(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587016
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】移動通信デバイス及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20191001BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20191001BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20191001BHJP
H04W 60/04 20090101ALI20191001BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W48/18 111
H04W88/06
H04W60/04
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-134629(P2018-134629)
(22)【出願日】2018年7月18日
(62)【分割の表示】特願2017-197394(P2017-197394)の分割
【原出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-160940(P2018-160940A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2018年7月18日
(31)【優先権主張番号】1205827.7
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】イアネフ イスクレン
(72)【発明者】
【氏名】レイヤー ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】後藤 浩平
【審査官】
齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−516583(JP,A)
【文献】
特表2011−527537(JP,A)
【文献】
特表2013−503506(JP,A)
【文献】
特開2010−93455(JP,A)
【文献】
特開2010−10849(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/136053(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0090848(US,A1)
【文献】
Nokia Corporation, Nokia Siemens Networks,NAS DL COUNT in MobilityFromEUTRACommand,3GPP TSG-RAN WG2#64 R2-086254,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_64/Docs/R2-086254.zip>,2008年11月 4日
【文献】
NEC,ISR deactivation in Cell Change Order (CCO) to GERAN,3GPP TSG-SA WG2#90 S2-121248,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_90_Bratislava/Docs/S2-121248.zip>,2012年 4月11日
【文献】
NEC,RA update after Cell Change Order (CCO) to GERAN,3GPP TSG-SA WG2#92 S2-123292,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_92_Barcelona/Docs/S2-123292.zip>,2012年 7月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信デバイスであって、
第一のRAN(Radio Access Network)から第二のRANへとセル変更を行うためのMobility信号を受信する送受信手段と、
CCO(Cell Change Order)によって前記第一のRANから前記第二のRANへとセル変更を行う手段と、
前記移動通信デバイスがISR(Idle Signaling Reduction)モードであり、前記移動通信デバイスが前記第一のRANの接続モードであり、前記移動通信デバイスが前記第二のRANにおいて登録されている登録エリアが、前記第一のRANから前記第二のRANへのセル変更の間に変化しない場合に、アクセストリガ信号を送信する前に、前記ISRを非アクティブ化する手段を有し、
前記送受信手段は、前記アクセストリガ信号を送信するように構成される
移動通信デバイス。
【請求項2】
前記移動通信デバイスは、第一の装置と第二の装置とに登録可能であり、
前記第一の装置への登録は前記第一のRANを経由して行われ、
前記第二の装置への登録は前記第二のRANを経由して行われる
請求項1に記載の移動通信デバイス。
【請求項3】
前記第一の装置はMME(Mobility Management Entity)であり、前記第二の装置はSGSN(Serving GPRS Support Node)である、請求項2に記載の移動通信デバイス。
【請求項4】
