(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続される音出力制御システムであって、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御システムにおいて、
前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択手段を備え、
前記選択手段は、
前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対してプレイヤ選択機能及びブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択し、
前記複数のアプリケーションの中から、1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定が成功しなかった場合には、前記複数のアプリケーションの中から、未だ前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能を設定することにトライし、以降同様に前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定に成功する迄、未だ前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションの選択と当該選択したアプリケーションに対する前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定のトライとを繰り返し、前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択し、前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定のトライを繰り返すことで前記未だプレイヤ選択機能及びブラウジング機能の設定にトライしていないアプリケーションが存在しなくなった場合には、最初にトライしたアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択する、
音出力制御システム。
音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続される音出力制御システムであって、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御システムにおいて、
前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択手段を備え、
前記選択手段は、
前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対してブラウジング機能のみを設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択し、当該選択したアプリケーションに対してプレイヤ選択機能の設定を行い、
前記複数のアプリケーションの中から、1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記ブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定が成功しなかった場合には、前記複数のアプリケーションの中から、未だ前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記ブラウジング機能を設定することにトライし、以降同様に前記ブラウジング機能の設定に成功する迄、未だ前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションの選択と当該選択したアプリケーションに対する前記ブラウジング機能の設定のトライとを繰り返し、前記ブラウジング機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択し、前記ブラウジング機能の設定のトライを繰り返すことで前記未だブラウジング機能の設定にトライしていないアプリケーションが存在しなくなった場合には、最初にトライしたアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択する、
音出力制御システム。
音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続される音出力制御システムにおいて、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御方法であって、
前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択ステップを含み、
前記選択ステップにおいて、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対してプレイヤ選択機能及びブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択し、
前記複数のアプリケーションの中から、1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定が成功しなかった場合には、前記複数のアプリケーションの中から、未だ前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能を設定することにトライし、以降同様に前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定に成功する迄、未だ前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションの選択と当該選択したアプリケーションに対する前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定のトライとを繰り返し、前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択し、前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定のトライを繰り返すことで前記未だプレイヤ選択機能及びブラウジング機能の設定にトライしていないアプリケーションが存在しなくなった場合には、最初にトライしたアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択する、
音出力制御方法。
音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続されるコンピュータにおいて、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御装プログラムであって、
