(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
スーパー、量販店、コンビニ等において、商品を吊り下げて陳列する商品吊り下げ具が知られている。このような商品吊り下げ具としては、従来より様々な工夫がされたものが多数提案されている(実用新案登録3079696、特開2008−178441号公報、特開2007−29154号公報、特開2000−60698号公報)。例えば、
図19に示すような商品吊り下げ具100は、固定部材104に取付けられる側面視形状がコ字状の取付部101と、取付部101から前方に延びるアーム状のフック部材102とを備えるものである。そして、包装袋又は包装容器状の商品Aは、上部に形成された通し穴103にフック部材102を通して前後方向に多数陳列される。
【0003】
消費者は、商品Aを購入する際、前方の商品をフック部材102から抜き取ってゆく。このように、前後方向に並んだ多数の商品Aは前方側から次から次へ抜き取られてゆく。なお、従来の商品吊り下げ具には、自動又は手動で商品の前出しを行う機能を有するものがあり、このような商品吊り下げ具においては、適宜、前出しが行われる。そして、陳列商品Aの大部分が抜き取られると、陳列商品Aを新たに補充する必要がある。通常、商品の補充は陳列商品Aが全て無くなると拙いため、少しの陳列商品が残った状態で補充が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の
図19の商品吊り下げ具100における商品の補充の作業は、未だ売れていない陳列商品Aを全部フック部材102の前方から抜き取り、その後、新たな商品を前方から補充し、奥側(後方側)に移動させた後、抜き取った商品を元の吊り下げ状態に戻すことで行われている。未だ売れていない陳列商品Aを全部フック部材102に残したまま、前方から新たな商品を補充すると、鮮度の高い商品が前方に、鮮度の高い商品より鮮度の低い商品が後方に残ってしまい問題となる。このように、
図19の商品吊り下げ具100においては、吊り下げ商品の抜き取り、新たな商品の補充及び抜き取り商品の戻しと3つの作業工程が必要となり作業者にとってやっかいな作業であった。従って、補充工程が1工程で済むような商品吊り下げ具であれば、極めて都合がよい。
【0006】
従って、本発明の目的は、補充工程が1工程で済む商品補充に好適な商品吊り下げ具及びこれに使用するフック部材を提供することにある。
【0007】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、アーム状の商品吊り下げ用のフック部材であって、商品が吊り下げられる吊り下げ本体部と、後方縦棒部と、該吊り下げ本体部と該後方縦棒部間に位置する、該吊り下げ本体部から後方に向けて上り傾斜状又は起立状の立ち上がり部を有することを特徴とするフック部材を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、前記フック部材と、該フック部材を抜き差し自在に支持する、固定部材に装着される取付部とを有することを特徴とする商品吊り下げ具を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の商品吊り下げ具によれば、商品を補充する際、商品を吊り下げるフック部材を取付部から取り外す。次いで、フック部材の後方から補充商品を補充する。これにより、鮮度の高い商品はフック部材の後方に、補充前に吊り下げられていた商品は前方に移動する。また、フック部材の後方側に傾斜状又は起立状の立ち上がり部を設けたため、フック部材を取付部から取り外す際、吊り下げられている商品が後方から脱落することはない。また、本発明のフック部材によれば、本発明の商品吊り下げ具に使用する一部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における商品吊り下げ具の斜視図である。
【
図3】