前記第一のRANは、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)であり、前記第二のRANは、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)である、請求項1から3のいずれか1項に記載の移動通信デバイス。
【請求項5】
前記アクセストリガ信号は、RAU(Routing Area Update)である、請求項1から4のいずれか1項に記載の移動通信デバイス。
【請求項6】
移動通信デバイスにおいて実行される通信制御方法であって、
第一のRAN(Radio Access Network)から第二のRANへとセル変更を行うためのMobility信号を受信し、
CCO(Cell Change Order)によって前記第一のRANから前記第二のRANへとセル変更を行い、
前記移動通信デバイスがISR(Idle Signaling Reduction)モードであり、前記移動通信デバイスが第一のRANの接続モードであり、前記移動通信デバイスが前記第二のRANにおいて登録されている登録エリアが、前記第一のRANから前記第二のRANへのセル変更の間に変化しない場合に、アクセストリガ信号を送信する前に、前記ISRを非アクティブ化し、
前記アクセストリガ信号を送信する
通信制御方法。
【請求項7】
前記移動通信デバイスは、第一の装置と第二の装置とに登録可能であり、
前記第一の装置への登録は前記第一のRANを経由して行われ、
前記第二の装置への登録は前記第二のRANを経由して行われる、
請求項6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記第一の装置はMME(Mobility Management Entity)であり、前記第二の装置はSGSN(Serving GPRS Support Node)である、請求項7に記載の通信制御方法。
【請求項9】
前記第一のRANは、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)であり、前記第二のRANは、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)である、請求項6から8のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項10】
前記アクセストリガ信号は、RAU(Routing Area Update)である、請求項6から9のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
システム間の変更に関する発明であり、特に、異なる無線アクセスネットワーク間における無線端末の改善されたシステム間の変更に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる無線セルラー通信システムのRadio access networks(RANs)は、異なるそれぞれのradio access technologies(RAT)を有する様々な異なる定義された標準のセットに応じて動作する。そのようなシステムのユーザによって操作される無線端末は、一般的に、一より多くの無線アクセスネットワークと一緒に動作することができるように構成される。そのため、端末が異なるそれぞれの標準に応じて動作する一つのタイプのネットワークより多くに接続することができなければならないこと、および、異なるネットワークの間を動的に切り替えることができなければならないことがしばしば要望されている。このような切り替え処理は、しばしば、inter-RAT handoverと称される。
【0003】
GSM(Global System for Mobile Communications,originally Groupe Special Mobile)(登録商標)は、第2世代(2G)デジタルセルラーネットワークと呼ばれる技術を定義するEuropean Telecommunications Standards Institute(ETSI)によって開発された標準のセットである。第1世代アナログセルラーネットワークの置き換えとして発展し(GSM標準は、初めからデジタルであった)、回線交換ネットワークは、全二重音声電話方式として最適化された。標準は、最初の回線交換データ伝送、その後、GPRS(General Packet Radio Services)を経由したパケットデータ伝送を含むように、長い時間をかけて発展した。
【0004】
Enhanced Data rates for GSM Evolution(EDGE)(EGPRS(Enhanced GPRS)としても知られている)は、GSMの拡張と互換性を有するデジタル移動電話技術であり、データ通信速度を向上させる。EDGEは、プレ第3世代無線技術とみなされ、2003年に開始したGSMネットワークにおいて発展した。EDGEは、GSMファミリーの一部である3GPP(3rd Generation Partnership Project)として知られた国際組織によって標準化された。GSMかつ/またはEDGE標準に従って動作するネットワークは、GSM/EDGE radio access network(GERAN)として知られている。
【0005】
Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)は、GSM標準に基づいた通信ネットワークのための第3世代移動セルラー技術である。3GPPによって発展し、UMTSは、International Telecommunications Union(ITU)によって明確にされ修正された標準のセットの要素であり、この標準のセットは、IMT-2000として知られている。IMT-2000は、アメリカ及びその他の場所において展開された競合するcdmaOne(登録商標)技術に基づいたネットワークの標準のセットであるCDMA2000と比較できる。しかし、IMT-2000は、CDMA2000と異なる。
【0006】
UMTSは、より大きなスペクトル効果と帯域幅を提供するWideband Code Division Multiple Access(W-CDMA)無線アクセス技術を利用する。UMTSは、無線アクセスネットワーク(UMTS Terrestrial Radio Access Network, or UTRAN)、コアネットワーク(Mobile Application Part, or MAP)及びSIMカード(Subscriber Identity Module)を介したユーザの認証をカバーする完全なネットワークシステムを明確にする。
【0007】
UMTSとGSM/EDGEは、UTRANをGERANの代わりの無線アクセスネットワークとし、さらに、利用可能なカバレッジ及びサービス必要性に応じてこれらのradio access networks(RANs)の間を切り替える伝送を許可し、コアネットワーク(CN)を共有することができる。これによって、UMTS及びGSM/EDGE無線アクセスネットワークは、時々まとめてUTRAN/GERANと称される。ヨーロッパの移動セルラー通信システムのほとんどのセル及びネットワークにおいて用いられるほとんどのハンドセットもしくはモバイル端末は、UTRAN及びGERAN動作の両方をサポートする。
【0008】
2006年以降、多くの国においてUMTSネットワークは、3.5Gとして知られるHigh Speed Downlink Packet Access (HSDPA)に更新されているかもしくは更新しつつある。現在、HSDPAは、下り伝送速度を21Mbit/sまで可能としている。High-Speed Uplink Packet Access(HSUPA)とする上り伝送速度を改良する作業も進行している。Longer term(標準のセットである3GPP Long Term Evolution(LTE (登録商標))、第4世代(4G))は、orthogonal frequency-division multiplexing(OFDM)に基づいた4G エアインタフェース技術を用いることによって、下りにおいて100Mbit/s、上りにおいて50Mbit/sのデータ通信速度を提供することを目的としている。
【0009】
E-UTRANは、evolved UMTS Terrestrial Radio Access Networkの略語である。E-UTRANもしくはeUTRANは、LTE(登録商標)標準によって定義された無線アクセスネットワークである。
【0010】
E-UTRANは、
図1のeNB(E-UTRAN Node B)からなる簡略化されたシングルノードアーキテクチャーを用いる。
【0011】
図1及び
図2を参照すると、eNB102は、S1インタフェース104を用いたEvolved Packet Core(EPC)と通信する。具体的には、eNB102は、MME(Mobility Management Entity)ノード106、206及びコントロールプレーン及びユーザープレーンのそれぞれにS1-C及びS1-Uインタフェース104を用いるS-GW(Serving Gateway)108、208として示されているUPE((User Plane Entity)と通信する。MMEノード106、206及びUPEノード108、208は、好ましくは、コントロール及びユーザプレーンを独立して拡大縮小することを可能とするために切り離されたネットワークとして導入されることがよい。また、すべてのeNBは、X2インタフェース(それぞれコントロール及びユーザプレーンのためのX2-C及びX2-U)を用いて他のeNBと通信することができる。eNBは、無線端末もしくはuser equipment(UE)と信号を送受信する。このように、無線端末は、eNBを経由してMMEと通信することができる。
【0012】
HSS(Home Subscriber Server)(不図示)は、ユーザもしくは申込みに関連する情報を有する中央データベース(central database)である。HSSの機能は、移動管理、呼及びセッション確立サポート、ユーザー認証及びアクセス承認を含む。
【0013】
MME(Mobility Management Entity)は、E-UTRANアクセスネットワークおけるキー制御ノードである。それは、idleモードUE(User Equipment)の、再送信を含むトラッキング及びページング手順に関与する。それは、ベアラactivation/deactivation処理に関与し、UEが最初にネットワークへアタッチするとき、さらに、Core Network(CN)ノードリロケーションを含むintra-E-UTRANハンドオーバの間に、UEのためにserving gateway(S-GW)を選択することに関与する。それは、(HSSと相互に作用することによって)ユーザの認証に関与する。
【0014】
