特許第6587141号(P6587141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587141
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】バンプストッパ
(51)【国際特許分類】
   B60G 7/04 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   B60G7/04
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-254858(P2015-254858)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2017-114444(P2017-114444A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 哲弥
(72)【発明者】
【氏名】川口 協一
(72)【発明者】
【氏名】小牧 佳弘
【審査官】 高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−89713(JP,A)
【文献】 特開2009−83705(JP,A)
【文献】 特開平10−331890(JP,A)
【文献】 特開2000−255240(JP,A)
【文献】 実開昭58−102370(JP,U)
【文献】 国際公開第2010/140950(WO,A1)
【文献】 特開2017−149237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00−99/00
F16F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を支持するアクスルに固定的に設けられるアクスル側の対向面と、車体側に固定的に設けられて前記アクスル側の対向面に上方又は下方から対向する車体側の対向面との間に介在するバンプストッパであって、
前記2つの対向面の一方に面接触した状態で固定される取付部材と、ラバー固定部材と、前記取付部材と前記ラバー固定部材とに挟まれた状態で前記取付部材及び前記ラバー固定部材に固着される1対の中間部材と、を有するバンプラバーブラケットと、
前記ラバー固定部材に固定され、前記取付部材が前記一方の対向面に固定されたストッパ取付状態で、前記2つの対向面の他方に上方又は下方から対向するバンプラバーと、を備え、
前記1対の中間部材は、同一形状であり、前記ストッパ取付状態で上下方向と略直交する閉断面を前記取付部材と前記ラバー固定部材との間に上下方向に沿って一様に形成する
ことを特徴とするバンプストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側とアクスル側との当接を防止し、車両走行時の振動入力による上下動衝撃を緩衝するバンプストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バンプラバーを平板上に焼付固着してストッパ部材を製造し、このストッパ部材を、車台フレームに装着されたブラケットの下側面にボルトによって装着する構造が記載されている。ブラケットは、サイドレールにボルト等により装着されるL字状部材と、L字状部材に溶接等により固着された溝型部材とから構成され、溝型部材の内部には、必要に応じ適数の補強用仕切が溶接等により固着されている。また、U状断面を有するチャンネル材によって溝型部材が形成され、そのU状断面内側に平板状の歩行用仕切が4枚並んで固着された状態が図示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−067266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のバンプラバストッパでは、溝型部材のU状断面の内側に平板状の補強用仕切を複数並べ、各補強用仕切を溝型部材に溶着するので、製造が煩雑である。また、補強用仕切の溶着位置の誤差や溝型部材に対する角度の誤差に起因して、上下方向の荷重入力に対するブラケットの剛性が低下してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、容易に製造可能で、且つ所望の剛性を確保することが可能なバンプストッパの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、車輪を支持するアクスルに固定的に設けられるアクスル側の対向面と、車体側に固定的に設けられてアクスル側の対向面に上方又は下方から対向する車体側の対向面との間に介在するバンプストッパであって、バンプラバーブラケットとバンプラバーとを備える。
