特許第6587559号(P6587559)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587559
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】脱臭装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/38 20060101AFI20191001BHJP
   B01D 53/76 20060101ALI20191001BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   B01D53/38 100
   B01D53/76ZAB
   B01D53/78
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-37772(P2016-37772)
(22)【出願日】2016年2月29日
(65)【公開番号】特開2017-154053(P2017-154053A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516061816
【氏名又は名称】ダイセンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中川 徹太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 哲
(72)【発明者】
【氏名】門野 英彦
(72)【発明者】
【氏名】古川 勇
(72)【発明者】
【氏名】加藤 司
(72)【発明者】
【氏名】久保田 清幸
(72)【発明者】
【氏名】苅谷 熱史
【審査官】 菊地 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−286545(JP,A)
【文献】 米国特許第3761065(US,A)
【文献】 米国特許第8241410(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00
A61L 9/14
B01F 3/00
B01F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を処理するタンクを備え、
前記タンクの上部には、浄化対象である前記気体を前記タンクの外部から吸引する吸気部と、前記吸気部からの前記気体を前記タンクの内部の下方に向けて送り出すエジェクタと、が設けられ、
前記タンクの下部には、前記気体を処理する処理液の貯留部と、前記エジェクタから送り出された前記気体を前記タンクの外部に排出する排出口と、が設けられ、
前記吸気部で吸引される前記気体に脱臭剤を供給する脱臭剤供給部を備え、
前記エジェクタは、前記貯留部からポンプにより供給される前記処理液を噴出するノズルと、当該ノズルに対して隙間を設けて外挿されるハウジングとを備えることにより、前記ノズルと前記ハウジングとの隙間に前記気体を吸引する第1吸引部を備えると共に、前記ハウジングの下端部にガイド筒を外挿することにより、前記ハウジングの下端部と前記ガイド筒との隙間に前記気体を吸引する第2吸引部を備え、前記第1吸引部で吸引した前記気体と前記ノズルから供給される前記処理液とを混合させ、前記第2吸引部で吸引した前記気体と前記処理液とを混合させる脱臭装置。
【請求項2】
前記ハウジングの内面であって、前記ノズルの下流側端部に対向する位置から更に下流側に予め設定された距離だけ離間した位置に、前記ノズルの軸芯方向に直交しつつ拡径する段部が形成されている請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記タンクの内部に臭成分を分解する分解剤を供給する分解剤供給部を備えている請求項1又は2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記ポンプに対して前記貯留部の前記処理液を吸引する吸引口が、平面視において前記貯留部の中央から外れた位置において、前記貯留部に対して旋回流を作り出す方向に吸引方向を設定して配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱臭装置。
【請求項5】
前記エジェクタの下端からの前記処理液の送り出し方向を、鉛直方向を基準に傾斜させている請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱臭装置。
【請求項6】