Non Access Stratum(NAS)シグナリングは、MMEにて終端し、MMEは、UEへ一時的な識別子の発行及び割り当てに関与する。MMEは、サービスプロバイダーのPublic Land Mobile Network(PLMN)に登録するため、さらに、UEローミング制限を行うためにUEの承認を確認する。MMEは、また、UETRAN/GERANネットワークのSGSNからMMEにおいて終端するS3インタフェースを用いてLTEとUTRAN/GERANアクセスネットワークとの間の移動のためにコントロールプレーン機能を提供する。
【0015】
UTRAN/GERANネットワークのServing GPRS Support Node(SGSN)は、E-UTRANネットワークのMMEの機能に、類似する全ての機能を持つ。SGSNは、地理的なサービスエリア内の無線端末(移動局)との間におけるデータパケットの伝送に関与する。そのタスクは、パケットルーティング、パケット転送、移動管理(アタッチ/デタッチ、位置管理)、論理リンク管理、認証及び課金機能を含む。SGSNのロケーションレジスターは、位置情報(例えば、現在のセル、現在のVLR:visitor location register)及びSGSNに登録された全てのGPRSユーザのユーザープロファイル(例えば、IMSI、パケットデータネットワークにおいて用いられるアドレス)を保持する。
【0016】
数ある機能の中で、SGSNは、スタンバイ中の無線端末が、あるRouting Area(RA)から他のRouting Areaへ移動した時に必要とされる移動管理に関連する機能を実行する。
【0017】
E-UTRANは、E-UTRANとUTRAN/GERANとの間のinter-RAT cell-reselectionの間に、idleモードにおけるシグナリングを制限もしくは減少するメカニズムを提供するIdle mode Signaling Reduction(ISR)機能を定める。このメカニズムによると、idleモードの無線端末(User Equipment、UE)は、ISRがアクティブである場合、E-UTRANのMME及びUTRAN/GERANのSGSN(3GPP TS23.401, Annex J1参照)の両方に登録される。SGSN及びMMEの両方は、S-GW(serving gateway)と制御コネクションを持つ。UEは、SGSNによってUEへ提供されるmobility management(MM)パラメータ(例えば、P-TMSI及びRA)及びMMEによってUEへ提供されるMMパラメータ(例えば、GUTI及びTA)を受信し、保持する。さらに、UEは、E-UTRAN及びGERAN/UTRANアクセスに共通するセッションマネジメント(ベアラ)コンテキストを保持する。
【0018】
これらの保持されたパラメータ及びコンテキストを用いることによって、idle状態にあるUEは、登録された無線アクセスrouting area(RA)とtracking area(TA)内であって、ネットワークの相互作用によってtracking area update(TAU)もしくはradio access update(RAU)手順の実行を必要としない時、E-UTRANとGERAN/UTRAN無線アクセスセルとの間を再選択することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】3GPP TS 23.401 V9.0.0 (2009-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
時々、UE、MME及びSGSNの一以上における非同期の状態情報を原因とする状況が発生する(3GPP TS23.401, annex J6参照)。このような特別な状況を処理することができ、それによってさらなる複雑さ及びエラーケースを避けることができるISR-specific手順が存在しない。非同期となるUE,MME及びSGSNにおけるコンテキストを原因とする全てのそのような状況は、ISR機能の非アクティブ化によって制御される。ISR機能の非アクティブ化は、UEがコネクティッドモードにおいて接続しているRAN以外のRANから非登録とすることを含む。既知のRAU及び/又はTAU手順は、それから、MMEとSGSNとの間のコンテキストを同期する。さらに、同期が完了したら、ISR機能は、ネットワークから要望されると、再びアクティブ化する。
【0021】
inter-RAT handoverの間の問題を原因とする他の状況は、現在までに認識されておらず、
図3に示されている。
【0022】
図3は、エンティティ(無線端末302、例えば移動端末、E-UTRAN MME304及びGERAN SGSN306)によって実行される動作(ボックスによって示される)を示す流れ図である。時間は、下の垂直方向に示される(スケールは示されない)。エンティティ間の一以上の信号は、水平の矢印によって示される。この例においては、一つの信号のみが示され、無線端末によって実行される動作のみが示されている。
【0023】
ボックス310において、無線端末302は、無線端末とE-UTRAN MMEとの間において行われるシグナリングの手段によってE-UTRAN MMEへ接続されている。この接続の結果として、無線端末が、E-UTRANを介してトラヒックデータを送信及び受信することができるコネクティッド状態となる。無線端末は、E-UTRANコネクティッドモードになるとみなされる。ISRは、例えば、無線端末においてONとすることでアクティブとなり、それ故、無線端末は、E-UTRAN及びGERANの両方に登録される。無線端末の登録は、E-UTRANによって登録エリア(Tracking Area、TA)と関連づけられ、また、GERANによって登録エリア(Routing Area、RA)と関連づけられる。GERANは、無線端末を登録エリア/routing area RA1と関連づける。
