(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような植物栽培においては、温度調整が大切である。この温度調整は、植物栽培装置の上又は横に設けた排吸気口を介して行なわれることがある。この場合、垂直方向に立設された植物栽培筒を用いての植物栽培では、垂直方向において温度差が発生し易く、植物の育成にばらつきが生じる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、垂直方向に立設された植物栽培筒を用いた植物栽培において、環境条件を良好にするための植物栽培装置及び植物栽培方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する植物栽培装置は、植物を配置する設置部が長手方向に複数形成された植物栽培筒を立設させた植物栽培装置であって、複数の孔が形成された中空部材を立設させ、前記中空部材に、炭酸ガスを流通させるための炭酸ガス供給部を設けるとともに、前記植物栽培筒が配置された空間には、この空間の環境条件を検出する検出部に接続された制御部を設け、前記制御部が、前記検出部からの検出信号に応じて、前記炭酸ガス供給部を介して供給する前記炭酸ガスの供給量を変更する。ここで、空間の環境条件とは、空間内の温度、温度差、二酸化炭素の濃度等、植物栽培に影響する条件をいう。これにより、検知部からの検出信号に応じて、立設された中空部材に形成された複数の孔から炭酸ガスを供給するので、植物栽培筒に対して全体的に炭酸ガスを供給し、炭酸ガスを用いて環境条件を良好にすることができる。
【0008】
上記植物栽培装置においては、前記中空部材は、前記空間を形成するフレームであることが好ましい。これにより、植物栽培装置の構成部材を用いて、空間内に炭酸ガスを供給することができる。
【0009】
上記植物栽培装置においては、前記炭酸ガス供給部は、前記フレームの上部に設けられており、複数の前記炭酸ガス供給部を接続する連結管が設けられていることが好ましい。これにより、フレームの上部において接続される連結管を介して炭酸ガスをフレームに供給するので、ガス温度が同じであれば空気より重い炭酸ガスを円滑に流通させることができる。
【0010】
上記植物栽培装置においては、前記検出部には、温度を検出する温度検出部が含まれ、前記制御部が、複数の温度検出部からの温度差に応じて、前記炭酸ガスの供給量を制御することが好ましい。これにより、温度差が大きい場合には、供給量を増加させて、炭酸ガスを用いて撹拌するので、温度差を低減させることができる。
【0011】
上記植物栽培装置においては、前記検出部には、炭酸ガスの濃度を検出する濃度検出部が含まれ、前記制御部が、前記空間の炭酸ガスの濃度に応じて、前記炭酸ガスの供給量を制御することが好ましい。これにより、炭酸ガスの濃度が低いときには、供給量を増加させるので、効率よく光合成させながら、炭酸ガスを撹拌して温度差を低減させることができる。
【0012】
上記植物栽培装置においては、前記植物に対して照射する光源を備え、前記光源が点灯している間には、前記炭酸ガスを前記孔から前記空間に供給することが好ましい。これにより、植物に光を照射しているときに二酸化炭素を供給するので、植物に効率的に光合成を行なわせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、垂直方向に立設された植物栽培筒を用いた植物栽培において、環境条件を良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1〜
図5に従って、植物栽培装置及び植物栽培方法の一実施形態を説明する。本実施形態においては、植物として、食べられる植物(例えばレタスや青梗菜等の葉物等)を栽培する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の植物栽培装置10は、略直方体形状をしており、複数の柱11が間隔をおいて立設されている。各柱11は、複数の孔が長手方向に一列で間隔をおいて形成された中空部材で構成されている。各柱11は、孔が植物栽培装置10の中心軸を向くように配置されている。
【0017】
柱11の上部には、複数の柱11を連結する複数の連結部材13が接続されている。連結部材13は、中空部材によって形成されている。連結部材13の中空部と各柱11の中空部とは連通されている。連結部材13には、炭酸ガス流入部13aが形成されている。この炭酸ガス流入部13aには、後述するオフィス60の排気が供給される。この排気には、比較的濃い濃度の二酸化炭素(CO2)が含まれている。本実施形態では、このオフィス60からの排気を、炭酸ガスと称する。従って、柱11の上端部と連結部材13との接続部は、炭酸ガス供給部として機能し、柱11の中空部に供給された炭酸ガスは、柱11の各孔から流出可能となっている。
