(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フォーク部又は前記操作ノブが回転中心を回転軸として揺動し、前記フォーク部と前記コンタクトラバーの当接部位は、前記回転軸に近い位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置を含む全体斜視図である。また、
図2(a)は、
図1で示すA−A断面図であり、
図2(b)は、
図1で示すB部詳細図である。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置であるトグルスイッチ1と、このトグルスイッチ1と同じボデー35に組み込んで構成されるミラー調整用スイッチ100とが一体とされている図である。ミラー調整用スイッチ100は、トグルスイッチ1のスイッチ部30と異なるスイッチ部90を備えて構成されている。すなわち、
図1に示す全体斜視図は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置であるトグルスイッチ1と、別のスイッチ部90を備えたミラー調整用スイッチ100が、1つのカバー50で覆われて1つのコンプリートとして形成された構成を示している。
【0015】
本発明の実施の形態に係るスイッチ装置であるトグルスイッチ1は、第1操作位置と第2操作位置を備えた操作ノブ10と、操作ノブ10の操作により動くフォーク部20と、フォーク部20によりスイッチ操作されるスイッチ部30と、フォーク部20の第1操作位置と第2操作位置でフォーク部20の周囲と当接してシールするコンタクトラバー40と、を有して構成されている。
【0016】
(トグルスイッチ1の構成)
図1に示すように、トグルスイッチ1は、回転軸CLを中心にして操作ノブ10を回転操作(揺動操作)できる。操作ノブ10の下側には、フォーク部20が設けられている。
【0017】
ここで、
図3(a)は、操作ノブが中立位置にあるときの操作ノブ、フォーク部とコンタクトラバーとの当接状態を示す
図2(a)で示すC−C断面の断面図であり、
図3(b)は、操作ノブが傾倒操作された状態にあるときの操作ノブ、フォーク部とコンタクトラバーとの当接状態を示すC−C断面図である。
【0018】
図3(a)、(b)に示すように、操作ノブ10とフォーク部20は一体に形成されている。操作ノブ10が、回転軸CLを中心にして回転操作(トグル操作、揺動操作)されると、フォーク部20の先端部20aは、図示E方向に移動する。これにより、操作ノブ10をトグル操作すると、フォーク部20の先端部20aを介して、スイッチ部30のスライド接点31を駆動して、スイッチの切替えを行なうことができる。
【0019】
操作ノブ10は、上記示したトグル操作において、
図3(a)で示す中立位置と、
図3(b)で示す操作位置、及び、
図3(b)で示す反対側へ傾倒させた操作位置の各操作位置をとることができる。
図3(a)で示す中立位置を第1操作位置、
図3(b)で示す操作位置を第2操作位置とする。なお、操作ノブ10を反対側へ傾倒させた操作位置も第2操作位置と同様である。
【0020】
図4(a)は、
図3(a)で示した操作ノブが中立位置にあるときの節度ピースの状態を示す
図2(a)で示すD−D断面図であり、
図4(b)は、
図3(b)で示した操作ノブが傾倒操作された状態にあるときの節度ピースの状態を示す
図2(a)で示すD−D断面図である。
【0021】
図2(a)、
図4(a)、(b)に示すように、節度ピース60がコイルバネ62により、操作ノブ10からボデー35に向かって付勢されている。操作ノブ10は、
図3(a)で示す第1操作位置にあるときには、
図4(a)に示すように、節度ピース60の先端部61がボデー35の節度溝36に嵌りこんでいる。また、操作ノブ10は、
図3(b)で示す第2操作位置にあるときには、
図4(b)に示すように、節度ピース60の先端部61がボデー35の節度溝37に嵌りこんでいる。節度ピース60は、ボデー35の節度溝36、37、38のいずれかの節度溝に嵌りこむので、操作ノブ10は、
図3(a)で示した中立位置(第1操作位置)または、
図3(b)で示した傾倒位置(第2操作位置)にある。ただし、傾倒位置(第2操作位置)では傾倒の方向により、節度ピース60が節度溝38に嵌りこむ位置の場合もある。
【0022】
図5(a)は、
図3(a)で示した操作ノブが中立位置にあるときのフォーク部とコンタクトラバーとの当接状態を示す詳細断面図であり、
図5(b)は、操作ノブが操作途中状態にあるときのフォーク部とコンタクトラバーとの当接状態を示す詳細断面図であり、
図5(c)は、
図3(b)で示した操作ノブが傾倒操作された状態にあるときのフォーク部とコンタクトラバーとの当接状態を示す詳細断面図である。
【0023】
図3(a)、
図5(a)で示すように、操作ノブ10が第1操作位置にあるときには、操作ノブ10とフォーク部20の中間領域に形成された第1突起部21とコンタクトラバー40の先端突起部41が所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。
【0024】
操作ノブ10の第1突起部21は、操作ノブ10が第1操作位置にあるときに、コンタクトラバー40の先端突起部41と当接する。第1突起部21の当接面は、略平面である。一方、コンタクトラバー40の先端突起部41は、
図5(b)に示すように、R面とされている。これにより、第1突起部21とコンタクトラバー40の先端突起部41が当接して密着性が良好になり、防水性が向上する。