【0024】
矢印312によって示されるように、無線端末は、3GPP TS36.331, s5.4.3.3に記載されているように、Cell Change Order(CCO)を設定したpurposeパラメータ及びGERANを設定したtarget RAT typeを有するMobility from E-UTRAN Commandと名付けられたメッセージの形式における指示を含む信号を受信する。メッセージはまた、target GERAN cell(これは、routing area RA1内に位置する)を示している。
【0025】
ボックス314において、無線端末は、指示されたCCO手順を開始し、また、CCO完了制御のために、示されているタイマーT3174を開始し、さらに、端末は、Mobility from E-UTRAN Commandメッセージにおいて提供される情報を用いて、端末が、target GERAN cellを再選択するリセレクションを実行する。この状況において、target GERAN cellは、無線端末が登録によって関連づけられた同じRA1内にある(つまり、target GERAN cellは、無線端末が有効に既に登録された同じrouting area RA1内にある)。
【0026】
このことによって、さらに、ISRがONであることによって、移動端末に保留中のアップリンクデータが無い場合、GERAN cellへのアクセスのためのトリガーが無い(例えば、Routing Area Update requestメッセージ)。そのようなトリガーは、3GPP TS44.060, s8.4.1に記載されているように、CCO手順の完了の成功のために必要となる。これは、問題を示している。
【0027】
ボックス316において、タイマーT3174は満了し、ボックス318において、CCO手順は失敗する。
【0028】
本発明は、移動端末が、E-UTRANコネクティッドモードであり、ISRがONであり、RAが変化しない場合に、上述したCCO-to-GERAN失敗によって示される問題を解消することを目的とする。さらに、異なる無線アクセスネットワーク間において、堅牢で信頼性のあるintra-cellハンドオーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
発明に従って、請求項1において主張されるように提供される無線端末がある。
【0030】
主張された主題は、異なる無線アクセスネットワーク間における堅牢で信頼性のあるintra-cellハンドオーバを提供し、E-UTRANネットワークと、UTRANもしくはGERANネットワークとの間のinter-RATハンドオーバの実行における使用によくあてはまる。
【0031】
実施の形態は、添付の図面において例示として記述される。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、移動端末が、E-UTRANコネクティッドモードであり、ISRがONであり、RAが変化しない場合に、上述したCCO-to-GERAN失敗によって示される問題を解消すること、さらに、異なる無線アクセスネットワーク間において、堅牢で信頼性のあるintra-cellハンドオーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、E-UTRANネットワークのノードアーキテクチャーの簡略化された説明である。
【
図2】
図2は、E-UTRANネットワークの様々なエレメントの簡略化された説明である。
【
図3】
図3は、現在の状態に応じたE-UTRANネットワークのエンティティによって実行される動作を示す流れ図である。
【
図4】
図4は、実施の形態におけるE-UTRANのエンティティによって実行される動作を示す流れ図である。
【
図5】
図5は、他の実施の形態におけるE-UTRANネットワークのエンティティによって実行される動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
はじめに、
図4においては、流れ図が、エンティティ(無線端末302、例えば移動端末、E-UTRAN MME304及びGERAN SGSN306)によって実行される動作(ボックスによって示される)を示している。時間は、下の垂直方向に示される(スケールは示されない)。エンティティ間の一以上の信号は、水平の矢印によって示される。この例においては、一つの信号のみが示され、無線端末によって実行される動作のみが示されている。
【0035】
ボックス310において、無線端末302は、無線端末とE-UTRAN MMEとの間において行われるシグナリングの手段によってE-UTRAN MMEへ接続されている。この接続の結果として、無線端末が、接続されているE-UTRANを介してトラヒックデータを送信及び受信することができるコネクティッド状態となる。無線端末は、E-UTRANコネクティッドモードになるとみなされる。ISRは、例えば、無線端末においてONとすることでアクティブとなり、それ故、無線端末は、E-UTRAN及びGERANの両方に登録される。無線端末の登録は、E-UTRANによって登録エリアと関連づけられ、また、GERANによって登録エリアと関連づけられる。GERANは、無線端末を登録エリア/routing area RA1と関連づける。
