特許第6586598号(P6586598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586598
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】塗布体付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20191001BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20191001BHJP
   B65D 47/42 20060101ALI20191001BHJP
   B43K 17/00 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   B65D83/00 J
   A45D34/04 540
   B65D47/42 300
   B43K17/00
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-22085(P2015-22085)
(22)【出願日】2015年2月6日
(65)【公開番号】特開2016-145049(P2016-145049A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 正弘
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−035008(JP,U)
【文献】 特表2007−522964(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0129284(US,A1)
【文献】 米国特許第03003468(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00−83/76
A45D 34/04
B43K 17/00−17/04
B65D 47/42−47/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に収容された液状物を含浸体を介して容器先端に配置された塗布体に送り当該塗布体により前記液状物を塗布する塗布体付き容器であって、
前記塗布体は、前記容器先端の前記液状物の出口に回転可能に配置され、前記含浸体に接触する円盤状の塗布体であり、
前記塗布体を覆うキャップを前記容器から引き抜く際に前記塗布体に接触し、引き抜きに従って前記塗布体を回転させる突出部が、前記キャップの内面に設けられていることを特徴とする塗布体付き容器。
【請求項2】
前記容器の容器本体は、その先端側の外周面に、前記キャップの開放端側の内周面に接触しキャップの挿脱をガイドするガイド面を有し、
前記キャップを引き抜くにあたって、前記塗布体の前記含浸体に接触している部分が、前記塗布体の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ回転するまで、前記ガイド面が、前記キャップを引き抜き方向に真っ直ぐにガイドすると共に、ガイドしている間、前記塗布体が前記突出部に接触することを特徴とする請求項1記載の塗布体付き容器。
【請求項3】
前記キャップを前記容器に装着する際に前記キャップの前記容器に対する軸線周り回転方向の位置決めを行うための係合部が、前記キャップの開放端側の内周面及び前記容器の容器本体の先端側の外周面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布体付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布体付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗布体付き化粧料容器として、容器内に収容された液状化粧料を中継芯を介して容器先端に配置された塗布体に送り当該塗布体により液状化粧料を塗布するものが知られている。以下の特許文献1に記載の塗布体付き化粧料容器は、塗布体を、中継芯に接触する円盤状の塗布体として容器先端の液状化粧料の出口に回転可能に配置し、この円盤状の塗布体が塗布の際に回転することによって、綺麗な線を描けるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5566518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、塗布体を覆うキャップを塗布を開始すべく容器から取り外したときに、円盤状の塗布体に液状化粧料が付着している部分は、中継芯に接触している部分であるから、中継芯に接触している部分の反対側で皮膚に押し当てる部分には、液状化粧料が付着していない。従って、描き始めにあっては、液状化粧料の付いていない部分から線を描くため、液状化粧料が付着している部分が回転して皮膚に当たるまでの間、液状化粧料の付いていない無駄な線を描くことになる。このような場合、線を重ね描きする必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、液状化粧料を始めとした液状物の付いている線を描き始めから描くことができる塗布体付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による塗布体付き容器は、容器内に収容された液状物を含浸体を介して容器先端に配置された塗布体に送り当該塗布体により液状物を塗布する塗布体付き容器であって、塗布体は、容器先端の液状物の出口に回転可能に配置され、含浸体に接触する円盤状の塗布体であり、塗布体を覆うキャップを容器から引き抜く際に塗布体に接触し、引き抜きに従って塗布体を回転させる突出部が、キャップの内面に設けられていることを特徴としている。
