(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トナー容器は、前記トナー容器の前記装着部材からの取り外しが許容されるロック解除位置と、前記トナー容器の前記装着部材からの取り外しが規制されるロック位置と、の間で回転し、
前記装着部材は、
前記トナー容器を前記ロック解除位置に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記トナー容器を前記ロック位置に保持するロック部材と、を有し、
前記容器本体の前記回転軸方向一側壁は、係合突起を有し、
前記カバーは、前記係合突起が係合する係合穴を有し、
前記ロック位置から前記ロック解除位置に前記トナー容器が回転する時の回転方向における前記係合穴の下流端部には、前記回転方向における前記係合突起の下流端部が当接していることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、プリンター1(画像形成装置)の全体の構成について説明する。
【0019】
以下、説明の便宜上、
図1における左側をプリンター1の前側とする。なお、各図に適宜付される矢印Fr、Rr、L、R、U、Loは、それぞれプリンター1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を示している。
【0020】
図1を参照して、プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2(装置本体)を備えている。プリンター本体2の下部には、用紙S(記録媒体)を収納する給紙カセット3が収容されている。プリンター本体2の上面には排紙トレイ4が設けられている。プリンター本体2の上部には、排紙トレイ4の下側に露光器5が収容されている。プリンター本体2の上部には、露光器5の前側にトナーコンテナ6(トナー容器)が収容されている。
【0021】
プリンター本体2の内部には、用紙Sの搬送経路Pが設けられている。搬送経路Pの上流端部には、給紙部11が設けられている。搬送経路Pの中流部には、画像形成部7が設けられている。画像形成部7は、感光体ドラム8(像担持体)と現像器10(装着部材)を有する。搬送経路Pの下流部には、定着装置12が設けられている。
【0022】
次に、このような構成を備えたプリンター1の動作について説明する。
【0023】
まず、露光器5からのレーザー光(
図1の二点鎖線参照)により感光体ドラム8上に静電潜像が形成される。次に、感光体ドラム8上の静電潜像が現像器10によって現像され、トナー像が形成される。これにより、画像形成動作が完了する。
【0024】
一方、給紙部11によって給紙カセット3から取り出された用紙Sは、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて画像形成部7へと搬送され、この画像形成部7において上記のトナー像が感光体ドラム8から用紙Sに転写される。トナー像を転写された用紙Sは、搬送経路Pを下流側へと搬送されて定着装置12に進入し、この定着装置12において用紙Sにトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙Sは、搬送経路Pの下流端部から排紙トレイ4に排出される。
【0025】
次に、トナーコンテナ6について更に説明する。
【0026】
なお、
図2以降の各図に適宜付される矢印Iは、左右方向内側(トナーコンテナ6の左右方向中央部に接近する側)を示し、
図2以降の各図に適宜付される矢印Oは、左右方向外側(トナーコンテナ6の左右方向中央部から離間する側)を示している。
【0027】
図2、
図3等を参照して、トナーコンテナ6は、現像器10に装着されている。なお、
図2以降の各図に適宜付される矢印Xは、現像器10に対するトナーコンテナ6の装着方向(以下、「装着方向X」と称する)を示している。
【0028】
トナーコンテナ6は、現像器10に装着された状態で、ロック解除位置(
図2参照)とロック位置(
図3参照)との間で回転するように構成されている。以下、上側、下側等の方向に関する表現は、トナーコンテナ6がロック位置にある状態を基準として用いることとする。なお、
図2以降の各図に適宜付される矢印R1は、ロック解除位置からロック位置にトナーコンテナ6が回転するときの回転方向(以下、「第1回転方向R1」と称する)を示している。一方で、
図3以降の各図に適宜付される矢印R2は、ロック位置からロック解除位置にトナーコンテナ6が回転するときの回転方向(以下、「第2回転方向R2」と称する)を示している。第1、第2回転方向R1、R2は、左右方向と直交している。
【0029】
図4、
図5等を参照して、トナーコンテナ6は、容器本体14と、容器本体14の右下側に配置される排出シャッター15と、容器本体14内に配置される撹拌パドル16(第1回転部材)及び搬送スクリュー17(第2回転部材)と、容器本体14の右側に設けられる回転伝達機構18と、回転伝達機構18を覆うカバー20と、容器本体14の上側に設けられる蓋部材21と、を備えている。なお、カバー20と蓋部材21は、
図4では図示が省略されている。以下、トナーコンテナ6を構成する上記各部材について、順番に説明する。
【0030】
まず、トナーコンテナ6の容器本体14について説明する。
【0031】
図4等を参照して、容器本体14は、左右方向に長い箱型形状を成している。つまり、本実施形態では、左右方向が容器本体14の長手方向である。容器本体14には、ブラックのトナー(図示せず)が収容されている。容器本体14の上面には開口部22が設けられている。容器本体14には、開口部22の周囲に容器本体側フランジ23が設けられている。
【0032】
図6等を参照して、容器本体14の右側壁24(左右方向の側壁)の外面の中央部には、円筒状の第1軸支部25が突設されている。第1軸支部25は、容器本体14の内部と外部を連通させている。容器本体14の右側壁24の外面の後下隅部には、円筒状の第2軸支部26が突設されている。第2軸支部26は、容器本体14の内部と外部を連通させている。容器本体14の右側壁24の外面の前端部には係合突起27aが突設され、容器本体14の右側壁24の外面の下端部には係合突起27bが突設されている。
【0033】
図7等を参照して、容器本体14の右側壁24の内面には、上側(開口部22側)から下側(第1軸支部25側)に向かって延びる挿入溝28が設けられている。挿入溝28の下部は、上側(開口部22側)から下側(第1軸支部25側)に向かって左右方向の幅が狭くなっている。挿入溝28の上端部(開口部22側の端部)は、容器本体側フランジ23内に開口されている。
【0034】
図5等を参照して、容器本体14の左側壁30(左右方向の側壁)は、ベース部31と、ベース部31の前上部から左側(左右方向外側)に向かって突出するトナー充填口32と、ベース部31の後部から左側(左右方向外側)に向かって突出する第1軸受け部33と、第1軸受け部33の周りに設けられるガイド部34と、ベース部31に対して右側(左右方向内側)に凹む窪み部35と、窪み部35から左側(左右方向外側)に向かって突出する第2軸受け部36と、ベース部31と窪み部35を接続する接続部37と、を有する。
【0035】
容器本体14の左側壁30のベース部31は、平板状を成している。ベース部31は、左右方向と交差するように設けられている。言い換えると、ベース部31は、左右方向と交差する面(左右方向に対して平行でない面)に沿って設けられている。