前記貯留部の底壁に排出筒が形成されると共に、前記排出筒を開閉可能な排出弁を備えている請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱臭装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エジェクタにより吸引した気体の脱臭を行う脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部の空気の取り込みが可能なチェンバー内にノズルを備え、ノズルの下方に配置される脱臭筒の上部に狭い通路部分を形成してエジェクタを構成した技術が示されている。このような構成のためノズルから脱臭液を噴出することによりチャンバー内の空気を脱臭液に吸引させて混合し、脱臭を実現している。
【0003】
特許文献1では、脱臭筒の下方に貯留された脱臭液をポンプによりノズルに供給する構成を備えることにより、駆動源を備えずとも、エジェクタ効果によりチェンバー内の空気の吸引を可能にするものである。
【0004】
また、特許文献2では、ダクト内に供給される処理ガスにオゾン水や過酸化水素水を噴霧し、次に、反応空間内において処理ガスに紫外線を照射し、更に、スプレーノズルから水を噴霧し、ミスト除去手段とオゾン分解層を通過させることで清浄ガスとして排出する技術が示されている。
【0005】
この特許文献2では、ダクト内にオゾン水や過酸化水素水を霧状に噴霧することで、処理ガスに含まれる悪臭成分にオゾン水等が接触し、酸化分解を行い、その結果、脱臭を実現する。また、脱臭後の処理ガスに紫外線を照射することによりオゾン水において酸化分解力が強力なOHラジカルを発生させ、通常のオゾン水では分解困難なアルコール類や低級脂肪酸などの難分解有機化合物の分解も実現するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001‐286545号公報
【特許文献2】特開平10‐57749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、鋳造や鍛造のように加熱を伴う製造ラインにおいてオイルや樹脂等が加熱されることにより発生する蒸気や煤煙類には、悪臭の原因となる微粒子が多く含まれるものである。このような微粒子は、ガスとは異なり、空気中から除去するだけで消臭が実現するものである。しかしながら、悪臭の原因となる微粒子は、極めて粒径が小さくフィルタでも除去することが困難なものであった。
【0008】
これに対して、特許文献1や特許文献2に示されるように、エジェクタ効果により空気を吸引して処理液に空気を混合させるものでは、空気中に浮遊する微粒子を処理液に混合させて除去することが考えられる。また、処理液中において酸化反応や分解反応等を積極的に行わせることも可能となる。
【0009】
しかしながら、脱臭能力の向上の観点から考えると、特許文献1に示されるようにエジェクタにおいて処理液(脱臭液)に空気を混合させる構成では、能力向上のために、大型のエジェクタを備えることや、複数のエジェクタを備える構成を必要とし、装置全体の大型化を招くものであった。
【0010】
また、特許文献2に示されるように、オゾン水等を霧状に噴霧することにより、処理ガスに含まれる悪臭成分に対してオゾン水等を接触させて反応を行わせるものでは、消臭を行うために多量の過酸化水素水を必要とし、紫外線を照射する機器を必要とする等、構造の複雑化を招き、ランニングコストを上昇させるものであった。
【0011】
このような理由から、エジェクタの大型化を抑制しつつ、エジェクタでの吸気量を増大し、ポンプ容量の増大も必要とせず気体を良好に浄化する脱臭装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴は、気体を処理するタンクを備え、
前記タンクの上部には、浄化対象である前記気体を前記タンクの外部から吸引する吸気部と、前記吸気部からの前記気体を前記タンクの内部の下方に向けて送り出すエジェクタと、が設けられ、
前記タンクの下部には、前記気体を処理する処理液の貯留部と、前記エジェクタから送り出された前記気体を前記タンクの外部に排出する排出口と、が設けられ、
前記吸気部で吸引される前記気体に脱臭剤を供給する脱臭剤供給部を備え、
前記エジェクタは、前記貯留部からポンプにより供給される前記処理液を噴出するノズルと、当該ノズルに対して隙間を設けて外挿されるハウジングとを備えることにより、前記ノズルと前記ハウジングとの隙間に前記気体を吸引する第1吸引部を備えると共に、前記ハウジングの下端部にガイド筒を外挿することにより、前記ハウジングの下端部と前記ガイド筒との隙間に前記気体を吸引する第2吸引部を備え、前記第1吸引部で吸引した前記気体と前記ノズルから供給される前記処理液とを混合させ、前記第2吸引部で吸引した前記気体と前記処理液とを混合させる点にある。
【0013】