【0007】
このような塗布体付き容器によれば、キャップを容器から引き抜く際に、容器先端の液状物の出口に設けられた回転可能な円盤状の塗布体が、キャップの内面に設けられた突出部に接触し、引き抜きに従って回転する。このため、塗布体の含浸体に接触していた部分を、塗布体の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ位置させることができる。その結果、液状物の付いている線を描き始めから描くことができる。
【0008】
ここで、容器は、その先端側の外周面に、キャップの開放端側の内周面に接触しキャップの挿脱をガイドするガイド面を有し、キャップを引き抜くにあたって、塗布体の含浸体に接触している部分が、塗布体の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ回転するまで、ガイド面が、キャップを引き抜き方向に真っ直ぐにガイドすると共に、ガイドしている間、突出部が塗布体に接触する構成を採用するのが好ましい。このような構成を採用した場合、キャップが容器のガイド面にガイドされながら真っ直ぐに引き抜かれ、ガイドされている間、円盤状の塗布体がキャップの突出部に確実に接触しながら回転し、塗布体の含浸体に接触していた部分が、塗布体の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ確実に位置する。このため、液状物の付いている線を描き始めから確実に描くことができる。
【0009】
また、キャップを容器に装着する際にキャップの容器に対する軸線周り回転方向の位置決めを行うための係合部が、キャップの開放端側の内周面及び容器の先端側の外周面にそれぞれ設けられていると、キャップを容器に対して容易に回転方向に位置決めして装着することができ、その結果、キャップを容器から引き抜く際に塗布体をキャップの突出部に確実に接触させ回転させることができる。
【発明の効果】
【0010】
このように本発明によれば、液状物の付いている線を描き始めから描くことができる塗布体付き容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る塗布体付き容器の外観を示す斜視図である。
図2図1に示す塗布体付き容器の要部の縦断面図である。
図3図2のIII-III矢視図である。
図4図1に示す塗布体付き容器の要部の一部破断斜視図である。
図5図2のV-V矢視図である。
図6図1の状態からキャップを取り外した状態を示す斜視図である。
図7図2図6中の塗布体を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る塗布体付き容器の要部を示す一部破断斜視図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る塗布体付き容器の要部を示す横断面図であり、図5に対応する図である。
図10図9中の塗布体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による塗布体付き容器の好適な実施形態について図1図10を参照しながら説明する。図1図7は、本発明の第1実施形態を、図8は、本発明の第2実施形態を、図9及び図10は、本発明の第3実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
先ず、図1図7に示す第1実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る塗布体付き容器の外観斜視図、図2及び図3は、塗布体付き容器の各縦断面図、図4は、塗布体付き容器の一部破断斜視図、図5は、キャップ及び塗布体の軸部を含む位置での横断面図、図6は、キャップを取り外した塗布体付き容器を示す斜視図、図7は、塗布体の斜視図である。
【0015】
塗布体付き容器は、ここでは、液状化粧料を被塗布部である皮膚等に塗布する際に用いられる液状化粧料容器であり、特に、アイライナーのように瞼に細い線を描いたり、アイブロウのように眉毛の細い線を描くのに好適なものである。
【0016】
図1図6に示すように、塗布体付き液状化粧料容器100は、容器を構成する容器本体1及び先筒2と、容器本体1内に収容された中綿3(含浸体)と、容器本体1及び先筒2内に収容された中継芯(含浸体)4と、先筒2の先端に装着された塗布体5と、塗布体5を覆うように容器に着脱可能に装着されたキャップ10と、を概略備える。
