(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記弁体が周方向に回転自在に前記バルブボディの前記弁室に配置され、前記弁体は軸方向一端側に前記切替流入路が設けられ、軸方向他方側に前記切替流出路が設けられ、前記操作部の操作により前記弁体は軸周方向に回転され、前記切替流入路と連通可能な位置に前記第1流入路,前記第2流入路及び前記共有流出路が設けられ、前記切替流出路と連通可能な位置に前記第1流出路,前記第2流出路及び前記共有流入路が設けられてなることを特徴とするガス供給切替バルブ。
請求項2に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記弁体の前記切替流入路及び前記共有流出路はそれぞれ1本とし、前記バルブボディの前記弁室側で且つ前記共有流出路の開口付近には周方向に沿って凹状の流出内周凹部が設けられ、前記共有流入路の開口付近には周方向に沿って凹状の流入内周凹部が設けられ、前記流出内周凹部を介して前記切替流入路と共有流出路とが連通し、前記流入内周凹部を介して前記共有流入路と前記切替流出路とが連通してなることを特徴とするガス供給切替バルブ。
請求項2に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記弁体の前記切替流入路及び前記共有流出路はそれぞれ2本とし、前記切替流入路の2本のうちの1方は第1切替流入路部として前記第1流入路と連通可能とし、他方は第2切替流入路部として前記第2流入路と連通可能とし、前記共有流出路の2本のうちの1方は第1切替流出路部として前記第1流出路と連通し、他方は第2切替流出路部として前記第2流出路と連通してなることを特徴とするガス供給切替バルブ。
請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記共有流出路と前記切替流入路との間に低圧調整弁が設けられる回路が具備されてなることを特徴とするガス供給切替バルブ。
請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記バルブボディには流通するガスの種類を判別するセンサが具備されてなることを特徴とするガス供給切替バルブ。
都市ガス及びLPGを使用可能な発電用ガスエンジンと、弁室と第1流入路と第2流入路と共有流出路と共有流入路と第1流出路と第2流出路とを備えたバルブボディと、切替流入路と切替流出路とを備え前記弁室に収納される弁体と、該弁体を前記バルブボディに対して切替操作する操作部とを備え、前記弁体の切替操作によって前記切替流入路及び前記切替流出路は、前記第1流入路と前記共有流出路と前記共有流入路と前記第1流出路を一連とする第1ガス供給流路、或いは前記第2流入路と前記共有流出路と前記共有流入路と前記第2流出路を一連とする第2ガス供給流路の何れか一方に切替を行う構成としてなるガス供給切替バルブと、前記発電用ガスエンジンに具備され異なるガスを流入させる第1ガス燃料入口及び第2ガス燃料入口が具備されたミキサと、都市ガス供給源と、LPG供給源と、低圧調整弁とを備え、
前記都市ガス供給源と前記ガス供給切替バルブにおける前記第1流入路、及び前記LPG供給源と前記第2流入路とがそれぞれ連通され、前記ガス供給切替バルブの前記共有流出路と前記切替流入路との間に前記低圧調整弁が配置され、該低圧調整弁は流通するガスを種類に応じて適正な圧力に設定され、前記ガス供給切替バルブの第1流出路は前記ミキサの第1ガス燃料入口に供給され、前記第2流出路は前記ミキサの第2ガス燃料入口に供給されてなることを特徴とする発電用ガスエンジンのガス供給システム。
請求項7に記載の発電用ガスエンジンのガス供給システムにおいて、ECUが具備され、前記低圧調整弁は、前記ECUからの命令にてガス種に応じて適正圧力となるように作動してなることを特徴とする発電用ガスエンジンのガス供給システム。
請求項7又は8に記載の発電用ガスエンジンのガス供給システムにおいて、ECUが具備され、ガス供給切替バルブにはセンサが設けられると共に前記ECUと繋がり、前記ガス供給切替バルブを通過するガス種を前記センサと前記ECUにて判別し、その判別結果を前記ミキサに送り該ミキサのガス種に応じた入口を開いてなることを特徴とする発電用ガスエンジンのガス供給システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
都市ガス供給源とLPG供給源の両方から、何れか一方のみを流通させ他方を遮断させするようにして仕切り、選択したガス燃料をガスエンジンにミキサを介して供給するためには、2つ異なる種類のガスの流れを仕切るためのバルブが必用である。このバルブには、2つの異なる種類のガスの流れを仕切る役目だけでなく、それぞれのガスを適正な圧力に調整するための装置や、ガスの種類を判別する等の機能も持たせる必要もある。
【0006】
本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、都市ガス及びLPG等の異種のガス燃料にて稼働可能な発電用ガスエンジンに異なる種類のガスの供給源から何れか1つの種類のガスを仕切って分別し、発電用ガスエンジンに選択したガス燃料を供給するためのガス供給切替バルブ及び該ガス供給切替バルブを用いた発電用ガスエンジンのガス供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、都市ガス及びLPGの両燃料を使用可能な発電用ガスエンジンに都市ガス或いはLPGを仕切って何れかを供給するガス供給切替バルブであって、弁室と第1流入路と第2流入路と共有流出路と、共有流入路と第1流出路と第2流出路とを備えたバルブボディと、切替流入路と切替流出路とを備え前記弁室に収納される弁体と、該弁体を前記バルブボディに対して切替操作する操作部とを備え、前記弁体の切替操作によって前記切替流入路及び前記切替流出路は、前記第1流入路と前記共有流出路と前記共有流入路と前記第1流出路を一連とする第1ガス供給流路、或いは前記第2流入路と前記共有流出路と前記共有流入路と前記第2流出路を一連とする第2ガス供給流路の何れか一方に切替を行う構成としてなるガス供給切替バルブとしたことにより、上記課題を解決した。
