特許第6587689号(P6587689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587689
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】大気圧プラズマ発生装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/24 20060101AFI20191001BHJP
   A61N 1/44 20060101ALI20191001BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20191001BHJP
   B01J 19/08 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   H05H1/24
   A61N1/44
   A61B18/12
   B01J19/08 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-537133(P2017-537133)
(86)(22)【出願日】2015年9月2日
(86)【国際出願番号】JP2015074919
(87)【国際公開番号】WO2017037885
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】神藤 高広
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010-536123(JP,A)
【文献】 特開2011-154951(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/188195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/24
A61B 18/12
A61N 1/44
B01J 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを噴出する噴出口と、
前記噴出口からプラズマの噴出方向に、少なくとも可視領域の波長を含む光を照射する照射装置と
を備え
前記照射装置により照射された光によって前記プラズマの照射位置が確認された後に該プラズマの噴出が行われることを特徴とする大気圧プラズマ発生装置。
【請求項2】
前記大気圧プラズマ発生装置が、
処理ガスを供給する供給装置と、
前記供給装置から供給された処理ガスを前記噴出口に向かって流すための流路と、
前記流路において処理ガスに電圧を印加してプラズマ化させる電極と
を備え、
前記照射装置が、前記流路の前記電極により処理ガスがプラズマ化される箇所より上流側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の大気圧プラズマ発生装置。
【請求項3】
前記大気圧プラズマ発生装置が、異なる周波数の光を照射する複数の前記照射装置を備えており、
それら複数の照射装置のうちの任意の照射装置が、前記大気圧プラズマ発生装置に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の大気圧プラズマ発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを噴出口から噴出させる大気圧プラズマ発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大気圧プラズマ発生装置では、噴出口からプラズマが、被処理体に向かって噴出されることで、被処理体にプラズマが照射され、プラズマ処理が行われる。下記特許文献には、プラズマ発生装置の一例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2012−059548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の大気圧プラズマ発生装置によれば、被処理体に対してプラズマ処理を行うことが可能となる。しかしながら、プラズマは目視にて確認することができないため、被処理体に適切にプラズマを照射できない虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、プラズマを適切に被処理体に照射することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願に記載の大気圧プラズマ発生装置は、プラズマを噴出する噴出口と、前記噴出口からプラズマの噴出方向に、少なくとも可視領域の波長を含む光を照射する照射装置とを備え、前記照射装置により照射された光によって前記プラズマの照射位置が確認された後に該プラズマの噴出が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願に記載の大気圧プラズマ発生装置では、プラズマを噴出する噴出口から、プラズマの噴出方向に光が照射される。これにより、プラズマの照射位置を光によって目視にて確認することが可能となり、プラズマを適切に被処理体に照射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例のプラズマ照射装置を示す斜視図である。
図2図1のプラズマ照射装置を示す分解図である。
図3】第2実施例のプラズマ照射装置を示す斜視図である。
