特許第6586605号(P6586605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586605
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】封緘具
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/03 20060101AFI20191001BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20191001BHJP
   G06K 19/073 20060101ALI20191001BHJP
   B65D 63/10 20060101ALN20191001BHJP
【FI】
   G09F3/03 M
   G09F3/00 M
   G06K19/073 090
   !B65D63/10 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-226510(P2014-226510)
(22)【出願日】2014年11月6日
(65)【公開番号】特開2016-90867(P2016-90867A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000242231
【氏名又は名称】北川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康之
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−198859(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0104274(US,A1)
【文献】 特開2013−105441(JP,A)
【文献】 特表平06−511579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00 − 5/04
B42D 15/02
25/00 − 25/485
B65D 61/00 − 63/18
G06K 19/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状に構成され、厚さ方向に変形可能な帯部と、
前記帯部の一端側に設けられ、前記帯部の他端を嵌合させることが可能な開口部を有するバックル部と、
第1アンテナとICチップとを備え、面状に構成されて、その厚さ方向が前記バックル部からの前記帯部の延出方向と一致する向きに配置された状態で前記バックル部に封入されたRFIDタグと、
面状に構成されて、その厚さ方向が前記帯部の厚さ方向と一致する向きに配置された状態で前記帯部の他端側に設けられ、前記第1アンテナと導通又は電磁結合することで前記RFIDタグの感度を変化させる第2アンテナと、
を備え、
前記帯部の他端側には、前記帯部の厚さ方向へ突出する突出片が設けられ、
前記開口部には、前記突出片に対応する位置に溝が形成され、
前記帯部の他端を前記開口部に嵌合させる際には、前記突出片が前記溝に沿って前記帯部の幅方向へ変位して前記溝に嵌合するように構成され、
前記帯部の他端を前記開口部に嵌合させることで、前記第1アンテナと前記第2アンテナとを、前記帯部が伸展された場合に比べて両者の導通状態又は電磁結合状態が変化する位置に支持可能に構成されている
封緘具。
【請求項2】
前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、前記帯部の内部又は表面を通る導体によって導通されていることを特徴とする請求項1に記載の封緘具。
【請求項3】
前記バックル部に前記帯部の他端を嵌合させた状態である閉鎖状態は、前記帯部の他端又は前記バックル部の一部を破壊した場合に解除可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の封緘具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封緘を行うために使用される封緘具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺状に構成され、厚さ方向に変形可能な帯部と、その帯部の両端を係止する係止部とを備えた封緘具が知られている。また、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグを備えた封緘具では、帯部(バンド部)に引き伸ばされた配線を備え、その配線が接続されたことを検出する回路を設けて、バンド部が切断されたことを報知することも考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−112132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の構成では、帯部(バンド部)が切断されたことを検出するための回路を特別に設ける必要があり、回路構成が複雑化して製造コストが上昇する。このように、RFIDタグを備えた封緘具では、簡単な回路構成によって封緘が解除されたことを検出可能とすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の封緘具は、長尺状に構成され、厚さ方向に変形可能な帯部と、前記帯部の一端側に設けられ、第1アンテナとICチップとを備えたRFIDタグと、前記帯部の他端側に設けられ、前記第1アンテナと導通又は電磁結合することで前記RFIDタグの感度を変化させる第2アンテナと、前記帯部の両端を係止することで、前記第1アンテナと前記第2アンテナとを、前記帯部が伸展された場合に比べて両者の導通状態又は電磁結合状態が変化する位置に支持する係止部と、を備える。