【0017】
容器本体1は、例えばPP等から形成され、図2図3及び図6に示すように、先細の段付き円筒状に構成される。この容器本体1は、その段差部1aより後側の筒孔に、液状化粧料を含浸した中綿3を収容すると共に、その後端の開口が、尾栓7を装着することにより閉じられている。また、容器本体1は、図2及び図6に示すように、先端側の外周面に、段差部1aから軸線方向前方へ延びる突条1mを備える。突条1mは、キャップ10を容器(容器本体1)に装着する際に、キャップ10の容器に対する軸線周り回転方向の位置決めを行うための係合部であり、キャップ10の後述の突出部10aに対応させて設けられている(詳しくは後述)。なお、突条1mは、ここでは、周方向に180°離間した位置に一対が設けられているが、1個とすることも可能である。
【0018】
また、容器本体1の先端側の外周面には、上記突条1mの基端側を周方向両側から挟むように、軸線方向視略半円弧状の凹部1e,1eが、キャップ10を装着するためのものとして一対設けられている。そして、容器本体1の凹部1eより前側の突条1mを含む外周面(先端側の外周面)は、キャップ10の開放端側の内周面に接触し当該キャップ10の挿脱をガイドするためのガイド面1sとされる。このガイド面1sは、その外周面が軸線方向に真っ直ぐに延びる形状となっている。
【0019】
先筒2は、例えばPP等から形成され、図2図3及び図6に示すように、後半部2aが円筒状に構成されると共に、これより前側が扁平筒状部2bとされる。扁平筒状部2bは、後半部2aに対し段差部2cを介して外面が拡径されて横断面(軸線方向に直交する断面)略長方形の四角筒形状を呈すると共に、この横断面四角筒形状の長径側及び短径側の外面の両方が先端へ行くに従い多少内側に湾曲しながら小さくなっていく先細り形状とされている。この扁平筒状部2bの扁平な筒孔と後半部2aの円形の筒孔とは、図3に示すように、扁平な筒孔の長径側の径と円形の筒孔の径とが一致し、図2に示すように、扁平な筒孔の短径側が段差2gを介して円形の筒孔に繋がる構成となっている。
【0020】
また、図3及び図4に示すように、先筒2の先端の開口2xが液状化粧料の出口とされ、図4及び図6に示すように、開口縁の短径側に、長径側の開口縁2dよりも前方に突出する突出部2eを、一対対向して備える。この突出部2eには、塗布体5を回転可能に支持するための支持穴2fが短径方向に貫くようにそれぞれ設けられている。
【0021】
そして、先筒2は、図2及び図3に示すように、円筒状の後半部2aが、容器本体1の円筒状の先端部の筒内に進入し、その段差部2cが容器本体1の先端面に突き当たり(図2参照)、この状態で、容器本体1に回転不能且つ軸線方向移動不能に装着される。また、この状態で、容器本体1の筒孔と先筒2の筒孔は連通した状態にある。
【0022】
中継芯4は、例えばやポリエステルやナイロン等を糊で固めて研磨したもので、軸線方向に延在している。中継芯4は、容器本体1及び先筒2の筒孔内に配置され、その後端側の部分が中綿3に差し込まれると共に、その先端側の部分が、先筒2の先端の開口2xへ向かうように延びている。この中継芯4は、毛細管現象により中綿3の液状化粧料を吸い上げ当該中継芯4の先端へ供給する。
【0023】
塗布体5は、例えばPBS等から形成され、図7に示すように、その主要部が円盤状に構成される。この塗布体5の円盤状部分の厚みは、例えばアイライン等の細い線を描くのに好適な厚みとされ、その外周面が塗布面5bとされる。塗布体5の軸心位置には、軸線方向外側へそれぞれ突出し先筒2の突出部2eの支持穴2fに進入するための軸部5aが一体成形されている。
【0024】
そして、塗布体5の軸部5aを先筒2の支持穴2fに装着するにあたっては、図2及び図4に示すように、先筒2の対向する突出部2e,2e同士を短径方向に多少押し広げながら、円盤状の塗布体5を突出部2e,2e同士間に押し込み、その軸部5a,5aを先筒2の支持穴2f,2fに進入させれば良く、このようにして塗布体5を先筒2の先端部に回転可能に支持させることができる。そして、この状態で、円盤状の塗布体5の塗布面5bは、図2及び図3に示すように、中継芯4の先端面4aに適度な力で接触した状態にある。また、この状態で、塗布体5の軸部5aは、先筒2の突出部2eの支持穴2fを通り、突出部2eの外方に突出した状態にある。
【0025】
なお、塗布体5の形状は、図7に示す形状に限定されるものではなく、要は、円盤状であれば良い。また、塗布体5は一体成形ではなく、中心軸と当該中心軸以外の円盤状部分との2部品とし、中心軸以外の円盤状部分に中心軸を嵌着して一体化した塗布体であっても良い。
【0026】