【0007】
バンプラバーブラケットは、取付部材とラバー固定部材と1対の中間部材とを有する。取付部材は、2つの対向面(アクスル側の対向面と車軸側の対向面)の一方に面接触した状態で固定される。1対の中間部材は、同一形状であり、取付部材とラバー固定部材とに挟まれた状態で取付部材及びラバー固定部材に固着される。取付部材が2つの対向面の一方に固定されたストッパ取付状態で、1対の中間部材は、上下方向と略直交する閉断面を取付部材とラバー固定部材との間に上下方向に沿って一様に形成する。
【0008】
バンプラバーは、ストッパ取付状態で2つの対向面の他方に上方又は下方から対向するようにラバー固定部材に固定される。
【0009】
上記構成では、車両走行時の振動入力によりアクスル側が車体側に対して大きく上下動した場合、一方の対向面に固定されたバンプストッパのバンプラバーが他方の対向面の上下方向から当接するので、車体側とアクスル側との当接を確実に防止するとともに、バンプラバーによって車体側とアクスル側とを緩衝することができる。
【0010】
また、1対の中間部材は、取付部材とラバー固定部材とに挟まれた状態で取付部材及びラバー固定部材に固着され、ストッパ取付状態で上下方向と略直交する閉断面を取付部材とラバー固定部材との間に上下方向に沿って一様に形成しているので、上下方向の荷重入力に対するバンプストッパの剛性を確保することができる。
【0011】
また、閉断面を形成する際には、閉断面が形成される状態で1対の中間部材を組み合わせて固着すればよいので、バンプラバーブラケットを容易に製造することができる。また、1対の中間部材を同一形状としたので、必要な中間部材の種類を単一化することができる。
【0012】
また、1対の中間部材を組み合わせて閉断面を形成するので、1対の中間部材の相対位置を適宜調整して取付部材及びラバー固定部材に固着することによって、閉断面の大きさが変更される。このため、部材の変更を伴うことなく、剛性に応じた閉断面を設定して所望の剛性を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容易に製造可能なバンプストッパによって所望の剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るバンプストッパが装備された車両のサスペンション装置を車幅方向外側から視た側面図である。
図2図1のバンプストッパを車幅方向外側から視た側面図である。
図3図2のバンプストッパを斜め上後方から視た斜視図である。
図4図2のIV−IV矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において、矢印FRは車両の前方を、矢印UPは車両の上方を、矢印INは車幅内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、前後方向は車両の前後方向を意味し、左右方向は車両の前方を向いた状態での左右方向を意味する。また、バンプストッパ5は車両の左右にそれぞれ同様に設けられているため、以下では左側の構造について説明し、右側の構造についての図示及び説明を省略する。
【0016】
図1に示すように、本発明に係るバンプストッパ5を備える車両は、車体フレーム1と、リアアクスル(アクスル)2と、リーフサスペンション3とを備える。
【0017】
車体フレーム1は、車幅方向両側で前後に亘って延びる左右1対のサイドフレーム4(図1〜3に左側のみ図示する)と、車幅方向に沿って延びて左右のサイドフレーム4を連結する複数のクロスフレーム(図示省略)とを有する。サイドフレーム4は、車幅方向内側へ開口するU状断面であり、上下方向に起立して前後方向に延びる縦板部41と、縦板部41の上端縁から車幅方向内側へ曲折する上板部42と、縦板部41の下端縁から車幅方向内側へ曲折して上板部42と相対向する下板部43とを一体的に有する。リアアクスル2は、サイドフレーム4の下方に車幅方向に延び、リーフサスペンション3を介してサイドフレーム4を弾性支持している。リアアクスル2の車幅方向の両端部には、左右のリアタイヤ(車輪)40(図1には左側のみ図示)が支持される。
【0018】
