(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記膜は、シクロオレフィンポリマー、ポリパラキシリレン、ベンゾシクロブテン、オレフィン付加ポリマーおよびコポリマー、開環メタセシスポリマーおよびその還元形、非環式ジエンメタセシスポリマーおよびその還元形、フルオロカーボン付加ポリマー、フルオロエーテルポリマー、開環シクロブチルフルオロエーテル、ポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾアゾール、ポリシロキサン、シルセキオキサン、ポリカルボシラン、ならびにその混合物および組み合わせより選択されるポリマーを含み、
前記複数の粒子は複数の金属酸化物リチウムイオン伝導粒子を含む、
請求項1または2に記載のデバイス。
前記膜は円形であり、前記複数の金属酸化物リチウムイオン伝導粒子は前記膜の中央円形領域内にあり、前記中央円形領域を囲む前記膜の環状領域は複数の金属酸化物リチウムイオン伝導粒子を含まない、請求項3に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面における類似の記号は、類似の構成要素を示す。
【0019】
図2Aは、ポリマー・マトリックス材料106に埋め込まれた無機イオン伝導素子104(この場合はタイル)のアレイ102を含む、ハイブリッド・イオン伝導膜100を示す。
図2Bに示されるとおり、イオン伝導素子104は、ポリマー材料106の厚さtにわたって広がっており、ポリマー材料106の第1の主要表面107から第2の主要表面109に延在する。この構成によって、イオン伝導素子104の第1の表面104Aと第2の表面104Bとの間の方向Aにイオンが自由に流れることが可能になる。
図2Aに示される実施形態において、イオン伝導素子104はタイル様のブロックであるが、素子104は任意の好適な形状を有してもよく、ポリマー・マトリックス106内で規則的または不規則的なアレイに配置されてもよいことが理解されるべきである。イオン伝導素子104は、
図2Aおよび
図2Bに示されるような単一層に配置されてもよいし、素子104の少なくともいくつかが互いに重なり合ってもよいが、最適なイオン伝導性を提供し、かつ接触界面におけるインピーダンスを避けるためには単一層の配置が好ましい。いくつかの実施形態において、アレイ102のイオン伝導素子104のいくつかはポリマー・マトリックス106の厚さt全体にわたって広がらなくてもよいが、良好なイオン伝導性を提供するためには、アレイ102の素子104の大多数がマトリックス106の第1の主要表面107から第2の主要表面109に完全に延在することが好ましい。
【0020】
リチウム酸素電池におけるLICMとして使用するための、限定することが意図されない一実施例において、マトリックス・ポリマー106は、以下の特徴の少なくともいくつかを有するべきである。すなわち、(i)水吸収がほとんどまたはまったくないこと、(ii)気体、特にCO
2および酸素に対して不浸透性であること、(iii)電解質混合物に典型的に使用されかつ多くの場合極性である溶媒中で、ほとんどまたはまったく膨張しないこと、(iv)Liイオン伝導粒子に強力に接着すること、(v)たとえば係数および靱性などの良好な力学的特性、ならびに(vi)溶液として、たとえばスピニング、浸漬コーティング、気相堆積、および噴霧などによって塗布し易いことである。一般的には非極性ポリマーが好適であることが見出されており、いくつかの実施形態において、これらのポリマーは80℃より高いか、または100℃より高いガラス転移温度(T
g)を有する。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態において、マトリックス・ポリマーの溶液堆積のために、付加または開環メタセシスポリマー(ROMP)環状ポリオレフィンポリマーが用いられ得る。後者の場合、水素化によって不飽和が取り除かれる。好適な例は、COP(シクロオレフィンポリマー)およびCOC(シクロオレフィンコポリマー)、特に炭化水素開環コポリマーを含むが、それらに限定されない。こうした材料は、日本ゼオン株式会社よりゼオノア(Zeonor)(R)またはゼオネックス(Zeonex)(R)シリーズとして商業的に入手可能である。いくつかの実施形態において、COPは約100℃よりも高いか、または約106℃のT
gを有した。その他のマトリックス材料は、オレフィン付加ポリマーおよびコポリマー、還元形を含む開環メタセシスポリマー、還元形を含む非環式ジエンメタセシスポリマー、フルオロカーボン付加ポリマー、フルオロエーテルポリマー、開環シクロブチルフルオロエーテル、ポリアリーレンおよびポリアリーレンエーテル、ポリベンゾアゾール、ポリシロキサン、シルセキオキサン、ポリカルボシラン、ならびにその混合物および組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0022】
