特許第6587726号(P6587726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6587726
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】折りたたみ縦型かばん
(51)【国際特許分類】
   A45C 7/00 20060101AFI20191001BHJP
   B65D 30/20 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   A45C7/00 G
   B65D30/20 K
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-165188(P2018-165188)
(22)【出願日】2018年9月4日
【審査請求日】2018年9月4日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591203831
【氏名又は名称】株式会社マーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100186358
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100191145
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 整博
(72)【発明者】
【氏名】菊田 みなみ
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−137304(JP,A)
【文献】 特開2015−058343(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/033902(WO,A1)
【文献】 実開昭58−173319(JP,U)
【文献】 実開昭53−045110(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0296941(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 7/00
B65D 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用状態から長手方向に緊張させることにより折りたたみ状態となる折りたたみ縦型かばんであって、
隣り合う第1辺と第2辺とからなる矩形のシート材料を、第1辺の垂直2等分線を中心に相対向する第2辺同士が近接するように該垂直2等分線に平行な折り線に沿って折りたたんで、中央に形成される折りたたみ表面と該折りたたみ表面の両脇に形成される一対の蛇腹状のプリーツとを有するかばん本体と、
前記折りたたみ表面の前記垂直2等分線に沿って中央部を所定の開口寸法で切開することにより形成される持ち手開口部と、
前記かばん本体を長手方向に二分する折り返し線に沿って折りたたみ表面が外側を向くように折り返されることにより、かばん本体の持ち手開口部で分離された一対の折り返し部側に形成される持ち手部と、
前記折り返されたかばん本体の重なり合う蛇腹状のプリーツの第2辺同士を側端部側だけ接合して形成される収納部と、
前記折り返されたかばん本体の重なり合う蛇腹状のプリーツの側端部を重ね合わせた状態で封止して形成される集束底部とを備えることを特徴とする折りたたみ縦型かばん。
【請求項2】
前記シート材料は、第1辺の垂直2等分線上の中央部分に形成される持ち手開口線と、前記垂直2等分線から相対向する第2辺側に向けて、折りたたみ表面の幅S1で形成される一対の第1山折り線と、該第1山折り線から第2辺側に向けて幅S1の1/2未満の間隔S2で形成される複数組の谷折り線および山折り線と、第2辺側寄りの一対の山折り線から間隔S2で形成される一対の折曲線と、第2辺の垂直2等分線上に形成される折り返し線とを備えることを特徴とする請求項1に記載の折りたたみ縦型かばん。
【請求項3】
前記持ち手部は、前記一対の折り返し部の両脇を裏側に折り込み形成される細幅部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の折りたたみ縦型かばん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたみ縦型かばんに関し、とくに、不使用時に小さく折りたたむことで携帯が便利な折りたたみ縦型かばんに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート材料で構成され、不使用時の携帯を考慮して小さく折りたたむことができる縦型かばんは、従来から様々な提案がなされている。