リーフサスペンション3は、サイドフレーム4とリアアクスル2との間に介在し、サスペンションスペーサ11と、リーフスプリング12と、クランクプレート13と、前後のUボルト14F,14Rとを有する。サスペンションスペーサ11は、板状であり、リアアクスル2に上方から載置される。リーフスプリング12は、互いに長さが異なる複数の長尺の板バネを上下に重ねた構成であり、サイドフレームの下面4aの下方で、サイドフレーム4との間に間隔を空けて前後方向に延びる。リーフスプリングの前端部及び後端部12a,12bは、車幅方向に延びる回転軸を中心として回転自在にサイドフレーム4にそれぞれ支持され、リーフスプリングの中央部12cは、板状のサスペンションスペーサ11を介してリアアクスル2に上方から載置される。
【0019】
クランクプレート13は、平板状であり、プレート上面を左右に延びて横断する溝型状の前後1対のボルト許容凹部19F,19Rが形成され、リーフスプリングの中央部12cに上方から載置される。
【0020】
Uボルト14F,14Rは、前後1対であり、逆U状に曲折又は湾曲するU状部15とU状部15の両端から下方へ直線状に延びる直線部16とをそれぞれ一体的に有し、直線部16の下端部に雄ネジが形成されている。リアアクスル2には、前側の左右のボルト挿通孔17Fと後側の左右のボルト挿通孔17Rとが形成されている。
【0021】
前側のUボルト14FのU状部15が前側のボルト収容凹部19Fに収容され、後側のUボルト14FのU状部15が後側のボルト収容凹部19Rに収容されるように、Uボルト14F,14Rがクランクプレート13を跨った状態で、Uボルト14F,14Rの各直線部16は、リーフスプリング12の幅方向両側(左右両側)で下方に延びる。前側のUボルト14Fの左右の直線部16の下端部は、リアアクスル2の前側の左右のボルト挿通孔17Fをそれぞれ挿通してリアアクスル2の下方へ突出し、この下端部にナット18が下方から螺合して締付けられる。後側のUボルト14Rの左右の直線部16の下端部は、リアアクスル2の後側の左右の挿通孔17Rをそれぞれ挿通してリアアクスル2の下方に突出し、この下端部にナット18が下方から螺合して締付けられる。
【0022】
図1〜3に示すように、バンプストッパ5は、バンプラバーブラケット6と、バンプラバー7とを備え、クランクプレート13の上面13aとサイドフレーム4の下面4a(下板部43の下面)との間に介在する。クランクプレート13の上面13aは、リアアクスル2に固定的に設けられるアクスル側の対向面を形成し、サイドフレーム4の下面4aは、車体側に固定的に設けられてアクスル側の対向面に上方から対向する車体側の対向面を形成する。
【0023】
図2及び図3に示すように、バンプラバーブラケット6は、取付部材20と、バンプラバースペーサ21と、ラバー側部材29とを備える。
【0024】
取付部材20は、前後の取付板部30F,30Rと固着板部31とを一体的に有する金属板材である。固着板部31の上面31aは、サイドフレーム4の下面4aに面接触し、前側の取付板部30Fは、固着板部31の前端側の上端縁から上方へ略直角に曲折してサイドフレーム4の車幅方向外側の外側面(縦板部41の外面)4bに沿って延び、後側の取付板部30Rは、固着板部31の後端側の上端縁から上方へ略直角に曲折してサイドフレーム4の外側面4bに沿って延びる。
【0025】
バンプラバースペーサ21は、1対(2つ)の中間部材26,27(図4参照)と、スペーサ板部23とを一体的に有し、サイドフレーム4の下面4aとバンプラバー7との間に介在して、サイドフレーム4の下面4aに対するバンプラバー7の下端位置(両者の上下方向の距離)を所定位置(所定距離)に設定する。中間部材26,27の上端縁部は、取付部材20の固着板部31の中間部(前後の取付板部30F,30Rの間)の下面31bに溶接28によって固定され、中間部材26,27の下端縁部は、平板状のスペーサ板部23の上面23aに溶接28によって固定されて、取付部材20とバンプラバースペーサ21とが一体化される。なお、スペーサ板部23は後述するラバー固定部材22の一部を構成する。また、中間部材26,27の詳細については後述する。
【0026】
取付部材20の前後の取付板部30F,30Rには、前後1対の取付ボルト32F,32Rのボルト軸が挿通可能な取付ボルト挿通孔33F,33Rが形成され、サイドフレーム4の縦板部41には、取付ボルト32F,32Rのボルト軸が挿通可能な貫通孔(図示省略)が形成される。固着板部31がサイドフレーム4の下面4aに下方から面接触し、取付板部30F,30Rがサイドフレーム4の外側面4bに車幅方向外側から面接触した状態で、取付板部30の取付ボルト挿通孔33F,33Rとサイドフレーム4の縦板部41の挿通孔とに取付ボルト32F,32Rを挿通し、取付ボルト32F,32Rにナット(図示省略)を螺合して締結することにより、取付部材20及びバンプラバースペーサ21がサイドフレーム4に固定される。
