特許第6587744号(P6587744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587744
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】安全装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20191001BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20191001BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20191001BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20191001BHJP
   B60Q 9/00 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   G08B21/02
   G08B21/00 U
   G08G1/09 F
   G08G1/16 A
   B60Q9/00 N
   B60Q9/00 H
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-517494(P2018-517494)
(86)(22)【出願日】2016年6月9日
(65)【公表番号】特表2018-527685(P2018-527685A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】FI2016050412
(87)【国際公開番号】WO2016203103
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2018年1月24日
(31)【優先権主張番号】U20150101
(32)【優先日】2015年6月17日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】517441147
【氏名又は名称】インノトラフィク・オサケユフティオ
【氏名又は名称原語表記】InnoTrafik Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】ヨウニ・ハンニネン
【審査官】 永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/056099(WO,A1)
【文献】 特開2005−346228(JP,A)
【文献】 特開2000−339029(JP,A)
【文献】 特開2002−271869(JP,A)
【文献】 特表2013−518501(JP,A)
【文献】 特開昭63−142500(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/010795(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00− 1/56
B60Q 9/00−11/00
G08B 19/00−21/24
G08G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両または作業機械に配置され、かつ無線通信可能な車両識別子と、その動作接続部に配置された警報ユニットと、移動ユニットに関連して配置され、かつ無線通信可能な個人識別子とを備える安全システムにおいて、
前記個人識別子は、エリア内の車両または作業機械を警告する警報デバイスを含み、
前記警報ユニットは、エリア内の移動ユニットを警告する警報装置を含み、
前記安全システムにおいて、
前記車両識別子および/または前記個人識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、前記車両識別子と前記個人識別子との間の距離を決定するように構成され、
前記車両識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間の決定された距離が、前記車両識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、前記警報装置を作動させるように構成され、
前記個人識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間の決定された距離が、前記個人識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、前記警報デバイスを作動させるように構成され、
前記安全システムは、
無線通信可能な対向無線機をさらに備え、
前記対向無線機は球面信号をブロードキャストするように構成され、
前記個人識別子は、前記個人識別子と前記対向無線機との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、前記個人識別子と前記対向無線機との間の距離を決定するように構成され、