このような縦型かばんの一例として、布などの柔軟性を有するシートに、縦方向に少なくとも1つ以上の山折り部と谷折り部の折り目をアコーディオン状に設け、布、紙、ビニールなどの柔軟性を有するシートの両端を縫い合わせ筒状とし、山折り部と谷折り部を振り分けて畳み、上部を開口部とし、下部は山折り部と谷折り部を重ね合わせて畳んだ状態で縫い合わせて底部を構成し、開口部の各山折り部と各谷折り部の中間に紐通し穴を設け、紐を通し、前記紐と前記底部を引っ張り合うことで、容易にコンパクトに、しわにならないように畳むことを可能とするショッピングバッグが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、シート材料で構成され、使用後に両端部を引き離す方向に引っ張るだけで、長手方向の両端を閉じた所定の長方形の扁平な帯状の形態にすることができる折りたたみ可能な袋として、前記袋が帯状の形態のときの幅方向中央部分又は一方の側縁を一端部から他端部に亘って直線状に延び、かつ対象物を出し入れするための開口部100aと、該開口部100aを挟んで、その一方側半分10aと他方側半分10bとに位置し、所定の幅で山折り、谷折りを繰り返すことにより形成された複数のプリーツ12で構成される蛇腹構造の袋本体であって、該複数のプリーツ12の各端部を重ねた状態で閉塞された袋本体と、前記一方側半分10aと前記他方側半分10bとに形成され、前記開口部100aに沿って延びる第1、第2のトンネル部18a,18bと、前記第1のトンネル部18aに挿通され、幅を有する扁平な第1のストラップST1と、前記第2のトンネル部18bに挿通され、幅を有する扁平な第2のストラップST2と、前記第1、第2のトンネル部の両端から前記第1、第2のストラップST1,ST2の一部を引っ張り出すことにより前記開口部100aを小さくしながら、第1、第2のストラップST1,ST2を使って運ぶことができる手提げ袋も、従来から知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−58343号公報
【特許文献2】国際公開第2017/033902号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載のショッピングバッグでは、紐と底部を引っ張り合うことで、容易にコンパクトに畳むことができるものの、持ち手として紐を別に用意して開口部に装着する必要があり、ショッピングバッグの製作に手間がかかるという問題があった。
また、上記特許文献2記載の折りたたみ可能な袋では、使用後に両端部を引き離す方向に引っ張るだけで、長手方向の両端を閉じた形態にすることができるものの、持ち手としてシート材料とは別にストラップを用意し、トンネル部に挿通する必要があり、上記特許文献1と同様に、折りたたみ可能な袋の製作に手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、1枚のシート材料を折りたたむことにより持ち手部と一体に製作されるとともに、使用後は、長手方向の両端を引き離す方向に緊張させるだけで、簡単に折りたたまれる折りたたみ縦型かばんを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、折りたたみ縦型かばんとして、使用状態から長手方向に緊張させることにより折りたたみ状態となる折りたたみ縦型かばんであって、隣り合う第1辺と第2辺とからなる矩形のシート材料を、第1辺の垂直2等分線を中心に相対向する第2辺同士が近接するように該垂直2等分線に平行な折り線に沿って折りたたんで、中央に形成される折りたたみ表面と該折りたたみ表面の両脇に形成される一対の蛇腹状のプリーツとを有するかばん本体と、前記折りたたみ表面の前記垂直2等分線に沿って中央部を所定の開口寸法で切開することにより形成される持ち手開口部と、前記かばん本体を長手方向に二分する折り返し線に沿って折りたたみ表面が外側を向くように折り返されることにより、かばん本体の持ち手開口部で分離された一対の折り返し部側に形成される持ち手部と、前記折り返されたかばん本体の重なり合う蛇腹状のプリーツの第2辺同士を側端部側だけ接合して形成される収納部と、前記折り返されたかばん本体の重なり合う蛇腹状のプリーツの側端部を重ね合わせた状態で封止して形成される集束底部とを備えることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