【0027】
ラバー側部材29は、ラバー固定板部24と、ラバー装着部25とを一体的に有し、ラバー側部材29とスペーサ板部23とは、ラバー固定部材22を構成する。
【0028】
ラバー固定板部24は、平板状であり、その上面24aがスペーサ板部23の下面23bに面接触した状態で、スペーサ板部23に下方から重なる。スペーサ板部23の前端部及び後端部には、前後1対の結合ボルト36F,36Rのボルト軸が挿通可能なブラケット側の結合ボルト挿通孔34F,34Rが形成される。ラバー固定板部24の前端部及び後端部には、前後の結合ボルト36F,36Rのボルト軸が挿通可能なラバー側の結合ボルト挿通孔35F,35Rが形成される。スペーサ板部23の下面23bにラバー固定板部24の上面24aを重ね、ブラケット側の結合ボルト挿通孔34F,34Rとラバー側の結合ボルト挿通孔35F,35Rとをそれぞれ合わせ、前側のボルト挿通孔34F,35Fに前側の結合ボルト36Fのボルト軸を挿通し、後側のボルト挿通孔34R,35Rに後側の結合ボルト36Rのボルト軸を挿通し、各結合ボルト36F,36Rに結合ナット37F,37Rを螺合して締結することによって、ラバー固定板部24がスペーサ板部23に固定される。
【0029】
ラバー装着部25は、ラバー固着凹部25aを形成するU断面であり、ラバー固着凹部25aが下方に開放される姿勢で前後の結合ボルト挿通孔35F,35Rの間に配置され、ラバー固定板部24の下面24bに溶接等により固着される。
【0030】
バンプラバー7は、蒲鉾型状のゴム等の弾性材であり、ラバー固着凹部25aに収容され固定される。バンプラバー7の固定には、焼付固着や接着剤による接着などが用いられる。取付部材20及びバンプラバースペーサ21がサイドフレーム4に固定され、ラバー側部材29がスペーサ板部23に固定されたストッパ取付状態で、バンプラバー7の湾曲面状の下面7aは、クランププレート13の上面13aに上方から対向する(図1参照)。
【0031】
バンプラバースペーサ21の2つの中間部材(第1の中間部材26と第2の中間部材27)は、U状断面を有する同一形状のチャンネル材である。図4に示すように、第1の中間部材26は、平板状の基板部26aと、基板部26aの両端縁から曲折して相対向する1対の側板部26b,26cとを一体的に有する。同様に、第2の中間部材27は、平板状の基板部27aと、基板部27aの両端縁から曲折して相対向する1対の側板部27b,27cとを一体的に有する。2つの中間部材26,27は、基板部26a,27a及び側板部26b,26c,27b,27cの何れもが上下方向に起立する状態(起立状態)で、且つ2つの基板部26a,27a同士が相対向し、一方の側板部26b,27bの先端部同士が板厚方向に重なり、他方の側板部26c,27cの先端部同士が板厚方向に重なって、その内側に閉断面38を形成する状態(閉断面形成状態)で、取付部材20の固着板部31の下面31bと、スペーサ板部23の上面23aとの間に配置される。第1及び第2の中間部材26,27(基板部26a,27a及び側板部26b,26c,27b,27c)の上端縁部と下端縁部とは、固着板部31の下面31bとスペーサ板部23の上面23aとに溶接28によってそれぞれ固定される。また、第1の中間部材26の一方の側板部26bの先端面と第2の中間部材27の一方の側板部27bの外面とは溶接28によって固定され、第2の中間部材27の他方の側板部27cの先端面と第1の中間部材26の他方の側板部26cの外面とは溶接28によって固定される。これにより、第1及び第2の中間部材26,27は、取付部材20とラバー固定部材22とに挟まれた状態で取付部材20及びラバー固定部材22に固着され、これら中間部材26,27によって、ストッパ取付状態で上下方向と略直交する閉断面38が、取付部材20とラバー固定部材22との間に上下方向に沿って一様に形成される。
【0032】
本実施形態によれば、車両走行時の振動入力によりリアアクスル2がサイドフレーム4に対して大きく上下動し、クランププレート13がサイドフレーム4に近付くと、サイドフレーム4に固定されたバンプストッパ5のバンプラバー7がクランクプレート13に当接して、クランクプレート13とサイドフレーム4との当接を防止するとともに、バンプラバー7の弾性により当接時の衝撃が緩衝される。