別の実施形態において、パリレン・エンジニアリング(Parylene Engineering)、レドモンド、ワシントン州より入手可能な材料を用いた蒸着重合プロセスであるパリレン・プロセスによって、マトリックス・ポリマーが調製されてもよい。パリレン・プロセスは、高温のモノマー・クラッキング・プロセスの後に、化学蒸着(CVD)を用いて、ポリパラキシリレン共形コーティング・フィルムを形成する反応性モノマー重合を行うものである。重合は室温以下で起こり得る。良好な熱安定性を有するモノクロロ置換化合物であるパリレンCが好適であることが見出されている。非置換化合物であるパリレンN、またはジクロロ置換化合物であるパリレンDも、マトリックス・ポリマー・コーティングの所望の誘電性および高温耐久特性に依存して好適であることがあり、たとえばAF4などのフッ化パリレンも同様である。
【0023】
加えてマトリックス・ポリマーは、たとえばダウ・ケミカル(Dow Chemical)、ミッドランド、ミシガン州よりシクロテン(CYCLOTENE)(R)の商品名で入手可能なベンゾシクロブテン樹脂などの熱硬化性ポリマーであってもよい。熱硬化性の挙動は、放射線処理によって誘導されてもよい。
【0024】
再び
図2A〜2Bを参照すると、イオン伝導素子104は、たとえば、ハイブリッド膜100をどのイオンが伝導するか、および膜100に必要とされる伝導性のレベルなどに依存して、多様な材料から作製され得る。1つの非限定的な実施形態例において、イオン伝導素子は、予め定められた均一な形状およびサイズを有するタイルの形(
図2A〜2B)であってもよく、他の実施形態においては、均一または不均一な形状およびサイズを有する粒子(下記の
図3A〜3F)であってもよい。
【0025】
以下の考察はリチウムイオン伝導材料に焦点を当てるが、本開示はこうした材料に限定されないことが強調されるべきである。Li
+イオン伝導材料に加えて、たとえばNa、H
+、K、Fe、Zn、Mg、Ca、およびその組み合わせなどのイオンを伝導するために、多様な固体イオン伝導素子が使用される可能性があってもよい。
【0026】
リチウム酸素電池に用いるLICMの使用に好適な固体イオン伝導素子の非限定的な例は、セラミックリチウムイオン導体、たとえばポリマー−セラミック複合体など、非酸化物無機材料、ペロブスカイト型酸化物、ガーネット型酸化物、Li
3PO
4酸化物、NASICON型(ナトリウム超イオン伝導体)材料、LISICON(リチウムイオン超イオン伝導体)、および単結晶膜を含む。
【0027】
多くの無機材料がリチウムイオン導体と考えられている。非酸化物材料は、多結晶LiIおよびCaI
2をドープしたサンプルを含む。いくつかの実施形態においては、たとえばAl
2O
3などのセラミック材料を加えることによって、リチウムイオン伝導性を改善できる。たとえばLi
3NおよびLi
1/3−xLi
3xNbO
3などの結晶材料は、ドーピングによって増加され得る、高度に等方性である高い(10
−3S/cm)伝導度を示す。Bi
2S
3、SiS
2、Li
3(PO
4)、およびLi
2S−SiS
2−Li(PO
4)
3などを含有するガラス状硫化リチウムは、7x10
−4S/cmの伝導度に達し得る。
【0028】
固体リチウムイオン導体としては、たとえばA部位に空きを有するLi
3xLa
(2/3)−xTiO
3(LLTO)などのペロブスカイト型などの錯体金属酸化物を挙げることができ、これは単結晶(リチウムランタンチタン酸塩またはLLTO)において10
−3S/cmのリチウムイオン伝導度を達成した。多結晶LLTOは>10
−5S/cmの伝導度を有し、高温アニーリングはLiの損失をもたらす。これらの化合物の構造および合成は、たとえばS.Stramareら、Chem.Mater.2003,15,3974;K.Kitaokaら、J.Mater.Sci.1997,32,2063;Y.Inagumaら、J.Ceramic Soc.Jpn.Int.Ed.1997,105,597;およびA.Varezら、J.Mater.Chem.2001,11,125などに記載されている。
【0029】
その他の好適なセラミック様Liイオン導体としては、ガーネット様酸化物(Li
xLa
3M
2O
12、M=Zr,Nb,Ta,Sb,Bi)が挙げられる。これらの材料はより低温で加工でき、Liの損失を最低限にする。ドープされたサンプルは、10
−4〜10
−5S/cmの範囲のLiイオン伝導度を示す。これらの化合物の構造および合成は、たとえばSolid State Ionics 2009,180(14−16),911;Y.Shimonskiら、Solid State ionics 2011,183(1),48などに考察されている。
【0030】
Li
+超イオン伝導体LISICONと呼ばれるクラスのリチウム導体、たとえばLi