これによると、エジェクタのノズルから処理液が噴出された場合には、ノズルとハウジングとの隙間で成る第1吸引部においてタンクの吸気部からの気体を吸引すると同時に、ハウジングの下端部とガイド筒との隙間で成る第2吸引部において吸気部からの気体を吸引し、吸引した気体は処理液に混合する。また、エジェクタの下端から排出された処理液は貯留部に貯留され、貯留部で処理液から分離した気体は排出口からタンク外に排出される。つまり、第1吸引部で吸引した気体とノズルから供給される処理液とを混合させ、第2吸引部で吸引した気体と処理液とを混合させることが可能となる。これにより、例えば、単一の吸気部を備えたエジェクタと比較すると処理液に混合させる得る気体量を増大して処理能力が高まる。特に、気体中に浮遊するミスト等の浮遊物質が微細であっても、浮遊物質を気体から分離させて処理液に混合させ、結果として浮遊物質を気体から分離し、気体の浄化が実現する。更に、吸気部で吸引される気体に脱臭剤が供給されるため、臭気原因となる物質がガスであっても臭気の除去が可能となる。特に、この構成ではノズルに処理液を供給するだけで第1吸引部と第2吸引部とで気体の吸引が可能となるため、大型のポンプを必要としない。
従って、エジェクタの大型化を抑制しつつ、エジェクタでの吸気量を増大し、ポンプ容量の増大も必要とせず気体を良好に脱臭する脱臭装置が構成された。
【0014】
本発明は、前記ハウジングの内面であって、前記ノズルの下流側端部に対向する位置から更に下流側に予め設定された距離だけ離間した位置に、前記ノズルの軸芯方向に直交しつつ拡径する段部が形成されても良い。
【0015】
これによると、収容部の段部を形成しているため、ノズルから噴出した処理液が段部を通過する際に体積を急激に拡大させ、大きい負圧を発生させることが可能となる。このように大きい負圧を発生させることにより、第1吸引空間からの気体の吸引量を増大させるだけでなく、吸引した気体を処理液に対して良好に混合させることも可能となる。
【0016】
本発明は、前記タンクの内部に臭成分を分解する分解剤を供給する分解剤供給部を備えても良い。
【0017】
これによると、タンクの内部に臭気の原因となるガスが滞留した場合にも、分解剤が供給されることによりガスを分解して一層良好な消臭が可能となる。
【0018】
本発明は、前記ポンプに対して前記貯留部の前記処理液を吸引する吸引口が、平面視において前記貯留部の中央から外れた位置において、前記貯留部に対して旋回流を作り出す方向に吸引方向を設定して配置されても良い。
【0019】
これによると、貯留部の処理液を吸引口から吸引することにより、貯留部の処理液を、平面視でのタンクの中央を中心に旋回する旋回流を作り出し、旋回流に伴う遠心力から比重差に基づいて、処理液と気体との分離を促進させる。また、気体から分離し処理液に混合する浮遊物質も遠心力により処理液から分離させることにより、浮遊物質が除去された処理液をエジェクタに供給することも可能となる。
【0020】
本発明は、前記エジェクタの下端からの前記処理液の送り出し方向を、鉛直方向を基準に傾斜させても良い。
【0021】
これによると、ハウジングから送り出される処理液が貯留部の処理液に対して強く接触することにより、貯留部の処理液を、平面視で貯留部の中央を中心に旋回する旋回流を作り出し、旋回流に伴う遠心力から比重差に基づいて、処理液と気体との分離を促進させる。
【0022】
本発明は、前記貯留部の底壁に排出筒が形成されると共に、前記排出筒を開閉可能な排出弁を備えても良い。
【0023】
これによると、排出弁を開放することにより、装置を停止させることなく、貯留部の底部に沈殿した物質を底壁の排出筒から自重により下方に排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】脱臭装置の全体構成を示す模式図である。
図2】タンク、エジェクタ等の配置を示す斜視図である。
図3】エジェクタの断面図である。
図4】吸引口と吐出口との配置を示すタンク底部の断面図である。
図5】制御構成のブロック図である。
図6】別実施形態(a)のエジェクタの姿勢を示す側面図である。
図7】別実施形態(a)のエジェクタの姿勢を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成・脱臭の概要〕
図1図2に示すように、下部位置に排出口6および処理液Wの貯留部Cが下部に形成されたタンクAと、タンクAの内部に配置されるエジェクタBと、貯留部Cに貯留される処理液WをエジェクタBに供給する循環ポンプPaと、処理液補給ユニットDと、冷却ユニットEと、沈殿物回収ユニットFと、浮遊物回収ユニットGと、脱臭剤供給部Jと、分解剤供給部Kとを備えて脱臭装置が構成されている。
【0026】
