(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明による遊技機(パチンコ機、スロットマシン)の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
【0010】
〔システム構成〕
図1は、本発明の実施の形態の遊技システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
本発明の実施の形態の遊技システムには、複数の遊技機(パチンコ機1、スロットマシン2)、サーバコンピュータ(外部サーバ)3及び携帯端末4を含む。本実施形態では、パチンコ機1及びスロットマシン2は、それぞれ少なくとも一台以上含まれていることを想定しているが、いずれか一方のみであってもよい。
【0012】
パチンコ機1は、遊技識別コード受付手段11、遊技履歴反映手段12、演出進行分析手段13、遊技履歴暫定保存手段(遊技経過情報記憶手段)14及びアクセス情報発行手段15を含む。
【0013】
遊技識別コード受付手段11は、携帯端末4が受信した遊技識別コードの入力を受け付ける。遊技識別コードの入力は、タッチパネルや操作ボタンなどの入力手段を利用してもよいし、携帯端末4と赤外線通信を利用してもよい。遊技履歴反映手段12は、遊技識別コード受付手段11に入力された遊技識別コードが通知されると、パチンコ機1の内部に保持されている遊技履歴に反映する。
【0014】
また、演出進行分析手段13は、遊技における演出の進行状況を分析する。遊技履歴暫定保存手段14は、遊技履歴を暫定的に保存する。アクセス情報発行手段15は、演出進行分析手段13によって分析された結果と、遊技履歴暫定保存手段14によって保存された遊技履歴に基づいて、アクセス情報を生成し、遊技機の表示装置に出力する。アクセス情報は、演出の進行状況や遊技履歴に対応する情報であり、例えば、QRコード(登録商標、以下同じ)によって出力される。アクセス情報は、サーバコンピュータ3に保持されている遊技履歴に対応している。可能であれば遊技履歴そのものであってもよい。
【0015】
スロットマシン2は、遊技識別コード受付手段21、遊技履歴反映手段22、演出進行分析手段23、遊技履歴暫定保存手段24及びアクセス情報発行手段25を含む。遊技識別コード受付手段21、遊技履歴反映手段22、演出進行分析手段23、遊技履歴暫定保存手段24及びアクセス情報発行手段25は、パチンコ機1における遊技履歴反映手段12、演出進行分析手段13、遊技履歴暫定保存手段14及びアクセス情報発行手段15と同じ機能を有する。
【0016】
アクセス情報発行手段25は、演出進行分析手段23によって分析された結果と、遊技履歴暫定保存手段24によって保存された遊技履歴に基づいて、アクセス情報を生成し、画像表示装置206(
図2参照)に出力する。
【0017】
サーバコンピュータ3は、遊技履歴を保持し、遊技識別コードを発行したり、遊技者に特典を付与したりする。サーバコンピュータ3は、遊技履歴保存手段31、遊技識別コード発行手段35、遊技履歴公開手段36及び特典付与手段37を含む。
【0018】
遊技履歴保存手段31は、携帯端末4から送信された遊技履歴を保存する。また、遊技履歴保存手段31は、携帯端末4からアクセス情報の入力を受け付け、遊技識別コード発行手段35、遊技履歴公開手段36及び特典付与手段37に遊技履歴を提供する。
【0019】
遊技識別コード発行手段35は、遊技履歴保存手段31から取得した遊技履歴に対応する遊技識別コードを携帯端末4に発行(送信)する。遊技履歴公開手段36は、遊技履歴保存手段31から取得した遊技履歴を、携帯端末4を介して公開する。特典付与手段37は、遊技履歴に応じた特典を付与する。例えば、特典画像や携帯電話の待ち受け画面などである。
【0020】
携帯端末4は、アクセス情報の入力を受け付け、サーバコンピュータ3に送信し、対応する遊技履歴を参照したり、遊技識別コードを受信したり、特典を保存したりする。携帯端末4は、例えば、携帯電話である。携帯端末4は、アクセス情報撮影手段41、サーバアクセス手段42、遊技識別コード受信手段45、遊技履歴閲覧手段46及び特典保存手段47を備える。
【0021】
アクセス情報撮影手段41は、遊技機(パチンコ機1、スロットマシン2)から発行されたアクセス情報を取得する手段である。本実施形態では、アクセス情報はQRコードとなっており、QRコードを撮影可能な手段である。携帯端末4が携帯電話の場合には、携帯電話に備えられたカメラがアクセス情報撮影手段41に対応する。
【0022】
サーバアクセス手段42は、アクセス情報撮影手段41によって撮影されたアクセス情報をサーバコンピュータ3に送信する手段である。遊技識別コード受信手段45は、アクセス情報をサーバコンピュータ3に送信した後、遊技識別コードを受信する手段である。遊技履歴閲覧手段46は、アクセス情報をサーバコンピュータ3に送信した後、携帯端末4に備えられた表示装置を介して遊技履歴を閲覧する手段である。特典保存手段47は、アクセス情報をサーバコンピュータ3に送信した後、特典として提供された画像などのコンテンツを保存する手段である。
【0023】
続いて、スロットマシン(パチスロ機)2について説明する。
図2は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の構成を示す正面図である。
【0024】
スロットマシン2は、左側に蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル203を備えている。前面パネル203の背面側には、変動表示装置(可変表示装置)204を構成する変動表示手段としての3個のリール(第1リール204a、第2リール204b及び第3リール204c)が、回転自在に並んで配置されている。
【0025】
各リール204a〜204cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表されている(
図4参照)。リール204a〜204cはリール駆動部によって駆動され、互いに独立に回転する。リール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(204Ma〜204Mc(
図3参照))で構成される。そして、スロットマシン2は、リール204a〜204cの回転によって変動表示ゲームを実行し、変動表示の停止結果が後述する有効ライン上において所定の表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることによって、遊技者に所定の遊技価値を付与する。
【0026】
前面パネル203の略中央には、リール204a〜204cの回転によって変動表示(可変表示)する図柄を遊技者に視認させるための表示窓部205が設けられている。リール204a〜204cが停止すると、表示窓部205からリール204a〜204cの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となる。つまり、リール204a〜204cが停止した状態で、表示窓部205から合計9個の図柄を視認することができる。
【0027】
表示窓部205の上方には、補助ゲームが実行され、変動表示ゲームに関連する演出表示や情報表示を行う画像表示装置(補助表示装置)206が設けられている。画像表示装置206は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置206において、遊技に関する演出表示のほか、前述したアクセス情報を含む様々な情報などが表示される。また、スピーカ207では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。
【0028】
画像表示装置206の左右には、音出力装置としてのスピーカ207が設けられる。スピーカ207は、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時等に効果音を出力して、遊技の興趣を向上させる。
【0029】
表示窓部205の左側には、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時に点灯するボーナス当選告知ランプ219が設けられている。
【0030】
表示窓部205の下方には、払出枚数表示部208、遊技進行表示部209及びクレジット数表示部210が設けられている。払出枚数表示部208、遊技進行表示部209及びクレジット数表示部210は、セグメントLED又は液晶ディスプレイによって構成されている。
【0031】
払出枚数表示部208は、入賞が確定することにより得られるメダルの払出枚数を表示する。また、払出枚数表示部208は、スロットマシン2の動作に異常(例えば、スロットマシン2におけるメダル詰まり)が発生した場合に、予め設定したエラーコードを表示する。
【0032】
遊技進行表示部209は、BB状態やRB状態におけるメダルの獲得枚数を表示する。クレジット数表示部210は、メダルのクレジット数を表示する。
【0033】
払出枚数表示部208の右側には、遊技状態表示部212が設けられている。遊技状態表示部212は、スロットマシン2が遊技可能な状態であることを示し、リプレイ入賞の獲得及び現在実行中の遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバー222を操作してからリール204a〜204cの回転が開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示によって構成される。
【0034】
また、クレジット数表示部210の左側には、ベットライン表示部211が設けられている。ベットライン表示部211は、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示する。
【0035】
メダルの賭数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算されて遊技に使用されるメダルの数である。また、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。なお、遊技媒体として、本実施形態ではメダルを用いているが、遊技球を用いてもよい。
【0036】
ベットライン表示部211は、例えば、「1」、「2」、「3」の3つのランプを備える。そして、例えば、賭数が1枚のときは、ベットライン表示部211の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示す。賭数が2枚のときは、ベットライン表示部211の「1」と「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示す。賭数が3枚のときは、ベットライン表示部211の「1」、「2」、「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(合計5ライン)が有効ラインであることを示す。
【0037】
前面パネル203の上半部と下半部の中間にある傾斜台部214には、右方にメダルを投入するメダル投入口215が設けられている。このメダル投入口215から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ215a(
図3参照)が設けられており、遊技者がこのメダル投入口215にメダルを投入すると、メダル投入検出センサ215aによる検出情報をもとに、メダルの投入枚数がクレジット数表示部210のクレジット数に加算される。
【0038】
なお、クレジット数が限度値(例えば、50)に達している場合は、投入されたメダルはクレジット数に加算されることなく、メダル払出口228を介して受皿226に排出される。また、メダル投入口215へのメダル投入時に、賭数が最大ベット可能枚数(例えば、3枚)未満である場合は、投入したメダル数はクレジット数に加算されることなく、賭数として加算される。
【0039】
傾斜台部214には、メダル投入口215よりも中央側に、操作ボタン218が設けられている。操作ボタン218は、演出時に操作したり、要求された情報を入力したりする。操作ボタン218は、前後左右の方向を示すボタン(例えば、十字キー)であってもよい。
【0040】
傾斜台部214には、1回の押圧操作によって1ベット分のメダルをベットする1ベットボタン217が設けられている。1ベットボタン217を操作すると、例えば、メダルがベットされていない場合は1枚のメダルがベットされ、有効ラインが中段の1本となる。また、メダルが1枚ベットされている場合は2枚のメダルがベットされ、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインとなる。
【0041】
傾斜台部214には、さらに、1回の押圧操作によって最大ベット可能枚数のメダルをベットするマックスベットボタン216が設けられている。マックスベットボタン216を操作すると、例えば、メダルがベットされていない場合は3枚のメダルがベットされ、メダルが1枚ベットされている場合は、さらに2枚のメダルがベットされる。
【0042】
このマックスベットボタン216を用いることにより、メダル投入口215からメダルを投入することなく、クレジット数表示部210に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができる。
【0043】
前面パネル203の下部には、四辺形状の化粧パネル220が設けられている。化粧パネル220の左上方には、メダル投入口215から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態のいずれか一方の状態を選択的に切換可能な払戻ボタン(クレジット選択ボタン)221が設けられている。
【0044】
払戻ボタン221によってクレジット状態から非クレジット状態に切り替えられると、クレジット数表示部210に表示されたクレジット数に相当する数のメダルがメダル払出口228を介して受皿226に排出され、同時にクレジット数はクリアされて0になる。
【0045】
また例えば、クレジット状態において、メダル投入口215から最大賭数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大賭数を超えた分のメダルは、所定数(例えば、50枚)までクレジットとしてスロットマシン2に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、メダル払出口228を介して受皿226に返却される。一方、非クレジット状態では、最大賭数を超えた分のメダルはメダル払出口228を介して受皿226に返却される。
【0046】
払戻ボタン221の右側には、リール204a〜204cの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー222が設けられている。スタートレバー222の右側には、リール204a〜204cの回転を停止させ、停止図柄を導出させるためのリール停止ボタン223a〜223c(第1リール停止ボタン223a、第2リール停止ボタン223b、第3リール停止ボタン223c)が設けられている。
【0047】
リール停止ボタン223a〜223cが操作されると、各ボタンに対応したリール204a〜204cがそれぞれ回転を停止する。なお、賭数が0〜2の場合は、変動表示ゲームの開始条件を満たさないため、スタートレバー222を操作してもリール204a〜204cは回転しない。
【0048】
各リール停止ボタン223a〜223cの奥には、各リール停止ボタン223a〜223cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED237(
図3参照)がそれぞれ設けられている。これらのストップボタンLED237が点灯していない間はリール停止ボタン223a〜223cが操作不能となり、ストップボタンLED237が点灯している間はリール停止ボタン223a〜223cが操作可能となるように制御される。
【0049】
つまり、操作情報ランプ(ストップボタンLED237)が点灯していない間はリール停止ボタン223a〜223cを操作してもリール204a〜204cの回転は停止しない。なお、操作情報ランプの点灯色によって、リール停止ボタン223a〜223cが操作可能であるかを報知してもよい。
【0050】
第3リール停止ボタン223cの右側には、メダル返却ボタン224が設けられている。遊技者は、メダル流下路内のメダル詰まり時に、メダル返却ボタン224を操作することによって、当該流下路に詰まったメダルがメダル払出口228を介して受皿226に返却される。
【0051】
また、化粧パネル220の下方には、前面パネル203の背面側にある図示しないメダル払出部より払い出されたメダルを貯留可能な受皿226や、灰皿227及び音声を出力するためのスピーカ207が設けられている。
【0052】
メダル返却ボタン224の右側には、前面パネル203を開く際又はスロットマシン2のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのキーシリンダ(錠ユニット、鍵穴)225が設けられている。
【0053】
図3は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の制御系の一部を示すブロック図である。
【0054】
図3に示すように、スロットマシン2の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)350と、この遊技制御装置350の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)370とを備えて構成されている。この制御系の構成要素は、それぞれスロットマシン2の筐体内部に配設されている。
【0055】
遊技制御装置350は、CPU(Central Processing Unit)350a、ROM(Read Only Memory)350b、RAM(Random Access Memory)350c、I/F(Interface)350d等を備えて構成されている。
【0056】
CPU350aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置350の演算処理装置として各種演算制御を行う。
【0057】
ROM350bには、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。また、ROM350bには、各ゲームにおいてリール204a〜204cの停止制御を行う際に参照される停止テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止テーブルや、外れに対応する停止テーブル等である。
【0058】
停止テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるためにリールの停止制御を行うためのデータ(滑りコマ数など)が格納されており、リール204a〜204cの操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
【0059】
RAM350cは、乱数発生器によって生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、その他各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、各種入賞フラグの状態のデータ、及び所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU350aの動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
【0060】
乱数発生器は、変動表示ゲームにおいて、リール204a〜204cの図柄を、予め定められた特別な組合せ態様で停止させるか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成する。そして、CPU350aは当該生成された乱数に基づいて内部抽選を行う。なお、乱数発生器によって内部抽選用の乱数を生成する代わりに、CPU350aのソフトウェア処理によって内部抽選用の乱数を生成し、生成された乱数を用いて内部抽選を行ってもよい。
【0061】
I/F350dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、メダル投入検出センサ(セレクタ)215a、スタートレバーセンサ222a、各リール停止センサ(第1リール(左)停止センサ323a、第2リール(中)停止センサ323b、第3リール(右)停止センサ323c)、各リール位置検出センサ304a〜304c、1ベットセンサ217a、マックスベットセンサ216a、クレジット選択センサ221a、払出メダル検出センサ228a、設定装置233a、リセットセンサ235、前面枠開放検出センサ236から入力される信号を、CPU350aに出力する。
【0062】
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、演出制御装置370に送信され、演出制御装置370は、前記抽選結果に基づいて画像表示装置206、スピーカ207、発光装置239、演出装置238による演出を制御する。なお、演出を実行するか否かを決定する抽選は、CPU350aで行うこともできるが、演出制御装置370で行ってもよい。
【0063】
メダル投入検出センサ215aは、メダル投入口215から投入されたメダルの通過を検出するセンサである。この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ222aは、スタートレバー222が操作されたことを検出するセンサである。
【0064】
リール停止センサ323a〜323cは、リール停止ボタン223a〜223cのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール停止ボタン223a〜223cが操作されたことを検出するセンサである。リール停止ボタン223a〜223cの操作がリール停止センサ323a〜323cによって検出されると、各々対応したリール204a〜204cの回転が停止する。
【0065】
リール位置検出センサ304a〜304cは、リール204a〜204cのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール204a〜204cの停止位置を検出するセンサである。
【0066】
1ベットセンサ217aは、1ベットボタン217が操作されたことを検出するセンサである。マックスベットセンサ216aは、マックスベットボタン216が操作されたことを検出するセンサである。クレジット選択センサ221aは、払戻ボタン221が操作されたことを検出するスイッチである。払出メダル検出センサ228aは、ホッパーユニット(メダル払出装置)232に設けられ、ホッパーユニット232から払い出されたメダルを検出するためのセンサである。この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
【0067】
設定装置233aは、スロットマシン2において、入賞フラグが成立する確率が異なる1〜6の設定のうち、いずれかの設定に切り替えるための装置である。設定1は入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。なお、入賞フラグが成立する確率が異なることで、所定量の遊技をしたときに、遊技者が獲得することができるメダルの量が異なる。
【0068】
リセットセンサ235は、スロットマシン2の遊技状態を初期化するセンサである。例えば、スロットマシン2のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際にキーシリンダ225(
図2参照)にキーを挿入し、前面パネル203を開閉するための方向と逆方向に回すことによって、リセットセンサ235はオンされる。前面枠開放検出センサ236は、前面パネル203の開閉を検出するためのセンサである。その他、現在の日時情報を出力する計時専用のチップであるRTC、スロットマシン2が設置された遊技場の営業時間(何時から何時まで)を設定するためのセンサである営業時間設定センサが備えられる。
【0069】
また、I/F350dは、CPU350aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置370、遊技進行表示部209、ベットライン表示部211、クレジット数表示部210、払出枚数表示部208、遊技状態表示部212、ホッパーユニット232、リール用モータ204Ma〜204Mc、外部信号出力端子240、ストップボタンLED237などに出力する。これによって、遊技制御装置350による各種構成要素の制御を可能としている。
【0070】
外部信号出力端子240は、スロットマシン2の稼働状況に関する各種信号を、例えば、ホール管理用コンピュータ等のスロットマシン2を管理する外部の装置に出力する。この外部信号出力端子240にはシリアル通信回路が組み込まれている。スロットマシン2の稼働状況に関する信号には、変動表示ゲームを実行する際に賭数として使用されたメダル数を特定する信号(賭数遊技媒体計数信号)、変動表示ゲームの結果として遊技者に賞として払い出されたメダル数を特定する信号(賞遊技媒体計数信号)、変動表示ゲームの実行回数を特定する信号(遊技実行回数信号)、BB状態であることを示す信号、RB状態であることを示す信号、RT状態であることを示す信号、ボーナスフラグ成立状態であることを示す信号等が含まれる。
【0071】
なお、外部信号出力端子240は、遊技状態がBB状態、RB状態、RT状態、ボーナスフラグ成立状態のいずれかである場合にオンとなり、遊技状態がこれら4つの状態のいずれでもない通常状態である場合にオフとなる「ボーナス消化信号」も出力し、さらに、各入賞フラグの成立に関する情報を含むテスト用のデータ(検査用のデータ)を外部の装置に出力する。また、賭数遊技媒体計数信号と賞遊技媒体計数信号は、遊技者が所有する遊技媒体(メダル)の数を計数するためのメダル数増減信号としても機能する。
【0072】
遊技制御装置350は、上述したように各構成要素とI/F350dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置350は、例えば、乱数発生器が所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ222aによる検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。
【0073】
また、遊技制御装置350は、内部抽選結果と、各リール停止ボタン223a〜223cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止テーブルを参照し、各リール用モータ204Ma〜204Mcの動作を制御することにより、表示窓部205に所定の図柄が停止表示されるように各リール204a〜204cを停止させる。
【0074】
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、各リール204a〜204cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込み停止制御を行う。
【0075】
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、各リール204a〜204cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
【0076】
なお、遊技制御装置350による引込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
【0077】
一方、演出制御装置370は、CPU370a、ROM370b、RAM370c、I/F370d等を備えて構成されている。この演出制御装置370は、遊技制御装置350から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置206における演出表示の制御や、スピーカ207、前面パネル203(
図2参照)の枠に設けられた発光装置(ランプ、LED)239、演出装置(モータ、センサ)238や各リール204a〜204cの背後に設けられたバックライト(LED)による演出の制御を行う。
【0078】
ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー222が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報を含む。
【0079】
I/F370dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、遊技制御装置350から出力された各種信号をCPU370aに対して出力する。また、I/F370dは、CPU370aから出力される制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置206、スピーカ207、発光装置239、演出装置238に出力する。これによって演出制御装置370による各種装置の制御を可能としている。
【0080】
具体的には、演出制御装置370は、画像表示装置206において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたる連続演出)などを表示させる(表示制御手段)。また、演出制御装置370は、スピーカ207での音声による演出や、発光装置239での発光による演出や、演出装置238による可動役物による演出や、各リール204a〜204cの有効ライン上の図柄を背面側から照明することが可能な発光照明手段としてのバックライトの発光による演出を行う。このように演出制御装置370は、画像表示、音出力、LEDの発光などの演出を制御する制御手段をなしている。
【0081】
上述した遊技制御装置350と演出制御装置370との通信形態は、遊技制御装置350から演出制御装置370への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置350に不正な信号が入力されることを防止している。
【0082】
スロットマシン2においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口215から投入するか、或いはマックスベットボタン216を操作してクレジットから賭数を入力する。賭操作がなされると、賭数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー222の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー222を操作すると、遊技制御装置350において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、各リール204a〜204cの変動が開始される。
【0083】
所定時間経過後、各リール停止ボタン223a〜223cの操作に基づいて、各リール204a〜204cの回転が停止され、表示窓部205に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
【0084】
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
【0085】
図4は、本発明の実施の形態のスロットマシン2が備えているリール204a〜204cに表わされる図柄の配列図である。
【0086】