かばん本体を構成するシート材料の具体的実施形態として、前記シート材料は、第1辺の垂直2等分線上の中央部分に形成される持ち手開口線と、前記垂直2等分線から相対向する第2辺側に向けて、折りたたみ表面の幅S1で形成される一対の第1山折り線と、該第1山折り線から第2辺側に向けて幅S1の1/2未満の間隔S2で形成される複数組の谷折り線および山折り線と、第2辺側寄りの一対の山折り線から間隔S2で形成される一対の折曲線と、第2辺の垂直2等分線上に形成される折り返し線とを備えることを特徴とする構成を採用する。
また、持ち手部の具体的実施形態として、前記持ち手部は、前記一対の折り返し部の両脇を裏側に折り込み形成される細幅部を備えることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の折りたたみ縦型かばんは、上記構成を採用することにより、1枚のシート材料を折りたたむことにより、持ち手部と一体の折りたたみ縦型かばんを製作することができるとともに、使用後は、長手方向の両端を引き離す方向に緊張させるだけで、簡単に折りたたむことが可能である。
また、本発明の折りたたみ縦型かばんは、かばん本体の持ち手部と収納部とが1枚の矩形のシート材料により製作されているので、製作工程をシンプルにすることができる。
さらに、本発明の折りたたみ縦型かばんは、持ち手部に細幅部を備えているので、折りたたみ縦型かばんを手で持ちやすくするとともに、肩に掛けやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例である折りたたみ縦型かばんの折りたたんだ状態を示す斜視図である。
図2】実施例の折りたたみ縦型かばんを製作するシート材料を展開した状態を示す図である。
図3図2のシート材料の折りたたみ状態を示す模式図である。
図4図3の折りたたんだシート材料を折り返した状態を示す模式図である。
図5図1の断面を示す模式図であり、(a)はX1−X1方向矢視断面模式図、(b)はX2−X2方向矢視断面模式図である。
図6】実施例の折りたたみ縦型かばんの使用状態を示す斜視図である。
図7】実施例の折りたたみ縦型かばんの使用状態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の折りたたみ縦型かばんについて、実施例を示した図面を参照して説明する。
以下の説明では、図1の斜視図でみて、縦方向を「上下」、左上から右下方向を「左右」、左下から右上方向を「前後」とする。
【実施例】
【0012】
図1において、Aは折りたたみ縦型かばんで、折りたたんだ状態を示し、Bは両脇にプリーツ4を形成することによって扁平な形状に折りたたまれるかばん本体、B1はかばん本体Bの上部に形成される持ち手部、B2は持ち手部B1の下端部から連続して形成される収納部、Cはかばん本体Bに形成されたプリーツ4の側端部7を重ね合わせた状態で封止して形成される集束底部、Dはかばん本体Bの集束底部C寄りに設けられ、折りたたみ縦型かばんAを長手方向に折りたたんだ状態で結束する留めバンドである。
【0013】
かばん本体Bは、図2に示すように、矩形のシート材料3から構成され、本実施例では、説明の都合上、シート材料3は、第1辺を短辺2、第2辺を長辺1とする長方形としているが、第1辺を長辺1、第2辺を短辺2としても構わない。また、シート材料3は、第1辺と第2辺とが等辺の正方形であっても構わない。
本実施例では、シート材料3の材質として、ポリエステルの布帛が使用されているが、ナイロンなどの合成繊維や木綿などの天然繊維からなる布帛や、前記布帛に合成樹脂をコーティングした積層材料など、必要な強度と屈曲性を有する可撓性のシート材料であれば、いずれも選択可能である。
【0014】
シート材料3は、図3に示す複数のプリーツ4を形成するために、短辺2の垂直2等分線である中心線CLを挟んで線対称に、長辺1(中心線CL)と平行に間隔S1で形成される一対の第1山折り線M1と、該第1山折り線M1から長辺1側に向けて間隔S1の1/2未満の間隔S2で形成される一対の第1谷折り線V1と、該第1谷折り線V1から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の第2山折り線M2と、該第2山折り線M2から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の第2谷折り線V2と、該第2谷折り線V2から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の第3山折り線M3と、該第3山折り線M3から長辺1側に向けて間隔S2で形成される一対の折曲線Tとを有し、該折曲線Tから長辺1までの幅は、間隔S2よりも狭い間隔S3となるように設定されている。