この脱臭装置は、処理液Wとして水を用いることにより空気(気体の一例)の脱臭を行うものである。エジェクタBは、循環ポンプPaで処理液Wが供給されることにより、処理液Wをノズル41(図3を参照)から下方に噴出するように姿勢が設定されている。また、エジェクタBは、処理液Wがノズル41から噴出した際に生ずる負圧により吸気ダクト4(吸気部の一例)を介して吸引したタンクAの外部の空気を、処理液Wに混合させるように機能する。
【0027】
つまり、エジェクタBでは、空気に含まれる悪臭の原因物質となる微細な浮遊物質と、悪臭の原因物質となるガスとを負圧の作用により処理液Wに混合する状態で取り込み、処理液Wとともに貯留部Cに送り込む処理が行われる。
【0028】
また、脱臭装置では、吸気ダクト4に対して脱臭剤供給部Jから供給される脱臭剤としてオゾンが空気に混合される。このオゾンは、吸気ダクト4において空気と接触して脱臭を行うと共に、エジェクタBにより処理液Wに混合した後にも、処理液Wに含まれるガスに接触して脱臭を行う。更に、タンクAの内部では、分解剤供給部Kからは分解剤として、水成二酸化塩素、クエン酸等が供給される。なお、分解剤は、複数の薬剤を併用して用いても良い。
【0029】
処理液Wに混合状態で取り込まれた状態の浮遊物質を捕獲物質と称すると、貯留部Cでは、捕獲物質のうち、処理液Wより比重が大きいものは貯留部Cの底部に沈殿し、比重が小さいものは処理液Wの液面に浮き上がる。また、悪臭の原因となるガスは、脱臭剤供給部Jから吸気ダクト4に供給する脱臭剤による化学反応により分解し、脱臭される。
【0030】
更に、分解剤供給部KからタンクAの内部に分解剤として水成二酸化塩素、クエン酸等が供給されることによりタンクAの内部にガスとして存在する悪臭の原因物質は、化学反応により脱臭される。これにより悪臭の原因物資として空気中の浮遊物質は空気から分離除去された状態で処理液Wに混合し、悪臭の原因物質としてのガスは脱臭剤と分解剤とにより脱臭され、その結果、空気の脱臭が実現する
【0031】
処理液補給ユニットDは、タンクAの内部に処理液Wを補給し、冷却ユニットEは、貯留部Cに貯留された処理液Wを冷却する。沈殿物回収ユニットFは、貯留部Cの底部に沈殿する沈殿物(沈殿した捕獲物質)を回収し、浮遊物回収ユニットGは、貯留部Cの液面の浮遊物(液面に浮き上がった捕獲物質)を回収する。
【0032】
〔タンク〕
図1図2に示すように、タンクAは、縦向き姿勢の軸芯Xを中心とする円筒状の側壁1と、円盤状の上壁2と、中央ほど下方に突出する漏斗状の底壁3とを備えており、タンクAの下部の側壁1には排出口6が形成されている。この排出口6は、貯留部Cの処理液Wの液面に浮き上がった状態で存在する浮遊物(捕獲物質)をオーバーフローさせる形態で排出する機能も有する。
【0033】
この実施形態の脱臭装置は、工場に設置されるものを想定しており、悪臭の原因となる蒸気や煤煙類を発生させる鋳造装置等を、吸気ダクト4で吸気を行う吸気対象10としている。
【0034】
また、底壁3のうち下方への突出端には排出筒7が下方に突出形成され、この排出筒7には電動式に開閉する排出弁30を備えている。タンクAの下部には、貯留部Cに貯留される処理液Wの液面レベルを検知するようにフロート型の主液面センサ8と、貯留部Cに貯留される処理液Wの温度を検知するサーミスタ等の温度センサ9と、処理液Wの水素イオン濃度を検知する水素イオン濃度計11とを備えている。なお、水素イオン濃度計11に代えて、酸化還元電位を検知する酸化還元電位計を用いても良い。
【0035】
循環ポンプPaは電動モータで駆動される構成を有している。この脱臭装置では、循環ポンプPaの駆動により、貯留部Cに貯留された処理液Wを吸引管12によって吸引し、供給管13を介してエジェクタBに供給するように処理液Wの循環が行われる。
【0036】
吸引管12の吸引口12aは、図4に示す如く平面視(軸芯Xに沿う方向視)において、中央位置(軸芯Xの位置)から外れた位置において、貯留部Cにおいて矢印で示す旋回流を作り出すように吸引方向が設定されている。つまり、軸芯Xを中心とする仮想円の接線方向に処理液Wを吸引するように吸引方向が設定されている。
【0037】
また、供給管13には電磁開閉型の主供給弁14が介装され、供給管13のうち主供給弁14より循環ポンプPaに近い位置には、処理液Wを分岐して送り出す分岐管15が接続している。この分岐管15には電磁開閉型の副供給弁16が介装され、分岐位置には処理液Wの圧力を検知する圧力センサ17を備えている。
【0038】
図1図4に示すように、分岐管15の吐出口15aが、排出筒7の上方から下方に向けて処理液Wを送り出す位置に配置されている。このような配置のため排出筒7から貯留部Cの沈殿物を排出する場合に、吐出口15aから処理液Wを吐出することにより沈殿物の円滑な排出を可能にする。
【0039】
〔処理液補給ユニット・冷却ユニット〕