【0006】
本発明の封緘具は、帯部の両端を係止部で係止することによって、封緘を行うことができる。また、係止部は、その係止によって、帯部の一端側に設けられた第1アンテナと帯部の他端側に設けられた第2アンテナとを、帯部が伸展された場合に比べて両者の導通状態又は電磁結合状態が変化する位置に支持することができる。このため、前記第1アンテナとICチップとを備えたRFIDタグの感度は、帯部が伸展された場合と、係止部により帯部の両端が係止された場合とで変化する。従って、RFIDタグの感度を検出することにより、封緘が解除されたことを検出することができる。また、本発明の封緘具は、既存の封緘具にアンテナを追加して設けるだけで構成することができ、回路構成も簡単になる。
【0007】
なお、本発明において、前記第1アンテナと前記第2アンテナとは、前記帯部の内部又は表面を通る導体によって導通されていてもよい。その場合、帯部が切断されると前記導体が切断され、第1アンテナと第2アンテナとの導通状態が変化する。このため、帯部が切断された場合もRFIDタグの感度が変化し、帯部が切断されたことを検出することができる。
【0008】
また、本発明において、前記係止部による前記帯部の両端の係止状態は、前記帯部の端部又は前記係止部の一部を破壊した場合に解除可能であってもよい。その場合、係止部による帯部両端の係止状態を解除するためには、帯部の端部又は係止部の一部を破壊することが必須となる。このため、第1アンテナと第2アンテナとの導通状態又は電磁結合状態を変化させずに、すなわちRFIDタグの感度を変化させずに、封緘を解除するのは一層困難になる。従って、RFIDタグの感度を検出することにより、封緘が解除されたことを一層良好に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の封緘具の開放状態における構成を表す斜視図である。
図2】その封緘具の開放状態における構成を表す図で、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図、(E)は下面図、(F)は(A)のIIF−IIF線断面図、(G)は(A)のIIG−IIG線断面図である。
図3】その封緘具の閉鎖状態における構成を表す図で、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は平面図、(E)は下面図、(F)は右上斜視図である。
図4図3(E)のIV部拡大図である。
図5】前記封緘具における基板の配置を表す概略図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
図6】前記閉鎖状態における前記基板の構成を表す斜視図である。
図7】変形例の封緘具における基板の配置を表す概略図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の構成(樹脂部の構成)]
次に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。図1に示すように、本実施形態の封緘具1は、立方体状の外形を有するバックル部10(係止部の一例)と、そのバックル部10の一端面(上面10A)から突出したバンド部20(帯部の一例)とを備えている。このバックル部10及びバンド部20は、樹脂にて一体成形されている。
【0011】
なお、以下の説明においては、必要に応じて図1に併記した上下左右前後の各方向を利用して説明を行う。すなわち、バックル部10においてバンド部20が突出された側を上方とし、バンド部20の幅方向を前後方向とする。前後方向のうち、次に述べる開口部11が開口した側を前側とする。ただし、これらの各方向は、封緘具1を構成する各部の相対的な位置関係を簡潔に説明するために規定した方向にすぎない。実際に封緘具1が利用されるに当たって、それがどのような方向に向けられるかは任意であり、例えば、図中に示す上下方向が重力との関係で鉛直方向とは一致しない状態で使用されてもかまわない。
【0012】
バンド部20は、立方体状の外形を有するバックル部10の上面10Aにおける左側に偏った位置から、上面10Aに垂直にバックル部10の左側面と平行に延びている。また、バンド部20は、前後方向に、バックル部10の前後方向の長さよりも小さい一定の幅を有している。なお、図1に示すように、バックル部10の上面10Aからバンド部20が垂直に延びた状態を、以下、開放状態という。また、バンド部20は、前後方向を湾曲の軸として(すなわち厚さ方向に)湾曲可能で、前後方向を軸に図1における右回り方向に全体を湾曲されると、バックル部10に形成された開口部11に先端部21を前方から嵌合させることができる。
【0013】
図1及び図2(A)〜図2(F)に示すように、開口部11はバックル部10の前側面から水平面(すなわち前後左右方向の面)に沿って、バンド部20の幅よりも大きい深さに切り込まれている。また、バンド部20の先端部21は、その先端側端縁から少し間隔を開けた位置に、開放状態において左側に配設される側に突出した厚肉部21Aを有し、厚肉部21Aよりも基端側に、右方向に突出した突出片23を有している。このため、先端部21が開口部11に嵌合されるときは、厚肉部21Aは先端部21の下側に配設され、突出片23は先端部21の上側に配設される。また、突出片23は、バンド部20の幅と等しい長辺を有する長方形板状に構成されている。