前記個人識別子は、前記個人識別子と前記対向無線機との間の決定された距離が、前記対向無線機に対して予め定められた閾値未満である場合に、前記信号の送信および前記警報装置の作動を中断するように構成される安全システム。
【請求項2】
前記車両識別子および/または前記個人識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間の信号伝搬時間を測定することにより、前記車両識別子と前記個人識別子との間の距離を決定するように構成される請求項1記載の安全システム。
【請求項3】
前記車両識別子は、車両または作業機械が走行中または移動中に連続的に信号をブロードキャストするように構成される請求項1または2の安全システム。
【請求項4】
前記移動ユニットは、車両、作業機械、または人を含む請求項1から請求項3のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項5】
前記警報デバイスおよび/または警報装置は、照明要素および/または音要素を含む請求項1から請求項4のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項6】
前記無線通信は直接見ることなしに信号伝達を可能にする請求項1から請求項5のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項7】
無線通信可能なセンサをさらに備え、
前記安全システムにおいて、
前記車両識別子および/または前記センサは、前記車両識別子と前記センサとの間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、前記車両識別子と前記センサとの間の距離を決定するように構成され、
前記センサは、前記車両識別子と前記センサとの間の決定された距離が、前記センサに対して予め定められた閾値未満である場合に、ドアの開口部を作動させるように構成される請求項1から請求項6のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項8】
無線通信可能な少なくとも3つの基地局をさらに備え、
前記安全システムは、
前記基地局と前記車両識別子および/または前記個人識別子との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、前記車両識別子および/または前記個人識別子の位置データを決定するように構成される請求項1から請求項7のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの基地局は、前記車両識別子および/または前記個人識別子の前記位置データをサーバに送信するように構成される請求項8の安全システム。
【請求項10】
前記個人識別子に設置され、無線通信可能な遠隔識別子および遠隔識別子の読み取り装置をさらに備え、
前記遠隔識別子は、前記遠隔識別子が前記遠隔識別子の読み取り装置に近づいたときに、ロックされたドアを開くように構成される請求項1から請求項9のうちいずか1項の安全システム。
【請求項11】
前記遠隔識別子は、RFIDタグであり、前記遠隔識別子の読み取り装置は、RFID読み取り装置である請求項10の安全システム。
【請求項12】
前記車両識別子は、有線および/または無線接続を確立し、警報ユニット、個人識別子、対向無線機および前記センサのうちの少なくとも1つにデータを送信または受信するように構成された通信手段を含む請求項の安全システム。
【請求項13】
前記警報ユニットは、有線および/または無線接続を確立し、少なくとも1つの前記車両識別子にデータを送信または受信するように構成された通信手段を含む請求項1から請求項12のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項14】
前記個人識別子は、無線通信を確立し、車両識別子、対向無線機、および遠隔識別子の読み取り装置のうち少なくとも1つにデータを送信または受信するように構成された通信手段を含む請求項1から請求項13のうちいずれか1項の安全システム。
【請求項15】
安全システムを作動させるための方法であって、
前記安全システムは、移動車両または作業機械に配置され、無線通信可能な車両識別子と、それと作動接続された警報ユニットと、移動ユニットに配置され、無線通信可能な個人識別子とを備え、
前記個人識別子は、エリア内の車両または作業機械を警告する警報デバイスを含み、
前記警報ユニットは、エリア内の移動ユニットを警告する警報装置を含み、
前記方法において、
前記車両識別子および/または前記個人識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、前記車両識別子と前記個人識別子との間の距離を決定するステップと、
