理を移行する。
【0142】
S370では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(5)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、
図12〜14のフローチャートを用いて説明する。本処理は、メインルーチンから実行される処理である。
【0143】
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
【0144】
S405では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、
図13のS430に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
【0145】
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、
図13のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
【0146】
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、
図14のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
【0147】
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
【0148】
S425では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて
図13に関して、大入賞口14の開放中に移行するS430では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S430:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S430:No)、S435に処理を移行する。
【0149】
S435では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S435:Yes)、S440に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S435:No)、本処理を終了する。
【0150】
S440では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S445に処理を移行する。
S445では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
【0151】
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS450では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、本処理を終了する。
【0152】
S455では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、S465に処理を移行する。
【0153】
S460では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S465では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
【0154】
続いて
図14に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS470では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
【0155】
続くS475,S480では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S485に処理を移行する。
S485では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変モードに移行するか否か、すなわちST期間に移行するか否か、を判定し、肯定判定の場合には(S485:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数、ST回数例えば、100回)に相当するカウンタ値を確変カウンタに設定すると共に(S490)、確変フラグに1をセットし(S495)、S500に処理を移行する。
【0156】
S500では、主制御装置80は、大当り遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数、例えば100回)に相当するカウンタ値を時短カウンタに設定すると共に(S505)、時短フラグに1をセットし(S510)、S515に処理を移行する。
【0157】
なお本実施形態のS485では、確変フラグバッファに格納された情報を参照して、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定する。また、S500では、時短フラグバッファに格納された情報を参照して、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定する。
【0158】
S515,S520では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
【0159】
(6)パチンコ機50の仕様について
次に、本実施形態におけるパチンコ機50に係る仕様について、
図15を参照して説明する。
先ず、大当り確率すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る当否抽選の結果として大当りとなる確率は、上述したように、1/300に設定されている。
大当り遊技状態終了後に特別図柄に係る当否抽選の抽選確率が通常遊技状態のそれよりも高い高確率に変動する割合は、第1特別図柄及び第2特別図柄で大当りとなった場合、何れも、その60%が変動する。
大当り遊技状態終了後に「開放延長機能」が作動する割合は、第1特別図柄及び第2特別図柄で大当りとなった場合、何れも、その90%が変動する。
【0160】
入賞口に1個の遊技球が入賞(入球)した場合の賞球数は、第1始動口(図示、特1始動口)が3個、第2始動口(図示、特2始動口)が1個、その他入賞口が10個、そして、大入賞口が10個に設定されている。
また、普通図柄に係る当否抽選の抽選確率は、通常遊技状態で1/10、開放延長機能の作動時で1/1.0101に設定されている。
さらに、普通図柄が当った場合の普通電動役物に係る開放時間は、通常遊技状態で0.2秒間、開放延長機能の作動時で1秒間を3回、に設定されている。
【0161】
(7)第1及び第2特別図柄の大当り時の振り分けについて
次に、本実施形態の第1及び第2特別図柄の大当り時の振り分けについて、
図16を参照して説明する。
図16(a)は、第1特別図柄の大当り時の振り分け内容を、また、
図16(b)は、第2特別図柄の大当り時の振り分け内容を示す。
【0162】
図16(a)に示すように、第1特別図柄は、「特
図1−図柄1」乃至「特
図1−図柄6」の6種類の大当り図柄を備える。そして、大当り図柄毎に、振分け率、確変機能の作動可否および作動した場合の期間(特別図柄の変動表示回数)、開放延長機能の作動可否および作動した場合の期間(特別図柄の変動表示回数)、大当り遊技状態において実行されるラウンド数、及び、大当り遊技後に移行する遊技状態の種別が、図示のとおり設定されている。
