特許第6587082号(P6587082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587082
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】締結ユニット、および自転車用タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 7/24 20060101AFI20191001BHJP
   B60C 7/00 20060101ALI20191001BHJP
   B60B 21/00 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   B60C7/24
   B60C7/00 B
   B60B21/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2018-551290(P2018-551290)
(86)(22)【出願日】2017年8月11日
(65)【公表番号】特表2019-514771(P2019-514771A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】KR2017008725
(87)【国際公開番号】WO2018139722
(87)【国際公開日】20180802
【審査請求日】2018年11月9日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0011776
(32)【優先日】2017年1月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0020702
(32)【優先日】2017年2月15日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0020703
(32)【優先日】2017年2月15日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518341460
【氏名又は名称】タンナス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン ギ
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 実開平7−28703(JP,U)
【文献】 実開平7−30103(JP,U)
【文献】 特開2013−244947(JP,A)
【文献】 特開2006−143187(JP,A)
【文献】 特表2011−527974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 7/00− 7/28
B60C 15/00−15/06
B60B 3/00− 3/18
B60B 21/00−21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソリッドタイヤの径方向の内側部分のリムへの締結のための締結ユニットにおいて、
前記リムは、
環状の基部と、
前記基部の両側部から前記径方向の外側に延在する一対のフランジと、
前記一対のフランジの前記径方向の外側の端部から延在する一対のフックと、を有し、
前記締結ユニットは、上面、下面および一対の側面部を含み、前記ソリッドタイヤの前記内側部分に設けられ、
前記締結ユニットの最大長さは、前記一対のフック間の距離より長く、
前記一対の側面部は、前記リムへの前記締結ユニットの挿入進行状態で前記締結ユニットが前記一対のフランジ間入されるに前記一対のフックに接触可能であり
前記リムへの前記締結ユニットの挿入完了状態で、前記上面の少なくとも一部は、前記一対のフック接触して前記締結ユニットが前記リムから離脱することを防止し、
下記数1〜数3を満たすものである、締結ユニットであって、
【数1】
ここで、Lは、前記締結ユニットの最大長さ、Lは、前記一対のフック間の長さ、Pは、前記一対のフランジ内壁から前記一対のフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、hは、前記締結ユニットの前記上面から前記下面までの最大高さ、および、Hは、前記一対のフランジの前記内壁の高さを示し、
【数2】
ここで、hは、前記締結ユニットの前記上面から前記下面までの最大高さ、および、Hは、前記一対のフランジの前記内壁の高さを示し、
【数3】
ここで、lは、前記一対の側面部間の最小長さ、Lは、前記一対のフック間の長さ、Pは、前記一対のフランジの前記内壁から前記一対のフックが突出した最大長さ、Rは、前記フック厚さの1/2、bは、前記締結ユニットの前記上面から前記下面までの最大高さおよび0.5×(前記締結ユニットの最大長さ−前記一対の側面部間の最小長さ)のうち長いものを示す、締結ユニット。
【請求項2】
前記締結ユニットの屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むものである、請求項1に記載の締結ユニット。
【請求項3】
前記一対のフランジ間に前記締結ユニットが挿入される際に、前記一対の側面部のそれぞれの前記一対のフックのそれぞれに接触可能な領域の長さcは、下記数4を満たすものである、締結ユニットであって、
【数4】
ここで、Δaは、前記下面の末端から前記上面の最上部の水平延長仮想線と前記締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで水平方向に延びた長さ、および、Δbは、前記下面の末端から前記上面の最上部の水平延長仮想線と前記締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで垂直方向に延びた長さを示す、請求項1または2に記載の締結ユニット。
【請求項4】
前記リムへの前記締結ユニットの挿入完了状態で、前記締結ユニットの前記一対の側面部の少なくとも一部は、前記一対のフランジ内壁間の摩擦によって前記一対のフランジの前記内壁に対して所定の固定力を有するものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の締結ユニット。
【請求項5】
前記ソリッドタイヤは、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の締結ユニット。
【請求項6】
前記一対の側面部のそれぞれと前記上面がなす角xは、0゜<x<90゜を満たすものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の締結ユニット。
【請求項7】
前記締結ユニットは、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT、フルオロ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むものである、請求項1から6のいずれか一項に記載の締結ユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項記載の締結ユニットにより前記リムと前記ソリッドタイヤが結合された、自転車用タイヤ。
【請求項9】
前記締結ユニットの前記一対の側面部の少なくとも一部は、前記一対のフランジの前記内壁の面に接触して結合されたものである、請求項8に記載の自転車用タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、自転車用リム(rim)へのタイヤの締結のための締結ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境への優しさ、低炭素運動に対する認識が拡大されるにつれ、都市型、山岳型自転車等の普及が広く拡散されている。通常用いられているチューブ内蔵型空気タイヤの場合は、パンクの恐れが高く、時間が長く経過するほどチューブに注入された空気が漏れて、空気をまた注入しなければならない等の不便さがある。
【0003】
このような問題を解消するために、近年、空気タイヤの代わりにソリッドタイヤ(solid tire)への需要が増加している。ソリッドタイヤは、空気でないゴムだけからなるタイヤであって、空気タイヤに比べて長期使用が可能で、パンクの危険がないという長所があり、このようなタイヤは、固定用ピン(言い換えれば、リム固定部、締結ユニット等)によってリムに装着(または取り付け、固定)できる。
【0004】
ところが、このようなタイヤをリムに取り付けて走行するにあたって、タイヤに加えられる衝撃が左右方向のいずれかの方向に偏る場合は、タイヤの固定用ピンがリムから離脱することでタイヤがリムから分離されて安全事故の問題につながり得る。従って、このような問題を解消できる技術に対する開発が要求される。
【0005】
本願の背景となる技術は、大韓民国登録特許公報第0943331号に開示されている。前記大韓民国登録特許公報は、ストッパーによりタイヤがリムに取り付けられる構造について開示しているが、リムとタイヤの脱着を防止するためにストッパーが持っていなければならない形状の条件または物性の条件等に対しては全く認識できていない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、前述した従来の技術の問題点を解決するためのものであって、自転車リムに取り付けられたタイヤに外部衝撃等が加えられても、タイヤがリムから離脱しないようにする締結ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
本願は、前述した従来の技術の問題点を解決するためのものであって、タイヤがリムから分離されることで引き起こされる安全事故問題を防止できるようにするリムへのタイヤの締結のための締結ユニットを提供することを目的とする。
【0008】
ただし、本願の実施例が解決しようとする技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されず、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の技術的課題を達成するための技術的手段であって、本願の第1側面に係る締結ユニットは、上面、下面および側面部を含み、前記締結ユニットの最大長さは、前記リムの両フック間の距離より長く、前記側面部は、前記リムへの前記締結ユニットの挿入進行状態で締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるように前記リムのフックに対する摺動が可能な摺動領域を含み、前記リムへの前記締結ユニットの挿入完了状態で、前記上面の少なくとも一部は、前記フックの底面に接触して前記締結ユニットがリムから離脱することを防止し、下記数1〜数3を満たし得る。
【0010】
ここで、数1は、
【数1】
であり、数1において、Lは、締結ユニットの最大長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す。
【0011】
また、数2は、
【数2】
であり、数2において、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す。
【0012】
また、数3は、
【数3】
であり、数3において、lは、側面部間の最小長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、bは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さおよび0.5×(締結ユニットの最大長さ−側面部間の最小長さ)のうち長いものを示す。
【0013】
上述の技術的課題を達成するための技術的手段であって、本願の第2側面に係る締結ユニットは、中間部材、前記中間部材から左側に延びる左側部材、および前記中間部材から右側に延びる右側部材を含み、前記左側部材および前記右側部材は、第1側面部および第2側面部を含み、前記第2側面部は、前記リムへの前記締結ユニットの挿入進行状態で締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるように前記リムのフックに対する摺動が可能な摺動領域を含み、前記締結ユニットの最大長さは、前記左側部材の第1側面部の少なくとも一部が左側のリムフランジ内壁に面接触し、前記右側部材の第1側面部の少なくとも一部が右側のリムフランジ内壁に面接触した進入完了状態で前記締結ユニットに弾性反り変形が発生するように、リムフランジ内壁間の距離より長く、前記左側部材の第1側面部および/または前記右側部材の第1側面部は、前記弾性反り変形により作用される弾性反り復元力によりリムフランジ内壁に面接触するように備えられ得る。
【0014】
上述の技術的課題を達成するための技術的手段であって、本願の第3側面に係る締結ユニットは、中間部材、前記中間部材から左側に延びる左側部材、および前記中間部材から右側に延びる右側部材を含み、前記中間部材の上面には、中央部分の左側部分に一つ以上の左側溝が形成され、および/または、中央部分の右側部分に一つ以上の右側溝が形成され得る。
【0015】
本願の第4側面に係る自転車用タイヤは、前記の締結ユニットによりリムとタイヤが結合され得る。
【0016】
上述の課題の解決手段は、単に例示的なものであって、本願を制限しようとする意図で解釈されてはならない。上述の例示的な実施例の他にも、図面および発明の詳細な説明にさらなる実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0017】
前述した本願の課題の解決手段によれば、リムへの締結ユニットの挿入進行状態では、締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるようにし、挿入完了状態では、締結ユニットの上面の少なくとも一部がフックの底面に接触するようにする締結ユニットを提供することで、タイヤに外部衝撃等が加えられても締結ユニットがリムから離脱することを防止できる効果がある。
【0018】
前述した本願の課題の解決手段によれば、タイヤとリムが結合したとき、リムの内部に余裕空間を確保できる効果がある。
【0019】
前述した本願の課題の解決手段によれば、締結ユニットを通してタイヤがリムから分離されることで引き起こされる安全事故問題を防止できる効果がある。