前記車両識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間の決定された距離が前記車両識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、前記警報装置を作動させるステップと、
前記個人識別子は、前記車両識別子と前記個人識別子との間の決定された距離が前記個人識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、前記警報デバイスを作動させるステップとを含み、
前記安全システムは、
無線通信可能な対向無線機をさらに備え、
前記対向無線機は球面信号をブロードキャストするように構成され、
前記個人識別子は、前記個人識別子と前記対向無線機との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、前記個人識別子と前記対向無線機との間の距離を決定するように構成され、
前記個人識別子は、前記個人識別子と前記対向無線機との間の決定された距離が、前記対向無線機に対して予め定められた閾値未満である場合に、前記信号の送信および前記警報装置の作動を中断するように構成される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全システムおよび安全システムを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造工場および倉庫内の交通は、しばしば活発であるが、交通安全は通常不十分である。また、ガイドおよびマーキングされてないルートが変化すると、コミュニケーションに問題が生じ、職場での安全性が損なわれる。車両および作業機械は、例えば、通常、逆転時に自動的に作動する警報装置として、バックアップブザーを有することができる。作業機械のルーフの上部には、人々または他の交通がある場所で作業機械が移動しているときに、黄色の点滅光を発する警告灯を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これら従来技術の警報装置の欠点は、例えば、バックアップブザーが、特に、人々が聴覚保護具を着用している場合に、工業工場内で必ずしも聞こえるとは限らないことである。作業機械のルーフの上部にある警告灯の光は、コーナを回って届かず、同時に異なる方向から通路の交差点に近づいた場合に、警報を出すことができない。従来の警報装置のさらなる問題は、警報装置が発する黄色の光が、清掃機械または他の作業機械の黄色の警告灯と混同され易いことである。
【0004】
本発明の目的は、上述の問題を解決するための方法および装置を提供することである。本発明の目的は、独立請求項に開示されていることにより特徴付けられる方法およびシステムにより達成される。本発明のいくつかの好ましい実施形態は、従属請求項に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、安全システムに基づくものであって、移動車両または作業機械に配置され、無線通信が可能な車両識別子と、無線通信に動作可能に接続された警報および移動ユニット接続されて配置され、無線通信が可能な個人識別子とを含み、識別子は、エリア内を移動するユニットを警報する警報装置のための警報デバイスを含む。安全システムの車両識別子および/または個人識別子は、車両識別子と個人識別子との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、車両識別子と個人識別子との間の距離を決定するように構成される。車両識別子は、車両識別子と個人識別子との間の決定された距離が車両識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、警報装置を動作させるように構成され、個人識別子は、車両識別子と個人識別子との間の決定された距離が個人識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、警報デバイスを動作させるように構成される。
【0006】
本発明の方法およびシステムの利点は、エリア内の人および車両が受信するための他の車両から所定の距離で信号を送信することができる信号送信機を備え、エリア内でその存在を示すことができることである。このエリアで移動する他の人々は、近くに他の動きがあることも考慮に入れることができる。安全システムは、フォークリフトおよび他の車両を検出し、それらを歩行者と区別することができ、無線リンク上の衝突の危険性を機械の運転手および人々に警告することができる。これにより、作業環境の一般的な外観を安定して維持し、突然の破壊の量を減らし、運転手が目標物に配送することに集中することができる。さらに、近くの交通の警告が異なる警報デバイスの手段により提供される場合、歩行者の安全性が大幅に改善される。
【0007】
