(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フレーム保持部材は、前記フレームの前記連結構造が接触し該フレームを支持する支持部を9個備え、9個の該支持部は平面視において略十字を形成するように構成され、9個の該支持部の中の1個の支持部は前記負荷部の上方に位置する請求項1に記載するモジュール支持構造。
前記平板状モジュールは、複数枚の太陽電池パネルを平板状に配列した太陽電池モジュールであり、太陽を追尾するように水平方向及び上下方向に回転させられるように構成された請求項1〜3のいずれかに記載するモジュール支持構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、複数枚の太陽電池パネルを平板状に配列した太陽電池モジュール等の平板状モジュールを支持したときに、平板状モジュールの重量の負荷に耐え得る頑強なモジュール支持構造及び太陽電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明のモジュール支持構造は、上下回転駆動手段によって上下方向に回転させられる平板状モジュールを支持するモジュール支持構造であり、
前記平板状モジュールを保持するフレームと、
前記フレームを支持し、上下方向に回転するための回転軸を有し、前記上下回転駆動手段から上下方向の駆動力が負荷される負荷部を有するフレーム保持部材と、
を備え、
前記フレームは、
一端を有する棒状であり、一端が互いに隣接又は連結することにより平面視において略十字を形成し、同一平面上に位置する4本の弦材の該一端と、
一端を有する棒状であり、一端付近は同一平面上に位置し、一端付近以外は一端付近に連続して斜め下又は斜め上へ延び、一端が互いに隣接又は連結することにより平面視において略十字を形成し、平面視において前記4本の弦材と45°の角度をなす4本の斜材の該一端と、
を一箇所で連結して成る連結構造を、複数備え、
前記フレームは、前記フレーム保持部材の前記負荷部付近から該フレームの上端付近まで斜め上へ延び、側面視において略V字を形成する2本の棒状の補強部材を備えた
ことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載する本願発明のモジュール支持構造は、前記モジュール支持構造において、前記フレーム保持部材は、前記フレームの前記連結構造が接触し該フレームを支持する支持部を9個備え、9個の該支持部は平面視において略十字を形成するように構成され、9個の該支持部の中の1個の支持部は前記負荷部の上方に位置することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載する本願発明のモジュール支持構造は、前記モジュール支持構造において、前記補強部材が前記連結構造の前記斜材よりも短く構成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載する本願発明のモジュール支持構造は、前記モジュール支持構造において、前記平板状モジュールは、複数枚の太陽電池パネルを平板状に配列した太陽電池モジュールであり、太陽を追尾するように水平方向及び上下方向に回転させられるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
本願発明の太陽電池装置は、前記モジュール支持構造と、該モジュール支持構造によって支持された太陽電池モジュールと、を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載する本願発明の太陽電池装置は、前記太陽電池装置において、支持する前記太陽電池モジュールの近辺の風速を検知する風速センサを備え、 前記風速センサが検知した風速が一定の風速閾値以上である場合、前記上下回転駆動手段は、前記太陽電池モジュールを、一定の退避角度まで上下方向に回転させるように構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載する本願発明の太陽電池装置は、前記太陽電池装置において、前記太陽電池モジュールの温度を検知する温度センサを備え、前記太陽電池モジュールが前記退避角度である時に、前記温度センサが検知した温度が一定の温度閾値以下である場合、前記上下回転駆動手段は、該太陽電池モジュールを、一定の低温時角度まで上下方向に回転させるように構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載する本願発明のモジュール支持構造は、前記モジュール支持構造において、前記連結構造は、