なお、大当り遊技後に移行する遊技状態の種別については、「高確サポ有り」が「確変モード」に、「低確サポ有り」が「時短モード」に、そして「低確サポ無し」が「通常モード」に相当する。
【0163】
次いで、
図16(b)に示すように、第2特別図柄は、「特
図2−図柄1」乃至「特
図2−図柄3」の3種類の大当り図柄を備える。そして、第1特別図柄と同様、大当り図柄毎に、振分け率、確変機能の作動可否および作動した場合の期間(特別図柄の変動表示回数)、開放延長機能の作動可否および作動した場合の期間(特別図柄の変動表示回数)、大当り遊技状態において実行されるラウンド数、及び、大当り遊技後に移行する遊技状態の種別が、図示のとおり設定されている。
【0164】
本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄で、同じ大当り(確変機能、開放延長機能、ラウンド数、及び移行する遊技状態の種別等)となる割合が異なるように設定されている。
すなわち、確変機能及び開放延長機能が100回作動し、大当りラウンド数が15ラウンドで、高確サポ有りに移行する大当りとなる振分率は、第1特別図柄では「特
図1−図柄1」が選択された場合の10/100であるのに対して、第2特別図柄では「特
図2−図柄1」が選択された場合の60/100である。
また、確変機能が作動せず、開放延長機能が100回作動し、大当りラウンド数が15ラウンドで、低確サポ有りに移行する大当りとなる振分率は、第1特別図柄では「特
図1−図柄3」が選択された場合の5/100であるのに対して、第2特別図柄では「特
図2−図柄2」が選択された場合の30/100である。
また、確変機能及び開放延長機能が共に作動せず、大当りラウンド数が15ラウンドで、低確サポ無しに移行する大当りとなる振分率は、第1特別図柄では「特
図1−図柄5」が選択された場合の5/100であるのに対して、第2特別図柄では「特
図2−図柄3」が選択された場合の10/100である。
さらに、第1特別図柄では大当りラウンド数として、15ラウンドと10ラウンドの何れかが選択されるのに対して、第2特別図柄では15ラウンドのみが選択される。このように、比較的多いラウンド数すなわち多くの賞球を獲得可能な大当りを選択する確率は、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が高くなるように設定されている。
【0165】
(8)割合テーブルの振り分けについて
次に、本実施形態の初期設定割合テーブル及び変更割合テーブル1の振り分けについて、
図17及び
図18を参照して説明する。
図17は、本実施形態の初期設定割合テーブルの、
図18は変更割合テーブル1の説明図である。
先ず、本実施形態では、「確変モード」中すなわち「確変機能」及び「開放延長機能」が共に作動する状態中において、サブ統合制御装置83が実行する第2特別図柄に対応した複数種類の演出(疑似演出と図示)を備える。そして、該複数種類の演出の何れを選択するかの振分け率が設定されたテーブルとして、「初期割合設定テーブル」と「変更割合設定テーブル1」を備えている。
本実施形態のサブ統合制御装置83は、「確変モード」中において、「初期割合設定テーブル」と「変更割合設定テーブル1」の何れかを参照して、第2特別図柄の演出を選択してこれを実行する。なお、大当り遊技状態終了後の、「確変モード」への移行時には、先ず「初期割合設定テーブル」が選択され、該テーブルが参照される。
【0166】
図17に示すように、サブ統合制御装置83が実行する、第2特別図柄に対応した演出は、疑似演出1〜28までの複数種類備える。疑似演出1〜17は、ハズレ時に選択される演出であり、疑似演出18〜28は大当り時に選択される演出である。
疑似演出1〜28は、ハズレ時か否か、対応する第2特別図柄の変動時間、及び乱数値に基づいて、何れかが選択される。なお、本実施形態では、疑似演出1〜28の何れかを選択するための特定の乱数カウンタ(0〜19を生成)を備え、抽出した乱数値(数値データ)に基づいて疑似演出の種別を決定する。
なお、第2特別図柄の変動時間は、主制御装置80により選択決定される。主制御装置80は、決定した情報を含む「特図変動開始コマンド」を当否判定処理(
図9)のS275にて送信し、サブ統合制御装置83は、該コマンドに基づいて、疑似演出の種別を決定する。
また、サブ統合制御装置83は、特図変動開始コマンドの受信時に、上記特定の乱数カウンタから乱数値を抽出するよう構成されている。
【0167】
先ず、
図17を参照して、本実施形態の「初期設定割合テーブル」に設定された、ハズレ時に選択される疑似演出1〜17について説明する。
ハズレ時の第2特別図柄の変動時間は、4秒間、12秒間、15秒間、18秒間、および25秒間の何れかが、設定されている。
例えば、変動時間が12秒間の場合、乱数値が0〜7であれば、疑似演出2が選択され、乱数値が8〜15であれば、疑似演出3が選択され、乱数値が16〜19であれば、疑似演出4が選択される。
【0168】
次いで、大当り時に選択される疑似演出18〜28について説明する。
大当り時の第2特別図柄の変動時間は、12秒間、18秒間、25秒間および30秒間の何れかが、設定されている。
例えば、変動時間が12秒間の場合、乱数値が0〜9であれば、疑似演出18が選択され、乱数値が10〜19であれば、疑似演出19が選択される。
【0169】
本実施形態の疑似演出は、疑似演出4〜28までが、演出内容にリーチ演出を含む構成となっている。よって、ハズレ時で変動時間が12秒間であっても、疑似演出2および3はリーチ演出が実行されないが、疑似演出4が選択されればリーチ演出が実行される。
なお、リーチ演出が実行されない疑似演出2および3では、「疑似連」演出を実行するよう構成されている。
【0170】
また、大当り時に実行される疑似演出18〜28では、ハズレ時に実行される実質的なリーチ演出が無くても、リーチ状態を経て大当り図柄が表示されるので、形式的に同様のリーチ演出が行われるものである。
【0171】
続いて、
図18を参照して、本実施形態の「変更割合テーブル1」に設定された、ハズレ時に選択される疑似演出1〜17について説明する。
「変更割合テーブル1」でも、ハズレ時の第2特別図柄の変動時間は、4秒間、12秒間、15秒間、18秒間、および25秒間の何れかが、設定されている。但し、「初期設定割合テーブル」とは、各疑似演出に対して設定された乱数値の値が異なる。
例えば、変動時間が12秒間の場合、乱数値が0〜7であれば、疑似演出3が選択され、乱数値が8〜19であれば、疑似演出4が選択され、疑似演出2には乱数値が割り当てられていないため、疑似演出2が実行されることがない。そして、疑似演出2が選択実行されないことにより、実質的なリーチ確率が向上する。
このように、本実施形態の「変更割合テーブル1」は、疑似演出の種別を選択する上で、「初期設定割合テーブル」とは異なる選択割合が設定されている。同じ種類の疑似演出でも、振り分けられている乱数値が異なる。また、特定の疑似演出に関して、一方では選択される可能性を有していても、他方では可能性を有していないよう、設定されている。
このように設定されることで、「初期設定割合テーブル」を参照する場合と、「変更割合テーブル1」を参照する場合とでは、演出内容が異なるよう構成されている。
【0172】
次いで、大当り時に選択される疑似演出18〜28について、該大当り時のテーブル設定内容は、上述した「初期設定割合テーブル」と同様であり、共通のテーブルとなっている。よって、説明は割愛する。
【0173】