【0018】
柱11には、設置面から所定高さの位置に、長方形状の下板部材15が取り付けられている。柱11の上面には、下板部材15と同じ形状の上板部材16が配置されている。この上板部材16は、下板部材15と空間をおいて対向して配置されている。
【0019】
図2に示すように、柱11と下板部材15と上板部材16で囲まれた空間20の中央には、複数の栽培床21が、間隔をおいて配置されている。各栽培床21は、複数(本実施形態では4つ)の植物栽培筒P1によって構成されている。各植物栽培筒P1は、鉛直方向(垂直方向)に延在するように立設されている。
【0020】
図3に示すように、各植物栽培筒P1には、複数の植物設置部Paが、所定の間隔で形成されている。本実施形態では、植物設置部Paは、植物栽培筒P1の長手方向(垂直方向)に対して、一列で形成されている。植物設置部Paは、筒形状をしており、植物栽培筒P1の長手方向(垂直方向)に対して、所定方向(例えば45度)で接続されている。そして、一端部は斜め方向(例えば45度)に開口されている。また、植物設置部Paの端部は、斜め上側に開口しており、植物の苗が植わった培地G1を保持できるように構成されている。また、植物設置部Paは、端部に苗が設置された場合に、苗の根が、植物栽培筒P1内に位置する大きさで形成されている。
【0021】
図1に示す下板部材15には、下方に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。この貫通孔は、下板部材15の下方に配置された下部タンク31に開口されている。この下部タンク31には、植物を栽培するための肥料成分等を調合した培養液(液体)が貯留される。更に、この下部タンク31には、植物栽培筒P1内を流れた培養液が、上述した貫通孔を介して流れ込む。この下部タンク31に貯留された培養液は、図示しない配管やポンプを介して、植物栽培筒P1の上方に供給される。なお、本実施形態では、植物栽培筒P1に供給された培養液は、植物栽培筒P1の内壁面を伝い落ちることによって、培地G1に植えられた植物に供給される。
【0022】
図2に示すように、栽培床21の外側には、複数の光源26が配置されている。この光源26は、光量子量(光合成光量子束密度)を調整可能な光源である。本実施形態では、光源26として、垂直方向に延在する蛍光灯型LED(発光ダイオード)を用いる。更に、この光源26の外側には、図示しない反射板が、空間20の側面を囲むように配置されている。
【0023】
更に、
図1の植物栽培装置10は、反射板で囲まれた空間20の温度を検出する複数の温度検出部41を備えている。また、植物栽培装置10は、空間20の炭酸ガスの濃度を測定する炭酸ガス濃度検出部45を備えている。温度検出部41及び炭酸ガス濃度検出部45は、空間の環境条件を検出する検出部であり、制御ユニット50に接続されている。
【0024】
制御ユニット50は、入力部55、表示部56、供給ポンプ66及びバルブ67に接続されている。
入力部55は、制御ユニット50に対して、制御開始や停止等を入力する操作パネルにより構成される。
表示部56は、入力された指示や現在の制御状態等を表示するディスプレイにより構成される。
【0025】
供給ポンプ66及びバルブ67は、植物栽培装置10とオフィス60とを連通する気体供給管65に設けられている。供給ポンプ66は、オフィス60の排気(炭酸ガス)を植物栽培装置10の空間20に圧送する。バルブ67は、オフィス60からの排気を用いた炭酸ガスの供給量を調整する。
【0026】
制御ユニット50は、CPU、RAM及びROM等のメモリ等を備えた制御手段である。制御ユニット50は、光量制御部51及び送風制御部52を備えている。
光量制御部51は、光源26の光量子量の可変制御やスイッチのオンオフ制御を行なう。光量制御部51には、植物に照射する光源26の制御を行なう日照制御データが記憶されている。この日照制御データには、パターン周期時間(1パターンの周期)、パターン周期時間における光量子量に関する日照制御パターンが記録されている。例えば、日照制御パターンには、パターン周期時間を24時間として、日中の太陽光の日射パターンと同様に光量子量を調整するパターンが設定されている。従って、光量制御部51は、後述する育成制御処理の開始指示を取得すると、システムタイマから現在時刻を取得し、記憶した日照制御データを用いて、光源26の照明機構部に対してオンオフや光量子の可変制御の指示を行なう。
【0027】