【0036】
容器本体14の左側壁30のトナー充填口32は、円筒状を成している。トナー充填口32は、容器本体14の内部と外部を連通させており、トナー充填口32を介して容器本体14の内部にトナーを充填可能となっている。トナー充填口32は、円形のキャップ38によって塞がれている。
【0037】
図8等を参照して、容器本体14の左側壁30の第1軸受け部33は、ベース部31と一体に形成されている。第1軸受け部33は、左端部(左右方向外側の端部)が閉止された有底円筒状を成している。なお、容器本体14の左側壁30の内面には、上側(開口部22側)から下側(第1軸受け部33側)に向かって延びる挿入溝が設けられていない。
【0038】
図5等を参照して、容器本体14の左側壁30のガイド部34は、ベース部31及び接続部37から左側(左右方向外側)に向かって突出している。ガイド部34は、ベース部31及び接続部37と一体に形成されている。ガイド部34は、装着方向Xに長い形状を成している。ガイド部34は、トナー充填口32と窪み部35の間に設けられている。ガイド部34は、筒状を成しており、第1軸受け部33を囲むように設けられている。ガイド部34は、第1軸受け部33と一体化されている。
【0039】
図9等を参照して、容器本体14の左側壁30のガイド部34は、互いに対向する前後一対の対向板40と、前後一対の対向板40の上下両端部を接続する上下一対の接続板41と、を備えている。前後一対の対向板40の上部と下部は、上下一対の補強リブ42によって連結されている。前側の対向板40の上下方向中央部は、トナー充填口32及びキャップ38の外周面に沿って円弧状に湾曲している。前側の対向板40の上下方向中央部(湾曲部分)には、第1軸受け部33が直接連結されている。後側の対向板40は、装着方向Xに沿って延びる平板状を成している。後側の対向板40の上下方向中央部には、連結リブ43を介して第1軸受け部33が連結されている。
【0040】
容器本体14の左側壁30の窪み部35は、左側壁30の後下隅部(蓋部材21から離間する側の隅部)に設けられている。窪み部35は、第2軸受け部36を囲むように設けられている。
図10等を参照して、窪み部35は、平板状を成している。窪み部35の内面は、窪み部35がベース部31に対して右側(左右方向内側)に凹んでいる分だけ、ベース部31の内面よりも右側(左右方向内側)に突出している。
【0041】
図11等を参照して、容器本体14の左側壁30の第2軸受け部36は、窪み部35と一体に形成されている。第2軸受け部36は、左端部(左右方向外側の端部)が閉止された有底円筒状を成している。第2軸受け部36の左端部(左右方向外側の端部)は、ベース部31の外面よりも右側(左右方向内側)に配置されている。
【0042】
容器本体14の左側壁30の接続部37は、左側(左右方向外側)に向かって第2軸受け部36から離間するように傾斜している。接続部37の内面は、水平方向に対して傾斜している。
【0043】
図12等を参照して、容器本体14の底壁44には、トナー排出口45が設けられている。容器本体14の底壁44の外面には、トナー排出口45の周りを囲むようにしてシール部材46が固定されている。
【0044】
容器本体14の底壁44及び後側壁53(幅方向の側壁)の外面には、一対の支持リブ54が左右方向に間隔をおいて突設されている。容器本体14の底壁44及び後側壁53の外面には、一対の支持リブ54の間に、一対の係合リブ55が左右方向に間隔をおいて突設されている。容器本体14の後側壁53の外面には、一対の支持リブ54の間且つ一対の係合リブ55の間に、対向リブ56が突設されている。対向リブ56は、第1回転方向R1におけるトナー排出口45の上流側に設けられている。
【0045】
容器本体14の後側壁53の対向リブ56は、複数(例えば5個)の第1板部57と、複数の第1板部57の上部(トナー排出口45から離間する側の部分)を連結する第2板部58と、を有する。各第1板部57は、第1、第2回転方向R1、R2に沿って設けられている。各第1板部57の下端部(第1回転方向R1における下流側の端部)は、下側(第1回転方向R1における下流側)に向かって先細りになっている。第2板部58は、左右方向に沿って設けられている。
【0046】
図13等を参照して、容器本体14の前側壁50は、リブなどを有しておらず、平板状を成している。容器本体14の底壁44の外面には、第1、第2凹部51、52が設けられている。第1、第2凹部51、52は、第1回転方向R1におけるトナー排出口45の下流側に設けられている。第1、第2凹部51、52は、平面状を成している。第2凹部52は、第1回転方向R1における第1凹部51の下流側に、第1凹部51と連続して設けられている。第2凹部52の下端部(第1回転方向R1における上流側の端部)は、第1凹部51の前端部(第1回転方向R1における下流側の端部)に入り込んでいる。第2凹部52の左右方向の幅は、第1凹部51の左右方向の幅よりも狭い。第2凹部52は、第1凹部51に対して傾斜しており、第1凹部51と同一平面上に設けられていない。
【0047】
次に、トナーコンテナ6の排出シャッター15について説明する。
【0048】
排出シャッター15は、容器本体14の外面に沿って設けられている。排出シャッター15は、トナー排出口45を下側(容器本体14の外面側)から開閉するように構成されている。
【0049】
図12等を参照して、排出シャッター15は、シャッター本体59と、シャッター本体59の外面に取り付けられるストッパー60と、を備えている。
【0050】
排出シャッター15のシャッター本体59は、容器本体14の外面に沿って円弧状に湾曲している。シャッター本体59は、容器本体14の底壁44及び後側壁53の外面に突設された一対の支持リブ54に回転可能に支持されている。これにより、シャッター本体59にトナー排出口45を閉止させる閉止位置(
図14参照)と、シャッター本体59にトナー排出口45を開放させる開放位置(
図15参照)と、の間で容器本体14が排出シャッター15に対して回転するように構成されている。なお、前述の第1回転方向R1は、容器本体14が閉止位置から開放位置に回転する時の回転方向であり、前述の第2回転方向R2は、容器本体14が開放位置から閉止位置に回転する時の回転方向である。
図14、
図15等を参照して、シャッター本体59の内面の上部(第1回転方向R1における上流側の部分)には、内リブ61が突設されている。
【0051】
図12等を参照して、排出シャッター15のストッパー60には、左右一対の支点部62が設けられており、この左右一対の支点部62を中心にストッパー60がシャッター本体59に対して回転するように構成されている。ストッパー60には、第1回転方向R1における左右一対の支点部62の上流側に、左右一対の係合部63が設けられている。左右一対の係合部63は、トナーコンテナ6が現像器10に装着されていない状態において、容器本体14の左右一対の係合リブ55に係合し、閉止位置から開放位置への容器本体14の回転を規制している。
【0052】
次に、トナーコンテナ6の撹拌パドル16について説明する。
【0053】
図4等を参照して、撹拌パドル16は、左右方向に延びる第1回転軸Y1の周りを回転するように構成されている。つまり、本実施形態では、左右方向が撹拌パドル16の回転軸方向である。
【0054】