さらに、本実施形態では、「確変モード」中であって、且つ、第2特別図柄に対応した疑似演出を選択する際に、上記「初期設定割合テーブル」または「変更割合テーブル1」を参照するが、「確変モード」以外の状態中に第2特別図柄に対応した疑似演出を選択する際、または第1特別図柄に対応した疑似演出を選択する際には、「所定の疑似演出選択テーブル」を参照するように構成されている。
【0174】
(9)変動開始処理について
図19を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「変動開始処理」について説明する。
上述したように、サブ統合制御装置83は、第1特別図柄および第2特別図柄に対応した疑似図柄を演出図柄表示装置6に表示し、主制御装置80が決定した変動時間と同じ時間に亘って疑似演出(変動表示)を行う。サブ統合制御装置83は、該疑似演出を、主制御装置80から送信されたコマンドに基づいて実行するものであり、以下説明する「変動開始処理」は、本実施形態のサブ統合制御装置83が、疑似演出を実行開始するための制御処理である。
【0175】
先ず、サブ統合制御装置83は、S600で、特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行し、否定判定の場合には(S600:No)、本処理を終了する。
特図変動開始コマンドは、主制御装置80が当否判定処理(
図9)のS275で送信するコマンドである。
【0176】
サブ統合制御装置83は、S605で、「疑似演出決定処理」(
図22参照 後で詳述する)を実行し、S610で「待機フラグ」に0を設定し、さらにS615で「デモフラグ」に0を設定し、S620で疑似演出の実行を開始する演出開始処理を行って、本処理を終了する。
「待機フラグ」および「デモフラグ」については、後で詳述する。
【0177】
(10)待機コマンド受信処理について
図20を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「待機コマンド受信処理」について説明する。
先ず、サブ統合制御装置83は、S650で、「待機コマンド」を受信したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S650:Yes)、S655に処理を移行し、否定判定の場合には(S650:No)、本処理を終了する。
「待機コマンド」は、主制御装置80が当否判定処理(
図9)のS382で送信するコマンドで、第1および第2特別図柄に係る変動表示が非実行中で、第1及び第2特別図柄の保留記憶が何れも無い状態において、送信されるコマンドである。
なお、サブ統合制御装置83が「待機コマンド」を受信したことにより、演出図柄表示装置6に、疑似図柄の疑似確定表示態様にて維持継続する図柄待機表示を実行開始する。
【0178】
次いで、サブ統合制御装置83は、S655で、前記「待機コマンド」を受信してから15秒間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S655:Yes)、S660に処理を移行し、否定判定の場合には(S655:No)、本処理を終了する。
サブ統合制御装置83は、S660で、「待機フラグ」に1を設定して、本処理を終了する。
すなわち、「待機コマンド」の受信により開始された図柄待機表示が、15秒間維持された時点で、「待機フラグ」に1が設定される。本実施形態の「待機フラグ」に1が設定されることで移行する「待機状態」は、サブ統合制御装置83が演出図柄表示装置6に、「図柄待機表示」(後述する
図29(a)を参照 待機画面とも呼称する)又は後述する「デモ表示」(後述する
図29(b)を参照 デモ画面とも呼称する)の何れかの態様で表示を行う状態である。
【0179】
(11)表示切替処理について
図21を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「表示切替処理」について説明する。
本実施形態の「表示切替処理」は、「待機状態」において、サブ統合制御装置83が演出図柄表示装置6にて表示する態様を、「図柄待機表示」と「デモ表示」の間で切り替える処理である。
先ず、サブ統合制御装置83は、S700で、「待機フラグ」に1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S700:Yes)、S705に処理を移行し、否定判定の場合には(S700:No)、本処理を終了する。
次いで、サブ統合制御装置83は、S705で、「待機フラグ」に1が設定されてから15秒間以上が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S705:Yes)、S710に処理を移行し、否定判定の場合には(S705:No)、本処理を終了する。
さらに、サブ統合制御装置83は、S710で、「デモフラグ」に1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S710:Yes)、S725に処理を移行し、否定判定の場合には(S710:No)、S715に処理を移行する。
【0180】
サブ統合制御装置83は、S715で、「デモ表示処理」を実行して演出図柄表示装置6にて表示する態様を、「デモ表示」として、S720に処理を移行する。
サブ統合制御装置83は、S720で、「デモフラグ」に1を設定して、本処理を終了する。
「デモフラグ」は、1が設定されることで、待機フラグに1が設定されてから、換言すれば待機状態に移行してから15秒間以上が経過し且つ未だ変動表示が開始されていない状態を示すフラグである。さらにいえば、最後の変動表示が終了してから、30秒間以上が経過しても未だ次の変動表示が開始されていない状態を示すフラグである。
【0181】
サブ統合制御装置83は、S725で、デモ表示の実行中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S725:Yes)、S730に処理を移行し、否定判定の場合には(S725:No)、S740に処理を移行する。
サブ統合制御装置83は、S730で、デモ表示の実行開始から30秒間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S730:Yes)、S735に処理を移行し、否定判定の場合には(S730:No)、本処理を終了する。
サブ統合制御装置83は、S735で、「図柄待機表示処理」を実行して演出図柄表示装置6にて表示する態様を、「図柄待機表示」として、本処理を終了する。
【0182】
サブ統合制御装置83は、S740で、デモ表示ではない、すなわち図柄待機表示の実行開始から30秒間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S740:Yes)、S745に処理を移行し、否定判定の場合には(S740:No)、本処理を終了する。
このように、本実施形態の「表示切替処理」が構成されることで、待機状態が開始されると、既に15秒間維持されてきた「図柄待機表示」が更に15秒間維持された後、次に「デモ表示」、続いて「図柄待機表示」が30秒間毎に交互に実行される。
【0183】
なお、サブ統合制御装置83は、S705の判定のための「待機状態タイマカウンタ」を備える。該カウンタは、待機フラグに1が設定されることでカウントアップを開始し、待機状態が維持されている間は、カウントアップを継続する。これにより、S705で15秒間以上が経過したか否かを判定可能とし、該処理では、15秒間を経過した後は、S710以降の処理を待機フラグが1から0に変更設定されるまでの間、割り込みの都度実行可能とする。なお、該カウンタは、待機フラグが1から0に変更設定されると、カウンタ値が0にクリアされる。
【0184】