図4に示すように、本実施形態では、左リール204aの配列番号0、3、7、10、14、17に位置する「リプレイ」、左リール204aの配列番号1、8、15に位置する「ベル」、左リール204aの配列番号2、9、16に位置する「7」、左リール204aの配列番号5、12に位置する「チェリー」、左リール204aの配列番号6、13、20に位置する「スイカ」の5種類の図柄が所定の規則に従って左リール204a上に配置されている。なお、左リール204aの配列番号4、11、18には図柄が配置されていない(ブランク)。また、中リール204bの配列番号14、右リール204cの配列番号1には、「英字のBAR」(以下、BARと称する)が配置されている。そして、リール204a〜204cを停止させたときに、有効ライン上に停止された図柄が
図5に示す成立図柄列のいずれかを形成していれば、対応する役に入賞する。
【0087】
本実施形態のスロットマシン2においては、遊技制御装置350によってリール204a〜204cの停止制御が行われる。遊技制御装置350は、リール204a〜204cの回転時において、遊技者がリール停止ボタン223a〜223cを操作したタイミングから最大4コマ進んだ位置で、それぞれ対応するリール204a、204b、204cを停止させる。このため、遊技者がリール停止ボタン223a〜223cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、その図柄が強制的に有効ライン上に引き込まれて停止表示される。
【0088】
つまり、連続する5コマの中に必ず存在する図柄は、遊技制御装置350による停止制御(引き込み制御)によって有効ライン上に停止表示させることができる。このため、このような図柄で形成される入賞は、フラグが成立したときにいかなるタイミングで停止操作を行っても獲得することができる。ただし、フラグが成立していない図柄により形成される入賞が別の有効ラインで発生する場合には、この限りではない。
【0089】
例えば、
図4に示す図柄配列図では、「リプレイ」は連続する5コマの中に必ず存在するので、「リプレイ入賞はリプレイフラグが成立すると必ず獲得することができる。また、左リール204aの点線で囲まれた図柄(配列番号3、6、11、18、20)が中段となるように停止操作を行った場合だけ中リール204b及び右リール204cでベルが引き込まれるようになっている。
【0090】
一方、リプレイ入賞以外の入賞は、特定の図柄を狙ってリール停止ボタン223a〜223cを操作(目押し操作)しなければ、遊技制御装置350による停止制御が行われても必ずしも獲得することはできない。なお、「ベル」の小役入賞の場合はリール停止ボタン223aを操作して左リール204aを前述した図柄で停止させれば必ず獲得することができる。
【0091】
例えば、BB入賞のフラグが成立して、有効ライン上に「7」を停止表示させる場合について説明する。まず、第1リール(左リール)204aには、配列番号2から6、配列番号9から13、配列番号16から20に対応する図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第1リール停止ボタン223aを操作すれば、「7」が有効ライン上に停止する。しかし、前述した以外の図柄で第1リール停止ボタン223aを操作すると「7」の図柄を有効ライン上に停止表示させることはできない。
【0092】
同様に、第2リール(中リール)204bには、配列番号2から6の図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第2リール停止ボタン223bを操作すれば配列番号2に対応する「7」が有効ライン上に停止する。また、第3リール(右リール)204cには配列番号2から6の図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第3リール停止ボタン223cを操作すれば配列番号2に対応する「7」が有効ライン上に停止する。このような目押し操作を行うことによって「7」を有効ライン上に3つ停止表示させることができ、BB入賞を獲得することができる。
【0093】
図5は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の停止図柄(図柄組合せ態様)における入賞内容の説明図である。
図6は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の各遊技状態における入賞内容の説明図である。
【0094】
本実施形態のスロットマシン2では、「ビッグボーナス(BB)入賞(7、7、7)、「レギュラーボーナス(RB)入賞(7、7、BAR)」、「小役入賞(スイカ、ベル、チェリー)」、「リプレイ入賞」又は「ハズレ(入賞)」のいずれかが内部抽選によって当選する。
【0095】
BB入賞は、「7、7、7」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルは払い出されないが、BB状態が発生する。なお、BB入賞となった場合には、一回のBB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値345枚以上となるまでBB状態は継続する。一回のBB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値345枚以上となった場合は、BB状態を終了して通常状態に移行する。
【0096】
すなわちスロットマシン2は、BB状態において予め定められた最大遊技価値数(ここでは345枚)を超えてメダルの付与が行われたことに基づいて、BB状態を終了させることが可能である(特別遊技終了手段)。
【0097】
なお、
図5示すように、ボーナスゲーム中の払出枚数は、BB状態において、小役入賞のうちのスイカ入賞、ベル入賞及びチェリー入賞では15枚のメダルが払い出されることを示している。そのため、BB状態においてスイカ入賞、ベル入賞及びチェリー入賞を獲得すると、遊技者のメダルの獲得枚数は減少しない(増加する)。
【0098】
RB入賞は、「7、7、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルは払い出されないが、RB状態が発生する。なお、RB入賞となった場合には、一回のRB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値105枚以上となるまでRB状態は継続する。一回のRB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値105枚以上となった場合は、RB状態を終了して通常状態に移行する。
【0099】
小役入賞は、「スイカ、スイカ、スイカ」、「ベル、ベル、ベル」、「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)のいずれかが有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、小役入賞の種類に対応する枚数のメダルが払い出される。例えば、通常状態においてスイカ入賞、ベル入賞及びチェリー入賞を獲得すると、4枚のメダルが払い出される。なお、前述のように、BB状態では、スイカ入賞、ベル入賞及びチェリー入賞のときは15枚のメダルが払い出される。
【0100】
リプレイ入賞は、「リプレイ、リプレイ、リプレイ」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。
【0101】
図7は、本発明の実施の形態のスロットマシン2における遊技状態の状態遷移図である。スロットマシン2では、電源を投入した直後は、通常遊技でゲームが開始されるものとする。
【0102】
遊技状態は、通常遊技、チャンスゾーン1、チャンスゾーン2及びボーナス告知ゾーンの4つに大別される。
【0103】
通常遊技においては、遊技者による3枚のメダルの投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作(ベット操作)に基づく賭数の入力後、スタートレバー222を操作することによってリール204a〜204cが回転して変動表示ゲームが開始すると共に、ゲーム毎に内部抽選が行われる。
【0104】
遊技者がスタートレバー222を操作して、直ちにリール204a〜204cが回転を開始しない場合があり、この時間を「ウェイトタイム(待ち時間)」という。この「ウェイトタイム」は、連続して遊技がされた結果、遊技者が過剰に遊技価値を浪費しないように、所定時間内の実行可能ゲーム数を制限するために設けられているものである。
【0105】
そして、このスロットマシン2には、ゲームの実行に関連して各種入賞に当選するか否かの抽選を予め行う機能(内部抽選機能)が備えられており、スタートレバー222の操作によって、内部抽選用の乱数に基づいて内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合に入賞フラグが立てられ、所定の入賞役(入賞態様)の発生が許可される。
【0106】
すなわち、内部抽選に当選し、入賞フラグが立てられた場合に限り、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成することを許可され、極力入賞を獲得できるようにリール制御が行われる。このように、内部抽選によってBB入賞、RB入賞、小役入賞、リプレイ入賞、ハズレのいずれかが決定される。
【0107】
変動表示ゲームでは、遊技者の停止操作によって狙った図柄が確実に停止するのではなく、スロットマシン2の制御手段の制御処理で許可された図柄の組合せのみが遊技者の操作により停止可能に構成されている。遊技制御装置350が、例えばスタートレバー222の操作をきっかけとするタイミングで乱数を抽出し、その乱数を判定した結果に基づいていずれかの入賞役(入賞フラグ)の発生を許可するか否かを決定する処理を行い、こうした決定に基づく図柄の組合せのみが遊技者の操作により停止可能となっている。
【0108】
通常遊技では、ボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)、及び、スイカ又はチェリーの子役入賞に内部当選すると、チャンスゾーン1に移行する。さらに、通常遊技において、スイカ又はチェリーの子役入賞に単独で内部当選すると、チャンスゾーン2に移行する。チャンスゾーン1及びチャンスゾーン2では、類似した演出態様となり、チャンスゾーン1ではボーナスフラグが成立した状態、チャンスゾーン2ではボーナスフラグが成立していない状態となる。したがって、遊技者は、ボーナスが成立しているか否かを把握できない状態となり、期待感を持って遊技を行わせることが可能となる。
【0109】
また、チャンスゾーン2において、ボーナス入賞、及び、子役入賞又はリプレイ入賞に内部当選すると、チャンスゾーン1に移行する。また、チャンスゾーン2において、内部抽選にはずれると、通常遊技に移行する。
【0110】
また、通常遊技において、ボーナス入賞に単独、又は、ボーナス入賞及びスイカ又はチェリー以外の子役入賞に内部当選すると、ボーナス告知後ゾーンに移行する。さらに、チャンスゾーン1において、内部抽選にはずれた場合、チャンスゾーン2において、ボーナス入賞に内部当選した場合にも、ボーナス告知後ゾーンに移行する。この場合には、ボーナスフラグが成立していることが告知される。
【0111】
ボーナス告知後ゾーンにおいて、ボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)が発生又は終了すると、通常遊技に移行する。
【0112】
続いて、ボーナスフラグが成立する確率について説明する。
図8は、本発明の実施の形態の遊技状態が通常、ベット数が3の場合におけるボーナスフラグが成立する確率を説明する図である。
【0113】
遊技状態が通常、ベット数が3の場合において、ボーナスフラグが成立せずに、子役入賞が成立するフラグが発生する確率は、リプレイ入賞1/7.3、ベル及びチェリー同時入賞1/5.6、スイカ及びチェリー同時入賞1/93.6、チェリー入賞1/10.9となっている。
【0114】
同じく、ビックボーナス(BB)のボーナスフラグが成立する場合には、子役入賞のフラグが成立せずにボーナスフラグのみが成立する確率は1/1024、リプレイ入賞1/8192、ベル及びチェリー同時入賞1/10922、スイカ及びチェリー同時入賞1/1260、チェリー入賞1/630となっている。
【0115】
さらに、レギュラーボーナス(RB)のボーナスフラグが成立する場合には、子役入賞のフラグが成立せずにボーナスフラグのみが成立する確率は1/2978、リプレイ入賞1/16384、ベル及びチェリー同時入賞1/16384、スイカ及びチェリー同時入賞1/2048、チェリー入賞1/993となっている。
【0116】
以上より、ビッグボーナスのボーナスフラグが成立する確率は、1/280となる。また、レギュラーボーナスのボーナスフラグが成立する確率は、1/512となる。したがって、いずれかのボーナスフラグが成立する確率は、合算すると、1/181となる。
【0117】
以上、スロットマシン2について説明した。次に、パチンコ機1について説明する。まず、
図9から
図13を参照しながら本発明の実施の形態におけるパチンコ機1の構成について説明する。
【0118】
図9及び
図10は、本発明の実施の形態のパチンコ機1の外観を説明する図である。
【0119】
パチンコ機1は、島設備に固定される本体枠102にヒンジ103を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠105及びカバーガラス106を備えたガラス枠(遊技枠)によって構成される。また、本発明の実施の形態のパチンコ機1では、前面枠105の左側に前面構成枠突出部105aが形成されている。前面構成枠突出部105aに備えられる構成については、
図10にて後述する。
【0120】
前面枠105には、遊技盤130(
図11参照)が配設されるとともに、遊技盤130の前面を覆うカバーガラス106を備えたガラス枠が取り付けられる。前面枠105及びガラス枠は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠のみを開放して遊技盤130の遊技領域131(
図11参照)にアクセスすることができる。また、前面枠105をガラス枠が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤130の裏側に配置された遊技制御装置600(
図12参照)等にアクセスすることができる。
【0121】
ガラス枠の上部には照明ユニットが配設され、照明ユニットの左右両側には可動式照明が配設される。照明ユニットは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置とを備える。枠演出装置は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット及び可動式照明の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置750(
図13参照)の一部を構成している。
【0122】
パチンコ機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ110a及び下スピーカ110bを備える。上スピーカ110aはガラス枠の上両側部に配置され、下スピーカ110bは上皿ユニットを構成する上皿111の下方に配置される。
【0123】
パチンコ機1の上部には異常を報知するための遊技状態報知LEDが設けられている。パチンコ機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LEDが点灯又は点滅するとともに、上スピーカ110a及び下スピーカ110bから異常を報知するための報知音が出力される。
【0124】
パチンコ機1で発生する異常には、パチンコ機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為やパチンコ機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ123(
図12参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ124(
図12参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
【0125】
また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠105の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ125(
図12参照)によって検出され、ガラス枠の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ126(
図12参照)によって検出される。
【0126】
ガラス枠の下部には、上皿111が配設される。上皿111に貯留された遊技球は、前面枠105の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
【0127】
ガラス枠の下方位置において前面枠105に固定される固定パネルには、下皿114と、球発射装置を駆動するための操作部115とが備えられる。遊技者が操作部115を回動操作することによって、球発射装置は上皿111から供給された遊技球を遊技盤130の遊技領域131(
図11参照)に発射する。下皿114には、当該下皿114に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構が設けられる。前面枠105の下部右側には、ガラス枠を施錠するための施錠装置(鍵)148が備えられている。
【0128】
上皿ユニットには、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン117が上皿111の手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン117を操作することによって、変動表示装置(盤表示装置)135(
図11参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0129】
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
【0130】
図10(A)は、本発明の実施の形態のパチンコ機1を上方から見た図である。前面構成枠突出部105aは、パチンコ機1の正面から手前方向に突出して形成されている。
図10(B)は、
図10(A)に示した目の位置から前面構成枠突出部105aを見た場合を示す図である。
【0131】
前面構成枠突出部105aには、枠表示ユニット170が備えられており、遊技者の位置に面するように配置されており、遊技中に枠表示ユニット170に含まれる枠表示装置171の表示内容を参照できるように構成されている。枠表示装置171は、LCDなどによって構成されており、遊技情報などを参照できるようになっている。また、枠表示装置171はタッチセンサ174が備えられており、遊技者は枠表示装置171の画面上を操作することで要求された情報を入力したり、演出の設定を行ったりすることが可能となっている。
【0132】
本実施形態では、例えば、枠表示装置171(タッチセンサ174)の操作によって他の遊技機に情報を送信することが可能に構成されている。また、枠表示装置171の画面上をタッチセンサ174によって操作することで、変動表示装置135(
図11参照)を参照しながら演出ボタン117を操作して遊技識別コードなどを入力する場合よりも素早く入力を完了させることが可能となる。
【0133】
図11は、本発明の実施の形態のパチンコ機1に備えられる遊技盤130の正面図である。
【0134】
遊技盤130は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体132(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体132の前面にガイドレール133で囲まれた略円形状の遊技領域131を有している。また、遊技盤本体132の前面であってガイドレール133の外側には、前面構成部材(サイドケース)が取り付けられている。さらに、遊技領域131の右下側の前面構成部材は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレートで覆われている。そして、このガイドレール133で囲まれた遊技領域131内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域131には、打球方向変換部材としての風車145や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域131を流下する。
【0135】
遊技領域131の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース134が取り付けられている。センターケース134に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(表示装置)135が配置されている。変動表示装置135は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース134の窓部を介して遊技盤130の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、変動表示装置135は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0136】
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0137】
遊技領域131のセンターケース134の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、所定領域)136が設けられている。普図始動ゲート136の内部には、該普図始動ゲート136を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)603(
図12参照)が設けられている。そして、遊技領域131内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート136内を通過(所定条件の成立)すると、普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)が実行される。
【0138】
さらに、センターケース134の左下側には、三つの一般入賞口140が配置され、センターケース134の右下側には、一つの一般入賞口140が配置されている。また、一般入賞口140への遊技球の入賞は、一般入賞口140に備えられた入賞口スイッチ(SW)604a〜604m(
図12参照)によって検出される。
【0139】
また、センターケース134の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域、始動口1)137aが設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材137cを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、始動口2)137bが配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口137a又は第2始動入賞口137bに入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、第1始動入賞口137a又は第2始動入賞口137bに遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口137a及び第2始動入賞口137bが当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。
【0140】
第2始動入賞口137bの一対の開閉部材137cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口137bの上方には、第1始動入賞口137aが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
【0141】
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド127(
図12参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口137bに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
【0142】
さらに遊技領域131の第2始動入賞口137bの下方には、大入賞口ソレノイド128(
図12参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉141aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置141が設けられている。特別変動入賞装置141は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ605(
図12参照)が配設されている。
【0143】
一般入賞口140、第1始動入賞口137a、第2始動入賞口137b、及び特別変動入賞装置141の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640(
図12参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠105の上皿111又は下皿114に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置141の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口142が設けられている。
【0144】
また、遊技領域131の外側(例えば、遊技盤130の右下部)には、変動表示装置135における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート136への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置150が設けられている。さらに、一括表示装置150には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
【0145】
一括表示装置150は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)151及び第2特図変動表示部(特
図2表示器)152と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)153と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特
図1保留表示器154、特
図2保留表示器155、普図保留表示器156)を備える。
【0146】
また、一括表示装置150には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)157、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)160、パチンコ機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器158、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置141の開閉扉141aの開閉回数)を表示するラウンド表示部159が設けられている。
【0147】
特
図1表示器151又は特
図2表示器152における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置135において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
【0148】
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特
図1表示器151又は特
図2表示器152における特図変動表示ゲームを終了する。
【0149】
普図表示器153は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示(特定識別情報を変動表示)する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0150】
特
図1保留表示器154は、特
図1表示器151の変動開始条件となる第1始動入賞口137aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特
図1保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
【0151】
特
図2保留表示器155は、特
図2表示器152の変動開始条件となる第2始動入賞口137bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特
図2保留数)を、特
図1保留表示器154と同様にして表示する。
【0152】
普図保留表示器156は、普図表示器153の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0153】
第1遊技状態表示器157は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器160は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0154】
エラー表示器158は、例えばパチンコ機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、パチンコ機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0155】
ラウンド表示部159は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部159は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0156】
パチンコ機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール133の内周壁に沿って区画された発射球案内通路143を通って遊技領域131内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域131を流下する。発射球案内通路143はガイドレール133と内レール144とによって形成されており、発射球案内通路143の出口に位置する内レール144の端部には弁体146が設けられる。弁体146の下端は内レール144に固定され、弁体146は発射球案内通路143の出口を塞ぐように配設される。弁体146は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路143から遊技領域131に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域131側から発射球案内通路143への遊技球の逆流を禁止する。
【0157】
ここで、本発明の実施の形態のパチンコ機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