撹拌パドル16は、左右方向に沿って延びる撹拌軸65と、撹拌軸65に取り付けられる撹拌羽根66と、撹拌羽根66の右側部に取り付けられる被検知片67と、を有する。
【0055】
図8等を参照して、撹拌パドル16の撹拌軸65の右端部(左右方向一端部)は、容器本体14の右側壁24に設けられた第1軸支部25に回転可能に支持されている。撹拌軸65の左端部(左右方向他端部)は、容器本体14の左側壁30に設けられた第1軸受け部33に回転可能に支持されている。
【0056】
図4等を参照して、撹拌パドル16の撹拌羽根66は、左右方向に長いシート状を成している。撹拌羽根66は、例えば、PETフィルム(Polyethylene Terephthalate Film)等の樹脂フィルムによって形成されており、可撓性を有している。撹拌羽根66は、左右方向と直交する方向に延びる複数のスリット68によって、複数のシート片70に区画されている。撹拌羽根66の右から2番目のシート片70には、撹拌軸65から離間する側に向かって突出する固定片71が設けられている。
図15等を参照して、撹拌羽根66は、撹拌パドル16の回転に伴って容器本体14の内面に対して接離するように設けられている。
【0057】
図10等を参照して、撹拌パドル16の撹拌羽根66の左端部(左右方向外側の端部)は、容器本体14の左側壁30に設けられた窪み部35の内面よりも左側(左右方向外側)に配置されている。撹拌羽根66の左端部には、傾斜部72が設けられている。傾斜部72は、左側(左右方向外側)に向かって撹拌軸65から離間するように傾斜している。
【0058】
図4等を参照して、撹拌パドル16の被検知片67は、撹拌羽根66の固定片71に固定されている。
【0059】
次に、トナーコンテナ6の搬送スクリュー17について説明する。
【0060】
図4等を参照して、搬送スクリュー17は、左右方向に延びる第2回転軸Y2の周りを回転するように構成されている。つまり、本実施形態では、左右方向が搬送スクリュー17の回転軸方向である。第2回転軸Y2は、第1回転軸Y1とは異なる軸線上に、第1回転軸Y1と平行に設けられている。以下、搬送スクリュー17の各部分に関する説明で、「径方向外側」と記載する場合には第2回転軸Y2から離間する側を示し、「径方向内側」と記載する場合には第2回転軸Y2に接近する側を示す。
【0061】
図16等を参照して、搬送スクリュー17は、左右方向に沿って延びる搬送軸73と、搬送軸73の外周面から螺旋状に突出する搬送フィン74と、搬送軸73の右側部から径方向外側に向かって突出する一対の突起部75と、を有する。
【0062】
図6等を参照して、搬送スクリュー17の搬送軸73の右端部(左右方向一端部)は、容器本体14の右側壁24の第2軸支部26に向かって延びている。
図11等を参照して、搬送軸73の左端部(左右方向他端部)は、容器本体14の左側壁30の第2軸受け部36に回転可能に支持されている。
【0063】
図16、
図17A、
図17B等を参照して、搬送スクリュー17の搬送軸73の右側部には、左右方向の位置がトナー排出口45と重なるように台座部76が設けられている。台座部76は、搬送軸73の外周面から径方向内側に向かって凹んでおり、平面状を成している。搬送軸73の右側部には、左右方向の位置がトナー排出口45と重なるように突片77が設けられている。突片77は、台座部76の片側から一対の突起部75の突出方向とは直交(交差)する方向に向かって突出している。
【0064】
搬送スクリュー17の搬送フィン74は、搬送軸73の台座部76を避けるように設けられている。つまり、搬送フィン74は、台座部76には設けられていない。搬送フィン74は、一対の突起部75の左側(左右方向一側)に設けられる一方螺旋部78と、一対の突起部75の右側(左右方向他側)に設けられる他方螺旋部79と、を有する。一方螺旋部78と他方螺旋部79は、互いに接続されていない。他方螺旋部79は、一方螺旋部78とは逆向きに形成されている。
【0065】
搬送スクリュー17の一対の突起部75は、左右方向の位置がトナー排出口45と重なるように設けられており、トナー排出口45の真上に位置している。一対の突起部75は、左右方向に間隔をおいて設けられている。各突起部75は、直線状に延びる円柱状を成している。各突起部75は、搬送軸73の台座部76から径方向外側に向かって突出している。各突起部75の突出端部は、搬送軸73の外周面よりも径方向外側で、且つ、搬送フィン74の一方、他方螺旋部78、79の突出端部よりも径方向内側に配置されている。
【0066】
次に、トナーコンテナ6の回転伝達機構18について説明する。
【0067】
図6等を参照して、回転伝達機構18は、第1伝達部材81と、第1伝達部材81の後下側に設けられる第2伝達部材82と、第1伝達部材81と第2伝達部材82の間に設けられる接続部材83と、を有する。
【0068】
回転伝達機構18の第1伝達部材81は、容器本体14の右側壁24の外面に沿って第1回転軸Y1の周りを回転するように構成されている。以下、第1伝達部材81の各部分に関する説明で、「径方向外側」と記載する場合には第1回転軸Y1から離間する側を示し、「径方向内側」と記載する場合には第1回転軸Y1に接近する側を示す。
【0069】
図8等を参照して、第1伝達部材81は、本体部84と、本体部84から左側(左右方向内側)に向かって突出するジョイント部85と、を備えている。
【0070】
第1伝達部材81の本体部84の外周面には、外側ギア86と内側ギア87が設けられている。外側ギア86は、内側ギア87の右側(左右方向外側)に設けられており、内側ギア87よりも外径が大きい。
【0071】
図6等を参照して、第1伝達部材81の本体部84の外面には、一対の筒部88、89(内筒部88、外筒部89)が突設されている。一対の筒部88、89は、第1回転軸Y1を中心とする同心の円筒状を成している。外筒部89は、内筒部88の径方向外側に設けられている。本体部84の外面には、第1移動リブ91が突設されている。第1移動リブ91は、第1回転軸Y1を中心とする径方向に沿って延びている。第1移動リブ91は、外側ギア86と外筒部89の間に形成される環状溝92に収容されている。
図18A、
図18B等を参照して、第1移動リブ91は、第1伝達部材81の回転に伴って移動するように構成されている。
【0072】
図8等を参照して、第1伝達部材81のジョイント部85は、容器本体14の右側壁24に設けられた第1軸支部25を貫通し、撹拌パドル16の撹拌軸65の右端部に固定されている。これにより、第1伝達部材81が撹拌パドル16と一体に回転するように構成されている。
【0073】
図6等を参照して、回転伝達機構18の第2伝達部材82は、容器本体14の右側壁24の外面に沿って第2回転軸Y2の周りを回転するように構成されている。
【0074】
第2伝達部材82は、伝達片93と、伝達片93から左側(左右方向内側)に向かって突出するジョイント片94と、伝達片93から右側(左右方向外側)に向かって突出する被支持片95と、を備えている。
【0075】
第2伝達部材82の伝達片93の外周面には、伝達ギア96が設けられている。第2伝達部材82のジョイント片94は、容器本体14の右側壁24に設けられた第2軸支部26を貫通し、搬送スクリュー17の搬送軸73の右端部に固定されている。これにより、第2伝達部材82が搬送スクリュー17と一体に回転するように構成されている。
【0076】
第2伝達部材82の被支持片95の内周面には、第2移動リブ97が突設されている。第2移動リブ97は、第2回転軸Y2を中心とする径方向に沿って延びている。