(12)疑似演出決定処理について
図22を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「疑似演出決定処理」について説明する。
「疑似演出決定処理」は、上述した「変動開始処理」(
図19)のS605の処理である。
サブ統合制御装置83は、S900で、確変中すなわち「確変モード」中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S900:Yes)、S905に処理を移行し、否定判定の場合には(S900:No)、S920に処理を移行する。
次いで、サブ統合制御装置83は、S905で、受信した特図変動開始コマンドに対応した変動表示の結果がハズレとなる変動か否かを判定し、肯定判定の場合には(S905:Yes)、S910に処理を移行し、否定判定の場合には(S905:No)、S920に処理を移行する。
さらに、サブ統合制御装置83は、S910で、受信した特図変動開始コマンドに対応した変動表示は第2特別図柄に基づく変動か否かを判定し、肯定判定の場合には(S910:Yes)、S915に処理を移行し、否定判定の場合には(S910:No)、S920に処理を移行する。
【0185】
サブ統合制御装置83は、S915で、「テーブル種別バッファ」に格納されている疑似演出選択テーブルを参照して、疑似演出の種別を決定する処理を行い、本処理を終了する。
なお、「テーブル種別バッファ」に格納されている疑似演出選択テーブルとは、本実施形態では、上述した「初期割合設定テーブル」又は「変更割合設定テーブル1」である。「テーブル種別バッファ」については、後で詳述する。
【0186】
サブ統合制御装置83は、S920で、「所定の疑似演出選択テーブル」を参照して、疑似演出の種別を決定する処理を行い、本処理を終了する。
すなわち、S920は、非確変中である場合、大当りとなる変動である場合、又は、第1特別図柄に係る変動である場合、の何れかの場合に実行される処理である。
【0187】
(13)デモ間変動回数計数処理について
図23を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「デモ間変動回数計数処理」について説明する。
「デモ間変動回数計数処理」は、前回の「デモ表示」の実行開始から、今回の「デモ表示」の実行開始までに、特別図柄に対応した疑似図柄の変動表示の回数を計数する処理である。
サブ統合制御装置83は、S950で、「変更フラグ」が1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S950:Yes)、S955に処理を移行し、否定判定の場合には(S950:No)、S980に処理を移行する。
「変更フラグ」については、後述するが、確変モード中の、且つ「設定割合変更可能期間」中に、「デモ表示(デモ演出とも呼称する)」が実行された場合に、1が設定されるフラグである。「設定割合変更可能期間」については、後で詳述する。
【0188】
サブ統合制御装置83は、S955で、特別図柄に対応した疑似図柄の変動表示が開始したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S955:Yes)、S960に処理を移行し、否定判定の場合には(S955:No)、S965に処理を移行する。
【0189】
サブ統合制御装置83は、S960で、「変動回数カウンタ」のカウント値をインクリメントして、S965に処理を移行する。
「変動回数カウンタ」は、確変モード中の、「デモ表示」間の特別図柄に係る変動表示回数をカウントするカウンタである。
【0190】
サブ統合制御装置83は、S965で、「デモ表示(デモ演出とも呼称する)」が実行開始されたか否かを判定し、肯定判定の場合には(S965:Yes)、S970に処理を移行し、否定判定の場合には(S965:No)、本処理を終了する。
サブ統合制御装置83は、S970で、変動回数カウンタのカウント値を「変動回数バッファ」に格納し、S975で、変動回数カウンタのカウント値を0にクリアする処理を実行して、本処理を終了する。
【0191】
サブ統合制御装置83は、S980で、変動回数カウンタのカウント値が0ではないか否かを判定し、肯定判定の場合には(S980:Yes)、S985に処理を移行して変動回数カウンタのカウント値を0にクリアした後で本処理を終了し、否定判定の場合には(S980:No)、そのまま本処理を終了する。
S980およびS985は、変更フラグが0にクリアされた時に、変動回数カウンタに何らかのカウント値が設定されている場合、これをクリアする処理である。つまり、変動回数カウンタは、変更フラグが0にクリアされると、これに伴い0にクリアされる。
【0192】
(14)演出選択割合変更処理について
図24を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する「演出選択割合変更処理」について説明する。
「演出選択割合変更処理」は、確変中且つ設定割合変更可能期間中において、デモ表示が実行された際に、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルを変更する処理である。
サブ統合制御装置83は、S800で、確変モード中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に処理を移行し、否定判定の場合には(S800:No)、S840に処理を移行する。
サブ統合制御装置83は、S805で、現時点が「設定割合変更可能期間」中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S805:Yes)、S810に処理を移行し、否定判定の場合には(S805:No)、S830に処理を移行する。
【0193】
「設定割合変更可能期間」は、確変期間が備える期間であり、本実施形態では、大当り遊技状態後の100回の変動表示回数に亘って設定される確変期間(ST)中の内、10回目の変動表示の抽選の実行後から91回目の変動表示の抽選が実行される前までの期間に設定されている。そして、該期間は、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルを変更可能としている。(
図25参照 選択割合変更可能期間とも呼称する)
さらに、確変期間は、確変期間の開始時から10回目の変動表示の抽選の実行迄の期間、及び、91回目の変動表示の抽選の実行時から確変期間の終了時迄の期間、を第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルを変更不能な特定の期間として備えている。(
図25参照 選択割合変更禁止期間とも呼称する)
このように、本実施形態の確変モード中は、上記期間の種別によって、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルを変更可能または変更不能となるよう構成されている。そして、確変モード中の最初と最後の特定の期間は、変更不能となっている。
【0194】
サブ統合制御装置83は、S830で、「初期設定割合テーブル」が選択されていないかを判定し、肯定判定の場合には(S830:Yes)、S835に処理を移行し、否定判定の場合には(S830:No)、本処理を終了する。
サブ統合制御装置83は、S835で、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルとして、「初期設定割合テーブル」を選択して、「テーブル種別バッファ」に格納する処理を実行して、本処理を終了する。