【0036】
矢印312によって示されるように、無線端末は、3GPP TS36.331, s5.4.3.3に記載されているように、CCO(Cell Change Order)を設定したpurposeパラメータ及びGERANを設定したtarget RAT typeを有するMobility from E-UTRAN Commandと名付けられたメッセージの形式の指示を含む信号を受信する。メッセージはまた、target GERAN cellもしくはRA(これは、routing area RA1内に位置する)を示している。
【0037】
ボックス314において、無線端末は、指示されたCCO手順を開始し、また、CCO完了制御のために、示されているタイマーT3174を開始し、さらに、端末は、Mobility from E-UTRAN Commandメッセージにおいて提供される情報を用いて、端末が、target GERAN cellを再選択するリセレクションを実行する。この状況において、target GERAN cellは、無線端末が登録によって関連づけた同じRA1内にある(つまり、target GERAN cellは、無線端末が有効に登録された同じrouting area RA1内にある)。
【0038】
矢印417によって示されるように、無線端末は、それから、target GERAN cellにうまくcampするとすぐに、RAU(routing area update)を起こす。
【0039】
無線端末は、保留しているアップリンクデータもしくはリクエストに関係なく、RAアップデートを起こすことができる。もしくは、無線端末は、(E-UTRANからGERANへのシステム間の変更の間に)登録されたRAが変化しない、さらに、保留しているアップリンクデータもしくはリクエストが存在しないという条件で、RAアップデートを起こす。
【0040】
ボックス419において、移動端末によるRAUがTS44.060, s8.4.1に記載されている要求に応じてCCO手順を完了すると、CCOは、無事に完了する。TS44.060, s8.4.1は、次の事を示している。「移動局は、アクセスを実行し新しいセルにおいてコンテンション解決を無事に完了した時、セル再選択手続を制御したネットワークが無事に完了したとみなしてもよい。」
【0041】
ボックス420において、無線端末は、それからタイマーT3174を停止する。
【0042】
図5においては、
図4と類似している流れ図は、エンティティ(無線端末302、例えば移動端末、E-UTRAN MME304及びGERAN SGSN306)によって実行される動作(ボックスによって示される)を示している。時間は、下の垂直方向に示される(スケールは示されない)。エンティティ間の一以上の信号は、水平の矢印によって示される。この例においては、一つの信号のみが示され、無線端末によって実行される動作のみが示されている。
【0043】
ボックス310において、無線端末302は、無線端末とE-UTRAN MMEとの間において行われるシグナリングの手段によってE-UTRAN MMEへ接続されている。この接続の結果として、無線端末が、接続されているE-UTRANノードを介してトラヒックデータを送信及び受信することができるコネクティッド状態となる。無線端末は、E-UTRANコネクティッドモードになるとみなされる。ISRは、例えば、無線端末においてONとすることでアクティブとなり、それ故、無線端末は、E-UTRAN及びGERANの両方に登録される。無線端末の登録は、E-UTRANによって登録エリアと関連づけられ、また、GERANによって登録エリアと関連づけられる。GERANは、無線端末を登録エリア/routing area RA1と関連づける。
【0044】
矢印312によって示されるように、無線端末は、3GPP TS36.331, s5.4.3.3に記載されているように、CCO(Cell Change Order)を設定したpurposeパラメータ及びGERANを設定したtarget RAT typeを有するMobility from E-UTRAN Commandと名付けられたメッセージの形式の指示を含む信号を受信する。メッセージはまた、target GERAN cellもしくはRA(これは、routing area RA1内に位置する)を示している。
【0045】
ボックス314において、無線端末は、指示されたCCO手順を開始し、また、CCO完了制御のために、示されているタイマーT3174を開始し、さらに、端末は、Mobility from E-UTRAN Commandメッセージにおいて提供される情報を用いて、端末が、target GERAN cellを再選択するリセレクションを実行する。この状況において、target GERAN cellは、無線端末が登録によって関連づけた同じRA1内にある(つまり、target GERAN cellは、無線端末が有効に登録された同じrouting area RA1内にある)。
【0046】
ボックス515において、無線端末は、target GERAN cellを無事に再選択(例えば、camp on)するとすぐに特定の場所において、この例においては、TINをGUTIと設定することによって、ISRを非アクティブとする。
【0047】