図18A、
図18B等を参照して、第2移動リブ97は、第2伝達部材82の回転に伴って移動するように構成されている。
【0077】
図6等を参照して、回転伝達機構18の接続部材83の外周面には、小径ギア98と大径ギア99が設けられている。小径ギア98は、大径ギア99の右側(左右方向外側)に設けられており、大径ギア99よりも外径が小さい。小径ギア98は、第1伝達部材81の内側ギア87に接続され、大径ギア99は、第2伝達部材82の伝達ギア96に接続されている。このような構成により、第1伝達部材81と第2伝達部材82が接続部材83によって接続されている。
【0078】
次に、トナーコンテナ6のカバー20について説明する。
【0079】
図16等を参照して、カバー20は、カバー本体100と、カバー本体100の前上部に固定される表示片101と、を備えている。
【0080】
図8等を参照して、カバー20のカバー本体100は、容器本体14の右側壁24の少なくとも一部を覆うと共に、回転伝達機構18を構成する各部材81〜83(
図8では、第1伝達部材81のみを表示)の少なくとも一部を覆っている。
【0081】
図8、
図13等を参照して、カバー本体100は、主壁部102と、主壁部102の中央部から右側(左右方向外側)に向かって突出するガイド壁部103と、ガイド壁部103から左側(左右方向内側)に向かって突出する支持壁部104と、主壁部102の前上隅部から右側(左右方向外側)に向かって突出する突出壁部105と、主壁部102の外周から左側(左右方向内側)に向かって延出する延出壁部106と、を有する。
【0082】
図8等を参照して、カバー本体100の主壁部102は、容器本体14の右側壁24の外面と対向すると共に、回転伝達機構18を構成する各部材81〜83(
図8では、第1伝達部材81のみを表示)の外面と対向している。主壁部102の下部には、切り欠き部110が設けられており、この切り欠き部110を介して第1伝達部材81の外側ギア86の下部が露出している。
【0083】
図13等を参照して、カバー本体100の主壁部102の後部には矩形状の第1穴部111が設けられ、主壁部102の後下部には円形状の第2穴部112が設けられている。第1穴部111と第2穴部112の間には段差113があるため、第1穴部111は第2穴部112よりも右側(左右方向外側)に設けられている。
図18A、
図18B等を参照して、第1穴部111は、第1伝達部材81の回転位置に応じて、第1伝達部材81の第1移動リブ91
が被覆状態(視認できない状態)と露出状態(視認可能な状態)との間で切り替
わる
位置となるように設けられている。一方で、第2穴部112は、第2伝達部材82の回転位置に関わらず、第2伝達部材82の第2移動リブ97を常に露出させる(視認可能な状態とする)ように設けられている。第2穴部112には、第2伝達部材82の被支持片95が挿入されている。これにより、被支持片95の外周面が第2穴部112に支持されている。
【0084】
カバー本体100の主壁部102の前端部には係合穴115aが設けられ、カバー本体100の主壁部102の下端部には係合穴115bが設けられている。各係合穴115a、115bには、容器本体14の右側壁24に設けられた各係合突起27a、27bが係合している。第2回転方向R2における各係合穴115a、115bの下流端部(係合穴115aの下端部、係合穴115bの後端部)には、第2回転方向R2における各係合突起27a、27bの下流端部(係合突起27aの下端部、係合突起27bの後端部)が当接している。第2回転方向R2における各係合穴115a、115bの上流端部(係合穴115aの上端部、係合穴115bの前端部)には、第2回転方向R2における各係合突起27a、27bの上流端部(係合突起27aの上端部、係合突起27bの前端部)が当接しておらず、間隔を介して対向している。
【0085】
図13等を参照して、カバー本体100のガイド壁部103は、装着方向Xに長い形状を成している。ガイド壁部103は、主壁部102から右側(左右方向外側)に向かって突出する筒状部116と、筒状部116の右端部(左右方向外側の端部)を閉止する板状部117と、を備えている。
【0086】
図8等を参照して、カバー本体100の支持壁部104は、ガイド壁部103の板状部117の内面から左側(左右方向内側)に向かって突出している。支持壁部104は、主壁部102及びガイド壁部103と一体に形成されている。支持壁部104は、第1回転軸Y1を中心とする円筒状を成している。支持壁部104は、第1伝達部材81の本体部84の外面に設けられた一対の筒部88、89の間に挿入されている。このような構成により、支持壁部104によって第1伝達部材81が支持されている。
【0087】
図19等を参照して、カバー本体100の支持壁部104の外周面は、複数(例えば4個)の補強壁部118によって主壁部102の内面と接続されている。複数の補強壁部118は、第1回転軸Y1を中心とする放射状に設けられている。複数の補強壁部118は、等角度間隔(例えば、90度間隔)で設けられている。カバー本体100の前上部には、突出壁部105と延出壁部106にわたって、矩形状の固定溝120(固定部)が設けられている。
【0088】
図16等を参照して、カバー20の表示片101は、カバー本体100の固定溝120に固定されている。表示片101は、カバー本体100とは別体に設けられている。表示片101には、カバー本体100とは異なる色彩が施されている。表示片101の外面には、右側(左右方向外側)を向く外向き矢印121が表示されている。外向き矢印121は、表示片101の外面から内面まで貫通する穴によって形成されている。
【0089】
次に、トナーコンテナ6の蓋部材21について説明する。
【0090】
図8等を参照して、蓋部材21は、容器本体14の開口部22を上側から塞いでいる。蓋部材21の外周部には、蓋部材側フランジ122が設けられている。蓋部材側フランジ122は、容器本体14の容器本体側フランジ23に固定されている。
【0091】
図20、
図21等を参照して、蓋部材21の蓋部材側フランジ122の右端部には、右側に向かって突出する突出板123が設けられている。蓋部材側フランジ122の内面には、突出板123と対応する位置に、挿入突起124が突設されている。挿入突起124は、容器本体14の右側壁24の内面に設けられた挿入溝28に挿入されている。
【0092】
蓋部材21の左端部の内面には、当接突起125が突設されている。当接突起125は、容器本体14の左側壁30の内面に当接している。当接突起125は、容器本体14の開口部22の中心点Cを基準として、挿入溝28及び挿入突起124とは非点対称となるように配置されている。
【0093】
蓋部材21の前後両側部の内面には、複数の位置決め突起126が突設されている。複数の位置決め突起126は、左右方向に間隔をおいて設けられている。各位置決め突起126は、容器本体14の前後両側壁50、53(幅方向両側壁)の内面に当接している。
【0094】
次に、現像器10について更に説明する。
【0095】
図14、
図15等を参照して、現像器10は、箱型形状のケーシング130と、ケーシング130の上面側に設けられる補給シャッター131と、ケーシング130に収容される前後一対のミキサー132と、後側のミキサー132の後側に設けられる現像ローラー133(トナー担持体)と、を備えている。
【0096】