「テーブル種別バッファ」は、第2特別図柄のハズレ時に実行する疑似演出の種別を選択決定する際に参照する疑似演出選択テーブルの種別を格納するバッファであり、上述した「疑似演出決定処理」(
図22)のS915で参照するバッファである。
【0195】
このように、S830およびS835は、確変モードに移行して直後の「選択割合変更禁止期間」、或いは、確変モードの最終段階の「選択割合変更禁止期間」にあるとき、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルとして、「初期設定割合テーブル」を設定するための処理である。なお、この処理によって、確変モードが開始すると最初は、「初期設定割合テーブル」が設定される。また、後述する変更が実行されなければ、確変モード中は「初期設定割合テーブル」が維持される。
【0196】
サブ統合制御装置83は、S810で、「デモ表示(デモ演出)」が実行開始したかを判定し、肯定判定の場合には(S810:Yes)、S815に処理を移行し、否定判定の場合には(S810:No)、本処理を終了する。
サブ統合制御装置83は、S815で、変更フラグに1が設定されているか否かを判定し、肯定判定の場合には(S815:Yes)、S820に処理を移行し、否定判定の場合には(S815:No)、S850に処理を移行する。
【0197】
サブ統合制御装置83は、S850で、変更フラグに1を設定し、S855で、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルとして、「変更割合テーブル1」を選択し、「テーブル種別バッファ」に格納する処理を実行して、本処理を終了する。
すなわち、S850およびS855では、確変モード中の「設定割合変更可能期間」において、最初の「デモ表示(デモ演出)」が実行されると、「初期設定割合テーブル」から「変更割合テーブル1」に変更する処理を行う。
【0198】
サブ統合制御装置83は、S820で、「変動回数バッファ」に格納された数値を参照して、該数値が所定回数(例えば、10)以上であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S820:Yes)、S825に処理を移行し、否定判定の場合には(S820:No)、本処理を終了する。
サブ統合制御装置83は、S825で、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルとして、現在「テーブル種別バッファ」に格納されているテーブルとは異なるテーブル、すなわち、「初期設定割合テーブル」が格納されていれば「変更割合テーブル1」を、また、「変更割合テーブル1」が格納されていれば「初期設定割合テーブル」を、格納する処理を実行して、本処理を終了する。
すなわち、S820およびS855では、「設定割合変更可能期間」において新たな「デモ表示」が実行された場合、変動回数バッファの数値が所定回数以上であることに基づいて、「変更割合テーブル1」から「初期設定割合テーブル」へ、または「初期設定割合テーブル」から「変更割合テーブル1」へ変更し、所定回数未満であれば上記変更を行わない処理である。
【0199】
サブ統合制御装置83は、確変モード中ではないと判定された際に移行する、S840で、変更フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S840:Yes)、S845で変更フラグを0にリセットして、本処理を終了し、否定判定の場合には(S840:No)、そのまま本処理を終了する。
【0200】
(15)確変中のデモ演出実行による参照テーブルの変更例について
図25〜28のタイミングチャート及び、
図29〜31の表示例を参照して、本実施形態のサブ統合制御装置83が「演出選択割合変更処理」を実行した場合の、変更例を説明する。
先ず
図25に示すように、大当り遊技後に大当り確率が低確率から高確率に変動すると、本実施形態では変動回数が100回に回数切りされた確変モード(ST)に移行する。該確変モードは、開始直後の選択割合変更禁止期間、続いて選択割合変更可能期間、そして最後の選択割合変更禁止期間の、3種類の期間に分割されている。
【0201】
確変モードが開始されると、同時に選択割合変更禁止期間が開始されるので、サブ統合制御装置83による「演出選択割合変更処理」(
図24)のS805が否定判定、S830が肯定判定となって、S835でテーブル種別バッファに「初期設定割合テーブル」が、先ずは格納される。この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生すると、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「初期設定割合テーブル」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
【0202】
確変モードが開始した直後の選択割合変更禁止期間中に、最初の「デモ表示(デモ演出)」が実行開始されると、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS805が否定判定、S830も否定判定となって、テーブル種別バッファに格納された「初期設定割合テーブル」は変更されないので、この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生したとしても、「初期設定割合テーブル」を継続して参照することとなる。
また、確変モードの最後の選択割合変更禁止期間中に、2回目の「デモ表示(デモ演出)」が実行開始されると、上述した場合と同様に、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS805が否定判定、S830も否定判定となって、テーブル種別バッファに格納された「初期設定割合テーブル」は変更されないので、この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生したとしても、「初期設定割合テーブル」を継続して参照することとなる。
本実施形態では、確変モードの最初、及び最後の特定の期間を選択割合変更禁止期間に設定することで、該期間では「デモ表示(デモ演出)」が実行されても、これに関係無く「初期設定割合テーブル」が参照されるように構成されている。
【0203】
次いで
図26に示すように、「デモ表示(デモ演出)」が選択割合変更可能期間中に実行開始された場合、該実行開始までは、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS810が否定判定となることで、「初期設定割合テーブル」を継続して参照する。そして、該「デモ表示(デモ演出)」が実行開始すると、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS815が否定判定となり、S855の実行によって、テーブル種別バッファに「変更割合テーブル1」が、格納される。この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生すると、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「変更割合テーブル1」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
この状態で、選択割合変更可能期間が終了して選択割合変更禁止期間に移行すると、サブ統合制御装置83による「演出選択割合変更処理」(
