【実施例】
【0012】
図1において、Aは折りたたみ縦型かばんで、折りたたんだ状態を示し、Bは両脇にプリーツ4を形成することによって扁平な形状に折りたたまれるかばん本体、B1はかばん本体Bの上部に形成される持ち手部、B2は持ち手部B1の下端部から連続して形成される収納部、Cはかばん本体Bに形成されたプリーツ4の側端部7を重ね合わせた状態で封止して形成される集束底部、Dはかばん本体Bの集束底部C寄りに設けられ、折りたたみ縦型かばんAを長手方向に折りたたんだ状態で結束する留めバンドである。
【0013】
かばん本体Bは、
図2に示すように、矩形のシート材料3から構成され、本実施例では、説明の都合上、シート材料3は、第1辺を短辺2、第2辺を長辺1とする長方形としているが、第1辺を長辺1、第2辺を短辺2としても構わない。また、シート材料3は、第1辺と第2辺とが等辺の正方形であっても構わない。
本実施例では、シート材料3の材質として、ポリエステルの布帛が使用されているが、ナイロンなどの合成繊維や木綿などの天然繊維からなる布帛や、前記布帛に合成樹脂をコーティングした積層材料など、必要な強度と屈曲性を有する可撓性のシート材料であれば、いずれも選択可能である。
【0014】
シート材料3は、
図3に示す複数のプリーツ4を形成するために、短辺2の垂直2等分線である中心線CLを挟んで線対称に、長辺1(中心線CL)と平行に間隔S1で形成される一対の第1山折り線M1と、該第1山折り線M1から長辺1側に向けて間隔S1の1/2未満の間隔S2で形成される一対の第1谷折り線V1と、該第1谷折り線V1から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の第2山折り線M2と、該第2山折り線M2から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の第2谷折り線V2と、該第2谷折り線V2から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の第3山折り線M3と、該第3山折り線M3から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の折曲線Tとを有し、該折曲線Tから長辺1までの幅は、間隔S2よりも狭い間隔S3となるように設定されている。
本実施例では、シート材料3に、第3山折り線M3および折曲線T(第3谷折り線に相当)まで形成されているが、プリーツ4の数に相当する山折り線および谷折り線の数およびプリーツ幅に相当する間隔S2は、折りたたみ縦型かばんの形状に応じて任意に設定することができる。
【0015】
かばん本体Bは、
図3に示すように、シート材料3を山折り線M1〜3、谷折り線V1〜2および折曲線Tに沿って、それぞれ折りたたむことにより、中心線CLを挟んで折りたたみ表面5の両脇に一対の蛇腹状のプリーツ4が形成される。
さらに、かばん本体Bには、折りたたみ表面5の中心線CLに沿って中央部を開口寸法L1の開口線OL(
図2参照)をカッター等で切開することにより持ち手開口部6が形成される。
【0016】
次に、プリーツ4が形成されたかばん本体Bは、プリーツ4の第3山折り線M3同士が対向するように、シート材料3における長辺1の垂直2等分線である折り返し線FLに沿って矢印F方向に折り返され、
図4に示すように、折りたたみ表面5の短辺2側である側端部7同士が対向するようになる。
以上のように、かばん本体Bは、折りたたみ表面5が外側を向くように、折り返し線FLに沿って折り返すことにより、かばん本体Bの持ち手開口部6で分離された一対の折り返し部8側(側端部7と反対側)に、持ち手部B1が形成される。
【0017】
持ち手部B1は、
図1に示すように、折りたたみ表面5に形成された持ち手開口部6全体を補強するために、
図5(a)に示すように、開口縁部11には、表裏にわたってグログランテープなどの補強テープ12が縫い付けられ、さらに、持ち手開口部6の開口端部6aを補強するために、補強テープ13が縫い付けられる。
さらに、持ち手部B1は、折り返し部8の幅が広いと、手で持ちにくかったり、肩に掛けにくかったりするので、持ち手部B1は、折り返し部8の両脇を裏側に折り込み、縫合することにより細幅部14が形成されている。
また、持ち手部B1は、
図6に示すように、プリーツ4の折曲線T同士を離隔するために、
図5(a)に示すように、それぞれの折曲線Tは、裏側に折り込まれた状態で縫い付けられ、プリーツ開口部15が形成される。
【0018】