さらに、人々が安全に滞在するための安全区域は、製造工場および倉庫において規定することができる。安全区域では、個人が携帯している警報デバイスが自動的にオフになる。これにより、人々は、警報デバイスの光が点滅しておらず、音声信号がオフになっている場所を探し求めているので、安全性がさらに向上する。安全システムは、移動する車両またはそれらに接近する作業機械のために自動的に開かれる異なるドアも可能にする。さらに、個人には、ドアを開くための遠隔識別子を有する個人識別子を設けてもよい。接近する車両または作業機械は、到着する車両の前方または後方の適切な距離に光の鮮明なパターンとして提供されるように、警報を配置することにより、効果的に検出することもできる。このタイプの照明器具は、導入するのに非常に手頃な価格である。例えば、赤外線(IR)識別子、レーダタイプのデバイスまたはカメラ検出を有する装置は、エリア内の人々の検出をさらに改善し、確実にする。また、人、車両および作業機械の動きを測位システムにより監視することも可能である。得られた情報に基づいて、個人および機械が最も頻繁に遭う場所を見つけ、危険性の高い場所の安全計画を作成するのは容易である。
【0008】
本発明は、ここで、好ましい実施形態および添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の装置を備えた作業機械を示す。
図2】警告光を発して、警告信号を送信するユニットを示す。
図3図2のユニットを後方から見た図を示す。
図4】一実施形態に係る安全システムを示す。
図5】一実施形態に係る安全システムの図である。
図6】一実施形態に係る信号経路図である。
図7】一実施形態に係る安全システムの図である。
図8】一実施形態に係る対向無線の動作を示す図である。
図9】一実施形態に係る安全システムの図である。
図10】一実施形態に係る安全システムの図である。
図11】一実施形態に係る方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、主として作業エリアおよび倉庫ならびに工業工場の通路に使用されるフォークリフトである作業機械1を示しており、それが運ぶ荷物はしばしば運転中に運転者にとってかなり大きな目に見える障害を形成する。本発明によれば、作業機械は、警告灯を発し警報音を発するために、正面と背面の両方に適切な高さでユニット2を設置する。必要に応じて、例えば、作業機械1が移動しているときに、前記ユニット2は、作業機械から約3〜6メートルの距離まで、鋭い光ビーム3および光ビーム4を床に放射する。光は、最も好ましくは、例えば、青および赤のように着色されており、それらが床から離れていることを確認する。この目的のために、ユニット2には、レンズ6およびレンズ7(図2)が設けられており、例えば、床に形成された鮮明な色で容易に識別可能な楕円形のパターンを可能にする。
【0011】
図2に示すユニット2は、最も好ましくは、同時にではなく、レンズ6およびレンズ7を介して床上の作業機械から異なる色の光パターンを放射するように向けられる。例えば、青色光は、レンズ6を介して放射され、赤色光は、レンズ7を介して放射される。ユニット2の中央には、遠方から人の存在を検出するための赤外線識別器5があり、同様に、他の車両は、その熱効果のために検出することができる。レーダタイプのデバイスまたは画像認識によるカメラ検出を検出のために使用することもできる。検出器により行われる検出は、車両に接続されたユニット2のブザー9および黄色の警告灯8(図3)を作動させるように構成される。
【0012】
図3は、ユニット2を後方から示し、ランプ8は、黄色の点滅光を発し、中央では、ブザー9が、警告信号を送信して、この側に設けられている。
【0013】
一実施形態では、他の車両、作業機械1またはそのエリア内を移動する人には、例えば、所定の距離で、作業機械1内の送信機からコールに応答するように、または、少なくとも所定の距離から作業機械内の受信機ユニット到達するように信号を送信するように構成された信号送信機が設けられており、これにより、作業機械の運転手に前記他の車両またはその近傍の人の存在を示す。
【0014】
作業機械1が、そのエリア内に人または他の車両の存在を示す信号を受信すると、警報装置は、ブザー9または警告灯8などの警報を動作させて、作業機械の運転手に警告する。
【0015】
一実施形態は、建物内を主に移動する車両または作業機械1内に配置された警報装置を含み、運転手、エリア内を移動する人々に警告し、警報装置は少なくとも警告灯を発し、警告音を発するユニット2を含む。警報装置は、少なくとも車両が移動しているときに、車両が接近または離れていることを示すために、車両の前方および/または後方の床に向けられた着色された光のパターンを放射するように構成される。一実施形態では、前記車両には、その前面および/または背面に異なる色の光を放射するユニット2が設けられている。ユニット2は、赤外線(IR)検出器5、レーダまたは所定の距離で動作するカメラ作動検出器を含み、前記距離内の人または車両の存在を検出することができ、前記検出は、ブザー9および車両に接続された黄色の警告灯8を動作させるように構成される。
【0016】