無線端末は、保留しているアップリンクデータもしくはリクエストに関係なく、ISRを非アクティブにすることができる。もしくは、無線端末は、(E-UTRANからGERAnへのシステム間の変更の間に)登録されたRAが変化しない、さらに、保留しているアップリンクデータもしくはリクエストが存在しないという条件で、ISRを非アクティブにしてもよい。
【0048】
RAが変化せず、保留にしているアップリンクデータもしくはリクエストが無いとき、ISR機能を非アクティブにすることは、RAが変化せず、保留にしているアップリンクデータもしくはリクエストが無い状況によって引き起こされる問題を克服することになる。既に上記において説明したように、この状況において、CCO(システム間の変更)の無事な完了のために必要となるtarget GERAN cellへのアクセスの開始(例えば、Routing Area update requestメッセージ)を引き起こすトリガーは無いということが認識される。
【0049】
矢印417によって示されるように、無線端末はそれから、システム間(inter-RAT)変更の結果及び特定の場所のISRの非アクティブ化の結果としてrouting area update(RAU)手順を起こす。
【0050】
無線端末は、保留しているアップリンクデータもしくはリクエストに関係なく、RAアップデートを起こすことができる。もしくは、無線端末は、登録されたRAが変化しない、さらに、保留しているアップリンクデータもしくはリクエストが存在しないという条件で、RAアップデートを起こす。
【0051】
RAが変化せず、保留としているアップリンクデータもしくはリクエストが無いときに、routing area updateを起こす無線端末は、RAが変化せず、保留にしているアップリンクデータもしくはリクエストが無い状況によって引き起こされる問題を克服することになる。既に上記において説明したように、この状況において、CCO(システム間の変更)の無事な完了のために必要となるtarget GERAN cellへのアクセスの開始(例えば、Routing Area update requestメッセージ)を引き起こすトリガーは無いということが認識される。
【0052】
ボックス419において、移動端末によるRAUがTS44.060, s8.4.1に記載されている要求に応じてCCO手順を完了すると、CCOは、無事に完了する。TS44.060, s8.4.1は、次の事を示している。「移動局は、アクセスを実行し新しいセルにおいてコンテンション解決を無事に完了した時、セル再選択手続を制御したネットワークが無事に完了したとみなしてもよい。」
【0053】
ボックス420において、無線端末は、それからCCO完了制御タイマーT3174を停止する。
【0054】
移動端末が特定の場所におけるISRを非アクティブした後であるが、CCO完了の前(新たなセルにおけるコンテンション解決を無事に完了したことに伴うGERANへのアクセス)に、CCO完了制御タイマーT3174が満了した場合、その後、TS36.331、s5.4.3.5に示されるように元のE-UTRANへ戻る前かつコネクション再確立が開始する前に、TINをTMSIに関連するRATへ戻すことによって、無線端末は特定の場所におけるISR非アクティブをキャンセルする。
【0055】
上述し、図面に記載された発明の特徴は、ISRがアクティブであり、同じRA内において無線端末がCCOによってE-UTRANコネクティッド状態からGERAN cellへシステム間変更を実行し、保留にしているアップリンクデータもしくはリクエストが無い状況において無事にCCO完了を許可することにある。このことは、無線端末が、一貫してかつ確実に、失敗かつ否定的なユーザー経験の結果となる上述した状況においてシステム間の変更を成功させることを許可する。
【0056】
ISR状態に関係なく、GERANへの選択を成功した後に無線端末がRAアップデートを起こすこれらのシステム間変更において、クレームされた発明の特徴によると、発明の特徴は、コネクティッドモードにおけるハンドオーバを介してE-UTRANとGERANとのシステム間変更とコネクティッドモードにおけるCCOを介してE-UTRANとGERANとのシステム間変更とを同列にする。同列のレベルは、CCOにおける保留されているアップリンクデータもしくはリクエストが考慮されるか否かに依存する。
【0057】
発明は、ソフトウェアかつ/もしくはハードウェアにおいて実現されてもよいことが理解される。もしソフトウェアにおいて実現される場合、ソフトウェアは、例えば、CD ROM、電子メモリもしくはコンピュータネットワーク上において送信される信号のような伝送媒体において提供される。ソフトウェアは、ソフトウェアもしくはクレームされた特徴に直接関連する機能以外の機能を実行するプログラミングコードをまとめてもよい。ソフトウェアは、離れたモジュールとして存在しない。ソフトウェアは、コンピュータもしくはプロセッサにおけるオペレーティングシステムにまとめられる。
【0058】
この出願は、2012年3月30日に出願された英国特許出願第1205827.7号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0059】
発明は、システム間変更に関連し、特に、異なる無線アクセスネットワーク間の無線端末の改良されたシステム間変更に関する。
【符号の説明】
【0060】
102 eNB
106 MME/S-GW
108 MME/S-GW
202 EPC
206 MME
208 S-GW
302 wireless terminal
304 E-UTRAN MME
306 GERAN SGSN