図22等を参照して、現像器10のケーシング130の上面には、トナー補給口134が設けられている。ケーシング130の上面には、トナー補給口134の周りを囲むようにしてシール体135が固定されている。ケーシング130の上面には、トナー補給口134の前側に検知部136が設けられている。
【0097】
現像器10のケーシング130の上面には、左右一対のガイド枠138R、138Lが突設されている。右側のガイド枠138Rの内面には、ガイド溝140Rが設けられ、左側のガイド枠138Lの内面には、ガイド溝140Lが設けられている。各ガイド溝140R、140Lは、装着方向Xに沿って延びている。
【0098】
現像器10のケーシング130の右側のガイド枠138Rには、ロック部材141が前後方向に移動可能な状態で装着されている。ロック部材141は、コイルスプリング149(付勢体)によって前側に付勢されている。ロック部材141の後部には、係止部142が設けられている。
【0099】
現像器10のケーシング130の右側のガイド枠138Rには、ロック部材141の上側に装着溝143が設けられている。装着溝143には、表示体144が装着されている。表示体144は、ケーシング130とは別体に設けられている。表示体144には、ケーシング130とは異なる色彩が施されている。表示体144の外面には、左側(左右方向内側)を向く内向き矢印145が表示されている。
【0100】
現像器10のケーシング130の上面の右側部には、回転センサー146が設けられている。ケーシング130の上面の右端部には、駆動ギア列147(駆動部)が設けられている。駆動ギア列147は、第1伝達部材81の本体部84に設けられた外側ギア86(
図8等参照)に接続されている。
【0101】
現像器10の補給シャッター131は、ケーシング130のトナー補給口134を閉止する閉位置(
図22の二点鎖線参照)と、ケーシング130のトナー補給口134を開放する開位置(
図22の実線参照)と、の間で回転するように構成されている。補給シャッター131は、ケーシング130の上面に設けられた左右一対のコイルバネ139(付勢部材)によって、閉位置に付勢されている。補給シャッター131の左右両端部には、それぞれ当接片150が設けられている。
【0102】
図14、
図15等を参照して、現像器10の前後一対のミキサー132は、ケーシング130に回転可能に支持されている。前後一対のミキサー132は、トナー補給口134を介してケーシング130内に導入されたトナーを撹拌し、現像ローラー133側へと搬送するように構成されている。
【0103】
現像器10の現像ローラー133は、ケーシング130に回転可能に支持されている。現像ローラー133は、感光体ドラム8に近接又は当接しており、前後一対のミキサー132によって撹拌されたトナーを担持して、感光体ドラム8に供給するように構成されている。
【0104】
次に、上記のように構成されたプリンター1において、トナーコンテナ6を現像器10にセットする動作について説明する。
【0105】
まず、ユーザー等の作業者は、カバー20のガイド壁部103を右側のガイド枠138Rのガイド溝140Rに挿入すると共に容器本体14のガイド部34を左側のガイド枠138Lのガイド溝140Lに挿入しながら、装着方向Xに沿ってトナーコンテナ6をスライドさせる。これにより、
図23に示されるように、トナーコンテナ6が現像器10にロック解除位置で装着される。この状態では、現像器10からのトナーコンテナ6の取り外しが許容されている。
【0106】
また、上記のようにトナーコンテナ6が現像器10にロック解除位置で装着された状態では、
図14等に示されるように、容器本体14が閉止位置にあり、容器本体14のトナー排出口45を排出シャッター15のシャッター本体59が閉止している。また、補給シャッター131が閉位置にあり、ケーシング130のトナー補給口134を補給シャッター131が閉止している。
【0107】
また、上記のようにトナーコンテナ6が現像器10にロック解除位置で装着されると、容器本体14の一対の支持リブ54(
図12等参照)に補給シャッター131の一対の当接片150(
図22等参照)が当接する。これに伴って、一対のコイルバネ139(
図22等参照)の付勢力が補給シャッター131を介してトナーコンテナ6に作用し、トナーコンテナ6がロック解除位置に付勢される。
【0108】
次に、作業者は、一対のコイルバネ139の付勢力に抗して、第1回転方向R1に沿ってロック解除位置からロック位置までトナーコンテナ6をカバー20のガイド壁部103及び容器本体14のガイド部34を中心に回転させる。これにより、
図24に示されるように、カバー20のガイド壁部103が右側のガイド枠138Rのガイド溝140Rに対して一方向に回転する。同様に、容器本体14のガイド部34が左側のガイド枠138Lのガイド溝140Lに対して一方向に回転する。これに伴って、現像器10からのトナーコンテナ6の取り外しが規制される。また、ロック部材141の係止部142によってカバー20の突出壁部105が係止される。これにより、一対のコイルバネ139の付勢力に抗して、トナーコンテナ6がロック位置に保持される。
【0109】
また、上記のようにトナーコンテナ6がロック解除位置からロック位置まで回転すると、
図15等に示されるように、容器本体14が排出シャッター15に対して閉止位置から開放位置まで回転する。これに伴って、容器本体14のトナー排出口45を排出シャッター15のシャッター本体59が開放する。また、容器本体14の一対の支持リブ54が補給シャッター131の一対の当接片150を押圧し、一対のコイルバネ139の付勢力に抗して、補給シャッター131が閉位置から開位置まで回転する。これに伴って、ケーシング130のトナー補給口134を補給シャッター131が開放し、容器本体14のトナー排出口45とケーシング130のトナー補給口134が連通する。これにより、トナーコンテナ6を現像器10にセットする動作が完了する。
【0110】
次に、上記のように構成されたプリンター1において、トナーコンテナ6を現像器10から取り外す動作について説明する。
【0111】
まず、作業者は、コイルスプリング149(
図22等参照)の付勢力に抗して、ロック部材141(
図22等参照)を後側に向かって押圧する。これに伴って、ロック部材141の係止部142によるカバー20の突出壁部105に対する係止が解除され、一対のコイルバネ139の付勢力によって、第2回転方向R2に沿ってロック位置からロック解除位置までトナーコンテナ6がカバー20のガイド壁部103及び容器本体14のガイド部34を中心に回転する。これに伴って、
図14等に示されるように、容器本体14が排出シャッター15に対して開放位置から閉止位置まで回転し、容器本体14のトナー排出口45を排出シャッター15のシャッター本体59が閉止する。また、一対のコイルバネ139の付勢力によって、補給シャッター131が開位置から閉位置まで回転し、ケーシング130のトナー補給口134を補給シャッター131が閉止する。
【0112】
また、上記のようにトナーコンテナ6がロック位置からロック解除位置まで回転すると、
図23等に示されるように、カバー20のガイド壁部103が右側のガイド枠138Rのガイド溝140Rに対して上記一方向とは逆方向に回転する。同様に、容器本体14のガイド部34が左側のガイド枠138Lのガイド溝140Lに対して上記一方向とは逆方向に回転する。これに伴って、現像器10からのトナーコンテナ6の取り外しが許容される。