送風制御部52は、温度検出部41及び炭酸ガス濃度検出部45からの検出信号に応じて、供給ポンプ66の駆動やバルブ67の開閉を制御する。この場合、送風制御部52は、炭酸ガス濃度に応じたバルブ67の開口度に関する開口度データを記憶している。この開口度は、植物栽培装置10の空間20内の炭酸ガス濃度が低くなるに従って、送風量が多くなる開口度が設定されている。また、送風制御部52は、許容範囲温度を記憶している。この許容範囲温度は、送風の要否を判定するために用いる温度差であり、例えば摂氏2度と設定することができる。
【0028】
また、オフィス60には、温度検出部61及び空調設備62が設けられている。温度検出部61は、オフィス60の温度を検出する。空調設備62は、温度検出部61からの検出温度に基づいて、設定温度にオフィス60の温度を調整する。
【0029】
次に、
図4及び
図5を用いて、上述した植物栽培装置10の作用について説明する。本実施形態では、光源26の点灯時や、空間20内において温度差が生じた時に、オフィス60からの炭酸ガスを空間20に供給する。以下、育成制御処理と温度差調整制御処理とに分けて説明する。
【0030】
(育成制御処理)
まず、
図4を用いて、育成制御処理について説明する。この処理は、入力部55を介して、育成制御処理の開始指示が入力された場合に行なわれる。
【0031】
この場合、制御ユニット50は、パターン周期時間に基づいて、光照射の開始か否かについての判定処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御ユニット50の光量制御部51は、システムタイマから現在時刻を取得し、パターン周期時間の点灯時刻と比較する。
【0032】
光照射の開始でないと判定した場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、制御ユニット50は、判定処理(ステップS1−1)を継続する。
一方、光照射の開始と判定した場合(ステップS1−1において「YES」の場合)、制御ユニット50は、光照射処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御ユニット50の光量制御部51は、日照制御データに従って光源26の照明機構部に対して点灯の指示を行なう。照明機構部は、この指示に応じて、光源26を点灯する。
【0033】
次に、制御ユニット50は、ポンプ駆動処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、供給ポンプ66の駆動部に駆動信号を出力し、供給ポンプ66を駆動させる。
【0034】
次に、制御ユニット50は、炭酸ガス濃度の検出処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、炭酸ガス濃度検出部45から、植物栽培装置10の空間20内の炭酸ガス濃度(二酸化炭素(CO2)濃度)に関するデータを取得する。
【0035】
次に、制御ユニット50は、濃度に応じた開口度の決定処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、開口度データを用いて、炭酸ガス濃度に応じた開口度を特定する。
【0036】
次に、制御ユニット50は、バルブ制御処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、特定した開口度となるように、バルブ67の開閉を制御する。これにより、炭酸ガス濃度に応じた送風量の空気がオフィス60から植物栽培装置10の連結部材13に供給される。更に、連結部材13から各柱11の孔を介して、植物栽培装置10の空間に供給される。
【0037】
そして、制御ユニット50は、光照射の終了か否かの判定処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御ユニット50の光量制御部51は、日照制御データに応じて、光源26の照明機構部に対してオフの制御指示を出力したか否かを判定する。そして、日照時間を経過してオフの制御指示を出力する場合には、光照射の終了と判定する。
【0038】
光照射が終了していないと判定した場合(ステップS1−7において「NO」の場合)には、制御ユニット50の送風制御部52は、ステップS1−4以降の処理を繰り返す。
一方、光照射が終了したと判定した場合(ステップS1−7において「YES」の場合)、制御ユニット50は、光消灯処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御ユニット50の光量制御部51が、オフの制御指示を照明機構部に出力する。照明機構部は、この指示に応じて、光源26を消灯する。
【0039】
次に、制御ユニット50は、ポンプ停止処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、供給ポンプ66の駆動部に停止信号を出力し、供給ポンプ66を停止させる。