【0020】
前述した本願の課題の解決手段によれば、リムへの締結ユニットの挿入進行状態では締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるようにし、左側部材の第1側面部および/または右側部材の第1側面部が弾性反り復元力によりリムフランジ内壁に面接触するように備えられることで、タイヤに外部衝撃等が加えられても締結ユニットがリムから離脱することを防止できる効果がある。
【0021】
また、左側部材の第1側面部および/または右側部材の第1側面部が弾性反り復元力によりリムフランジ内壁に面接触するように備えられることで、前記リムと前記締結ユニットとの間の接着力が強くなり、これによって、リムと前記締結ユニットとの間の摩擦により発生する騒音等が減少する効果が達成できる。
【0022】
前述した本願の課題の解決手段によれば、締結ユニットがリムの内部に余裕空間が確保されるようにユニットがリムフランジ内壁に面接触することで、タイヤとリムとの間の結合力を向上させ、締結ユニットに対する取り替えが要求されるとき、締結ユニットをリムから容易に抜けるようにすることができる効果がある。
【0023】
前述した本願の課題の解決手段によれば、中間部材の上面に形成された左側溝および/または前記右側溝により、同一の曲げ力に対して中央部分の反り変形量より左側部分および/または前記右側部分の反り変形量が大きくなることで、リムへの締結ユニットの取り付けは容易になりながらも、リムに締結ユニットが挿入完了した以後には、リムへの締結ユニットの脱着力が減少するようにすることができる効果がある。
【0024】
前述した本願の課題の解決手段によれば、左側部材および/または右側部材の摺動領域により、リムへの締結ユニットの挿入進行状態では、締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるようにし、リムへの締結ユニットの挿入完了状態では、締結ユニットの上面の少なくとも一部がフックの底面に接触するようにする締結ユニットを提供することで、締結ユニットをリムに容易に挿入するとともに、タイヤに外部衝撃等が加えられても締結ユニットがリムから離脱することを防止できる効果がある。
【0025】
前述した本願の課題の解決手段によれば、リムへの締結ユニットの挿入完了状態で締結ユニットの摺動領域の少なくとも一部がリムのフランジ内壁に面接触して結合されることで締結ユニットがフランジ内壁に対して所定の固定力を有することにより、リムと締結ユニットとの間の摩擦により発生する騒音を減少させることができる効果がある。
【0026】
ただし、本願から得ることができる効果は、上述されたような効果に限定されず、また他の効果が存在し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムから分離された状態を示す図である。
図2a】側面部に傾斜のない締結ユニットと側面部に傾斜のある締結ユニットに対して、締結ユニットがリムに挿入される時の過程を概略的に示す図である。
図2b】本願の他の一具現例に係る締結ユニットの形状の例を示す図である。
図3】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムに挿入された以後にリムから離脱することを防止するための条件を説明するための図である。
図4】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムに挿入されたとき、リム内に余裕空間を確保するための条件を説明するための図である。
図5】本願の一具現例に係る締結ユニットが摺動を通してリムに挿入されるための条件を説明するための図である。
図6】本願の一具現例に係る締結ユニットの摺動領域の長さを説明するための図である。
図7】本願の一実施例に係る締結ユニットに対して遂行されたシミュレーション結果を示す図である。
図8】本願の一具現例に係る締結ユニットに対する物性条件を説明するための図である。
図9】本願の一実施例に係る締結ユニットの屈曲弾性率の範囲に対するシミュレーション結果を示す図である。
図10】本願の一具現例に係る締結ユニットによりリムとタイヤが結合された自転車用タイヤの断面を概略的に示す図である。
図11】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムから分離された状態およびリムに結合された状態を示す図である。
図12】(a)側面部に傾斜のない締結ユニットと、(b)側面部に傾斜のある本願の一具現例に係る締結ユニットに対して、締結ユニットがリムに挿入される時の過程を概略的に示す図である。
図13】本願の一具現例に係る締結ユニットがリム内に挿入完了した状態でリム内に余裕空間がない場合の状態を示す図である。
図14】本願の一具現例に係る締結ユニットがリム内に挿入完了した状態で締結ユニットが厚くてリム内に余裕空間がない場合の状態を示す図である。
図15】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムに挿入された以後にリムから離脱することを防止するための条件を説明するための図である。
図16】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムに挿入されたとき、リム内に余裕空間を確保するための条件を説明するための図である。
図17】本願の一具現例に係る締結ユニットが摺動を通してリムに挿入されるための条件を説明するための図である。
図18】本願の一実施例に係る締結ユニットに対して遂行されたシミュレーション結果を示す図である。
図19】本願の一具現例に係る締結ユニットに対する物性条件を説明するための図である。
図20】本願の一具現例に係る締結ユニットによりリムとタイヤが結合された自転車用タイヤの断面を概略的に示す図である。
図21】本願の一具現例に係る締結ユニットがリムから分離された状態を示す図である。
図22】本願の他の一具現例に係る締結ユニットの上面に形成される左側溝および右側溝を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下においては、添付の図面を参照して本願の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本願の実施例を詳細に説明する。しかし、本願は、様々な異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面において本願を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通して類似した部分に対しては、類似した図面符号を付している。
【0029】
本願明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、それは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」または「間接的に連結」されている場合も含む。
【0030】
本願明細書の全体において、ある部材が他の部材の「上に」、「上部に」、「上段に」、「下に」、「下部に」、「下段に」位置しているとするとき、それは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0031】
本願明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0032】
本願は、リム(rim)へのタイヤの締結のための締結ユニットにおいて、締結のために締結ユニットがリムに挿入中の状態では、締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるようにし、リムに挿入が完了した状態では、締結ユニットが外部衝撃等によりリムから離脱することを防止できるようにする締結ユニットに関する。
【0033】
以下においては、本願の第1側面に係る締結ユニットについて具体的に説明する。
【0034】
図1は、本願の一具現例に係る締結ユニットがリムから分離された状態を示す図である。
【0035】
図1を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、自転車用リム(rim)20へのタイヤの締結のための締結ユニット、即ち、タイヤをリム20に締結させるために利用されるユニットを意味し得る。締結ユニット10は、言い換えれば、固定用ピン、リム固定部等と呼ばれることがあり、これに限定されるものではない。
【0036】
具体的な説明に先立ち、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、締結ユニット10をリム20に挿入するとき、締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入され得るように締結ユニット10の両側面部が所定の傾斜をなすように形成され得る。このとき、本願の一具現例に係る締結ユニット10の場合は、側面部と上面がなす角が0゜<x<90゜を満たし得る。これは、図2aを参照してより容易に理解され得る。
【0037】
図2aは、側面部に傾斜がない場合、即ち、締結ユニットの側面部と上面がなす角度(x)が90゜である締結ユニットと側面部に傾斜のある(0゜<x<90゜)締結ユニットに対して、締結ユニットがリムに挿入される時の過程を概略的に示す図である。具体的に、図2aの(a)は、側面部に傾斜のない締結ユニットがリムに挿入される時の過程を示し、図2aの(b)は、本願の一具現例に係る締結ユニット10のように側面部に傾斜のある締結ユニットがリムに挿入される時の過程を示す。
【0038】
図2aを参照すると、(a)のように側面部に傾斜のない締結ユニットは、(b)のように側面部に傾斜のある締結ユニットに比べて、相対的に締結ユニットがリムのフックの内側に進入するとき、締結ユニットに多くの変形が現れることを確認することができる。
【0039】
言い換えれば、締結ユニットをリムに挿入するためには、側面部に傾斜のない締結ユニットが側面部に傾斜のある締結ユニットに比べて遥かに多く反らなければならないことを確認することができる。これは、リムに締結ユニットを挿入するにあたって、側面部に傾斜のある締結ユニットより側面部に傾斜のない締結ユニットにさらに多くの力が加えられなければならないことを意味し、または側面部に傾斜のある締結ユニットより側面部に傾斜のない締結ユニットがさらに大きな柔軟性を有しなければならないことを意味する。従って、締結ユニットをリムに挿入するにあたって、側面部に傾斜のない締結ユニットは、側面部に傾斜のある締結ユニットに比べて相対的にさらに大きな力を要し、作製条件がややこしい短所がある。仮に、締結ユニットが相当な柔軟性を有する場合は、リムに容易に挿入できるが、挿入された以後に締結ユニットが容易に離脱し得、安全性に劣る問題がある。
【0040】
従って、側面部と上面がなす角が90゜以上である締結ユニットは、リム内に挿入するのに困難が伴うので、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、側面部と上面がなす角が0゜<x<90゜を満たす締結ユニットを提供することにより、大きな力を入れることなく締結ユニット10をリムに容易に挿入することができ、所定の柔軟性を要するので作製に容易である長所がある。また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、所定の柔軟性を有することにより、リムに容易に挿入できながらも、挿入が完了した状態では、締結ユニットがリムから容易に離脱しないようにしてより安全性を向上させることができる長所がある。より具体的な説明は、次のとおりである。
【0041】
図1を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20に挿入され得、上面11、下面12および側面部13、14を含むことができる。ここで、側面部13、14は、図1の図面を基準に、締結ユニットの左側に形成される左側面部13および締結ユニットの右側に形成される右側面部14を含むことができる。
【0042】
前記リムへの前記締結ユニットの挿入完了状態で、前記上面11は、リム20のフック21a、21bの底面に接触して前記締結ユニットがリムから離脱することを防止する。そこで、前記上面11は、リムとタイヤの結合状態で、前記フック21a、21bの底面に接触する一部を含む一面であってよい。前記上面11上には、リムとタイヤの結合力を増加させるための追加部材が形成され得る。
【0043】
締結ユニット10の最大長さLは、リム20の両フック21a、21b間の距離Lより長くてよい。ここで、図1に示された締結ユニット10の形状は、本願の理解を助けるための一つの具現例であるだけで、これに限定されるものではなく、一例として、締結ユニット10の両側面部13、14の形状は多様に具現され得る。これは、図2bを参照してより容易に理解され得る。
【0044】
図2bは、本願の他の一具現例に係る締結ユニットの形状の例を示す図である。
【0045】
図2bを参照して簡単に検討すると、本願の他の一具現例に係る締結ユニットの側面部は、図2bの(a)のように二重角をなす形状であってよく、または図2bの(b)のように締結ユニットの上面に対して陽角をなす線と曲線が共に混ざり合った形状であってよい。また、本願の他の一具現例に係る締結ユニットの側面部は、図2bの(c)のように外側方向に突出した形状であってよく、図2bの(d)のように締結ユニットの上面に対して突出した突起形状であってよく、図2bの(e)のように側面部に別途の切断可能な部材が結合された形状であってよい。先の具現例は、本願の理解を助けるための例示であるだけで、これに限定されるものではなく、より多様に具現可能である。これによれば、先に述べた締結ユニットの最大長さまたは後述する締結ユニットに対する下面から上面の最上部までの長さ等は、各形状に応じてその長さが決定され得る。
【0046】
