【実施例】
【0045】
<共重合体(A−1)の製造例>
マレイン酸無水物が25質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた25%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.6kg、スチレン12kg、メチルメタクレリレート4kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて94℃まで昇温した。昇温後94℃を保持しながら、25%マレイン酸無水物溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始から4時間目までが1.8kg/時、4時間目から7時間目までが1.44kg/時、7時間目から10時間目までが0.72kg/時、10時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で14.4kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.19kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.98kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは94℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて118℃まで昇温し、さらに118℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体(A−1)をC−13NMR法により組成分析を行った。さらにGPC装置にて分子量測定を行った。また、得られた共重合体(A−1)をクロロホルムに溶解して12質量%クロロホルム溶液を作成し、光路長10mm測定用の石英角セルに充填した後、JIS K−7136に準拠して、ヘーズメーター(東洋精機社製ヘイズガードII)を用いて12質量%クロロホルム溶液における光路長10mmの曇り度を測定した。射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを射出成形し、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて2mm厚みの全光線透過率を測定した。共重合体(A−1)の組成分析結果、分子量測定結果、12質量%クロロホルム溶液における曇り度測定結果、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率透過率測定結果を表1に示す。
【0046】
<共重合体(A−2)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.72kg、スチレン14.2kg、メチルメタクリレート1.5kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて98℃まで昇温した。昇温後98℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが1.94kg/時、4時間目から7時間目までが1.5kg/時、7時間目から10時間目までが0.72kg/時、10時間目から13時間目までが0.31kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で15.35kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.18kg/時、7時間目から13時間目までが0.29kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で3kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは98℃を保持し、その後3℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−2)を得た。得られた共重合体(A−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0047】
<共重合体(A−3)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.8kg、スチレン12kg、メチルメタクリレート3.5kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.025kg/時、4時間目から7時間目までが1.62kg/時、7時間目から10時間目までが0.81kg/時、10時間目から13時間目までが0.27kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で16.2kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.19kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.98kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−3)を得た。得られた共重合体(A−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0048】
<共重合体(A−4)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.64kg、スチレン9.8kg、メチルメタクリレート6.1kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて94℃まで昇温した。昇温後94℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.21kg/時、4時間目から7時間目までが1.13kg/時、7時間目から11時間目までが0.55kg/時、11時間目から13時間目までが0.15kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で14.73kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.06kg/時、7時間目から13時間目までが0.1kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.02kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは94℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて118℃まで昇温し、さらに118℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−4)を得た。得られた共重合体(A−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0049】
<共重合体(A−5)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.92kg、スチレン12.2kg、メチルメタクリレート3.0kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.25kg/時、4時間目から7時間目までが1.73kg/時、7時間目から10時間目までが0.86kg/時、10時間目から13時間目までが0.17kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で17.28kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.15kg/時、7時間目から13時間目までが0.24kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.49kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−5)を得た。得られた共重合体(A−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0050】