図4図3のAA線における断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
[第1実施例]
<プラズマ照射装置の構成>
図1に、本発明の実施例のプラズマ照射装置10を示す。プラズマ照射装置10は、被処理体にプラズマを照射するための装置である。プラズマ照射装置10は、本体部12と、1対の電極14,16と、ガラス管18と、ガス供給装置20と、レーザ照射装置22とを備えている。
【0010】
本体部12は、サファイアガラスにより成形されており、円筒部23と屈曲部24とから構成されている。円筒部23は、概して円筒状をなしている。また、屈曲部24は、L字型に屈曲された管状をなし、それの一端部が、円筒部23の端部に近い外周面に立設された状態で連結されている。なお、円筒部23の内部と屈曲部24の内部とは連通している。
【0011】
また、本体部12の円筒部23の外周面には、1対の電極14,16の複数の放電部26,28が、円筒部23の軸方向に交互に並ぶようにして、蒸着されている。詳しくは、電極14は、図2に示すように、複数の放電部26と複数の連結部30とを有しており、電極16は、複数の放電部28と複数の連結部32とを有している。なお、図2は、電極14,16を円筒部23から取り外した状態を示す仮想図である。
【0012】
電極14の複数の放電部26は、円筒部23の外周面に、周方向に延びるように蒸着されており、所定の間隔をおいて、円筒部23の軸方向に並んで配設されている。また、電極14の連結部30は、円筒部23の外周面に、円筒部23の軸方向に延びるように線状に蒸着されており、複数の放電部26を連結している。なお、電極14の複数の放電部26のうちの一端に位置する放電部26は、円筒部23の周方向の全周に渡って蒸着されており、他の放電部26は、連結部30と反対側の部分を除いて、円筒部23の周方向に延びるように蒸着されている。また、円筒部23の周方向の全周に渡って蒸着されている放電部26には、円筒部23の端部に延び出すようにして、通電部36が形成されている。
【0013】
また、電極16の複数の放電部28は、円筒部23の外周面に、周方向に延びるように蒸着されており、電極14の複数の放電部26の間に位置するように、円筒部23の軸方向に並んで配設されている。なお、電極16の複数の放電部28のうちの電極14の2つの放電部26の間に位置する放電部28は、電極14の連結部30を除いて、円筒部23の周方向に延びるように蒸着されており、残りの端に位置する放電部28は、円筒部23の周方向の全周に渡って蒸着されている。その円筒部23の周方向の全周に渡って蒸着されている放電部28には、円筒部23の端部に延び出すようにして、通電部38が形成されている。また、電極16の連結部32は、円筒部23の外周面において、電極14の放電部26が蒸着されていない箇所に、円筒部23の軸方向に延びるように線状に蒸着されており、複数の放電部28を連結している。このように、1対の電極14,16は、電極14の放電部26と電極16の放電部28とが、所定の間隔をおいて交互に並ぶように、円筒部23の外周面に蒸着されている。
【0014】
ガラス管18は、図1に示すように、本体部12の円筒部23の外周面に配設されており、円筒部23の外周面に蒸着された1対の電極14,16全体を被覆している。これにより、高電圧が印加される電極14,16の露出を防止することが可能となり、安全が担保される。なお、電極14,16は、ガラス管18により封止されているため、電極14の放電部26と電極16の放電部28との間にまで、ガラス管18が入り込んでいる。
【0015】
ガス供給装置20は、処理ガスを供給する装置であり、屈曲部24の円筒部23に連結されている側の端部と反対側の端部に接続されている。これにより、屈曲部24を介して、円筒部23の内部に処理ガスが供給される。なお、処理ガスは、窒素等の不活性ガスと、空気中の酸素等の活性ガスとを任意の割合で混合させたガスであってもよく、不活性ガス若しくは空気のみであってもよい。また、ガス供給装置20は、処理ガスを加温、若しくは、冷却する機能を有しており、任意の温度の処理ガスを供給することが可能である。
【0016】
レーザ照射装置22は、レーザ光を照射する装置であり、概して短円筒状をなしている。レーザ照射装置22は、端面において、円筒部23の屈曲部24が配設されている側の端面に、同軸的に連結されている。なお、レーザ照射装置22は、円筒部23に着脱可能とされている。また、レーザ照射装置22の円筒部23に連結されている端面の中央部には、照射口(図2参照)40が形成されており、レーザ照射装置22は、照射口40からレーザ光を円筒部23の軸方向に照射する。なお、レーザ光は、紫外線領域および、可視領域の波長のレーザ光である。
【0017】
また、図2に示すように、レーザ照射装置22と異なるレーザ照射装置50が用意されている。レーザ照射装置50は、レーザ照射装置22と同寸法であり、円筒部23からレーザ照射装置22を取り外し、レーザ照射装置50を、レーザ照射装置22の代わりに円筒部23に連結することが可能である。なお、レーザ照射装置50も、レーザ照射装置22と同様にレーザ光を照射するが、レーザ照射装置50が照射するレーザ光は、紫外線領域を含まず、可視領域の波長のレーザ光である。
【0018】
<プラズマ照射装置によるプラズマ照射>