前記コンピュータを、前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択手段として機能させる音出力制御装プログラムであり、
前記選択手段は、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対してプレイヤ選択機能及びブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択し、
前記複数のアプリケーションの中から、1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定が成功しなかった場合には、前記複数のアプリケーションの中から、未だ前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能を設定することにトライし、以降同様に前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定に成功する迄、未だ前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションの選択と当該選択したアプリケーションに対する前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定のトライとを繰り返し、前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択し、前記プレイヤ選択機能及び前記ブラウジング機能の設定のトライを繰り返すことで前記未だプレイヤ選択機能及びブラウジング機能の設定にトライしていないアプリケーションが存在しなくなった場合には、最初にトライしたアプリケーションを転送元のアプリケーションとして選択する、
音出力制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[各実施の形態に共通する基本的概念]
以下、本発明に係る音出力制御システム、音出力制御方法、及び音出力制御プログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。まずは、各実施の形態に共通する基本的概念について説明する。
【0013】
本発明に係る音出力制御システムは、音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続される音出力制御システムである。ここで、「音データ」とは、音楽の如き任意の種類の音を再生出力するための任意の形式のデータであり、例えば、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)、AAC(Advanced Audio Coding)、又はATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)の如き符号化方式で符号化されたオーディオデータである。「アプリケーション」とは、音データに基づいて音出力を行うためのコンピュータプログラムであり、例えば、オーディオプレイヤやメディアプレイヤと称される各種のプレイヤを含む。以下、「アプリケーション」を「プレイヤ」と称する。「音源機器」とは、プレイヤがインストールされた機器であり、その構成や形態は任意であるが、例えば、スマートフォン、タブレットPC、携帯型音楽プレイヤ装置、あるいは携帯用ナビゲーション装置の如き携帯端末が該当する。「音出力制御システム」とは、音源機器にインストールされた複数のプレイヤの中から転送元として選択されたプレイヤにより転送された音データに基づいて音出力制御を行うシステムであって、例えば、有線又は無線にて相互に接続された複数の機器を備えて構成された複合ステムや、音出力制御システムとしての機能を一体的に備える単一装置を含み、具体的には、カーナビゲーション装置の如き車両に搭載される車載装置や、携帯用ナビゲーション装置の如き携帯端末を含む。なお、「車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む。
【0014】
これら音源機器と音出力制御システムとの相互の接続は、有線又は無線による任意の方法を介して行うことができ、例えば、ブルートゥースの如き近距離無線通信を介して接続することができる。また、音源機器から音出力制御システムへの音データの転送(伝送)は、任意の転送方法を介して行うことができ、例えば、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)の如きオーディオデータの転送用プロファイルを用いた転送を行うことができる。また、音出力制御システムによる音源機器やプレイヤの制御は、任意の制御方法を介して行うことができ、例えば、AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)による制御を行うことができる。このAVRCPにおいては、音出力制御システムから各種のコマンドを音源機器に送信することで、音源機器やプレイヤをリモコン制御することができる。特に、AVRCPのバージョン1.4では、音データの転送元である音源機器が有する複数のプレイヤに関するプレイヤ情報を取得可能となっているので、以下では、AVRCPのバージョン1.4によって制御を行う例について説明する。
【0015】
[実施の形態1]
次に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、音出力制御システムから音源機器に対してプレイヤ選択機能とブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のプレイヤを選択する形態である。
【0016】
(構成)
最初に、本実施の形態1に係る音出力制御システムと音源機器の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る音出力制御システム1と音源機器10の構成を例示するブロック図である。
【0017】
(構成−音出力制御システム)
まず、本実施の形態1に係る音出力制御システム1について説明する。この音出力制御システム1は、概略的に、タッチパッド2、ディスプレイ3、スピーカ4、データ記録部5、通信部6、及び制御部7を備えている。
【0018】
(構成−音出力制御システム−タッチパッド)
タッチパッド2は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド2の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0019】
(構成−音出力制御システム−ディスプレイ)