【0113】
次に、作業者は、カバー20のガイド壁部103を右側のガイド枠138Rのガイド溝140Rから離脱させると共に容器本体14のガイド部34を左側のガイド枠138Lのガイド溝140Lから離脱させながら、装着方向Xとは反対の方向に沿ってトナーコンテナ6をスライドさせる。これに伴って、トナーコンテナ6が現像器10から分離する。これにより、トナーコンテナ6を現像器10から取り外す動作が完了する。
【0114】
次に、上記のように構成されたプリンター1において、トナーコンテナ6から現像器10にトナーを補給する動作(以下、「トナー補給動作」と称する)について説明する。
【0115】
トナー補給動作を行う際には、駆動モーター(図示せず)によって駆動ギア列147を回転させる。このように駆動ギア列147が回転すると、この回転が第1伝達部材81によって撹拌パドル16に伝達され、撹拌パドル16が第1伝達部材81と一体に回転する。これに伴って、容器本体14に収容されたトナーが撹拌パドル16によって撹拌される。なお、このように撹拌パドル16が回転すると、ケーシング130の上面に設けられた検知部136によって撹拌パドル16の被検知片67が検知される。
【0116】
また、上記のように駆動ギア列147が回転すると、この回転が第1伝達部材81、接続部材83及び第2伝達部材82を介して搬送スクリュー17に伝達され、搬送スクリュー17が第2伝達部材82と一体に回転する。これに伴って、容器本体14に収容されたトナーが搬送スクリュー17によってトナー排出口45に向かって搬送され、トナー排出口45から排出される。トナー排出口45から排出されたトナーは、トナー補給口134を介してケーシング130内に導入される。これにより、トナー補給動作が完了する。
【0117】
ところで、上記のようなトナーコンテナ6の保管時や輸送時などに、撹拌羽根66に大きな負荷が掛かるような回転位置で撹拌パドル16が長期間放置されると、撹拌羽根66が塑性変形してしまい、撹拌パドル16の機能が低下する恐れがある。そこで、本実施形態では以下のようにして、撹拌羽根66の塑性変形を抑制している。
【0118】
図18Aは、第1伝達部材81の第1移動リブ91がカバー20のカバー本体100に覆われる回転位置(第1移動リブ91を視認できない回転位置)に第1伝達部材81がある状態を示している。この状態では、
図15に実線で示されるように、撹拌羽根66が上側以外の側(例えば、前側)を向いており、容器本体14の内面に接触している。これに伴って、撹拌羽根66に掛かる負荷が比較的大きくなっており、撹拌羽根66が塑性変形しやすくなっている。
【0119】
一方で、
図18Bは、第1伝達部材81の第1移動リブ91がカバー20のカバー本体100に設けられた第1穴部111を介して露出する回転位置(第1移動リブ91を視認可能な回転位置)に第1伝達部材81がある状態を示している。この状態では、
図15に二点鎖線で示されるように、撹拌羽根66が上側を向いており、容器本体14の内面から離間し、蓋部材21の内面に接触している。これに伴って、撹拌羽根66に掛かる負荷が比較的小さくなっており、撹拌羽根66が塑性変形しにくくなっている。
【0120】
以上の事情を考慮し、トナーコンテナ6の出荷時には、第1移動リブ91が第1穴部111を介して露出する回転位置に第1伝達部材81がある状態で、トナーコンテナ6を保管及び輸送する。これにより、トナーコンテナ6の使用前に撹拌羽根66が塑性変形してしまうのを抑制することが可能となり、容器本体14に収容されたトナーを十分に撹拌することができる。
【0121】
また、本実施形態では、カバー20のカバー本体100に設けられた切り欠き部110を介して、第1伝達部材81の外側ギア86の下部が露出している。そのため、トナーコンテナ6の出荷作業を行う作業者は、外側ギア86の下部を指で回しながら、第1移動リブ91が第1穴部111を介して露出する回転位置まで第1伝達部材81を容易に回転させることができる。これに伴って、トナーコンテナ6の出荷作業を容易化することが可能となる。
【0122】
ところで、上記のようなトナーコンテナ6において、搬送スクリュー17の回転状態が不安定になると、容器本体14に収容されたトナーを確実に排出できなくなる恐れがある。そこで、本実施形態では以下のようにして、搬送スクリュー17の回転状態を検知している。
【0123】
搬送スクリュー17が回転している時には、搬送スクリュー17に固定された第2伝達部材82も回転する。これに伴って、第2伝達部材82の第2移動リブ97が移動し、この移動が現像器10の回転センサー146によって検知される。一方で、搬送スクリュー17の回転が停止している時には、搬送スクリュー17に固定された第2伝達部材82の回転も停止する。そのため、第2伝達部材82の第2移動リブ97の移動が現像器10の回転センサー146によって検知されない。
【0124】
本実施形態ではこのように、第2移動リブ97の移動を検知することによって、搬送スクリュー17の回転状態を間接的に検知している。その際に、第2伝達部材82の回転位置に関わらず、カバー20のカバー本体100に設けられた第2穴部112を介して第2移動リブ97が露出しているため、第2移動リブ97の移動を正確に検知することが可能となる。
【0125】
また、第2伝達部材82の被支持片95の外周面が第2穴部112によって支持されているため、第2伝達部材82の倒れを確実に抑制することができる。また、被支持片95の内周面に第2移動リブ97を設けることで、第2移動リブ97を確実に露出させる(視認可能とする)ことが可能となる。
【0126】
以上のように、カバー20のカバー本体100は、第1伝達部材81の回転位置に応じて
、第1移動リブ91
が露出状態と被覆状態
との間で切り替
わる
位置となるように設けられる第1穴部111と、第2伝達部材82の回転位置に関わらず第2移動リブ97を露出させるように設けられる第2穴部112と、を有している。そのため、1個のカバー20を撹拌パドル16の回転位置の検知と搬送スクリュー17の回転状態の検知に併用することが可能となり、カバー20の利便性を高めることができる。
【0127】
また、第1穴部111は第2穴部112よりも右側(左右方向外側)に設けられている。そのため、トナーコンテナ6の出荷作業を行う作業者は、第1穴部111が第1移動リブ91を露出させていることを容易に確認することが可能となる。
【0128】
本実施形態では以上のように、各伝達部材81、82の各移動リブ91、97を露出させる各穴部111、112がカバー20のカバー本体100に設けられることで、撹拌パドル16の回転位置と搬送スクリュー17の回転状態を簡易な構成で正確に検知することが可能となっている。
【0129】
ところで、本実施形態では、ロック部材141によって一対のコイルバネ139の付勢力に抗してトナーコンテナ6をロック位置に保持している。その関係で、トナーコンテナ6がロック位置にある状態では、第2回転方向R2における下流側に向かって容器本体14が押圧されており、容器本体14をカバー20に対してねじるような力が発生している。この力によって容器本体14とカバー20の位置関係がずれてしまうと、第1移動リブ91と第1穴部111の位置関係もずれてしまい、撹拌パドル16の回転位置を正確に検知できなくなる恐れがある。
【0130】