プラズマ照射装置10は、上述した構成により、円筒部23の端部からプラズマを噴出し、被処理体にプラズマを照射する。詳しくは、ガス供給装置20によって処理ガスが、屈曲部24を介して、円筒部23の内部に供給される。円筒部23の屈曲部24が配設されている側の端面はレーザ照射装置22によって塞がれているため、円筒部23に供給された処理ガスは、その端面と反対側の端面に向かって流れる。つまり、電極14,16が蒸着されている円筒部23の内部に向かって、処理ガスが流れる。
【0019】
そして、電極14,16の通電部36,38に電圧が印加され、電極14,16に電流が流れる。これにより、1対の電極14,16の放電部26,28の間に放電が生じる。この際、電極14,16は、絶縁体であるガラス管18によって封止されているため、円筒部23の内部において放電が生じ、円筒部23の内部を流れる処理ガスがプラズマ化される。そして、円筒部23のレーザ照射装置22が連結された側の端面と反対側の端面の開口(以下、「噴出口」と記載する場合がある)からプラズマが、円筒部23の軸方向に噴出される。これにより、プラズマの噴出方向の延長線上に設置された被処理体にプラズマが照射される。
【0020】
ただし、プラズマの波長は、真空紫外線領域の波長であるため、目視により確認することができない。このため、被処理体にプラズマを適切に照射できない虞がある。このようなことに鑑みて、プラズマ照射装置10には、レーザ照射装置22が設けられており、レーザ照射装置22によって照射されたレーザ光によって、プラズマの照射位置を確認することが可能となっている。
【0021】
詳しくは、レーザ照射装置22は、上述したように、円筒部23の端面に連結されており、円筒部23の軸方向にレーザ光を照射する。つまり、レーザ照射装置22は、プラズマの噴出方向と同軸的に、レーザ光を照射する。また、レーザ光は、直進性があり、平行光である。このため、レーザ照射装置22から照射されたレーザ光は、円筒部23内を通過して、円筒部23の噴出口から、プラズマの噴出方向と同軸的に照射される。そして、そのレーザ光は、被処理体のプラズマが照射されている個所に照射される。被処理体に照射されるレーザ光の波長は、可視領域の波長を含んでいるため、作業者は、レーザ光を目視にて確認することが可能である。これにより、作業者は、レーザ光により、プラズマの照射位置を確認することが可能となり、被処理体にプラズマを適切に照射することが可能となる。
【0022】
また、プラズマ照射装置10では、レーザ照射装置22が、処理ガスがプラズマ化される箇所の上流側に配設されている。詳しくは、処理ガスは、ガス供給装置20によって、屈曲部24を介して、円筒部23の内部に供給される。そして、円筒部23の内部に供給された処理ガスは、噴出口に向かって流れる。この際、処理ガスは、円筒部23の屈曲部24が連結されている個所と噴出口との間において、プラズマ化される。一方、レーザ照射装置22は、円筒部23の噴出口と反対側の端面に連結されている。このように、レーザ照射装置22は、処理ガスがプラズマ化される箇所の上流側に配設されている。このため、レーザ照射装置22は、処理ガスに曝されるが、プラズマには曝されない。これにより、レーザ照射装置22へのプラズマ照射を防止することが可能となる。
【0023】
なお、プラズマ照射装置10によるプラズマ照射は、レーザ光によって照射位置を確認した後に行われる。詳しくは、まず、レーザ照射装置22によってレーザ光が照射される。この際、ガス供給装置20による処理ガスの供給および、電極14,16への電圧の印加は行われていない。そして、作業者は、円筒部23の噴出口を被処理体に向けることで、レーザ光をプラズマ照射予定位置に一致させる。レーザ光がプラズマ照射予定位置に一致したら、ガス供給装置20により処理ガスが供給され、電極14,16に電圧が印加される。これにより、プラズマ照射予定位置に適切にプラズマを照射すること可能となる。
【0024】
また、プラズマは、活性酸素ラジカルを含んでおり、プラズマ照射された被処理体は、表面において活性化するため、種々の目的で被処理体にプラズマが照射される。具体的には、例えば、医療分野では、皮膚にプラズマを照射することで皮膚が活性化するため、皮膚の再生を目的として、プラズマ照射が行われる。また、例えば、骨にプラズマを照射することで、骨の表面の親水性が高くなり、接着剤の接合強度が高くなる。このため、骨の接合を目的として、プラズマ照射が行われる。また、例えば、工業分野では、金属等の表面処理,表面改質等を目的として、プラズマ照射が行われる。このように、様々な分野において、プラズマ照射の技術が用いられている。
【0025】
このため、プラズマ照射の目的に応じて、プラズマの照射温度が調整される。具体的には、例えば、皮膚の再生を目的として皮膚にプラズマが照射される場合には、ガス供給装置20によって比較的低い温度の処理ガスが供給される。これにより、プラズマの照射温度を、皮膚に照射するために適した温度にすることが可能となる。また、例えば、骨,金属等にプラズマが照射される場合には、ガス供給装置20によって比較的高い温度の処理ガスが供給される。これにより、プラズマの照射温度を高温とし、効果的にプラズマ処理を行うことが可能となる。
【0026】