2−2xZn
l−xGe(O)
4などは、上昇した温度における良好な伝導性と、>10
−5S/cmの室温伝導度とを有する。イオン移動度を改善するために、酸素を硫黄で置換してチオ−LISICONを形成してもよい。Li
7P
3S
11などのセラミック材料は、約10
−3Scm
−1の伝導度を有し得る。これらの化合物の構造および合成は、たとえばH.Y.−P.Hong,Mater.Res.Bull.1978,13,117;P.G.Bruceら、J.Electrochem.Soc.1983,130,662;A.D.Robertsonら、Solid State Ionics 1997,104,1などに考察されている。
【0031】
一般式LiM
2(PO
4)
3;M=Ge,Ti,Hf,Zrを有するNASICONと呼ばれる別のクラスのLiイオン導体が用いられてもよく、M部位のいくつかを三価のイオン(例えばAl、Ga、Fe、Laなど)で置換することで、Liイオンの取り込みの増加がもたらされ得る。たとえば、Li
1.3Al
.3Ti
1.7(PO
4)
3(LATP)は室温にて>10
−3Scm
−1のLiイオン伝導度を示す。焼結は、密度を高めて多結晶サンプルに対する伝導性を改善する傾向がある。単結晶Si膜においてもLiイオン伝導性は示されているが、その伝導性はNASICON材料によって示されるものよりも実質的に低い。これらの化合物の構造および合成は、たとえばI.Y.Pinuaら、Inorganic Mater.2009,45(12),1370などに考察されている。
【0032】
別の好適なクラスの材料は、チオ−LiSICON材料(Li
3.25Ge
0.25P
0.75S
4)を含み、これは10
−3Scm
−1のオーダの伝導度を有する。1つの非限定的な例としては、組成物(Li
10GeP
2S
12)を有する材料が挙げられ、これは約10
−2Scm
−1の高いイオン伝導性を有することが報告されている。
【0033】
一例として、水性電解質を用いたリチウム酸素電池に適用するため、たとえばLiM
2(PO
4)
3などのガラス状セラミック膜が用いられており、ここでM=Ge,Ti,Hf,Zrである。無機材料をリチウム金属陽極から分離するために、任意にはポリエチレン酸化物(PEO)保護ラミネート・フィルムによってセラミックが保護されてもよい。
【0034】
図3A〜Fは、ハイブリッド・イオン伝導膜を作製するための方法200の実施形態を示す。
図3Aにおいて、接着テープ230は、除去可能なライナまたはバッキング基材上に接着層232を含む。好適な接着テープ構成としては、熱エネルギまたは紫外線(UV)放射の適用によって除去され得る、日東電工(Nitto Denko)、フリーモント、カリフォルニア州よりELP UB 2130E、ELP DU−300の商品名で入手可能なテープ;日東電工からの耐熱性接着テープのPW(プロス・ウェル(Pross Well)(R))/TRM(R)シリーズ;たとえば3M、セント・ポール、ミネソタ州より水溶性ウェーブ・ソルダー・テープ5414の商品名で入手可能な、薄い水溶性接着層を有するポリ(ビニル)アルコールを用いたテープなどの水溶性接着テープ;または電解質リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(BTFMSI)を含有するポリエチレン酸化物(PEO)接着剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0035】
図3Bにおいて、接着層232の上にイオン伝導タイルまたは粒子204が塗布されて、規則的または不規則的なアレイを形成し、好ましくは接着層232の全体または一部の上に単一層を形成する。粒子のサイズもしくは形状またはその両方がより均一になることを確実にするために、接着層232への塗布の前に、イオン伝導粒子が任意にふるいにかけられてもよい。
【0036】
さまざまな実施形態において、平均粒径は100ミクロンを超えるべきではなく、90ミクロン未満、60ミクロン未満、45ミクロン未満、または30ミクロン未満の平均粒径が好適であることが見出されているが、一般的には50ミクロン未満の平均粒径を有する粒子が好ましい。サイズが小さくなるとイオン伝導度が高くなるが、平均粒径が15ミクロン未満になると、脆弱で取り扱いが難しく、かつピンホールが形成されやすい膜が生成される。膜の平均厚さは最大粒子によって規定されるため、最小粒子が対向する表面から突出し得るように、サイズ分布は好ましくは平均の10%未満である。
図3Bに示されるとおり、イオン伝導粒子は接着層232に接着するか、もしくは埋め込まれるか、またはその両方である。
【0037】