次に、折り返されたかばん本体Bは、
図1に示すように、持ち手部B1の下端部から連続して収納部B2が形成されている。収納部B2は、
図5(b)に示すように、プリーツ4の折曲線Tと隣接して重なり合う辺同士を裏側に折り込まれた状態で縫い付けることにより形成される。
【0019】
集束底部Cは、
図1に示すように、かばん本体Bの折りたたみ表面5の幅である間隔S1の2倍強に相当する全長を有する補強テープ17から構成され、かばん本体Bに形成されたプリーツ4の側端部7を重ね合わせた状態で封止するために、補強テープ17を折りたたみ表面5の両脇で折り返し、かばん本体Bの側端部7を挟持するように縫合されている。
【0020】
さらに、
図1に示すように、かばん本体Bの集束底部C寄りには、折りたたみ表面5の両脇から前方に向けて、かばん本体Bを長手方向に折りたたんで結束するために、
図5(b)に示すように、テープ状のゴム製の留めバンドDが縫い付けられている。
本実施例では、留めバンドDは、テープ状のゴム製のものが使用されているが、このタイプのものに限らず、かばん本体Bを長手方向に折りたたんで結束できるものであればよい。
【0021】
以上説明したように、折りたたみ縦型かばんAは、折りたたまれた状態で製作されるので、次に、
図7を参照しながら、使用状態の折りたたみ縦型かばんAの外観について説明する。
使用状態に拡げられた折りたたみ縦型かばんAは、
図7(a)の上面図で示すように、かばん本体Bの前面の折りたたみ表面5と、前面の折りたたみ表面5の両脇に形成されたプリーツ4からなる湾曲面状の一対の横マチ19(側面)と、一対の横マチ19から後方に連続する後面の折りたたみ表面5と、集束底部Cから拡げられたプリーツ4からなる底マチ20(底面)とから構成されている。
【0022】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について図面を参照しながら説明する。
本実施例の折りたたみ縦型かばんAは、
図3に示すように、かばん本体Bを構成するシート材料3を山折り線M1〜3、谷折り線V1〜2および折曲線Tに沿って、それぞれ折りたたまれた後、折りたたみ表面5の中央に持ち手開口部6を切開し、
図4に示すように、かばん本体Bは、折りたたみ表面5が外側を向くように、折り返し線FLに沿って折り返される。
折り返されたかばん本体Bの持ち手部B1に形成された持ち手開口部6には、補強テープ12および13が縫い付けられるとともに、持ち手部B1は、折り返し部8の両脇を裏側に折り込み、縫合することにより細幅部14が形成される。
【0023】
その後、かばん本体Bの収納部B2は、
図5(b)に示すように、プリーツ4の折曲線Tと隣接する重なり合う辺同士を裏側に折り込まれた状態で縫い付けられ、かばん本体Bの折りたたまれた側端部7に集束底部Cを形成する補強テープ17を縫い付けるとともに、折りたたみ表面5の集束底部C寄りに留めバンドDを縫い付けることにより、
図1に示すように、折りたたみ縦型かばんAは、折りたたまれた状態で製作される。
【0024】
次に、
図6を参照しながら、折りたたまれた折りたたみ縦型かばんAを使用可能な状態にする手順について説明する。
まず、結束された折りたたみ縦型かばんAから留めバンドDを外し、
図1のように、集束底部Cを下にした状態で長手方向に拡げる。
その後、持ち手部B1の持ち手開口部6を開くと、
図6のように、折りたたみ縦型かばんAが使用可能な状態になるので、持ち手開口部6から収納物品を入れた後、持ち手開口部6を閉じ、持ち手部B1に手を掛けて使用することができる。
【0025】
以上のように、使用状態に拡げられた折りたたみ縦型かばんAは、
図7(a)に示すように、かばん本体Bの前面の折りたたみ表面5と、後面の折りたたみ表面5との間に形成されたプリーツ4が拡張され、横マチ19として収納部B2の容積が増大するとともに、持ち手部B1の持ち手開口部6およびプリーツ開口部15が開くことにより収納部B2へのアクセスを容易にすることができる。
【0026】
次に、
図6を参照しながら、使用後の折りたたみ縦型かばんAを小さく折りたたむ手順について説明する。
まず、かばん本体Bの持ち手開口部6を開き、収納物品を取り出した後、持ち手部B1の折り返し部8と集束底部Cとを引き離す方向に両手で引っ張ることで、
図1に示すように、折りたたみ縦型かばんAを折りたたみ表面5が表裏に存在する扁平な形状にすることができる。
その後、かばん本体Bを長手方向に折りたたみ、最後に、ゴム製の留めバンドDで結束して折りたたみが完了する。