処理液補給ユニットDは、処理液タンク21と、処理液タンク21からの処理液Wを送り出す補給管22と、補給管22での処理液Wの流れを制御するため電磁開閉型の補給弁23とを備えている。この処理液補給ユニットDでは、補給管22の注水口22aがタンクAの内部に配置されている。
【0040】
冷却ユニットEは、冷却装置25と、冷却装置25から冷媒が供給されることにより貯留部Cの処理液Wの液中に配置される冷却管26とを備えている。この冷却ユニットEでは、冷媒として冷水を用いても良い。
【0041】
〔脱臭剤供給部・分解剤供給部〕
脱臭剤供給部Jは、空気を吸引し無声放電等により空気中の酸素からオゾンを生成するオゾン生成装置を備えている。分解剤供給部Kは、水成二酸化塩素、クエン酸等の分解剤を含む水溶液を貯留する分解剤タンク27と、排出管28と、この排出管28を開閉する電磁開閉型の排出制御弁29とを備えている。尚、排出管28の先端にはタンクAの内部に分解剤を散布する散布ノズル28aを備えている。
【0042】
〔回収ユニット類〕
沈殿物回収ユニットFは、排出弁30を介して排出される沈殿物を回収する第1回収槽31と、第1回収槽31から沈殿物を含む処理液Wを排出する第1排出管32と、この第1排出管32を電動式に開閉する第1排出弁33と、第1排出管32において沈殿物を含む処理液Wを送り出す第1排出ポンプP1とを備えている。第1回収槽31には、液面レベルを検知するようにフロート型の第1液面センサ34を備えている。
【0043】
浮遊物回収ユニットGは、排出口6から排出される浮遊物を回収する第2回収槽36と、第2回収槽36から浮遊物を含む処理液Wを排出する第2排出管37と、この第2排出管37を電動式に開閉する第2排出弁38と、第2排出管37において浮遊物を含む処理液Wを送り出す第2排出ポンプP2とを備えている。第2回収槽36には、液面レベルを検知するようにフロート型の第2液面センサ39を備えている。
【0044】
図面には示していないが、第1排出ポンプP1と第2排出ポンプP2とは、電動モータで駆動されるように構成されている。
【0045】
〔エジェクタ〕
図3に示すように、エジェクタBは、全体が軸芯Xと同軸芯上に配置されるものであり、処理液Wを下方に噴出するノズル41と、ノズル41から噴射された処理液を下方に案内するハウジングBHと、ガイド筒46とを備えている。このエジェクタBは上部位置に第1吸引部S1を備え下部位置に第2吸引部S2を備えている。
【0046】
ノズル41は、先端部が縮径されることにより、処理液Wが高速で噴出される噴出口41aが形成されている。ハウジングBHは、ノズル41を収容する収容空間42sが形成され、且つ、ノズル41に対して隙間を設けて外挿される収容部42と、この収容部42から下方に延びるように収容部42に連結する筒状の延出部43とを備えている。このようにノズル41が配置されることにより、ノズル41の外周と、これに外挿される収容部42との隙間により第1吸引部S1が形成される。
【0047】
尚、延出部43はディフューザとして機能するものであり、ハウジングBHは、収容部42と延出部43とを連結した構成であるが、これらを一体的に構成しても良い。また、ノズル41とハウジングBHの中心とは軸芯Xと同軸芯に配置されている。
【0048】
収容部42の上部位置で収容空間42sと連通する位置にはタンク内の空気を吸引する複数の吸気口42cが形成されている。収容空間42sと、延出部43の内部空間とを連通させる連通空間として処理液Wの噴出方向の下流側ほど縮径する空間となるテーパー部42tと、軸芯Xと平行姿勢(噴出方向と平行姿勢)の空間となる平行部42pとが形成されている。
【0049】
テーパー部42tと平行部42pとは軸芯Xを中心に配置されるものであり、テーパー部42tがノズル41の噴出口41aを外挿する位置に配置されている。これにより第1吸引部S1が形成され、噴出口41aの外周面とテーパー部42tの内周面との間には、第1吸引部S1で吸引された空気の流通が可能な空間が形成される。
【0050】
ハウジングBHの内面であって、ノズル41の下流側端部に対向する位置から更に下流側に予め設定された距離だけ離間した位置に、ノズル41の軸芯方向(軸芯Xと一致する方向)に直交しつつ拡径する段部42aが形成されている。つまり、段部42aは、ハウジングBHを構成する収容部42のうち、延出部43に連結する端面に対して、軸芯Xに対して直交する姿勢で形成される。この段部42aは、収容部42の平行部42pに連なる位置に形成され、この段部42aが形成される面と、延出部43の上端部と段部42aとで取り囲まれる領域に死水域44が形成される。
【0051】
ガイド筒46は、その内径が、延出部43の外径より大径となる部材が用いられ、このガイド筒46の上端部に延出部43の下端部が挿入される状態で配置されている。ガイド筒46の上端部と、延出部43の下端部とを取り囲むリング状の空間を形成すると共に、ガイド筒46と延出部43とを連結する環状部材47を備えている。これにより、延出部43の下端部の外周とガイド筒46の内周との間隙に第2吸引部S2が形成される。