<共重合体(A−6)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.68kg、スチレン14.8kg、メチルメタクリレート1kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて97℃まで昇温した。昇温後97℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始6時間目までが1.61kg/時、6時間目から9時間目までが0.91kg/時、9時間目から12時間目までが0.66kg/時、12時間目から15時間目までが0.25kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で15.12kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から9時間目までが0.13kg/時、9時間目から15時間目までが0.3kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で2.97kg添加した。重合温度は、分添開始から9時間目までは97℃を保持し、その後3.5℃/時の昇温速度で6時間かけて118℃まで昇温し、さらに118℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−6)を得た。得られた共重合体(A−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0051】
<共重合体(A−7)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.6kg、スチレン9.4kg、メチルメタクリレート6.6kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.02kg/時、4時間目から7時間目までが0.96kg/時、7時間目から11時間目までが0.79kg/時、11時間目から13時間目までが0.14kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で14.4kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.06kg/時、7時間目から13時間目までが0.1kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.02kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは88℃を保持し、その後5℃/時の昇温速度で6時間かけて118℃まで昇温し、さらに118℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−7)を得た。得られた共重合体(A−7)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0052】
<共重合体(A−8)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.8kg、スチレン12kg、メチルメタクリレート3.5kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが1.83kg/時、4時間目から7時間目までが1.77kg/時、7時間目から10時間目までが0.81kg/時、10時間目から13時間目までが0.38kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で16.2kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.19kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.98kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−8)を得た。得られた共重合体(A−8)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0053】
<共重合体(B−1)の製造例>
マレイン酸無水物が20質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン40gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−1)を得た。得られた共重合体(B−1)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0054】
<共重合体(B−2)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液2.04kg、スチレン12.2kg、メチルメタクリレート1.8kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始4時間目までが2.43kg/時、4時間目から7時間目までが1.84kg/時、7時間目から10時間目までが0.73kg/時、10時間目から13時間目までが0.31kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で18.36kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.19kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.98kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは92℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて116℃まで昇温し、さらに116℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−2)を得た。得られた共重合体(B−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0055】
<共重合体(B−3)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.6kg、スチレン6.4kg、メチルメタクリレート9.6kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて86℃まで昇温した。昇温後86℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始1時間目までが9.36kg/時、1時間目から4時間目までが1.44kg/時、4時間目から6時間目までが0.36kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で14.4kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から3時間目までが0.07kg/時、3時間目から6時間目までが0.1kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で0.51kg添加した。重合温度は、分添開始から4時間目までは86℃を保持し、その後16℃/時の昇温速度で2時間かけて118℃まで昇温し、さらに118℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−3)を得た。得られた共重合体(B−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0056】
