特許第6586811号(P6586811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586811
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】カメラ接続型録音装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20191001BHJP
   G10L 19/00 20130101ALI20191001BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20191001BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   H04N5/232 300
   G10L19/00 312F
   G10L19/00 312B
   H04N5/91
   G11B20/10 D
   G11B20/10 311
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-151856(P2015-151856)
(22)【出願日】2015年7月31日
(65)【公開番号】特開2017-34440(P2017-34440A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003676
【氏名又は名称】ティアック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本郷 良太郎
【審査官】 大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−521857(JP,A)
【文献】 特表2014−515202(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0120270(US,A1)
【文献】 Cypeurope,AU-11CA-4K Embed Audio onto HDMI (4K Resolution support) Operation Manual,AU-11CA-4K Embed Audio onto HDMI (4K Resolution support) Operation Manual,米国,www.cypeurope.com,2013年 6月11日,RDV1,1-8,URL,http://www.cypeurope.com/_file/store100/p2169/2016022610053900.20130815.134431487.AU-11CA-4K_PDF-Manual.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G10L 13/00 −13/10
G10L 19/00 −99/00
G11B 20/10 −20/16
H04N 5/76 − 5/775
H04N 5/80 − 5/907
H04N 5/91 − 5/956
H04N 7/10
H04N 7/14 − 7/173
H04N 7/20 − 7/56
H04N 21/00 −21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HDMI接続されたカメラから伝送されたHDMI信号を受信するHDMIレシーバと、
前記HDMI信号のオーディオチャンネル部に、接続されたマイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする制御部であり、前記HDMI信号に含まれる録音開始/録音停止に同期して前記オーディオ信号をエンベデッドする制御部と、
前記HDMI信号に含まれる映像信号と、前記制御部によりエンベデッドされたオーディオ信号を外部機器に出力するHDMIトランスミッタと、
を備えることを特徴とするカメラ接続型録音装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラ接続型録音装置において、
前記制御部は、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルに既にオーディオ信号が存在する場合に、それ以外のチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする
ことを特徴とするカメラ接続型録音装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカメラ接続型録音装置において、
前記制御部は、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルに既にオーディオ信号が存在する場合に、そのチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする
ことを特徴とするカメラ接続型録音装置。
【請求項4】
請求項1に記載のカメラ接続型録音装置において、
前記制御部は、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルにオーディオ信号が存在しない場合に、所定のチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドし、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルに既にオーディオ信号が存在する場合に、それ以外のチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする
ことを特徴とするカメラ接続型録音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ接続型録音装置に関し、特にオーディオ信号の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル一眼レフカメラあるいはミラーレス一眼カメラ等では静止画のみならず動画を録画できることが一般的となっている。但し、動画録画時の音声の録音品質に関しては、未だ十分なレベルとなっていない。
【0003】