前記4本の弦材の一端付近と前記4本の斜材の一端付近との間に配置され、周辺に沿って等間隔で8個の貫通孔を有するスペーサーと、
前記スペーサーとともに前記4本の弦材の一端付近を挟持し、周辺に沿って等間隔で8個の貫通孔を有する弦材側押圧板と、
前記スペーサーとともに前記4本の斜材の一端付近を挟持し、周辺に沿って等間隔で8個の貫通孔を有する斜材側押圧板と、
前記弦材側押圧板の貫通孔、前記弦材の貫通孔、前記スペーサーの貫通孔、及び前記斜材側押圧板の貫通孔に貫通された状態で、該弦材側押圧板の該貫通孔と該斜材側押圧板の該貫通孔とが接近する方向に力を負荷するように構成された4個の第一締結具と、
前記弦材側押圧板の貫通孔、前記スペーサーの貫通孔、前記斜材の貫通孔、及び前記斜材側押圧板の貫通孔に貫通された状態で、該弦材側押圧板の該貫通孔と該斜材側押圧板の該貫通孔とが接近する方向に力を負荷するように構成された4個の第二締結具と、
を備えた
ことを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載する本願発明のモジュール支持構造は、前記モジュール支持構造において、前記連結構造は、
前記弦材の一端付近は、他の弦材の一端付近と接触する斜面を有し、
前記斜材の一端付近は、他の斜材の一端付近と接触する斜面を有し、
前記弦材側押圧板は、断面視において、前記弦材の斜面に対して、該弦材側押圧板の外周まで突出する突出部を有し、
前記斜材側押圧板は、断面視において、前記斜材の斜面に対して、該斜材側押圧板の外周まで突出する突出部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願発明のモジュール支持構造によれば、フレームが、上下回転駆動手段から上下方向の駆動力が負荷される負荷部の付近からフレームの上端付近まで斜め上へ延び、側面視において略V字を形成する2本の棒状の補強部材を備えているため、フレームの中で上下回転駆動手段による負荷を受ける負荷部の近辺を頑強に構成できる。これにより、支持するものが太陽電池モジュール等の平板状モジュールが重量の大きいものであっても、フレームが変形又は破損するのを防止できる。すなわち、本願発明のモジュール支持構造によれば、太陽電池モジュールの重量の負荷に耐えることができる。
【0015】
請求項2に記載する本願発明のモジュール支持構造によれば、平面視において十字形状を形成する合計9個の支持部を備えるため、太陽電池モジュール及びフレームの重量がフレーム保持部材に一箇所に偏ることなく均等に負荷される。このため、フレーム保持部材を上下方向に回転させることにより、太陽電池モジュール及びフレームをスムーズに安定して上下方向に回転させることができる。
【0016】
請求項3に記載するモジュール支持構造によれば、上下回転駆動手段から駆動力が負荷される負荷部近辺から上へ延びる2本の補強部材が斜材よりも短く構成されているため、上下回転駆動手段から駆動力が負荷される短斜材が撓み難くなる。このため、フレームが変形するのを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本願発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜
図4において、符号200は本願発明のモジュール支持構造を示し、
図1及び
図2において、符号202は本願発明の太陽電池装置を示す。
【0019】
(構成)
(太陽電池装置202の構成)
太陽電池装置202は、
図1及び
図2に示すように、太陽電池モジュール(平板状モジュール)16と、太陽電池モジュール16を支持するモジュール支持構造200と、モジュール支持構造200を支持するモジュール支持装置10とを含んで構成される。太陽電池モジュール16は、複数枚の太陽電池パネル14を平板状に配列して構成される。モジュール支持装置10は、