図1の商品吊り下げ具で使用する取付部の平面図である。
【
図5】商品の補充工程の説明図であり、取付部からフック部材を外した図である。
【
図6】商品の補充工程の説明図であり、取付部からフック部材を外した他の図である。
【
図7】商品の補充工程の説明図であり、フック部材の後方から商品を補充する図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態における商品吊り下げ具の斜視図である。
【
図10】
図8の商品吊り下げ具で使用する中間取付部の斜視図である。
【
図11】
図8の商品吊り下げ具で使用する中間取付部の裏側から見た斜視図である。
【
図13】
図8の商品吊り下げ具の取付部近傍の拡大側面図である。
【
図14】第3の実施の形態における商品吊り下げ具の分解斜視図である。
【
図16】
図14の商品吊り下げ具における商品の補充工程の説明図であり、取付部からフック部材を外した他の図である。
【
図17】
図14の商品吊り下げ具における商品の補充工程の説明図であり、フック部材の後方から商品を補充する図である。
【
図18】第4の実施の形態における商品吊り下げ具の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明のフック部材及びこれを用いる第1の実施の形態における商品吊り下げ具を
図1〜
図7を参照して説明する。
図2に示すように、フック部材10は、アーム状の商品吊り下げ用のフック部材であって、商品Aが吊り下げられる吊り下げ本体部11と、後方縦棒部12と、吊り下げ本体部11と後方縦棒部12間に位置する後方上り傾斜の傾斜部13(立ち上がり部)とを有する。すなわち、本例のフック部材10は、丸棒部材の後方端部において上方に屈曲させ後方上り傾斜の傾斜部を形成し、次いで下方に鋭角に屈曲させ後方縦棒部(鉛直部)を形成したものである。吊り下げ本体部11は、フック部材10の大部分を占めるものであり、前後方向に真っ直ぐに延びる直線部を有し、該直線部は、使用状態において水平状態又は若干前方に向けて下り傾斜状に設置される。
【0012】
フック部材10において、後方縦棒部12は、取付部20に着脱自在に取り付けられる部分であり、吊り下げ本体部11の直線部に対して直角で上下方向に真っ直ぐ延びる鉛直部材または吊り下げ本体部11に対して内角が直角より若干小である上下方向に真っ直ぐ延びる部材である。後方縦棒部12の長さ(高さ)は、取付部20に取り付けた際、安定した固定が得られる長さであり、通常20〜30mm程度あればよい。
【0013】
フック部材10において、傾斜部13は、
図6に示すように、フック部材10を取付部20から取り外した際、吊り下げ商品Aの後方端からの脱落を防止する脱落防止部である。従って、傾斜部13の前端は、吊り下げ本体部11の後端と接続し、傾斜部13の後端は、後方縦棒部12の上端と接続する。また、傾斜部13と後方縦棒部12の接続部は、角のないアール(丸み)を形成することが、後方からの商品補充を円滑に行うことができる点で好ましい(
図7参照)。傾斜部13と後方縦棒部12の接続部が丸みのない、角を形成するものであれば、商品補充の際、吊り下げ商品の上部に形成された通し穴が角に引っ掛かり、商品の円滑な補充を妨げる。傾斜部13は、真っ直ぐに延びる吊り下げ本体部11から20°〜40°、好ましくは25°〜35°の角度で傾斜していると、商品の後方脱落防止と、商品の円滑な補充の双方を満足させることができる。傾斜部13の長さは、適宜決定すればよいが、20〜30mm程度あればよい。フック部材10の先端には、吊り下げ本体部11の先端から前方へ上り傾斜の前方傾斜部14を形成してもよい。これにより、使用時において、不用意に吊り下げ商品が前方から脱落することを防止できる。
【0014】