再び図1を参照すると、側面部13、14は、リム20への締結ユニット10の挿入進行状態で締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入されるように、リム20のフック21a、21bに対する摺動が可能な摺動領域を含むことができる。また、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態では、締結ユニット10の上面11の少なくとも一部がフック21a、21bの底面に接触することで、締結ユニット10がリム20から離脱することが防止され得る。
【0047】
このように、摺動を通して締結ユニット10がリム20に容易に挿入され、リム20に挿入された締結ユニット10がリム20から容易に離脱することを防止するために、締結ユニット10は、後述する条件を満たさなければならず、より詳細な説明は、次のとおりである。
【0048】
図3は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20に挿入された以後にリム20から離脱することを防止するための条件を説明するための図である。
【0049】
図3を参照すると、締結ユニット10がリム20に挿入完了した状態で、外部等の衝撃によって締結ユニット10がリム20から離脱することを防止するためには、締結ユニット10の最大長さが下記数1を満たし得る。
【0050】
【数1】
【0051】
ここで、Lは、締結ユニット10の最大長さを示し、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示す。また、Pは、リム20のフランジ内壁から左側のフック21aまたは右側のフック21bが突出した最大長さ、Rは、フック21a、21b厚さの1/2、hは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さを示し、Hは、リム20でフランジ内壁の高さを示す。
【0052】
仮に、締結ユニット10の最大長さLが前記数1の条件を満たさない場合(即ち、最大長さLが数1の条件より小さい場合)は、自転車が移動中の時にタイヤに加えられる外力によってリム20内に挿入された締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得る。従って、締結ユニット10の最大長さLは、前記数1の条件を満たすことが好ましい。
【0053】
一方、図4は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20に挿入されたとき、リム20内に余裕空間を確保するための条件を説明するための図であって、図4は、締結ユニット10がリム20に挿入完了した状態を示す。
【0054】
図4を参照すると、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態では、締結ユニット10の上面11の少なくとも一部がリム20の両フック21a、21bの底面に接触することで、外部衝撃等により締結ユニット10がリム20から離脱することを防止することができる。ここで、締結ユニット10がリム20に挿入されるにあたって、タイヤとリム20の結合以後にリム20内に余裕空間を確保するためには、締結ユニット10の最大高さが下記数2を満たし得る。
【0055】
【数2】
【0056】
ここで、hは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さを示し、Hは、リム20のフランジ内壁の高さを示す。
【0057】
これによれば、リム20内の余裕空間確保のために、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さhは、フランジ内壁の高さHより小さいか同じであってよい。
【0058】
仮に、リム20内に締結ユニット10が挿入完了した状態で、締結ユニット10の下面とリム20の下面の内側面間に余裕空間が存在しない場合は、例えば、締結ユニット10を取り替えようとするとき、締結ユニット10をリム20から取り出すことが難しい問題がある。また、リム20内に挿入完了した締結ユニット10によりリム20内に余裕空間が存在しない場合は、締結ユニット10の下面の外側面を囲むタイヤが存在できなくなるにつれ、タイヤがリム20にまともに結合できなくなることがある。このような場合、締結ユニットをリム20内に挿入したにもかかわらず、タイヤがリム20から容易に分離され得る。従って、締結ユニット10の最大高さhは、前記数2の条件を満たすことが好ましい。
【0059】
図5は、本願の一具現例に係る締結ユニット10が摺動を通してリム20に挿入されるための条件を説明するための図である。
【0060】
図5を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、摺動を通してリム20に挿入されるために、側面部13、14間の最小長さが下記数3を満たし得る。
【0061】
【数3】
【0062】
ここで、lは、締結ユニット10の両側面部13、14間の最小長さを示し、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示し、Pは、リム20のフランジ内壁からフック21a、21bが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2を示す。また、bは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さhと、締結ユニット10の最大長さLから側面部13、14間の最小長さlを引いた長さの半分に該当する長さのうち長いものを示し得る。言い換えれば、bは、「h」値と「0.5×(L−l)(言い換えれば、(L−l)/2)」値のうちさらに大きな値を示し得る。
【0063】
仮に、締結ユニット10の両側面部13、14間の最小長さlが前記数3の条件を満たさず長すぎる場合は、先に述べた図2aの(a)のように、締結ユニット10が多く反るか、または挿入時に大きな力を要するようになるにつれ、締結ユニット10をリム20内に挿入するのに困難が伴うことがあり、または挿入自体が不可能になり得る。また、最小長さlが長すぎる場合は、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態でリム20内に余裕空間が存在しなくなる問題がある。従って、本願の一具現例に係る締結ユニット10の両側面部13、14間の最小長さlは、前記数3の条件を満たすことが好ましい。
【0064】
加えて、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に容易に挿入されるために、先に述べたように、締結ユニット10の上面11と側面部13、14との間の角度xが0゜<x<90゜を満たすように形成され得る。
【0065】
一方、図6は、本願の一具現例に係る締結ユニットの摺動領域の長さを説明するための図である。
【0066】
図6を参照すると、先に述べたように、本願の一具現例に係る締結ユニット10の側面部13、14は、図1のように直線形状であってよいが、これに限定されるものではなく、図6のように曲線形状を有する締結ユニット10'であってよい。一例として、図6のように側面部と上面が突起形状を有する締結ユニット10'では、側面部の摺動領域cの長さが、締結ユニットの上面の最上部から下面までつながる楕円形曲線の長さを意味し得る。
【0067】
これによれば、本願の一具現例に係る締結ユニット10、10'において、摺動領域の長さcは、下記数4を満たし得る。
【0068】
【数4】
【0069】
ここで、Δaは、下面12の末端から上面11の最上部の水平延長仮想線と締結ユニット10、10'の最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで水平方向に延びた長さを示し、Δbは、下面12の末端から上面11の最上部の水平延長仮想線と締結ユニット10、10'の最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで垂直方向に延びた長さを示し得る。
【0070】
一方、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態で、締結ユニット10の摺動領域の少なくとも一部は、リム20のフランジ内壁間に摩擦によってフランジ内壁に対して所定の固定力を有することができる。ここで、締結ユニット10がリム20に挿入された図4のような状態で締結ユニット10がリム20内で該当位置での固定力を有するためには、締結ユニット10が「L>L+2P」の条件を満たし得る。即ち、締結ユニット10の最大長さLは、リム20の両フック間の長さLに両側のフック21a、21bそれぞれがリム20のフランジ内壁から突出した最大長さ(即ち、2P)を足した値より大きく設定されることで、締結ユニット10は、リム20内で所定の固定力を有することができる。
【0071】
このように、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、前記の数1〜数3、加えて数4を満たす形状を有することで、締結ユニット10をリム20に挿入する時には大きな力を入れることなく容易に挿入することができ、締結ユニット10がリム20内に挿入された以後には締結ユニット10がリム20から離脱しないようにリム20内に固定することができる。
【0072】
図7は、本願の一実施例に係る締結ユニット10に対して遂行されたシミュレーション結果を示す図である。具体的に、図7は、締結ユニット10の適合性を判定するために、締結ユニット10が数1〜数3それぞれの条件を満たすか否かによるシミュレーション結果を示す。図7において、数値は、mm単位の値を示す。
【0073】
図7を参照すると、本願の一実施例に係る締結ユニット10に対するシミュレーション結果、締結ユニット10が数1〜数3に対する条件の少なくともいずれか一つの条件を満たさない場合(即ち、数1〜3のいずれか一つでもXである場合)は、リム20へのタイヤの締結用ユニットとしての適合性判定に対する総合判定結果がXであること、即ち、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして不適なものと示されることを確認することができる。
【0074】
これに対し、本願の一具現例に係る締結ユニット10が数1〜3に対する全ての条件を満たす場合は、リム20へのタイヤの締結用ユニットとしての適合性判定に対する総合判定結果がOであること、即ち、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして適しているものと示されることを確認することができる。
【0075】
ここで、総合判定結果に対する意味を簡単に検討すると、締結ユニット10が数1の条件を満たさないということ(即ち、数1がXである場合)は、締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得るということを意味し、締結ユニット10が数2の条件を満たさないということ(即ち、数2がXである場合)は、締結ユニット10がリム20に挿入完了したとき、リム20内に余裕空間がないということを意味し得る。また、締結ユニット10が数3の条件を満たさないということ(即ち、数3がXである場合)は、締結ユニット10を摺動を通してリム20内に容易に挿入できないということを意味し得る。
【0076】
従って、総合判定結果がOであるとは、本願の一具現例に係る締結ユニット10が数1〜数3の条件を全て満たすものであることを意味するものであって、これは、本願の一具現例に係る締結ユニット10が、リム20内に締結ユニット10を容易に挿入することができながら、リム20内に挿入完了した状態では、リム20内に余裕空間を確保するとともに締結ユニット10がリム20から容易に離脱することを防止できる形状であることを意味するところ、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして適しているものと理解され得る。
【0077】
一方、図8は、本願の一具現例に係る締結ユニット10に対する物性条件を説明するための図である。
【0078】
図8を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10の場合、リム20とタイヤとの間の結合以後に締結ユニット10に加えられる荷重Fにより反らないようにするために、締結ユニットの屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むことができる。即ち、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、荷重により反らないようにするために、屈曲弾性率Ebendが140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むようにする物性条件を満たし得る。これは、図9を参照してより容易に理解され得る。
【0079】
図9は、本願の一実施例に係る締結ユニット10の屈曲弾性率の範囲に対するシミュレーション結果を示す図である。
【0080】
図9を参照すると、本願の一実施例に係る締結ユニット10に対する屈曲弾性率に対するシミュレーション結果、締結ユニット10の屈曲弾性率が140Mpa以下である場合は、締結ユニット10があまりにもよく反ってリム20から容易に抜けるものと示され、締結ユニット10の屈曲弾性率が7600Mpa以上である場合は、締結ユニット10があまりにも反らないことで、一例として、締結ユニット10を取り替えようとする場合、取り替えが不可能であるものと示された。
【0081】
従って、本願の一具現例に係る締結ユニット10が荷重によりあまりにも反るか、またはあまりにも反らないようにしないための条件として、締結ユニット10の屈曲弾性率が140Mpa以上7600Mpa以下の値を有するように形成され得る。
【0082】
ここで、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20の両フック間の距離Δhが20mmであり、締結ユニット10の最大長さLが21.5mmであり、締結ユニット10の幅wが5mmであり、締結ユニット10の高さhは2.5mmであり、荷重Fが20kgf(196N)である条件下での屈曲弾性率が最も好ましいものと示された。
【0083】