なお、育成制御処理を終了させる場合には、入力部55を介して、育成制御処理の終了指示が入力される。
【0040】
(温度差調整制御処理)
次に、
図5を用いて、温度差調整制御処理について説明する。
まず、制御ユニット50は、温度測定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、各温度検出部41から、植物栽培装置10の空間20内における温度に関するデータを取得する。
【0041】
次に、制御ユニット50は、温度差が許容範囲内か否かの判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、取得した各温度を比較して、最低温度と最高温度を特定し、これらを用いて最大温度差を算出する。算出した最大温度差と記憶している許容範囲温度とを比較する。
【0042】
ここで、温度差が許容範囲内と判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、制御ユニット50は、ステップS2−1以降の処理を繰り返して実行する。
一方、温度差が許容範囲を超えたと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、制御ユニット50は、炭酸ガス濃度の検出処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、炭酸ガス濃度検出部45から、植物栽培装置10の空間20内の炭酸ガス濃度(二酸化炭素(CO2)濃度)に関するデータを取得する。
【0043】
次に、制御ユニット50は、炭酸ガス供給中か否かの判定処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、供給ポンプ66の稼働中か否かを判定する。
【0044】
ここで、炭酸ガスの供給中と判定した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、制御ユニット50は、送風量の調整処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、供給ポンプ66の稼働を継続し、バルブ67を更に開いて、オフィス60からの空気(炭酸ガス)の量を増大させる。
【0045】
一方、炭酸ガスの供給中でないと判定した場合(ステップS2−4において「NO」の場合)、制御ユニット50は、ポンプ駆動処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御ユニット50の送風制御部52は、供給ポンプ66の駆動部に駆動信号を出力し、供給ポンプ66を駆動させて、オフィス60から排気した炭酸ガスを、柱11の各孔から噴出させる。
【0046】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態において、植物栽培装置10は、垂直方向に立設された植物栽培筒P1と柱11とを備えている。柱11は、複数の孔が形成された中空部材で構成されている。柱11の中空部には、炭酸ガスが供給されており、孔から炭酸ガスを流出可能となっている。制御ユニット50は、植物栽培筒P1が配置された空間20内の温度差が許容範囲内でない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、送風量の調整処理(ステップS2−5)又はポンプ駆動処理(ステップS2−6)を実行する。これにより、植物栽培筒P1に対して全体的に炭酸ガスを供給することができる。更に、炭酸ガスを用いて温度差を低減することができる。
【0047】
(2)本実施形態において、植物栽培装置10の空間20を形成する柱11を、炭酸ガスを流出させる中空部材として用いている。これにより、植物栽培装置10の構成部材を用いて、空間20内に炭酸ガスを供給することができる。
【0048】
(3)本実施形態において、柱11の上部には、これら柱11を連結する複数の連結部材13が接続されている。連結部材13は、中空部材によって形成されている。連結部材13の中空部と各柱11の中空部とは連通しており、炭酸ガスが供給される。これにより、柱11に供給される炭酸ガスは、柱11の上部において接続された連結部材を介して流通するので、ガス温度が同じであれば空気より重い炭酸ガスを円滑に流通させることができる。
【0049】
(4)本実施形態において、制御ユニット50は、光照射の開始と判定した場合(ステップS1−1において「YES」の場合)、ポンプ駆動処理を実行し(ステップS1−3)、光照射が終了したと判定した場合(ステップS1−7において「YES」の場合)、ポンプ停止処理を実行する(ステップS1−9)。これにより、植物への光照射中に二酸化炭素を供給するので、植物に効率的に光合成を行なわせることができる。