図3Cにおいて、粒子204の上にマトリックス・ポリマー層206が形成される。マトリックス・ポリマー層206は、スピニング、蒸着、浸漬コーティング、および噴霧などを含むがそれらに限定されない多様な堆積技術によって塗布されてもよい。塗布後もしくは塗布中またはその両方において、その後のプロセス・ステップにおける使用のためにその特性を改善するために、任意にはマトリックス・ポリマー層206がさらに加工されてもよい。たとえばマトリックス・ポリマーは、残余溶媒を除去してポリマーの流れを促進するために加熱またはアニーリングされたり、蒸気相中で可塑化溶媒の存在下でアニーリングされたり、硬化または架橋のために放射線に露出されたりなどしてもよい。ポリマーの溶液加工のために、ポリマーは流延溶媒に可溶性である必要があり、または不溶性のナノ粒子として利用可能である際には、それらは好ましくは溶媒に分散可能であるべきである。熱可塑性物質については、溶媒を除去してポリマーの流れを促進するために、通常、サンプルはポリマーT
gより高く加熱される。代替的には、ポリマーは、溶媒蒸気の存在下でアニーリングされることによって、マトリックスの可塑化をもたらしてもよい。マトリックス材料が熱硬化性であるとき、ポリマーは架橋が起こる温度よりも高く加熱される。代替的に、架橋を開始するためにさまざまな形の放射線が用いられてもよい。粒子およびマトリックス・ポリマーを加える前に、水溶性接着剤が加熱によってプレシュリンクされてもよい。
【0038】
図3Dにおいて、必要であればマトリックス・ポリマー層206の一部を除去して、粒子204の少なくとも一部がマトリックス・ポリマー層206から突出して、マトリックス・ポリマー層206の表面207から突出する少なくとも1つの表面207Aを有するように、伝導粒子204の少なくともいくつかの一部を露出させる。各粒子204の表面207Aは、ポリマー層206を構成するポリマーを実質的に含まない。マトリックス・ポリマー層206の部分は、たとえば水性もしくは有機溶媒への浸漬、研磨、酸素プラズマ・エッチング、反応性イオン・エッチング、イオン・ミリング、またはその任意の組み合わせなどの任意の好適な方法によって除去され得る。イオン・ミリングは、マトリックス・ポリマー層206を構成するポリマーのエッチング速度を低減しながら共形コーティングにおける粒子204の頂部からポリマーを除去するために有用であり得る、方向性ミリングの潜在的な利点を有する。
【0039】
図3Eにおいて、接着層232から基材231が剥離されるか、あるいは除去される。いくつかの代替的実施形態において、基材231は、マトリックス・ポリマー層206が除去される前に除去されてもよいし、それと同時に除去されてもよい。
【0040】
図3Fにおいて、接着層232が除去されて、ハイブリッド・イオン伝導膜250が形成される。接着層232は、たとえばピーリング、溶解、酸素プラズマ・エッチング、またはイオン・ミリングなどによって除去されてもよい。
【0041】
接着層232の除去後、突出する粒子204の少なくとも一部は、マトリックス・ポリマー層206の第1の側部207から延在する第1の突出表面207Aと、マトリックス・ポリマー層206の第2の側部209から延在する第2の突出表面209Aとを有する。さまざまな実施形態において、接着層232の除去後、粒子204の一部または大多数または全部が、マトリックス・ポリマー層206の厚さ全体にわたって広がる。
【0042】
接着層232の除去後、イオンが、重なり合う粒子間の界面における抵抗に遭遇することなく粒子内を自由に伝導し得るように、好ましくは粒子204は単一層に配置される。
【0043】
図4は、イオン伝導膜を作製するための別の方法300を示す。
図4A〜4Bにおいて、接着層332の上にイオン伝導タイルまたは粒子304が塗布されて、規則的または不規則的なアレイを形成し、好ましくは接着層332の全体または一部の上に単一層を形成する。粒子のサイズもしくは形状またはその両方がより均一になることを確実にするために、接着層332への塗布の前に、イオン伝導粒子304が任意にふるいにかけられてもよい。
【0044】
ほとんどの場合、ポリマーは前処理なしに粒子表面を覆ってそれに接着し、ポリマーと粒子との間に間隙を残さない。これが当てはまらない状況においては、接着を促進するために表面の溶液または気相での表面機能化が開始されてもよい。セラミック材料は酸化物であるため、シリカ表面および粒子に対して使用される表面処理が使用され得る。同様に、必要であれば、たとえば酸化鉄または酸化チタンなどの塩基性金属酸化物の表面機能化に用いられる好適な手順が使用されてもよい。
【0045】
図4Bに示されるように、さらなるオーバーコートおよび加工ステップを可能にするために、イオン伝導粒子304は接着層332に接着するか、もしくは埋め込まれてゆくか、またはその両方である。
【0046】