<共重合体(B−4)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.76kg、スチレン15.6kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて100℃まで昇温した。昇温後100℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始6時間目までが1.45kg/時、6時間目から9時間目までが0.95kg/時、9時間目から12時間目までが0.79kg/時、12時間目から15時間目までが0.63kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で15.81kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から9時間目までが0.15kg/時、9時間目から15時間目までが0.28kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で3.03kg添加した。重合温度は、分添開始から9時間目までは100℃を保持し、その後3℃/時の昇温速度で6時間かけて118℃まで昇温し、さらに118℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−4)を得た。得られた共重合体(B−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0057】
<共重合体(B−5)の製造例>
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は(A−1)の製造例と同様に調整し、重合に使用した。
攪拌機を備えた50リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液1.8kg、スチレン12kg、メチルメタクリレート3.5kg、t−ドデシルメルカプタン10gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら40分かけて90℃まで昇温した。昇温後90℃を保持しながら、25%マレイン酸無水溶液と、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを各々連続的に分添開始した。25%マレイン酸無水物溶液は、分添開始7時間目までが1.62kg/時、7時間目から10時間目までが1.08kg/時、10時間目から13時間目までが0.54kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で16.2kg添加した。2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート溶液は、分添開始から7時間目までが0.12kg/時、7時間目から13時間目までが0.19kg/時の分添速度となるように段階的に分添速度を変え、合計で1.98kg添加した。重合温度は、分添開始から7時間目までは90℃を保持し、その後4℃/時の昇温速度で6時間かけて114℃まで昇温し、さらに114℃を1時間保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−5)を得た。得られた共重合体(B−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0058】
<共重合体(B−6)の製造例>
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、B−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液3.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート8.4kg、t−ドデシルメルカプタン32gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.85kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.85kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で34.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。
重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−6)を得た。得られた共重合体(B−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、12質量%クロロホルム溶液における曇り度、および2mm厚み鏡面プレートの全光線透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
メタクリル樹脂は、以下のものを使用した。
住友化学株式会社製、製品名スミペックス、グレード名MH
【0062】
<実施例・比較例>
前記製造例で記した共重合体(A−1)〜(A−8)、または共重合体(B−1)〜(B−5)と、メタクリル樹脂とを、表3〜表4で示した割合(質量%)で混合した後、二軸押出機(東芝機械社製 TEM−35B)にて、シリンダー温度230℃で溶融混練してペレット化して樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物について、以下の評価を行った。評価結果を表3〜表4に示す。
【0063】
(全光線透過率、およびHaze(曇り度))
全光線透過率、およびHazeは、射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で成形された縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて測定した。
【0064】
(シャルピー衝撃強度)
シャルピー衝撃強度は、JIS K7111−1:2006に基づき、ノッチなし試験片を用い、打撃方向はエッジワイズを採用して測定した。なお、測定機は東洋精機製作所社製デジタル衝撃試験機を使用した。
【0065】
(鉛筆硬度)
鉛筆硬度は、射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃の成形条件で成形された縦90mm、横55mm、厚み2mmの鏡面プレートを、JIS K 5600−5−4:1999(荷重750g、角度45℃)に準拠し、鉛筆ひっかき硬度試験器(コーテック社製KT−VF2380)を用いて鉛筆硬度を測定した。
【0066】
(ビカット軟化点)
ビカット軟化点は、JIS K7206:1999に基づき、50法(荷重50N、昇温速度50℃/時間)で試験片は10mm×10mm、厚さ4mmのものを用いて測定した。なお、測定機は東洋精機製作所社製HDT&VSPT試験装置を使用した。
【0067】
(熱安定性)
射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度60℃の成形条件で、直径30mm、高さ50mmの円柱状成形品のサンプルを50個作製し、目視にて、シルバー、ガス焼け、着色、気泡などの熱分解由来の外観不良が発生したサンプル数を数えることによって、樹脂組成物の熱安定性評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
◎:外観不良のサンプル数が0個
○:外観不良のサンプル数が1〜2個
△:外観不良のサンプル数が2〜5個
×:外観不良のサンプル数が6個以上
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
本発明の共重合体(A−1)〜(A−8)とメタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる実施例は、いずれも透明性、衝撃強度、耐熱性、および熱安定性に優れていた。
実施例5と比較例1、または実施例8と比較例2とを比較して分かるように、メタクリル樹脂に対する配合割合を同じにした実験例では、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が本発明の範囲に満たない共重合体(B−1)に比べて、本発明の共重合体(A−3)はメタクリル樹脂に対する耐熱性向上効果が優れていた。