そこで、本実施形態では、第2回転方向R2における各係合穴115a、115bの下流端部(係合穴115aの下端部、係合穴115bの後端部)に第2回転方向R2における各係合突起27a、27bの下流端部(係合突起27aの下端部、係合突起27bの後端部)を当接させている。このような構成を採用することで、容器本体14をカバー20に対してねじるような力が発生しても、容器本体14とカバー20の位置関係がずれにくくなる。そのため、第1移動リブ91と第1穴部111の位置関係がずれるのを抑制し、撹拌パドル16の回転位置を正確に検知することが可能となる。
【0131】
本実施形態では、カバー20に穴部(第1穴部111、第2穴部112)を2個設ける場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、カバー20に穴部を1個だけ設けても良いし、カバー20に穴部を3個以上設けても良い。
【0132】
本実施形態では、第1移動リブ91が第1穴部111を介して露出する回転位置に第1伝達部材81がある状態で、撹拌羽根66が蓋部材21の内面に接触する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、第1移動リブ91が第1穴部111を介して露出する回転位置に第1伝達部材81がある状態で、撹拌羽根66が蓋部材21の内面から離間していても良い。
【0133】
また、搬送スクリュー17には、左右方向の位置が容器本体14のトナー排出口45と重なるように、一対の突起部75が設けられている。そのため、トナー排出口45の近傍において凝集したトナーをほぐすことが可能となり、トナー排出口45からトナーを確実に排出することができる。
【0134】
本実施形態では特に説明を行わなかったが、他の異なる実施形態では、搬送スクリュー17の一対の突起部75にトナー撹拌用のフィルムを固定しても良い。このような構成を採用することで、トナー排出口45の近傍において凝集したトナーを一層効果的にほぐすことが可能となり、トナー排出口45からトナーを一層確実に排出することができる。
【0135】
本実施形態では、搬送スクリュー17に一対の突起部75が設けられる場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、搬送スクリュー17に突起部75が1個だけ設けられても良いし、搬送スクリュー17に突起部75が3個以上設けられても良い。
【0136】
次に、容器本体14に撹拌パドル16及び蓋部材21を組み付ける動作について説明する。
【0137】
まず、作業者は、
図8に二点鎖線で示されるように、容器本体14の左側壁30に設けられた第1軸受け部33に撹拌軸65の左端部を係合させると共に、容器本体14の右側壁24の内面に設けられた挿入溝28に撹拌軸65の右端部を挿入する。この状態では、撹拌軸65は直線に沿った形状を成している。
【0138】
次に、作業者は、撹拌軸65の右端部を上側から押圧する。この押圧により、撹拌軸65の右端部が上側(開口部22側)から下側(第1軸支部25側)に向かって挿入溝28に沿ってスライドすると共に、撹拌軸65が下側に撓むように弾性変形する。作業者が撹拌軸65の右端部を更に上側から押圧すると、撹拌軸65の右端部が挿入溝28を乗り越えて第1軸支部25に係合すると共に、撹拌軸65が直線に沿った形状に弾性復帰する。これにより、容器本体14に撹拌パドル16を組み付ける動作が完了する。
【0139】
次に、作業者は、蓋部材21の挿入突起124を挿入溝28に挿入しながら蓋部材21を容器本体14に上側から装着する。これにより、容器本体14に蓋部材21を組み付ける動作が完了する。
【0140】
本実施形態では、容器本体14の右側壁24の内面に、上側(開口部22側)から下側(第1軸支部25側)に向かって延びる挿入溝28が設けられている。そのため、撹拌軸65の右端部を第1軸支部25に容易に係合させることが可能となり、容器本体14に撹拌パドル16を容易に組み付けることができる。
【0141】
また、容器本体14に撹拌パドル16を組み付けた後に容器本体14に蓋部材21を組み付けることで、蓋部材21の挿入突起124が挿入溝28に挿入されることになる。そのため、挿入溝28からのトナー漏れを抑制することが可能となる。
【0142】
ところで、容器本体14に蓋部材21を組み付ける際に、誤って蓋部材21の左右の向きを本来の向きとは逆転させた状態(蓋部材21の左端部に挿入突起124が配置され、蓋部材21の右端部に当接突起125が配置された状態)で容器本体14に蓋部材21を装着してしまうと、蓋部材21によって容器本体14の開口部22を確実に閉止できなくなる恐れがある。
【0143】
しかしながら、本実施形態では、容器本体14の右側壁24の内面に挿入溝28が設けられているが、容器本体14の左側壁30の内面には挿入溝が設けられていない。そのため、挿入突起124を挿入溝28に挿入しながら蓋部材21を容器本体14に装着すれば、自然と蓋部材21の左右の向きが本来の向きと一致することになり、上記のような蓋部材21の誤装着を防止することが可能となる。
【0144】
本実施形態では特に、蓋部材21の当接突起125が、容器本体14の開口部22の中心点Cを基準として、挿入溝28及び挿入突起124とは非点対称となるように配置されている(
図21等参照)。そのため、蓋部材21の左右の向きを本来の向きとは逆転させた状態で容器本体14に蓋部材21を装着しようとしても、当接突起125を挿入溝28に挿入することはできず、当接突起125が容器本体側フランジ23と干渉して、蓋部材21の容器本体14への装着が阻害される。そのため、上記のような蓋部材21の誤装着を一層確実に防止することが可能となる。
【0145】
本実施形態では、挿入溝28を利用して撹拌パドル16を容器本体14に組み付ける場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、挿入溝28を利用して搬送スクリュー17などの撹拌パドル16以外の回転部材を容器本体14に組み付けても良い。
【0146】
ところで、前述のようにトナー補給動作を行う際に、第1伝達部材81に倒れ(傾き)が発生すると、第1伝達部材81の外側ギア86と駆動ギア列147の接続や第1伝達部材81の内側ギア87と接続部材83の小径ギア98の接続が不安定になり、回転伝達機構18によって駆動ギア列147の回転を撹拌パドル16や搬送スクリュー17に確実に伝達できなくなる恐れがある。
【0147】
しかしながら、本実施形態では、カバー20のカバー本体100に設けられた支持壁部104によって第1伝達部材81が支持されているため、第1伝達部材81に倒れ(傾き)が発生するのを確実に防止することが可能となる。そのため、回転伝達機構18によって駆動ギア列147の回転を撹拌パドル16や搬送スクリュー17に確実に伝達することが可能となる。
【0148】
特に、本実施形態では、第1伝達部材81に設けられた一対の筒部88、89の間に支持壁部104が挿入されている。そのため、第1伝達部材81に倒れ(傾き)が発生するのを確実に防止することが可能になると共に、第1伝達部材81の強度を高めることができる。
【0149】
また、本実施形態では、カバー20のカバー本体100に設けられたガイド壁部103から左側(左右方向内側)に向かって支持壁部104が突出している。このような構成を採用することで、支持壁部104の強度だけでなく、ガイド壁部103の強度も高めることが可能となる。そのため、トナーコンテナ6を現像器10に装着する際やトナーコンテナ6をロック解除位置とロック位置の間で回転させる際に、ガイド壁部103に大きな負荷が掛かった場合でも、ガイド壁部103が変形したり破損したりするのを抑制することができる。