図4Cにおいて、たとえばスピニング、蒸着、浸漬コーティング、および噴霧コーティングなどの任意の好適な方法によって、粒子304の上にマトリックス・ポリマー層306が堆積される。塗布後もしくは塗布中またはその両方において、その後のプロセス・ステップにおける使用のためにその特性を改善するために、任意にはマトリックス・ポリマー層306中のポリマーがさらに加工されてもよい。たとえば、層306中のポリマーは、残余溶媒を除去してポリマーの流れを促進するために加熱またはアニーリングされたり、硬化または架橋のために放射線に露出されたりなどしてもよい。
【0047】
図4Dにおいて、粒子304の少なくとも一部がマトリックス・ポリマー層306から突出して、マトリックス・ポリマー層306の表面309から突出する少なくとも1つの表面309Aを有するように、伝導粒子304の少なくともいくつかの一部を露出させるように接着層332を除去する。表面309Aの一部は、ポリマー層306を構成するポリマーを実質的に含まない。さまざまな実施形態において、粒子304の少なくとも一部は実質的にポリマーを含まない表面を有する。接着層332は任意の好適な方法によって除去されてもよく、ピーリング、溶解または酸素反応性イオン・エッチングは特に有効であることが見出されている。
【0048】
図4Eにおいて、粒子304がマトリックス・ポリマー層306から突出するように、伝導粒子304の少なくともいくつかまたは大多数または全部の一部を露出させるように、マトリックス・ポリマー層306の一部を除去する。マトリックス・ポリマー層306は、たとえば研磨、酸素プラズマ・エッチング、イオン・ミリング、またはその組み合わせなどの任意の好適な方法によって除去され得る。
【0049】
マトリックス・ポリマー層306の所望の部分の除去後、粒子304の少なくとも一部は、マトリックス・ポリマー層306から突出し、かつマトリックス・ポリマー層306を構成するポリマーを実質的に含まない、少なくとも2つの表面を有する。突出する粒子304の各々は、マトリックス・ポリマー層306の第1の側部309から延在する第1の突出表面309Aと、マトリックス・ポリマー層306の第2の側部307から延在する第2の突出表面307Aとを有する。さまざまな実施形態において、マトリックス・ポリマー層306の選択された部分の除去後、粒子304の一部または大多数または全部が、マトリックス・ポリマー層306の厚さ全体にわたって広がる。イオンが、重なり合う粒子間の界面における抵抗に遭遇することなく自由に伝導し得るように、好ましくは粒子304は単一層に配置される。
【0050】
さまざまな接着性基材の上の粒子アセンブリのいくつかの代表的な写真を
図5A〜5Cに示す。本明細書においてサンプル1およびサンプル2と呼ばれるリチウムイオン伝導ガラス粒子は、ショット・グラス(Schott Glass)、マインツ、ドイツから得られたものである。サンプル1粒子は一般式Li
1+xAl
x(PO
4)
3(LATP)、x=3を有するNASICON型であり、サンプル2はAlでドープしたLi
7La
3Zr
2O
12(LLZO)のガーネット様元素組成物に由来するものであった。受取った際のLATP粒子についての粒径分布は30〜90ミクロンの範囲であったのに対し、LLZO粒子についてのサイズ分布はより均一であった。
【0051】
図5Aは日東電工より得られる熱剥離接着テープ基材の上のサンプル1粒子を示し、
図5Bは3Mより入手可能な水溶性接着テープの上のサンプル1粒子を示し、
図5Cは3M水溶性接着テープの上のサンプル2粒子を示す。
【0052】
電極もしくは電解質またはその両方との接触をマトリックス・ポリマー層の両側で確立すべきであるとき、マトリックス・ポリマーをコートする前の粒径分布はより狭い方が好ましい。なぜなら、より大きい粒子が存在するときの小さい粒子は、膜構成の両側において良好な接触を行う突出表面を露出していないかもしれないからである。イオン伝導粒子のアレイが1粒子の厚さしかない構成においてこの状況は悪化し、こうした単一層構成に対しては、粒径分布を狭くするために使用前に粒子をふるいにかけることが好ましい。
【0053】
図6A〜6Bは、広い粒径分布を有することによって起こり得る影響を示すものであり、限定することは意図されていない。
図6Aに示されるように、ふるいにかけられた類似サイズの粒子は、マトリックス・ポリマー層を構成するポリマーのオーバーバーデンを類似の量で有し、これは上にあるポリマーを除去することによってアレイ中の粒子の高い全体パーセンテージの表面が露出される可能性を高める。
図6Bに示されるとおり、もし粒子がふるいにかけられなければ、より小さい粒子は、マトリックス・ポリマー層を構成するポリマーのかなりのオーバーバーデンを有するため、その後マトリックス・ポリマーの選択部分が除去されるときに、これらの小さい粒子は表面を露出させる可能性が低くなる。
【0054】