ディスプレイ3は、各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ3の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイヤ有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド2と当該ディスプレイ3をタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0020】
(構成−音出力制御システム−スピーカ)
スピーカ4は、音を出力する音出力手段である。このスピーカ4からは、音源機器10から転送された音の他、音出力制御システム1に格納された各種の音データに基づく各種の音を出力することができる。
【0021】
(構成−音出力制御システム−データ記録部)
データ記録部5は、音出力制御システム1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又は、Flash ROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0022】
(構成−音出力制御システム−通信部)
通信部6は、音源機器10との間で通信を行う通信手段であり、上述したように、有線又は無線による任意の方法を介した通信を行うことができ、例えば、ブルートゥースの如き近距離無線通信を行うことができる。
【0023】
(構成−音出力制御システム−制御部)
制御部7は、音出力制御システム1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る音出力制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して音出力制御システム1にインストールされることで、制御部7の各部を実質的に構成する。
【0024】
この制御部7は、機能概念的に、選択部7aを備えている。この選択部7aは、後述する複数のプレイヤ16
1〜16
nの中から転送元のプレイヤ16を選択する選択手段である。この選択部7aは、複数のプレイヤ16
1〜16
nの中の少なくとも1つのプレイヤ16に対して少なくともブラウジング機能を含む所定機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のプレイヤ16を選択する。ここで、「所定機能」とは、音出力制御システム1からプレイヤ16を制御するために必要な機能であり、本実施の形態においては、プレイヤ選択機能とブラウジング機能である。ここで、「プレイヤ選択機能」とは、音出力制御システム1からプレイヤ16を起動するための機能である。また、「ブラウジング機能」とは、音源機器10に格納されている音データに関する情報を閲覧する機能である。本実施の形態において、これらの機能の設定は、AVRCPによるコマンドを音出力制御システム1から音源機器10に送信することで行うものとし、具体的には、プレイヤ選択機能を設定するためのプレイヤ選択コマンド(Set Addressed Playerコマンド)と、ブラウジング機能を設定するためのブラウジングプレイヤ設定コマンド(Set Browsed Playerコマンド)とを送信することで行うものとする。この選択部7aにより行われる処理については、後述する。
【0025】
(構成−音源機器)
続いて、本実施の形態1に係る音源機器10の構成について説明する。この音源機器10は、概略的に、タッチパッド11、ディスプレイ12、スピーカ13、データ記録部14、通信部17、及び制御部18を備えている。
【0026】
(構成−音源機器−タッチパッド)
タッチパッド11は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド11の具体的な構成は任意であるが、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のものを用いることができる。
【0027】
(構成−音源機器−ディスプレイ)
ディスプレイ12は、各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ12の具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイヤ有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。なお、上記のタッチパッド11と当該ディスプレイ12をタッチパネルとして一体形成しても構わない。
【0028】
(構成−音源機器−スピーカ)
スピーカ13は、音を出力する音出力手段である。このスピーカ13からは、データ記録部14に格納された音データに基づく音を出力することができる。
【0029】
(構成−音源機器−データ記録部)
データ記録部14は、音源機器10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又は、Flash ROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0030】
また、このデータ記録部14には、少なくとも一つの音データ(本実施の形態においては複数の音データ15
1〜15
n)(以下、これら複数の音データ15
1〜15
nを相互に区別する必要がない場合には、「音データ15」と総称する)と、複数のプレイヤ16
1〜16
n(以下、これら複数のプレイヤ16
1〜16
nを相互に区別する必要がない場合には、「プレイヤ16」と総称する)とが格納されている。「音データ」15は、プレイヤにて音を再生出力するためのデータであり、例えば、CDの如き記録媒体からコピーされた音楽データや、インターネットの如き各種ネットワーク経由で取得された音楽データが該当する。「プレイヤ」16は、音データ15に基づいて音出力を行うアプリケーションであり、任意の記録媒体又はネットワークを介して音源機器10にインストールされる。
【0031】
(構成−音源機器−通信部)
通信部17は、音出力制御システム1との間で通信を行う通信手段であり、上述したように、有線又は無線による任意の方法を介した通信を行うことができ、例えば、ブルートゥースの如き近距離無線通信を行うことができる。
【0032】
(構成−音源機器−制御部)
制御部18は、音源機器10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するプレイヤプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0033】
この制御部18は、機能概念的に、デフォルトプレイヤ設定部18aと、プレイヤリスト作成部18bとを備えている。
【0034】