図24)のS805が否定判定、S830が肯定判定となって、S835でテーブル種別バッファに格納された「変更割合テーブル1」は「初期設定割合テーブル」の格納によって変更される。この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生すると、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「初期設定割合テーブル」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
【0204】
図27および
図29を参照して、選択割合変更可能期間中に複数回の「デモ表示(デモ演出)」が実行された場合を説明する。
選択割合変更可能期間中に、例えば遊技者が発射を中断して第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶が無くなると、本実施形態では
図29(a)に示すように、演出図柄表示装置6には、確変中報知表示101と共に、疑似図柄(演出図柄)が例えば「123」のハズレ図柄態様で確定表示されたまま維持される図柄待機表示が実行される。当該状態中に、ハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生した場合には、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「初期設定割合テーブル」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
図29(a)の図柄待機表示が実行開始してから所定時間(例えば、30秒間)が経過すると、
図27に示す1回目の「デモ表示(デモ演出)」が、
図29(b)の態様にて表示開始される。本実施形態に係るパチンコ機50の「デモ表示(デモ演出)」は、例えばパチンコ機50の仕様等を説明するデモンストレーション演出として、図示したキャラクタ表示に加えて機種名となる「CR熊の達吉」の表示を行うよう設定されている。
なお、この際、上述した
図26の場合と同様に、「デモ表示(デモ演出)」の実行開始に伴い、「変更割合テーブル1」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
「デモ表示(デモ演出)」の実行開始から、デモ実行時間(例えば、30秒間)が経過すると、「表示切替処理」(
図21)のS735によって「デモ表示(デモ演出)」は終了して、
図29(c)の図柄待機表示が実行される。
この状態では、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS810が否定判定となることで、「変更割合テーブル1」を継続して参照する。
なお、
図29(c)の図柄待機表示は、
図29(a)の図柄待機表示と同じ表示態様、すなわち、遊技者が両者を判別不能な表示態様で表示されるよう構成されており、遊技者は該「待機画面」を見ただけでは、参照するテーブルが、「初期設定割合テーブル」から「変更割合テーブル1」に変更されたことを推知することは、不可能となっている。
さらに、
図29(c)の図柄待機表示が実行開始してから所定時間(例えば、30秒間)が経過するまでに、例えば
図27に示すように2回の変動表示が実行され、その後に再度
図29(c)と同様の図柄待機表示を経た後、2回目の「デモ表示(デモ演出)」が、
図27に示すように実行された場合、演出図柄表示装置6には、
図29(d)の態様にて表示開始される。
この状態では、変動回数バッファの数値が「2」であることから、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS820が否定判定となることで、「変更割合テーブル1」を継続して参照する。
なお、
図29(c)の図柄待機表示が実行開始してから所定時間(例えば、30秒間)が経過するまで、変動表示が実行されない場合であっても、変動回数バッファの数値が0であることから、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS820が否定判定となることで、「変更割合テーブル1」を継続して参照する。
この状態で、選択割合変更可能期間が終了して選択割合変更禁止期間に移行すると、サブ統合制御装置83による「演出選択割合変更処理」(
図24)のS805が否定判定、S830が肯定判定となって、S835でテーブル種別バッファに格納された「変更割合テーブル1」は「初期設定割合テーブル」の格納によって変更される。この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生すると、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「初期設定割合テーブル」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
【0205】
図28は、上述した
図27の場合と、「デモ表示(デモ演出)」間に発生した変動表示の回数において相違する変更例を示している。
選択割合変更可能期間中に、例えば遊技者が発射を中断して第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶が無くなると、本実施形態では
図30(a)に示すように、演出図柄表示装置6には、確変中報知表示101と共に、疑似図柄(演出図柄)が例えば「123」のハズレ図柄態様で確定表示されたまま維持される図柄待機表示が実行される。当該状態中に、ハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生した場合には、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「初期設定割合テーブル」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
図30(a)の図柄待機表示が実行開始してから所定時間(例えば、30秒間)が経過すると、
図28に示す1回目の「デモ表示(デモ演出)」が、
図30(b)の態様にて表示開始される。
なお、この際、上述した
図26の場合と同様に、「デモ表示(デモ演出)」の実行開始に伴い、「変更割合テーブル1」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
「デモ表示(デモ演出)」の終了後、1回目の変動表示が、
図30(c)及び
図30(d)に示す態様で実行される。その後、引き続き
図28に示すように、デモ表示後に例えば10回の変動表示が実行されて待機状態となると、
図31(a)に示す態様で図柄待機表示が実行される。
図30(b)から
図31(a)までの状態では、何れも、疑似演出が選択決定される際に、「変更割合テーブル1」を参照こととなる。
図31(a)に示す図柄待機表示の実行開始から所定時間(例えば、30秒間)が経過するまで、変動表示が実行されない場合、
図28に示す2回目の「デモ表示(デモ演出)」が、
図31(b)の態様で実行開始される。該実行開始によって、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS820が肯定判定となり、S825が実行されて、テーブル種別バッファに格納された「変更割合テーブル1」は「初期設定割合テーブル」の格納によって変更される。この状態でハズレとなる第2特別図柄の始動入賞が発生すると、サブ統合制御装置83による「疑似演出決定処理」(
図22)のS915でテーブル種別バッファに格納されている「初期設定割合テーブル」を参照して疑似演出が選択決定されることとなる。