【0150】
本実施形態では、第1伝達部材81に設けられた一対の筒部88、89の間に支持壁部104が挿入される場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、第1伝達部材81に設けられた1個の筒部の径方向外側又は径方向内側に支持壁部104が配置されていても良い。
【0151】
また、本実施形態では、トナーコンテナ6の左側壁30に、第1軸受け部33と一体化されるガイド部34が設けられている。このような構成を採用することで、第1軸受け部33の強度を高めることが可能となり、第1軸受け部33によって撹拌パドル16の撹拌軸65の左端部を確実に支持することが可能となる。
【0152】
また、ガイド部34の前側の対向板40の上下方向中央部は、トナー充填口32及びキャップ38の外周面に沿って円弧状に湾曲している。このような構成を採用することで、ガイド部34をトナー充填口32及びキャップ38に極力近づけて配置することが可能となり、ガイド部34のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0153】
また、上記のように第1軸受け部33とガイド部34が一体化されることで、第1軸受け部33の強度だけでなく、ガイド部34の強度も高めることが可能となる。そのため、トナーコンテナ6を現像器10に装着する際やトナーコンテナ6をロック解除位置とロック位置の間で回転させる際に、ガイド部34に大きな負荷が掛かった場合でも、ガイド部34が変形したり破損したりするのを抑制することができる。
【0154】
本実施形態では、ガイド部34がベース部31及び接続部37から左側(左右方向外側)に向かって突出する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、ガイド部34がベース部31のみから左側(左右方向外側)に向かって突出しても良い。
【0155】
また、本実施形態では、カバー20の表示片101の外面に、右側(左右方向外側)を向く外向き矢印121が表示されている。このような構成を採用することで、トナーコンテナ6のセット位置をユーザーに認識させやすくなる。
【0156】
特に、本実施形態では、トナーコンテナ6が現像器10にロック解除位置で装着された状態では、カバー20の表示片101の外向き矢印121と現像器10の表示体144の内向き矢印145が対向せず(
図2等参照)、トナーコンテナ6をロック解除位置からロック位置まで回転させることで、外向き矢印121と内向き矢印145が対向するように構成されている(
図3等参照)。このような構成を採用することで、トナーコンテナ6をロック解除位置からロック位置まで回転させることを作業者に促すことが可能となり、トナーコンテナ6を現像器10にロック解除位置で装着しただけでトナーコンテナ6を現像器10にセットする動作が完了したと作業者が勘違いするのを防止することが可能となる。
【0157】
本実施形態では、カバー本体100とは別体に設けられる表示片101の外面に外向き矢印121が表示される場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、カバー本体100に直接外向き矢印121が表示されても良い。
【0158】
ところで、本実施形態では上記のように、トナーコンテナ6がロック解除位置とロック位置の間で回転するように構成されている。このようなトナーコンテナ6の回転時に、現像器10を構成する部材(例えば、ケーシング130、補給シャッター131、シール体135又は検知部136)の外面に容器本体14の外面が擦れ合うと、これらの部材の外面から容器本体14の外面にトナーが移り、この移ったトナーがトナーコンテナ6の交換作業を行う作業者の手に付着する恐れがある。
【0159】
しかしながら、本実施形態では、容器本体14の底壁44の外面に第1、第2凹部51、52が設けられており、トナーコンテナ6の回転時には、上記の第1、第2凹部51、52が現像器10を構成する部材の外面と隙間を介して対向するように構成されている(
図14、
図15等参照)。このような構成を採用することで、現像器10を構成する部材の外面に容器本体14の外面が擦れ合うのを抑制することができる。そのため、現像器10を構成する部材の外面から容器本体14の外面にトナーが移るのを抑制することが可能となり、トナーコンテナ6の交換作業を行う作業者の手にトナーが付着するのを防止することができる。
【0160】
特に、本実施形態では、第1凹部51の左右方向の位置がシール体135及び補給シャッター131の左右方向の位置と重なっている。そのため、シール体135や補給シャッター131の外面に容器本体14の外面が擦れ合うのを確実に抑制することができ、シール体135や補給シャッター131の外面から容器本体14の外面にトナーが移るのを確実に抑制することが可能となる。
【0161】
また、本実施形態では、第2凹部52の左右方向の位置が検知部136の左右方向の位置と重なっている。そのため、検知部136の外面に容器本体14の外面が擦れ合うのを確実に抑制することができ、検知部136の外面から容器本体14の外面にトナーが移るのを確実に抑制することが可能となる。
【0162】
本実施形態では、容器本体14の外面に2個の凹部(第1凹部51、第2凹部52)が設けられる場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、容器本体14の外面に凹部が1個だけ設けられても良いし、容器本体14の外面に凹部が3個以上設けられても良い。
【0163】
ところで、本実施形態では上記のように、容器本体14が開放位置と閉止位置の間で排出シャッター15に対して回転するように構成されている。このような構成を採用する場合に、容器本体14が開放位置にある状態で作業者の手が容器本体14の外面と排出シャッター15の内面の間に入り込むと、容器本体14の外面や排出シャッター15の内面に付着したトナーが作業者の手に付着する恐れがある。そこで、本実施形態では以下のようにして、トナーが作業者の手に付着するのを防止している。
【0164】
図14等に示されるように、トナーコンテナ6の容器本体14が閉止位置にある状態では、容器本体14の対向リブ56が排出シャッター15のシャッター本体59の内面と対向せず、露出している。一方で、
図15等に示されるように、容器本体14が開放位置にある状態では、対向リブ56がシャッター本体59の内面(特に、シャッター本体59の内面に設けられた内リブ61)と対向する。そのため、容器本体14が開放位置にある状態で作業者の手が容器本体14の外面と排出シャッター15の内面の間に入り込むのを抑制することが可能となり、容器本体14の外面や排出シャッター15の内面に付着したトナーが作業者の手に付着するのを防止することが可能となる。
【0165】
本実施形態では、対向リブ56が複数の第1板部57と第2板部58を有する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、第1板部57と第2板部58のいずれか一方のみを対向リブ56が有しても良い。
【0166】
本実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。