デフォルトプレイヤ設定部18aは、デフォルトプレイヤ16を設定するデフォルトプレイヤ設定手段である。「デフォルトプレイヤ」16とは、音源機器10にインストールされた複数のプレイヤ16
1〜16
nの中で、音源機器10において音データを再生出力する際に最優先に使用されるプレイヤ16である。「最優先に使用されるプレイヤ16」とは、例えば、音源機器10において現在選択されているプレイヤ16である。このデフォルトプレイヤ設定部18aは、デフォルトプレイヤ16を設定した際、デフォルトプレイヤ16(
図1の例では、プレイヤ16
1)のプレイヤIDをデフォルトプレイヤIDとして設定する。プレイヤIDについては後述する。
【0035】
プレイヤリスト作成部18bは、プレイヤリストを作成するプレイヤリスト作成手段である。「プレイヤリスト」とは、音源機器10にインストールされた複数のプレイヤ16
1〜16
nに関するリスト形式の情報である。例えば、プレイヤリストは、
図1に例示するように、項目「インデックス」、項目「プレイヤID」、及び項目「プレイヤ」と、各項目に対応する情報とを相互に関連付けて構成されている。項目「インデックス」に対応する情報は、プレイヤリストを構成する各レコードを一意に識別するためのレコード識別情報である(
図1において、「1」、「2」等)。項目「プレイヤID」」に対応する情報は、音源機器10にインストールされた複数のプレイヤ16
1〜16
nを一意に識別するためのプレイヤ識別情報である(
図1において、「1」、「2」等)。例えば、プレイヤIDは、音源機器10にプレイヤ16
1〜16
nがインストールされた際に制御部18によって付与される。項目「プレイヤ」」に対応する情報は、音源機器10にインストールされた複数のプレイヤ16
1〜16
nの名称である(
図1において、「プレイヤ16
1」、「プレイヤ16
2」等)。これら制御部18の各部により行われる処理については、後述する。
【0036】
(処理)
次に、このように構成される音出力制御システム1によって実行されるプレイヤ選択処理について説明する。
図2は、本実施の形態1に係るプレイヤ選択処理のフローチャートである。この処理は、音源機器10にインストールされた複数のプレイヤ16
1〜16
nの中から、いずれか1つのプレイヤ16を音出力制御システム1の制御対象として選択するための処理である。このプレイヤ選択処理の起動タイミングは任意であるが、例えば、音源機器10に音出力制御システム1をブルートゥースの如き近距離無線通信を介して公知の方法により接続した後、音出力制御システム1のディスプレイ3に表示されるメニュー画面において「プレイヤ選択」ボタンをユーザが選択することにより、自動的に起動される。
【0037】
SA1において、音出力制御システム1の選択部7aは、プレイヤリストを取得する。例えば、選択部7aは、プレイヤリストの取得要求を行うためのAVRCPのコマンドであるプレイヤリスト取得要求コマンド(Get Folder ItemsコマンドによるMedia Player List取得)を音源機器10に送信する。このプレイヤリスト取得要求コマンドを受信した音源機器10において、制御部18のプレイヤリスト作成部18bは、プレイヤリストを生成して音出力制御システム1に送信し、あるいは任意のタイミングで予め生成したプレイヤリストを音出力制御システム1に送信する。
【0038】
SA2において、選択部7aは、デフォルトプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定する。具体的には、選択部7aは、音源機器10のデフォルトプレイヤ設定部18aによって設定されているデフォルトプレイヤ16(
図1の例ではデフォルトプレイヤ16
1)を別途取得し、そのデフォルトプレイヤ16のデフォルトプレイヤIDを選択プレイヤIDとしてデータ記録部5に記録する。ここで、「選択プレイヤID」とは、音源機器10にインストールされているプレイヤ16の中で、音出力制御システム1が制御対象として選択したプレイヤ16を一意に特定するための情報であり、この選択プレイヤIDにて特定されるプレイヤ16を対象として、後述するSA3及びSA4における設定が行われる。
【0039】
SA3において、選択部7aは、選択プレイヤIDにて特定されるプレイヤ16に対して所定機能を設定することにトライする。具体的には、選択部7aは、SA2においてデータ記録部5に記録した選択プレイヤIDと所定機能を設定するためのコマンドとを含む制御信号を生成し、当該生成した制御信号を音源機器10に送信する。本実施の形態において、「所定機能」とは、上述したように、プレイヤ選択機能とブラウジング機能であるから、このSA3において、選択部7aは、選択プレイヤIDとプレイヤ選択コマンドとを含む制御信号と、選択プレイヤIDとブラウジングプレイヤ設定コマンドとを含む制御信号とを生成し、これらの制御信号を音源機器10に送信する。なお、1つの制御信号に複数のコマンドを含めることができる場合には、選択プレイヤID、プレイヤ選択コマンド、及びブラウジングプレイヤ設定コマンドを含む制御信号を生成し、この制御信号を音源機器10に送信するようにしてもよい。
【0040】
この制御信号を受信した音源機器10の制御部18は、当該制御信号に含まれる選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16に対して、当該制御信号に含まれるコマンドによる設定を行う。具体的には、プレイヤ選択コマンドによるプレイヤ選択機能の設定と、ブラウジングプレイヤ設定コマンドによるブラウジング機能の設定とを行う。
【0041】
この結果、選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16が、プレイヤ選択機能の設定が可能なプレイヤ16(すなわち、音出力制御システム1から起動可能なプレイヤ16)である場合には、当該プレイヤ16は、公知の方法によって自己にプレイヤ選択機能の設定を行い、プレイヤ選択機能の設定に成功した旨を示す信号(以下、プレイヤ選択機能設定成功信号)を音出力制御システム1に送信する。一方、選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16が、プレイヤ選択機能の設定が可能なプレイヤ16でない場合には、プレイヤ選択機能の設定に成功しなかった旨を示す信号(以下、プレイヤ選択機能設定不成功信号)を音出力制御システム1に送信し、あるいは、何らの信号も送信しない。
【0042】