そこで、デジタル一眼レフカメラあるいはミラーレス一眼カメラのユーザの中には、カメラで動画を録画するとともに、音声については専用の録音装置を用いて録音し、その後にパソコン等を用いて動画データと音声データをミキシングして、高画質かつ高音質な動画を作成するユーザが存在している。
【0004】
特許文献1には、映像ファイルと音声ファイルを別々にメモリに記憶し、確認動作やアフレコ動作等の処理を行った後、保存動作時に映像ファイルと音声ファイルを多重化して記録する携帯通信装置について記載されている。
【0005】
特許文献2には、映像信号と第1オーディオ信号が多重化されたAV多重化ファイルに対し、同期情報に基づいて第1オーディオ信号を第2オーディオ信号に置き換えることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、ビデオカメラ映像信号に含まれるエンベデッドオーディオ信号を分離し、分離したデジタル信号をアナログ信号に変換して出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−078863号公報
【特許文献2】特開2003−199045号公報
【特許文献3】国際公開第WO2013/108405号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カメラで動画を撮影し、録音装置で音声を録音した場合、カメラとバックアップ録画機とを接続して映像信号をバックアップ録画機に供給し、かつ録音装置とバックアップ録画機とを接続してオーディオ信号をバックアップ録画機に供給することが考えられる。但し、バックアップ録画機は、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)入力端子を備えていても、音声入力端子としてはアナログ音声入力端子しか備えていないものが多く、この場合には録音装置とバックアップ録画機との接続はアナログ接続となるため、オーディオ信号の劣化が生じ得る。
【0009】
本発明の目的は、カメラ及び他の機器とHDMI接続され、カメラからの映像信号をそのまま当該他の機器に出力するとともに、カメラと別個に録音されるオーディオ信号を劣化させることなく当該他の機器に出力することができるカメラ接続型録音装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカメラ接続型録音装置は、HDMI接続されたカメラから伝送されたHDMI信号を受信するHDMIレシーバと、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部に、接続されたマイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする制御部であり、前記HDMI信号に含まれる録音開始/録音停止に同期して前記オーディオ信号をエンベデッドする制御部と、前記HDMI信号に含まれる映像信号と、前記制御部によりエンベデッドされたオーディオ信号を外部機器に出力するHDMIトランスミッタとを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記制御部は、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルに既にオーディオ信号が存在する場合に、それ以外のチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする。
【0012】
本発明の他の実施形態では、前記制御部は、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルに既にオーディオ信号が存在する場合に、そのチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする。
【0013】
本発明のさらに他の実施形態では、前記制御部は、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルにオーディオ信号が存在しない場合に、所定のチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドし、前記HDMI信号のオーディオチャンネル部のいずれかのチャンネルに既にオーディオ信号が存在する場合に、それ以外のチャンネルに前記マイクから入力されたオーディオ信号をエンベデッドする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カメラ及び他の機器とHDMI接続され、カメラからの映像信号をそのまま当該他の機器に出力するとともに、カメラと別個に録音されるオーディオ信号を劣化させることなく当該他の機器に出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態のシステム構成図である。
図2】実施形態のカメラ接続型録音装置の構成ブロック図である。
図3】実施形態の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の録音装置10をカメラ12及びバックアップ録画機14に接続した状態のシステム構成図である。カメラ12は、デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等であり、録音装置10と有線あるいは無線のHDMIで接続される。バックアップ録画機14は、入出力インタフェース、半導体メモリやハードディスク等の記憶媒体、映像・音声出力装置を備え、録音装置10と有線あるいは無線のHDMIで接続される。
【0018】
本実施形態では、録音装置10とカメラ12、及び録音装置10とバックアップ録画機14がそれぞれHDMIケーブルで接続される場合を例示する。
【0019】
録音装置10は、PCMレコーダであり、音声信号を非可逆圧縮しないリニアPCM:WAVフォーマットで記録する。但し、MP3等の非可逆圧縮形式に対応していてもよい。
【0020】
