【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成1〕
上記目的を達成するための電気ポットの特徴構成は、液体を収容する容器と、前記容器に収容された液体の温度を検出するサーミスタと、マイコンとを有する電気ポットであって、
前記マイコンは、
前記サーミスタから取得したアナログ信号をA/D変換してデジタル信号を得るA/D変換動作が可能な高速モードと、
前記A/D変換動作を行わず前記高速モードよりも低速で動作する低速モードとを実行可能に構成され、
前記容器に収容された液体の沸騰を行う沸騰動作の終了後に、前記マイコンが前記高速モードから前記低速モードへ切り換わる点にある。
【0007】
上記の特徴構成によれば、マイコンは、サーミスタから取得したアナログ信号をA/D変換してデジタル信号を得るA/D変換動作が可能な高速モードと、A/D変換動作を行わず高速モードよりも低速で動作する低速モードとを実行可能に構成されるから、マイコンを低速モードで実行することで電気ポットの消費電力を削減することができる。そして低速モードへの切り換えは容器に収容された液体の沸騰を行う沸騰動作の終了後に行われるから、沸騰検知が遅れる事態を回避しつつ消費電力を削減することができる。すなわち上記の特徴構成によれば、機能や利便性を損なうことなく省エネ性能を向上することができる。
【0008】
〔構成2〕
本発明に係る電気ポットの別の特徴構成は、前記容器に収容された液体の保温を行う保温動作において、前記マイコンが前記高速モードと前記低速モードとを交互に実行し、前記高速モードの時間より前記低速モードの時間の方が長い点にある。
【0009】
上記の特徴構成によれば、容器に収容された液体の保温を行う保温動作において、マイコンが高速モードと低速モードとを交互に実行し、高速モードの時間より低速モードの時間の方が長いため、より多くの消費電力を削減することができ好適である。
【0010】
〔構成3〕
本発明に係る電気ポットの別の特徴構成は、前記電気ポットは、前記沸騰動作の終了後に第1保温動作を行い、第1保温動作を所定時間行った後に第2保温動作を行うよう構成され、
前記第1保温動作において前記マイコンは、前記高速モードと前記低速モードとを交互に実行し、
前記第2保温動作において前記マイコンは、前記高速モードと前記低速モードとを交互に実行し、
前記第2保温動作における前記低速モードの継続時間は、前記第1保温動作における前記低速モードの継続時間よりも短い点にある。
【0011】
保温動作を長時間行うと、使用により減少した湯水を補充するために、容器に水が注がれる可能性が高くなる。上記の特徴構成によれば、第1保温動作を所定時間行った後に第2保温動作を行うよう構成され、第2保温動作における低速モードの継続時間は、第1保温動作における低速モードの継続時間よりも短いため、第2保温動作では水の補充による湯温低下を迅速に検知することが可能となる。すなわち上記の特徴構成によれば、消費電力削減を重視した第1保温動作と、温度検知機能を重視した第2保温動作とを組み合わせて行うことで、利便性と省エネ性能とを両立させることができる。
【0012】
〔構成4〕
本発明に係る電気ポットの別の特徴構成は、前記電気ポットは、前記沸騰動作の終了後にカルキ飛ばし動作を行うよう構成され、
前記カルキ飛ばし動作において前記マイコンは、前記高速モードと前記低速モードとを交互に実行する点にある。
【0013】
上記の特徴構成によれば、電気ポットは、沸騰動作の終了後にカルキ飛ばし動作を行うよう構成され、カルキ飛ばし動作においてマイコンは、高速モードと低速モードとを交互に実行するため、カルキ飛ばし動作中の消費電力を削減して省エネ性能を向上することができ好ましい。
【0014】
〔構成5〕
本発明に係る電気ポットの別の特徴構成は、交流から直流を生成する電源回路と、前記電源回路から供給された直流を降圧する降圧回路と、保温動作の際に点灯する保温表示LEDとを有し、前記降圧回路から前記マイコンに直流が供給され、前記電源回路から前記保温表示LEDに直流が供給される点にある。
【0015】
上記の特徴構成によれば、電源回路から保温表示LEDに直流が供給されるため、降圧回路を介して保温表示LEDに直流が供給される場合に比べて消費電力を削減することができ好適である。
【0016】
〔構成6〕
本発明に係る電気ポットの別の特徴構成は、交流から直流を生成する電源回路と、前記電源回路から供給された直流を降圧する降圧回路と、カルキ飛ばし動作の際に点灯するカルキ飛ばし表示LEDとを有し、前記降圧回路から前記マイコンに直流が供給され、前記電源回路から前記カルキ飛ばし表示LEDに直流が供給される点にある。
【0017】
上記の特徴構成によれば、電源回路からカルキ飛ばし表示LEDに直流が供給されるため、降圧回路を介してカルキ飛ばし表示LEDに直流が供給される場合に比べて消費電力を削減することができ好適である。
【0018】
〔構成7〕
本発明に係る電気ポットの別の特徴構成は、前記マイコンは、第1入力ポートと第2入力ポートとを有し、
前記第1入力ポートに前記サーミスタが接続され、前記第2入力ポートに前記サーミスタが積分回路を介して接続され、
前記マイコンは、高速モードにおいて第1入力ポートへのアナログ信号をA/D変換してデジタル信号を得るA/D変換動作を行い、
前記低速モードにおいて第2入力ポートへのアナログ信号を監視して、所定の閾値を超える当該アナログ信号の変動があった際に、前記低速モードから前記高速モードへ切り換わるよう構成される点にある。
【0019】
上記の特徴構成によれば、マイコンの第1入力ポートにサーミスタが接続され、第2入力ポートにサーミスタが積分回路を介して接続され、マイコンが低速モードにおいて第2入力ポートへのアナログ信号を監視して、所定の閾値を超える当該アナログ信号の変動があった際に、低速モードから高速モードへ切り換わるよう構成されるため、低速モードにおいても急激な温度変化があった際にマイコンを高速モードへ切り換えて対処することができる。すなわち上記の特徴構成によれば、低速モードでの消費電力の削減と、高速モードへの切り換えによる高機能動作とを両立することができ好適である。