また、選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16が、ブラウジング機能の設定が可能なプレイヤ16(すなわち、音源機器10に格納されている音楽データに関する情報を閲覧することが可能なプレイヤ16)である場合には、当該プレイヤ16は、公知の方法によって自己にブラウジング機能の設定を行い、ブラウジング機能の設定に成功した旨を示す信号(以下、ブラウジング機能設定成功信号)を音出力制御システム1に送信する。一方、選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16が、ブラウジング機能の設定が可能なプレイヤ16でない場合には、ブラウジング機能の設定に成功しなかった旨を示す信号(以下、ブラウジング機能設定不成功信号)を音出力制御システム1に送信し、あるいは、何らの信号も送信しない。
【0043】
SA4において、音出力制御システム1の選択部7aは、プレイヤ選択に成功したか否かを判定する。具体的には、選択部7aは、SA3において制御信号を送信した後、所定時間(例えば1秒)以内に、プレイヤ16からプレイヤ選択機能設定成功信号を受信した場合には、プレイヤ選択機能の設定に成功したものと判定し、所定時間以内に、プレイヤ16からプレイヤ選択機能設定不成功信号を受信した場合あるいは何らの信号も受信しなかった場合には、プレイヤ選択機能の設定に成功しなかったものと判定する。また、選択部7aは、SA3において制御信号を送信した後、所定時間(例えば1秒)以内に、プレイヤ16からブラウジング機能設定成功信号を受信した場合には、ブラウジング機能の設定に成功したものと判定し、所定時間以内に、プレイヤ16からブラウジング機能設定不成功信号を受信した場合あるいは何らの信号も受信しなかった場合には、ブラウジング機能の設定に成功しなかったものと判定する。本実施の形態においては、選択部7aは、プレイヤ選択機能の設定とブラウジング機能の設定の両方に成功した場合に、プレイヤ選択に成功したと判定し、プレイヤ選択機能の設定とブラウジング機能の設定のいずれか一方でも成功しなかった場合には、プレイヤ選択に成功しなかったと判定する。
【0044】
次いで、選択部7aは、プレイヤ選択に成功しなかったと判定した場合(SA4、No)、SA5において、未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在するか否かを判定する。具体的には、選択部7aは、SA1で取得したプレイヤリストに含まれているプレイヤ16
1〜16
nのプレイヤIDの中に、SA3において設定にトライしたプレイヤ16のプレイヤID以外のプレイヤIDが存在するか否かを判定し、このようなプレイヤIDが存在する場合には、未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在すると判定し、このようなプレイヤIDが存在しない場合には、未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在しないと判定する。
【0045】
そして、未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在すると判定した場合(SA5、Yes)、選択部7aは、SA6において、当該未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16のプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定する。具体的には、選択部7aは、SA1で取得したプレイヤリストに含まれている各プレイヤ16
1〜16
nのプレイヤIDであって、当該未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16のプレイヤIDを選択プレイヤIDとしてデータ記録部5に記録する。この際、SA2でデータ記録部5に記録した選択プレイヤIDを、当該未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16のプレイヤIDによって上書きする。
【0046】
その後、選択部7aは、SA3に移行し、SA6で設定した選択プレイヤIDに基づいて、未だ所定機能の設定にトライしていないものとして選択されたプレイヤ16に対して所定機能を設定することにトライする。以降同様に、所定機能の設定に成功する迄(SA4においてYesとなるまで)、未だ所定機能の設定にトライしていない1つのプレイヤ16の選択(SA5、SA6)と、当該選択したプレイヤ16に対する所定機能の設定のトライ(SA3)とを繰り返す。
【0047】
そして、SA4においてプレイヤ選択に成功したと判定した場合(SA4、Yes)、SA8において、選択部7aは、当該設定が成功したプレイヤ16を転送元のプレイヤ16として選択し、この転送元のプレイヤ16に対して、最終設定を行う。
【0048】
あるいは、SA5において未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在しないと判定した場合(SA5、No)、SA7において、選択部7aは、デフォルトプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定する。この設定は、SA2と同様に行うことができる。このようにデフォルトプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定するのは、音源機器10において現在選択されているプレイヤ16であるデフォルトプレイヤ16を転送元として制御することが、ユーザの意図に沿うと想定できるためである。また、デフォルトプレイヤIDに対応するデフォルトプレイヤ16は、最初にSA5を実行した際にプレイヤ選択機能とブラウジング機能の設定を行うことができなかったプレイヤ16であるが、これらの機能を設定できなくても、より簡易な制御(例えば、音データの転送のみを行う制御)を行うことは可能なためである。そして、SA8において、選択部7aは、この選択プレイヤIDに対応するプレイヤ16を転送元のプレイヤ16として選択し、この転送元のプレイヤ16に対して、最終設定を行う。
【0049】
ここで、「最終設定」とは、当該プレイヤ16を転送元として制御するための設定であって、SA3で既に設定にトライしたプレイヤ選択機能とブラウジング機能を除く設定である。この最終設定の具体的な内容は任意であるが、例えば、プレイヤ16に実行させたい各種のイベントを当該プレイヤ16に登録するためのイベント登録設定、プレイヤ16のステータス情報を取得するためのステータス情報取得設定、及びプレイヤ16にて再生可能な楽曲に関する情報を取得するための楽曲情報取得設定を挙げることができる。例えば、選択部7aは、その時点においてデータ記録部5に記録されている選択プレイヤIDと、最終設定に対応したコマンドとを含む制御信号を生成し、当該生成した制御信号を音源機器10に送信する。
【0050】