【0014】
開口部11には、厚肉部21A及び突出片23に対応する位置に、広幅部11A及び矩形溝13が形成されている。広幅部11Aは、開口部11のうち厚肉部21Aを受け入れる部分を下方に拡幅した部分である。また、矩形溝13は、突出片23をその突出片23の長手方向(前後方向)に挿入可能に、断面矩形の直線状に延びる溝として構成されている。このため、バンド部20が前後方向を軸に図1における右回り方向に湾曲され、先端部21が開口部11に前方から嵌合すると、厚肉部21Aが広幅部11Aに嵌合し、突出片23が矩形溝13に嵌合する(図3(A)〜図3(F)参照。)。以下、この状態を閉鎖状態という。
【0015】
また、開放状態において上下面となる突出片23の側面には、当該突出片23から離間しながら前方へ斜めに突出した一対の係止片23Aが形成されている。これに対応して、矩形溝13には、先端部21が開口部11の最も奥まで嵌合されたときに係止片23A,23Aを係止するように、矩形溝13を拡幅して形成された一対の係止凹部13A,13Aが形成されている。図4に示すように、係止片23A,23Aが係止凹部13A,13Aに係止されることによって、先端部21は前方に移動するのを阻止され、封緘具1は閉鎖状態に維持される。
【0016】
また、このとき、厚肉部21Aは、バックル部10の内部において下方に開放した直方体状の中空部17(図2(E),図2(F)参照。)に嵌合する。突出片23は、その嵌合時に係止片23A,23Aと係止凹部13A,13Aとの係合が外れないように、先端部21の表面から所定距離離れた位置に係止片23A,23Aを支持している。このため、封緘具1は、ひとたびこのような閉鎖状態に維持されると、先端部21(帯部の端部の一例)又はバックル部10が破壊されない限り開放状態に戻ることはない。
【0017】
[実施形態の構成(基板の構成)]
このように構成されたバックル部10及びバンド部20には、次のような基板50が、バックル部10及びバンド部20の成形時に封入されている。図5(A),図5(B)に示すように、バックル部10には、ICチップ51とメインアンテナ52(第1アンテナの一例)とが実装された第1矩形板部53が封入されている。このICチップ51とメインアンテナ52とがRFIDタグ54を構成している。第1矩形板部53は、バックル部10の上面10Aと開口部11との間に、水平面と平行に封入されている。また、第1矩形板部53及びRFIDタグ54は、矩形溝13にも露出していない。
【0018】
また、先端部21には、多重ループ状のアンテナパターンからなる第1ブーストアンテナ55(第2アンテナの一例)が形成された第2矩形板部56が封入されている。この第2矩形板部56は、開放状態における前後上下方向の平面に沿って封入されている。さらに、第1ブーストアンテナ55とメインアンテナ52とは、線状の第2ブーストアンテナ57(導体の一例)によって接続され、その第2ブーストアンテナ57は、バンド部20の長手方向に沿って封入された帯状部58に支持されている。基板50は、この第1矩形板部53と帯状部58と第2矩形板部56とを、一体のPETフィルムの基材で構成したものに、前述のICチップ51,メインアンテナ52,第1ブーストアンテナ55,第2ブーストアンテナ57を配置して構成されている。
【0019】
なお、先端部21では、図5(A)に示すように、バンド部20のその他の部分よりも薄肉に形成された薄肉部21Bを介して、その先端側に前述の厚肉部21Aが形成されている。厚肉部21Aよりも更に先端側は、当該厚肉部21Aよりも薄肉で、バンド部20のその他の部分よりも厚肉の中肉部21Cとされている。また、図5(B)に示すように、厚肉部21Aには、係止片23A,23Aと厚さ方向に重畳する部分に矩形の切欠21D,21Dが形成されている。帯状部58は、バンド部20における切欠21D,21Dが形成された部分や薄肉部21Bからも露出しないように配置及び大きさが決定されている。第2矩形板部56及び第1ブーストアンテナ55は、各切欠21Dよりも更に先端側に設けられ、厚肉部21A及び中肉部21Cから露出しないように配置及び大きさが決定されている。
【0020】
このように構成された基板50は、封緘具1が閉鎖状態に維持されているときは、図6に示すようにバンド部20と同様に湾曲し、第1ブーストアンテナ55がメインアンテナ52と上下方向に重なる。そのとき、第1ブーストアンテナ55とメインアンテナ52との距離は、開口部11とバックル部10の上面10Aとの距離よりも短い。従って、そのとき、第1ブーストアンテナ55はメインアンテナ52と電磁結合し、RFIDタグ54の感度を向上させる。なお、本実施形態では、開放状態ではRFIDタグ54の通信距離が一般のRFIDタグよりも短くなり、閉鎖状態ではRFIDタグ54の通信距離が一般のRFIDタグと同様になるように設計されている。
【0021】
また、封緘具1では、第1ブーストアンテナ55及び第2ブーストアンテナ57は、メインアンテナ52と導通している。従って、この導通によっても、RFIDタグ54の感度が向上される。
【0022】
[効果]