録音装置10は、HDMI接続されたカメラ12からのHDMI信号に含まれる映像信号を受信し、映像信号についてはHDMIリピータ機器としてそのままHDMI接続されたバックアップ録画機14に出力する。他方、録音装置10は、接続されたマイク11から入力されたアナログオーディオ信号をデジタル信号に変換し、カメラからのHDMI信号のオーディオCHにエンベデッドしてHDMI接続されたバックアップ録画器14に出力する。すなわち、HDMIではオーディオチャンネル(CH)として8CH分が確保されており、この8CHのいずれか、例えばデジタルオーディオ信号が2CH分であれば、8CHのうちの所定の2CH(例えば8CHを第1CH〜第8CHとすると、第1CH及び第2CH)にデジタルオーディオ信号をエンベデッドする。
【0021】
従って、バックアップ録画機14は、HDMI接続された録音装置10から、カメラ12で撮影された映像信号と、録音装置10で録音されるオーディオ信号をともにHDMIで受信することとなり、たとえ音声入力端子としてアナログ音声入力端子しか備えていなくとも、HDMI入力端子から高品質のオーディオ信号を入力することができる。
【0022】
ここで、カメラ12は、HDMI出力端子を備えているものの音声出力しないものが多いが、場合によっては音声出力機能を備えているものもある。この場合、録音装置10に入力されるHDMI信号には、映像信号のみならずカメラ12で録音されたオーディオ信号が存在することになる。この場合、録音装置10は、カメラ12からのHDMI信号のオーディオCHにオーディオ信号が存在するか否かを検知し、存在しない場合には上記のようにオーディオ8CHのうちの所定のCHにオーディオ信号をエンベデッドし、存在する場合にはそのオーディオ信号が存在するCH以外のCHにオーディオ信号をエンベデッドするのが好適である。
【0023】
図2は、本実施形態の録音装置10の構成ブロック図である。録音装置10は、HDMI入力端子(HDMIIN)130、HDMI出力端子(HDMIOUT)132、HDMIレシーバ103、HDMIトランスミッタ140、CPU102、CPLD(コンプレックスプログラマブルロジックデバイス)134、オーディオCODEC104、及びマルチプレクサ(MUX)136を備える。
【0024】
HDMI入力端子130は、HDMIケーブルを介してカメラ12と接続される。
【0025】
HDMIレシーバ103は、HDMIケーブルを介してカメラ12から伝送されたTMDS信号、TMDSクロック信号から、LRCK信号、BCLK(又はSCLK)信号、データ信号、及びMCLK信号を出力する。HDMIレシーバ103には、I2CバスでCPU102が接続され、CPU102はHDMIレシーバ103の動作を制御する。HDMIレシーバ103は、HDMIリピータ機器としてデータ信号に含まれる映像信号をそのままHDMIトランスミッタ140に出力する。他方、HDMIレシーバ103は、データ信号に含まれるオーディオ信号をCPLD134に供給する。
【0026】
CPLD134は、HDMIレシーバ103から出力されるオーディオ信号を受け取ってマルチプレクサ(MUX)136に入力するとともにCPU102に出力する。他方、マイク11から入力されたアナログオーディオ信号はオーディオCODEC104でデジタル信号に変換されてCPLD134に供給される。以下、説明の都合上、カメラ12からのHDMI信号に含まれるオーディオ信号をカメラオーディオ信号と称し、マイク11からのオーディオ信号をマイクオーディオ信号と称して区別する。
【0027】
CPU102は、フラッシュメモリ110及びSDRAM111をそれぞれプログラムメモリ及びワーキングメモリとして、処理プログラムを読み出して所定の処理を実行する。CPU102は、例えば、図示しないSDカードコネクタに装着されたSDカードメモリにオーディオデータを記憶することで録音する。また、CPU102は、CPLD134から供給された8CH分のカメラオーディオ信号の各CHにオーディオ信号が存在するか否かを検知する。そして、カメラオーディオ信号が存在していないことを検知した場合に、CPLD134のマルチプレクサ(MUX)136に対し、8CHのうちの所定のCH、第1CHと第2CHにマイクオーディオ信号をエンベデッドするように制御信号を出力する。マルチプレクサ(MUX)136は、CPU102からの指令に従い、マイクオーディオ信号を所定のCHにエンベデッド(多重化)してHDMIトランスミッタ140に出力する。他方、CPU102は、カメラオーディオ信号が存在していることを検知した場合に、CPLD134のマルチプレクサ(MUX)136に対し、8CHのうちのカメラオーディオ信号が存在するCH以外のCH、例えば第1CHと第2CHにカメラオーディオ信号が存在する場合には第7CHと第8CHにマイクオーディオ信号をエンベデッドするように制御信号を出力する。マルチプレクサ(MUX)136は、CPU102からの指令に従い、マイクオーディオ信号をカメラオーディオ信号のCHと異なるCHにエンベデッド(多重化)してHDMIトランスミッタ140に出力する。
【0028】
HDMIトランスミッタ140は、HDMIレシーバ103からの映像信号、及びCPLD134でマイクオーディオ信号がエンベデッドされたオーディオ信号をHDMI出力端子132に供給する。
【0029】
図3は、本実施形態の処理フローチャートであり、CPU102の処理である。
【0030】
まず、CPU102は、カメラ12からのHDMI信号に含まれる制御信号から、録音開始信号を受信したか否かを判定する(S101)。
【0031】
録音開始信号を受信した場合、CPU102は、録音を開始する(S102)。すなわち、接続されているマイク11からのアナログオーディオ信号を入力し、オーディオCODEC104でデジタル信号に変換してCPLD134を介して入力し、SDRAM111に当該マイクオーディオ信号を記憶する。
【0032】
次に、CPU102は、カメラ12からのHDMI信号のオーディオCHにカメラオーディオ信号が存在するか否かを判定する(S103)。デジタルオーディオ信号の有無を検知する方法は公知であり、本実施形態では任意の検知方法を用い得る。判定の結果、カメラオーディオ信号が存在しない場合には、CPU102はオーディオCHのうち所定のCHにオーディオCODEC104から供給されたマイクオーディオ信号をエンベデッドする(S104)。他方、カメラオーディオ信号が存在する場合には、CPU102はオーディオCHのうちカメラオーディオ信号が存在していないCHにオーディオCODEC104から供給されたマイクオーディオ信号をエンベデッドする(S105)。
【0033】