その後、選択割合変更可能期間が終了して選択割合変更禁止期間に移行すると、サブ統合制御装置83による「演出選択割合変更処理」(
図24)のS805が否定判定、S830が否定判定となって、テーブル種別バッファに格納された「初期設定割合テーブル」は維持される。
【0206】
なお、上述した変更例では、「デモ表示(デモ演出)」を2回実行した場合を説明したが、これに限らず3回以上の場合でも、「演出選択割合変更処理」によって、条件が成立していれば、上記変更を実行可能な構成となっている。
【0207】
[第二実施形態]
次に本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、サブ統合制御装置83が実行する「演出選択割合変更処理」(
図24)にて変更するテーブルの種別において第一実施形態と相違するため、相違する点においてのみ具体例について説明する。
よって、上記相違点について、
図32および33を参照して説明し、同様の構成および作用については第一実施形態を援用することで、ここでの説明を割愛するものとする。
【0208】
本実施形態では、第一実施形態の変更割合テーブル1(
図18)に加えて、変更割合テーブル2(
図32)および変更割合テーブル3(
図33)を備える。
図32に示すように、変更割合テーブル2は、上述した「初期設定割合テーブル」及び変更割合テーブル1と、同様に疑似演出1〜28を備える。しかし、各疑似演出に対して、乱数値の値を異ならせて設定している。また、疑似演出2および5には、乱数値が割り当てられておらず、該演出が実行されることがないようになっている。
また、
図33に示すように、変更割合テーブル3は、上述した「初期設定割合テーブル」、変更割合テーブル1、及び変更割合テーブル2と、同様に疑似演出1〜28を備える。しかし、各疑似演出に対して、乱数値の値を異ならせて設定している。また、疑似演出2、5、および9には、乱数値が割り当てられておらず、該演出が実行されることがないようになっている。
このように設定されることで、「初期設定割合テーブル」、「変更割合テーブル1」、「変更割合テーブル2」、または「変更割合テーブル3」を参照する場合、個々に演出内容が異なるよう構成されている。
なお、本実施形態における、「変更割合テーブル2」および「変更割合テーブル3」の、大当り時のテーブル設定内容は、何れも、上述した「初期設定割合テーブル」と同様に構成されている。
【0209】
本実施形態の「演出選択割合変更処理」(
図24)のS855では、第2特別図柄のハズレ時に参照する疑似演出選択テーブルとして、「変更割合テーブル1」、「変更割合テーブル2」、および「変更割合テーブル3」の内から、何れかをテーブル選択抽選処理によって選択する。
また、「演出選択割合変更処理」(
図24)のS825では、テーブル種別バッファに格納されているものとは異なるテーブルを格納する処理を実行するため、「変更割合テーブル1」が格納されていれば、「変更割合テーブル2」、「変更割合テーブル3」、および「初期設定割合テーブル」の内から、また、「変更割合テーブル2」が格納されていれば、「変更割合テーブル1」、「変更割合テーブル3」、および「初期設定割合テーブル」の内から、また、「変更割合テーブル3」が格納されていれば、「変更割合テーブル1」、「変更割合テーブル2」、および「初期設定割合テーブル」の内から、また、「初期設定割合テーブル」が格納されていれば、「変更割合テーブル1」、「変更割合テーブル2」、および「変更割合テーブル3」の内から、何れかを「テーブル選択抽選処理」によって選択するよう構成されている。
また、テーブル選択抽選処理では、「デモ表示(デモ演出)」の実行開始により、所定のテーブル選択用乱数を抽出して、該抽出された乱数値が所定の数値であるか否かの判定処理によって、何れのテーブルとするかを選択するよう構成している。
なお、このような構成に限定されることなく、上記複数のテーブルに対して、予め所定の選択順番を設定しておいて、該選択順番に従って選択処理を行うようにしても良い。例えば、「変更割合テーブル1」、「変更割合テーブル2」、「変更割合テーブル3」、「初期設定割合テーブル」の順番で選択され、「初期設定割合テーブル」の次には、最初の「変更割合テーブル1」に戻って、該ループを反復継続して行うようにしてもよい。
【0210】
このように、「初期設定割合テーブル」とは異なる「変更割合テーブル」を、複数種類備えることによって、有利な遊技状態中に「デモ表示(デモ演出)」を実行することにより変更できる、疑似演出の選択割合が、多彩となる。
【0211】
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、これに限定することはない。
例えば、上述した実施形態では、疑似演出の選択割合を変更する構成としたが、「大当り予告」の選択割合を変更する構成としても良い。
すなわち、
始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、数値データ抽出手段によって抽出された数値データを記憶する保留記憶手段と、保留記憶手段に記憶された数値データに基づいて大当り遊技を発生させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、大当り判定手段の判定結果を示す特別図柄を予め定められた変動時間後に表示する特別図柄表示装置と、特別図柄が変動している際に行うと共に前記大当り遊技が発生することを示す予告を複数種類の中から選択する予告選択手段と、予告選択手段によって選択された予告を表示する演出図柄表示装置と、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、通常遊技状態又は有利遊技状態において、大当り判定手段による判定が所定時間行われていなかった場合にデモンストレーション演出が実行される弾球遊技機に関するものであって、
この弾球遊技機は、予告選択手段による予告の選択割合を変更する予告選択割合変更手段を備え、予告選択手段は、遊技状態移行手段によって有利遊技状態に移行されると、初期設定割合に基づいて予告の選択を行い、予告選択割合変更手段は、少なくとも有利遊技状態において、デモンストレーション演出が実行されたことに起因して、有利遊技状態における演出選択手段による予告の選択割合を、初期設定割合とは異なる選択割合に変更する、ように構成してもよい。
このような構成によれば、有利遊技状態における予告の選択割合が変更可能となるため、有利遊技状態中に期待度の高い予告が全く出現しなかったり、同じ予告ばかりが出現する、といった状態が発生する確率を低下させることが可能となる。
また、有利遊技状態においてデモンストレーション演出が実行されることは、遊技者が意図的に遊技球の発射を止めていることが原因となる場合等が考えられる。そのようなデモンストレーション演出の実行を、予告の選択割合が変更される条件としたので、遊技者は発射を止めることで容易に且つ意図的に、予告の選択割合を変更することが可能となる。
さらに、デモンストレーション演出を遊技者に見せる機会が増え、当該弾球遊技機の魅力を、遊技者に改めて実感させることが可能となる。
【0212】
また、上述した実施形態では、疑似演出の選択割合を変更する構成としたが、「先読み予告」の選択割合を変更する構成としても良い。
すなわち、