一方、図10は、本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20とタイヤ30が結合された自転車用タイヤの断面を概略的に示す図である。
【0084】
図10を参照すると、本願の一具現例によれば、本願は、先に説明した本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20とタイヤ30が結合された自転車用タイヤを提供することができる。
【0085】
ここで、締結ユニット10の側面部13、14の少なくとも一部は、リム20のフランジ内壁の面に接触して結合され得、言い換えれば、側面部13、14の少なくとも一部は、フランジ内壁に面接触して結合され得る。
【0086】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、ナイロン(Nylon)、ポリエチレン(PolyEthylene、PE)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、アセタール(acetal)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile−butadiene−styrene)、ポリカーボネート(Polycarbinate、PC)、ポリアセタール(Polyacetal)、PBT、フルオロ樹脂(Fluororesin)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むことができ、各成分についてのより具体的な説明は省略する。
【0087】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20に結合されるタイヤ30は、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むことができ、これにのみ限定されるものではない。
【0088】
本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に挿入する時には容易に挿入されるようにしながら、リム20内に挿入完了した状態ではリム20から容易に離脱しない形状であり、また、リム20内に余裕空間が確保されるようにリム20に挿入されることでタイヤ30の一部が締結ユニット10の下面の外側面を囲むようになるので、該当自転車がより安定して走行できるようにすることができる。
【0089】
以下においては、本願の第2側面に係る締結ユニットについて具体的に説明する。
【0090】
図11は、本願の一具現例に係る締結ユニットがリムから分離された状態を示す図である。
【0091】
図11を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、自転車用リム(rim)20へのタイヤの締結のための締結ユニット、即ち、タイヤをリム20に締結させるために利用されるユニットを意味し得る。締結ユニット10は、言い換えれば、固定用ピン、リム固定部等と呼ばれることがあり、これに限定されるものではない。
【0092】
本願の一具現例に係る締結ユニット10は、締結ユニット10をリム20に挿入するとき、締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入され得るように締結ユニット10の両側面部(即ち、両側部材であって、後述する左側部材13と右側部材14)が締結ユニット10の上面に対して所定の傾斜をなすように形成され得る。より詳細には、本願の一具現例に係る締結ユニット10の場合、左側部材13は、第1側面部13aおよび第2側面部13bを含み、右側部材14は、第1側面部14aおよび第2側面部14bを含むことができる。このとき、左側部材13は、言い換えれば、左側面部13といえ、右側部材14は、言い換えれば、右側面部14といえる。また、第1側面部13a、14aと上面11がなす角度、即ち、左側の第1側面部13aと上面11がなす角度および/または右側の第1側面部14aと上面11がなす角度であるθは、0゜<θ<90゜を満たし得る。また、第1側面部13a、14aと上面11がなす角θと、第2側面部13b、14bと上面11がなす角θは、θ>θの関係を満たし得る。一方、第1側面部13a、14aと上面がなす角度および/またはθとθとの間の関係が前記の条件を満たすことによる効果は、図12を参照してより容易に理解され得る。
【0093】
図12は、側面部に傾斜のない締結ユニット(即ち、締結ユニットの側面部と上面がなす角度が90゜である締結ユニット)と側面部に傾斜のある締結ユニット(即ち、本願の一具現例に係る締結ユニットのように、第1側面部13a、14aと上面がなす角度θは0゜<θ<90゜であり、θがθより大きな締結ユニット)に対して、締結ユニットがリムに挿入される時の過程を概略的に示す図である。具体的に、図12(a)は、側面部に傾斜のない締結ユニットがリムに挿入される時の過程を示し、図12(b)は、本願の一具現例に係る締結ユニット10のように、側面部に傾斜のある締結ユニットがリムに挿入される時の過程を示す。
【0094】
図12を参照すると、図12(a)のように側面部に傾斜のない締結ユニットは、図12(b)のように側面部に傾斜のある締結ユニットに比べて、相対的に締結ユニットがリムのフックの内側に進入するとき、締結ユニットに多くの変形が現れることを確認することができる。
【0095】
言い換えれば、締結ユニットをリムに挿入するためには、側面部に傾斜のない締結ユニットが側面部に傾斜のある締結ユニットに比べて遥かに多く反らなければならないことを確認することができる。これは、リムに締結ユニットを挿入するにあたって、側面部に傾斜のある締結ユニットより側面部に傾斜のない締結ユニットにさらに多くの力が加えられなければならないことを意味し、または側面部に傾斜のある締結ユニットより側面部に傾斜のない締結ユニットがさらに大きな柔軟性を有しなければならないことを意味する。従って、締結ユニットをリムに挿入するにあたって、側面部に傾斜のない締結ユニットは、側面部に傾斜のある締結ユニットに比べて相対的にさらに大きな力を要し、作製条件がややこしい短所がある。仮に、締結ユニットが相当な柔軟性を有する場合は、リムに容易に挿入できるが、挿入された以後に締結ユニットが容易に離脱し得、安全性に劣る問題がある。
【0096】
従って、側面部と上面がなす角が90゜以上である締結ユニットは、リム内に挿入するのに困難が伴うので、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、第1側面部13a、14aと上面11がなす角θが0゜<θ<90゜を満たし、第1側面部13a、14aと上面11がなす角θと第2側面部13b、14bと上面11がなす角θがθ>θの関係を満たす締結ユニットを提供することにより、大きな力を入れることなく締結ユニット10をリムに容易に挿入することができ、所定の柔軟性を要するので作製に容易である長所がある。
【0097】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、所定の柔軟性を有することにより、リムに容易に挿入できながらも、挿入が完了した状態では、締結ユニットがリムから容易に離脱しないようにしてより安全性を向上させることができる長所がある。より具体的な説明は、次のとおりである。
【0098】
図11を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、自転車用リム20に挿入され得、中間部材、中間部材から左側に延びる左側部材13および中間部材から右側に延びる右側部材14を含むことができる。ここで、左側部材13は、図11の図面上で締結ユニット10の左側面に形成された部材を意味するものであって、言い換えれば、左側面部といえる。また、右側部材14は、図11の図面上で締結ユニット10の右側面に形成された部材を意味するものであって、言い換えれば、右側面部といえる。また、締結ユニット10は、上面11と下面12を含むことができ、中間部材は、上面11と下面12に対応する部材の少なくとも一部を意味し得る。また、中間部材、左側部材13および右側部材14は、同じ物質からなり得るが、これに限定されるものではない。
【0099】
左側部材13は、第1側面部13aおよび第2側面部13bを含み、右側部材14は、第1側面部14aおよび第2側面部14bを含むことができる。また、第2側面部13b、14bは、リム20への締結ユニット10の挿入進行状態で締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入されるように、リム2のフック21a、21bに対する摺動が可能な摺動領域を含むことができる。ここで、一例としては、第2側面部13b、14bが摺動領域を含むといっただけであるが、これに限定されるものではなく、第1側面部13a、14aもまた摺動領域を含むことができる。
【0100】
また、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態では、締結ユニット10の上面11の少なくとも一部がフック21a、21bの底面に接触することで、締結ユニット10がリム20から離脱することが防止され得る。このとき、摺動を通して締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入されるようにするためには、締結ユニット10の両側部材13、14の間の最小長さl、即ち、下面12の最小長さが後述する条件を満たさなければならず、また、リム20内に挿入された締結ユニット10が外部等の衝撃によってリム20から離脱することを防止するためには、締結ユニット10の最大長さLが後述するまた他の条件を満たさなければならず、これについての説明は、後述してより詳細に説明する。
【0101】
前記リムへの前記締結ユニットの挿入完了状態で、前記上面11は、リム20のフック21a、21bの底面に接触して前記締結ユニットがリムから離脱することを防止する。そこで、前記上面11は、リムとタイヤの結合状態で、前記フック21a、21bの底面に接触する一部を含む一面であってよい。前記上面11上には、リムとタイヤの結合力を増加させるための追加部材が形成され得る。
【0102】
一方、図11に示された締結ユニット10の形状は、本願の理解を助けるための一つの具現例であるだけで、これに限定されるものではなく、一例として、締結ユニット10の両側面部、即ち、左側部材13と右側部材14の形状は、図1に示された締結ユニットの形状や図2bにおいて(b)〜(e)に示された形状で多様に具現され得る。これによって、本願の一具現例に係る締結ユニット10の最大長さまたは後述する締結ユニットに対する下面から上面までの最大高さ等は、各形状に応じてその長さが決定され得る。
【0103】
締結ユニット10の最大長さは、左側部材13の第1側面部13aの少なくとも一部が左側のリムフランジ内壁に面接触し、右側部材14の第1側面部14aの少なくとも一部が右側のリムフランジ内壁に面接触した進入完了状態で締結ユニット10に弾性反り変形が発生するように、リムフランジ内壁間の距離より長くてよい。即ち、締結ユニット10の最大長さLは、リムフランジ内壁間の距離「L+2P」より大きくてよい。ここで、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示し、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さを示す。
【0104】
このように、締結ユニット10が「L>L+2P」の条件を満たすことで、締結ユニット10の両側部材13、14の第1側面部13a、14bそれぞれの少なくとも一部は、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態でリム20のフランジ内壁に面接触し得る。
【0105】
言い換えれば、締結ユニット10が「L>L+2P」の条件を満たすことで、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態で、締結ユニット10の第1側面部13a、14aの少なくとも一部は、リム20のフランジ内壁間に摩擦によってフランジ内壁に対して所定の固定力(または結着力)を有することができる。即ち、締結ユニット10の最大長さLは、リム20の両フック21a、21b間の長さLに両側のフック21a、21bそれぞれがリム20のフランジ内壁から突出した最大長さ(即ち、2P)を足した値より大きく設定されることで、締結ユニット10は、リム20内で所定の固定力を有することができる。
【0106】
また、左側部材13の第1側面部13aまたは右側部材14の第1側面部14aは、弾性反り変形により作用される弾性反り復元力によりリム20のフランジ内壁に面接触するように備えられ得る。このとき、弾性反り復元力により締結ユニット10の第1側面部13a、14aの少なくとも一部がリム20のフランジ内壁に面接触することで、締結ユニット10は、先に述べたように、フランジ内壁に対して所定の固定力(または結合力)を有することができ、前記の固定力によって締結ユニット10がリム20内で揺れなくなることにより、自転車に乗るとき、締結ユニット10による騒音発生を効果的に減らすことができる。また、本願の一具現例に係る締結ユニット10の屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むことができ、これについての説明は、後述してより詳細に説明する。
【0107】
一方、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態では、締結ユニット10の下面12の外側面とリム20下面の内側面との間に所定の余裕空間が必要である。これは、図13を通してより容易に理解され得る。
【0108】
図13は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム内に挿入完了した状態でリム内に余裕空間がない場合の状態を示す図である。
【0109】