次に、第1の実施の形態における商品吊り下げ具を説明する。商品吊り下げ具10Aは、フック部材10と、フック部材10を抜き差し自在に支持する、固定部材50に装着される取付部20とを有する。固定部材50としては、左右方向に延びる角部材あるいは左右方向に延びる線材などが挙げられ、特に左右方向に延びる角部材が安定した取付ができる点で好ましい。これらの角部材や線材は両端において支柱などに固定される。
【0015】
取付部20は、固定部材50に取り付けられると共に、フック部材10を取り付けるものである。取付部20の固定部材50への取付は着脱不能または着脱可能のいずれであってもよいが、本例では着脱可能の取り付けである。本例の取付部20は、角材である固定部材50に上方から被せることで取付けられるもので、後方板部21と上方板部22と前方板部23とを備える。また、前方板部23には、フック部材10の後方縦棒部12が嵌る嵌合部24が付設されている。すなわち、嵌合部24は、フック部材10の後方縦棒部12が嵌る円筒嵌合部244と、円筒嵌合部244の上端部から前方へ下り傾斜状に形成される、フック部材10の傾斜部(立ち上がり部)13が支持される傾斜支持部243(立ち上がり部支持部)を備える。円筒嵌合部244には、後方縦棒部12が嵌合する上下方向に延びる貫通孔241が形成され、傾斜支持部243には、フック部材10の傾斜部13が支持される傾斜溝242が形成されている。傾斜溝242は貫通孔241と連続し、貫通孔241の上端から前方下り傾斜で延びている。これにより、フック部材10の後方縦棒部12と傾斜部13が、嵌合部24に嵌合して支持されるため、左右方向への振れは生じない。また、フック部材10は、手で引き上げれば、嵌合部24から簡単に外すことができる。貫通孔241は、下端が閉じた縦孔であってもよい。なお、嵌合部24において、傾斜支持部243は省略してもよく、また、傾斜支持部243の傾斜長さを短くしてもよい。傾斜支持部243を省略する場合、円筒嵌合部244の上端前部に、フック部材10の傾斜部13が嵌る溝を形成すればよい。
【0016】
次に、商品吊り下げ具10における商品の補充方法について
図5〜
図7を参照して説明する。商品吊り下げ具10において、商品の補充を行う場合、取付部20からフック部材10を取り外す。取付部20からフック部材10を取り外すには、フック部材10を把手して上方(
図5の符号X方向)に引き上げればよい(
図5参照)。この際、
図5のように、吊り下げ商品Aが後方に位置すると、吊り下げ商品を含めたフック部材10において、前後の重量バランスが崩れて、
図6に示すように、吊り下げ商品Aが後方端に移動することがある(
図6の符号Y
1方向)。この場合、バランスを崩した後のフック部材10の傾斜角度が傾斜部13の傾斜角度より小であると、傾斜部13は依然として、後方上り傾斜となり、吊り下げ商品Aが後方端より脱落し難くなる(
図6)。次に、
図7に示すように、新たな吊り下げ商品Aは、フック部材10の後方端から符号Y
2方向(前方方向)へ補充する。フック部材10の後方端部は、後方縦棒部12と傾斜部13の接続部がアール形状となっているため、後方からの商品補充を円滑に行うことができる(
図7参照)。また、補充商品が後方側に位置し、元々フック部材10の残っている商品が前方にくるため、商品の鮮度バランスがよくなる。
【0017】
次に、第2の実施の形態における商品吊り下げ具を
図8〜
図13を参照して説明する。第2の実施の形態における商品吊り下げ具10Bにおいて、第1の実施の形態における商品吊り下げ具10Aと同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、商品吊り下げ具10Bは、フック部材10と、角材である固定部材50に上方から被せることで取付けられる、後方板部21と上方板部22と前後方向に貫通する貫通孔25を有する前方板部23aとを備える固定側取付部20aと、固定部材50と前方板部23a間に介在する板状体31と、板状体31の前面に付設される貫通孔25から前方へ突出する後方縦棒部12を嵌合する第2嵌合部24aを有する中間取付部30とを更に有し、板状体31の裏面には、板状体31から後方へ延びる上方への抜け防止用の突起33が形成され、第2嵌合部24aに後方縦棒部12が嵌合するものである。