また、レーザ照射装置22は、上述したように、紫外線領域および、可視領域の波長のレーザ光を照射する。このため、レーザ光が照射された被処理体の表面は、紫外線により活性化する。つまり、プラズマの照射位置を確認するためのレーザ光によっても、被処理体の表面が活性化する。これにより、レーザ光の照射および、プラズマの照射によって、被処理体の表面が活性化され、効果的に被処理体の表面処理を行うことが可能となる。ただし、被処理体には、紫外線の照射が好ましくないものがある。このため、プラズマ照射装置10では、上述したように、レーザ照射装置22の代わりに、レーザ照射装置50をプラズマ照射装置10に装着することが可能である。レーザ照射装置50は、紫外線領域を含まず、可視領域の波長のレーザ光を照射する。これにより、紫外線の照射が好ましくない被処理体に対しても、レーザ光を照射し、プラズマの照射位置を確認することが可能となる。
【0027】
[第2実施例]
第2実施例のプラズマ照射装置70を、図3および図4に示す。プラズマ照射装置70は、本体部72と、アース板74と、照射ノズル76と、1対の電極78,80と、レーザ照射装置82とを備えている。ちなみに、図3は、プラズマ照射装置70の要部の透過図であり、図4は、図3のAA線における断面図である。なお、図3には、図が雑然となることを避けるべく、レーザ照射装置82は図示されていない。
【0028】
本体部72は、概して直方体形状をなし、セラミックにより成形されている。本体部72の内部には、反応室86が形成されている。反応室86の底面には、下方向に延びるように、4本の第1流路88が形成されている。なお、第1流路88は、本体部72の下面側に貫通していない。また、本体部72には、第1流路88の下端部から本体部72の前面に貫通する第2流路90が、形成されている。その第2流路90の本体部72の前面側の端部は、封止栓96によって塞がれている。さらに、本体部72には、第2流路90の両端部の間を上下方向に貫通する第3流路98が、形成されている。なお、第3流路98の上端部は、本体部72の上面側に貫通していないが、第3流路98の下端部は、本体部72の下面側に貫通している。
【0029】
アース板74は、金属により成形されており、本体部72の下面に固定されている。アース板74には、上下方向に貫通する4本の貫通穴100が形成されており、貫通穴100は、本体部72の第3流路98と同軸的に連通している。
【0030】
照射ノズル76は、アース板74の下面に固定されている。照射ノズル76には、上下方向に貫通する4本のノズル穴102が形成されており、ノズル穴102は、アース板74の貫通穴100と同軸的に連通している。
【0031】
1対の電極78,80は、棒状をなし、離間した状態で反応室86の内部に挿入されている。また、レーザ照射装置82は、本体部72の内部に配設されており、第3流路98の上端に連結されている。レーザ照射装置82は、レーザ光を照射する装置であり、第3流路98の軸方向に沿ってレーザ光を照射する。
【0032】
このような構造により、プラズマ照射装置70は、照射ノズル76のノズル穴102の下端の開口(以下、「噴出口」と記載する場合がある)から、レーザ光を照射し、そのレーザ光を利用して、プラズマの照射予定位置にプラズマを照射する。詳しくは、まず、レーザ照射装置82によって、第3流路98の軸方向に沿ってレーザ光が照射される。これにより、レーザ光は、第3流路98,貫通穴100,ノズル穴102を通過し、噴射口から照射される。そして、作業者は、噴出口を被処理体に向けることで、レーザ光をプラズマ照射予定位置に一致させる。
【0033】
続いて、反応室86に処理ガスが供給され、1対の電極78,80に電圧が印加される。これにより、1対の電極78,80間に電流が流れ、放電が生じることで、処理ガスがプラズマ化される。そして、そのプラズマが、第1流路88,第2流路90,貫通穴100,ノズル穴102を介して、噴出口から噴出される。この際のプラズマの噴出方向は、第2流路90,貫通穴100,ノズル穴102の軸方向となる。このため、被処理体に照射されているレーザ光に向かって、プラズマが照射される。このように、第2実施例のプラズマ照射装置70においても、第1実施例のプラズマ照射装置10と同様に、プラズマの照射位置をレーザ光により確認し、プラズマの照射予定位置に適切にプラズマを照射することが可能となる。
【0034】
ちなみに、プラズマ照射装置10は、大気圧プラズマ発生装置の一例である。本体部12は、流路の一例である。電極14,16は、電極の一例である。ガス供給装置20は、供給装置の一例である。レーザ照射装置22は、照射装置の一例である。レーザ照射装置50は、照射装置の一例である。プラズマ照射装置70は、大気圧プラズマ発生装置の一例である。電極78,80は、電極の一例である。レーザ照射装置82は、照射装置の一例である。第1流路88,第2流路90,貫通穴100,ノズル穴102は、流路の一例である。
【0035】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、被処理体に照射される光としてレーザ光が採用されているが、可視光であれば、種々の光を採用することが可能である。ただし、プラズマの照射位置を適切に確認するべく、直進性,収束性に優れた光、所謂、平行光を採用することが好ましい。
【符号の説明】
【0036】
10:プラズマ照射装置(大気圧プラズマ発生装置) 12:本体部(流路) 14:電極 16:電極 20:ガス供給装置(供給装置) 22:レーザ照射装置(照射装置) 50:レーザ照射装置(照射装置) 70:プラズマ照射装置(大気圧プラズマ発生装置) 78:電極 80:電極 82:レーザ照射装置(照射装置) 88:第1流路(流路) 90:第2流路(流路) 100:貫通穴(流路) 102:ノズル穴(流路)
図1
図2
図3
図4