【0158】
前述のように、本発明の実施の形態のパチンコ機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域131に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域131内の各所に配置された障害釘や風車145等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域131を流下し、普図始動ゲート136、一般入賞口140、第1始動入賞口137a、第2始動入賞口137b又は特別変動入賞装置141に入賞するか、遊技領域131の最下部に設けられたアウト口142へ流入し、遊技領域131から排出される。そして、一般入賞口140、第1始動入賞口137a、第2始動入賞口137b又は特別変動入賞装置141に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置640によって制御される払出ユニットから、前面枠105の上皿111又は下皿114に排出される。
【0159】
前述のように、普図始動ゲート136内には、該普図始動ゲート136を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(
図12参照)が設けられている。普図始動ゲート136は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域131内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート136内を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
【0160】
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口137bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート136を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置150の普図保留表示器156に表示される。
【0161】
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値(所定の乱数、普図乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。なお、当り判定用乱数値についての詳細は後述する。
【0162】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置150に設けられた変動表示部(普図表示器)153で実行されるようになっている。普図表示器153は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
【0163】
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口137bの一対の開閉部材137cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口137bに遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0164】
普図始動ゲート136への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器153に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口137bは、内蔵されている普電ソレノイド127(
図12参照)が駆動されることにより、開閉部材137cが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口137bへの遊技球の入賞が許容される。
【0165】
第1始動入賞口137aへの入賞球及び第2始動入賞口137bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ601(
図12参照)と第2始動口スイッチ602(
図12参照)によって検出される。第1始動入賞口137aに入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口137bに入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
【0166】
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(
図12参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置150の始動入賞数報知用の記憶表示部(特
図1保留表示器154、特
図2保留表示器155)に表示されるとともに、センターケース134の変動表示装置135においても表示される。
【0167】
遊技制御装置600は、第1始動入賞口137a又は第2始動入賞口137bへの入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特
図1表示器151又は特
図2表示器152)で第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームを行う。
【0168】
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置135にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0169】
変動表示装置135における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置135では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0170】
さらに、第1始動入賞口137a又は第2始動入賞口137bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して変動表示装置135の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
【0171】
このとき、特別変動入賞装置141は、大入賞口ソレノイド128(
図12参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置141に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
【0172】
なお、特
図1表示器151、特
図2表示器152は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置135における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
【0173】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口137a(第2始動入賞口137b)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。なお、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第1特図始動記憶、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第2特図始動記憶とする。
【0174】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口137a(第2始動入賞口137b)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
【0175】
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0176】
また、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口137a内の第1始動口スイッチ601、第2始動入賞口137b内の第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠105に前面枠開放検出スイッチ125やガラス枠に設けられたガラス枠開放検出スイッチ126には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0177】
次に、パチンコ機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。
図12は、本発明の実施の形態のパチンコ機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
【0178】
図12に示す遊技制御装置600は、パチンコ機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
【0179】
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
【0180】
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インタフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
【0181】
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
【0182】
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインタフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
【0183】
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口137aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口137bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート136を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口140に入賞したことを検出するスイッチである。
【0184】
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0185】
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
【0186】
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
【0187】
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ123及び振動センサスイッチ124からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)125及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)126からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
【0188】
磁気センサスイッチ123は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ124は、パチンコ機1を振動させる不正行為を検出するためにパチンコ機1の振動を検出する。
【0189】
前面枠開放検出SW125は、前面枠105が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW125は、前面枠105が本体枠102から開放されるとオンに設定され、前面枠105が本体枠102に閉止されるとオフに設定される。
【0190】
ガラス枠開放検出SW126は、ガラス枠が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW126は、ガラス枠が前面枠105から開放されるとオンに設定され、ガラス枠が前面枠105に閉止されるとオフに設定される。
【0191】
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
【0192】
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED、一括表示装置150、普電ソレノイド127、大入賞口ソレノイド128、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、パチンコ機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
【0193】
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
【0194】
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
【0195】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となるパチンコ機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0196】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置135における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
【0197】
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
【0198】
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0199】
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
【0200】
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
【0201】
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
【0202】
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
【0203】
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
【0204】
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
【0205】
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
【0206】
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
【0207】
また、払出制御装置640は、発射制御装置に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域131に発射することが可能となっている。
【0208】
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
【0209】
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿114(
図9参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
【0210】
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
【0211】
大入賞口ソレノイド128及び普電ソレノイド127には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド128は特別変動入賞装置141の開閉扉141a(
図11参照)を回動させ、普電ソレノイド127は第2始動入賞口137bの開閉部材137cを回動させる。
【0212】
一括表示装置150は、遊技状態報知LED及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置150のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
【0213】
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
【0214】
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関においてパチンコ機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド128及び普電ソレノイド127に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
【0215】
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時においてパチンコ機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
【0216】
電源装置800は、24Vの交流電源からDC12Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC12Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
【0217】
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC12V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
【0218】
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤130及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0219】
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
【0220】
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
【0221】
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC12V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
【0222】
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
【0223】
次に、パチンコ機1に備えられる演出制御装置700について説明する。
図13は、本発明の実施の形態のパチンコ機1の演出制御装置700の構成を示すブロック構成図である。
【0224】
図13に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)に含まれるCPU710及びRAM711と、プログラム及びデータが格納されるROM703を含む。
【0225】
演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、変動表示装置135に出力される映像を作成したり、スピーカ110から出力される再生音を生成したりする。また、CPU710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、枠装飾装置750、盤装飾装置760などのLED等の点灯制御、盤演出装置770など可動役物を駆動させる各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理を行う。
【0226】
また、演出制御装置700は、演出ボタン117からの入力信号を受け付け、演出などに反映させる。さらに、演出制御装置700は、発光部720及び受光部730を備えており、外部機器とのデータの送受信を可能にする。例えば、発光部720及び受光部730によって赤外線通信を行い、携帯端末4とデータを送受信する。
【0227】
本発明の実施の形態の演出制御装置700は、枠表示ユニット170が接続されている。枠表示ユニット170は、前面構成枠突出部105aに備えられ、遊技情報の表示や演出の設定などを行うことが可能となっている。
【0228】
枠表示ユニット170は、枠表示装置171、振動機構部172、三軸加速度センサ173及びタッチセンサ174を備える。枠表示装置171は、遊技者に遊技情報を表示したり、遊技者からの入力を受け付けたりする。枠表示装置171には、タッチセンサ174が備えられており、遊技者からの入力を受け付けられるように構成されている。
【0229】
振動機構部172は、枠表示装置171の画面(タッチセンサ174)上に遊技者の体の一部(例えば、指)が接触すると、接触を検知して表示内容を更新する。例えば、画面接触時に画面を揺らしたり、接触した位置を中心とした波紋を表示するような演出を実行したりしてもよい。
【0230】
三軸加速度センサ173は、水平方向及び垂直方向の動作を検出するセンサであり、枠表示ユニット170を振動させたり、前面枠105を開閉させたりしたことを検出することができる。
【0231】
以上のように演出制御装置700は、画像表示、音出力などの演出を制御する制御手段をなしている。
【0232】
図14は、本発明の実施の形態のパチンコ機1による遊技おける状態の遷移を説明する図である。また、
図15は、本発明の実施の形態のパチンコ機1による遊技の大当りの種類及び発生確率を説明する図である。
【0233】
通常状態において1/220の確率で「小当り」(A)が発生する。「小当り」は、変動表示ゲームの当選確率を変化させない当りである。したがって、通常状態で「小当り」が発生すると、遊技状態は通常状態のままとなる。「小当り」に当選した場合には、後述する「2R当り」(電サポ無し)と類似する演出が実行される。
【0234】
また、通常状態では、1/316の確率で大当りが発生し、大当りには「2R当り」(B)及び「15R当り」(C)が含まれる。「2R当り」には、
図15(A)に示すように、2R通常当り(電サポ無し)、2R通常当り(電サポ100回付き)、2R確変当り(電サポ無し)、2R確変当り(電サポ100回付き)、2R確変当り(次回大当りまで電サポ付き)の5種類がある。
【0235】
2R通常当りは、特別遊技状態が終了した後、通常状態となる。電サポは、普図変動表示ゲームの当選確率が高くなり、また、開閉部材137cの開放時間が長くなるなど、第2始動入賞口137bに遊技球が入賞しやすい状態となるいわゆる時短状態のことである。電サポ100回付きは、特図変動表示ゲームが100回実行されるまでの間、時短状態が継続することである。
【0236】
通常状態で小当りが発生すると、通常状態(D)に遷移する。また、2R通常当り(電サポ無し)が発生した場合も、通常状態(D)に遷移する。一方、2R確変当り(電サポ無し)が発生した場合には、電サポ無し確変状態(E)に遷移する。このとき、開閉部材137cの動作態様は、通常状態(D)と電サポ無し確変状態(E)とで同じとなる。そして、小当り、2R通常当り(電サポ無し)、2R通常当り(電サポ100回付き)が発生した場合には、前述のように、同じ態様で演出が実行されるため、遊技者には区別がつきにくいようになっている。そして、特別遊技状態終了後には、
図14下部に示すような確率状態を遊技者に報知しない潜伏状態表示を行うようになっている。
【0237】
また、「15R当り」には、
図15(A)に示すように、15R通常当り(電サポ100回付き)、15R確変当り(電サポ100回付き)、15R確変当り(次回大当りまで電サポ付き)の3種類がある。
【0238】
さらに、特図変動表示ゲームは、前述のように、第1始動入賞口137a又は第2始動入賞口137bに遊技球が入賞した場合に実行され、各当りが発生する確率は、遊技球が入賞した始動入賞口によって異なるように定義されている。具体的には、第1始動入賞口137aに入賞する場合よりも、時短状態以外では遊技球が入賞しにくい第2始動入賞口137bに入賞した場合のほうが遊技者にとって有利になるように設定されている。
【0239】
具体的には、
図15(B)は、第1始動入賞口137aに遊技球が入賞した場合に実行される特
図1変動表示ゲームの当り発生時の振り分けである。
図15(C)は、第2始動入賞口137bに遊技球が入賞した場合に実行される特
図2変動表示ゲームの当り発生時の振り分けである。(B)と(C)を比較すると、電サポなしの2R確変当り(番号:4)が発生する確率が、特
図1の場合は20%であるのに対し、特
図2の場合は2%となっている。一方、次回大当りまで電サポ付きの15R確変大当り(番号:8)が発生する確率が、特
図1の場合は25%であるのに対し、特
図2の場合は43%となっている。このように、特
図2変動表示ゲームが実行された場合のほうが遊技者に有利になるように設定されている。
【0240】
最後にその他の状態遷移について説明する。2R通常当り(電サポ100回付き)又は15R通常当り(電サポ100回付き)が発生した場合には、電サポ100回付きの通常状態(F)に移行する。2R確変当り(電サポ100回付き)又は15R確変当り(電サポ100回付き)が発生した場合には、電サポ100回付きの確変状態(G)に移行する。さらに、2R確変当り(次回大当りまで電サポ付き)又は15R確変当り(次回大当りまで電サポ付き)が発生した場合には、次回大当りまで電サポ付きの確変状態(H)に移行する。
【0241】
各状態(D〜H)では、いずれも「小当り」(A)、2R当り(B)、15R当り(C)が発生する。そして、電サポ100回付きの通常状態(F)において、特図変動表示ゲームが100回実行されると、通常状態(D)に遷移する。さらに、電サポ100回付きの確変状態(G)特図変動表示ゲームが100回実行されると、電サポ無し確変状態(E)に遷移する。
【0242】
以上、本発明の実施の形態におけるパチンコ機1による遊技の状態について説明した。本実施形態では、遊技履歴(累積遊技データ)に基づいて演出態様を変化させることができる。具体的には、キャラクタが成長して冒険を進めるゲームを行うRPG(ロールプレイングゲーム)モードを実行することができる。キャラクタは遊技履歴(累積遊技データ)に基づいて成長し、また、アイテムなどを取得することができる。この遊技履歴を遊技に反映させるために遊技識別コードを入力する手順について説明する。
【0243】
図16は、本発明の実施の形態の遊技機においてRPGモードで遊技を開始する手順を説明する図である。
【0244】
変動表示ゲームが実行されていない状態(A)で、演出ボタン117が操作されると、メニュー画面が表示される(B)。このとき、遊技履歴の参照、RPGモードの開始又は終了を選択することができる。
【0245】
遊技履歴の参照では、遊技識別コードが入力されている場合には、遊技識別コードに対応する遊技履歴に、遊技識別コード入力後の遊技が反映された状態で表示される。表示される遊技履歴は、遊技履歴暫定保存手段24(
図1参照)に格納されており、演出制御装置370のRAM370cに記憶されている。
【0246】
RPGモードとは、前述のように、パチンコ機1及びスロットマシン2で連動して実行可能なゲームであり、遊技を行うことによって、キャラクタを登場させたり、登場したキャラクタを冒険させたりする。キャラクタには複数の種類あり、各キャラクタにはパラメータが設定されている。また、キャラクタのパラメータは遊技履歴に連動しており、例えば、遊技時間の長い遊技者ほどキャラクタの種類が多かったり、また、ゲームを有利に進めたりするようになっている。
【0247】
RPGモードの開始を選択すると、パスワードの入力が要求される。パスワードは、遊技者毎に個別に設定するようにしてもよいし、遊技識別コードに対応させるようにしてもよい。そして、遊技者が遊技識別コードを入力すると、対応する遊技履歴が反映された状態でゲームが開始される(D)。また、画面右上の「初めから」を選択すると、初期状態からゲームを開始することができる(E)。このとき、初期状態に対応するアクセス情報(QRコード)が表示される。
【0248】
また、RPGモードの終了を選択すると、開始時と同様に、同様にパスワードの入力が要求される。RPGモードを終了させずに退席した遊技者の後に遊技を継続した場合など、遊技履歴の不整合が発生することを防ぐためである。前の遊技者の情報が残っている場合には、一旦、RPGモードを終了させてからあらためてRPGモードを開始させればよい。RPGモードを終了させ、パスワードが開始時と終了時で一致した場合には、最新の遊技履歴に対応するアクセス情報を出力する。なお、遊技中に更新された遊技履歴は、遊技に常時反映されるようになっている。
【0249】
そして、表示されたアクセス情報を携帯端末4で読み込むことによって、遊技履歴や次回遊技を行う際のゲームを継続するための遊技識別コードを入手することができる。また、前述のように、遊技履歴に応じた特典を入手することが可能となる。なお、遊技終了時の処理については、
図17を参照しながら説明する。
【0250】
なお、アクセス情報を変動表示装置135に表示してもよいが、パチンコ機1の場合、変動表示装置135の前にカバーガラス106が備えられているため、携帯端末4では読み取りにくい場合がある。そこで、アクセス情報を携帯端末4で読み取りやすくなるように、前面構成枠突出部105aに備えられた枠表示装置171に表示するようにしてもよい。
【0251】
図17は、本発明の実施の形態の遊技終了時設定処理の手順を示すフローチャートである。遊技終了時設定処理は、所定の状態で演出ボタン117が操作された場合に実行される。
【0252】
演出制御装置700は、演出ボタン117が操作されると、大当り状態(特別遊技状態)又は変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(B3011)。大当り状態又は変動表示ゲームが実行中である場合には(B3011の結果が「Yes」)、遊技終了時設定処理を終了する。
【0253】
演出制御装置700は、大当り状態、変動表示ゲームが実行中のいずれでもない場合には(B3012の結果が「No」)、遊技終了時のパスワード入力可能操作があるか否か、すなわち、パスワードの入力操作をともなう処理が要求されたか否かを判定する(B3012)。具体的には、
図16の(B)に対応する画面が表示され、「RPGモード開始」又は「RPGモード
終了」が選択されたか否かを判定する。演出制御装置700は、遊技終了時のパスワード入力可能操作がない場合には(B3012の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0254】
演出制御装置700は、遊技終了時のパスワード入力可能操作があった場合には(B3012の結果が「Yes」)、パスワード入力可能画面を表示してパスワードの入力を受け付け可能な状態にする(B3013)。パスワード入力可能画面は、
図16の(C)の画面に対応する。
【0255】
演出制御装置700は、パスワード入力可能画面が表示された後
、「初めから」が入力されたか否かを判定する(B3014)。「初めから」が入力された場合には(B3014の結果が「Yes」)、
累積遊技結果に基づきQRコード(アクセス情報)を表示する(B3017)。
【0256】