図1図4に示すように、キャップ10は、塗布体5等を保護するためのものであり、例えばPP等から形成され、有底円筒状に構成される。図2に示すように、キャップ10の開放端側の内周面には、開放端から軸線方向前方へ延びる溝10mが、容器本体1の突条1mに回転方向に係合する係合部として設けられる。溝10mは、ここでは、一対の突条1m,1mに対応して一対が設けられているが、前述したように、突条1mが1個の場合には、1個で良い。また、キャップ10の開放端側の内周面で上記溝10mを除く位置には、図3に示すように、容器本体1の軸線方向視略半円弧状の凹部1e,1eに軸線方向に係合するための軸線方向視略半円弧状の凸部10e,10eがそれぞれ設けられる。そして、キャップ10の凸部10eより前側の溝10mを含む内周面は、キャップ10の容器本体1に対する挿脱時に、容器本体1のガイド面1sにガイドされる内周面であり、容器本体1のガイド面1sの軸線方向長と同程度の長さで軸線方向に真っ直ぐに延びている。
【0027】
また、特に本実施形態にあっては、キャップ10は、図2図5に示すように、その内面に、キャップ10を引き抜く際に塗布体5を回転させるための突出部10aを備える。
【0028】
突出部10aは、キャップ10の底部の一部及び内周面の一部に連設されて軸線方向に延びるブロック形状を呈する。突出部10aは、その一面に、塗布体5の一方の軸部5aの外周面、具体的には、一方の軸部5aのうちの突出部2eより外方に突出している部分の外周面に接触するための接触面10bを備え、この接触面10bは、軸線方向に真っ直ぐに延びている。そして、接触面10bは、軸部5aとの接触による摩擦によって当該軸部5aを容易に回転させるのに適した面(例えば面粗度等)とされている(理由については後述)。
【0029】
突出部10aは、前述したキャップ10の溝10m及び容器本体1の突条1mに対応させて設けられており、両者1m、10mが回転方向に係合すると、容器本体1及び先筒2に対する位置決めが成され、突出部10aの接触面10bに軸部5aの外周面が接触可能となっている。
【0030】
このような構成を有するキャップ10は、その溝10mに容器本体1の突条1mが進入するように、回転方向に位置決めされながら、先筒2及び容器本体1に外挿される。これにより、キャップ10の溝10mが容器本体1の突条1mに回転方向に係合する。
【0031】
キャップ10が回転方向に位置決めされた状態で容器本体1に外挿されると、キャップ10の突出部10aの接触面10bに、塗布体5の軸部5aの外周面が接触する。そして、キャップ10が、ガイド面1sにガイドされながら真っ直ぐに押し込まれていくと、軸部5aが接触面10bに擦られて回転し塗布体5が回転する。そして、キャップ10を容器本体1の段差部1aに突き当たるまで押し込むと、その凸部10eが、容器本体1の凹部1eに軸線方向に係合し、容器本体1に着脱可能に装着される。
【0032】
このようにキャップ10が装着された塗布体付き液状化粧料容器100にあっては、中綿3に含浸された液状化粧料は、毛細管現象により中継芯4を通してその先端面4aに送り出され、先端面4aに接触している塗布体5の塗布面5bに転写された状態にある。
【0033】
この状態から、使用者が塗布を開始すべく、キャップ10を容器本体1から軸線方向に引き抜くと、キャップ10の突出部10aの接触面10bに塗布体5の軸部5aの外周面が接触していると共に、接触面10bが軸線方向に延びているため、軸部5aが接触面10bに擦られて回転し塗布体5が回転する。このとき、キャップ10は、ガイド面1sにガイドされながら真っ直ぐに引き抜かれていく。
【0034】
従って、キャップ10の引き抜きに従って塗布体5は回転を続け、塗布体5の中継芯4に接触していた部分(液状化粧料が転写された部分)は、塗布体5の軸心を挟んだ反対側の塗布位置(図2及び図3における左前方の位置)へ位置することになる。すなわち、塗布体5の液状化粧料が付いている部分が、皮膚に接触する塗布位置に位置することになる。
【0035】
この状態で、塗布体5の塗布面5bを皮膚に押し当てると、その押し当てたところに液状化粧料が直ちに付くことになる。そして、容器を皮膚に沿って移動させ塗布体5を回転させることにより、最初の液状化粧料の付着位置から続けて液状化粧料の線を描くことができる。
【0036】
このように、本実施形態においては、キャップ10を容器から引き抜く際に、容器先端の液状化粧料の出口2xに設けた回転可能な円盤状の塗布体5のその軸部5aが、キャップ10の内面に設けた突出部10aに接触し、引き抜きに従って回転することにより塗布体5が回転するため、塗布体5の中継芯4に接触していた部分を、塗布体5の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ位置させることができ、その結果、液状化粧料の付いている線を描き始めから描くことができる。
【0037】
そして、このような円盤状の塗布体5の回転により線が描かれるため、皮膚が引っ張られることがなく使用感が良く、且つ、線が飛び飛びになることがなく綺麗に描くことができる。
【0038】