図7は、水溶性接着層の上にアセンブルされた(LATP)粒子のサンプルを示し、このサンプルはマトリックス・ポリマー・パリレンCの気相堆積によってコートされている。このマトリックス・ポリマー・コーティングは共形であり、コーティング範囲の品質はかなり良好であり、50ミクロンより厚いフィルムが容易に調製される。マトリックス・ポリマーの堆積後のアニーリングは、ポリマーの分解温度より低い温度においては平坦化をもたらさない。高温堆積に対しては、パリレン・プロセスによって作られるポリマー・フィルムの平坦化が報告されているが、これらの条件は場合によっては水溶性接着基材の熱不安定性を引き起こし得る。
【0055】
ハイブリッド・イオン伝導フィルムはかなり柔軟であり、大面積に適用するために調製され得る。たとえば、
図10A〜10Dは、バッキングの除去後の加工膜シートのサイズ(約5cm×15cm)と、その柔軟性とを示す。
図10A〜10Cは、粒子アセンブリのために水溶性接着剤を用いて、マトリックス・ポリマーとしてCOPを用いて調製したフィルムを示し、
図10Dは、粒子のアセンブリのためにPEO−BTFMI接着剤を用いて調製した4インチ(10cm)ハイブリッド・イオン伝導フィルムを示す。
【0056】
ハイブリッド・フィルムの加工はマトリックス・ポリマー・オーバーバーデンを低減し得るが、多くの実施形態においては、アレイのすべての粒子からオーバーバーデンを完全に排除することはできない。特に炭素ベースのポリマーについて、マトリックス・ポリマーをさらに除去してより多くのイオン伝導粒子の表面を露出させるために、任意には酸素反応性イオン・エッチング(O
2−RIE)が、単独または他のポリマー除去法と組み合わされて使用されてもよい。無機リチウムイオン伝導材料はすでに酸化されているという事実は、それらが酸化的プラズマ条件に対して非常に不浸透性であることを意味する。水溶性接着剤が用いられる際に、その接着剤が溶解して除去されると、露出粒子は接着性ポリマーをほとんど含まず、結果的にエッチングをほとんど必要としない。
【0057】
主な要求は、各粒子に対する空気界面からのポリマー除去に対するものである。いくつかの実施形態において、被覆されたイオン伝導粒子からのポリマー除去は、粒子の間隙からのポリマーの除去よりも迅速であり、これはマトリックス・ポリマー層を過度に薄くすることなく粒子の表面からポリマー・オーバーバーデンを除去することをもたらす。このことが
図11に示されており、これはCOPマトリックス・ポリマーと、粒子アセンブリのために使用された水溶性接着剤とを用いたサンプルを示し、ここでは複数のイオン伝導粒子の表面からマトリックス・ポリマーを除去するためにO
2−RIEが用いられた。
【0058】
マトリックス・ポリマー層の一部を除去するための加工の間にピンホールが導入されたかどうかを決定するために、ハイブリッド膜を調製して、日本工業標準調査会によって承認された技術(JIS P8117)を用いて浸透をテストした。このテストは、圧力勾配を用いて100ccの空気がマトリックス・ポリマー層を通って拡散するために必要な時間を測定することを含んだ(
図13を参照)。
【0059】
図13においてテストされたハイブリッド・イオン伝導膜は、スピン・コーティングによってCOPマトリックス・ポリマー溶液で5XコートされたLATPリチウムイオン伝導粒子から調製された。サンプルを乾燥し、70℃にて1日のエタノール浸漬を用いて接着性バッキングを除去した。次いで、測定前にフィルム・サンプルを室温にて10日間置いた。この膜サンプルは、O
2−RIEを用いてエッチングされなかった。
図13における測定は、検出限界を下回る非常に低い浸透を示した。
【0060】
ハイブリッド膜についてのデータとともに市販のLIBセパレータ材料との比較を、下の表1に示す。
【0062】
本開示に記載されるイオン伝導ハイブリッド膜は、多様な適用に使用されてもよいが、リチウムイオン伝導粒子によって作られる際には、本明細書の
図1に記載されるリチウム酸素電池構成のいずれかにおけるリチウムイオン伝導膜(LICM)として特に有用である。
【実施例】
【0063】
以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をさらに説明する。
【実施例1】
【0064】
水溶性接着剤(WSA)を用いたハイブリッド膜の調製
図3A〜3Fの手順全体を用いた。水溶性接着テープの層を、粘着性の側を上にして所定の場所に保持するために、テープを用いてステンレス鋼基材に取り付けた。ふるいにかけたイオン伝導粉末をその表面上に分散させて、振とうによって過剰分を除去した。良好な粒子面積範囲が達成されるまで、これを数回繰り返した。次いで拘束テープを除去し、デカリン一滴を基材底面に加えた後に、粒子被覆フィルムの再塗布を行った。加熱プロセスにおいてテープが使用されるときに起こる、熱加工の際のWSAフィルムのしわを防ぐために、ソフトな接続(表面張力)が必要であった。粒子被覆フィルムは表面張力によって所定の場所に保持され、WSAをプレシュリンクするために基材を130℃で20分間加熱した。マトリックス・ポリマー(日本ゼオン株式会社からのゼオノア(R)1060R)溶液(デカリン中で8重量%)の層を、アセンブリ上で300rpmにて回転させ、各塗布の後にこの系を90℃で20分間加熱した。所望の厚さが得られるまで塗布を続けた(典型的には、この系に対して約5回の塗布)。