一方、演出制御装置700は、「初めから」が入力されなかった場合には(B3014の結果が「No」)、パスワードの入力操作があったか否かを判定する(B3015)。パスワードの入力操作がなかった場合には(B3015の結果が「No」)、本処理を終了する。このとき、所定時間パスワードの入力があるまで待機するようにしてもよい。
【0257】
演出制御装置700は、パスワードの入力があった場合には(B3015の結果が「Y」)、入力されたパスワードがゲーム開始時に入力されたパスワードと一致するか否かを判定する(B3016)。一致していない場合には(B3016の結果が「No」)、一人の遊技者が継続して遊技を行っていないものとして本処理を終了する。
【0258】
演出制御装置700は、入力されたパスワードがゲーム開始時に入力されたパスワードと一致する場合には(B3016の結果が「Yes」)、累積された遊技結果に基づいて生成されたアクセス情報(QRコード)を表示する(B3017)。
【0259】
以上の遊技終了時設定処理によって、累積された遊技結果に基づくアクセス情報を取得することができる。そして、取得されたアクセス情報に基づいて次回遊技を行う際に継続してRPGモードを楽しむことができる。なお、遊技が開始されてから終了するまでの間、累積遊技データ(遊技履歴)は継続して更新され、当該累積遊技データに基づく演出態様が変更されるように構成されている。続いて、累積遊技データに基づいて、遊技態様を変更する処理について説明する。
【0260】
図18は、本発明の実施の形態の遊技態様変更処理の手順を示すフローチャートである。遊技態様変更処理は、タイマ割込処理実行時など、遊技中に定期的、若しくは、所定のタイミングで実行される。
【0261】
演出制御装置700は、まず、累積遊技データが所定値以上であるか否かを判定する(B3021)。累積遊技データの具体的な内容としては、例えば、変動表示ゲームの累積実行回数や累積された遊技時間であり、これらを統合したパラメータであってもよい。そして、演出制御装置700は、累積遊技データが所定値以上である場合には(B3021の結果が「Yes」)、背景色を変更したり、キャラクタを変更したりするなど、遊技態様を変更する。
【0262】
また、本発明の実施の形態では、累積遊技データの値が所定値以上となった場合には、遊技態様を変更するだけでなく、前述のように、遊技者に特典が付与される。例えば、携帯端末4を携帯電話とした場合の待ち受け画像をサーバコンピュータ3からダウンロードすることが可能となる。
【0263】
このとき、特典を付与する累積遊技データと、遊技態様を変更する累積遊技データとを異なるものにしてもよい。例えば、遊技態様の変更は変動表示ゲームの累積実行回数として、待ち受け画像の取得は始動記憶のオーバーフロー回数としてもよい。そして、始動記憶のオーバーフロー回数が所定回数を超えるたびに待ち受け画像を取得できるようにする。なお、待ち受け画像を取得するためにオーバーフローを多く発生させすぎるなどのめり込ませすぎないように、
図19に示すように、所定の更新期間を設けるようにする。
【0264】
図19は、本発明の実施の形態の特典を更新する間隔の一例を示す図である。
図19を参照すると、遊技機の発売当日から10日間はA画像を提供する。その後、7日間毎にB画像、C画像、D画像と更新する。なお、特典画像を取得するための累積遊技データは画像を取得するたびに新たに所定の累積遊技データが加算されるまで次の更新画像を取得できないようにしてもよい。
【0265】
続いて、累積遊技データ(遊技経過情報)の種類について説明する。
図20は、本発明の実施の形態の累積遊技データ(遊技経過情報)の種類の一例を示す図である。
【0266】
本実施形態の各累積遊技データには、(A)に示すように、それぞれ対応するサービスが設定されている。例えば、朝一からの回転数が所定回数を超えた場合には、「朝一特上画像」のダウンロードが可能となる。その他、遊技中に出力される音楽を取得することができる。なお、朝一からの回転数とは、営業開始から最初に遊技が行われた遊技機での回転数である。すなわち、当日最初に遊技された遊技機における回転数であり、他の遊技者の後に遊技を行った場合には加算されない。その他、遊技状態(通常、確変、サポ中、曖昧中)や遊技を行った曜日、前述した始動記憶のオーバーフロー数、先読み予告の発生回数、転落回数、中サポ中の回転数、アウト個数、ミッション達成回数などが定義されている。なお、(A)に示した累積遊技データは一例であり、他のものであってもよい。
【0267】
例えば、発生したリーチの種類を累積遊技データとして記憶し、所定のリーチが所定回数発生した場合には、新たなリーチ態様を追加するようにしてもよい。このとき、後述するように、累積遊技データに対応付けられて登場したキャラクタにリーチ態様を対応付けるようにしてもよい。
【0268】
(B)は、回転数、すなわち、変動表示ゲームの実行回数に対応するサービスが定義されている。また、スロットマシン2におけるゲーム数としてもよい。回転数は、遊技を行った量を示すデータになるため、回転数が多いほど提供されるサービスの価値が高いものとなる。
【0269】
また、
図21には、遊技を行った曜日に応じて表示される画像となっている。
図21は、本発明の実施の形態の曜日に対応した領域が表示される特典画像の一例を示す図である。
図21では、比較的遊技を行いやすい土曜日と日曜日の面積が大きくなるように設定されているが、すべての曜日で累積遊技データの値が所定値以上にならないとい画像全体が開示されないようになっている。
【0270】
以上、説明した累積遊技データは、パチンコ機1とスロットマシン2とで共通に利用するようにしてもよいし、遊技機毎に単独で利用してもよい。なお、スロットマシン2における累積遊技データに基づいてパチンコ機1における遊技の演出を変更する場合については詳細を後述する。
【0271】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、蓄積された遊技データに基づいて特典を提供することによって遊技者に再度遊技を行う動機付けをすることが可能となり、遊技の興趣を高めるとともに、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。
【0272】
続いて、累積遊技データを合算する場合について説明する。他人の累積遊技データと合算したり、遊技識別コードを入力せずに遊技を開始してアクセス情報を取得し、後日累積遊技データと合算したりする場合に利用することができる。
【0273】
図22は、本発明の実施の形態における複数の累積遊技データを合算する手順を説明する図である。
【0274】
図22では、遊技者Aと遊技者Bがそれぞれパチンコ機1で遊技を行った結果得られた累積遊技データを合算する。まず、遊技者Aと遊技者Bがそれぞれパチンコ機1にパスワード(遊技識別コード)を入力し、アクセス情報(QRコード)を表示させる。そして、表示されたアクセス情報(QRコード)を携帯端末4で読み込み、外部装置5に送信する。外部装置5は、例えば、サーバコンピュータ3である。
【0275】
外部装置5は、遊技者A及び遊技者Bからアクセス情報を受け付けると、累積遊技データを結合し、結合された累積遊技データを一方の累積遊技データとして記録する。
【0276】
図23は、本発明の実施の形態における遊技開始前の設定方法を説明する図である。RPGモードを開始する場合には初期状態を示すQRコードを携帯端末4に読み込ませて遊技識別コードを入力させる。QRコードは、変動表示装置135又は枠表示装置171に表示されたメニューから遊技の開始を選択した際に表示されるようにしてもよいし、(A)に示すように、パチンコ機1の前面枠105にQRコード900を表示するようにしてもよい。
【0277】
また、最初にRPGモードで遊技を行う場合、遊技者は、パチンコ機1にアクセス識別コードを入力した後、名前とパスワードを入力する(B)。このとき、パスワードは再度遊技する場合のパスワードとして使用してもよいし、ゲームにランダム性を持たせるために使用してもよい。
【0278】
名前とパスワードを入力すると、(C)に示すように、キャラクタ及び関連情報が表示される。このとき、RPGモードに関連するデータ、例えば、一緒に冒険する仲間、ステータス(データ)、画像及び音楽などの情報を確認することができる。
【0279】
次に、パチンコ機1から取得したアクセス情報(QRコード)を用いて、携帯端末4で累積遊技データを合算する手順について説明する。
図24は、本発明の実施の形態の携帯端末4を用いて累積遊技データを合算する手順を説明する図である。
【0280】
図24では、(A)に示すQRコード(アクセス情報)に対応する累積遊技データに、(E)に示すQRコード(アクセス情報)に対応する累積遊技データを合算する手順について説明する。
【0281】
まず、(A)に示すQRコードを携帯端末4に読み込むと(B)、(C)に示すように、現在のポイント(累積遊技データ)が表示される。このとき、画面上には、累積遊技データを追加するための追加ボタンを操作することが可能になっている。そして、追加ボタンを操作すると、(D)に示すように、追加したい累積遊技データに対応するQRコードの表示を要求する画面が表示される。
【0282】
このとき、(F)に示すように、合算させる累積遊技データに対応するQRコードを携帯端末4で読み込み、(G)に示すように、合算されるポイント(累積遊技データ)が表示される。そして、合算可能な場合、具体的には、合算元と合算先の累積遊技データの所有者の名義が一致している場合には、(H)に示すように、加算するか否かを選択する画面が表示される。加算に成功すると、(I)に示すように、合算結果を示す画面が表示される。
【0283】
一方、合算元と合算先の累積遊技データの所有者の名義が一致していない場合には、(J)に示すように、合算元の遊技者を仲間として登録するか否かを選択する画面が表示される。このとき、他人の累積遊技データを追加可能に構成してもよいが、合算される累積遊技データの所有者に許可を受けるように構成してもよい。例えば、合算される累積遊技データの所有者が携帯端末4から操作することによってサーバコンピュータ3にアクセスし、ウェブ上で許可できるように構成してもよい。
【0284】
以上のように、構成することによって、遊技識別コードを取得できない状態であっても累積遊技データを合算することができるので、RPGモードのゲームを継続して行いやすくすることができる。したがって遊技者が再び遊技を行う動機付けにもなり得る。
【0285】
続いて、サーバコンピュータ3が遊技場の外部に備えられる構成について説明する。
図25及び
図26は、本発明の実施の形態のサーバコンピュータ3が外部に設置されている場合のシステム構成図である。
【0286】
図25を参照すると、サーバコンピュータ3は、インターネットなどのネットワークを介して各遊技場に備えられる管理装置8に接続される。ネットワークは、パソコンや携帯端末4などから接続可能に構成されている。
【0287】
管理装置8は、
図26に示すように、台間装置(台間サンド)6を介して遊技機(パチンコ機1、スロットマシン2でもよい)に接続される。台間装置6には、遊技場において店員を呼び出すための呼び出しランプ7が接続される。
【0288】
図27は、本発明の実施の形態の台間装置6を介して管理装置8に接続されたパチンコ機1の演出制御装置700の構成を示すブロック構成図である。
【0289】
図13に示したブロック構成図と比較すると、
図27では、台間装置6を介して管理装置8に接続される点が相違する。台間装置6は、遊技媒体の貸出に関する機能を有する。台間装置6は、遊技者が所有する有価価値の投入を受け付けると、遊技機(パチンコ機1、スロットマシン2)に貸出指令信号を送信する。遊技機は、台間装置6からの貸出指令信号に基づいて、払出制御装置640の制御によって払出装置から遊技媒体を払い出す。なお、投入された有価価値の残数がある状態で遊技機に設けられる貸出ボタンの操作入力を受け付けたことに基づいて貸出指令信号を送信する場合もある。
【0290】
管理装置8は、遊技場管理装置とも呼ばれ、遊技機の稼働にともなって発生する遊技情報を遊技機別及び営業日別に収集・集計する。また、本実施形態では、台間装置6を介して遊技機から取得された遊技履歴を収集する。そして、ネットワークを介してサーバコンピュータ3に接続し、遊技履歴を一括管理したり、必要なデータを提供したりする。例えば、所定の条件を満たすたびに新しい演出を実行するために必要なデータが提供される。
【0291】
具体的には、遊技機において所定のミッションをクリアするゲームが実行される場合に、管理装置8は、サーバコンピュータ3から、ミッションをクリアするたびに画像データや音声データの提供を受ける。このとき、管理装置8は、内部に備えられたRAMにこれらのデータを記憶し、遊技機からミッションがクリアされたことを示す信号を受信すると、対応するデータを遊技機に提供する。
【0292】
図28は、本発明の実施の形態の遊技機におけるミッションをクリアした場合に提供されるデータの一例を示す図である。
図28に示すデータは、管理装置8のRAM801によって保持される。また、
図28に示すデータは、所定のタイミングでサーバコンピュータ3から管理装置8に送信される。このように構成することによって、期間限定の演出を実行したり、演出内容を事後的に追加したりすることが可能となる。
【0293】
図29は、本発明の実施の形態の遊技機(パチンコ機1)が追加データを受信する場合の情報の送受信を説明する図である。
【0294】
まず、遊技者がパチンコ機1に遊技者を識別するIDを入力する。また、遊技者は、携帯端末4からIDを入力することによってサーバコンピュータ3から各種情報を取得することができるようになっている。なお、IDは、携帯電話の電話番号やメースアドレスでもよいし、指紋認証や静脈認証を用いてもよく、個人を特定できれば手段は限定されない。
【0295】
遊技者は、遊技を開始すると、管理装置8を介してIDをサーバコンピュータ3に送信する。サーバコンピュータ3はIDに対応する追加データを、管理装置8を介してパチンコ機1に応答する。このとき、管理装置8に追加データをあらかじめ保持しておき、管理装置8からデータをパチンコ機1に応答させるようにしてもよい。このように構成することによって、管理装置8とサーバコンピュータ3との間のトラフィックを軽減することが可能となる。なお、管理装置8を介さずにパチンコ機1が台間装置6を介して直接サーバコンピュータ3とデータの送受信をしてもよい。
【0296】
また、遊技者がゲームのミッションをクリアすると、ミッションのコンプリート情報及びIDが管理装置8を介してサーバコンピュータ3に送信される。サーバコンピュータ3は、コンプリート情報及びIDを受信すると、対応する追加データを応答する。このとき、IDに追加データが関連付けられる。そして、IDに対応する遊技者が後日遊技を行う場合には、新たに追加されたデータを用いた演出が可能となる。
【0297】
図30は、本発明の実施の形態のコンプリート情報を送信する処理の手順を示すフローチャートである。
図30に示す手順は、パチンコ機1から台間装置6を介して管理装置8にコンプリート情報を送信する手順である。本処理は、演出制御装置700によって定期的又は所定のタイミングで実行される。
【0298】
パチンコ機1は、各種演出(ミッション)を達成(コンプリート)したか否かを判定する(B3031)。コンプリートした場合には(B3031の結果が「Yes」)、管理装置8にコンプリート情報を送信するコンプリート情報送信処理を実行する(B3032)。一方、コンプリートしていない場合には(B3031の結果が「No」)、そのまま本処理を終了する。
【0299】
図31は、本発明の実施の形態の演出データを追加する処理の手順を示すフローチャートである。
【0300】
パチンコ機1は、管理装置8にコンプリート情報を送信した後、追加データを受信したか否かを判定する(B3041)。追加データを受信した場合には(B3041の結果が「Yes」)、演出制御装置700のRAM711に追加データを記憶する(B3042)。一方、受信していない場合には(B3041の結果が「No」)、そのまま本処理を終了する。なお、追加データの入手元は、前述のように、サーバコンピュータ3であってもよいし、管理装置8であってもよい。
【0301】
また、追加データは、達成するミッション毎に異なるデータが提供される。ミッションはRPGモードにおけるものであってもよいし、前述した遊技経過情報(
図20)と同様に、回転数などのパラメータであってもよい。
【0302】
図32は、本発明の実施の形態のミッションの一例を示す図である。
図32では、IDを携帯電話の電話番号としている。本実施形態では、IDごとに各パラメータがサーバコンピュータ3で管理されており、遊技開始時に全パラメータが遊技機にダウンロードされる。そして、遊技終了時にパラメータがサーバコンピュータ3に送信されるが、ミッションが達成されるたびに更新するようにしてもよい。なお、ミッションの内容については、
図20の遊技経過情報と同じである。
【0303】
また、本発明の実施の形態において、パスワードは、遊技機本体から演出ボタン等を利用して直接入力される以外に、前述のように、携帯端末4の赤外線通信機能を利用してもよい。
図33は、本発明の実施の形態の携帯端末4の赤外線通信機能を利用してパスワードを入力する手順を説明する図である。この場合には、遊技機(パチンコ機1)に赤外線受信部901を設け、携帯端末4と赤外線通信機能によって通信する。そして、ID又はパスワードとして、携帯端末4の赤外線通信機能を利用して携帯電話の電話番号やメースアドレスを遊技機に入力する。
【0304】
図34は、本発明の実施の形態の赤外線受信処理の手順を示すフローチャートである。
【0305】
パチンコ機1は、まず、赤外線受信可能状態であるか否かを判定する(B3051)。赤外線受信可能状態に移行する場合には、演出ボタン117などを操作してメニュー画面を表示して移行させるようにしてもよいし、常時赤外線を受信可能な状態にしてもよい。
【0306】
パチンコ機1は、赤外線受信可能状態の場合には(B3051の結果が「Yes」)、赤外線を受信したか否かを判定する(B3052)。赤外線を受信した場合には(B3052の結果が「Yes」)、受信データに基づいて遊技モード等の情報を表示する。このとき、サーバコンピュータ3にアクセスしてミッションのクリア状況(遊技経過情報、累積遊技データ)を表示するようにしてもよい。
【0307】
一方、パチンコ機1は、赤外線受信可能状態でない場合には(B3051の結果が「No」)、又は、赤外線を受信していない場合には(B3052の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0308】
続いて、本発明の実施の形態の演出について説明する。本発明の実施の形態では、パチンコ機1及びスロットマシン2において同じ版権に基づいて演出が設定されている。各遊技機に共通のキャラクタ、パチンコ機1に登場するキャラクタ、スロットマシン2に登場するキャラクタがそれぞれ設定されている。
図35は、本発明の実施の形態の演出に登場するキャラクタの一例を示す図である。本実施形態では、キャラクタA〜Iの9種類のキャラクタが登場する。また、それぞれキャラクタに対応したリーチが発生可能となっている。
【0309】
図36は、本発明の実施の形態のキャラクタが登場する遊技機の種類を示す図である。
図36を参照すると、キャラクタA〜C(Aゾーン)は、デフォルトでは、パチンコ機1にのみ登場するキャラクタである。キャラクタD〜F(Bゾーン)は、パチンコ機1及びスロットマシン2に共通して登場するキャラクタである。キャラクタG〜I(Cゾーン)は、デフォルトでは、スロットマシン2にのみ登場するキャラクタである。
【0310】
本実施形態における遊技機(パチンコ機1、スロットマシン2)では、累積遊技データが所定値以上になった場合には、他方の遊技機のみで登場したキャラクタも登場するように構成されている。例えば、パチンコ機1における所定の累積遊技データが所定値に到達した場合には、スロットマシン2でのみ登場するキャラクタ(例えば、キャラクタG)が登場するように追加データがサーバコンピュータ3から送信される。
【0311】
また、一方の遊技機(例えば、パチンコ機1)における累積遊技データに基づいて、他方の遊技機(例えば、スロットマシン2)における演出に一方の遊技機のみで登場するキャラクタが登場するようにしてもよい。
【0312】
図37は、本発明の実施の形態の使用可能キャラ増加処理の手順を示す図である。(A)はパチンコ機1の場合、(B)はスロットマシン2の場合である。また、これらの処理は、サーバコンピュータ3上で実行され、追加データとして遊技機に提供される。なお、
図37に示す手順は、各遊技機の累積遊技データ(大当り回数)が所定値(10回)以上となった場合に、他の遊技機でのみ登場するキャラクタを新たに登場可能にさせる。
【0313】
(A)では、サーバコンピュータ3は、パチンコ機1で10回以上大当りとなったか否かを判定する(C1001)。パチンコ機1で10回以上大当りとなった場合には(C1001の結果が「Yes」)、すなわち、パチンコ機で10回の大当りを発生させるミッションをコンプリートさせたコンプリート情報をパチンコ機1から受信した場合には、スロットマシン2の演出で登場するキャラクタGが使用可能となるように遊技識別コードに反映させる(C1002)。
【0314】
(B)についても、(A)の場合と同様に、スロットマシン(パチスロ機)2で大当りが10回以上発生した場合には(C1001の結果が「Yes」)、パチンコ機にしか登場しないキャラクタCが登場可能となるように設定される。
【0315】
図38は、本発明の実施の形態のキャラクタが登場する演出の一例を示す図である。
図38では、パチンコ機1における演出を例として説明する。また、ここで説明する演出は、変動表示ゲーム実行中における演出であり、キャラクタの登場にともなって先読み演出も実行される。
【0316】
図38(A)を参照すると、画面中央には、3つの識別図柄(第1〜第3図柄)が識別図柄表示領域3803で変動表示されており、画面下部には始動記憶表示領域3801に始動記憶が表示されている。(A)では、4個の始動記憶が表示されている。また、画面左下には、第4図柄3802が表示されている。
【0317】
このとき、演出が進行すると、新たに追加された本来ならばスロットマシン2に登場するキャラクタGが登場する(B)。キャラクタGが通り過ぎると、一番左の始動記憶表示が通常態様から変化し、先読み報知が実行される。
【0318】
本実施形態では、キャラクタが登場すると、先読み予告が実行されやすくなるように構成されている。
図39は、本発明の実施の形態のキャラクタ登場時の先読み報知(予告)が実行される割合の一例を示す図である。なお、
図39は、パチンコ機1の場合を示している。
【0319】
前述のように、キャラクタA〜Fは、累積遊技データの値にかかわらず、パチンコ機1で登場するキャラクタであり、キャラクタG〜Iは、通常、スロットマシン2のみで登場し、累積遊技データが所定値以上になった場合に登場するようになるキャラクタである。
図39を参照すると、パチンコ機1でもともと登場するキャラクタについては、30%の割合で先読み報知を行うが、キャラクタG〜Iについては85%以上の割合で先読み報知を行う。また、スロットマシン用キャラクタはG→H→Iの順で登場させることが困難となっているため、先読み報知が実行される割合もG→H→Iの順で高くなっている。
【0320】
なお、先読み報知が実行される割合については、キャラクタ登場時点において、各始動記憶に対する報知割合であってもよいし、始動記憶全体に対する報知割合であってもよい。
【0321】
次に、前述したように、一方の遊技機(例えば、パチンコ機1)における累積遊技データに基づいて、他方の遊技機(例えば、スロットマシン2)における演出に一方の遊技機のみで登場するキャラクタが登場する場合について説明する。ここでは、パチンコ機1とスロットマシン2を両方遊技することによって、相互にキャラクタが登場するように構成されている。
【0322】
図40は、本発明の実施の形態のキャラクタに対するパチンコ機側稼動偏重抑制処理の手順を示すフローチャートである。
図41は、本発明の実施の形態のキャラクタに対するスロットマシン側稼動偏重抑制処理の手順を示すフローチャートである。
【0323】
各処理では、一方の遊技機における遊技時間が多く、他方の遊技機における遊技時間が少ない場合に、遊技時間の少ない遊技機でのみ登場するキャラクタが登場しないように制御する。
【0324】
図40を参照すると、サーバコンピュータ3は、まず、パチンコ機1の遊技時間が100時間以上であるか否かを判定する(C1021)。パチンコ機1の遊技時間が100時間以上である場合には(C1021の結果が「Yes」)、さらに、スロットマシン(パチスロ機)の遊技時間が1時間未満であるか否かを判定する(C1022)。パチンコ機1の遊技時間が100時間以上、かつ、スロットマシン2の遊技時間が1時間未満の場合には、遊技時間が明らかに偏っているので、使用可能キャラクタをAゾーンから一体使用不能に設定し、これを遊技識別コードに反映させて出力する(C1023)。
【0325】
また、
図41に示すように、スロットマシン2の遊技時間がパチンコ機1の遊技時間よりも明らかに多い場合には、逆に使用可能キャラクタをCゾーンから一体使用不能に設定し、これを遊技識別コードに反映させて出力する(C1033)。
【0326】
なお、使用不能にするキャラクタは追加されたキャラクタであってもよいし、もともと表示可能であったキャラクタであってもよい。
【0327】
このように構成することによって、パチンコ機1とスロットマシン2両方を遊技するように遊技者に促すことができる。これにより、スロットマシン2の遊技者にパチンコ機1で遊技するように仕向けることができるとともに、パチンコ機1の遊技者にスロットマシン2で遊技するように仕向けることができる。
【0328】
次に遊技中に表示可能なキャラクタを表示装置上に示す例について
図42及び
図43を参照しながら説明する。
図42は、本発明の実施の形態のパチンコ機1において表示可能なキャラクタを表示する領域の一例を示す図である。
図43は、本発明の実施の形態のスロットマシン2において表示可能なキャラクタを表示する領域の一例を示す図である。
【0329】
図42及び
図43を参照すると、画面左下部に表示可能なキャラクタを表示する領域(4201、4301)が割り当てられている。例えば、遊技中にミッションを新たにクリアすると、表示可能キャラクタ表示領域に表示可能となったキャラクタが表示される。このようにすることによってミッションの達成を遊技者が認識することができる。
【0330】
図44は、本発明の実施の形態においてパチンコ機1のキャラクタがスロットマシン2で表示可能となる流れを説明するための図である。
【0331】
(A)から(C)はパチンコ機1における遊技を示している。(A)から(C)を参照すると、表示可能キャラクタ表示領域にはキャラクタB及びキャラクタCが表示されている。この状態でパチンコ機1における遊技を終了し(D)、アクセス情報を取得する(E)。そして、携帯端末4によってWEB(サーバコンピュータ3)にアクセスし、遊技識別コードを取得する(G)。このとき、遊技者は所定のミッションが完了しているため、スロットマシン2でAゾーンのキャラクタCを使用可能となる遊技識別コードが提供されている。
【0332】
続いて、遊技者は、スロットマシン2による遊技を開始する。遊技を開始するまでに、まず、(G)で取得した遊技識別コードを入力する。前述したように、(G)で取得された遊技識別コードは、キャラクタCを表示可能とするものであるため、遊技を開始すると、スロットマシンにおける表示可能キャラクタ領域にパチンコ用のキャラクタであるキャラクタCが表示されるようになる。以降、キャラクタCが登場する演出などが実行されるようになる。
【0333】
次に、一方の遊技機で使用可能なキャラクタを他方の遊技機で使用可能となるように移動させる手順について説明する。
図45は、本発明の実施の形態の使用可能キャラクタ移動処理の手順を示すフローチャートである。
【0334】
サーバコンピュータ3は、まず、入力されたアクセス情報に基づいて直前の演出で所定のキャラクタが表示されていたか否かを判定する(C1041)。すなわち、直前の遊技で表示されていたキャラクタが移動対象となる。さらに、サーバコンピュータ3は、この所定のキャラクタが別の遊技機における遊技で使用可能であるか否かを判定する(C1042)。既に使用可能となっている場合には(C1042の結果が「No」)、移動させる必要がないので本処理を終了する。
【0335】
一方、サーバコンピュータ3は、所定のキャラクタが別の遊技機における遊技で使用可能でない場合には(C1042の結果が「No」)、当該キャラクタが表示可能となるように、使用可能キャラクタとして遊技識別コードを作成する(C1043)。なお、キャラクタを移動させる場合には、累積遊技データが所定値以上となる、または、対応するミッションがクリアされているなど、所定の条件を満たしている必要がある。
【0336】
以上、一方の遊技機における累積遊技データを他方の遊技機の演出に反映させて新たなキャラクタを登場させる例について説明した。続いて、キャラクタを追加するのではなく、RPGモードにおいてキャラクタが使用するアイテムを他の遊技機の累積遊技データによって追加する例について説明する。
【0337】
図46は、本発明の実施の形態のパチンコ機1においてスロットマシン2の累積遊技データによって取得されたアイテムを表示する領域の一例を示す図である。
【0338】
前述のように、ここでは累積遊技データによって新たなキャラクタの代わりにRPGモードでキャラクタが使用するアイテムが追加される。追加されたアイテムは、取得アイテム表示領域4601に表示される。また、複数種類のアイテムが定義されており、累積遊技データの値によって、より有効なアイテムを取得することができる。また、取得されたアイテムにはレベルが設定されており、ゲームの進捗や累積遊技データによって設定されたレベルが変化するようになっている。
【0339】
本実施形態では、パチンコ機1及びスロットマシン2共通のRPGモードにおいて、キャラクタは防御用のアイテム(盾)と攻撃用のアイテム(武器)を装備することができる。防御用のアイテムは、パチンコ機1の累積遊技データによって取得することができる。また、攻撃用のアイテムは、スロットマシン2の累積遊技データによって取得することができる。取得アイテム表示領域4601には、防御用のアイテム(盾)と攻撃用のアイテム(武器)とが1個ずつ表示される。
【0340】
なお、本実施形態で取得可能なアイテムは、攻撃用及び防御用のアイテムに限らず、特定の機能を有するアイテムであってもよい。例えば、1回のみ使用可能の消費アイテムであって、当該アイテムを使用すると、現在の確率状態が表示されるものなどであってもよい。
【0341】
図47は、本発明の実施の形態の遊技機のRPGモードで取得可能なアイテムの一例を示す図である。(A)はパチンコ機1の累積遊技データによって取得可能な防御用アイテムであり、(B)はスロットマシン2の累積遊技データによって取得可能な攻撃用アイテムである。
図47に示すように、実行された変動表示ゲームの数が多くなるたびに強力な武器や防具を取得することができる。
【0342】
また、
図48は、本発明の実施の形態の取得アイテム表示領域4601に表示されるアイテムの一例を示す図である。(A)は、パチンコ機1において400回の変動表示ゲームを実行した場合に取得される「銀の盾」であり、(B)はスロットマシン2において200回のゲームを実行した場合に取得される「鉄の剣」である。
【0343】
そして、
図49に示すように、アイテムを装備したキャラクタが敵キャラクタとバトルする演出が実行される。