商品吊り下げ具10Aは、フック部材1と取付部20の2部材であるが、商品吊り下げ具10Bは、フック部材10と固定側取付部20aと樹脂製の中間取付部30の3部材である。商品吊り下げ具10Bは、樹脂製の中間取付部30を設け、この中間取付部30を固定側取付部20aの中に介在させ、中間取付部30に上方への抜け防止用の突起33を形成したため、補充の際、フック部材10を中間取付部30から取り外す際、中間取付部30及び固定側取付部20aが連れ上がりして固定部材50から外れることを防止する。
【0018】
商品吊り下げ具10Bにおいて、固定側取付部20aは、金属製のものが好ましく、長方形の板材を長手方向の2箇所で直角に屈曲させ、略コ字形状とし、更に前方板部23aに四角状の貫通孔(窓部)25を形成したものである。なお、前方板部23aは、貫通孔25を形成するため、上下方向の長さ(高さ)を十分に採っている。貫通孔25には、中間取付部30の第2嵌合部24aが裏面(固定部材側)から挿通される。
【0019】
商品吊り下げ具10Bにおいて、中間取付部30は、薄肉の板状体31と、板状体31のほぼ中央に形成される第2嵌合部24aを備える。薄肉の板状体31において、第2嵌合部24aの外側であって、且つ両側縁近傍及び下側縁近傍に亘りコ字形状の切り欠き34が形成されている。これにより、切り欠き34より外側のコ字形状部36が前後方向に撓みやすくなる。そして、板状体31の裏面、具体的には、外側のコ字形状部36の裏面に、後方へ延びる上方への抜け防止用の突起33が形成されている。突起33は、上端面が板状体31の裏面と直角の平坦面であり、段差331を形成している。この段差331は、使用状態において固定部材50である角材の下端面に当接するように形成される。切り欠き34より外側のコ字形状部36を撓み部とすることで、中間取付部30の固定部材50への取付が容易となる。
【0020】
中間取付部30の板状体31の表面に形成される第2嵌合部24aは、商品吊り下げ具10Aの嵌合部24と同様であり、フック部材10の後方縦棒部12が嵌る円筒嵌合部244と、円筒嵌合部244の上端から前方へ下り傾斜状に形成される、フック部材10の傾斜部13が支持される傾斜支持部243を備える。円筒嵌合部244には、後方縦棒部12が嵌合する上下方向に延びる貫通孔241が形成され、傾斜支持部243には、フック部材10の傾斜部13が支持される傾斜溝242が形成されている。貫通孔241と傾斜溝242は連続しており、傾斜溝242は、貫通孔241の上端から前方へ下り傾斜している。また、円筒嵌合部244の両側面で且つ後方端には、小突起35が形成されている。小突起35、35により、固定側取付部20aの貫通孔25に第2嵌合部24aを強く嵌めることができる。小突起35、35の両側は後方に向けて左右方向の外側に漸次大となっている。これにより、貫通孔25に第2嵌合部24aを嵌める際、嵌合工程の後半部分において、強い嵌合となり、中間取付部30が固定部材50の強く固定される。
【0021】
商品吊り下げ具10Bは、中間取付部30と固定側取付部20aを組み付け、固定部材50に固定し、次いで、フック部材10を取り付けて使用状態とすることができる。すなわち、
図9に示すように、中間取付部30を固定側取付部20aの下方から潜り込ませ(入れ込み)、第2嵌合部24aを固定側取付部20aの貫通孔(窓部)25に、裏側から外側に通して、第2嵌合部24aを前方へ突出させる。この際、円筒嵌合部244の両側面の小突起35、35の外側間の最大寸法(左右方向の幅寸法)が、貫通孔25の左右方向の内寸法より若干大であるため、強い嵌合ができる。固定側取付部20aに中間取付部30を組み込んだ後、固定側取付部20aを固定部材50にはめ込む。すなわち、組み込み体を固定部材50に対して上方から下方に嵌め込めばよい。