一実施形態では、エリア内を移動する他の車両または人には、車両内の送信機から所定の距離の呼び出しに応答するように、または少なくとも所定の距離から車両の受信ユニットに到達するように信号を送信するように構成された信号送信機が設けられており、したがって、他の車両または人が近傍に存在することを示す。車両内のユニットがそのエリア内に人または他の車両が存在することを示す信号を受信すると、ブザー音または警告灯のような警告装置から警報を発して、運転手に警告をすることができる。
【0017】
図4は、移動車両または作業機械1に配置され、かつ無線通信可能な車両識別子10と、車両識別子10との動作接続で配置され、かつ無線通信可能な警報ユニット20とを含む安全システムを示す。1つまたは複数の警報ユニットが設けられてもよく、それらはフォークリフトのような作業機械1の前面および/または背面に配置されてもよい。警報ユニット20は、作業機械1の内部、例えば、制御パネルの近く、または警報状況において運転手が容易に監視できる他の適切な場所に配置することができる。安全システムは、移動ユニットに配置され無線通信可能な個人識別子30も含み、個人識別子30は、エリア内の車両または作業機械1の警告のための警報デバイス32を含む。移動ユニットは、車両、作業機械1または人を含むことができる。個人識別子30は、例えば、仕事着のポケットの中にまたは別の輪どめで、作業服にすぐに取り付けることができる。
【0018】
図4は、交差点に近づくフォークリフトのような作業機械1、および交差点付近に移動する2人を示す。作業機械1から見ると、両方の人がコーナの後ろにいるので、作業機械1の運転手は、それを見ることができず、それに応じて、その人々は、接近する作業機械1を見ることができない。製造工場または倉庫は、非常に騒々しいか、または人々が、聴覚保護具を装着している可能性があり、そのために接近する作業機械1の音を聞くことができず、コーナの後ろから出てきたときに、危険な状況を引き起こす可能性がある。これらの人々は、車両識別子10と通信し、接近している作業機械の警告を提供するために、音声信号、振動および/または光効果を発することができる個人識別子30を携行している。図4では、個人識別子30は、人の肩に取り付けられ、黒色の矩形として示される。個人識別子30の拡大図30aが人の前に示される。
【0019】
図5は、一実施形態に係る安全システムの図である。安全システムは、車両識別子10、警報ユニット20および個人識別子30を含む。車両識別子10は、車両または作業機械1に配置されてもよく、上述の送信機および受信ユニットのような通信手段40を含んでもよい。エリア内に複数の移動車両または作業機械1がある場合には、複数の車両識別子10を提供することができ、それらは互いに通信することができる。通信手段40は、少なくともデータを受信するように構成されているが、好ましくは、車両識別子10から警報ユニット20、個人識別子30、他の車両識別子10、または他のデバイスのいずれかにデータを送信するように構成されている。その最も単純な形態では、通信手段40は、データが電圧の変化として表されるツインケーブルであってもよい。通信手段40は、好ましくは、他の車両識別子10、警報ユニット20、個人識別子30または他の装置のような外部デバイスと通信することができる無線トランシーバである。無線接続は、様々な方法、周波数およびプロトコルを使用して実施することができ、転送されるデータ量が非常に少ないため、最終結果の重要性は小さくなる。電波に加えて、無線通信手段40を介した通信は、例えば、音、光、または他の何らかの無線手段に基づいてもよい。
【0020】
無線通信手段40を含む車両識別子10は、車両識別子10が必要とする電力をそこから引き出すエネルギー源50を有する。エネルギー源50は、例えば、エネルギーを受け取る移動車両または作業機械1への接続、またはアキュムレータ、使い捨てバッテリ、エネルギーハーベスタおよび/または他のエネルギー源とすることができる。車両識別子10は、異なるデバイス間を移動するデータを処理することを可能にするプロセッサ60を含むこともできる。プロセッサ60は、異なるデバイス間の距離を計算するように構成することができ、それにより、例えば、異なるデバイス間の信号伝搬距離を測定することができる。
【0021】
1つまたは複数の警報ユニット20が設けられてもよく、それらは、他の車両または人がエリア内にいるときに、作業機械の運転手に警告するために、例えば、ブザーまたは警告灯のような警告を提供する、上述の警報装置として警報装置22を含んでもよい。警報ユニット20は、典型的には、車両識別子と同じ車両または作業機械1内に配置される。警報装置22は、照明要素24および/または音要素26を含むことができる。照明要素24は、警告灯8のような光源を含むことができる。さらに、照明要素24は、1つまたは複数のパターン化されたレンズ6、7を含むことができる。音要素26は、警報音を発生するブザー9または何らかの他の音発生デバイスを含むことができる。特に、多くの交通がある場合に、一定のブザー音が運転手を妨害し得るので、音要素26は、必須ではない。警報ユニット20は、通信手段40およびエネルギー源50を含むこともでき、その機能は、車両識別子10の通信手段40およびエネルギー源50と同様であってもよい。車両識別子10および警報ユニット20は、物理的に別個のユニットであってもよく、通信手段40を介して互いに通信してもよい、あるいは、それらは、同じデバイス内に存在してもよい。