また、本実施形態においては、容器の先端側の外周面に、キャップ10の開放端側の内周面に接触しキャップ10の挿脱をガイドするガイド面1sを有し、キャップ10を引き抜くにあたって、塗布体5の中継芯4に接触している部分が、塗布体5の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ回転するまで、ガイド面1sが、キャップ10を引き抜き方向に真っ直ぐにガイドすると共に、ガイドしている間、突出部10aが塗布体5の軸部5aに接触するようになっている。このため、キャップ10がガイド面1sにガイドされながら真っ直ぐに引き抜かれ、ガイドされている間、塗布体5の軸部5aがキャップ10の突出部10aに確実に接触しながら回転し、塗布体5の中継芯4に接触していた部分が、塗布体5の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ確実に位置することになり、液状化粧料の付いている線を描き始めから確実に描くことができる。
【0039】
また、本実施形態においては、キャップ10を容器に装着する際にキャップ10の容器に対する軸線周り回転方向の位置決めを行うための係合部1m,10mが、容器の先端側の外周面及びキャップ10の開放端側の内周面にそれぞれ設けられているため、キャップ10を容器に対して容易に回転方向に位置決めして装着することができ、その結果、キャップ10を容器から引き抜く際に塗布体5の軸部5aをキャップ10の突出部10aに確実に接触させ回転させることができる。
【0040】
図8は、本発明の第2実施形態に係る塗布体付き容器の要部を示す一部破断斜視図である。
【0041】
この第2実施形態が第1実施形態と違う点は、第1実施形態のキャップ10に代えて、突出部10aに比して軸線方向に短い突出部11aを有するキャップ11を用いた点である。
【0042】
突出部11aは、突出部10aの有底側の部分が軸線方向に所定長なくされることで軸線方向に短くされており、キャップ11を容器に装着した状態において、塗布体5の軸部5aは、突出部11aよりキャップ11の有底部側に位置し、軸部5aの外周面は、突出部11aの接触面11bに接触しない構成となっている。より詳しくは、軸部5aの外周面(第1実施形態で接触面10bに接触していた部分)は、接触面11bの延長線上に位置する構成となっている。
【0043】
なお、上述のような突出部10aの有底側の部分がなくされた突出部11aへの変更に伴って、キャップ11は、金型製造の都合上、突出部11aを含まない有底部11xと、それ以外の部分で突出部11aを含む筒部11yとに2分割したものを、一体化したものとなっている。
【0044】
また、それ以外の構成は第1実施形態と同様であり、例えば、キャップ11の容器に対する軸線周り回転方向の位置決めを係合部1m,10mにより行う点や、キャップ11の引き抜きの際に、容器本体1のガイド面1sにより、キャップ11がガイドされながら真っ直ぐに引き抜かれると共に、ガイドされている間、塗布体5の軸部5aがキャップ11の突出部11aに接触する点等は、第1実施形態と同様である。
【0045】
このような第2実施形態によれば、キャップ11が容器に装着されている状態では、キャップ11の突出部11aに塗布体5の軸部5aが接触していないため、使用状態にない保管時にあっては、軸部5aに負荷がかからずに済むという第1実施形態にはない作用・効果を奏する。
【0046】
そして、このような状態から、使用者が塗布を開始すべく、キャップ11を容器本体1から軸線方向に引き抜くと、塗布体5の軸部5aが、キャップ11の突出部11aの接触面11bに乗り上げて接触し、さらなる引き抜きに従って、軸部5aが接触面10bに擦られて回転し塗布体5が回転するため、塗布体5の中継芯4に接触していた部分を、塗布体5の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ位置させることができ、第1実施形態と同様に、液状化粧料の付いている線を描き始めから描くことができる。また、それ以外の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
【0047】
図9は、本発明の第3実施形態に係る塗布体付き容器の要部を示す横断面図であって図5に対応する図、図10は、図9中の塗布体を示す斜視図である。
【0048】
この第3実施形態が第1実施形態と違う第1の点は、塗布体の構成であり、第1実施形態の軸部5aを有する塗布体5に代えて、軸部5aがなく軸心位置に貫通孔15dを有する円盤状の塗布体15を用いた点である。
【0049】
この変更に伴い、先筒2の一対の突出部2e,2eにそれぞれ設けられていた支持穴2f,2fがなくされ、先筒2の突出部2e,2eのそれぞれには、塗布体15の貫通孔15dに外側から進入し塗布体15を回転可能に支持する支持軸2t,2tが設けられている。すなわち、塗布体15は、先筒2の支持軸2t,2tにより回転可能に支持されるようになっている。なお、塗布体15の貫通孔15dは、支持軸2t,2tがそれぞれ進入できる凹部であっても良い。
【0050】
また、この第3実施形態が第1実施形態と違う第2の点は、第1実施形態の塗布体5の軸部5aがなくされたことに伴うキャップ12への変更であり、このキャップ12にあっては、第1実施形態の軸部5aに接触していた突出部10aが、塗布体15の塗布面15bに接触する突出部12aに代えられている。
【0051】
突出部12aは、キャップ12の底部の一部及び内周面の一部に連設され断面弓形形状を呈して軸線方向に延び、その弦を構成する平面が接触面12bとされ当該接触面12bに、塗布体15の外周面である塗布面15bが接触する構成となっている。