この制御信号を受信した音源機器10の制御部18は、当該制御信号に含まれる選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16に対して、当該制御信号に含まれるコマンドによる最終設定を公知の方法により行う。例えば、プレイヤ16に実行させたい各種のイベントを当該プレイヤ16に登録し、プレイヤ16のステータス情報を当該プレイヤ16から取得して音出力制御システム1に送信し、プレイヤ16にて再生可能な楽曲に関する情報を当該プレイヤ16から取得して音出力制御システム1に送信する。これにてプレイヤ選択処理が終了し、その後、SA7にて最終設定を行ったプレイヤ16を音出力制御システム1の制御部7が制御することで、音源機器10のデータ記録部14に記録された音データが当該プレイヤ16を介して音出力制御システム1にストーリーミング転送され、この音データに基づいてスピーカ4から音出力が行われる。また、音源機器10のデータ記録部14に記録された音データに関する情報が当該プレイヤ16を介して音出力制御システム1に転送され、この情報に基づいてディスプレイ3においてブラウジング情報が出力される。
【0051】
(実施の形態1の効果)
このように本実施の形態1によれば、転送元になるプレイヤ16を自動で選択できるので、ユーザが手動操作でプレイヤ16を選択する手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、少なくともブラウジング機能の設定の成否を把握してから選択を行うことで、プレイヤ16の選択の確実性を向上させることができる。
【0052】
また、複数のプレイヤ16に対して設定成否を順次確認することで、簡易なロジックで設定成否を確認することが可能になる。また、所定機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したプレイヤ16を、転送元のプレイヤ16として選択することで、プレイヤ16の選択を迅速に行うことが可能になる。
【0053】
なお、SA1において取得したプレイヤリストに基づいてブラウザ機能を設定することが可能なプレイヤ16を予想し、当該予想したプレイヤ16に対して所定機能を設定することも考えられる。しかし、このように予想されたプレイヤ16が本当にブラウザ機能を設定することが可能なプレイヤ16であるか否かは、実際にプレイヤ16にブラウザ機能を設定してみるまで確証が得られないため、プレイヤ16の選択の確実性という観点から問題がある。これに対して、本実施の形態1のような設定を行った場合には、プレイヤ16の選択の確実性を向上させることが可能になる。
【0054】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、音出力制御システム1から音源機器10に対してブラウジング機能のみを設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のプレイヤ16を選択し、当該選択したプレイヤ16に対してプレイヤ選択機能の設定を行う形態である。ただし、実施の形態2の構成及び方法は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成及び方法と略同一であり、実施の形態1の構成及び方法と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0055】
(構成)
最初に、本実施の形態2に係る音出力制御システム20と音源機器10の構成について説明する。この音出力制御システム20は、実施の形態1の音出力制御システム1とほぼ同様に構成されているが、
図1の括弧内に示すように、制御部7に代えて制御部21を備えて構成されており、この制御部21は、機能概念的に、選択部21aを備えている。この選択部21aは、複数のプレイヤ16
1〜16
nの中から転送元のプレイヤ16を選択する選択手段である。この選択部21aは、複数のプレイヤ16
1〜16
nの中の少なくとも1つのプレイヤ16に対して少なくともブラウジング機能を含む所定機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のプレイヤ16を選択する。
【0056】
(処理)
次に、本実施の形態2に係る音出力制御システム20によって実行されるプレイヤ選択処理について説明する。
図3は、本実施の形態2に係るプレイヤ選択処理のフローチャートである。なお、SB1、SB2、SB5、SB6、SB9は、それぞれ
図2のSA1、SA2、SA5、SA6、SA8と同様であるため、その説明は省略する。
【0057】
SB3において、選択部21aは、選択プレイヤIDにて特定されるプレイヤ16に対して所定機能を設定することにトライする。この処理は、
図2のSA3と同様に行うことができるが、ここでは、所定機能として、ブラウジング機能のみを設定することにトライする。具体的には、選択部21aは、SB2においてデータ記録部5に記録した選択プレイヤIDとブラウジングプレイヤ設定コマンドとを含む制御信号とを生成し、この制御信号を音源機器10に送信する。このようにブラウジング機能のみを設定することにトライするのは、ブラウジング機能の設定が可能なプレイヤ16は、プレイヤ選択機能の設定についても可能である可能性が高いため、ブラウジング機能の設定が可能であることが確認できたプレイヤ16に対してのみプレイヤ選択機能の設定を行うことで、無用なプレイヤ選択機能の設定を回避し、プレイヤ16の選択を効率的かつ迅速に行うためである。
【0058】
この制御信号を受信した音源機器10の制御部18は、当該制御信号に含まれる選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16に対して、当該制御信号に含まれるコマンドによる設定を行う。具体的には、ブラウジングプレイヤ設定コマンドによるブラウジング機能の設定を行う。
【0059】
この結果、選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16が、ブラウジング機能の設定が可能なプレイヤ16(すなわち、音源機器10に格納されている音楽データに関する情報を閲覧することが可能なプレイヤ16)である場合には、当該プレイヤ16は、公知の方法によって自己にブラウジング機能の設定を行い、ブラウジング機能の設定に成功した旨を示す信号(以下、ブラウジング機能設定成功信号)を音出力制御システム20に送信する。一方、選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16が、ブラウジング機能の設定が可能なプレイヤ16でない場合には、ブラウジング機能の設定に成功しなかった旨を示す信号(以下、ブラウジング機能設定不成功信号)を音出力制御システム20に送信し、あるいは、何らの信号も送信しない。
【0060】