図49は、本発明の実施の形態において取得されたアイテムをキャラクタが装備して実行されるバトル演出の一例を示す図である。バトル演出は、例えば、大当り終了後に実行され、バトルに勝利するたびに確変状態が継続する演出が実行される。
図50は、本発明の実施の形態の大当り終了後にバトル演出が実行されるタイミングを説明する図である。
図50に示すように、確変状態の継続演出としてバトル演出を実行し、勝利した場合には継続、敗北した場合には転落(通常状態に移行)としている。
【0344】
また、RPGモードでは、パチンコ機1とスロットマシン2でそれぞれ遊技を行った場合に防御用アイテムと攻撃用アイテムとがバランスよく強化されるようになっている。そこで、パチンコ機1で遊技を行った後、すぐにスロットマシン2で遊技を行った場合、又は、スロットマシン2で遊技を行った後、すぐにパチンコ機1で遊技を行った場合には、累積遊技データにボーナスポイントを加算するようにしてもよい。
【0345】
なお、防御用アイテムの強化と攻撃用アイテムの強化を異なる累積遊技データに対応させるようにしてもよい。この場合、パチンコ機1又はスロットマシン2のいずれか一方のみを遊技した場合であっても防御用アイテムと攻撃用アイテムとがバランスよく強化することが可能となる。例えば、防御用アイテムを変動表示ゲームの実行回数、攻撃用アイテムを遊技時間に基づいて強化するようにしてもよい。
【0346】
また、アイテムの強化だけでなく、例えば、パチンコ機1で変動表示ゲームを所定回数以上実行しても大当りが発生せずに、スロットマシン2を遊技した場合には、ARTストック数を所定期間一日一回参照できるようにするなど、別の特典を付与するようにしてもよい。
【0347】
図51は、本発明の実施の形態の異なる種類の遊技機間の移動時間と加算ポイントとの対応を示す図である。
図51に示すように、パチンコ機1からスロットマシン2、又は、スロットマシン2からパチンコ機1に遊技者が移動した場合には、移動時間が短いほど加算されるポイントが大きくなるように設定されている。
【0348】
ポイントは、累積遊技データのゲーム数に加算するようにしてもよいし、その他の累積遊技データに加算するようにしてもよい。また、アイテムの経験値として取得されたアイテムの強化に使用されるようにしてもよい。
【0349】
ここまでの説明では、各遊技機でそれぞれ遊技を行う場合のメリットを説明していたが、一方の遊技機のみで遊技を行った場合には、遊技を行っていない他方の遊技機で強化されるアイテムを弱化(レベルダウン)させる態様について説明する。
【0350】
図52は、本発明の実施の形態のアイテムに対するパチンコ機側稼動偏重抑制処理の手順を示すフローチャートである。
図53は、本発明の実施の形態のアイテムに対するスロットマシン側稼動偏重抑制処理の手順を示すフローチャートである。
【0351】
図40及び
図41に示したキャラクタに対する稼動偏重抑制処理と同様に、一方の遊技機における遊技時間が多く、他方の遊技機における遊技時間が少ない場合に、遊技時間の少ない遊技機で強化されるアイテムのレベルをダウンさせるように制御する。
図52及び
図53の基本的な処理手順は、
図40及び
図41と同様である。
【0352】
具体的には、
図52に示すように、パチンコ機1の遊技時間が多くスロットマシン2の遊技時間が所定の時間よりも少ない場合には、スロットマシン2の遊技によって強化される攻撃用のアイテム(武器)のレベルをダウンさせる(C1053、C1063)。このとき、設定されたアイテムのレベルをダウンさせてもよいし、武器そのものを攻撃力の低いものに変更させるようにしてもよい。
【0353】
図54は、本発明の実施の形態においてスロットマシン(パチスロ機)2で取得されたアイテムをパチンコ機1で使用する手順を説明するための図である。
【0354】
(A)から(C)はスロットマシン2における遊技を示している。(A)から(C)を参照すると、まず、パスワード(遊技識別コード)を入力し、武器、防具及びアイテムを取得可能な状態になっている(B)。そして、所定回数(100回)のゲームを実行して、消費アイテム「真実を見る目」を取得した状態を示している(C)。
【0355】
その後、スロットマシン2における遊技を終了し(D)、アクセス情報を取得する(E)。そして、携帯端末4によってWEB(サーバコンピュータ3)にアクセスし、遊技識別コードを取得する(G)。このとき取得した遊技識別コードには、消費アイテム「真実を見る目」を保持していることを示す情報が含まれる。
【0356】
続いて、遊技者は、スロットマシン2による遊技を開始する。まず、(G)で取得した遊技識別コードを入力する(H)。そして、遊技を開始し、(I)に示すように、消費アイテム「真実を見る目」が使用可能な状態であることが示されている。この状態で、演出ボタン117を操作すると、(J)に示すように、現在の確率状態が表示される。
【0357】
また、キャラクタの追加・削除、アイテムの強化・弱化以外にも、各遊技機の遊技割合に応じて演出態様を異ならせるようにしてもよい。
図55は、本発明の実施の形態の累計遊技時間及び遊技割合に対応する演出態様を説明する図である。
【0358】
図55に示すように、累計遊技時間に応じてモードが設定されており、各遊技機の種類の遊技割合に応じてモードが異なるようになっている。例えば、累計遊技時間によるモードによって画面の配色が設定され、遊技割合に応じて色の濃淡などが異なるようにしてもよい。また、累計遊技時間ごとにキャラクタをイメージするモードを2種類ずつ用意し、遊技割合に応じていずれか一方の演出態様としてもよい。
【0359】
また、遊技割合が著しく偏っている場合には、何らかのメッセージを遊技者に通知するようにしてもよい。
図56は、本発明の実施の形態においてパチンコ機1とスロットマシン2との間の遊技割合に著しく偏っている場合に表示されるメッセージの一例を示す図である。(A)はパチンコ機1の遊技時間が著しく多い場合、(B)はスロットマシン2の遊技時間が著しく多い場合に表示されるメッセージである。
【0360】
以上のように、本実施形態によれば、パチンコ機1及びスロットマシン2の遊技履歴に基づいて各々の演出態様(画像表示、音出力、キャラクタなど)に相互に影響させることによって、豊富な演出を行うことが可能となり、興趣を向上させることができる。
【0361】
さらに、本実施形態によれば、スロットマシンの遊技者をパチンコ機に、パチンコ機の遊技者をスロットマシンに取り込むことが可能となるため、パチンコ機及びスロットマシンの稼働率を向上させることが可能となる。また、一方の遊技機の稼働を高くすることによって他方の遊技機で登場するキャラクタが増えたり、先読み予告などの演出が実行されたりするため、一方の遊技機に偏らせずに遊技を行われることが可能となる。
【0362】
また、本実施形態によれば、演出態様にのみ影響を与え、大当り確率などに影響を与えないように構成されているため、遊技の公正を図ることも可能となっている。
【0363】
ここまで説明した態様では、遊技識別コード及びアクセス情報を介して異なる遊技機間で演出態様を連携させていたが、以下、遊技機間を直接接続して演出を連携させる態様について説明する。このように構成することによって、他の遊技者と連携して遊技を行うことが可能となる。
【0364】
遊技機間の接続は、パチンコ機1とスロットマシン2、パチンコ機1とパチンコ機1、スロットマシン2とスロットマシン2、いずれの接続であってもよい。この場合、接続される遊技機は、これまで説明した態様と同様に、それぞれ関連する機種となっている。例えば、パチンコ機1とスロットマシン2とが接続される場合には、同一版権の機種とする。このように構成することによって、各遊技機間で共通のキャラクタや音楽などを利用することができる。
【0365】
図57は、本発明の実施の形態のパチンコ機1とスロットマシン2とを接続する一例を示す図である。遊技機間では演出を連携させるため、演出制御装置が相互に接続される。また、接続される遊技機は、必ずしも隣接されている必要はなく、離れた場所に設置されていてもよい。
【0366】
また、
図58は、本発明の実施の形態の他の遊技機と接続可能なパチンコ機1の演出制御装置700の構成を示すブロック構成図である。なお、既に説明した構成については省略する。
【0367】
図58に示すパチンコ機1の演出制御装置700は、隣接台出力部704及び隣接台入力部705を備える。隣接台出力部704及び隣接台入力部705は、隣接する遊技機に接続するための端子である。隣接台出力部704は、他の遊技機の隣接台入力部と接続され、隣接台入力部705は、他の遊技機の隣接台出力部と接続される。
【0368】
また、1台の遊技機と接続する場合には、同じ遊技機に隣接台出力部704及び隣接台入力部705が接続される。また、複数台の遊技機と接続するようにしてもよく、この場合には、例えば、隣接台出力部704が接続される遊技機と隣接台入力部705が異なる遊技機と接続され、リング状に複数の遊技機が接続されるように構成される。隣接台出力部704及び隣接台入力部705を上流側と下流側に2箇所設けるようにしてもよい。
【0369】
また、マスタ/スレイブスイッチ708は、接続された遊技機の中でマスタ(主)として機能する遊技機であるか否かを設定するスイッチである。接続された遊技機のうち、1台の遊技機がマスタとして設定される。その他の遊技機は、スレーブ(従)に設定される。なお、各遊技機がそれぞれ同等に機能し、通信先の遊技機と個別にデータを送受信するようにしてもよい。
【0370】
また、演出制御装置700には、音声出力を制御するための構成が備えられている。具体的には、音声合成用IC781、音声データROM782、ボリューム回路783及び増幅回路784を備える。音声合成用IC781は、音声データが記憶された音声データROM782から音声データを読み出し、演出内容に応じて音声を合成する。ボリューム回路783は、出力する音声のボリュームを調整する回路である。増幅回路784は、いわゆるアンプであり、音声信号を増幅し、スピーカ1〜3(1101〜1103)に音声信号を出力する。音声合成用IC781の詳細な構成ついては、
図67及び
図68にて後述する。
【0371】
続いて、
図59は、本発明の実施の形態の他の遊技機と接続可能なスロットマシン(パチスロ機)2の演出制御装置370の構成を示すブロック構成図である。なお、既に説明した構成については省略する。
【0372】
図59に示すスロットマシン2の演出制御装置370は、隣接台出力部377及び隣接台入力部378を備える。隣接台出力部377及び隣接台入力部378は、
図58にて説明した隣接台出力部704及び隣接台入力部705と同様に機能する。また、マスタ/スレイブスイッチ380もマスタ/スレイブスイッチ708と同様に機能する。
【0373】
また、演出制御装置370には、
図58に示したパチンコ機1の演出制御装置700と同様に、音声出力を制御するための構成が備えられている。音声合成用IC781、音声データROM372、ボリューム回路373、増幅回路374、スピーカ1〜3(2071〜2073)は、音声合成用IC781、音声データROM782、ボリューム回路783、増幅回路784、スピーカ1〜3(1101〜1103)に対応し、説明を省略する。
【0374】
図60は、本発明の実施の形態の協働する遊技機を選択するための画面の一例を示す図である。(A)に示すように、客待ち画面において、パチンコ機1の変動表示装置135又はスロットマシン2の画像表示装置206には、協働可能な遊技機の台番号が表示される。なお、(A)の画面を表示している遊技機の台番号は159番であり、隣接する遊技機2台ずつと協働可能となっており、すなわち、隣接台入力部及び隣接台出力部によって接続されている。
【0375】
そして、(B)に示すように、客待ち(デモ)画面において演出ボタン117を操作すると、履歴情報やスペック情報の表示、協働する遊技機を選択する機能を選択することができる。さらに、協働する遊技機を選択する機能を実行した場合ついて説明する。
【0376】
図61は、本発明の実施の形態の協働する遊技機を選択する画面の一例を示す図である。協働する遊技機を選択する機能を実行すると、まず、(A)に示すように、協働する遊技機の台番号の候補が表示される。そして、台番号158番を選択すると、台番号158番の表示画面上に台番号159番の遊技機と協働して遊技を行うか否かを選択する画面が表示される。
【0377】
台番号158盤の遊技機で遊技をしている遊技者が「YES」を選択すると、(C1)に示すように、協働成立の表示がなされる。一方、「NO」が選択されると、(C2)に示すように、協働不成立の表示がなされる。すなわち、協働遊技を要求された場合であっても拒否することが可能となっている。
【0378】
協働して遊技を行う場合、連携した演出が実行されるだけでなく、一部の特典について、累積遊技データを合算して受けられるようになっている。
図62は、本発明の実施の形態の協働遊技が実行されている場合に確率状態を報知する手順を示すフローチャートである。
図62では、ここまで説明したように、台番号158番及び159番の遊技機で協働遊技が行われている場合について説明する。なお、
図62の説明は、パチンコ機1で実行される場合について行うが、スロットマシン2の場合についても同様である。
【0379】
演出制御装置700は、まず、他の遊技機と協働しているか否かを判定する(B4001)。協働中の場合には(B4001の結果が「Yes」)、158番台と159番台における合計遊技ゲーム数が2000を超えているか否かを判定する(B4002)。合計遊技ゲーム数が2000を超えているか場合には(B4002の結果が「Yes」)、各遊技機において確率状態を報知する。
【0380】
なお、協働遊技における特典については、累積遊技データの合算だけでなく、協働中のゲーム数などによって付与するようにしてもよい。また、協働して遊技を行う場合に、パチンコ機1とスロットマシン2で遊技が行われる割合に応じて演出態様を設定するようにしてもよい。
図63は、本発明の実施の形態の累計遊技時間及び遊技割合に対応する演出態様を説明する図である。なお、表の内容については、
図55と同様であるため、説明を省略する。
【0381】
続いて、枠表示装置171を利用して協働遊技を行う場合について説明する。
図64Aは、本発明の実施の形態の枠表示装置171を操作することによって他の遊技機にキャラクタを移動させる一例を説明するための図である。なお、
図64Aでは、パチンコ機1からスロットマシン2にキャラクタを移動させる例について説明する。
【0382】
(A1)に示すように、枠表示装置171に移動させるキャラクタを表示させる。このとき、変動表示装置135には通常の遊技画面が表示されている。すなわち、任意のタイミングでキャラクタを移動させる操作を行うことができる。また、(A2)に示すように、キャラクタの移動先の遊技機では、遊技が継続されている。
【0383】
そして、キャラクタを移動させる場合には、キャラクタを移動させる遊技機で遊技を行う遊技者は、(B1)に示すように、枠表示装置171の画面上でキャラクタを移動させる遊技機の方向に画面上をこするように操作することによって、移動元のパチンコ機1から消え(C1)、キャラクタが移動先のスロットマシン2の画像表示装置206に表示される(C2)。このとき、キャラクタを複製したものとして、移動元のパチンコ機1にキャラクタを残してもよい。
【0384】
同様に、演出モードを協働する遊技機と交換する手順について説明する。
図64Bは、本発明の実施の形態の協働遊技中に遊技モードを交換する手順を説明する図である。
【0385】
遊技モードを交換する場合には、交換する各遊技機間で枠表示装置171に遊技モード交換機能を実行し(A1、A2)、枠表示装置171を互いの遊技機の方向に指をこすって移動させるように操作する(B1、B2)。そして、操作が成功すると、互いの遊技モードが交換される(C1、C2)。
【0386】
なお、
図64Bでは、パチンコ機1の間で遊技モードを交換しているが、パチンコ機1とスロットマシン2との間で遊技モードを交換する場合には、例えば、
図63の表に示したように、例えば、「Aモード」と「aモード」のように対応する遊技モードを実行するようにしてもよい。
【0387】
さらに、演出実行時に出力される楽曲を協働する遊技機に複製する手順について説明する。
図65は、本発明の実施の形態の協働遊技中に楽曲を複製する手順を説明する図である。
【0388】
基本的な手順については、
図63に示したキャラクタの移動と同様の手順で行われるが、
図65に示すように、楽曲単位で複製が可能となっている。なお、楽曲の複製は一時的なものとして、遊技終了後にアクセス情報に反映させないようにしてもよいし、以降、遊技を行う場合に複製された楽曲を再生できるようにしてもよい。
【0389】
なお、キャラクタや楽曲などの演出態様を定義する演出パラメータは、通常、累積遊技データに基づいて更新される。累積遊技データは遊技者が単独でパチンコ機1やスロットマシン2で遊技を行うことによって蓄積され、これにともなって、新たなキャラクタや楽曲などの演出態様が追加されるように演出パラメータが更新される。これに対し、遊技者が協働して遊技を行う場合には、キャラクタや楽曲を他の遊技者に提供することが可能となる。すなわち、累積遊技データによらずに、協働している遊技者同士で相互に演出パラメータを更新することが可能となり、単独で遊技を行うよりも多くの特典を受けることが可能となる。
【0390】
続いて、協働遊技において、パチンコ機1の大当りの終了タイミングとスロットマシン2のビッグボーナスの終了タイミングとを所定の期間内に合わせた場合に特典を付与する場合について説明する。
【0391】
図66は、本発明の実施の形態の終了タイミング合致処理の手順を説明する図である。
図66に示した処理は、パチンコ機1及びスロットマシン2の各演出制御装置で共通に実行される処理である。
【0392】
まず、演出制御装置は、協働先又は自機のスロットマシン(パチスロ機)2でビッグボーナスが終了したか否かを判定する(B4011)。ビッグボーナスが終了した場合には(B4011の結果が「Yes」)、パチンコ機1において大当りが終了したか否かを判定する(B4012)。パチンコ機1において大当りが終了した場合にはプレミアム画像を変動表示装置135、画像表示装置206、又は枠表示装置171に表示する(B4013)。なお、B4013の処理で画像そのものを表示するのではなく、画像に対応するアクセス情報(QRコード)を表示し、携帯端末4を介してプレミアム画像を表示するようにしてもよい。
【0393】
なお、終了タイミング合致処理は、パチンコ機1の大当り又はスロットマシン2のビッグボーナスのいずれか一方が終了し、所定の期間内に他方が終了した場合に実行するようにしてもよい。
【0394】
以上のように、複数の遊技機で協働して遊技を行うことによって各遊技機の稼働率を向上させることが可能となり、単独の遊技とは異なる遊技を楽しむことが可能となり、興趣を高めることができる。
【0395】
ここで、前述した音声合成用IC781、371について詳細な個性を
図67及び
図68を参照しながら説明する。
【0396】
図67は、本発明の実施の形態の音声合成用ICの内部構成を示すブロック図である。音声合成用IC(781、371)は、SSG音源と高性能圧縮音声再生機能を併せ持つ自動演奏LSIである。音声合成用IC781はパチンコ機1の演出制御装置700に備えられ、音声合成用IC371はスロットマシン2の演出制御装置370に備えられる。
【0397】
図67に示す構成において、CPUインタフェース791は、入出力ポート及び入出力ドライバを介して演出制御用CPU(710、370c)と接続するためのインタフェースであって、演出制御用CPU(710、370c)からの情報や信号を入力する。CPUインタフェース791は、/SEL(インタフェースモード選択端子)、S6M(CPUインタフェースモード選択端子)、/CS(チップセレクト信号入力端子)、/WR(ライトイネーブル信号入力端子)、ENA(イネーブル信号又はライトイネーブル信号入力端子)、AD(アドレスデータ選択信号入力端子)及びCD0〜CD7(CPUからのコマンドデータ入力端子:データバス)の端子が接続されている。/SEL及びS6Mの端子の信号レベルによってモードが選択され、/CS、/WR、ENA及びADの端子の信号レベルによってモードに応じたコマンドデータの書き込みが行われる。
【0398】
タイミング発生回路792は、処理タイミングを決定するためのクロックを発生する回路であり、XI(水晶発振子接続端子又は外部クロック入力端子)、XO(水晶発振子接続端子)、CLKO(クロック出力端子)及び/RESET(リセット入力端子)の端子が接続されている。XI及びXOの端子が水晶発振子と接続されることにより水晶発振回路が構成される。外部からのクロックをXIの端子より入力することも可能である。CLKOの端子からは所定周波数のクロックが出力される。/RESETの端子がロウレベルのとき、内部レジスタが初期化される。音声合成用IC(781、371)では、電源投入時にシステムリセットを行う必要がある。
【0399】
外部ROMインタフェース793は、音声データROM(外部ROM)(782、372)と接続するためのインタフェースであって、音声データROM(782、372)との間で情報や信号の入出力を行う。外部ROMインタフェース793は、MA00〜MA23(アドレスバス)、MD00〜MD15(データバス)及びMBMD(データバス幅選択信号入力端子)の端子が接続されている。外部ROMインタフェース793は、MA00〜MA23の端子よりアドレスを音声データROM(782、372)に出力し、MD00〜MD15の端子より音声データROM(782、372)からのデータを読み込む。MBMDの端子がハイレベルのとき、16ビットのデータバスに対応し、ロウレベルのとき、8ビットのデータバスに対応する。
【0400】
AMMデコーダ794は、演出制御用CPU(710、370c)からの命令(コマンド)により、AMMデータ形式に圧縮されたフレーズデータを音声データROM(782、372)から外部ROMインタフェース793を介して読み出し、読み出したフレーズデータをPCMデータ(Pulse Code Modulation)にデコード(復号化、伸張)する。また、AMMデコーダ794は、演出制御用CPU(710、370c)からの命令に従って、ボリューム、パン(ステレオ再生したときの、音が聞こえる定位(方向)を設定する機能)及びバスブースト(低音強調)を制御する機能を備えている。この実施の形態では、AMMデコーダ794には、音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である。なお、AMMデコーダ794の詳しい内容については後述する(
図68参照)。
【0401】
SSG音源795は、3系列のパルスジェネレータと1系列のノイズジェネレータとエンベローブジェネレータで構成されており、効果音、警報など、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生することが可能である。なお、SSG音源795の詳しい内容については後述する(
図68参照)。
【0402】
デジタル出力インタフェース796は、AMMデコーダ794によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをデジタル出力するためのインタフェースである。デジタル出力インタフェース796は、LRO(ワードクロックのデジタル出力端子)、BCO(ビットクロックのデジタル出力端子)及びSDO(フレーズデータのデジタル出力端子)の端子が接続されている。LROの端子からワードクロックが出力され、BCOの端子からビットクロックが出力され、SDOの端子からフレーズデータが出力される。なお、デジタル出力を行わないときは、LRO、BCO、SDOの端子はオープンにされる。
【0403】
DAコンバータオペアンプ797は、AMMデコーダ794によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してアナログ出力する回路である。DAコンバータオペアンプ797は、AOL(Lチャンネルのアナログ出力端子)及びAOR(Rチャンネルのアナログ出力端子)の端子が接続されている。AOLの端子から左側のスピーカに対してアナログデータが出力され、AORの端子から右側のスピーカに対してアナログデータが出力される。
【0404】
OR回路798には、AMMデコーダ794とSSG音源795とが入力側に接続され、/PLAYの端子が出力されている。/PLAYの端子は、AMMデコーダ794及びSSG音源795の各再生チャンネルのいずれかが再生中の場合はロウレベルとなる。全ての再生チャンネルが停止中の場合はハイレベルになる。
【0405】
次に、音声出力制御について詳細に説明する。
図68は、本発明の実施の形態の音声出力基板の音声合成用IC内における信号の流れを示すシグナルフロー図である。上述したように、音声合成用IC(781、371)は、音声データROM(外部ROM)(782、372)に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ794と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源795とを備えている。
【0406】
図68に示すように、AMMデコーダ794には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられている。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラル及びステレオフレーズの識別は、音声合成用IC(781、371)内でフレーズデータから自動的に検出される。また、
図68に示すように、SSG音源795には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
【0407】
音声合成用IC(781、371)は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。
【0408】
音声合成用IC(781、371)では、演出制御用CPU(710、370c)からのコマンドにもとづいて、音声データROM(782、372)に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG音源制御レジスタ、及びシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
【0409】
フレーズ再生を制御するためのフレーズ再生制御レジスタには、全チャンネルの制御レジスタと各チャンネルの制御レジスタが設けられている。そして、全チャンネルの制御レジスタには、ミュートの設定を行うためのレジスタや全再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、バスブーストの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。また、各チャンネルの制御レジスタには、再生するフレーズナンバーの設定を行うためのレジスタ、各再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、各再生チャンネルのパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、再生の繰り返しを設定するためのレジスタ、再生スタート/ストップを設定するためのレジスタなどが設けられている。
【0410】
SSG音源795を制御するためのSSG音源制御レジスタには、6チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパルスジェネレータで生成される矩形波の周波数を設定するためのレジスタ(楽音周波数の設定用のレジスタ)、ノイズジェネレータで生成されるノイズ音の周波数を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)ごとに楽音(トーン)及びノイズ音を出力するかどうかを設定するためのレジスタ(ミキサー設定用のレジスタ)、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)の音量を設定するためのレジスタ、エンベローブジェネレータ(電子楽器の音源部で、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の出力レベルを変化させる部分(装置)。音の立ち上がりの鋭さや減衰などを調節することが可能。)を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、SSG音全チャンネルのトータルボリュームを設定するためのレジスタなどが設けられている。
【0411】
シーケンサーを制御するためのシーケンサーレジスタには、8系統のシーケンサーごとに、各シーケンサーが実行する制御データ(コードデータ)を設定するためのレジスタ、各シーケンサーの起動/停止を設定するためのレジスタ、タイマの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。
【0412】
AMMデコーダ794では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一又は複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM(782、372)から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行われる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース796及び(又は)DAコンバータオペアンプ797)に出力される。
【0413】
SSG音源795では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータ及びノイズジェネレータが所定周波数の楽音及びノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータ及びノイズジェネレータから出力された楽音及びノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース796及び(又は)DAコンバータオペアンプ797)に出力される。
【0414】
出力I/F796,797は、AMMデコーダ794及びSSG音源795からの音声データをデジタル出力又はアナログ出力する。
【0415】
ここで、本発明の実施の形態におけるパチンコ機1の制御手順について説明する。まず、遊技制御装置600による処理について説明する。
【0416】
まず、パチンコ機1の電源投入時に実行が開始されるメイン処理について説明する。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
図69は、本発明の実施の形態の遊技制御装置によるメイン処理の前半部のフローチャートである。
図70は、本発明の実施の形態の遊技制御装置によるメイン処理の後半部のフローチャートである。
【0417】
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(A1004)。
【0418】
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで4ミリ秒間待機する(A1005)。なお、必ずしも4ミリ秒に限られない。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
【0419】
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(A1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