【0052】
なお、突出部12aの接触面12bは、塗布体15の塗布面15bとの接触による摩擦によって塗布体15を容易に回転させるのに適した面(例えば面粗度等)とされている。
【0053】
このような第3実施形態によれば、キャップ12が容器に装着されている状態にあっては、キャップ12の突出部12aの接触面12bに塗布体15の塗布面15bが接触した状態にある。
【0054】
そして、このような状態から、使用者が塗布を開始すべく、キャップ12を容器本体1から軸線方向に引き抜くと、引き抜きに従って、塗布体15の外周面である塗布面15bが接触面12bに擦られて塗布体15が回転し、これにより、塗布体15の中継芯4に接触していた部分を、塗布体15の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ位置させることができ、第1実施形態と同様に、液状化粧料の付いている線を描き始めから描くことができる。また、それ以外の作用・効果については、第1実施形態と同様である。
【0055】
なお、キャップ12の突出部12aの構成を、第2実施形態と同様に軸線方向に短くし、使用状態にない保管時等のキャップを装着しているときにあっては、突出部12aに塗布体15の塗布面15bが接触しないようにして、負荷がかからないようにしても良い。
【0056】
また、第1実施形態の軸部5aを有する塗布体5に対しても第3実施形態のキャップ12が適用可能であり、塗布体5の塗布面5bに、キャップ12の突出部12aを接触させ、キャップ12の引き抜きに従い、塗布体5の塗布面5bが突出部12aの接触面12bに擦られ塗布体5が回転するようにしても良い。また、この構成においてキャップ12装着時には、第2実施形態のように、軸線方向に短くした突出部に塗布体5の塗布面5bが接触しないようにし、負荷がかからないようにしても良い。
【0057】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、キャップ10〜12の引き抜きによる塗布体5,15の回転によって、塗布体5,15の中継芯4に接触していた部分を、塗布体5,15の軸心を挟んだ反対側の塗布位置へ位置させるようにしているが、塗布体5,15をそれ以上回転させるようにしても勿論良い。
【0058】
また、上記実施形態においては、キャップ10〜12の突出部10a〜12aを、塗布体5の軸部5aや塗布面5b、塗布体15の塗布面15bに接触させるようにしているが、塗布体5の側面5C(図7参照)や、塗布体15の側面15C(図10参照)等に接触させ、塗布体5,15を回転させるようにしても良い。
【0059】
また、上記実施形態においては、軸線周り回転方向の位置決めを行う係合部として、キャップ10〜12の係合部を溝10mとし、容器側の係合部を突条1mとしているが、これとは逆に、キャップ10〜12の係合部を突条とし、容器側の係合部を溝としても良い。さらに、係合部は、このような凹凸に限られず、キャップの内周面及び容器側の外周面の形状を断面長方形や楕円等とした係合部とし、軸線周り回転方向の位置決めを行うようにしても良い。
【0060】
また、上記実施形態においては、液状化粧料を含浸した中綿3を容器本体1内に収容し、液状化粧料を中綿3から中継芯4を介して塗布体5,15に供給する中綿式を採用しているが、中綿3がなく液状化粧料を容器本体1内に直接充填し蛇腹構造により液状化粧料の流量をコントロールしながら中継芯4を介して塗布体5,15に供給する直液式を採用しても良い。
【0061】
また、上記実施形態においては、塗布体5を中継芯4に接触させるようにしているが、中継芯4をなくして、中継芯4の先端があったところまで中綿3の先端を延ばし、中綿3を、塗布体5に接触させるようにしても良い。
【0062】
また、上記実施形態においては、容器本体1と先筒2を別部品としているが、一体品の容器としても勿論良い。
【0063】
また、塗布体5の軸部5aの外周面又は塗布体5,15の塗布面5b,15bをピニオン形状とすると共に、突出部10a〜12aの接触面10b〜12bをラック形状とし、塗布体5,15がスリップすることなく確実に回転できるようにしても良い。
【0064】
また、上記実施形態においては、液状物を液状化粧料とし、塗布体付き容器を塗布体付き液状化粧料容器としているが、これに限定されるものではなく、液状物を、例えば、筆記用具等のインキや糊等とした塗布体付き容器に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0065】
1…容器本体(容器)、1m,10m…係合部、1s…ガイド面、2…先筒(容器)、2x…開口(出口)、3…中綿(含浸体)、4…中継芯(含浸体)、5,15…塗布体、10,11,12…キャップ、10a,11a,12a…突出部、10b,11b,12b…接触面、100…塗布体付き液状化粧料容器(塗布体付き容器)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10