図1に示すように、地上に固定する基台18と、基台18に対して水平方向に回転する回転体20と、回転体20を回転させる水平回転駆動手段22と、回転体20上に固定され、太陽電池モジュール16の重心付近を支持する支持体24と、太陽電池モジュール16を上下方向に回転させる上下回転駆動手段26と、水平回転駆動手段22及び上下回転駆動手段26の駆動を制御する制御装置(図示しない)と、を備える。太陽電池装置202は、太陽電池モジュール16が太陽を追尾するように水平方向及び上下方向に回転させるように制御装置が制御するように構成されている。モジュール支持装置10の詳細な構成については、特許第6307656号参照のこと。
【0020】
太陽電池装置202は、太陽電池モジュール16の近辺の風速を検知する風速センサ(図示しない)を備えている。太陽電池モジュール16が太陽を追尾することにより傾斜している時に、風速センサが検知した風速が一定の風速閾値以上である場合、上下回転駆動手段26が、太陽電池モジュール16及びモジュール支持構造200を、一定の退避角度(例えば、水平方向に対して0°、0.01°〜3.0°等)まで上下方向に回転させるように構成され、太陽電池モジュール16を横からの強風から退避できるように構成されている。また、太陽電池装置202は、太陽電池モジュール16の温度を検知する温度センサ(図示しない)を備えている。太陽電池モジュール16が上記退避角度である時に、温度センサが検知した温度が一定の温度閾値以下である場合、積雪中であるとみなし、上下回転駆動手段26が、太陽電池モジュール16及びモジュール支持構造200を、一定の低温時角度(例えば、水平方向に対して5°、10°、20°、30°又は45°等である)まで上下方向に回転させるように構成され、太陽電池モジュール16に降雪する雪を下へ落下させるように構成されている。なお、モジュール支持装置10に重量センサ(図示しない)を設け、重量が一定値以上になったとき、積雪中であるとみなし、上下回転駆動手段26が、太陽電池モジュール16及びモジュール支持構造200を、一定の低温時角度(例えば、水平方向に対して5°、10°、20°、30°又は45°等である)まで上下方向に回転させるように構成され、太陽電池モジュール16に降雪する雪を下へ落下させるように構成されてもよい。温度センサと重量センサとを併用してもよい。
【0021】
(上下回転駆動手段26の構成)
上下回転駆動手段26は、
図1に示すように、回転中心Cに対して水平方向に離隔した位置で、回転軸27によって回転体20に回転可能に支持された油圧シリンダー48を備える。油圧シリンダー48は、シリンダー部44とピストン46とを有する。上下回転駆動手段26は、ピストン46を伸縮することにより、上下回転駆動手段26は、ピストン46をフレーム保持部材17(後述する)に連結するための回転軸52、フレーム保持部材17の負荷部52、及び、フレーム保持部材17の回転軸52にピン結合され連結され、負荷部210の真下においてフレーム保持部材17に固定された固定部材230を上下動させ、
図8に示すように、モジュール支持構造200及び太陽電池モジュール16を上下方向に回転させるように構成されている。上下回転駆動手段26は、太陽電池モジュール16の上下回転角度を検知し制御装置(図示しない)へ送信(フィードバック)する角度センサ(図示しない)を備える。上下回転駆動手段26は、制御装置からの指令信号に基づいた正確な角度で、太陽電池モジュール16が上下方向に回転するようにフィードバック制御を行うように構成されている。
【0022】
(モジュール支持構造200の構成)
モジュール支持構造200は、
図1及び
図2に示すように、太陽電池モジュール16を保持するフレーム(トラス構造体)102と、フレーム102を支持するフレーム保持部材17とから構成される。
【0023】
(フレーム102及びフレーム保持部材17の構成)
フレーム102は、
図1〜
図4に示すように、一端108(
図5及び
図6に示す)を有する棒状の弦材104と、一端110(
図5及び
図6に示す)を有する棒状の斜材106とを、各々複数本ずつ、一端108付近及び一端110付近で連結して成る連結構造100(
図5及び
図6に示す)、連結構造218(
図7(a)に示す)、連結構造226(
図9に示す)、側辺部連結構造154(
図12に示す)、及び角部連結構造156(
図13に示す)を、複数備えて構成される。
図3及び
図4においては、フレーム102の形状を認識しやすいように、フレーム102の上面(仮想面)の弦材104を点線で表し、フレーム102の下面(仮想面)の弦材104を破線で表し、斜材106を実線で表す。斜材106は、