【0033】
また、1対の中間部材26,27は、取付部材20とラバー固定部材22のスペーサ板部23とに挟まれた状態で取付部材20及びスペーサ板部23に固着され、ストッパ取付状態で上下方向と略直交する閉断面38を取付部材20とスペーサ板部23との間に上下方向に沿って一様に形成しているので、上下方向の荷重入力に対するバンプストッパ5の剛性を確保することができる。
【0034】
また、閉断面38を形成する際には、閉断面38が形成される状態で1対の中間部材26,27を組み合わせて固着すればよいので、バンプラバーブラケット6を容易に製造することができる。また、1対の中間部材26,27を同一形状としたので、必要な中間部材の種類を単一化することができる。
【0035】
また、1対の中間部材26,27を組み合わせで閉断面38を形成するので、1対の中間部材26,27の相対位置を適宜調整して取付部材20(固着板部31)及びラバー固定部材22(スペーサ板部23)に固着することによって、閉断面38の大きさが変更される。このため、部材の変更を伴うことなく、剛性に応じた閉断面38を設定して所望の剛性を確保することができる。
【0036】
なお、上記実施形態では、中間部材26,27の下縁部をスペーサ板部23に固着し、バンプラバー7をラバー固定板部24に固定し、スペーサ板部23とラバー固定板部24とを締結固定したが、スペーサ板部23を省略し、ラバー固定板部24の上面24aに中間部材26,27の下縁部を溶着してもよい。
【0037】
また、車体側の対向面(サイドフレーム4の下面4a)に取付部材20を固定したが、アクスル側の対向面(クランクプレート13の上面13a)に取付部材を固定してもよい。この場合、バンプラバーは、車体側の対向面に下方から対向する。
【0038】
また、サイドフレーム4の下方にリアアクスル2が配置される車両にバンプストッパ5を適用する場合について説明したが、サイドフレームの上方にリアアクスル2が配置される車両にバンプストッパ5を適用してもよい。この場合、車体側の対向面は、アクスル側の対向面に下方から対向する。
【0039】
また、1本のリアアクスル2を有する後一軸車にバンプストッパ5を適用する場合について説明したが、バンプストッパ5が適用可能な車両は後一軸車に限定されず、前軸及び後軸の2本のリアアクスルを有する後二軸車にバンプストッパ5を適用してもよい。この場合、リーフスプリングの中央部は、車幅方向に延びる回転軸を中心として回転自在にサイドフレームに支持され、前軸のアクスルはリーフスプリングの前端部に締結されてサイドフレームを弾性支持し、後軸のアクスルはリーフスプリングの後端部に締結されてサイドフレームを弾性支持する。バンプストッパは、リーフスプリングの前端部及び後端部の上方で、前軸及び後軸のアクスルに対向するように、サイドフレームに固定される。
【0040】
また、リーフサスペンション12を介してサイドフレーム4を弾性支持するリアアクスル2に適用したバンプストッパ5について説明したが、バンプストッパ5が適用可能なサスペンションの方式はこれに限定されず、他の方式(例えば、車体側の対向面とアクスル側の対向面との間を上下方向にコイルスプリングを介すことにより、リアアクスルがサイドフレームを弾性的に支持する方式)にバンプストッパ5を適用してもよい。
【0041】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、バンプストッパとして広く適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 車体フレーム
2 リアアクスル(アクスル)
3 リーフサスペンション
4 サイドフレーム
4a サイドフレームの下面(車体側の対向面)
5 バンプストッパ
6 バンプラバーブラケット
7 バンプラバー
11 サスペンションスペーサ
12 リーフスプリング
13 クランクプレート
13a クランクプレートの上面(アクスル側の対向面)
20 取付部材
21 バンプラバースペーサ
22 ラバー固定部材
23 スペーサ板部
24 ラバー固定板部
25 ラバー装着部
26,27 1対の中間部材
29 ラバー側部材
30F,30R 取付板部
31 固着板部
32F,32R 取付ボルト
33F,33R 取付ボルト挿通孔
34F,34R ブラケット側結合ボルト挿通孔
35F,35R ラバー側結合ボルト挿通孔
36F,36R 結合ボルト
37F,37R 結合ナット
38 閉断面
40 リアタイヤ(車輪)
図1
図2
図3
図4