【0420】
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A1009)。初期化スイッチ信号は、パチンコ機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
【0421】
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
【0422】
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A1009の結果が「No」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A1010、A1011)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1010の処理で停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックし、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
【0423】
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であり、停電復旧と判定された場合には(A1011の結果が「Yes」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A1014)。
【0424】
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定することによってチェックサムが正常か否かを判定する(A1016)。
【0425】
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A1009の結果が「Yes」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A1011の結果が「No」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A1016の結果が「No」)、
図70のステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
【0426】
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A1016の結果が「Yes」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(
図70のA1017〜A1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし、停電復旧時の初期値をセーブする(A1017)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(A1019)。
【0427】
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A1020)。高確率でないと判定された場合には(A1020の結果が「No」)、ステップA1023以降の処理を実行する。
【0428】
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A1020の結果が「Yes」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A1021)。続いて、一括表示装置150に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(A1022)。
【0429】
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(A1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
【0430】
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
【0431】
遊技制御装置600は、初期化処理において、使用する作業領域をクリアする(A1039)。具体的には、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアし、さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(A1041)。
【0432】
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定し、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(A1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
【0433】
遊技制御装置600は、ステップA1023B又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A1024)。
【0434】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
【0435】
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A1027)。
【0436】
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
【0437】
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
【0438】
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A1030の結果が「No」)、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028の処理を繰り返し実行する。
【0439】
また、初期値乱数更新処理(A1028)の前に割り込みを許可(A1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
【0440】
なお、初期値乱数更新処理(A1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0441】
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A1030の結果が「Yes」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A1032〜A1038)。
【0442】
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A1032)、全出力ポートをオフに設定する(A1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブしさらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A1034)。
【0443】
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A1038)、パチンコ機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
【0444】
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図71は、本発明の実施の形態の遊技制御装置におけるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0445】
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
【0446】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
【0447】
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
【0448】
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド128、普電ソレノイド127が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
【0449】
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(A1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。コマンド送信処理の詳細については、
図72にて後述する。
【0450】
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
【0451】
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠105やガラス枠が不正に開放されていないかなどを対象としている。
【0452】
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、
図76にて後述する。
【0453】
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1109)。
【0454】
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置150)に出力するためのパラメータを編集する。
【0455】
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ123や振動センサスイッチ124からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(A1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ110から報知音を出力したり、遊技状態報知LEDを点灯させたりするなどして外部に報知する。
【0456】
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A1112)。
【0457】
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(A1113)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
【0458】
続いて、
図71のステップA1104などで実行されるコマンド送信処理について説明する。コマンド送信処理は、遊技制御装置600から演出制御装置700や払出制御装置640にコマンドを送信するために実行される処理である。
図72は、本発明の実施の形態のコマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0459】
遊技制御装置600は、コマンド送信処理が実行されると、まず、演出制御コマンド送信処理を実行する(A3001)。演出制御コマンド送信処理では、送信バッファに格納されたコマンドを演出制御装置700に送信する。演出制御コマンド送信処理の詳細については、
図73にて後述する。
【0460】
次に、遊技制御装置600は、払出コマンド送信処理を実行する(A3002)。払出コマンド送信処理では、送信バッファに格納されたコマンドを払出制御装置640に送信する。
【0461】
ここで、演出制御コマンド送信処理について説明する。
図73は、本発明の実施の形態の演出制御コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0462】
遊技制御装置600は、まず、ライトカウンタとリードカウンタとを比較し、コマンドが設定されているかをチェックし(A3101)、コマンド設定があるか否かを判定する(A3102)。すなわち、コマンドの書き込み回数が読み出し回数よりも多ければ、読み出されていないコマンドが存在することとなり、未送信のコマンドが残っていると判定することができる。コマンド設定がない場合には(A3102の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0463】
遊技制御装置600は、コマンド設定がある場合には(A3102の結果が「Yes」)、リードカウンタを更新する(A3103)。そして、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(MODE)からコマンドをロードし(A3104)、取得したコマンドを送信領域にセットする(A3105)。
【0464】
さらに、遊技制御装置600は、リードカウンタに対応するコマンド送信領域(ACTION)からコマンドをロードし(A3106)、取得したコマンドを送信領域にセットする(A3107)。本実施形態のパチンコ機1では、演出制御コマンドはMODE及びACTIONの1対のコマンドで構成されている。
【0465】
各コマンドが送信領域にセットされると、遊技制御装置600は、演出制御コマンド出力処理を実行する(A3108)。演出制御コマンド出力処理は、
図74にて後述する。
【0466】
図74は、本発明の実施の形態の演出制御コマンド出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0467】
遊技制御装置600は、まず、コマンド(MODE)出力中のストローブOFF時間を準備する(A3201)。そして、コマンド(MODE)を出力するコマンドデータ出力処理を実行する(A3202)。コマンドデータ出力処理は、
図75にて後述する。
【0468】
続いて、遊技制御装置600は、コマンド(ACTION)を出力する(A3203)。そして、コマンド(ACTION)出力中のストローブOFF時間を準備する(A3204)。さらに、コマンドデータ出力処理を実行する(A3205)。
【0469】
図75は、本発明の実施の形態のコマンドデータ出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0470】
遊技制御装置600は、まず、ポート状態保持データをロードする(A3301)。そして、ストローブ信号をOFF状態に維持して演出制御コマンドを出力する(A3302〜A3304)。ストローブOFF時間が終了すると(A3304の結果が「Yes」)、ストローブON時間を設定する(A3305)。さらに、ON状態のストローブを設定する(A3306)。
【0471】
遊技制御装置600は、ストローブ信号をON状態に維持して演出制御コマンドを出力する(A3307〜A3309)。ストローブON時間が終了すると(A3309の結果が「Yes」)、OFF状態のストローブを設定し(A3310)、OFF状態のストローブを出力する(A3311)。
【0472】
以上が、遊技制御装置600から演出制御装置700にコマンドを送信する手順である。次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1108)の詳細について説明する。
図76は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0473】
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
【0474】
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A1201)。
【0475】
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口137a、第2始動入賞口137bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、
図77にて後述する。
【0476】
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(A1202)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置141内に設けられたカウントスイッチ605によって当該特別変動入賞装置141に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
【0477】
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
【0478】
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A1204の結果が「No」)、ステップA1216以降の処理を実行する。
【0479】
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A1204の結果が「Yes」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A1208)。
【0480】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、
図80にて後述する。
【0481】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0482】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
【0483】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0484】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
【0485】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
【0486】
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉141aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
【0487】
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
【0488】
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置150(特
図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1216)。続いて、一括表示装置150(特
図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A1217)。
【0489】
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置150(特
図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A1218)。続いて、一括表示装置150(特
図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(A1219)。
【0490】
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図77は、本発明の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
【0491】
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口137a(第1始動口)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(A1301)。さらに、第1始動入賞口137aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A1302)。
【0492】
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口137a又は第2始動入賞口137bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1303)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、
図78にて後述する。
【0493】
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口137bの開閉部材137c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口137bの開閉部材137cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(A1304)。普通電動役物が作動中である場合には(A1305の結果が「Yes」)、ステップA1308以降の処理を実行する。
【0494】
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A1305の結果が「No」)、第2始動入賞口137bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(A1306)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(A1307)。
【0495】
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口137bは、開閉部材137cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、ステップA1306及びステップA1307の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
【0496】
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(A1307の結果が「Yes」)、第2始動入賞口137bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0497】
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(A1307の結果が「No」)、第2始動入賞口137bによる始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(A1308)。さらに、第2始動入賞口137bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(A1309)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A1310)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0498】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A1303、A1310)の詳細について説明する。
図78は、本発明の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
【0499】
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口137aや第2始動入賞口137bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
【0500】
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A1401、A1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A1402の結果が「No」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0501】
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A1402の結果が「Yes」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A1404)。
【0502】
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、パチンコ機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A1406、A1407)。
【0503】
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A1408)。
【0504】
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(A1409、A1410)。
【0505】
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特
図1保留数)に1加算して更新する(A1411)。
【0506】
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(A1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(A1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A1414)。
【0507】
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A1415)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A1418)。
【0508】
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(A1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(A1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(A1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
【0509】
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
【0510】
そして、遊技制御装置600は、ステップA1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、
図79にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0511】
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A1410の結果が「N」)、始動口スイッチ1が入賞を検出したか否かをチェックし(A1430)、特図保留数が上限値の状態で第1始動入賞口137aに遊技球が入賞したか否かを判定する(A1431)。第1始動入賞口137aに遊技球が入賞していない場合(A1431の結果が「Y」)、すなわち、第2始動入賞口137bに遊技球が入賞してオーバーフローが発生した場合には、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(A1432)、コマンド設定処理を実行する(A1433)。
【0512】
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(A1431の結果が「N」)、又は、ステップA1433のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0513】
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(
図78)における特図保留情報判定処理(A1422)の詳細について説明する。
図79は、本発明の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0514】
特図保留情報判定処理では、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報を判定するための先読み処理などを行う。
【0515】
遊技制御装置600は、まず、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが第2始動口スイッチ602であるか否かをチェックする(A1501、A1502)。監視対象が第2始動口スイッチ602でない場合には(A1502の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口137bの開閉部材137c)の開放延長機能が作動中、すなわち、普電サポート中(高サポ状態又は中サポ状態)であるか否かを判定する(A1503)。
【0516】
遊技制御装置600は、普電サポート中でない場合には(A1503の結果が「N」)、パチンコ機1が大当り中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(A1504)。そして、パチンコ機1が大当り中でない場合には(A1504の結果が「N」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A1505)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
【0517】
一方、遊技制御装置600は、普電サポート中の場合(A1503の結果が「Y」)、又は、大当り中の場合には(A1504の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601であって、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報を判定する先読み処理を実行しないように構成される。
【0518】
なお、始動記憶の中に転落抽選に当選する始動記憶が含まれている場合には、確率状態が通常に戻るため、先読み予告を行わないようにする。また、この場合に、4回転の条件付きで以降の先読み予告(大当り判定)を行わないようにしてもよい。
【0519】
また、遊技制御装置600は、監視対象が第2始動口スイッチ602の場合には(A1502の結果が「Y」)、大当り判定処理を実行する(A1505)。すなわち、監視対象の始動口スイッチが第2始動口スイッチ602の場合には、普電サポート中又は大当り中であるか否かにかかわらず、当該始動記憶に対応した先読み処理を実行する。
【0520】
その後、遊技制御装置600は、ステップA1505の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A1506)。大当りでない場合には(A1506の結果が「Y」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(A1507)。そして、ステップA1515以降の処理を実行する。
【0521】