本実施例では、シート材料3に、第3山折り線M3および折曲線T(第3谷折り線に相当)まで形成されているが、プリーツ4の数に相当する山折り線および谷折り線の数およびプリーツ幅に相当する間隔S2は、折りたたみ縦型かばんの形状に応じて任意に設定することができる。
【0015】
かばん本体Bは、図3に示すように、シート材料3を山折り線M1〜3、谷折り線V1〜2および折曲線Tに沿って、それぞれ折りたたむことにより、中心線CLを挟んで折りたたみ表面5の両脇に一対の蛇腹状のプリーツ4が形成される。
さらに、かばん本体Bには、折りたたみ表面5の中心線CLに沿って中央部を開口寸法L1の開口線OL(図2参照)をカッター等で切開することにより持ち手開口部6が形成される。
【0016】
次に、プリーツ4が形成されたかばん本体Bは、プリーツ4の第3山折り線M3同士が対向するように、シート材料3における長辺1の垂直2等分線である折り返し線FLに沿って矢印F方向に折り返され、図4に示すように、折りたたみ表面5の短辺2側である側端部7同士が対向するようになる。
以上のように、かばん本体Bは、折りたたみ表面5が外側を向くように、折り返し線FLに沿って折り返すことにより、かばん本体Bの持ち手開口部6で分離された一対の折り返し部8側(側端部7と反対側)に、持ち手部B1が形成される。
【0017】
持ち手部B1は、図1に示すように、折りたたみ表面5に形成された持ち手開口部6全体を補強するために、図5(a)に示すように、開口縁部11には、表裏にわたってグログランテープなどの補強テープ12が縫い付けられ、さらに、持ち手開口部6の開口端部6aを補強するために、補強テープ13が縫い付けられる。
さらに、持ち手部B1は、折り返し部8の幅が広いと、手で持ちにくかったり、肩に掛けにくかったりするので、持ち手部B1は、折り返し部8の両脇を裏側に折り込み、縫合することにより細幅部14が形成されている。
また、持ち手部B1は、図6に示すように、プリーツ4の折曲線T同士を離隔するために、図5(a)に示すように、それぞれの折曲線Tは、裏側に折り込まれた状態で縫い付けられ、プリーツ開口部15が形成される。
【0018】
次に、折り返されたかばん本体Bは、図1に示すように、持ち手部B1の下端部から連続して収納部B2が形成されている。収納部B2は、図5(b)に示すように、プリーツ4の折曲線Tと隣接して重なり合う辺同士を裏側に折り込まれた状態で縫い付けることにより形成される。
【0019】
集束底部Cは、図1に示すように、かばん本体Bの折りたたみ表面5の幅である間隔S1の2倍強に相当する全長を有する補強テープ17から構成され、かばん本体Bに形成されたプリーツ4の側端部7を重ね合わせた状態で封止するために、補強テープ17を折りたたみ表面5の両脇で折り返し、かばん本体Bの側端部7を挟持するように縫合されている。
【0020】
さらに、図1に示すように、かばん本体Bの集束底部C寄りには、折りたたみ表面5の両脇から前方に向けて、かばん本体Bを長手方向に折りたたんで結束するために、図5(b)に示すように、テープ状のゴム製の留めバンドDが縫い付けられている。
本実施例では、留めバンドDは、テープ状のゴム製のものが使用されているが、このタイプのものに限らず、かばん本体Bを長手方向に折りたたんで結束できるものであればよい。
【0021】
以上説明したように、折りたたみ縦型かばんAは、折りたたまれた状態で製作されるので、次に、図7を参照しながら、使用状態の折りたたみ縦型かばんAの外観について説明する。
使用状態に拡げられた折りたたみ縦型かばんAは、図7(a)の上面図で示すように、かばん本体Bの前面の折りたたみ表面5と、前面の折りたたみ表面5の両脇に形成されたプリーツ4からなる湾曲面状の一対の横マチ19(側面)と、一対の横マチ19から後方に連続する後面の折りたたみ表面5と、集束底部Cから拡げられたプリーツ4からなる底マチ20(底面)とから構成されている。
【0022】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について図面を参照しながら説明する。