図13を参照すると、仮に、締結ユニット10の最大長さLが長すぎて、リム20内に締結ユニット10が挿入完了した状態で、締結ユニット10の下面とリム20の下面の内側面間に余裕空間が図13のように存在しない場合は、例えば、締結ユニット10を取り替えようとするとき、締結ユニット10をリム20から取り出すことが難しい問題がある。また、リム20内に挿入完了した締結ユニット10によりリム20内に余裕空間が存在しない場合は、締結ユニット10の下面の外側面を囲むタイヤが存在しなくなり、タイヤがリム20にまともに結合できないことがある。このような場合、締結ユニットをリム20内に挿入したにもかかわらず、タイヤがリム20から容易に分離され得る。従って、締結ユニット10がリム20内に挿入されたとき、リム20内に余裕空間を確保するためには、締結ユニット10の最大長さLが下記数5の条件を満たし得る。
【0110】
【数5】
【0111】
ここで、数5が導出される過程は、次のとおりである。図13を参照すると、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示し、Pは、リム20のフランジ内壁から左側のフック21aまたは右側のフック21bが突出した最大長さを示す。また、hは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さを示し、Hは、リム20のフランジ内壁の高さを示す。ここで、図13において点線で表示された三角形の三辺の長さa、b、cそれぞれは、

b=c−(H−h)、cは、aとbによって
と表現され得る。従って、算出されたcの値を基盤として、締結ユニット10の最大長さLが導出され得る。一方、数5において、
は、図13においてcとbとの間の角度を示す。
【0112】
また、締結ユニット10の厚さが厚すぎる場合にも、締結ユニット10がリム20内に挿入されたとき、リム20内に余裕空間が存在しなくなるので、本願の一具現例に係る締結ユニット10の最大高さh(即ち、最大厚さ)は、次の条件を満たし得る。これは、図14を通してより容易に理解され得る。
【0113】
図14は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム内に挿入完了した状態で締結ユニットが厚くてリム内に余裕空間がない場合の状態を示す図である。
【0114】
図14を参照すると、先に述べた締結ユニット10の最大長さが長すぎる場合だけでなく、締結ユニット10の最大高さ(または最大厚さ)が厚すぎる場合にも、締結ユニット10がリム20内に挿入されたとき、リム20内に余裕空間がないことがある。従って、締結ユニット10がリム20内に挿入されたとき、リム20内に余裕空間を確保するためには、本願の一具現例に係る締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さが下記数6を満たし得る。
【0115】
【数6】
【0116】
ここで、Lは、締結ユニット10の最大長さを示し、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示し、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さを示し、hは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さを示し、Hは、リム20のフランジ内壁の高さを示す。
【0117】
より具体的には、図14を参照すると、締結ユニット10の上面11から下面12までの高さhは、リム20フランジ内壁の高さHからh'に対応する長さを引いた値より小さいか同じであってよい。ここで、図14の拡大部分Aを参照すると、cの長さが締結ユニット10の上面11の長さ(即ち、締結ユニットがリムに挿入完了した状態で曲線をなす上面11の長さ)の半分である
より若干短いと仮定(例えば、10%程度短いと仮定)すれば、h'の長さは、
と表現され得る。これに基づくと、本願の一具現例に係る締結ユニット10の最大高さhは、前記数6の条件を満たすことによって、締結ユニット10がリム20内に挿入完了したとき、リム20内に余裕空間が確保され得、これを通して締結ユニット10に対する取り替えが容易であり、リム20へのタイヤの固定力を高めることができる。
【0118】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、摺動を通してリム20内に容易に挿入され、リム20内に挿入完了した後にはリム20から容易に離脱しないように、後述する条件を満たし得る。より詳細な説明は、次のとおりである。
【0119】
図15は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20に挿入された以後にリム20から離脱することを防止するための条件を説明するための図である。
【0120】
図15を参照すると、締結ユニット10がリム20に挿入完了した状態で、外部等の衝撃によって締結ユニット10がリム20から離脱することを防止するためには、締結ユニット10の最大長さが下記数7を満たし得る。
【0121】
【数7】
【0122】
ここで、Lは、締結ユニット10の最大長さを示し、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示す。また、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さを示し、Rは、フック厚さの1/2、hは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さを示し、Hは、リム20でフランジ内壁の高さを示す。
【0123】
仮に、締結ユニット10の最大長さLが前記数7の条件を満たさない場合(即ち、最大長さLが数7の条件より小さい場合)は、自転車が移動中の時にタイヤに加えられる外力によってリム20内に挿入された締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得る。従って、締結ユニット10がリム20から容易に離脱することを防止するためには、締結ユニット10の最大長さLが前記数7の条件を満たすことが好ましい。
【0124】
図16は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20に挿入されたとき、リム20内に余裕空間を確保するための条件を説明するための図であって、図16は、締結ユニット10がリム20に挿入完了した状態を示す。
【0125】
図16を参照すると、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態では、締結ユニット10の上面11の少なくとも一部がリム20の両フック21a、21bの底面に接触することで、外部衝撃等により締結ユニット10がリム20から離脱することを防止することができる。ここで、締結ユニット10がリム20に挿入されるにあたって、タイヤとリム20の結合以後にリム20内に余裕空間を確保するためには、締結ユニット10の最大高さが下記数8を満たし得る。
【0126】
【数8】
【0127】
ここで、hは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さを示し、Hは、リム20のフランジ内壁の高さを示す。
【0128】
これによれば、リム20内の余裕空間確保のために、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さhは、フランジ内壁の高さHより小さいか同じであってよい。このとき、締結ユニット10の最大高さが数8の条件を満たす場合は、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態で締結ユニット10に反りがなかった時の場合と理解され得る。しかし、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に挿入完了した状態で第1側面部13a、14aの少なくとも一部がリム20のフランジ内壁に面接触するように備えられることが好ましいので、このような場合、締結ユニット10に所定の反りが発生し得ることを考慮すると、締結ユニット10の最大高さは、前記数6の条件を満たすことが好ましい。
【0129】
図17は、本願の一具現例に係る締結ユニット10が摺動を通してリム20に挿入されるための条件を説明するための図である。
【0130】
図17を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、摺動を通してリム20に挿入されるために、両側部材13、14間の最小長さ、具体的には、左側の第2側面部13bと右側の第2側面部14bとの間の最小長さが下記数9を満たし得る。
【0131】
【数9】
【0132】
ここで、lは、締結ユニット10の左側部材13と右側部材14との間の最小長さ、具体的には、両側の第2側面部13b、14b間の最小長さを示し、Lは、リム20の両フック21a、21b間の長さを示し、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2を示す。また、bは、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さhと、締結ユニット10の最大長さLから左側部材13と右側部材14との間の最小長さlを引いた長さの半分に該当する長さのうち長いものと示し得る。言い換えれば、bは、「h」値と「0.5×(L−l)(言い換えれば、(L−l)/2)」値のうちさらに大きな値を示し得る。
【0133】
仮に、締結ユニット10の第2側面部13b、14b間の最小長さlが前記数9の条件を満たさず長すぎる場合は、先に述べた図12の(a)のように、締結ユニット10が多く反るか、または挿入時に大きな力を要するようになるにつれ、締結ユニット10をリム20内に挿入するのに困難が伴うことがあり、または挿入自体が不可能になり得る。また、最小長さlが長すぎる場合は、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態でリム20内に余裕空間が存在しなくなる問題がある。従って、本願の一具現例に係る締結ユニット10の第2側面部13b、14b間の最小長さlは、前記数9の条件を満たすことが好ましい。
【0134】
一方、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、両側部材13、14が図11での具現例のように二重角をなす形状であってよいが、これに限定されるものではなく、本願の他の一具現例に係る締結ユニット10'は、両側部材が図6のように曲線形状であってよい。一例として、締結ユニット10'が図6のように両側部材と上面(上の面)が突起形状を有する場合、摺動領域cの長さは、締結ユニットの上面の最上部から下面までつながる楕円形曲線の長さを意味し得る。
【0135】
これによれば、本願の一具現例に係る締結ユニット10、10'において摺動領域の長さcは、前記の数4を満たし得る。数4についての説明は先に詳細に説明したので、以下、重複する説明は省略する。
【0136】
本願の一具現例に係る締結ユニット10は、前記の数4〜数9を満たす形状を有することで、締結ユニット10をリム20に挿入する時には大きな力を入れることなく容易に挿入することができ、締結ユニット10がリム20内に挿入された以後には締結ユニット10がリム20から離脱しないようにリム20内に固定することができる。
【0137】
図18は、本願の一実施例に係る締結ユニット10に対して遂行されたシミュレーション結果を示す図である。具体的に、図18は、締結ユニット10の適合性を判定するために、締結ユニット10が数5〜数9それぞれの条件を満たすか否かによるシミュレーション結果を示す。図18において、θおよびθは、角度単位(゜)であり、残りの変数は、mm単位を示す。
【0138】
図18を参照すると、本願の一実施例に係る締結ユニット10に対するシミュレーション結果、締結ユニット10が数5〜数9に対する条件の少なくともいずれか一つの条件を満たさない場合(即ち、数5〜9のいずれか一つでもXである場合)は、リム20へのタイヤの締結用ユニットとしての適合性判定に対する総合判定結果がXであること、即ち、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして不適なものと示されることを確認することができる。
【0139】
これに対し、本願の一具現例に係る締結ユニット10が数5〜9に対する全ての条件を満たす場合は、リム20へのタイヤの締結用ユニットとしての適合性判定に対する総合判定結果がOであること、即ち、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして適しているものと示されることを確認することができる。
【0140】
ここで、総合判定結果に対する意味を簡単に検討すると、締結ユニット10が数5の条件を満たさないということ(即ち、数5がXである場合)は、締結ユニット10の長さが長すぎて、締結ユニット10がリム20に挿入完了したとき、リム20内に余裕空間がないということを意味し、数6または数8の条件を満たさないということ(即ち、数6または数8がXである場合)は、締結ユニット10の最大高さが長すぎて(即ち、厚すぎて)、締結ユニット10がリム20に挿入完了したとき、リム20内に余裕空間がないということを意味する。また、締結ユニット10が数7の条件を満たさないということ(即ち、数7がXである場合)は、締結ユニット10の長さが短すぎて締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得るということを意味し、締結ユニット10が数9の条件を満たさないということ(即ち、数9がXである場合)は、締結ユニット10の左側部材と右側部材との間の最小長さが長すぎて、締結ユニット10を摺動を通してリム20内に容易に挿入できないということを意味し得る。
【0141】
従って、総合判定結果がOであるとは、本願の一具現例に係る締結ユニット10が数5〜数9の条件を全て満たすものであることを意味するものであって、これは、本願の一具現例に係る締結ユニット10が、リム20内に締結ユニット10を容易に挿入することができながら、リム20内に挿入完了した状態では、リム20内に余裕空間を確保するとともに締結ユニット10がリム20から容易に離脱することを防止できる形状であることを意味するところ、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして適しているものと理解され得る。