一方、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A1506の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601であるか否かをチェックする(A1508、A1509)。そして、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601でない場合には(A1509の結果が「N」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(A1510)。一方、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ601である場合には(A1509の結果が「Y」)、大当り図柄乱数チェックテーブル1を大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして準備する(A1511)。
【0522】
第2始動入賞口137bで入賞するためには、開閉部材137cを開放状態とする必要があり、第1始動入賞口137aよりも入賞しにくくなっている。そのため、第2始動入賞口137bにおける始動(保留)記憶による大当りが発生した場合には、第1始動入賞口137aにおける大当りの場合よりも遊技者に有利となるように構成されている。例えば、大当り図柄乱数チェックテーブル1よりも大当り図柄乱数チェックテーブル2による判定のほうが特別遊技状態終了後に特図変動表示ゲームの当選確率が高確率になるなど遊技者により有利になる確変状態に突入する可能性が高くなる。
【0523】
そして、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得し(A1512)、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する(A1513)。さらに、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(A1514)。
【0524】
次に、遊技制御装置600は、A1512の処理で取得された入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルから図柄情報を取得し(A1515)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A1516)。
【0525】
続いて、遊技制御装置600は、大当り情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(A1517)、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(A1518)。
【0526】
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(A1519A)、さらに、始動入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(A1519B)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A1520)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(A1521)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A1522)。
【0527】
後半変動パターン設定処理(A1521)及び変動パターン設定処理(A1522)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
【0528】
そして、遊技制御装置600は、前半変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンド(変動コマンド)(MODE)を算出し、準備する(A1523A)。さらに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(変動コマンド)(ACTION)として準備する(A1523B)。そして、コマンド設定処理を実行し(A1524)、これらのコマンドを演出制御装置700に送信する。
【0529】
続いて、遊技制御装置600は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(A1525)、コマンド設定処理を実行する(A1526)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
【0530】
すなわち、ステップA1523A及びA1523Bの処理で始動口入賞演出コマンド(変動コマンド)を準備し、さらに、A1525の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置135に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
【0531】
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(A1209)の詳細について説明する。
図80は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0532】
遊技制御装置600は、まず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(A1601、A1602)。
【0533】
遊技制御装置600は、特
図2保留数が0の場合には(A1602の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特
図1保留数)が0であるか否かをチェックする(A1603、A1604)。このように、特
図2保留数のチェック(A1601)を、特
図1保留数のチェック(A1603)よりも先に行うことによって、特
図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特
図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
【0534】
さらに、遊技制御装置600は、特
図1保留数が0の場合には(A1604の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(A1605、A1606)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A1606の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(A1607)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(A1608)、コマンド設定処理を実行する(A1609)。
【0535】
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(A1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A1610以降の処理を実行する。
【0536】
次に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理を実行する(A1610)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
【0537】
一方、遊技制御装置600は、特
図2保留数が0でない場合(A1602の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口137bに遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特
図2変動開始処理を実行する(A1611)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特
図2)を実行する(A1612)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特
図2表示器152における特
図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特
図2表示器152の変動中に係るフラグ、特
図2表示器152の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
【0538】
また、遊技制御装置600は、特
図1保留数が0でない場合(A1604の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口137aに遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特
図1変動開始処理を実行する(A1613)。なお、A1613における特
図1変動開始処理の詳細については、
図81にて後述する。
【0539】
そして、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特
図1)を実行する(A1614)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特
図1表示器151における特
図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特
図1表示器151の変動中に係るフラグ、特
図1表示器151の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
【0540】
次に、前述した特図普段処理における特
図1変動開始処理(A1613)の詳細について説明する。
図81は、本発明の実施の形態の特
図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特
図1変動開始処理は、特
図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0541】
遊技制御装置600は、まず、特
図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A1901)。
【0542】
次に、遊技制御装置600は、小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(A1902)。小当りフラグ1設定処理の詳細については、
図83にて後述する。
【0543】
次に、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄(特
図1停止図柄)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理を実行する(A1903)。
【0544】
その後、遊技制御装置600は、第1特図停止図柄番号(特
図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(A1904)。続いて、特
図1停止図柄設定処理によって設定された図柄情報をロードした後(A1905)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(A1906)。
【0545】
次に、遊技制御装置600は、特
図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(A1907)、特
図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(A1908)。
【0546】
続いて、遊技制御装置600は、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備し(A1909)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A1910)。続いて、特
図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(A1911)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A1912)。
【0547】
その後、遊技制御装置600は、特
図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A1913)、特
図1変動開始処理を終了する。
【0548】
なお、特
図2変動表示ゲームを実行するための特
図2変動開始処理(S1611)についても同様の手順で実行される。
図82は、本発明の実施の形態の特
図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。大当りフラグ1及び小当りフラグ1が大当りフラグ2及び小当りフラグ2に変更され、ステップA1903の処理で特
図2停止図柄設定処理(A2003)が実行される。また、ステップA1904の処理で特
図1停止図柄番号が特
図2停止図柄番号に(A2004)、ステップA1907及びA1908(A2007及びA2008)の処理で特
図1変動フラグが特
図2変動フラグとなる。
【0549】
次に、前述した特
図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理(A1902)の詳細について説明する。
図83は、本発明の実施の形態の小当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0550】
遊技制御装置600は、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブする(A2101)。そして、大当りフラグ1が大当りか否かをチェックし(A2102)、特
図1変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定する(A2103)。特
図1変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(A2103の結果が「Y」)、特
図1用の大当り乱数セーブ領域を0クリアし(A2109)、本処理を終了する。
【0551】
遊技制御装置600は、特
図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(A2103の結果が「N」)、特
図1用の大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備する(A2104)。そして、特
図1判定データを準備する(A2105)。特
図1判定データは、小当りか否かを判定するためのデータである。
【0552】
そして、遊技制御装置600は、特
図1判定データに基づいて小当り判定処理を実行し(A2106)、判定結果が小当りであるか否かを判定する(A2107)。特
図1変動表示ゲームの結果が小当りでない場合には(A2107の結果が「N」)、ステップA2109の処理を実行し、本処理を終了する。
【0553】
一方、遊技制御装置600は、特
図1変動表示ゲームの結果が小当りの場合には(A2107の結果が「Y」)、小当りフラグ1領域に小当り情報をセーブし(A2108)、特
図1用の大当り乱数セーブ領域を0クリアしてから(A2109)、本処理を終了する。
【0554】
また、特
図2変動表示ゲームの場合における小当りフラグ2設定処理(A2002)についても同様の手順である。
図84は、本発明の実施の形態の小当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。特
図1用の領域、フラグの代わりに特
図2用の領域、フラグを使用すればよい。
【0555】
次に、前述した特図ゲーム処理(
図76)における図柄変動制御処理(A1217、A1219)の詳細について説明する。
図85は、本発明の実施の形態の図柄変動制御処理の手順を示すフローチャートである。図柄変動制御処理は、特
図1表示器151又は特
図2表示器152における図柄の変動を制御するための処理である。
【0556】
遊技制御装置600は、まず、特
図1又は特
図2のいずれかの制御対象の図柄の変動制御フラグをチェックし(A2301)、変動中か否かを判定する(A2302)。ステップA1217の処理で図柄変動制御処理が実行される場合には特
図1が対象となり、ステップA1219の処理で図柄変動制御処理が実行される場合には特
図2が対象となる。なお、制御対象の図柄の変動制御テーブルは本処理が実行される前にあらかじめ準備されており、変動制御フラグは準備された変動制御テーブルに含まれている。
【0557】
遊技制御装置600は、対象の図柄が変動中の場合には(A2302の結果が「Y」)、対象の図柄に対応する変動用の図柄表示テーブルを取得する(A2303)。変動用の図柄表示テーブルのアドレスは変動制御テーブルに含まれており、当該アドレスに基づいて取得する。さらに、対象の図柄に対応する変動タイマを−1更新し、タイムアップしたか否かをチェックする(A2304、A2305)。
【0558】
遊技制御装置600は、対象の変動タイマがタイムアップした場合には(A2305の結果が「Y」)、図柄変動制御タイマ初期値(例えば、200ms)を対象の変動タイマ領域にセーブする(A2306)。さらに、対象の変動図柄番号を更新する(A2307)。なお、変動図柄番号を格納する変動図柄番号領域のアドレスは、変動用の図柄表示テーブルに含まれている。
【0559】
遊技制御装置600は、A2307の処理が終了した場合、又は、対象の変動タイマがタイムアップしていない場合には(A2305の結果が「N」)、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(A2308)。
【0560】
一方、遊技制御装置600は、対象の図柄が変動中でない場合には(A2302の結果が「N」)、対象の図柄に対応する停止用の図柄表示テーブルを取得する(A2309)。停止用の図柄表示テーブルのアドレスは変動制御テーブルに含まれており、当該アドレスに基づいて取得する。さらに、ステップA2308の処理と同様に、表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードする(A2310)。
【0561】
さらに、遊技制御装置600は、A2308又はA2310の処理で表示図柄ポインタに対応する表示データを図柄表示テーブルから取得する(A2311)。なお、表示データは、変動用の図柄表示テーブルに変動図柄番号の数分だけ格納されており、また、停止用の図柄表示テーブルに停止図柄番号の数分だけ格納されている。
【0562】
さらに、遊技制御装置600は、ステップA2311の処理で取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブし(A2312)、特図表示器に当該表示データを出力する。なお、セグメント領域のアドレスは、図柄表示テーブルに格納されている。
【0563】
以上が、遊技制御装置600において実行される処理である。続いて、演出制御装置700による処理について説明する。
【0564】
まず、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。
図86は、本発明の実施の形態の演出制御装置700によって実行される1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の演出制御装置700には、複数のCPUが備えられており、1stメイン処理は、主制御用マイコン(1stCPU)によって実行される。1stメイン処理は、パチンコ機1に電源が投入されると実行される。
【0565】
演出制御装置700は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(B1002)、CPU初期化処理を実行する(B1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(B1004)、乱数初期化処理を実行する(B1005)。
【0566】
続いて、演出制御装置700は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(B1006)。その後、本処理を実行する遊技機に接続されている遊技機の台数に基づいて各遊技機のヴァージョンを設定するヴァージョン設定処理を実行する(B1007)。ヴァージョン設定処理の詳細については、
図87にて後述する。
【0567】
その後、演出制御装置700は、割込みを許可する(B1008)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。コマンド受信割込み処理の詳細については、
図89にて後述する。
【0568】
演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B1009)。WDTは、上述したCPU初期化処理(B1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
【0569】
次に、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン117の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(B1010)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(B1011)。
【0570】
次に、演出制御装置700は、テストモード処理を実行する(B1012)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
【0571】
続いて、演出制御装置700は、遊技制御コマンド解析処理(B1011)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置135に表示させるシーン(表示内容)を制御するシーン制御処理を実行する(B1013)。シーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。
【0572】
さらに、演出制御装置700は、パチンコ機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(B1014)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
【0573】
そして、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(B1015)。
【0574】
また、演出制御装置700は、スピーカ110から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B1016)。また、LED等の盤装飾装置760や枠装飾装置750を制御する装飾制御処理を実行し(B1017)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物を含む盤演出装置770や可動式照明などを制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B1018)。
【0575】
最後に、演出制御装置700は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(B1019)、ステップB1009の処理に戻る。以降、ステップB1009からステップB1019までの処理を繰り返す。
【0576】
次に、前述した1stメイン処理(
図86)におけるヴァージョン管理処理(B1007)の詳細について説明する。
図87は、本発明の実施の形態のヴァージョン管理処理の手順を示すフローチャートである。ヴァージョン管理処理は、前述のように、接続された遊技機の台数に応じて各遊技機のヴァージョンを設定する処理である。ここでは、複数台の遊技機がリング状に接続されているものとする。
【0577】
まず、演出制御装置700は、自台がマスタであるか否か、すなわち、マスタ/スレイブスイッチがマスタに設定されているか否かを判定する(B4001)。自台がマスタに設定されている場合には(B4001の結果が「Y」)、接続された遊技機に台数確認コマンドを送信する(B4002)。各遊技機は、前述のように、リング状に接続されているので、各遊技機が台数確認コマンドを受信するたびに台数に対応するカウンタに位置換算して次の出力先の遊技機に送信する。
【0578】
演出制御装置700は、所定時間内に送信した台数確認コマンドを入力部が受信したか否かを判定する(B4003、B4004)。遊技機を一巡したデータを受信した場合には(B4004の結果が「Y」)、接続された遊技機の各々に、ヴァージョンに対応する演出態様を設定するためのヴァージョン設定データを送信する(B4005)。ヴァージョンの一例については、
図88にて説明する。
【0579】
一方、演出制御装置700は、所定時間内に送信した台数確認コマンドを入力部が受信できなかった場合には(B4004の結果が「N」)、接続された遊技機の各々に、初期設定用のヴァージョン設定データを送信する(B4006)。
【0580】
また、演出制御装置700は、自台がマスタに設定されていない場合(B4001の結果が「N」)、すなわち、スレーブに設定されている場合には、所定時間内に台数確認コマンドを受信したか否かを判定する(B4007、B4008)。台数確認コマンドを受信せずに所定時間が経過した場合には(B4007の結果が「N」)、初期設定用のヴァージョン設定データを設定する(B4006)。
【0581】
一方、演出制御装置700は、台数確認コマンドを受信した場合には(B4008の結果が「Y」)、台数確認コマンドに自台を含めたコマンドに変換して送信する(B4009)。言い換えると、台数確認コマンドに設定された台数に自台の分を加算する。
【0582】
その後、演出制御装置700は、所定の時間が経過するまでマスタに設定されている遊技機から送信されたヴァージョン設定データを受信するまで待機する(B4010、B4011)。
【0583】
演出制御装置700は、ヴァージョン設定データを受信した場合には(B4011の結果が「Y」)、受信したヴァージョン設定データに基づいて、自台のヴァージョンを設定する(B4012)。一方、ヴァージョン設定データを受信せずに所定時間が経過した場合には(B4010の結果が「N」)、初期設定用のヴァージョン設定データを設定する(B4006)。
【0584】
図88は、本発明の実施の形態の接続台数に基づくヴァージョンの種類を説明する図である。
図88に示す表は、接続台数に対応して各台に設定されるヴァージョンを示している。
【0585】
本実施形態では、接続台数に応じて設定可能なヴァージョンの種類が異なる。具体的には、接続台数1台の場合には、ヴァージョンAのみ、2台の場合にはヴァージョンA及びB、3台から6台まではヴァージョンAからCが設定可能となっている。
【0586】
接続台数が7台を超えるとヴァージョンDを設定することができる。さらに、接続台数が10台を超えるとヴァージョンEを設定することが可能となる。ヴァージョンは前述のように演出態様に対応しており、遊技場に多くの台数を設置すると、同一機種で異なる演出態様の遊技機を提供できるため、多くの台数の遊技機を遊技場に導入する動機付けとなり得る。なお、台数を確認できず、初期設定用のヴァージョン設定データとする場合には、例えば、すべての遊技機にヴァージョンAを設定する。また、各遊技機はデフォルトとしてヴァージョンAが設定されており、ヴァージョン設定データを受信できなかった場合には、ヴァージョンAに設定されるようにしてもよい。
【0587】
続いて、前述した台数確認コマンドを含むコマンドを受信した場合に発生するコマンド受信割込について説明する。
図89は、本発明の実施の形態のコマンド受信割込発生時に実行される処理について説明する。
【0588】
演出制御装置700は、まず、コマンドポートの値をメモリ(RAM)に取り込む(B5001)。そして、現在、MODEコマンドの受信待機中であるか否かを判定する(B5002)。MODEコマンドの受信待機中の場合には(B5002の結果が「Y」)、データストローブ信号(SSTB)がオンに設定されているか否かを判定する(B5003)。
【0589】
演出制御装置700は、データストローブ信号がオンに設定されている場合には(B5003の結果が「Y」)、取り込まれたコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(B5004)。取り込まれたコマンドがMODEコマンドの場合には(B5004の結果が「Y」)、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(B5005)。そして、算出されたアドレスに取り込まれたコマンドをMODEコマンドとしてセーブする(B5006)。
【0590】
さらに、演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、カウントを開始する(B5007)。そして、ACTIONコマンドの受信待ち状態に移行する(B5008)。
【0591】
一方、演出制御装置700は、データストローブ信号がオンに設定されていない場合(B5003の結果が「N」)、又は、取り込まれたコマンドがMODEコマンドでない場合(B5004の結果が「N」)、タイムアウト監視タイマを停止し(B5017)、MODEコマンド待ち状態に移行する(B5018)。
【0592】
また、演出制御装置700は、MODEコマンド待ち状態でなかった場合には(B5002の結果が「N」)、タイムアウト監視タイマでタイムアウトが発生しているか否かを判定する(B5009)。タイムアウトが発生していない場合には(B5009の結果が「N」)、データストローブ信号(SSTB)がオンに設定されているか否かを判定する(B5010)。
【0593】
演出制御装置700は、データストローブ信号(SSTB)がオンに設定されている場合には(B5010の結果が「Y」)、取り込まれたコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定する(B5011)。取り込まれたコマンドがMODEコマンドである場合には(B5011の結果が「Y」)、ステップB5005以降の処理を実行する。例えば、ACTIONコマンドを取りこぼした場合などに、MODEコマンドが再送されてきた場合などが想定される。
【0594】
一方、演出制御装置700は、取り込まれたコマンドがMODEコマンドでなかった場合には(B5011の結果が「N」)、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する(B5012)。そして、算出されたアドレスに取り込まれたコマンドをACTIONコマンドとしてセーブする(B5013)。
【0595】
演出制御装置700は、MODEコマンドとACTIONコマンドを受信して、一組のコマンドを受信したので、受信済みコマンド数を+1更新する(B5014)。その後、タイムアウト監視タイマを停止し(B5017)、MODEコマンド待ち状態に移行する(B5018)。
【0596】
また、演出制御装置700は、タイムアウトが発生した場合(B5009の結果が「Y」)、又は、データストローブ信号がオンに設定されていない場合(B5010の結果が「N」)には、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出し(B5015)、コマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する(B5016)。その後、タイムアウト監視タイマを停止し(B5017)、MODEコマンド待ち状態に移行する(B5018)。
【0597】
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。