具体的には、カメラ12からのHDMI信号のオーディオCHが、
第1CH:無し
第2CH:無し
第3CH:無し
第4CH:無し
第5CH:無し
第6CH:無し
第7CH:無し
第8CH:無し
の場合、CPU102及びマルチプレクサ(MUX)136により、
第1CH:マイクオーディオ信号(L)
第2CH:マイクオーディオ信号(R)
第3CH:無し
第4CH:無し
第5CH:無し
第6CH:無し
第7CH:無し
第8CH:無し
としてエンベデッドオーディオ信号が生成され、HDMIトランスミッタ140に出力する。
【0034】
また、カメラ12からのHDMI信号のオーディオCHが、
第1CH:カメラオーディオ信号(L)
第2CH:カメラオーディオ信号(R)
第3CH:無し
第4CH:無し
第5CH:無し
第6CH:無し
第7CH:無し
第8CH:無し
の場合、CPU102及びマルチプレクサ(MUX)136により、
第1CH:カメラオーディオ信号(L)
第2CH:カメラオーディオ信号(R)
第3CH:無し
第4CH:無し
第5CH:無し
第6CH:無し
第7CH:マイクオーディオ信号(L)
第8CH:マイクオーディオ信号(R)
としてエンベデッドオーディオ信号が生成され、HDMIトランスミッタ140に出力する。
【0035】
カメラオーディオ信号とは異なるCHにマイクオーディオ信号をエンベデッドすることで、バックアップ録画機14にカメラオーディオ信号に加えてマイクオーディオ信号を供給することができ、ユーザはいずれのオーディオ信号も視聴することが可能となる。ユーザによっては、カメラ12で特定の音を録音するとともに、マイク11で別の音を録音したいと欲する場合もあるが、このような場合に好適である。
【0036】
上記の例において、所定のCHを当初から第7CH及び第8CHとして設定しておけば、カメラオーディオ信号の存在の有無にかかわらずカメラオーディオ信号のCH以外のCHにマイクオーディオ信号をエンベデッドすることができるが、この場合にも所定のCHとはいえ結果としてカメラオーディオ信号が存在するCH以外のCHにエンベデッドしていることに変わりない。
【0037】
以上の処理を録音停止信号を受信するまで繰り返し実行し、録音停止信号を受信した場合に処理を完了する(S106)。図には示していないが、HDMI信号が受信できない場合にも処理を完了するのは言うまでもない。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、マイク11から入力されたオーディオ信号をカメラ12からのHDMI信号にエンベデッドしてバックアップ録画機14に供給するため、オーディオ信号の劣化を生じることなく高音質のオーディオ信号を映像信号とともに供給することができる。
【0039】
また、本実施形態の録音装置10は、HDMI接続されたカメラ12からのHDMI信号に含まれる録音開始/録音停止に同期して動作するため、カメラ12で撮影された映像信号に同期させてマイクオーディオ信号を録音し、マイクオーディオ信号をHDMI信号にエンベデッドすることができる。すなわち、本実施形態では、カメラ12で動画を撮影すると同時に、マイク11から入力されたオーディオ信号を録音してHDMI信号のオーディオCHにマイクオーディオ信号をエンベデッドして出力することができる。本実施形態の処理は、映像信号を確認しながら音声信号をアフターレコーディングする所謂アフレコとは異なる点に留意されたい。
【0040】
なお、本実施形態では、マイクオーディオ信号をカメラオーディオ信号と異なるCHにエンベデッドしているが、必要に応じ、あるいはユーザからの操作に応じ、マイクオーディオ信号をカメラオーディオ信号と同一CHにエンベデッドしてカメラオーディオ信号をマイクオーディオ信号で上書きしてもよい。これにより、カメラ12とマイク11で同一の音を録音する場合において、マイク11で録音した高音質のオーディオ信号のみをバックアップ録画機14に出力することができる。
【0041】
また、本実施形態において、複数の録音装置10をカスケード接続し、各録音装置10に接続されたマイク11から入力したマイクオーディオ信号をそれぞれ異なるオーディオCHにエンベデッドすることも可能である。
【0042】
例えば、複数の録音装置10を録音装置10a、10b、10cとし、各録音装置10a、10b、10cに接続されたマイク11からのマイクオーディオ信号をマイクオーディオ信号a、b、cとすると、
第1CH:カメラオーディオ信号(L)
第2CH:カメラオーディオ信号(R)
第3CH:マイクオーディオ信号a(L)
第4CH:マイクオーディオ信号a(R)
第5CH:マイクオーディオ信号b(L)
第6CH:マイクオーディオ信号b(R)
第7CH:マイクオーディオ信号c(L)
第8CH:マイクオーディオ信号c(R)
等である。各録音装置10a、10b、10cのCPU102が、どのオーディオCHにマイクオーディオ信号をエンベデッドするかを予め設定(互いに重複しないように)しておけばよい。
【0043】
また、本実施形態では、CPU102において、音声信号を元にカメラオーディオ信号あるいはマイクオーディオ信号が存在していないCHを判断しているが、HDMI信号のパケット信号に含まれているオーディオCH数を定義する情報を抽出し、この情報を元に各オーディオ信号が存在していないCHを判断するようにしてもよい。但し、オーディオ信号をエンベデッドした場合は、HDMIトランスミッタ140から出力されるオーディオCH数を定義する情報を更新(エンベデッドしたオーディオCH数分の情報を追加)して出力する必要がある。
【0044】
また、HDMI信号のパケット信号に含まれているVSIF(Vender Specific Information)情報(映像信号に関する付加情報)を利用して、エンベデッドするCH指定を下流情報に追加するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 録音装置(カメラ接続型録音装置)、12 カメラ、14 バックアップ録画機、102 CPU、103 HDMIレシーバ、104 オーディオCODEC、130 HDMI入力端子、132 HDMI出力端子、134 CPLD(コンプレックスプログラマブルロジックデバイス)、136 マルチプレクサ(MUX)、140 HDMIトランスミッタ。
図1
図2
図3