実施例1、2、6、および9〜13と、比較例2とを比較して分かるように、樹脂組成物の耐熱性が同等になるように配合した実験例では、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が本発明の範囲に満たない共重合体(B−1)に比べて、本発明の共重合体(A−1)〜(A−8)はいずれもメタクリル樹脂に対する配合割合を小さくすることが出来ており、得られた樹脂組成物は衝撃強度および表面硬度が優れていた。実施例7と比較例3とを比較しても同様のことが言える。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が本発明の範囲を超える共重合体(B−2)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる比較例4では、透明性、衝撃強度、および熱安定性が劣る結果となった。
芳香族ビニル単量体単位が本発明の範囲に満たない、かつ(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が本発明の範囲を超える共重合体(B−3)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる比較例5では、透明性、および熱安定性が劣る結果となった。
芳香族ビニル単量体単位が本発明の範囲を超え、かつ(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が本発明の範囲に満たない共重合体(B−4)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる比較例6では、透明性、および衝撃強度が劣る結果となった。
JIS K−7136に基づき測定した共重合体12質量%クロロホルム溶液における光路長10mmの曇り度が本発明の範囲を超える共重合体(B−5)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる比較例7では、透明性、衝撃強度、および熱安定性が劣る結果となった。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が本発明の範囲に満たない共重合体(B−6)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる比較例9では、衝撃強度、および熱安定性が劣る結果となった。
【0071】
〜偏光子保護フィルムへの適合性評価〜
実施例6,7及び比較例2で使用したペレットを90℃で2時間乾燥した後、40mmΦ単軸押出機と300mm幅のTダイとを用いて260℃で押出すことで得られたシート状の溶融樹脂をフレキシブルロールで圧着した後、冷却ロールで冷却し、幅250mm、厚さ100±5μmのフィルムを得た。このフィルムについて、以下の評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0072】
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度は、以下の装置を用いてフィルム測定した。
装置 :セイコーインスツルメンツ社製 Robot DSC6200
昇温速度 :10℃/分
なお、ガラス転移温度が120℃以上であるフィルムが偏光子保護フィルム用には適している。
【0073】
(フィルム強度)
フィルム強度は、フィルムより試験片を切り出し、以下の条件により落球衝撃試験を行い、50%破壊エネルギーを測定した。
試験片 :縦50mm×横50mm×膜厚100±5μmの未延伸フィルム
重錘 :直径11mm、重さ5.45gの鉄球
固定状態 :内径43mmのリングでフィルムを挟み込み、上下左右4箇所をクリップで固定
JIS K7211に準拠して1cm間隔で50%破壊高さを測定し、50%破壊エネルギーを算出した。なお、フィルム強度は50%破壊エネルギーが大きいほど偏光子保護フィルム用には適している。
【0074】
(位相差測定)
面内位相差Reおよび厚み位相差Rthは、以下の装置を用いて、フィルムの位相差を測定した。
装置 :複屈折測定装置「王子計測社製 KOBRA-WR」
測定波長 :590nm
なお、面内位相差Reおよび厚み位相差Rthは、0に近いほど偏光子保護フィルム用には適している。
【0075】
【表5】
【0076】
本発明の共重合体(A−3)とメタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる実施例14および15では、耐熱性、およびフィルム強度に優れ、面内位相差Reおよび厚み位相差Rthが小さく複屈折がほとんどない偏光子保護フィルム用に好適なフィルムが得られた。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が本発明の範囲に満たない共重合体(B−1)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる参考例1については、耐熱性、およびフィルム強度が良好で、面内位相差Reおよび厚み位相差Rthが小さく複屈折がほとんどないフィルムが得られているので偏光子保護フィルム用に使用可能と考えられるが、本発明の共重合体(A−3)と、メタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物の方が耐熱性、またはフィルム強度に優れており、より好適に偏光子保護フィルム用に用いることが出来る。
【0077】
〜透明耐擦傷性板への適合性評価〜
実施例7及び比較例2で使用したペレットとポリカーボネート樹脂とを、それぞれ単軸押出機(東芝機械社製SE−65CA)を用いたフィードブロック方式(500mm幅Tダイ)にて、樹脂組成物側のシリンダー温度260℃、ポリカーボネート樹脂側のシリンダー温度270℃で溶融共押出成形を行い、厚さ1.0mm±0.01mmである二層構成の積層シートを作製した。この際、樹脂組成物層(I)とポリカーボネート樹脂層(II)の層比(各層の厚さの比)が(I)/(II)=10/90となるよう調整した。この積層シートについて、以下の評価を行った。評価結果を表6に示す。なお、ポリカーボネート樹脂は、帝人社製「パンライト L−1250」(MFR:8g/10min、ガラス転移温度:150℃)を用いた。
【0078】
(反り量)
積層シートを縦90mm、横90mmの正方形に切削後、環境試験機(エスペック社製PL−3KPH)にて温度85℃、湿度85%の条件下で72時間静置させた。その後、平坦なガラス基板上に試験後の積層シートを下に凸となる様に置き、積層シートの各頂点4箇所とガラス基板面との隙間、および積層シート各辺の中央部(各辺を2等分する位置)4箇所とガラス基板面との隙間を計測し(計8箇所計測)、その平均値を反り量とした。なお、反り量が小さいほど透明耐擦傷板用には適している。
【0079】
(全光線透過率)
全光線透過率は、積層シートを縦90mm、横90mmの正方形に切削し、ポリカーボネート樹脂層(II)が入光面となるようにして、ASTM D1003に準拠し、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いて測定した。なお、全光線透過率が高いほど透明耐擦傷板用には適している。
【0080】
(鉛筆硬度)
鉛筆硬度は、積層シートを縦90mm、横90mmの正方形に切削後、樹脂組成物層(I)が上層、ポリカーボネート樹脂層(II)が下層となるように積層シートを静置し、JIS K 5600−5−4:1999(荷重750g、角度45℃)に準拠し、鉛筆ひっかき硬度試験器(コーテック社製KT−VF2380)を用いて鉛筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度は高いほど透明耐擦傷板用には適している。
【0081】
【表6】
【0082】
本発明の共重合体(A−3)とメタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる実施例16では、反り量、全光線透過率、および鉛筆硬度に優れ、透明耐擦傷板用に好適な積層シートが得られた。
不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位が本発明の範囲に満たない共重合体(B−1)とメタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物に係わる参考例2については、反り量、全光線透過率および鉛筆硬度が良好なので、透明耐擦傷板用に使用可能と考えられるが、本発明の共重合体(A−3)とメタクリル樹脂とを配合してなる樹脂組成物を用いた積層シートの方が、反り量、および鉛筆硬度に優れており、より好適に透明耐擦傷板用に用いることが出来る。