【0050】
(5)本実施形態において、制御ユニット50は、炭酸ガス濃度に応じた開口度の決定処理(ステップS1−5)、バルブ制御処理(ステップS1−6)を実行する。これにより、炭酸ガスの濃度が低いときには、供給量を増加させるので、効率よく光合成させながら、炭酸ガスを撹拌して温度差を低減させることができる。
【0051】
(6)本実施形態において、植物栽培装置10の空間20に供給する炭酸ガスは、空調設備62により温度調整されたオフィス60内の空気を用いる。これにより、オフィス60からの空気を有効利用することができるとともに、植物栽培装置10における温度調整処理を省略することができる。
【0052】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の植物栽培装置10は、4つの栽培床21を備え、各栽培床21は、4つの植物栽培筒P1で構成した。植物栽培装置10の栽培床の数や配置、各栽培床を構成する植物栽培筒P1の数や構成は、上記実施形態に限定されない。また、上記実施形態の植物栽培筒P1は、植物設置部Paが間隔をおいて一列で構成した。植物栽培筒P1は、このような構成に限られず、例えば、植物設置部Paが複数列に配置された構成であってもよい。
【0053】
・上記実施形態においては、植物栽培装置10の柱11は、複数の孔が長手方向に一列で間隔をおいて形成された中空部材で構成した。各柱11の孔の大きさや配置は、同じである場合に限定されない。
【0054】
また、植物栽培装置10を構成する一部の柱11に孔を形成するようにしてもよい。
更に、連結部材13に、空間20に向かって開口する複数の孔を形成してもよい。この場合には、上方から空間20に対して炭酸ガスを噴出することができる。
【0055】
・上記実施形態においては、柱11の上部に設けられた連結部材13に炭酸ガス流入部13aを設けた。連結部材13を、柱11の下部又は中央部に設けて、炭酸ガスを上部以外から柱11に供給してもよい。
【0056】
・上記実施形態においては、制御ユニット50は、温度差調整制御処理において、温度差が大きく、かつ炭酸ガス供給中でない場合(ステップS2−4において「NO」の場合)、ポンプ駆動処理を実行した(ステップS2−6)。この処理において、炭酸ガス供給中でない場合には、オフィス60からの排気ではなく、植物栽培装置10が配置された場所の空気をポンプにより取り込んで、柱11に供給するようにしてもよい。また、温度差は、空間20における最低温度と最高温度の最大温度差に限定されない。例えば、最低温度及び最高温度と、設定温度との絶対値が許容範囲内か否かを判定してもよい。
【0057】
・上記実施形態においては、制御ユニット50は、植物栽培装置10の空間20における炭酸ガス濃度に応じた流量となるように、バルブ67を制御して、炭酸ガスを空間20に供給した。制御ユニット50は、空間20に供給する流量は、オフィス60内の二酸化炭素濃度や室温に応じて変更してもよい。この場合には、制御ユニット50は、オフィス60内の二酸化炭素濃度を検出するCO2濃度検出部やオフィス60内の温度を検出する温度検出部に接続される。制御ユニット50は、オフィス60内の二酸化炭素濃度や温度に応じた開口度データを記憶する。そして、制御ユニット50は、開口度データを用いて、CO2濃度検出部や温度検出部からの検出信号に応じた開口度を決定し、バルブ制御処理を実行する。これにより、オフィス60内の二酸化濃度が低い場合であっても、植物栽培装置10の空間20に二酸化炭素を供給することができる。
【0058】
・上記実施形態においては、植物栽培装置10の空間20には、炭酸ガスとして、オフィス60の排気を供給した。これに限らず、植物栽培装置10の空間20には、炭酸ガス発生装置によって発生した炭酸ガスを供給してもよい。
【0059】
・上記実施形態においては、制御ユニット50は、育成制御処理と温度差調整制御処理と行なったが、何れか一方を行なってもよい。また、育成制御処理において、制御ユニット50は、炭酸ガス濃度の検出処理(ステップS1−4)及び濃度に応じた開口度の決定処理(ステップS1−5)を実行した。これに代えて、制御ユニット50は、温度の検出処理及び温度差に応じた開口度の決定処理を実行してもよい。この場合には、温度に応じた開口度データを用いる。また、制御ユニット50は、温度及び二酸化炭素濃度に応じた開口度データを用いて、濃度と温度に応じた開口度の決定処理を実行してもよい。
【0060】
・上記実施形態において、植物栽培装置10は、レタスや青梗菜等の葉物を育成するとして説明した。育成する植物は、これに限定されず、例えば、苺等の植物であってもよい。