【0052】
また、収容部42の収容空間42sと環状部材47とを連通させる複数のバイパス管48を備え、各々のバイパス管48に対して吸気ダクト4の配管部4aが連通している。これにより、吸気ダクト4で吸気された空気が配管部4aを介して第1吸引部S1と第2吸引部S2とに供給される。この第1吸引部S1と第2吸引部S2とに供給される空気量は、第1吸引部S1と第2吸引部S2との各々の負圧の程度によって調整される。尚、ガイド筒46の下端が貯留部Cに貯留される処理液Wの液面近傍に達するように配置されている。
【0053】
特に、このエジェクタBでは、噴出口41aの内径D1と平行部42pの内径D2との差の半分が、平行部42pで気体が通過する空間の通過径長H1となる。また、平行部42pの内径D2と延出部43の内径D3との差の半分が、段部42aの段差量H2となる。本実施形態では、ノズル41の噴出口41aの内径D1に対する平行部42pの内径D2の比であるD2/D1が1.1以上、10以下に設定され、平行部42pの内径D2に対する延出部43の内径D3の比であるD3/D2が1.1以上10以下に設定されている。
【0054】
更に、ノズル41の噴出口41aから平行部42pまでの距離L0は、平行部42pの内径D2の10倍以下に設定され、ノズル41の平行部42pの長さL1が、平行部42pの内径D2の0.1倍以上10倍以下に設定されている。延出部43の内径D3に対する延出部43の長さL2の比であるL2/D3が、10以上200以下に設定されている。
【0055】
この構成から、ノズル41に処理液Wを供給し、噴出口41aから噴出させることにより、処理液Wは、テーパー部42tと平行部42pとの内部を、噴出方向の下流側ほど径が拡大するように送られ、延出部43の内面に接する状態に達する。
【0056】
また、段部42aの近傍の死水域44は比較的大きい空間として形成される。そして、平行部42pから段部42aを通過する処理液Wは、延出部43の内部で拡がり延出部43の内面に接触する状態に達し、死水域44に大きい負圧を作り出す。つまり、処理液Wが平行部42pと段部42aとの境界を通過する場合には、段部42aより下流側の空間が急激に拡大するため、死水域44において処理液Wに作用する負圧は急激に増大し、第1吸引部S1に対して大きい吸引力を作用させる。更に、テーパー部42tでは、処理液Wの流動方向の下流側ほど小径に形成されているため、第1吸引部S1から吸引された空気は、テーパー部42tを通過する際に、流速が増大することになり、死水域44での負圧を増大させ、吸引力の増大を実現している。
【0057】
このような吸引に基づき、エジェクタBの上部位置では吸気口42cから収容空間42sに吸気が行われ、更に、第1吸引部S1に吸引される。このように吸引した空気に浮遊物質が含まれる場合には、浮遊物質を処理液Wに確実に混合させることを可能にしている。また、軸芯Xに沿う方向での延出部43を長寸に形成しているため、処理液に混合した空気に含まれる浮遊物質は、延出部43に送られる際に、処理液Wに接触する機会(確率)が高まり、処理液Wに対して良好に混合する状態に達する。更に、段部42a、あるいは、テーパー部42tを形成し、各部の寸法関係を設定することにより、大きい負圧を発生させるため、循環ポンプPaに大容量のものを用いずに済むものとなる。
【0058】
エジェクタBの下部位置では、延出部43の下端にガイド筒46が外挿するように配置されているため、延出部43の下端から処理液Wが噴出された場合には、その処理液Wは、延出部43の下端から径が拡大するように送られ、ガイド筒46の内面に接する状態に達する。このように延出部43の下端から処理液Wが噴出した場合にも延出部43の下端部の外周とガイド筒46との間隙に負圧を発生させ、バイパス管48からの空気を第2吸引部S2から吸引し、処理液Wに対する混合を実現する。
【0059】
つまり、第1吸引部S1で吸引した気体(空気)とノズル41から供給される処理液Wとを混合させ、第2吸引部S2で吸引した気体(空気)と処理液Wとを混合させることを可能にしている。
【0060】
〔制御構成・脱臭処理の形態〕
図5に示すように、この脱臭装置は、マイクロプロセッサやDSP(digital signal processor)等を有する制御部50により各部の制御を行うように構成されている。複数のポンプを駆動する電動モータには、誘導モータや同期モータが用いられ、制御部50には、電動モータに供給する電力の周波数の調整により電動モータの回転速度を制御するインバータ回路を備えている。尚、電動モータとしてブラシレスDCモータを用いた構成では、PWMの設定等により電力を調整する電力制御回路が用いられる。