【0025】
図5(b)で示すように、操作ノブが中間操作位置(操作途中状態)では、第1突起部21、第2突起部22とコンタクトラバー40の先端突起部41とは当接しない。第1突起部21の両側、第1突起部21と第2突起部22の中間部は、溝部23、24とされている。これにより、コンタクトラバー40の先端突起部41は、溝部24と対向するので、操作ノブ10の中間操作位置(操作途中状態)では、操作ノブ10とコンタクトラバー40との摺動抵抗が発生せず、操作時の操作抵抗が小さくなり操作感に優れる。
【0026】
図3(b)、
図5(c)で示すように、操作ノブ10が第2操作位置にあるときには、操作ノブ10とフォーク部20の中間領域に形成された第2突起部22とコンタクトラバー40の先端突起部41が所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。
【0027】
操作ノブ10の第2突起部22は、操作ノブ10が第2操作位置にあるときに、コンタクトラバー40の先端突起部41と当接する。第2突起部22の当接面は、略平面である。一方、コンタクトラバー40の先端突起部41は、R面とされている。これにより、第2突起部22とコンタクトラバー40の先端突起部41が当接して密着性が良好になり、防水性、シール効果を有する。
【0028】
なお、
図3(a)で示すように、第1突起部21、第2突起部22の反対側にも、突起部25、26、溝部27、28が形成されており、操作ノブ10を反対側にトグル操作する場合も、上記と同様の動作を行なう。
【0029】
コンタクトラバー40は、
図2(a)で、細かいハッチングを施して図示している。コンタクトラバー40は、シリコン等のエラストマ(ゴム)により形成されたもので、
図2(a)、
図3(a)、(b)で示すように、フォーク部20の周囲を取り囲むように立設した立設部45が形成されている。この立設部45は、上記説明した
図3(a)等で示す断面では、その先端に先端突起部41が形成され、また、
図2(a)で示す断面では、
図2(b)にB部詳細を示すように、シール突起部43が形成されている。
【0030】
図2(a)、(b)で示すように、フォーク部20とコンタクトラバー40のシール突起部43は、操作ノブ10の操作位置に関わらず、常に所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。すなわち、
図3(a)、(b)、
図5(a)、(b)、(c)で説明した操作ノブ10のいずれの操作位置においても、
図2(a)、(b)で示すように、フォーク部20とコンタクトラバー40のシール突起部43は、所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着して、防水性、シール効果を有する。
【0031】
以上説明したように、コンタクトラバー40は、フォーク部20の周囲と当接してシールすることができる。また、
図5(a)、(b)、(c)で説明したように、操作ノブ10が第1、2操作位置にあるときは、コンタクトラバー40は、フォーク部20と当接するが、中間操作位置(操作途中状態)では、コンタクトラバー40は、フォーク部20と当接しない。よって、操作ノブ10が第1、2操作位置にあるときは、コンタクトラバー40は、フォーク部20の周囲と当接し、中間操作位置(操作途中状態)では、
図2(a)、(b)で示すように、フォーク部20とコンタクトラバー40のシール突起部43のみが当接している。
【0032】
すなわち、フォーク部20とコンタクトラバー40は、第1操作位置と第2操作位置の中間操作位置で、一部において当接しない。これにより、操作ノブ10の操作時における摺動抵抗による抵抗感が低減する。したがって、本実施の形態に係る構成は、操作時の操作抵抗を小さくでき、かつ、防水性に優れるものである。
【0033】
なお、コンタクトラバー40は立設部45を有し、先端突起部41及びシール突起部43は、この立設部45の先端側に設けられている。すなわち、
図2(a)、
図3(a)、(b)で示すように、フォーク部20とコンタクトラバー40の当接部位は、回転軸CLに近い位置に設定されている。これにより、シール位置をスイッチ部30より高い位置に設定することができ、防水性をより高めることができる。
【0034】
コンタクトラバー40は、立設部45から下側は、
図2(a)で示すように、スイッチ部30を完全に覆っている。また、コンタクトラバー40は、スイッチ部30と異なるスイッチ部90で使用するコンタクトラバーと一体に形成されている。
【0035】
図1、
図2(a)で示すように、トグルスイッチ1とミラー調整用スイッチ100が、1つのカバー50で覆われて1つのコンプリートとして構成されている。コンタクトラバー40は、トグルスイッチ1用のスイッチ部30、及びミラー調整用スイッチ100のスイッチ部90を一体的に覆うように形成されている。
【0036】
ここで、ミラー調整用スイッチ100は、ノブ111の回転操作により右ミラー又は左ミラーを選択し、ノブ111の傾倒操作により選択されたミラーの駆動を行なうものである。以下において、ミラー調整用スイッチ100の動作を簡単に説明する。
【0037】
例えば、ノブ111を回転させて選択するミラー(右ミラー又は左ミラー)の位置にセットする。ノブ111の回転に伴って、ロッド114、ロータ116が回転する。このロータ116の回転により、ロータ116のカム部116hが切替プッシャ120を下方向に移動させる。これにより、切替プッシャ120に対応したコンタクトラバー40の接点板40eが接点に接触して導通することによりミラーが選択された状態となる。