このように構成された封緘具1は、コンテナ等の容器と蓋との間にバンド部20を掛け渡し、先端部21を開口部11に嵌合させて閉鎖状態とすることによって取り付けられる。その状態では、RFIDタグ54の感度は、第1ブーストアンテナ55及び第2ブーストアンテナ57によって前述のように向上されている。ここで、先端部21がバックル部10から取り外されると、メインアンテナ52は第1ブーストアンテナ55と電磁結合しなくなるので、RFIDタグ54の感度が低下する。また、バンド部20が切断されると、第2ブーストアンテナ57も切断される。すると、メインアンテナ52は第1ブーストアンテナ55と導通しなくなるので、RFIDタグ54の感度が低下する。第2ブーストアンテナ57がバンド部20と共に切断されると、その第2ブーストアンテナ57の機能が低下するので、これによってもRFIDタグ54の感度が低下する。
【0023】
このため、封緘具1では、バンド部20の先端部21がバックル部10から取り外されたり、バンド部20が切断されたりして封緘が解除されたことを、RFIDタグ54の感度を検出することによって良好に検出することができる。また、封緘具1は、当該検出のために新たな回路を設ける必要がなく、第1ブーストアンテナ55等を設けるだけでよいので、回路構成を簡略化して当該封緘具1の製造コストを低減することができる。また、封緘具1では、ひとたび閉鎖状態に維持されると、バックル部10又は先端部21を破壊しない限り開放状態に戻すことはできないので、RFIDタグ54の感度を変化させずに封緘を解除するのは困難である。従って、RFIDタグ54の感度を検出することにより、前記封緘が解除されたことを一層良好に検出することができる。
【0024】
よって、本実施形態の封緘具1をコンテナ等の封緘に利用すれば、ベルトコンベア等で荷物をチェックする際に、RFIDタグ54の通信状態を検知することで、蓋が開けられるなどの不正があったか否かを判断することができる。また、RFIDタグ54の通信状態を継続的に検出して、蓋の開閉履歴等がメモリに記憶されるようにしてもよい。
【0025】
[他の実施形態]
なお、本発明は前記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、先端部21は、所定の操作をすることで、バンド部20もバックル部10も破壊せずにバックル部10から取り外し可能に構成されてもよい。その場合、封緘具1は再利用可能となる。
【0026】
また、図7(A),図7(B)に示すように、第2ブーストアンテナ57とメインアンテナ52とは接続されていなくてもよい。この場合でも、第2ブーストアンテナ57が切断されることで特定周波数の電波に対するRFIDタグ54の感度が変化し、封緘が解除されたことを検出することができる。但し、前述のように第2ブーストアンテナ57とメインアンテナ52とが接続されていた方が、バンド部20の切断時におけるRFIDタグ54の感度変化は大きくなる。
【0027】
また、この場合、第1矩形板部53と帯状部58とは接続されていなくてもよい。その場合、若干の設計変更を加えれば、バックル部10及びバンド部20が樹脂にて成形された後から、第1矩形板部53及びRFIDタグ54を中空部17を介して装着できるようにすることができる。また、その場合、第1ブーストアンテナ55、第2ブーストアンテナ57、第2矩形板部56及び帯状部58を、バンド部20の先端から挿入して装着できるようにすることができる。また、これらの各実施形態において、基板50は、この第1矩形板部53と帯状部58と第2矩形板部56とを、一体又は別体のガラスエポキシ基板によって構成したものに、前述のICチップ51,メインアンテナ52,第1ブーストアンテナ55,第2ブーストアンテナ57を配置して構成されてもよい。
【0028】
さらに、第1矩形板部53、RFIDタグ54、第1ブーストアンテナ55、第2ブーストアンテナ57、第2矩形板部56及び帯状部58は、FPC(フレキシブル基板)等によって構成され、成形後のバックル部10及びバンド部20の表面に貼り付けられてもよい。その場合、貼り付けられるFPCはラミネートフィルム等に封入されていてもよい。さらに、その場合、バックル部10及びバンド部20に若干の設計変更を加えることにより、FPCは閉鎖状態では外部から見えない面に配置されるようにしてもよい。
【0029】
また、RFIDタグ54は、1つの封緘具1に複数設けられてもよい。また、封緘具1が閉鎖状態とされたときに、第1ブーストアンテナ55はメインアンテナ52と電磁結合するのみならず、直接導通してもよい。また、各アンテナの形状は前記実施形態の形状に限定されるものではなく、種々の形状を取り得る。例えば、第2ブーストアンテナ57がバンド部20の先端方向に延長されることにより、第1ブーストアンテナとされてもよい。また、本発明における第2アンテナは、第1アンテナと導通又は電磁結合することで、当該第1アンテナの本来の動作を阻害するものであってもよい。
【0030】
また、帯部の形態も種々に考えられる。例えば、特開2009−44097号公報に記載のような電線保持具に本発明が適用された場合、電線を外周から囲む帯状の部分が本発明における帯部とされてもよい。すなわち、このような電線保持具における電線を囲む部分を本発明の封緘具としてもよい。同様に、物品が倒れるのを抑制する構成や、瓶の蓋の開放を抑制する構成などにも、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
1…封緘具 10…バックル部 11…開口部
13…矩形溝 13A…係止凹部 17…中空部
20…バンド部 21…先端部 23…突出片
23A…係止片 50…基板 51…ICチップ
52…メインアンテナ 53…第1矩形板部 54…RFIDタグ
55…第1ブーストアンテナ 56…第2矩形板部 57…第2ブーストアンテナ
58…帯状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7