【0022】
エリア内の交通量および人員に応じて、1つまたは複数の個人識別子30を提供することができる。個人識別子30は、上述した警報デバイスに類似することができ、ブザーまたは警告灯のような警報を動作させることができる警報デバイス32を含むことができ、エリア内の移動車両または作業機械1の人のような移動ユニットに警告することができる。警報デバイス32は、照明要素34および音要素36を含むことができる。照明要素34は、警告灯8のような光源を含むことができる。音要素36は、警報音を発生するブザー9を含むことができ、または、例えば、振動を発生することができる。個人識別子30は、通信手段40およびエネルギー源50を含むこともでき、その機能は、車両識別子10または警報ユニット20の通信手段40およびエネルギー源50と同様であることができる。さらに、個人識別子30は、異なるデバイス間の信号伝搬時間を測定することにより、異なるデバイス間の距離、例えば、個人識別子30から車両識別子10までの距離を計算するように構成されたプロセッサ60を含むことができる。
【0023】
車両識別子10および個人識別子30は、車両識別子10と個人識別子30との間で送信された少なくとも1つの信号に基づいて、車両識別子10と個人識別子30との間の距離を決定するように構成される。個人識別子30は、無線充電ユニットで充電されてもよく、それは、エリア内を移動する人の衣服に取り付けられてもよい。基本モードでは、個人識別子30および車両識別子10は、信号を連続的にブロードキャストすることができる。一実施形態では、車両識別子10は、車両または作業機械が動作しているときに信号を連続的にブロードキャストするように構成され、信号送信は車両または作業機械1が始動したときに始まる。他の実施形態では、車両識別子10は、車両または作業機械1が移動しているときに、信号を連続的にブロードキャストするように構成され、信号送信は、車両がギアに入ったときに開始する。車両識別子10および個人識別子30が送信に使用される場合に、信号の動作範囲は調整されてもよく、例えば、屋内では0と40メートルとの間、屋外では0と200メートルとの間で変化してもよい。
【0024】
一実施形態では、車両識別子10と個人識別子30との間の距離は、個人識別子30が近傍の車両識別子10を検索するように決定される。個人識別子30が車両識別子10から信号を受信すると、メッセージの交換が行われ、車両識別子10は、個人識別子30へ測定された距離を通知する。距離は、信号伝搬時間を測定することにより決定される。測定された距離が個人識別子および車両識別子について決定された閾値よりも小さい場合に、警報装置22および警報デバイス32の両方で警告が作動される。しかしながら、いずれかの閾値に達していない場合には、両方の検出器は、同時にオンされない。
【0025】
図6は、一実施形態に係る信号経路図である。それは、個人識別子30(HT)が、車両識別子10(AT)から信号500を受信し、その結果、個人識別子30は、信号510を車両識別子10に送信することを示す。信号510を受信すると、車両識別子10は、車両識別子10と個人識別子30との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、車両識別子10と個人識別子30との間の距離を決定520するように構成される。これは、信号の出力時間および受信時間のような受信信号510に提供されたデータに基づいて、距離を計算するように520車両識別子10のプロセッサ60を構成することにより、または他の何らかの適切な手段により実施することができる。次に、車両識別子10は、応答信号530を個人識別子30に送信し、応答信号530は、車両識別子10と個人識別子30との間の距離の値を含む。個人識別子30は、応答信号530を車両識別子10から受信する。個人識別子30は、車両識別子10と個人識別子30との間の決定された距離が、個人識別子について予め定められた閾値未満である場合に、警報デバイス32を作動するように540構成される。同時に、車両識別子10も、車両識別子10と個人識別子30との間の決定された距離が、車両識別子について予め定められた閾値未満である場合に、警報装置22を作動するように構成される。作動は、車両識別子10が信号550を警報ユニット20(HY)に送信することによって実施され、警報装置22を作動させる560。車両識別子10および個人識別子30の閾値は、場合によっては特定されてもよく、それらは等しくなくてもよい。