この際、突起33が嵌め込みの障害となるが、突起33が形成されるコ字形状部36の撓み部が前方に撓むため、嵌め込みの障害とならず、嵌合後は、突起33が固定部材50である角材の前方側の下端に当接することになり、固定側取付部20aと中間取付部30は、固定部材50から上方へ外れ難くなる。この状態において、板状体31は、固定部材50と前方板部23a間に介在する。次いで、フック部材10の後方縦棒部12を中間取付部30の貫通孔241に差し込み、フック部材10の傾斜部13を傾斜支持部243に載せることで、フック部材10の取付けは完了する。吊り下げ商品Aは、予めフック部材10に吊り下げておいてもよく、先にフック部材10を取り付け、その後、前方から吊り下げ商品Aを入れ込んでもよい。
【0022】
次に、商品吊り下げ具10Bにおける商品の補充方法について説明する。商品吊り下げ具10Bにおける商品の補充方法において、商品吊り下げ具10Aにおける商品の補充方法と異なる点について主に説明する。すなわち、
図13に示すように、商品吊り下げ具10Bにおいて、商品を補充するには、フック部材10を上方に引き上げることで、第2嵌合部24aから取り外す。この際、フック部材10と第2嵌合部24aの摩擦抵抗あるいは不慮の外力が作用し、中間取付部30に上方への力が作用する場合がある。中間取付部30は、固定側取付部20aに嵌め込まれており、固定側取付部20aも同様に連れ上がり、中間取付部30と固定側取付部20aが固定部材50から外れる恐れがある。しかし、本発明の商品吊り下げ具10Bは、抜け防止用の突起33が固定部材50の係止しており、中間取付部30及び固定側取付部20aの上方からの脱落を防止できる。フック部材10を取り外した際の傾斜部13の作用及び取り外したフック部材10への吊り下げ商品Aの補充方法などは商品吊り下げ具10Aにおける場合と同様である。
【0023】
次に、本発明の第3の実施の形態におけるフック部材及びこれを用いた商品吊り下げ具について
図14〜
図17を参照して説明する。
図14〜
図17のフック部材及びこれを用いた商品吊り下げ具において、
図1〜
図7のフック部材10及びこれを用いた商品吊り下げ具10Aと同一構成要素には、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、第3の実施の形態における商品吊り下げ具10Cにおいて、第1の実施の形態における商品吊り下げ具10と異なる点は、フック部材の立ち上がり部と取付部である。
【0024】
本例のフック部材10aにおいて、立ち上がり部13aは、吊り上げ本体部11から上方に延びる起立状(前方縦棒部)であり、本例では鉛直状である。すなわち、吊り下げ本体部11から起立状の前方縦棒部131と後方縦棒部12とは上方で接続され、前方縦棒部131と後方縦棒部12で形成される側面視形状は逆U字形状である(
図15参照)。すなわち、フック部材10aの後方部の側面視形状は、鉛直状の後方縦棒部12と、鉛直状の後方縦棒部12の上端から上に凸の略半円状に屈曲する前方縦棒部131と後方縦棒部12を接続する接続部132と、接続部132の前方下端から下方に延びる鉛直状の前方縦棒部131とで形成される逆U字形状である。
【0025】
フック部材10aにおいて、起立部(立ち上がり部)13aは、
図16に示すように、フック部材10aを取付部20bから取り外した際、吊り下げ商品Aの後方端からの脱落を防止する脱落防止部である。また、吊り下げ本体部11と起立部13aの接続部は、角のないアール(丸み)を形成することが、後方からの商品補充を円滑に行うことができる点で好ましい(
図17参照)。フック部材10aにおいても、フック部材10と同様の効果を奏する。
【0026】