【0065】
図8Aは、COPマトリックス・ポリマー材料の各層の堆積後に90℃に加熱されたアセンブリのSEM顕微鏡写真を示す。これらの条件下で、スピン・コーティング後のポリマーの間隙充填は理想的ではなかった。概して、マトリックス・ポリマーのより希薄な溶液を用いて、かつコーティング・ステップの数を変えることによってフィルムの厚さを制御して、より良好な間隙充填が達成された。
【0066】
図8Bは、接着剤コート・バッキングの除去の前にアセンブリを130℃にて4時間アニーリングしたときの、類似の構成を示す。ここではポリマーの流れ(約106℃のT
g)によって、間隙充填がかなり改善されている。この構造をデカリン蒸気中で90℃にて3日間アニーリングすることによって、間隙充填の類似の改善が達成されたが、この手順はより時間がかかるものである。このトップダウン図は、コーティング後のコーティングの大部分が共形であることを示す。エタノール中で5日間加熱することによって、水溶性接着剤を除去した。ほとんどのバッキングは1日後に除去されるが、除去を完了するために露出の増加が必要であった。
【0067】
図9は、接着層およびバッキングの除去後の、
図8Bのアセンブリの水溶性接着剤側の平面図を示す。イオン伝導粒子が明瞭に露出されており、その露出表面には残余ポリマー・コーティングはほとんどないように見える。
【0068】
別の実験においては、PEG(M
w=40,000)およびリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(BTFMSI)(重量比約20:1)の薄い接着フィルムを含有する表面上にも、イオン伝導粒子をアセンブルした。アセトニトリルの溶液からの混合物をスピン・コートし、90℃にて乾燥させることによって、フィルムを塗布した。塩なしのPEGは固体かつ非接着性であったが、電解質塩の添加によって、フィルムはイオン伝導粒子をアセンブルおよび保持するのに十分な粘着性になった。再び、ふるいにかけた粒子を繰り返し振りかけて過剰分を振り落とすことによって、粒子アセンブリを達成した。
【0069】
上述のとおり、アセンブリをCOPマトリックス・ポリマーによってコートした。アセンブリを130℃で4時間加熱した後、アセトニトリルに1日浸漬することによって、接着剤およびバッキングを除去した。これらの条件下で、接着剤側の粒子はCOPの薄層でコートされ、この表面は、水溶性接着剤(WSA)プロセスによるものよりもはるかに平面状を呈した。
【0070】
各場合に、ポリマー・オーバーバーデンはO
2−RIEによって除去されるか、またはもっとゆっくりとオフ軸アルゴンイオン・エッチング(20keV)によって除去され得る。主要なポリマー・オーバーバーデンはアセンブリの空気側にあるが、裏側にもいくらかのエッチングが使用され、その程度は接着剤側に現れるCOPマトリックス・ポリマーの量に依存する。電気測定のために金で熱コーティングした後にマトリックス・ポリマー層の厚さを横切る短絡が生成されないように、十分なマトリックス・ポリマー層の厚さを残すようにエッチングを制御すべきである。このために、空気側では4〜6分のエッチング時間が使用され、WSA側ではもっと短いエッチング(0.5〜1分)が行われたが、除去速度はエッチング条件に依存する。
【0071】
図10は、イオン伝導粒子をアセンブルするために用いられる接着層としてPEO−BTFMSIを用いたアセンブリの、平面
図SEM画像を示す。再び、スピニング・サイクルの数を減らすことによってポリマー・オーバーバーデンが低減し、130℃の塗布後アニーリングによって、粒子間隙の充填が改善した。70℃にてアセトニトリルに1日浸漬することによってCOPマトリックス・ポリマーが塗布された後に、PEO接着層が除去された。
【実施例2】
【0072】
測定セルにおける封止を可能にするための粒子不含ポリマー・カラーを含有するハイブリッド膜の調製
図3A〜3Fに記載されるものと類似の手順が使用され、付加的なマスキング・ステップが使用された。水溶性接着テープを、粘着性の側を露出させて基材上に置いた。円形の14mmの孔を含むマスクを水溶性接着剤に付着させた。マスクはアルミニウム・ホイルから作られていた。リチウムイオン伝導粒子を接着テープ上に繰り返し注いで過剰分を振り落とすことによって、リチウムイオン伝導粒子を塗布した。次いで、マスクを物理的に除去し、前の実施例で説明したとおり、COPマトリックス・ポリマー溶液をスピニングによって塗布した。
【0073】
その結果は、
図12に示されるとおり、環状の透明なCOPマトリックス・ポリマー・カラーに囲まれた14mmのハイブリッド・イオン伝導フィルムであった。この膜は、リチウムイオン伝導粒子を含まない環状のポリマーのみの範囲の上に圧縮されるOリングを用いて、セル内に封止されてもよい。