【0061】
制御部50には、主液面センサ8と、温度センサ9と、水素イオン濃度計11と、圧力センサ17と、第1液面センサ34と、第2液面センサ39とからの検知信号が入力する。また、制御部50は、循環ポンプPaと、主供給弁14と、副供給弁16と、補給弁23と、冷却装置25と、排出弁30と、第1排出弁33と第1排出ポンプP1と、第2排出弁38と、第2排出ポンプP2と、脱臭剤供給部Jと、排出制御弁29とに制御信号を出力する。
【0062】
このような構成から、脱臭装置で空気の脱臭を行う場合には、主供給弁14を開放し、副供給弁16を閉じ、排出弁30を閉じた状態で貯留部Cに処理液Wを貯留し、循環ポンプPaを駆動する。この駆動時には、圧力センサ17で検知される圧力が目標値に維持されるように循環ポンプPaに供給する電力が設定される。
【0063】
この制御により、エジェクタBでは、ノズル41の噴出口41aから処理液Wが下方に向けて噴出され、負圧の作用により第1吸引部S1と第2吸引部S2とからタンクAの内部の空気が吸引され処理液に混合する。また、このように吸気が行われるため、タンクAの内部の圧力が低下し吸気ダクト4を介して外気が吸引される。
【0064】
外部から吸引した空気に煤煙等の微細な浮遊物質が含まれる場合には、これらが処理液Wに混合する。特に、この混合では、処理液Wが高速で運動する現象や、強い負圧が作用する現象により、親和性が低い浮遊物質であっても処理液Wに対して良好に混合し、これらの浮遊物質が空気から分離される。また、悪臭の原因となるガスも微細な気泡となって処理液Wに混合し、処理液中の脱臭剤と接触することにより脱臭される。
【0065】
前述したように浮遊物質は、捕獲物質として処理液Wに混合する状態に達し、捕獲物質が混合した処理液Wは、貯留部Cに送り込まれる。貯留部Cでは、処理液Wに含まれる空気が気泡となって処理液Wから分離し、清浄な空気として排出口6から外部に排出される。
【0066】
分解剤供給部Kの散布ノズル28aからタンクAの内部に供給される分解剤の供給量(散布量)は、貯留部Cに貯留される処理液Wのイオン濃度に反映されるものであり、制御部50は、水素イオン濃度計11で検知される水素イオン濃度を目標値に維持するために排出制御弁29を制御して必要とする量の分解剤を供給する。なお、水素イオン濃度計11に代えて、酸化還元電位計を用いることができる。この場合、制御部50は、酸化還元電位計で検知される酸化還元電位を目標値に維持するために排出制御弁29を制御して必要とする量の分解剤を供給する。
【0067】
主液面センサ8で検知される液面が目標とするレベル未満まで低下した場合には、制御部50が、処理液補給ユニットDの補給弁23を開放し、必要とする量の処理液Wを補給する。また、温度センサ9で検知される液温が、目標とする温度を超えた場合には、制御部50が、冷却装置25を制御することにより冷却管26に低温の冷媒を供給し、貯留部Cの液温の上昇が抑制される。
【0068】
前述したように貯留部Cでは、吸引管12の吸引口12aでの吸引により、処理液Wに旋回流を作り出すため、貯留部Cでは旋回流に伴う遠心力の作用によって、捕獲物質と、処理液Wと、空気(気泡)との比重選別が行われる。尚、旋回流を作り出すことで、処理液Wより比重が大きい捕獲物質は、タンクAの側壁1の方向に流動し、空気(気泡)は軸芯Xに近接する方向に流れる。
【0069】
また、貯留部Cでは処理液Wより比重が大きい捕獲物質は貯留部Cにおいて沈殿し、処理液Wより比重が小さい捕獲物質は貯留部Cの液面に浮き上がり浮遊物となる。この浮遊物は、処理液補給ユニットDで処理液Wが補給される毎に、排出口6からオーバーフローする状態で排出され、第2回収槽36に回収される。
【0070】
この脱臭装置では、制御部50が設定インターバルで排出弁30を開放する制御を行うものであり、この制御により、貯留部Cの底部に沈殿した捕獲物質が排出筒7から自重によって排出される。この制御では、排出弁30を開放すると同時に副供給弁16を開放することにより、処理液Wの圧力により捕獲物質の排出が促進される。尚、副供給弁16を開放する場合には、一時的に循環ポンプPaの吐出圧を高めることや、主供給弁14を一時的に閉じるように制御形態を設定しても良い。
【0071】
第1回収槽31の液面レベルが設定値に達したことを第1液面センサ34が検知した場合には、制御部50が、第1排出弁33を開放し、第1排出ポンプP1を駆動する。これにより、第1回収槽31に回収された捕獲物質が処理液Wとともに排出される。
【0072】
これと同様に、第2回収槽36の液面レベルが設定値に達したことを第2液面センサ39が検知した場合には、制御部50が、第2排出弁38を開放し、第2排出ポンプP2を駆動する。これにより、第2回収槽36に回収された捕獲物質が処理液Wとともに排出される。
【0073】