【0038】
ノブ111の傾倒操作は、選択された左ミラー又は右ミラーのいずれかのミラーの傾き移動を行なうものである。
【0039】
ノブ111の傾倒操作により、ノブ111は、ロッド114の球面部114bがロータ116の受面部116f上で回転する。これにより、ノブ111、アクチュエータ113、ロッド114が一体的に傾倒する。この傾倒操作により、アクチュエータ113の傾倒した位置の押圧突起部113bが傾倒プッシャ130を下方向に移動させる。これにより、傾倒プッシャ130に対応したコンタクトラバー40の接点板40eが接点に接触して導通する。これにより、例えば、ミラー駆動モータに通電されることにより、選択されたミラー(右ミラー又は左ミラー)が駆動される。
【0040】
(トグルスイッチ1の動作と防水性)
トグルスイッチ1の操作ノブ10が
図3(a)で示した中立位置にあるときから、
図3(b)で示した傾倒操作を行なう場合を説明する。
図3(a)に示す中立位置では、
図3(a)、
図5(a)で示すように、操作ノブ10が第1操作位置にあり、操作ノブ10とフォーク部20の中間領域に形成された第1突起部21とコンタクトラバー40の先端突起部41が所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。操作ノブ10の第1突起部21は、操作ノブ10が第1操作位置にあるときに、コンタクトラバー40の先端突起部41と当接する。第1突起部21の当接面は、略平面である。一方、コンタクトラバー40の先端突起部41は、R面とされている。これにより、第1突起部21とコンタクトラバー40の先端突起部41が当接している。また、
図2(a)、(b)で示すように、フォーク部20とコンタクトラバー40のシール突起部43は、常に所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。したがって、コンタクトラバー40は、フォーク部20の第1操作位置でフォーク部20の周囲と当接してシール効果を発揮する。
【0041】
一方、
図3(b)に示す傾倒位置では、
図3(b)、
図5(c)で示すように、操作ノブ10が第2操作位置にあり、操作ノブ10とフォーク部20の中間領域に形成された第2突起部22とコンタクトラバー40の先端突起部41が所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。操作ノブ10の第2突起部22は、操作ノブ10が第2操作位置にあるときに、コンタクトラバー40の先端突起部41と当接する。第2突起部22の当接面は、略平面である。一方、コンタクトラバー40の先端突起部41は、R面とされている。これにより、第2突起部22とコンタクトラバー40の先端突起部41が当接している。また、
図2(a)、(b)で示すように、フォーク部20とコンタクトラバー40のシール突起部43は、常に所定の潰し代で、スライド可能な状態で密着している。したがって、コンタクトラバー40は、フォーク部20の第2操作位置でフォーク部20の周囲と当接してシール効果を発揮する。
【0042】
上記のトグルスイッチ1の操作ノブ10が、中立位置あるいは傾倒位置にあるときに、
図2(a)で示す、カバー50と操作ノブ10との隙間200から水が浸入しても、コンタクトラバー40により上記説明したように、防水されている。したがって、フォーク部20からスイッチ部30に水が浸入することが防止される。また、フォーク部20とコンタクトラバー40の当接部位は、回転軸CLに近い位置に設定し、シール位置をスイッチ部30からより高い位置に設定しているので、スイッチ部30への水の浸入を効果的に抑制することができる。
【0043】
一方、コンタクトラバー40は、ミラー調整用スイッチ100のスイッチ部90を一体的に覆うように形成されている。さらに、スイッチ部90の基板95の全体を上からすべて覆うように形成されている。これにより、1つのコンタクトラバー40で、トグルスイッチ1のスイッチ部30と別のスイッチ部90を防水することができる。
【0044】
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係るスイッチ装置によれば、以下のような効果を有する。
(1)本実施の形態に係るスイッチ装置は、フォーク部をコンタクトラバーでシールする。フォーク部が可動してもコンタクトラバーの抵抗感を極力少なくするために、操作ノブの停止位置(第1操作位置、第2操作位置)で操作ノブの突起部とコンタクトラバーの先端突起部が当たるように構成している。これにより、操作時の操作抵抗が小さく、かつ、防水性に優れたスイッチ装置を提供することができる。
(2)また、コンタクトラバーを他のスイッチ部で使用するコンタクトラバーと共用して一体に形成する構成としている。これにより、スイッチ部の全面シールが可能となり、コスト的にも有利となる。
(3)本実施の形態に係るスイッチ装置によれば、意匠面であるカバー上部から被水しても、フォーク部からコンタクトラバーへは水が伝わることがなく、完全防水が可能となる。
【0045】
以上の構成において、特に明記しない部材は、一般的な樹脂、金属等の材料が使用可能である。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。