【0074】
実施例3〜4−ハイブリッド膜内のイオン伝導
いくつかの実施形態において、蓄電池および燃料電池中の膜は高いイオン伝導性を有し、電子伝導性はほとんどまたはまったく有さない。イオン伝導と電子伝導とを区別するための標準的な方法は、イオン種の酸化または還元が起こらないように、化学的に不活性の金属電極の間にサンプルを調製することである。一定の(dc)電圧が印加されるとき、これらの電極はイオン電流を遮断するが、もしあれば電子の流れは通過させ得る。他方で、電子およびイオンは両方とも、時間依存性の、たとえば正弦波時間依存性(ac)の電圧、または電圧ステップ(一過的)に応答する。ac周波数またはステップ後の時間の関数としての挙動は、電子とイオンとで非常に異なる。したがって、dc、acおよび一過的応答の測定は、イオン伝導および電子伝導の別々の特徴付けを可能にする。
【0075】
ハイブリッド膜のサンプルの両側を、100nmの金でコートした。円形の金電極の直径は典型的に19mmであり、2.8cm
2の面積を与えた。参照の目的で、ハイブリッド膜と同じイオン導体の固体セラミック・ディスクを調製し、同じやり方で測定した。いくつかの実験の方法および結果を、以下の実施例において詳述する。
【実施例3】
【0076】
COPマトリックス・ポリマーに埋め込まれた90ミクロンのLi
1.3Al
.3Ti
1.7(PO
4)
3(LATP)粒子を含むハイブリッド・イオン伝導膜のディスクの両側を、直径19mm、厚さ100nmの金電極でコートした。ケースレー(Keithley)ソース・メジャー・ユニット(SMU)を用いて、時間t=0に0.1Vの電圧を印加し、その後の時間の関数として電流を測定した。初期電流(機器の応答により制限され、実際にはt=0.8s)は0.3nAであり、300sの時間にわたって電流は1pA未満に減衰した。
【0077】
初期電流のより正確な値を得るために、パルス発生器およびオシロスコープを用いた。1000オームの直列抵抗器に電流を通し、一連の累進的に長くなるタイムベース掃引において抵抗器を横切って得られる電圧を決定することによって電流を測定した。機器の時間分解能は約20nsであった。ハイブリッド膜における初期電流は、少なくとも90μAと決定された。初期電流対長時間電流の比率(90μA/1pA)は、イオン輸率T
ion>0.99999999または電子輸率T
e<10
−8に対してより低い制限を設ける。比較のために、リチウムイオン導体であることが周知である厚さ0.5mmのセラミックの固体ディスクは、初期電流350μAを示し、それは900s後に1nA未満に減衰し、よってセラミックに対してT
ion>0.99999であった。したがって、新たなハイブリッド膜は、少なくともそのセラミック構成要素の材料と同程度に高いイオン輸率を有するイオン導体であると結論付けることができる。
【0078】
図14は、電圧のステップ後の、この実施例のハイブリッド膜における電流の経時的減衰を示す。オシロスコープ・トレースについて、ステップは−0.1Vから+0.1Vであり、ステップが0から+0.1Vであるソース・メジャー・ユニット(SMU)からのデータと比較するために、電流を2で割っている。この実施例の結果は、本発明のハイブリッド膜が、セラミック構成要素に匹敵するイオン輸率および伝導性によってリチウムイオンを伝導することを示すものである。
【実施例4】
【0079】
上記実施例3と類似の方式で調製したイオン伝導膜サンプルを、アジレント・モデル(Agilent Model)4294Aインピーダンス・アナライザの端子の間に接続した。40Hzから110MHzまでの周波数を走査し、acインピーダンスの実数部および虚数部を記録し、ナイキスト線図にプロットした(
図15、ここでは1MHzから110MHzのみを示す)。
【0080】
このデータは、3x10
7s
−1の特性周波数を伴う、約160オームの抵抗に対応する容量電圧「ローブ」を明らかにする。これは、セラミック母材のイオン抵抗および誘電緩和速度に匹敵する。
【0081】
図15は、ブロッキング電極を伴うイオン導体に対して予期されるとおりの、低周波数における高インピーダンスを示す。約80オームを中心とする部分的に分解されたローブは、セラミックおよびポリマー材料の組み合わされた誘電応答に並行するLiイオン伝導によるものである。
図15のデータはさらに、ハイブリッド膜の誘電緩和速度がセラミック母材のものと類似していることを示す。
【0082】
実施例3〜4の結果に鑑みると、本発明に記載されるハイブリッド膜を製作するために用いられるプロセスは、イオン伝導および輸率の本質的な特性を保持する。
【0083】
本発明のさまざまな実施形態を説明した。これらの実施形態およびその他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。