例えば、人が、移動車両または作業機械1から10メートルにいる場合に、警報装置22が作動され、例えば、警告灯8が作動される。その結果、運転手は、近くに歩行者がいることを理解し、減速する。移動車両または作業機械1が、例えば、人から5メートルのところにあるとき、個人識別子30の警報デバイス32が作動され、その結果、警告灯8またはブザー9が作動され、または個人識別子30が振動する。したがって、人は、近くに作業機械1があり、環境にもっと注意を払うことを理解する。一実施形態では、車両識別子10および/または個人識別子30は、車両識別子10と個人識別子30との間で送信される2つ以上の信号に基づいて、車両識別子10と個人識別子30との間の距離を決定するように構成される。測距に適用可能な他の方法を用いてもよい。
【0026】
図7は、一実施形態に係る安全システムの図である。図7は、図6のものに対応し、さらに対向無線機70を含む安全システムを示す。対向無線機70は、通信手段40およびエネルギー源50を含み、その機能は車両識別子10、警報ユニット20、または個人識別子30の通信手段40およびエネルギー源50と同様であることができる。対向無線機70の助けを借りて、屋外、屋内、例えば、製造工場または倉庫内に安全ゾーンを設けることができ、個人識別子30の警報デバイス32を移動車両または作業機械1の近くで作動させることなく、安全に存在することができる。これらのエリアの例には、エリア内のオフィス構内、フェンスエリアなどが含まれる。対向無線機70が個人識別子30から所定の距離にあるとき、個人識別子は警報デバイス32を作動させず、同時に、車両識別子10への信号の送信を停止し、したがって、車両識別子10は、警報装置22を作動させない。これにより、光およびブザーの不要な作動を減らすと同時に、人が安全ゾーン内の対向無線機70に近づくように促し、同時に、そのエリア内を移動する全ての人の安全を高める。一実施形態では、個人識別子30および/または対向無線機70は、個人識別子30と対向無線機70との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、個人識別子30と対向無線機70との間の距離を決定するように構成される。個人識別子30は、個人識別子30と対向無線機70との間の決定された距離が所定の閾値未満である場合に、信号の送信および警報デバイス32の作動を中断するように構成される。対向無線機の閾値は、場合によっては決定されてもよいが、例えば、0から10メートルまでであってもよい。
【0027】
図8は、対向無線機70の動作を示す。図8では、人は、フェンスにより画定され、破線で示された安全ゾーン内にいる。この図は、対向無線機70が、例えば、3または5メートルの半径内で球面信号71をブロードキャストしていることを示す。個人識別子30と対向無線機70との間の決定された距離が所定の閾値未満である場合に、個人識別子30は、車両識別子10に信号を送信しないので、個人識別子30の警報デバイス32は作動されず、車両識別子10にも信号を送信しない。この場合、警報システムは、オンにされず、運転手は、中断することなく作業を継続することができ、また、点滅する光または警報音がない場合には、安全ゾーンにいる人にとってより便利である。
【0028】
図9は、一実施形態に係る安全システムの図である。図9は、図8のものに対応する安全システムを示しており、さらに、無線通信可能なセンサ80を含む。センサ80は、上向きのドアのようなドアに接続して配置することができ、移動車両または作業機械1がドアから所定の距離にあるとき、ドアを開くように構成することができる。センサ80は、通信手段40およびエネルギー源50を含み、その機能は、車両識別子10、警報ユニット20、または個人識別子30内の通信手段40およびエネルギー源50と同様であってもよい。さらに、センサ80は、異なるデバイス間の信号伝搬時間を測定することにより、異なるデバイス間の距離を計算するように構成されたプロセッサを含むことができる。一実施形態では、車両識別子10および/またはセンサ80は、車両識別子10とセンサ80との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、車両識別子10とセンサ80との間の距離を決定するように構成される。センサ80は、車両識別子10とセンサ80との間の距離がセンサに対して予め定められた閾値未満である場合に、ドアの開放を作動させるように構成される。
【0029】
一実施形態では、センサ80が近傍の車両識別子10を検索するように、車両識別子10とセンサ80との間の距離が決定される。センサ80が車両識別子10から信号を受信すると、車両識別子10がセンサ80へ測定された距離を通知するメッセージの交換が行われる。距離は、信号伝搬時間を測定することにより決定される。距離は、センサ80が車両識別子10から信号を受信すると、車両識別子10に信号を送信し、車両識別子10がデバイス間の距離を計算し、その結果をセンサ80に送信するように、距離を決定することができる。測定された距離がセンサの閾値よりも小さい場合に、センサ80は、ドアの開口部を作動させる。一実施形態では、センサ80は、そのプロセッサを使用して、車両識別子10とセンサ80との間の距離を計算することもできる。