始動口に遊技球が入球したことに起因して数値データを抽出する数値データ抽出手段と、数値データ抽出手段によって抽出された数値データを記憶する保留記憶手段と、保留記憶手段に記憶された数値データに基づいて大当り遊技を発生させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、大当り判定手段の判定結果を示す特別図柄を予め定められた変動時間後に表示する特別図柄表示装置と、大当り判定手段による判定の前に前記大当り遊技が発生することを示す先読み予告を複数種類の中から選択する先読み予告選択手段と、先読み予告選択手段によって選択された先読み予告を表示する演出図柄表示装置と、通常遊技状態から該通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、通常遊技状態又は有利遊技状態において、大当り判定手段による判定が所定時間行われていなかった場合にデモンストレーション演出が実行される弾球遊技機に関するものであって、
この弾球遊技機は、先読み予告選択手段による先読み予告の選択割合を変更する先読み予告選択割合変更手段を備え、先読み予告選択手段は、遊技状態移行手段によって有利遊技状態に移行されると、初期設定割合に基づいて先読み予告の選択を行い、先読み予告選択割合変更手段は、少なくとも有利遊技状態において、デモンストレーション演出が実行されたことに起因して、有利遊技状態における演出選択手段による先読み予告の選択割合を、初期設定割合とは異なる選択割合に変更する、ように構成してもよい。
このような構成によれば、有利遊技状態における先読み予告の選択割合が変更可能となるため、有利遊技状態中に期待度の高い先読み予告が全く出現しなかったり、同じ先読み予告ばかりが出現する、といった状態が発生する確率を低下させることが可能となる。
また、有利遊技状態においてデモンストレーション演出が実行されることは、遊技者が意図的に遊技球の発射を止めていることが原因となる場合等が考えられる。そのようなデモンストレーション演出の実行を、先読み予告の選択割合が変更される条件としたので、遊技者は発射を止めることで容易に且つ意図的に、先読み予告の選択割合を変更することが可能となる。
さらに、デモンストレーション演出を遊技者に見せる機会が増え、当該弾球遊技機の魅力を、遊技者に改めて実感させることが可能となる。
【0213】
また、上述した実施形態では、「デモ間変動回数計数処理」のS965にてデモ演出が開始されると、S975で変動回数カウンタのカウント値を0クリアする構成としたが、これに限定せず、例えば、デモ演出が開始しても、変動回数カウンタのクリア処理を行わないように、すなわち変動回数カウンタのカウント値を保持する構成としても良い。この場合、有利遊技状態の終了時に、変動回数カウンタのクリア処理を行う構成が好適である。
このように構成することで、前回と今回のデモ演出に関する1回のインターバルで、変動回数が所定回数に到達しなかったとしても、変動回数カウンタのクリア処理が実行されずカウンタ値は維持されるため、後に続いてデモ演出が行われた場合、そのインターバル中に実行された変動回数も変動回数カウンタに加算される。よって、複数回のインターバルに跨って、つまり複数回のデモ演出を実行した際に、変動回数が所定回数に到達すれば、疑似演出選択テーブルを変更可能な構成とすることができる。よって、遊技者は、デモ演出を実行させた後、任意の変動回数だけ変動表示を行い、テーブルが変更されていないと思えば更にデモ演出を発生させることを反復継続する過程で、変動回数の合算値が所定回数に到達すると、所望するテーブル変更を実現できる。
このような構成では、遊技者に所定回数が知られない構成或いは、不定な所定回数とする構成が好ましい。例えば、所定回数を複数種類備えておいて、何れの所定回数を選択するかを抽選により決定し、一定としないようにすることで、遊技者は予想した変動回数が所定回数に設定されているか否かを、楽しむことができる。
【0214】
また、上述した実施形態では、確変モードの最初と最後に特定の期間を設けて、該期間中は「初期設定割合テーブル」が参照されるように構成したが、確変モードの最初に特定の期間を設けないようにしても良い。例えば、確変モード中において「変更割合テーブル」を参照中に、大当りが発生して、該大当り遊技状態の終了後に再度、確変モードに移行した場合に、最初から「初期設定割合テーブル」が参照されるように構成しても良い。
これにより、確変モード中且つ「変更割合テーブル」を参照中に大当りをさせないと、次回の確変モードの開始時から「初期設定割合テーブル」が参照されない。
したがって、確変モード中且つ「変更割合テーブル」を参照中に大当りが発生しなければ、次回の確変モードの開始直後は、メーカーとして遊技者に最も体感してもらいたい演出を、最適な選択割合にて提供することができる。
【0215】
また、上述した実施形態では、確変モード(有利遊技状態)中で、設定割合変更可能期間(非特定期間)中に、デモンストレーション演出が実行されたときに、第2特別図柄の変動表示に関して、該変動がハズレとなる場合に、疑似演出の変更割合を変更可能する構成を例示したが、これに限定しなくても良い。
例えば、通常遊技状態中であっても、設定割合変更禁止期間(特定期間)中であっても、第1特別図柄の変動表示に関しても、また、変動が大当りとなる場合であっても、デモンストレーション演出が実行されたときに、疑似演出の変更割合を変更可能する構成としても良い。これらの何れかの条件を適宜、組み合わせたように構成しても良い。
【0216】
さらに、上述した実施形態では、有利遊技状態を、確変モード(高確率遊技状態且つ開放延長状態)とし、これに対して、時短モード(低確率遊技状態且つ開放延長状態)は、演出の選択割合を変更不能とする例を示したが、有利遊技状態として、上記両モードを含めるようにしてもよい。すなわち、確変モードであっても時短モードであっても、演出の選択割合を変更可能とするようにしてもよい。
【0217】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0218】
第1始動口11および第2始動口12が、始動口の一例に相当する。
始動入賞確認処理のS110及びS130が、数値データ抽出手段及び保留記憶手段の一例に相当する。
当否判定処理のS230及びS235が、大当り判定手段の一例に相当する。
第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10が、特別図柄表示装置の一例に相当する。
疑似演出1〜28が、演出の一例に、疑似演出決定処理が、演出選択手段の一例に相当する。
演出図柄表示装置6が、演出図柄表示装置の一例に相当する。
確変モード(
図16の高確サポ有り状態 確変状態)が、有利遊技状態の一例に相当する。
大当り遊技処理のS485〜S510が、遊技状態移行手段の一例に相当する。
サブ統合制御装置83が待機コマンドを受信した後の30秒間が、所定時間の一例に相当する。
デモ表示或いはデモ画面を実行する演出が、デモンストレーション演出の一例に相当する。
パチンコ機50が弾球遊技機の一例に相当する。
初期設定割合テーブル、変更割合テーブル1〜3に設定された乱数の振り分けの違いが、選択割合の違いの一例に相当する。
演出選択割合変更処理が、演出選択割合変更手段の一例に相当する。
初期設定割合テーブルに設定された乱数の振り分け条件が、初期設定割合の一例に相当する。
変更割合テーブル1〜3に設定された乱数の振り分け条件が、初期設定割合とは異なる選択割合の一例に相当する。
【0219】
初期設定割合テーブル、変更割合テーブル1〜3が、テーブルの一例に相当する。
変更割合テーブル1〜3が、複数の変更テーブルの一例に相当する。
第二実施形態の「テーブル選択抽選処理」が、テーブル選択手段の一例に相当する。
【0220】
選択割合変更禁止期間が、特定期間の一例に相当する。
【0221】
始動入賞確認処理のS110が、第1保留記憶手段の一例に、S130が、第2保留記憶手段の一例に相当する。