SB4において、音出力制御システム20の選択部21aは、プレイヤ選択に成功したか否かを判定する。具体的には、選択部21aは、SB3において制御信号を送信した後、所定時間(例えば1秒)以内に、プレイヤ16からブラウジング機能設定成功信号を受信した場合には、ブラウジング機能の設定に成功したものと判定し、所定時間以内に、プレイヤ16からブラウジング機能設定不成功信号を受信した場合あるいは何らの信号も受信しなかった場合には、ブラウジング機能の設定に成功しなかったものと判定する。本実施の形態においては、選択部21aは、ブラウジング機能の設定が成功した場合には、プレイヤ選択に成功したと判定し、ブラウジング機能の設定が成功しなかった場合には、プレイヤ選択に成功しなかったと判定する。
【0061】
その後、プレイヤ選択が成功した場合(SB4、Yes)、SB8において、選択部21aは、プレイヤ選択が成功したプレイヤ16を転送元のプレイヤ16として決定し、この転送元のプレイヤ16に対して、プレイヤ選択機能(転送元機能)の設定を行う。具体的には、データ記録部5に記録した選択プレイヤIDとプレイヤ選択コマンドとを含む制御信号とを生成し、この制御信号を音源機器10に送信する。
【0062】
あるいは、SB5において未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在しないと判定した場合(SB5、No)、SB7において、選択部21aは、デフォルトプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定する。そして、SB8において、選択部21aは、この選択プレイヤIDに対応するプレイヤを転送元のプレイヤ16として決定し、この転送元のプレイヤ16に対して、プレイヤ選択機能(転送元機能)の設定を行う。具体的には、データ記録部5に記録した選択プレイヤIDとプレイヤ選択コマンドとを含む制御信号とを生成し、この制御信号を音源機器10に送信する。
【0063】
この制御信号を受信した音源機器10の制御部18は、当該制御信号に含まれる選択プレイヤIDによって特定されたプレイヤ16に対して、当該制御信号に含まれるコマンドによる設定を行う。具体的には、プレイヤ選択コマンドによるプレイヤ選択機能の設定を行う。その後、SB9を経て、プライヤ選択処理が終了する。
【0064】
(実施の形態2の効果)
このように本実施の形態2によれば、本実施の形態1と同様の効果に加えて、ブラウザ機能のみの設定の成否に基づいて転送元のプレイヤ16を選択するので、ブラウザ機能及び他の機能を含む複数の機能の設定の成否に基づいて転送元のプレイヤ16を選択する場合に比べて、プレイヤ16の選択を効率的かつ迅速に行うことが可能になる。
【0065】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0066】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る音出力制御システム1、20を用いて行うプレイヤ16の選択が、ユーザの利便性に関して従来と比較して同程度のものであったとしても、従来と異なるシステムや方法で音出力制御が行われている場合には、本願発明の課題は解決されている。
【0067】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」や「端末」とは、単一の装置や端末によって構成されたものに限定されず、複数の装置や端末によって構成されたものを含む。例えば、音出力制御システム1、20の各部を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置が互いに通信することにより、音出力制御システム1、20と同様な機能を発揮するようにしてもよい。
【0068】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0069】
(プレイヤリストの取得について)
上記した
図2のSA1や
図3のSB1においてプレイヤリストを取得しているが、ここでは、少なくとも、プレイヤ16
1〜16
nのプレイヤIDが取得できればよく、他の情報については省略してもよい。
【0070】
(所定機能の設定について)
上記した
図2のSA3において設定する所定機能は、少なくとも少なくともブラウジング機能を含むものであればよく、プレイヤ選択機能に加えて、あるいは、プレイヤ選択機能に代えて、任意の他の機能を含めてもよい。
【0071】
(設定の成否に基づく転送元のプレイヤの選択について)
上記実施の形態1、2においては、プレイヤ16に対して少なくともブラウジング機能を含む所定機能を設定することにトライし、この設定が成功した場合に、当該設定に成功したプレイヤ16を転送元のプレイヤ16として選択しているが、この設定が成功しなかったことに基づいて、転送元のプレイヤを選択してもよい。例えば、プレイヤ16が2つしか存在しておらず、2つのプレイヤ16の少なくとも一方がブラウジング機能を有していることが予め判っているような状況において、最初にいずれか一方のプレイヤ16へのブラウジング機能の設定を行い、この設定に成功しなかった場合には、他方のプレイヤ16へのブラウジング機能の設定を行う前の時点で、当該他方のプレイヤ16へのブラウジング機能の設定に成功することが予測できるので、当該他方のプレイヤ16へのブラウジング機能の設定を実際に行う前に、他方のプレイヤ16を転送元のプレイヤとして選択してもよい。
【0072】
(設定にトライしていないプレイヤが存在しない場合の転送元のプレイヤの選択について)
上記実施の形態1、2においては、未だ所定機能の設定にトライしていないプレイヤ16が存在しないと判定した場合、デフォルトプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定しているが、デフォルトプレイヤID以外の任意のプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定してもよく、例えば、音源機器10においてユーザの利用頻度が最も高いプレイヤ16を公知の方法で特定し、当該特定したプレイヤ16のプレイヤIDを選択プレイヤIDに設定してもよい。
【0073】
(ブラウジング機能以外の機能の設定について)
実施の形態2においては、
図3のSB8においてプレイヤ選択機能を設定し、SB9において最終機能を設定しているが、これらの設定を同時に行ってもよい。
【0074】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0075】