【0142】
加えて、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に容易に挿入されるために、先に述べたように、締結ユニット10の上面11と第1側面部13a、14aとの間の角度θが0゜<θ<90゜を満たすように形成され得る。また、第1側面部13a、14aと上面11がなす角θと、第2側面部13b、14bと上面11がなす角θは、θ>θの関係を満たすように形成され得る。
【0143】
一方、図19は、本願の第2側面に係る締結ユニット10に対する物性条件を説明するための図である。
【0144】
図19を参照すると、仮に、締結ユニット10が柔軟すぎる場合は、締結ユニット10の上面11の両末端がリムの両フック21a、21bの底面に支持されず、自転車の移動中に外部衝撃等によって締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得る。従って、締結ユニット10は、所定の柔軟性が必要である。これによって、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20とタイヤとの間の結合以後に締結ユニット10に加えられる荷重Fにより反らないようにするために、締結ユニットの屈曲弾性率Ebendが140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むことができる。即ち、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、荷重により反らないようにするために、屈曲弾性率Ebendが140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むようにする物性条件を満たし得る。これは、先に図9を参照した説明と同一乃至類似するように理解され得る。
【0145】
図9を参照すると、本願の第2側面に係る締結ユニット10に対する屈曲弾性率に対するシミュレーション結果、締結ユニット10の屈曲弾性率が140Mpa以下である場合は、締結ユニット10があまりにもよく反ってリム20から容易に抜けるものと示され、締結ユニット10の屈曲弾性率が7600Mpa以上である場合は、締結ユニット10があまりにも反らないことで、一例として、締結ユニット10を取り替えようとする場合、取り替えが不可能であるものと示された。
【0146】
従って、本願の一具現例に係る締結ユニット10が荷重によりあまりにも反るか、またはあまりにも反らないようにしないための条件として、締結ユニット10の屈曲弾性率が140Mpa以上7600Mpa以下の値を有するように形成され得る。
【0147】
ここで、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20の両フック間の距離Δhが20mmであり、締結ユニット10の最大長さLが21.5mmであり、締結ユニット10の幅wが5mmであり、締結ユニット10の高さhは2.5mmであり、荷重Fが20kgf(196N)である条件下での屈曲弾性率が最も好ましいものと示された。
【0148】
一方、図20は、本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20とタイヤ30が結合された自転車用タイヤの断面を概略的に示す図である。これについての説明は、先に図10について説明された内容と同一または類似するように理解され得る。
【0149】
図20を参照すると、本願の一具現例によれば、本願は、先に説明した本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20とタイヤ30が結合された自転車用タイヤを提供することができる。
【0150】
ここで、締結ユニット10の両側部材13、14において第1側面部13a、14aの少なくとも一部、即ち、締結ユニット10の左側部材13の第1側面部13aの少なくとも一部および/または締結ユニット10の右側部材14の第1側面部14aの少なくとも一部は、リム20のフランジ内壁に面接触して結合され得、面接触によって締結ユニット10はリム20内で所定の固定力(結合力)を有することができる。
【0151】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、ナイロン(Nylon)、ポリエチレン(Poly Ethylene、PE)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、アセタール(acetal)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile−butadiene−styrene)、ポリカーボネート(Polycarbinate、PC)、ポリアセタール(Polyacetal)、PBT、フルオロ樹脂(Fluororesin)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むことができ、各成分についてのより具体的な説明は省略する。
【0152】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20に結合されるタイヤ30は、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むことができ、これにのみ限定されるものではない。
【0153】
本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に挿入する時には容易に挿入されるようにしながら、リム20内に挿入完了した状態ではリム20から容易に離脱しない形状であり、また、リム20内に余裕空間が確保されるようにリム20に挿入されることでタイヤ30の一部が締結ユニット10の下面の外側面を囲むようになるので、該当自転車がより安定して走行できるようにすることができる。
【0154】
以下においては、本願の第3側面に係る締結ユニットについて具体的に説明する。
【0155】
以下、説明する本願の第3側面に係る締結ユニットの形状は、先の第1側面に係る締結ユニットの形状で上面に溝が形成されるという点でのみ差があるだけで、それ以外の構成は、第1側面に係る締結ユニットの形状と同一または類似するように理解され得る。従って、以下、省略された内容であるとしても第1側面に係る締結ユニットの形状について説明された内容は、第3側面に係る締結ユニットの形状についての説明にも同様に適用され得る。
【0156】
図21は、本願の一具現例に係る締結ユニットがリムから分離された状態を示す図である。具体的に、図21の(a)は、本願の一具現例に係る締結ユニット10の平面図を示し、図21の(b)は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20から分離された状態を示す図である。
【0157】
図21を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、自転車用リム(rim)20へのタイヤの締結のための締結ユニットであって、リム20内に挿入され得、言い換えれば、タイヤをリム20に締結させるために利用されるユニットを意味し得る。締結ユニット10は、言い換えれば、固定用ピン、リム固定部等と呼ばれることがあり、これに限定されるものではない。
【0158】
本願の一具現例に係る締結ユニット10は、中間部材、中間部材から左側に延びる左側部材13、中間部材から右側に延びる右側部材14を含むことができる。ここで、左側部材13は、図21の図面上で締結ユニット10の左側面に形成された部材であって、言い換えれば、左側面部13といえ、右側部材14は、図21の図面上で締結ユニット10の右側面に形成された部材であって、言い換えれば、右側面部14といえる。また、締結ユニット10は、上面11と下面12を含むことができ、中間部材は、上面11と下面12に対応する部材の少なくとも一部を意味し得る。
【0159】
中間部材の上面には、中央部分の左側部分に一つ以上の左側溝11aが形成され、中央部分の右側部分に一つ以上の右側溝11bが形成され得る。
【0160】
このような本願の一具現例に係る締結ユニット10は、左側溝11aおよび/または右側溝11bにより、同一の曲げ力に対して締結ユニット10の中央部分の反り変形量より左側部分および/または右側部分の反り変形量が大きくなり得る。言い換えれば、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、締結ユニット10の上面に同じ力が作用しても締結ユニット10の上面に形成された左側溝11aおよび/または右側溝11bによって、締結ユニット10の中央部分に比べて左側部分および/または右側部分がさらに反り得る。これを通して、大きな力を入れることなく締結ユニット10をリム20内に容易に挿入することができる。
【0161】
また、左側溝11aは、中央部材の真ん中および左側部材13末端の中央部の左側に形成され、右側溝11bは、中央部材の真ん中および右側部材14末端の中央部の右側に形成され得る。また、左側溝11aおよび右側溝11bは、締結ユニット10の上面11の中央部分を基準に相互対称に形成され得る。図21の(a)を参照した一例では、本願の一具現例に係る締結ユニット10の左側溝11aと右側溝11bそれぞれが、図面を基準に縦長さより横長さがさらに長い矩形状のホールを2つ含むものと示したが、これにのみ限定されるものではなく、図22のようにホールの形状およびホールの個数等は多様に具現可能である。
【0162】
図22は、本願の他の一具現例に係る締結ユニットの上面に形成される左側溝および右側溝を示す図である。
【0163】
図22の(a)を参照すると、本願の他の一具現例に係る締結ユニットの上面11'に形成された左側溝と右側溝それぞれは、図面を基準に横長さより縦長さがさらに長い矩形状のホールを4つ含むことができる。図22の(b)を参照すると、本願のまた他の一具現例に係る締結ユニットの上面11''に形成された左側溝と右側溝それぞれは、図面を基準に縦長さより横長さがさらに長い矩形状のホールを3つ含むことができる。図22の(c)を参照すると、本願のまた他の一具現例に係る締結ユニットの上面11'''に形成された左側溝と右側溝それぞれは、一つの円状に形成され得る。このように、本願の締結ユニット10の上面に形成される左側溝と右側溝の個数および形状等は、多様に具現可能である。締結ユニット10についてのより具体的な説明は、次のとおりである。
【0164】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、締結ユニット10をリム20に挿入するとき、締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入され得るように締結ユニット10の両側部材13、14が上面11に対して所定の傾斜をなすように形成され得る。このとき、本願の一具現例に係る締結ユニット10の場合は、左側部材13と上面がなす角および右側部材14と上面がなす角xが0゜<x<90゜を満たし得る。先に図2aを参照して説明した内容と同一または類似するように理解され得る。
【0165】
図2aは、側面に傾斜のない締結ユニット(即ち、締結ユニットの両側部材13、14と上面がなす角度xが90゜である締結ユニット)と、側面に傾斜のある締結ユニット(即ち、締結ユニットの両側部材13、14と上面がなす角度xが0゜<x<90゜である締結ユニット)に対して、締結ユニットがリムに挿入される時の過程を概略的に示す図である。具体的に、図2aの(a)は、側面に傾斜のない締結ユニットがリムに挿入される時の過程を示し、図2aの(b)は、本願の一具現例に係る締結ユニット10のように、側面に傾斜のある締結ユニットがリムに挿入される時の過程を示す。
【0166】
図2aを参照すると、(a)のように側面に傾斜のない締結ユニットは、(b)のように側面に傾斜のある締結ユニットに比べて、相対的に締結ユニットがリムのフックの内側に進入するとき、締結ユニットに多くの変形が現れることを確認することができる。
【0167】
言い換えれば、締結ユニットをリムに挿入するためには、側面に傾斜のない締結ユニットが側面に傾斜のある締結ユニットに比べて遥かに多く反らなければならないことを確認することができる。これは、リムに締結ユニットを挿入するにあたって、側面に傾斜のある締結ユニットより側面に傾斜のない締結ユニットにさらに多くの力が加えられなければならないことを意味し、または側面に傾斜のある締結ユニットより側面に傾斜のない締結ユニットがさらに大きな柔軟性を有しなければならないことを意味する。従って、締結ユニットをリムに挿入するにあたって、側面に傾斜のない締結ユニットは、側面に傾斜のある締結ユニットに比べて相対的にさらに大きな力を要し、作製条件がややこしい短所がある。仮に、締結ユニットが相当な柔軟性を有する場合は、リムに容易に挿入できるが、挿入された以後に締結ユニットが容易に離脱し得、安全性に劣る問題がある。
【0168】
従って、側面と上面がなす角が90゜以上である締結ユニットは、リム内に挿入するのに困難が伴うので、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、側面の両側部材13、14と上面11がなす角xが0゜<x<90゜を満たす締結ユニット10を提供することによって、大きな力を入れることなく締結ユニット10をリムに容易に挿入することができ、所定の柔軟性を要するので作製に容易である長所がある。また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、所定の柔軟性を有することにより、リムに容易に挿入できながらも、挿入が完了した状態では、締結ユニットがリムから容易に離脱しないようにして(言い換えれば、リムと締結ユニットの結合以後、脱着力は減少させることで)より安全性を向上させることができる長所がある。
【0169】
一方、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態で、締結ユニット10の上面11は、リム20のフック21a、21bの底面に接触することで、締結ユニット10がリム20から離脱することが防止され得る。そこで、締結ユニット10の上面11は、リムとタイヤの結合状態で、前記フック21a、21bの底面に接触する一部を含む一面であってよい。また、締結ユニット10の上面11上には、リムとタイヤの結合力を増加させるための追加部材が形成され得る。