図6に示すように、一端110付近が弦材104と平行であり、一端110付近以外は一端110付近に連続して斜め下へ延びるように構成されている。連結構造100、連結構造218、連結構造226、側辺部連結構造154及び角部連結構造156の詳細については、後述する。
【0024】
フレーム保持部材17は、
図1に示すように、上下方向に回転するための回転軸25を有し、上下回転駆動手段26のピストン46から上下方向の駆動力P(
図8に示す)が負荷される負荷部210を有する。フレーム保持部材17は、
図3及び
図4に示すように、平面視において十字形状を形成するように構成されている。フレーム保持部材17は、
図4に示すように、4個の支持部204及び5個の支持部206においてフレーム102を支持するように構成されている。支持部204とは、連結構造220(
図1及び
図7(b)に示す)と接触しフレーム102を支持する部分である。支持部206とは、連結構造226(
図1及び
図8に示す)と接触しフレーム102を支持する部分である。4個の支持部204及び5個の支持部206の合計9個の支持部は、平面視において十字形状を形成するように構成されている。
【0025】
フレーム102は、弦材104及び斜材106とは別途に、斜材106よりも短い棒状の短斜材208(
図1、
図4及び
図7に示す)を、8本備えている。短斜材208は、金属パイプ等の金属棒から形成される。短斜材208は、フレーム保持部材17の4個の支持部204からフレーム102の上端付近まで斜め上へ延び、2本一組で側面視において略V字(
図7(b)に示す)を形成するように構成されている。8本の短斜材208は、一端212(
図7(b)に示す)付近においてフレーム保持部材17と平行であり、一端212付近以外がフレーム102の上端付近まで斜め上へ延びる。8本の短斜材208は、
図4に示すように、平面視において、X軸又はY軸と平行である。8本の短斜材208の中で、フレーム保持部材17の負荷部210付近からフレーム102の上端付近まで延びる2本の短斜材208は、フレーム102及びフレーム保持部材17の中で負荷部210付近を補強する補強部材(
図1に符号216で示す)を構成する。8本の短斜材208は、
図4に示すように、平面視において、正方形を形成する。2本の補強部材216の下端には、4個の支持部204の中の1個の支持部204が位置する。9個の支持部(4個の支持部204及び5個の支持部206)の中の1個の支持部204は負荷部210の上方に位置する
【0026】
(連結構造220の構成)
短斜材208は、
図7(b)に示すように、連結構造220によって、フレーム保持部材17に固定される。連結構造220は、ボルト224によってフレーム保持部材17に固定された固定金具222と、固定金具222と2本の短斜材208の一端212付近との間に挟持された金属製のスペーサー112と、スペーサー112とともに2本の短斜材208の一端212付近を挟持する金属製の斜材側押圧板116と、を備える。固定金具222は、弦材104の一端108付近に接触するフランジ223を有する。また、連結構造220は、固定金具222、スペーサー112、及び斜材側押圧板116に、短斜材208を固定するための締結具228を備える。締結具228は、ボルト122とナット124とから構成される。
【0027】
(連結構造100の構成)
フレーム102の構成の説明で上述した連結構造100は、
図1及び
図2に示すように、フレーム102の上面(仮想面)に備えられる。連結構造100は、
図5に示すように、金属パイプ等の金属棒から形成される4本の棒状の弦材104と、金属パイプ等の金属棒から形成される4本の棒状の斜材106とを備える。また、連結構造100は、
図6及び
図10に示すように、4本の弦材104の一端108付近と4本の斜材106の一端110付近との間に配置された金属製のスペーサー112と、スペーサー112とともに4本の弦材104の一端108付近を挟持する金属製の弦材側押圧板114と、スペーサー112とともに4本の斜材106の一端110付近を挟持する金属製の斜材側押圧板116と、を備える。また、連結構造100は、
図6及び