〔実施形態の作用・効果〕
本発明の脱臭装置では、エジェクタBの上部には第1吸引部S1を形成し下部には第2吸引部S2を形成しているため、エジェクタBのノズル41から処理液Wを噴出することにより、第1吸引部S1と第2吸引部S2とでの空気の吸引が可能となり吸気量を増大して処理能力が向上する。
【0074】
また、エジェクタBで空気が吸引される場合には、処理液Wが高速で流動し、大きい負圧が作用することから、空気に含まれる浮遊物質の処理液Wに対する親和性が低いものであっても処理液Wに強く接触し、親和するように混合する状態に達し、浮遊物質を処理液Wに捕獲物質として処理液Wに混合させることが可能となる。
【0075】
第1吸引部S1で吸引された空気は、長寸に形成されている延出部43を移動する際に、空気に含まれる浮遊物質が処理液Wに対して接触する機会(確率)が高まり、一層良好に混合する状態に達する。このように、処理液Wに対して浮遊物質が親和する状態で混合するため、処理液Wに含まれる空気から浮遊物質が除去される。また、処理液に混合した空気にはオゾンも含まれており、このオゾンが悪臭の原因となるガスに接触することによってもガスと反応して悪臭を低減したガスに変化させることを可能にしている。
【0076】
従って、エジェクタBから貯留部Cに送り込まれた処理液Wから分離する空気には浮遊物質が含まれることはなく、悪臭の原因となるガスの量も低減し、結果として空気の脱臭が実現するのである。
【0077】
そして、貯留部Cの処理液Wを旋回させることにより捕獲物質と、処理液Wと、空気(気泡)との分離を積極的に行わせ、沈殿物回収ユニットFと、浮遊物回収ユニットGとにおいて捕獲物質の回収も可能となる。
【0078】
特に、脱臭装置では、エジェクタBの負圧によって空気を吸引するため吸気ダクト4に対して吸引ファン等を備える必要もない。また、空気中の浮遊物質を除去するためにフィルタを用いる構成と比較すると、フィルタの目詰まりにより性能低下を招くことがなく、しかも、フィルタ類を定期的に交換することや清浄化する作業等を行わずに済み、常に高い性能で空気の脱臭を行える。
【0079】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0080】
(a)図6図7に示すように、エジェクタBの下端からの処理液Wの排出方向を、鉛直方向(軸芯Xの姿勢)を基準に傾斜させると共に、このエジェクタBを、その下端から排出される処理液Wが、貯留部Cに貯留された処理液Wの中央から外れた位置に接触するほうに配置することにより、貯留部Cの処理液Wに旋回流を作り出すように構成する。
【0081】
このように構成することにより、遠心力の作用により処理液Wに混合した捕獲物質の分離を容易に行わせる。この構成では、複数のエジェクタBを傾斜姿勢で配置することで強力な旋回流を作り出しても良い。また、実施形態に示したように、吸引管12の吸引口12aの配置により旋回流を作り出すものと組み合わせても良い。
【0082】
(b)複数のエジェクタBをタンクAの内部に備える。このように複数のエジェクタBを備えることにより、タンクAの大型化を図ることなく処理能力の一層の向上が可能となる。また、この別実施形態では、複数のエジェクタBを互いに平行となる姿勢に配置することが基本であるが、異なる姿勢で配置することも考えられる。
【0083】
(c)貯留部Cの処理液Wの液面に浮き上がった状態で存在する浮遊物(捕獲物質)をオーバーフローさせる形態で排出するための専用の排出用開口を形成する。このように排出用開口を形成することにより、排出口6を浮遊物(捕獲物質)の排出のために兼用する必要がなく、排出用開口を処理液Wの液面より高い位置に設定して処理液Wの飛沫が排出される不都合を抑制できる。
【0084】
(d)例えば、第1のタンクAと第2のタンクAとを備え、第1のタンクAにおいて脱臭され、第1のタンクAの排出口6から排出された空気を、第2のタンクAの吸気ダクト4に供給して更に脱臭を行うように脱臭装置を構成する。このように構成することにより、一層良好な脱臭が実現する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、エジェクタにより吸引した気体の脱臭を行う脱臭装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0086】
4 吸気部(吸気ダクト)
6 排出口
12a 吸引口
30 排出弁
41 ノズル
42a 段部
46 ガイド筒
A タンク
B エジェクタ
BH ハウジング
C 貯留部
J 脱臭剤供給部
K 分解剤供給部
Pa ポンプ(循環ポンプ)
S1 第1吸引部
S2 第2吸引部
W 処理液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7