図90は、本発明の実施の形態の演出制御装置700によって実行される2ndメイン処理の手順を示すフローチャートである。前述のように、本実施形態の演出制御装置700には、複数のCPUが備えられており、2ndメイン処理は、映像制御用マイコン(2ndCPU)によって実行される。2ndメイン処理は、パチンコ機1に電源が投入されると実行される。
【0598】
演出制御装置700は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(B2001)。そして、作業領域であるRAM711を0クリアして(B2002)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定する(B2003)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(B2004)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(B2005)。
【0599】
さらに、演出制御装置700は、各種制御処理の初期化処理を実行する(B2006)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(B2011)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、変動表示装置135に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、変動表示装置135の画面描画を許可する(B2007)。
【0600】
その後、演出制御装置700は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(B2008)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(B2009)。システム周期待ちフラグは、
図93にて後述するVブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
【0601】
演出制御装置700は、システム周期待ちフラグが1になったら(B2009の結果が「Y」)、演出制御装置700が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B2010)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、演出制御装置700がリセットされる。そして、変動表示装置135で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(B2011)、B2008の処理に戻る。以降、ステップB2008からB2011までの処理を繰り返す。
【0602】
次に、前述したメイン処理(
図90)における通常ゲーム処理(B2011)の詳細について説明する。
図91は、本発明の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
【0603】
演出制御装置700は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)から受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(B2101)。
【0604】
そして、演出制御装置700は、変動表示装置135に表示される画像のうち、演出時に静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(B2102)。次に、変動表示装置135に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(B2103)。さらに、変動表示装置135に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(B2104)。
【0605】
また、始動記憶が無い場合など、変動表示ゲームが所定時間実行されない場合には、演出制御装置700は、変動表示装置135に客待ちデモ画面を表示する客待ちデモ処理を実行する(B2105)。
【0606】
続いて、演出制御装置700は、主制御用マイコン(1stCPU)で実行されるメイン処理のシーン制御処理(B2013)におけるシーンの描画を準備するシーン制御/表示処理を実行する(B2106)。ここでシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。
【0607】
ここで、演出制御装置700は、接続された他の遊技機の演出制御装置(370、700)と通信するサブ間通信処理を実行する(B2107)。サブ間通信処理では、補可能遊技機の遊技状態を確認したり、遊技情報データを設定したりする。サブ間通信処理の詳細については、
図92にて後述する。
【0608】
最後に、演出制御装置700は、ROM703の内容をRAM711に転送し、変動表示装置135に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(B2108)。そして本処理を終了して、2ndメイン処理のステップB2008の処理に戻る。
【0609】
次に、前述した通常ゲーム処理(
図91)におけるサブ間通信処理(B2107)の詳細について説明する。
図92は、本発明の実施の形態のサブ間通信処理の手順を示すフローチャートである。
【0610】
演出制御装置700は、まず、自台がマスタに設定されているか否かを判定する(B2201)。マスタに設定されていない場合(B2201の結果が「N」)、すなわち。スレーブに設定されている場合には、サブ間データ送受信処理を実行し(B2206)、通常ゲーム処理に戻る。サブ間データ送受信処理は、隣接台入力部(705、378)から受信したデータを必要に応じて加工・追加し、隣接台出力部(704、377)から送信する処理である。
【0611】
一方、演出制御装置700は、自台がマスタに設定されている場合には(B2201の結果が「Y」)、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過したか否かを判定する(B2202)。遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過した場合には(B2202の結果が「Y」)、送信したデータが一巡しなかったため、断線等の異常が発生しているおそれがあり、サブ間接続異常報知処理を実行する(B2207)。サブ間接続異常報知処理は、例えば、断線のおそれがあることなどを遊技場の店員に報知するために呼び出しランプ7を点灯させたりする。
【0612】
演出制御装置700は、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過していない場合には(B2202の結果が「N」)、一巡したデータを受信したか否かを判定する(B2203)。一巡したデータを受信していない場合には(B2203の結果が「N」)、そのまま待機し、通常ゲーム処理に戻る。
【0613】
演出制御装置700は、一巡したデータを受信した場合には(B2203の結果が「Y」)、受信した一巡データに基づいて、接続された各遊技機の台遊技情報データ(ヴァージョン設定データ)を設定する(B2204)。そして、各台遊技情報データを設定とともに遊技状態確認コマンドを隣接台出力部(704、377)から送信する(B2205)。台遊技情報データを受信した各遊技機は、受信したデータに基づいて演出態様を設定する。
【0614】
以上のように、隣接する遊技機の遊技状態を取得することが可能となるため、例えば、隣接する台で発生した大当りを報知することも可能となる。さらに、大当り中の演出の出力音を大きくし、自機の出力音を小さくすることで大当りが発生していることを目立たせるようにすることができる。また、隣接する台から音声データを受信して自機で再生することも可能である。これらの制御については後述する。
【0615】
次に、演出制御装置700によって実行されるVブランク割込み処理の詳細について説明する。
図93は、本発明の実施の形態のVブランク割込み処理の手順を示すフローチャートである。Vブランク割込み処理は、前述した2ndメイン処理(
図90)において割込みが許可された(B2005)後に、所定の周期(垂直同期信号V_SYNC,水平同期信号H_SYNC)で実行される。
【0616】
演出制御装置700は、まず、フレームカウンタを1加算して更新する(B2301)。そして、フレームカウンタが規定値(例えば、2)以上か否かをチェックする(B2302)。すなわち、規定値分の周期でVDPが変動表示装置135に描画し、演出制御装置700が通常ゲーム処理(
図91)で描画データを準備する。
【0617】
フレームカウンタが規定値以上になった場合は(B2302の結果が「Y」)、演出制御装置700は、システム周期待ちフラグが0か否かをチェックする(B2303)。システム周期待ちフラグが0である場合は(B2303の結果が「Y」)、すなわち、前述したメイン処理(
図90)においてシステム周期待ちフラグがクリアされた場合は(B2008)、次の処理に移行して、VDPは前回の画面表示の描画を完了したか否かをチェックする(B2304)。これは、後述するVDP描画中フラグの状態で判断すればよい。そしてVDPが描画を完了している場合は(B2304の結果が「Y」)、後述する今回の描画を指示する処理(B2305〜B2309)に移行する。
【0618】
一方、フレームカウンタが規定値未満である場合(B2302の結果が「N」)、システム周期待ちフラグがゼロである場合(B2303の結果が「N」)、又はVDPが描画を完了していない場合(B2304の結果が「N」)は、演出制御装置700は、本処理を終了する。すなわち、規定値分の周期で、描画が完了しなかった場合、又は、描画データの準備が終わらなかった場合に、次の周期で描画を指示するように制御する。
【0619】
続いて、VDPが描画を完了している場合には(B2304の結果が「Y」)、演出制御装置700は、今回の画面表示を準備するために表示フレームバッファを切り替える(B2305)。ここで、表示フレームバッファは、RAM711の作業領域に設けられ、変動表示装置135に表示される画像データを一時的に記憶する。
【0620】
そして、演出制御装置700は、VDPに描画開始を指示して(B2306)、VDP描画中フラグをセットする(B2307)。VDPが描画している間は、前述したB2304の結果が「N」になるので、VDPに対して二重に描画指示が出されることはない。
【0621】
さらに、演出制御装置700は、フレームカウンタを0クリアし(B2308)、その後、システム周期待ちフラグを1にセットする(B2309)。そしてVブランク割込み処理を終了する。この後、2ndメイン処理において、ステップB2009の結果が「Y」になるので、次の処理B2010及びB2011の処理を実行することが可能となる。なお、VDP描画中フラグは、描画が完了すると図示しない別の割込み処理でクリアされる。
【0622】
このように、Vブランク割込み処理は、2ndメイン処理の通常ゲーム処理(B2011)で表示設定されてフレームバッファに記憶された画像の描画をVDPに指示する。これにより、変動表示装置135に画像が表示される。
【0623】
次に、外部から音声制御コマンドを受信して音を出力する処理について
図94から
図97を参照しながら説明する。ここで説明する処理については、1stメイン処理(
図86)のサウンド制御処理(B1016)で実行される。
図94から
図97に示す外部音出力処理では、外部(隣接台)から受信した音データを自機から出力する。
【0624】
図94は、本発明の実施の形態の外部音出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0625】
演出制御装置700は、まず、外部から音データを受信したか否かを判定する(B6001)。音データを受信した場合には(B6001の結果が「Y」)、自機で出力されている現出力音よりも小さい音で受信音を出力する(B6002)。
【0626】
このように制御することによって、自機の演出の出力音の音量は維持された状態で、隣接台からの受信音が出力されることで隣接台に何らかのイベントが発生したことがわかる。また、隣接した台では、他の台からも自機の演出音が出力され、演出を盛り上げることが可能となる。
【0627】
図95は、本発明の実施の形態の外部音出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0628】
演出制御装置700は、まず、外部から一発告知音データを受信したか否かを判定する(B6101)。一発告知音データを受信した場合には(B6101の結果が「Y」)、大当り中であるか否かを判定する(B6102)。
【0629】
演出制御装置700は、大当り中の場合に一発告知音が発生すると混乱するため、大当り中の場合には(B6102の結果が「N」)、受信音を出力せずに本処理を終了する。一方、大当り中の場合には(B6102の結果が「Y」)、受信した一発告知音を出力する(B6103)。
【0630】
出力される一発告知音は、外部(隣接台)から送信されたコマンドに基づいて出力してもよいし、SSG音源を使用することによって音声データそのものを利用するようにしてもよい。
【0631】
このように制御することによって、遊技中の遊技機で大当りを報知する一発告知音が出力され、一瞬期待するが、実際には隣接する台で大当りが発生する。このとき、大当りを発生させた隣接台では、自機だけでなく周りからも告知音が出力されるため、興趣を高めることが可能となる。
【0632】
図96は、本発明の実施の形態の外部音出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0633】
演出制御装置700は、まず、外部から音データを受信したか否かを判定する(B6201)。音データを受信した場合には(B6201の結果が「Y」)、自機でエラー報知中であるか否かを判定する(B6202)。何らかのトラブルが発生した場合にはエラー報知を最優先するため、エラー報知中でない場合にのみ(B6202の結果が「N」)、受信した音データに基づく音出力を行う。
【0634】
図97は、本発明の実施の形態の外部音出力処理の手順を示すフローチャートである。
図97は
図96の場合と同様にエラー発生中に外部からの音データを受信した場合の処理であるが、
図97の手順を実行する遊技機では、外部から音データを受信する専用のチャンネルが備えられている場合である。
【0635】
演出制御装置700は、まず、外部から音データを受信したか否かを判定する(B6301)。音データを受信した場合には(B6301の結果が「Y」)、自機でエラー報知中であるか否かを判定する(B6302)。
【0636】
演出制御装置700は、エラー発生中でなければ(B6302の結果が「N」)、受信した音データに基づいて音を出力する(B6303)。一方、本手順を実行する遊技機では、自機の音出力と独立して受信音の出力が可能となっているため、常に音声の出力が可能となっている。そこで、演出制御装置700は、エラー発生中の場合には(B6302の結果が「Y」)、受信した音データのボリュームを0に設定することによって実質的に音声の出力を停止させる。
【0637】
次に、外部(隣接台)に音出力を制御するコマンドを送信する場合について説明する。
図98は、本発明の実施の形態の音外部出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0638】
演出制御装置700は、所定の変動パターンが発生したか否かを判定する(B6401)。所定の変動パターンとは、例えば、期待度の高い変動パターンである。所定の変動パターンが発生した場合には(B6401の結果が「Y」)、隣接台に対してボリュームダウンデータを送信する(B6402)。
【0639】
このように、自機で期待度の高い変動パターンが発生した場合には、隣接台のボリュームをダウンさせることによって、自機の演出を周囲から際立たせることができる。
【0640】
本発明の実施の形態の音声合成用IC781には8個の再生チャネルが備えられており、それぞれ独立して音の出力が可能となっている。
図99は、本発明の実施の形態の音声合成用IC781に備えられた再生チャネルと出力される音の種類、優先順位を説明する図である。
【0641】
図99を参照すると、チャンネル0には外部入力音、チャンネル1には変動音A、チャンネル2には変動音B、チャンネル3には演出操作音、チャンネル4には自台エラー音、チャンネル5には始動入賞音、チャンネル6には予告音、チャンネル7には大当り確定音が設定されている。
【0642】
そして、チャンネル4に設定された自台エラー音の優先順位が最高の1に設定され、チャンネル7に設定された大当り確定音が優先順位に2が設定されている。優先順位が1及び2に設定された自台エラー音と大当り確定音は、遊技者に優先して通知する必要がある。なお、エラー音については、最優先で出力する必要があるため、SSG音源から別系統で出力するようにしてもよい。
【0643】
チャンネル0に設定された外部入力音の優先順位は3に設定されている。すなわち、通常の演出で出力される音声よりも隣接台から受信した音を優先して出力する。
【0644】
音声合成用IC781は、各チャネルに設定された優先順位に基づいて音声を合成する。例えば、複数のチャネルから音声が再生される場合には優先順位の高い音声のボリュームを大きく設定する。
図100は、本発明の実施の形態の入力音出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0645】
演出制御装置700は、外部入力データを受信すると(B6501の結果が「Y」)、現在出力中の音と外部入力音データの優先順位を比較する(B6502)。そして、比較結果に基づいて、音を合成し、出力する音合成出力処理を実行する(B6503)。
【0646】
音合成出力処理では、前述のように、優先順位が高い再生チャネルから出力される音のボリュームが大きく、優先順位が低い再生チャネルから出力される音のボリュームが小さくなるように音を合成する。また、出力される音に応じて各音を調整する。
【0647】
続いて、接続された遊技機の中に高確率状態の遊技機が何台含まれているかを、接続された遊技機全体で報知する態様について説明する。まず、
図101から
図104を参照してパチンコ機1の場合について説明する。まず、パチンコ機1の場合には、遊技枠に備えられたLEDを発光させて枠全体を発光させるなどして報知する。また、接続された遊技機が隣接して設置されている場合には、付近が特定の色に発光されるため、期待度の高い状態で遊技していることが遊技前の遊技者に報知することができる。
【0648】
図101は、本発明の実施の形態の複数台の遊技機が接続されている場合において、高確率状態の遊技機の台数に応じた発光態様を定義したテーブルを設定するための表を示す図である。
図102は、本発明の実施の形態の複数台の遊技機が接続されている場合において、高確率状態の遊技機の台数を報知するための選択テーブルの一例を示す図である。
【0649】
図101に示すように、接続された遊技機の総台数及びこれらの遊技機に含まれる高確率状態の遊技機の台数に応じてテーブルが設定される。そして、接続された遊技機の総台数が多いほど正確な報知が行えるように構成されている。なお、
図101の例では、接続された遊技機の総台数は3に設定されている。
【0650】
本実施形態では、レインボー、赤、黄、緑、白の順で高確率状態の遊技機の数が多いことを報知している。
図102(A)を参照すると、遊技機の総接続台数が2台、高確率状態の遊技機の台数が0台であるため、各遊技機の発光色は白になっている。なお、常に正確な報知を行うのではないため、白よりも期待度の高い他の色についても所定の確率で発光する。
【0651】
また、必ずしも接続された遊技機すべてで同じ発光色とする必要はなく、一方の遊技機は白、他方の遊技機は緑としてもよい。なお、接続されたすべての遊技機においてレインボーで発光した場合にはすべての遊技機で高確率状態が確定しているとしてもよい。
【0652】
さらに、
図102(D)は、総接続台数3台の場合に、高確率状態の遊技機が0台の場合に設定されるテーブルを示している。このとき、(A)と比較すると、いずれも一台も高確率状態の遊技機が含まれていないが、発光色が白となる確率が(D)の場合のほうが高くなる。すなわち、接続台数が多くなる場合のほうがより正確な報知が行われるように構成されている。
【0653】
さらに、
図102(F)は、総接続台数3台の場合に、高確率状態の遊技機が2台の場合に設定されるテーブルである。この場合には高い比率で高確率状態の遊技機が含まれている場合には発光色が赤になる可能性が高くなっている。
【0654】
続いて、接続されている遊技機がすべて稼働していない場合について説明する。遊技機の接続台数が多くても実際に稼動している遊技機の台数が多いことが望ましい。稼働台数が所定値以下の場合には、総接続台数を稼働台数に置き換えて報知する。
図103は、本発明の実施の形態の状態報知処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、通常ゲーム処理(
図91)の表示システム処理において実行される。
【0655】
演出制御装置700は、非稼働台数が所定値以下か否かを判定し(B6601)、所定値以下の場合には(B6601の結果が「Y」)、通常通り、総接続台数で
図101に示した表に基づいて発光色TBLを選択する(B6602)。
【0656】
一方、演出制御装置700は、非稼動台が所定値よりも多い場合には(B6601の結果が「N」)、非稼働台数と
図101に示した表に基づいて発光色TBLを選択する(B6603)。例えば、非稼働台数を総接続台数として発光色TBLを選択してもよい。
【0657】
以上のように、接続台数が多いほど正確な報知を行うことによって、遊技機を複数台設置することで他の遊技機と差別化を図ることができる。また、遊技を行っている台数が多いほど正確な報知を行うことによって、より多くの遊技者が遊技を行うように仕向けることができる。
【0658】
また、前述のように、接続されたすべての遊技機で同色に発光する必要はなく、所定の条件が成立した場合には、自台の遊技機のみ別の色で発光させるようにしてもよい。例えば、自台の遊技機が高確率状態の場合には、特定色で発光させるようにしてもよい。
図104は、本発明の実施の形態の隣接高確率状態報知処理の手順を説明する図である。隣接高確率状態報知処理では、自台のみでなく、隣接する台の遊技状態に応じて自台の確率状態を報知する。
【0659】
演出制御装置700は、まず、自台が高確率状態か否かを判定する(B6701)。自台が高確率状態でない場合には(B6701の結果が「N」)、本処理を終了し、通常の全体の報知を継続する。
【0660】
一方、演出制御装置700は、自台が高確率状態の場合には(B6701の結果が「Y」)、さらに、隣接する台で大当り又は小当りが発生してから所定回数の変動表示ゲームが実行されたか否かを判定する(B6702)。
【0661】
演出制御装置700は、隣接する台で大当り又は小当りが発生してから所定回数の変動表示ゲームが実行されていた場合には(B6702の結果が「Y」)、すなわち、自台が高確率状態で、かつ、所定期間、隣接する台で大当り又は小当りが発生していない場合には、自台が高確率状態であることを報知する(B6703)。報知の態様については、遊技枠に備えられたLEDの発光だけでなく、変動表示装置などによって報知してもよいし、音声による報知を行ってもよい。また、音声を出力して周囲に報知してもよい。例えば、遊技中でない遊技機が高確率状態のまま放置されている場合には、他の遊技機から高確率状態の台に移動させることができる。
【0662】
続いて、
図105から
図109を参照してスロットマシン2の場合について、接続された遊技機の中に高設定の遊技機が何台含まれているかを、接続された遊技機全体で報知する態様について説明する。スロットマシン2の場合には、筐体に備えられた設定曖昧報知用LED280を発光させることによって報知する。
図105は、本発明の実施の形態の接続された複数台の遊技機によって設定の報知を行うことが可能なスロットマシン2の一例を説明する図である。
【0663】
図105に示すように、各スロットマシン2には、設定曖昧報知用LED280が2箇所ずつ備えられている。設定曖昧報知用LED280は、設定そのものを報知するのではなく、設定の高低のみを報知する。
図106は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の設定を説明する図である。本実施形態のスロットマシン2は、1から6までの6段階の設定が用意されており、数値が高いほど遊技者に有利になっている。
図106に示すように、設定1〜3が低設定、設定4〜6が高設定となっている。
【0664】
そして、前述したパチンコ機1の場合と同様に、総接続台数と高設定のスロットマシンの台数に基づいて設定用のテーブルが定義される。
図107は、本発明の実施の形態の複数台の遊技機が接続されている場合において、高確率状態のスロットマシンの台数に応じた発光態様を定義したテーブルを設定するための表を示す図である。発光色TBLは、
図102に示したパチンコ機1の場合と同様である。
【0665】
最後に、自機の確率状態(設定)を他の遊技機で確認する、又は、他の遊技機の確率状態(設定)を自機で確認する態様について説明する。
【0666】
図108は、本発明の実施の形態の自機の確率状態を他の遊技機で報知する態様を説明する図である。
【0667】
まず、(A1)に示すように、自機の遊技機の枠表示装置171に魚群が出現する演出が実行され、「高確確認チャンス」のメッセージが表示される。このとき、確率状態が報知される他の遊技機では通常の遊技又は客待ち画面が表示されている状態である(B1)。なお、確率が報知される他の遊技機は、遊技が行われていない遊技機に限定してもよいし、接続されているすべての遊技機であってもよい。また、遊技が行われていない遊技機では、枠表示装置171だけでなく、変動表示装置135で報知を行うようにしてもよい。
【0668】
次に、遊技者は、「高確確認チャンス」が枠表示装置171に表示されている状態で、画面上を指ですべらすように操作すると(A2)、他の遊技機において通常表示(B2)から確率状態を示唆する魚群が表示される(B3)。このとき、レインボーの魚群が表示されると、高確率状態となる。また、期待度に応じて魚群の色を変更するようにしてもよい。
【0669】
また、このとき、自機の枠表示装置171にも魚群が表示されるが(A3)、確率状態を示唆する態様で表示してもよいし、全く異なる演出としてもよい。
【0670】
さらに、他の遊技機の確率状態を確認する態様について説明する。
図109は、本発明の実施の形態の他の遊技機の確率状態を確認する手順を説明する図である。
【0671】
(A)に示すように、自機の枠表示装置171において、「高確確認チャンス」ボタンが表示され、遊技者が操作すると、(B)に示すように、自機から高確率状態となっている遊技機までの間隔が報知される。これにより、接続された遊技機の中で最も近い位置にある高確率状態の遊技機を把握することができる。
【0672】
このように、複数の遊技機を接続して通信することによって演出バリエーションを広げることが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。特に、複数の遊技者がグループで遊技を行う場合には、他の遊技者の確率状態を知らせたり、自分の遊技の確率状態を教えてもらったりすることができる。
【0673】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、他の遊技機の遊技環境情報に基づいて、遊技者が遊技している遊技機の演出内容を変化させることによって、バリエーションに富んだ演出を実行することができる。このとき、遊技店による演出内容の設定等の行為を必要とせずに、遊技者による自機の遊技環境情報や他機の遊技環境情報に基づいて自動的に演出の設定が可能となりながら豊富な演出を可能として遊技者に飽きさせないので、遊技機の稼働率を高め、興趣を向上させることができる。
【0674】
本発明の遊技機は、上記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機やスロットマシンに限られるものではなく、アレンジボール遊技機や雀球遊技機等の遊技球を使用する遊技機にも適用可能である。
【0675】
また、特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
【0676】
(1)遊技領域に表示装置を備え、始動条件の成立により、前記表示装置にて複数の識別情報が変動表示する変動表示ゲームを実行し、実行結果が予め定められた特別停止態様であった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能に制御する制御手段を備えるパチンコ機において、前記制御手段は、少なくとも遊技開始時に遊技識別コードを入力可能な入力部と、遊技開始時に入力された前記遊技識別コードに基づいて変動表示ゲームに関わる遊技態様を設定可能な遊技態様設定手段と、遊技開始時に前記遊技識別コードを入力してから、遊技終了時までの遊技経過情報を記憶する遊技経過情報記憶手段と、前記遊技識別コードと前記遊技経過情報記憶手段に記憶された遊技経過情報に基づいて、遊技経過情報の累積値である累積遊技経過情報にアクセスするためのパチンコ機側アクセス情報を出力可能な情報出力手段と、を備え、前記遊技識別コードは、スロットマシンから出力されたスロットマシン側アクセス情報を携帯端末によって読み取り、当該携帯端末が外部サーバにアクセスすることによって取得されるものであり、前記遊技態様設定手段は、入力された前記遊技識別コードと前記遊技経過情報記憶手段に記憶された遊技経過情報とに基づいて、前記表示装置に表示される表示アイテムを変更可能とする表示アイテム変更手段を備えることを特徴とするパチンコ機。
【0677】
(2)前記表示アイテムには、演出に影響を与えるレベルが設定されており、
前記表示アイテム変更手段は、入力された前記遊技識別コードと前記遊技経過情報記憶手段に記憶された遊技経過情報とに基づいて、前記表示アイテムをレベルアップさせることが可能であることを特徴とする(1)に記載されたパチンコ機。
【0678】
(3)前記制御手段は、前記特別遊技状態が実行されている間に、前記表示アイテムを用いたバトル演出を実行することを特徴とする(2)に記載されたパチンコ機。
【0679】
(4)前記表示アイテム変更手段は、所定条件の成立に基づきポイントを加算し、該ポイントが所定値以上になると前記表示アイテムがレベルアップし、前記スロットマシンからパチンコ機に移動するまでの時間に基づき、取得可能なポイント数が異なることを特徴とする(3)に記載されたパチンコ機。
【0680】
(5)前記表示アイテム変更手段は、パチンコ機と前記スロットマシンとの遊技割合に基づいて、前記加算されるポイントを増減することを特徴とする(4)に記載されたパチンコ機。
【0681】
(6)前記表示アイテム変更手段は、前記表示アイテムをパチンコ機の確率状態を報知可能な確変報知アイテムに変更可能な確変報知アイテム変更手段を備え、前記確変報知アイテム変更手段は、前記スロットマシンで遊技したことによって取得された遊技識別コードに基づいて前記確変報知アイテムを表示可能であることを特徴とする(5)に記載されたパチンコ機。
【0682】
(1)から(6)の発明によると、他の遊技機の遊技経過情報に基づいて演出内容を変化させることによって豊富な演出を行うことが可能となり、興趣を向上させることができる。さらに、スロットマシンの遊技者をパチンコ機に、パチンコ機の遊技者をスロットマシンに取り込むことが可能となるため、パチンコ機及びスロットマシンの稼働率を向上させることが可能となる。