【0170】
また、締結ユニット10の最大長さLは、リム20の両フック21a、21b間の距離Lより長くてよい。ここで、図21に示された締結ユニット10の全体形状は、本願の理解を助けるための一つの具現例であるだけで、これに限定されるものではなく、一例として、締結ユニット10の両側部材13、14の形状は、図2bに示された形状のように多様に具現され得る。これによって、本願の一具現例に係る締結ユニット10の形状が多様に具現され得ることを考慮すれば、本願において言及する締結ユニットの最大長さまたは後述する締結ユニットに対する下面から上面までの最大高さ等は、各形状に応じてその長さが決定され得る。
【0171】
再び図21を参照すると、両側部材13、14は、リム20への締結ユニット10の挿入進行状態で締結ユニット10がリム20の中に容易に挿入されるように、リム20のフック21a、21bに対する摺動が可能な摺動領域を含むことができる。また、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態では、締結ユニット10の上面11の少なくとも一部がフック21a、21bの底面に接触することで、締結ユニット10がリム20から離脱することが防止され得る。
【0172】
このように、摺動を通して締結ユニット10がリム20に容易に挿入され、リム20に挿入された締結ユニット10がリム20から容易に離脱することを防止するために、第3側面に係る締結ユニット10は、後述する条件を満たさなければならない。これを説明するにあたって、先に図3図10を参照して説明された第1側面に係る締結ユニットについての説明が第3側面に係る締結ユニットについての説明にも同様に適用され得、簡単に検討すると次のとおりである。
【0173】
図3は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20に挿入された以後にリム20から離脱することを防止するための条件を説明するための図である。
【0174】
図3を参照すると、締結ユニット10がリム20に挿入完了した状態で、外部等の衝撃によって締結ユニット10がリム20から離脱することを防止するためには、締結ユニット10の最大長さが前記数1を満たし得、数1についての説明は、先に詳細に説明したので、以下、省略する。
【0175】
仮に、締結ユニット10の最大長さLが前記数1の条件を満たさない場合(即ち、最大長さLが数1の条件より小さい場合)は、自転車が移動中の時にタイヤに加えられる外力によってリム20内に挿入された締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得る。従って、締結ユニット10の最大長さLは、前記数1の条件を満たすことが好ましい。
【0176】
一方、図4は、本願の一具現例に係る締結ユニット10がリム20に挿入されたとき、リム20内に余裕空間を確保するための条件を説明するための図であって、図4は、締結ユニット10がリム20に挿入完了した状態を示す。
【0177】
図4を参照すると、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態では、締結ユニット10の上面11の少なくとも一部がリム20の両フック21a、21bの底面に接触することで、外部衝撃等により締結ユニット10がリム20から離脱することを防止することができる。ここで、締結ユニット10がリム20に挿入されるにあたって、タイヤとリム20の結合以後にリム20内に余裕空間を確保するためには、締結ユニット10の最大高さが前記数2を満たし得、数2についての説明は、先に詳細に説明したので、以下、省略する。
【0178】
数2によれば、リム20内の余裕空間確保のために、締結ユニット10の上面11から下面12までの最大高さhは、フランジ内壁の高さHより小さいか同じであってよい。
【0179】
仮に、リム20内に締結ユニット10が挿入完了した状態で、締結ユニット10の下面とリム20の下面の内側面間に余裕空間が存在しない場合は、例えば、締結ユニット10を取り替えようとするとき、締結ユニット10をリム20から取り出すことが難しい問題がある。また、リム20内に挿入完了した締結ユニット10によりリム20内に余裕空間が存在しない場合は、締結ユニット10の下面の外側面を囲むタイヤが存在できなくなるにつれ、タイヤがリム20にまともに結合できなくなることがある。このような場合、締結ユニットをリム20内に挿入したにもかかわらず、タイヤがリム20から容易に分離され得る。従って、締結ユニット10の最大高さhは、前記数2の条件を満たすことが好ましい。
【0180】
図5は、本願の一具現例に係る締結ユニット10が摺動を通してリム20に挿入されるための条件を説明するための図である。
【0181】
図5を参照すると、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、摺動を通してリム20に挿入されるために、両側部材13、14間の最小長さが前記数3を満たし得、数3についての説明は、先に詳細に説明したので、以下、省略する。
【0182】
仮に、締結ユニット10の両側部材13、14間の最小長さlが前記数3の条件を満たさず長すぎる場合は、先に述べた図2aの(a)のように、締結ユニット10が多く反るか、または挿入時に大きな力を要するようになるにつれ、締結ユニット10をリム20内に挿入するのに困難が伴うことがあり、または挿入自体が不可能になり得る。また、最小長さlが長すぎる場合は、締結ユニット10がリム20内に挿入完了した状態でリム20内に余裕空間が存在しなくなる問題がある。従って、本願の一具現例に係る締結ユニット10の両側部材13、14間の最小長さlは、前記数3の条件を満たすことが好ましい。
【0183】
加えて、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に容易に挿入されるために、先に述べたように、締結ユニット10の上面11と両側部材13、14との間の角度xが0゜<x<90゜を満たすように形成され得る。
【0184】
一方、図6は、本願の一具現例に係る締結ユニットの摺動領域の長さを説明するための図である。
【0185】
図6を参照すると、先に述べたように、本願の一具現例に係る締結ユニット10の両側部材13、14は、図22のように直線形状であってよいが、これに限定されるものではなく、図6のように曲線形状を有する締結ユニット10'であってよい。一例として、図6のように側面部と上面が突起形状を有する締結ユニット10'においては、側面部の摺動領域cの長さが、締結ユニットの上面の最上部から下面までつながる楕円形曲線の長さを意味し得る。
【0186】
これによれば、本願の一具現例に係る締結ユニット10、10'において、摺動領域の長さcは、前記数4を満たし得、数4についての説明は、先に詳細に説明したので、以下、省略する。
【0187】
一方、リム20への締結ユニット10の挿入完了状態で、締結ユニット10の摺動領域の少なくとも一部は、リム20のフランジ内壁間に摩擦によってフランジ内壁に対して所定の固定力を有することができる。ここで、締結ユニット10がリム20に挿入された図4のような状態で締結ユニット10がリム20内で該当位置での固定力を有するためには、締結ユニット10が「L>L+2P」の条件を満たし得る。即ち、締結ユニット10の最大長さLは、リム20の両フック間の長さLに両側のフック21a、21bそれぞれがリム20のフランジ内壁から突出した最大長さ(即ち、2P)を足した値より大きく設定されることで、締結ユニット10は、リム20内で所定の固定力を有することができる。
【0188】
このように、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、前記の数1〜数3、加えて数4を満たす形状を有することで、締結ユニット10をリム20に挿入する時には大きな力を入れることなく容易に挿入することができ、締結ユニット10がリム20内に挿入された以後には締結ユニット10がリム20から離脱しないようにリム20内に固定することができる。
【0189】
一方、本願の第3側面に係る締結ユニット10に対して遂行されたシミュレーション結果は、図7を参照してより容易に理解され得る。具体的に、図7は、締結ユニット10の適合性を判定するために、締結ユニット10が数1〜数3それぞれの条件を満たすか否かによるシミュレーション結果を示す。図7において、数値は、mm単位の値を示す。
【0190】
図7を参照すると、本願の一実施例に係る締結ユニット10に対するシミュレーション結果、締結ユニット10が数1〜数3に対する条件の少なくともいずれか一つの条件を満たさない場合(即ち、数1〜3のいずれか一つでもXである場合)は、リム20へのタイヤの締結用ユニットとしての適合性判定に対する総合判定結果がXであること、即ち、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして不適なものと示されることを確認することができる。
【0191】
これに対し、本願の一具現例に係る締結ユニット10が数1〜3に対する全ての条件を満たす場合は、リム20へのタイヤの締結用ユニットとしての適合性判定に対する総合判定結果がOであること、即ち、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして適しているものと示されることを確認することができる。
【0192】
ここで、総合判定結果に対する意味を簡単に検討すると、締結ユニット10が数1の条件を満たさないということ(即ち、数1がXである場合)は、締結ユニット10がリム20から容易に離脱し得るということを意味し、締結ユニット10が数2の条件を満たさないということ(即ち、数2がXである場合)は、締結ユニット10がリム20に挿入完了したとき、リム20内に余裕空間がないということを意味し得る。また、締結ユニット10が数3の条件を満たさないということ(即ち、数3がXである場合)は、締結ユニット10を摺動を通してリム20内に容易に挿入できないということを意味し得る。
【0193】
従って、総合判定結果がOであるとは、本願の一具現例に係る締結ユニット10が数1〜数3の条件を全て満たすものであることを意味するものであって、これは、本願の一具現例に係る締結ユニット10が、リム20内に締結ユニット10を容易に挿入することができながら、リム20内に挿入完了した状態では、リム20内に余裕空間を確保するとともに締結ユニット10がリム20から容易に離脱することを防止できる形状であることを意味するところ、該当締結ユニット10がタイヤ締結用ユニットとして適しているものと理解され得る。
【0194】
一方、図8は、本願の一具現例に係る締結ユニット10に対する物性条件を説明するための図である。図8を参照すると、本願の第3側面に係る締結ユニット10の場合、リム20とタイヤとの間の結合以後に締結ユニット10に加えられる荷重Fにより反らないようにするために、締結ユニットの屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むことができる。即ち、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、荷重により反らないようにするために、屈曲弾性率Ebendが140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むようにする物性条件を満たし得る。これは、図9を参照してより容易に理解され得る。
【0195】
図9は、本願の一実施例に係る締結ユニット10の屈曲弾性率の範囲に対するシミュレーション結果を示す図である。
【0196】
図9を参照すると、本願の第3側面に係る締結ユニット10に対する屈曲弾性率に対するシミュレーション結果、締結ユニット10の屈曲弾性率が140Mpa以下である場合は、締結ユニット10があまりにもよく反ってリム20から容易に抜けるものと示され、締結ユニット10の屈曲弾性率が7600Mpa以上である場合は、締結ユニット10があまりにも反らないことで、一例として、締結ユニット10を取り替えようとする場合、取り替えが不可能であるものと示された。
【0197】
従って、本願の一具現例に係る締結ユニット10が荷重によりあまりにも反るか、またはあまりにも反らないようにしないための条件として、本願の第3側面に係る締結ユニット10の屈曲弾性率が140Mpa以上7600Mpa以下の値を有するように形成され得る。
【0198】
ここで、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20の両フック間の距離Δhが20mmであり、締結ユニット10の最大長さLが21.5mmであり、締結ユニット10の幅wが5mmであり、締結ユニット10の高さhは2.5mmであり、荷重Fが20kgf(196N)である条件下での屈曲弾性率が最も好ましいものと示された。
【0199】
一方、本願の第3側面に係る締結ユニットによりリム20とタイヤ30が結合された自転車用タイヤの断面形状は、図10のようであってよい。
【0200】
図10を参照すると、本願の一具現例によれば、本願は、先に説明した本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20とタイヤ30が結合された自転車用タイヤを提供することができる。
【0201】
ここで、締結ユニット10の両側部材13、14の少なくとも一部は、リム20のフランジ内壁に面接触して結合されることで、フランジ内壁間の摩擦により締結ユニット10がフランジ内壁に対して所定の固定力を有することができ、これを通して自転車に乗るとき、締結ユニット10による騒音発生を効果的に減らすことができる。