図10に示すように、スペーサー112、弦材側押圧板114、及び斜材側押圧板116に、弦材104及び斜材106を固定するとともに、太陽電池モジュール16の支持横棒19にスペーサー112等を固定するための第一締結具118及び第二締結具120を備える。第一締結具118は、ボルト122とナット124とから構成される。第二締結具120は、ボルト126とナット128とから構成される。
【0028】
(弦材104及び斜材106の構成)
各弦材104は、
図10(a)及び
図11に示すように、一端108付近に、第一締結具118のボルト122が貫通する貫通孔134を有する。4本の弦材104は、同一平面上に位置し、支持する太陽電池モジュール16(
図1及び
図2に示す)と平行となるように構成されている。4本の弦材104は、
図5に示すように、各一端108が互いに隣接することにより平面視において略十字を形成するように構成されている。4本の弦材104は、同一寸法である。各斜材106は、
図10(b)及び
図11に示すように、一端110付近に、第二締結具120のボルト126が貫通する貫通孔136を有する。4本の斜材106は、一端110付近が、支持する太陽電池モジュール16(
図1及び
図2に示す)及び弦材104と平行となり、一端110付近以外は一端110付近に連続して斜め下へ延びるように構成されている。4本の斜材106は、各一端110が互いに隣接することにより平面視において略十字を形成し、平面視において4本の弦材104と45°の角度をなすように構成されている。4本の斜材106は、同一寸法である。
図5及び
図11に示すように、各弦材104は一端108付近に斜面146を有し、隣接する弦材104は各斜面146で接触するように構成されている。各斜材106は一端110付近に斜面148を有し、隣接する斜材106は各斜面148で接触するように構成されている。
【0029】
(スペーサー112、弦材側押圧板114、及び斜材側押圧板116の構成)
スペーサー112は、
図11に示すように、平面視において円形であり、円周(周辺)に沿って、等間隔で、ボルト122又はボルト126が貫通する8個の貫通孔140を有する。弦材側押圧板114は、
図5及び
図11に示すように、平面視において円形であり、円周(周辺)に沿って、等間隔で、ボルト122又はボルト126が貫通する8個の貫通孔142を有する。斜材側押圧板116は、
図11に示すように、平面視において円形であり、円周(周辺)に沿って、等間隔で、ボルト122又はボルト126が貫通する8個の貫通孔144を有する。スペーサー112、弦材側押圧板114、及び斜材側押圧板116は、金属から構成され、同一寸法であり、同一形状である。スペーサー112、弦材側押圧板114、及び斜材側押圧板116は、八角形であってもよい。
【0030】
(第一締結具118及び第二締結具120の構成)
第一締結具118は、
図6(a)に示すように、太陽電池モジュール16の支持横棒19の貫通孔234、座金236の貫通孔238、弦材側押圧板114の貫通孔142(
図11に示す)、弦材104の貫通孔134(
図11に示す)、スペーサー112の貫通孔140(
図11に示す)、及び斜材側押圧板116の貫通孔144(
図11に示す)にボルト122が貫通された状態で、ナット124をボルト122に螺合することにより、弦材側押圧板114の貫通孔142と斜材側押圧板116の貫通孔144とが接近する方向に力を負荷するように構成されている。第二締結具120は、
図6(b)に示すように、太陽電池モジュール16の支持横棒19の貫通孔234、座金236の貫通孔238、弦材側押圧板114の貫通孔142(
図11に示す)、スペーサー112の貫通孔140(
図11に示す)、斜材106の貫通孔136(
図11に示す)、及び斜材側押圧板116の貫通孔144(
図11に示す)にボルト126が貫通された状態で、ナット128をボルト126に螺合することにより、弦材側押圧板114の貫通孔142と斜材側押圧板116の貫通孔144とが接近する方向に力を負荷するように構成されている。
【0031】
(連結構造218及び連結構造226の構成)
連結構造218は、
図7(a)に示すように、斜材側押圧板116との間で短斜材208の他端214を挟持する挟持板232を備えること以外は、連結構造100と同じ構成である。連結構造226は、