本実施例の折りたたみ縦型かばんAは、図3に示すように、かばん本体Bを構成するシート材料3を山折り線M1〜3、谷折り線V1〜2および折曲線Tに沿って、それぞれ折りたたまれた後、折りたたみ表面5の中央に持ち手開口部6を切開し、図4に示すように、かばん本体Bは、折りたたみ表面5が外側を向くように、折り返し線FLに沿って折り返される。
折り返されたかばん本体Bの持ち手部B1に形成された持ち手開口部6には、補強テープ12および13が縫い付けられるとともに、持ち手部B1は、折り返し部8の両脇を裏側に折り込み、縫合することにより細幅部14が形成される。
【0023】
その後、かばん本体Bの収納部B2は、図5(b)に示すように、プリーツ4の折曲線Tと隣接する重なり合う辺同士を裏側に折り込まれた状態で縫い付けられ、かばん本体Bの折りたたまれた側端部7に集束底部Cを形成する補強テープ17を縫い付けるとともに、折りたたみ表面5の集束底部C寄りに留めバンドDを縫い付けることにより、図1に示すように、折りたたみ縦型かばんAは、折りたたまれた状態で製作される。
【0024】
次に、図6を参照しながら、折りたたまれた折りたたみ縦型かばんAを使用可能な状態にする手順について説明する。
まず、結束された折りたたみ縦型かばんAから留めバンドDを外し、図1のように、集束底部Cを下にした状態で長手方向に拡げる。
その後、持ち手部B1の持ち手開口部6を開くと、図6のように、折りたたみ縦型かばんAが使用可能な状態になるので、持ち手開口部6から収納物品を入れた後、持ち手開口部6を閉じ、持ち手部B1に手を掛けて使用することができる。
【0025】
以上のように、使用状態に拡げられた折りたたみ縦型かばんAは、図7(a)に示すように、かばん本体Bの前面の折りたたみ表面5と、後面の折りたたみ表面5との間に形成されたプリーツ4が拡張され、横マチ19として収納部B2の容積が増大するとともに、持ち手部B1の持ち手開口部6およびプリーツ開口部15が開くことにより収納部B2へのアクセスを容易にすることができる。
【0026】
次に、図6を参照しながら、使用後の折りたたみ縦型かばんAを小さく折りたたむ手順について説明する。
まず、かばん本体Bの持ち手開口部6を開き、収納物品を取り出した後、持ち手部B1の折り返し部8と集束底部Cとを引き離す方向に両手で引っ張ることで、図1に示すように、折りたたみ縦型かばんAを折りたたみ表面5が表裏に存在する扁平な形状にすることができる。
その後、かばん本体Bを長手方向に折りたたみ、最後に、ゴム製の留めバンドDで結束して折りたたみが完了する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の折りたたみ縦型かばんは、1枚のシート材料を折りたたむことにより、持ち手部と一体の折りたたみ縦型かばんを製作することができるとともに、使用後は、長手方向の両端を引き離す方向に緊張させるだけで、簡単に折りたたむことができるので、携帯時に簡単に折りたたむことができ、とくに、外出の際に携行する肩掛けかばんとして好適である。
【符号の説明】
【0028】
A 折りたたみ縦型かばん
B かばん本体
B1 持ち手部
B2 収納部
C 集束底部
D 留めバンド
CL 中心線
FL 折り返し線
OL 開口線
L1 開口寸法
M1、M2、M3 山折り線
V1、V2 谷折り線
T 折曲線
S1、S2、S3 間隔
1 長辺
2 短辺
3 シート材料
4 プリーツ
5 折りたたみ表面
6 持ち手開口部
6a 開口端部
7 側端部
8 折り返し部
11 開口縁部
12、13、17 補強テープ
14 細幅部
15 プリーツ開口部
19 横マチ
20 底マチ
【要約】      (修正有)
【課題】簡単に折りたたまれる折りたたみ縦型かばんを提供する。
【解決手段】シート材料を、第1辺の垂直2等分線を中心に相対向する第2辺同士が近接するように該垂直2等分線に平行な折り線に沿って折りたたんで、中央に形成される折りたたみ表面5と該折りたたみ表面の両脇に形成される複数のプリーツ4とを有するかばん本体Bと、前記かばん本体の中央部に形成され、前記垂直2等分線に沿って切開される持ち手開口部6と、前記かばん本体を長手方向に二分する折り返し線に沿って折りたたみ表面が外側を向くように折り返されたかばん本体の折り返し部側に形成される持ち手部B1と、前記折り返されたかばん本体の重なり合うプリーツの第2辺同士を側端部側だけ接合して形成される収納部B2と、前記折り返されたかばん本体の重なり合うプリーツの側端部を重ね合わせた状態で封止して形成される集束底部Cとを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7