【0202】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10は、ナイロン(Nylon)、ポリエチレン(PolyEthylene、PE)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、アセタール(acetal)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile−butadiene−styrene)、ポリカーボネート(Polycarbinate、PC)、ポリアセタール(Polyacetal)、PBT、フルオロ樹脂(Fluororesin)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むことができ、各成分についてのより具体的な説明は省略する。
【0203】
また、本願の一具現例に係る締結ユニット10によりリム20に結合されるタイヤ30は、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むことができ、これにのみ限定されるものではない。
【0204】
本願の一具現例に係る締結ユニット10は、リム20内に挿入する時には容易に挿入されるようにしながら、リム20内に挿入完了した状態ではリム20から容易に離脱しない形状であり、また、リム20内に余裕空間が確保されるようにリム20に挿入されることでタイヤ30の一部が締結ユニット10の下面の外側面を囲むようになるので、該当自転車がより安定して走行できるようにすることができる。
【0205】
前述した本願の説明は、例示のためのものであり、本願の属する技術の分野における通常の知識を有する者は、本願の技術的思想や必須特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形が可能であるということを理解することができるだろう。それゆえ、以上において記述した具現例/実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は、分散されて実施されてもよく、同様に分散されたものと説明されている構成要素も結合された形態で実施され得る。
【0206】
本願の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本願の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
[項目1]
リムへのタイヤの締結のための締結ユニットにおいて、
上面、下面および側面部を含み、
上記締結ユニットの最大長さは、上記リムの両フック間の距離より長く、
上記側面部は、上記リムへの上記締結ユニットの挿入進行状態で締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるように上記リムのフックに対する摺動が可能な摺動領域を含み、
上記リムへの上記締結ユニットの挿入完了状態で、上記上面の少なくとも一部は、上記フックの底面に接触して上記締結ユニットがリムから離脱することを防止し、
下記数1〜数3を満たすものである、締結ユニット;
【数1】
ここで、Lは、締結ユニットの最大長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す;
【数2】
ここで、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す;
【数3】
ここで、lは、側面部間の最小長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、bは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さおよび0.5×(締結ユニットの最大長さ−側面部間の最小長さ)のうち長いものを示す。
[項目2]
上記締結ユニットの屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むものである、項目1に記載の締結ユニット。
[項目3]
上記摺動領域の長さcは、下記数4を満たすものである、項目1に記載の締結ユニット;
【数4】
ここで、Δaは、下面の末端から上面の最上部の水平延長仮想線と締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで水平方向に延びた長さ、および、Δbは、下面の末端から上面の最上部の水平延長仮想線と締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで垂直方向に延びた長さを示す。
[項目4]
上記リムへの上記締結ユニットの挿入完了状態で、上記締結ユニットの摺動領域の少なくとも一部は、上記フランジ内壁間の摩擦によって上記フランジ内壁に対して所定の固定力を有するものである、項目1に記載の締結ユニット。
[項目5]
上記タイヤは、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むものである、項目1に記載の締結ユニット。
[項目6]
上記側面部と上記上面がなす角xは、0゜<x<90゜を満たすものである、項目1に記載の締結ユニット。
[項目7]
上記締結ユニットは、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT、フルオロ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むものである、項目1に記載の締結ユニット。
[項目8]
リムへのタイヤの締結のための締結ユニットにおいて、
中間部材;
上記中間部材から左側に延びる左側部材;および
上記中間部材から右側に延びる右側部材を含み、
上記左側部材および上記右側部材は、第1側面部および第2側面部を含み、
上記第2側面部は、上記リムへの上記締結ユニットの挿入進行状態で締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるように上記リムのフックに対する摺動が可能な摺動領域を含み、
上記締結ユニットの最大長さは、上記左側部材の第1側面部の少なくとも一部が左側のリムフランジ内壁に面接触し、上記右側部材の第1側面部の少なくとも一部が右側のリムフランジ内壁に面接触した進入完了状態で上記締結ユニットに弾性反り変形が発生するように、リムフランジ内壁間の距離より長く、
上記左側部材の第1側面部および/または上記右側部材の第1側面部は、上記弾性反り変形により作用される弾性反り復元力によってリムフランジ内壁に面接触するように備えられるものである、締結ユニット。
[項目9]
上記締結ユニットの最大長さLは、下記数5を満たすものである、項目8に記載の締結ユニット;
【数5】
ここで、


は、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す。
[項目10]
上記締結ユニットの上面から下面までの最大高さhは、下記数6を満たすものである、項目8に記載の締結ユニット;
【数6】
ここで、Lは、締結ユニットの最大長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す。
[項目11]
上記締結ユニットは、下記数7〜数9を満たすものである、項目8に記載の締結ユニット;
【数7】
ここで、Lは、締結ユニットの最大長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す;
【数8】
ここで、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す;
【数9】
ここで、lは、左側部材と右側部材との間の最小長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、bは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さおよび0.5×(締結ユニットの最大長さ−左側部材と右側部材との間の最小長さ)のうち長いものを示す。
[項目12]
上記締結ユニットの屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むものである、項目8に記載の締結ユニット。
[項目13]
上記摺動領域の長さcは、下記数10を満たすものである、項目8に記載の締結ユニット;
【数10】
ここで、Δaは、下面の末端から上面の最上部の水平延長仮想線と締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで水平方向に延びた長さ、および、Δbは、下面の末端から上面の最上部の水平延長仮想線と締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで垂直方向に延びた長さを示す。
[項目14]
上記タイヤは、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むものである、項目8に記載の締結ユニット。
[項目15]
上記第1側面部と上記上面がなす角θは、0゜<θ<90゜を満たすものである、項目8に記載の締結ユニット。
[項目16]
上記第1側面部と上記上面がなす角θと、上記第2側面部と上記上面がなす角θは、θ>θの関係を満たすものである、項目8に記載の締結ユニット。
[項目17]
上記締結ユニットは、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT、フルオロ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むものである、項目8に記載の締結ユニット。
[項目18]
上記中間部材、上記左側部材および上記右側部材は、同じ物質からなるものである、項目8に記載の締結ユニット。
[項目19]
リムへのタイヤの締結のための締結ユニットにおいて、
中間部材;
上記中間部材から左側に延びる左側部材;および
上記中間部材から右側に延びる右側部材を含み、
上記中間部材の上面には、中央部分の左側部分に一つ以上の左側溝が形成され、および/または、中央部分の右側部分に一つ以上の右側溝が形成されるものである、締結ユニット。
[項目20]
上記左側溝および/または上記右側溝により、同一の曲げ力に対して上記中央部分の反り変形量より上記左側部分および/または上記右側部分の反り変形量が大きくなるものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目21]
上記左側溝は、上記中央部材の真ん中および上記左側部材末端の中央部の左側に形成され、上記右側溝は、上記中央部材の真ん中および上記右側部材末端の中央部の右側に形成されるものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目22]
上記左側溝および上記右側溝は、上記中央部分を基準に相互対称に形成されるものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目23]
上記締結ユニットは、下記数11〜数13を満たすものである、項目19に記載の締結ユニット;
【数11】
ここで、Lは、締結ユニットの最大長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す;
【数12】
ここで、hは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さ、および、Hは、フランジ内壁の高さを示す;
【数13】
ここで、lは、左側部材と右側部材との間の最小長さ、Lは、リムのフック間の長さ、Pは、フランジ内壁からフックが突出した最大長さ、Rは、フック厚さの1/2、bは、締結ユニットの上面から下面までの最大高さおよび0.5×(締結ユニットの最大長さ−左側部材と右側部材との間の最小長さ)のうち長いものを示す。
[項目24]
上記締結ユニットの屈曲弾性率Ebendは、140Mpa以上7600Mpa以下の値を含むものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目25]
上記締結ユニットの最大長さは、上記リムの両フック間の距離より長く、
上記リムへの上記締結ユニットの挿入完了状態で、上記締結ユニットの上面の少なくとも一部は、上記フックの底面に接触して上記締結ユニットがリムから離脱することを防止するものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目26]
上記左側部材および/または右側部材は、上記リムへの上記締結ユニットの挿入進行状態で締結ユニットがリムの中に容易に挿入されるように上記リムのフックに対する摺動が可能な摺動領域を含み、
上記摺動領域の長さcは、下記数14を満たすものである、項目19に記載の締結ユニット;
【数14】
ここで、Δaは、下面の末端から上面の最上部の水平延長仮想線と締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで水平方向に延びた長さ、および、Δbは、下面の末端から上面の最上部の水平延長仮想線と締結ユニットの最長部の一末端の垂直延長仮想線の交差点まで垂直方向に延びた長さを示す。
[項目27]
上記リムへの上記締結ユニットの挿入完了状態で、上記締結ユニットの摺動領域の少なくとも一部は、上記リムのフランジ内壁に面接触して結合されることで、上記フランジ内壁間の摩擦によって上記フランジ内壁に対して所定の固定力を有するものである、項目26に記載の締結ユニット。
[項目28]
上記タイヤは、射出発泡工法で製造されるソリッドタイヤを含むものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目29]
上記左側部材および/または右側部材と上記上面がなす角xは、0゜<x<90゜を満たすものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目30]
上記締結ユニットは、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT、フルオロ樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群から選択された合成樹脂を含むものである、項目19に記載の締結ユニット。
[項目31]
項目1、8および19のいずれか一項による締結ユニットによりリムとタイヤが結合された、自転車用タイヤ。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22