図9に示すように、フレーム102の下面(仮想面)に備えられ、フレーム保持部材17に固定された固定金具222を弦材側押圧板114の代替として備えること以外は、連結構造100と同じ構成である。連結構造226がフレーム保持部材17に接触する接触部は、フレーム102を支持する支持部206を構成する。
【0032】
(作用及び効果)
(モジュール支持構造200及び太陽電池装置202の作用及び効果)
太陽電池装置202は、太陽電池モジュール16が太陽を追尾することにより傾斜している時に、風速センサが検知した風速が一定の風速閾値以上である場合、
図8に示すように、上下回転駆動手段26が、太陽電池モジュール16及びモジュール支持構造200を、一定の退避角度(例えば、水平方向に対して0°、0.01°〜3.0°等)まで上下方向に回転させる。これにより、太陽電池モジュール16を横からの強風から退避させる。太陽電池装置202は、太陽電池モジュール16が上記退避角度である時に、温度センサが検知した温度が一定の温度閾値以下である場合、積雪中であるとみなし、
図8に示すように、上下回転駆動手段26が、太陽電池モジュール16及びモジュール支持構造200を、一定の低温時角度(例えば、水平方向に対して5°、10°、20°、30°又は45°等である)まで上下方向に回転させる。これにより、太陽電池モジュール16に降雪する雪を下へ落下させ積雪の重量が太陽電池モジュール16に負荷されるのを防止する。
【0033】
上下回転駆動手段26による太陽電池モジュール16及びモジュール支持構造200の上下方向の回転は、
図8に示すように、ピストン46を伸縮させ、フレーム保持部材17の負荷部210を上下動させることにより行う。このため、上下回転駆動手段26の駆動力Pによる負荷は、フレーム保持部材17の負荷部210に負荷され、負荷部210からフレーム102に負荷される。この負荷は、太陽電池モジュール16の重量が大きい程大きい。ここで、フレーム102は、フレーム保持部材17の負荷部210付近からフレーム102の上端付近まで斜め上へ延び、側面視において略V字を形成する2本の棒状の短斜材208(補強部材216)を備える。このため、フレーム102の中で上下回転駆動手段26による負荷を受ける負荷部210近辺が頑強である。これにより、太陽電池モジュール16が重量の大きいものであっても、フレーム102が変形又は破損するのを防止できる。すなわち、モジュール支持構造200は、太陽電池モジュール16の重量の負荷に耐えることができる。
【0034】
また、モジュール支持構造200は、
図4に示すように、平面視において十字形状を形成する合計9個の支持部(4個の支持部204及び5個の支持部206)を備えるため、太陽電池モジュール16及びフレーム102の重量がフレーム保持部材17に一箇所に偏ることなく均等に負荷される。このため、フレーム保持部材17を上下方向に回転させることにより、太陽電池モジュール16及びフレーム102をスムーズに安定して上下方向に回転させることができる。また、負荷部210近辺から上へ延びる2本の短斜材208(補強部材216)が斜材106よりも短く構成されているため、上下回転駆動手段26から駆動力Pが負荷される短斜材208が撓み難くなる。このため、フレーム102が変形するのを防止できる。
【0035】
(連結構造100及びフレーム102の作用及び効果)
本願発明の連結構造100及びフレーム102によれば、4本の弦材104を、4個の第一締結具118によって、各々別個に、弦材側押圧板114と斜材側押圧板116との間に固定し、4本の斜材106を、4個の第二締結具120によって、各々別個に、弦材側押圧板114と斜材側押圧板116との間に固定できる。すなわち、4本の弦材104及び4本の斜材106を1個の締結具によって弦材側押圧板114と斜材側押圧板116との間に固定するのではない。このため、1個の締結具による締結力が複数の連結部に分散することはなく、4本の弦材104及び4本の斜材106を弦材側押圧板114と斜材側押圧板116との間に強固に固定できる。これにより、本願発明の連結構造100及びフレーム102を、重量物である太陽電池モジュールの負荷に耐える程度に頑強なものとすることができる。
【0036】
連結構造100は、ボルト122にナット124を締結することにより、