実施の形態の1つの側面1に係る音出力制御システムは、音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続される音出力制御システムであって、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御システムにおいて、前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択手段を備え、前記選択手段は、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対して少なくともブラウジング機能を含む所定機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択する。
【0076】
上記側面1に係る音出力制御システムによれば、転送元になるアプリケーションを自動で選択できるので、ユーザが手動操作でアプリケーションを選択する手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、少なくともブラウジング機能の設定の成否を把握してから選択を行うことで、アプリケーションの選択の確実性を向上させることができる。
【0077】
実施の形態の他の側面2に係る音出力制御システムは、前記選択手段は、前記複数のアプリケーションの中から、1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記所定機能を設定することにトライし、当該設定が成功しなかった場合には、前記複数のアプリケーションの中から、未だ前記所定機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションを所定方法で選択し、当該選択したアプリケーションに対して前記所定機能を設定することにトライし、以降同様に前記所定機能の設定に成功する迄、未だ前記所定機能の設定にトライしていない1つのアプリケーションの選択と当該選択したアプリケーションに対する前記所定機能の設定のトライとを繰り返し、前記所定機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したアプリケーションを選択する。
【0078】
上記側面2に係る音出力制御システムによれば、複数のアプリケーションに対して設定成否を順次確認することで、簡易なロジックで設定成否を確認することが可能になる。また、所定機能の設定が成功した場合には、当該設定が成功したアプリケーションを、転送元のアプリケーションとして選択することで、アプリケーションの選択を迅速に行うことが可能になる。
【0079】
実施の形態の他の側面3に係る音出力制御システムは、実施の形態の他の側面1又は2に係る音出力制御システムにおいて、前記選択手段は、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対してプレイヤ選択機能及びブラウジング機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択する。
【0080】
上記側面3に係る音出力制御システムによれば、プレイヤ選択機能及びブラウジング機能の設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択するので、設定の成否を確認してから転送元のアプリケーションを選択することができ、アプリケーションの選択の確実性を一層向上させることができる。
【0081】
実施の形態の他の側面4に係る音出力制御システムは、実施の形態の他の側面1又は2に係る音出力制御システムにおいて、前記選択手段は、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対してブラウジング機能のみを設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択し、当該選択したアプリケーションに対してプレイヤ選択機能の設定を行う。
【0082】
上記側面4に係る音出力制御システムによれば、ブラウザ機能のみの設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択するので、ブラウザ機能及び他の機能を含む複数の機能の設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択する場合に比べて、アプリケーションの選択を効率的かつ迅速に行うことが可能になる。
【0083】
実施の形態の他の側面5に係る音出力制御方法は、音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続される音出力制御システムにおいて、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御方法であって、前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択ステップを含み、前記選択ステップにおいて、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対して少なくともブラウジング機能を含む所定機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択する。
【0084】
上記側面5に係る音出力制御方法によれば、転送元になるアプリケーションを自動で選択できるので、ユーザが手動操作でアプリケーションを選択する手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、少なくともブラウジング機能の設定の成否を把握してから設定を行うことで、アプリケーションの選択の確実性を向上させることができる。
【0085】
実施の形態の他の側面6に係る音出力制御プログラムは、音データに基づいて音出力を行う複数のアプリケーションを備えた音源機器に接続されるコンピュータにおいて、前記複数のアプリケーションの中から転送元として選択されたアプリケーションにより転送された音データに基づいて音出力制御を行う音出力制御装プログラムであって、前記コンピュータを、前記複数のアプリケーションの中から転送元のアプリケーションを選択する選択手段として機能させる音出力制御装プログラムであり、前記選択手段は、前記複数のアプリケーションの中の少なくとも1つのアプリケーションに対して少なくともブラウジング機能を含む所定機能を設定することにトライし、当該設定の成否に基づいて転送元のアプリケーションを選択する。
【0086】
上記側面6に係る音出力制御プログラムによれば、転送元になるアプリケーションを自動で選択できるので、ユーザが手動操作でアプリケーションを選択する手間を省くことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。また、少なくともブラウジング機能の設定の成否を把握してから選択を行うことで、アプリケーションの選択の確実性を向上させることができる。