本例の商品吊り下げ具10Cは、フック部材10aと、フック部材10aを抜き差し自在に支持する、固定部材50に装着される取付部20bとを有する。取付部20bにおいて、取付部20と異なる点は、フック部材10の後方縦棒部12が嵌る嵌合部24bの形状である。すなわち、嵌合部24bは、フック部材10の後方縦棒部12が嵌る円筒嵌合部244と、円筒嵌合部244の上端部から上に凸の丸みを形成して屈曲し、下方に延びる、フック部材10の前方縦棒部131が係止する前方縦棒部支持部245を備える。円筒嵌合部244には、後方縦棒部12が嵌合する上下方向に延びる貫通孔241が形成され、前方縦棒部支持部245には、前方縦棒部131が係止する縦溝246が形成されている。縦溝246は貫通孔241と連続し、貫通孔241の上端から凸状の丸みを形成して下方に鉛直に延びている。これにより、フック部材10aの後方縦棒部12と前方縦棒部131が、嵌合部24bに嵌合して支持されるため、左右方向への振れは生じない。また、フック部材10aは、手で引き上げれば、嵌合部24bから簡単に外すことができる。なお、嵌合部24bにおいて、前方縦棒部支持部245は省略してもよく、また、前方縦棒部支持部245の上下長さを短くしてもよい。前方縦棒部支持部245を省略する場合、円筒嵌合部244の上端前部に、フック部材10aの接続部132が嵌る溝を形成すればよい。本例の商品吊り下げ具10Cの補充方法は、商品吊り下げ具10Aと同様に行えばよい。
【0027】
次に、本発明の第4の実施の形態における商品吊り下げ具について
図18を参照して説明する。
図18の商品吊り下げ具10Dにおいて、
図8〜
図13の第2の実施の形態例の商品吊り下げ具10Bと同一構成要素には、同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、第4の実施の形態における商品吊り下げ具10Dにおいて、
図8〜
図13の商品吊り下げ具10Bと異なる点は、中間取付部とフック部材である。フック部材10aは第3の実施の形態例の商品吊り下げ具10Bで使用するフック部材10aと同じであり、その説明を省略する。
【0028】
図18の中間取付部30aにおいて、
図10〜
図13の中間取付部30と異なる点は、フック部材10の後方縦棒部12が嵌る嵌合部の形状である。すなわち、本例の嵌合部24cは、
図14及び
図15の嵌合部24bと同じであり、フック部材10aの後方縦棒部12が嵌る円筒嵌合部244と、円筒嵌合部244の上端部から上に凸の丸みを形成して屈曲し、下方に延びる、フック部材10aの前方縦棒部131が支持される前方縦棒部支持部245を備える。円筒嵌合部244には、後方縦棒部12が嵌合する上下方向に延びる貫通孔241が形成され、前方縦棒部支持部245には、前方縦棒部131が支持される縦溝246が形成されている。縦溝246は貫通孔241と連続し、貫通孔241の上端から凸状の丸みを形成して下方に鉛直に延びている。これにより、フック部材10aの後方縦棒部12と前方縦棒部131が、嵌合部24bに嵌合して支持されるため、左右方向への振れは生じない。また、フック部材10aは、手で引き上げれば、嵌合部24cから簡単に外すことができる。なお、嵌合部24cにおいて、前方縦棒部支持部245は省略してもよく、また、前方縦棒部支持部245の上下長さを短くしてもよい。前方縦棒部支持部245を省略する場合、円筒嵌合部244の上端前部に、フック部材10aの接続部132が嵌る溝を形成すればよい。本例の商品吊り下げ具10Dの補充方法は、商品吊り下げ具10Bと同様に行えばよい。
【0029】
本発明のフック部材及び商品吊り下げ具は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。フック部材において、傾斜部は傾斜部分を前後方向に2つ以上形成してもよい。すなわち、傾斜部は鋸刃状の傾斜部であってもよい。
図14〜
図17におけるフック部材の立ち上がり部である前方縦棒部は起立状に限定されず、後方に傾斜する傾斜状であってもよい。本発明の商品吊り下げ具には、フック部材の上方に、価格表示用の上方フック部材が設置されていてもよい。この場合、上方フック部材は、取付部20、20aから立ち上がり、屈曲して前方へ延びる形状とすればよい。本発明の商品吊り下げ具には、更に公知の自動又は手動の商品前出し装置が装着されていてもよい。