図10(a)に示すように、弦材104の一端108付近が、弦材側押圧板114及びスペーサー112に挟持される。また、斜材106の斜面148全体が、スペーサー112及び斜材側押圧板116によって挟持される。斜材106は、ボルト122及びナット124の近辺では、スペーサー112及び斜材側押圧板116によって挟持されない。すなわち、斜材側押圧板116は、断面(A−A線(
図5に示す)切断部断面)視において、斜材106の斜面148に対して、斜材側押圧板116の外周121まで突出する突出部117が形成される。ボルト122にナット124を締め付けることにより、突出部117は、ナット124によって、スペーサー112に隣接する方向に押圧される。
【0037】
突出部117には、スペーサー112に隣接する方向(
図10(a)における反時計まわり)にモーメントM1が負荷され、スペーサー112に隣接する方向に僅かに弾性変形して撓む。このため、斜材106が斜材側押圧板116から離隔する方向(
図10(a)におけるX軸正方向)への斜材106の斜面148の移動は、斜材側押圧板116の撓み部で規制される。すなわち、斜材106のX軸正方向への移動は規制される。このような作用は、1本の弦材104の貫通孔134に貫通したボルト122にナット124を締め付けることにより、
図5において隣接する2本の斜材106において生じる。斜材106のX軸負方向への移動は、
図5に示すように4本の斜材106の斜面148が各々接触することにより規制される。上述のようにして、4本の斜材106の斜材側押圧板116から離隔又は接近する方向への移動は規制される。ボルト122と、貫通孔140又は貫通孔144との間に隙間が生じていても、4本の斜材106の斜材側押圧板116から離隔又は接近する方向への移動は規制され、スペーサー112及び斜材側押圧板116等に対する4本の斜材106のガタ(looseness)が生じることはない。
【0038】
同様にして、
図10(b)に示すように、弦材側押圧板114において、弦材104の斜面146に対して、弦材側押圧板114の外周121まで突出する突出部115が形成される。このため、突出部115に、スペーサー112に隣接する方向(
図10(b)における時計まわり)にモーメントM2が負荷される作用により、4本の弦材104の弦材側押圧板114から離隔又は接近する方向への移動は規制され、スペーサー112及び弦材側押圧板114等に対する4本の弦材104のガタが生じることはない。上述のように、4本の弦材104及び4本の斜材106のスペーサー112等に対するガタが生じることはなく、4本の弦材104及び4本の斜材106の互いの連結は強固になる。
【0039】
(連結構造218及び連結構造226の作用及び効果)
連結構造218は、
図7(a)に示すように、斜材106が、ボルト122及びナット124の近辺では、スペーサー112及び斜材側押圧板116によって挟持されない。このため、斜材側押圧板116に、連結構造100の突出部117と同じ突出部117が形成される。また、弦材側押圧板114に、連結構造100の突出部115と同じ突出部(図示しない)が形成される。これにより、連結構造100と同様に、突出部が弾性変形して撓むことによる効果が生じる。連結構造226は、
図9に示すように、斜材106が、ボルト122及びナット124の近辺では、スペーサー112及び斜材側押圧板116によって挟持されない。このため、斜材側押圧板116に、連結構造100の突出部117と同じ突出部117が形成される。また、固定金具222のフランジ223に、連結構造100の突出部115と同じ突出部(図示しない)が形成される。これにより、連結構造100と同様に、突出部が弾性変形して撓むことによる効果が生じる。
【0040】
(側辺部連結構造154)
側辺部連結構造154は、
図1〜
図4に示すように、トラス構造体102の上面の4本の側辺の中間において備えられる。側辺部連結構造154は、