【0030】
図10は、一実施形態に係る安全システムの図である。図10は、図9のものに対応する安全システムを示し、さらに、遠隔識別子の読み取り装置90、および個人識別子30に設置され、無線通信可能な遠隔識別子38を含み、遠隔識別子は、遠隔識別子が遠隔識別子読み取り装置90の近くに置かれたときに、ドアまたは他の何らかのロックを行うことができるように構成される。一実施形態では、遠隔識別子はRFIDタグであり、遠隔識別子の読み取り装置は、RFID読み取り装置である。遠隔識別子38およびその読み取り装置90の助けを借りて、個人識別子30は、これらの機能のために、別個のオープナが必要ないように、ドアおよび他の錠を開けるためにも使用され、人がそのエリアを移動しやすくする。一実施形態では、安全システムは、車両識別子10、警報ユニット20、および個人識別子30と、対向無線機70、センサ80、遠隔識別子38、および遠隔識別子読み取り装置90のうち少なくとも1つを含む。
【0031】
一実施形態では、安全システムは、無線通信可能な少なくとも3つの基地局をさらに含み、基地局と車両識別子10および/または個人識別子30との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、車両識別子10および/または個人識別子30の位置データを決定するように構成される。位置データは、三角測定または他の適切な測定方法を適用することにより決定することができる。一実施形態では、少なくとも1つの基地局は、車両識別子10および/または個人識別子30の位置データをサーバに送信するように構成される。基地局は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、電話ネットワークのような無線ネットワーク、クラウドサービス、またはデータをサーバに転送するためのインターネットに接続することができる。車両識別子10および個人識別子30の位置データは、そのエリア内の人、車両および/または作業機械1の動きを監視するために使用されてもよい。1日の間に、例えば、人と車両との間の多数の遭遇が観察された場合に、車両および人のルートは、安全性を高めるように再設計されてもよい。
【0032】
一実施形態では、安全システムの車両識別子10は、有線および/または無線接続を確立し、以下のうち少なくとも1つからデータを送信または受信するように構成された通信手段40を含む。警報ユニット20、個人識別子30、対向無線機70およびセンサ80。
【0033】
一実施形態では、安全システムの警報ユニット20は、有線および/または無線接続を確立し、少なくとも車両識別子10との間でデータを送受信するように構成された通信手段40を含む。
【0034】
一実施形態では、安全システムの個人識別子30は、無線接続を確立し、以下のうち少なくとも1つとのデータの送受信するように構成された通信手段40を含む。車両識別子10、対向無線機70および遠隔識別子読み取り装置90。
【0035】
図11は、安全システムを作動させる方法を示す。この安全システムは、移動車両または作業機械1に配置され、無線通信可能である、車両識別子10を含み、その動作接続部に配置された警報ユニット20を含み、移動ユニットに関連して配置され、無線通信可能な、個人識別子30を含む。個人識別子30は、エリア内の車両または作業機械の警告を発する警報デバイス32を含み、警報ユニット20は、エリア内を移動するユニットを警告する警報装置22を含む。
【0036】
この方法において、車両識別子10および/または個人識別子30は、車両識別子10と個人識別子30との間で送信される少なくとも1つの信号に基づいて、車両識別子10と個人識別子30との間の距離を決定する110。車両識別子10は、車両識別子10と個人識別子30との間の決定された距離が、車両識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、警報装置22を作動させる112。個人識別子30は、車両識別子10と個人識別子30との間の決定された距離が、個人識別子に対して予め定められた閾値未満である場合に、警報デバイス32を作動させる114。
【0037】
本発明に係る安全システムは、例えば、倉庫または産業施設において、屋内で使用することができるが、屋外での使用にも適している。
【0038】
当業者であれば、技術の進歩として、本発明の基本的な考え方は、様々な方法で実施することができることは明らかである。したがって、本発明およびその実施形態は上記の例に限定されず、特許請求の範囲内で変更することができる。
図1
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図11