図12に示すように、3本の棒状の弦材104と、2本の棒状の斜材106とを備える。側辺部連結構造154が備える弦材104及び斜材106は、連結構造100が備える弦材104及び斜材106と同一の構成である。3本の弦材104は、平面視において、略亠の字(略丁の字、略十字の一部)を形成する。2本の斜材106は、平面視において、略Lの字を形成する。また、側辺部連結構造154は、3本の弦材104の一端108付近と2本の斜材106の一端110付近との間に配置された略半円形状の金属製のスペーサー158と、スペーサー158とともに3本の弦材104の一端108付近を挟持する略半円形状の金属製の弦材側押圧板150と、スペーサー158とともに2本の斜材106の一端110付近を挟持する略半円形状の金属製の斜材側押圧板160と、を備える。スペーサー158は、半円周(周辺)に沿って、等間隔で、ボルト122又は126が貫通する5個の貫通孔159を有する。弦材側押圧板150は、半円周(周辺)に沿って、等間隔で、ボルト122又は126が貫通する5個の貫通孔151を有する。斜材側押圧板160は、半円周(周辺)に沿って、等間隔で、ボルト122又は126が貫通する5個の貫通孔161を有する。スペーサー158、弦材側押圧板150、及び斜材側押圧板160は、金属から構成され、同一寸法であり、同一形状である。また、側辺部連結構造154は、
図12に示すように、スペーサー158、弦材側押圧板150、及び斜材側押圧板160に、弦材104及び斜材106を固定するための3個の第一締結具118及び2個の第二締結具120を備える。側辺部連結構造154が備える第一締結具118及び第二締結具120は、連結構造100が備える第一締結具118及び第二締結具120と同一の構成である。
【0041】
(角部連結構造156)
角部連結構造156は、
図1〜
図4に示すように、トラス構造体102の上面の4本の側辺から形成される四角形の角部において備えられる。角部連結構造156は、
図13に示すように、2本の棒状の弦材104と、1本の棒状の斜材106とを備える。角部連結構造156が備える弦材104及び斜材106は、連結構造100が備える弦材104及び斜材106と同一の構成である。2本の弦材104は、平面視において、略Lの字を形成する。また、角部連結構造156は、2本の弦材104の一端108付近と1本の斜材106の一端110付近との間に配置された略扇形状(円を4等分した形状)のスペーサー162と、スペーサー162とともに2本の弦材104の一端108付近を挟持する略扇形状の弦材側押圧板152と、スペーサー162とともに1本の斜材106の一端110付近を挟持する略扇形状の斜材側押圧板164と、を備える。スペーサー162は、湾曲辺に沿って、等間隔で、ボルト122又は126が貫通する3個の貫通孔163を有する。弦材側押圧板152は、湾曲辺に沿って、等間隔で、ボルト122又は126が貫通する3個の貫通孔153を有する。斜材側押圧板164は、湾曲辺に沿って、等間隔で、ボルト122又は126が貫通する3個の貫通孔165を有する。スペーサー162、弦材側押圧板152、及び斜材側押圧板164は、金属から構成され、同一寸法であり、同一形状である。また、角部連結構造156は、
図13に示すように、スペーサー162、弦材側押圧板152、及び斜材側押圧板164に、弦材104及び斜材106を固定するための2個の第一締結具118及び1個の第二締結具120を備える。角部連結構造156が備える第一締結具118及び第二締結具120は、連結構造100が備える第一締結具118及び第二締結具120と同一の構成である。
【0042】
以上、本願発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本願発明は図示した実施形態に限定されない。例えば、平板状モジュールは、太陽電池モジュールに限定されず、例えば、アトラクション用のパネル又は照明装置であってもよい。また、4本の弦材の該一端付近と、4本の斜材の該一端付近とを連結する方法は特に限定されない。例えば、4本の弦材の該一端付近と、4本の斜材の該一端付近とを、ボルト及びナット等の締結具によって直接連結してもよい。
【課題】太陽電池パネルを複数枚平板状に配列した太陽電池モジュール等の平板状モジュールを支持したときに、平板状モジュールの重量の負荷に耐え得る頑強なモジュール支持構造及び太陽電池装置を提供する。
【解決手段】モジュール支持構造200を、太陽電池モジュール16を保持するフレーム(トラス構造体)102と、フレーム102を支持するフレーム保持部材17とから構成し、太陽電池装置202を、太陽電池モジュール(平板状モジュール)16と、太陽電池モジュール16を支持するモジュール支持構造200と、を含んで構成した。フレーム保持部材17を、上下方向に回転するための回転軸25を有し、上下回転駆動手段26のピストン46から上下方向の駆動力Pが負荷される負荷部210を有するように構成した。