【0008】
請求項2の発明を、請求項1に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記弁体が周方向に回転自在に前記バルブボディの前記弁室に配置され、前記弁体は軸方向一端側に前記切替流入路が設けられ、軸方向他方側に前記切替流出路が設けられ、前記操作部の操作により前記弁体は軸周方向に回転され、前記切替流入路と連通可能な位置に前記第1流入路,前記第2流入路及び前記共有流出路が設けられ、前記切替流出路と連通可能な位置に前記第1流出路,前記
第2流出路及び前記共有流入路が設けられてなるガス供給切替バルブとしたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項3の発明を、請求項2に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記弁体の前記切替流入路及び前記共有流出路はそれぞれ1本とし、前記バルブボディの前記弁室側で且つ前記共有流出路の開口付近には周方向に沿って凹状の流出内周凹部が設けられ、前記共有流入路の開口付近には周方向に沿って凹状の流入内周凹部が設けられ、前記流出内周凹部を介して前記切替流入路と共有流出路とが連通し、前記流入内周凹部を介して前記共有流入路と前記切替流出路とが連通してなるガス供給切替バルブとしたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項4の発明を、請求項2に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記弁体の前記切替流入路及び前記共有流出路はそれぞれ2本とし、前記切替流入路の2本のうちの1方は第1切替流入路部として前記第1流入路と連通可能とし、他方は第2切替流入路部として前記第2流入路と連通可能とし、前記共有流出路の2本のうちの1方は第1切替流出路部として前記第1流出路と連通し、他方は第2切替流出路部として前記第2流出路と連通してなるガス供給切替バルブとしたことにより、上記課題を解決した。
【0011】
請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記共有流出路と前記切替流入路との間に低圧調整弁が設けられる回路が具備されてなるガス供給切替バルブとしたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載のガス供給切替バルブにおいて、前記バルブボディには流通するガスの種類を判別するセンサが具備されてなるガス供給切替バルブとしたことにより、上記課題を解決した。
【0012】
請求項7の発明を、都市ガス及びLPGを使用可能な発電用ガスエンジンと、弁室と第1流入路と第2流入路と共有流出路と共有流入路と第1流出路と第2流出路とを備えたバルブボディと、切替流入路と切替流出路とを備え前記弁室に収納される弁体と、該弁体を前記バルブボディに対して切替操作する操作部とを備え、前記弁体の切替操作によって前記切替流入路及び前記切替流出路は、前記第1流入路と前記共有流出路と前記共有流入路と前記第1流出路を一連とする第1ガス供給流路、或いは前記第2流入路と前記共有流出路と前記共有流入路と前記第2流出路を一連とする第2ガス供給流路の何れか一方に切替を行う構成としてなるガス供給切替バルブと、前記発電用ガスエンジンに具備され異なるガスを流入させる第1ガス燃料入口及び第2ガス燃料入口が具備されたミキサと、都市ガス供給源と、LPG供給源と、低圧調整弁とを備え、前記都市ガス供給源と前記ガス供給切替バルブにおける前記第1流入路、及び前記LPG供給源と前記第2流入路とがそれぞれ連通され、前記ガス供給切替バルブの前記共有流出路と前記切替流入路との間に前記低圧調整弁が配置され、該低圧調整弁は流通するガスを種類に応じて適正な圧力に設定され、前記ガス供給切替バルブの第1流出路は前記ミキサの第1ガス燃料入口に供給され、前記第2流出路は前記ミキサの第2ガス燃料入口に供給されてなる発電用ガスエンジンのガス供給システムとしたことにより、上記課題を解決した。
【0013】
請求項8の発明を、請求項7に記載の発電用ガスエンジンのガス供給システムにおいて、ECUが具備され、前記低圧調整弁は、前記ECUからの命令にてガス種に応じて適正圧力となるように作動してなる発電用ガスエンジンのガス供給システムとしたことにより、上記課題を解決した。請求項9の発明を、請求項7又は8に記載の発電用ガスエンジンのガス供給システムにおいて、ECUが具備され、ガス供給切替バルブにはセンサが設けられると共に前記ECUと繋がり、前記ガス供給切替バルブを通過するガス種を前記センサと前記ECUにて判別し、その判別結果を前記ミキサに送り該ミキサのガス種に応じた入口を開いてなることを特徴とする発電用ガスエンジンのガス供給システムとしたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、本発明においては、ガス供給切替バルブは、簡易な構成にしつつ、都市ガスとLPG(液化石油ガス)の両方のガス燃料を使用可能な発電用ガスエンジンに対して、ミキサを介して簡易且つ迅速に都市ガス供給源とLPG供給源からのガスの流入を仕切ることができる。そして低圧調整弁を付属させることも容易にでき、ミキサを介して発電用ガスエンジンに都市ガス或いはLPG(液化石油ガス)を適正な圧力にして送ることができる。
【0015】
特に、弁体には共有流出路と切替流入路とを設けたもので、実質的には両方が弁体に一体的に設けられたものといえる。そして、弁体の切替操作によって、弁体に設けられた切替流入路及び切替流出路は、第1流入路と共有流出路と共有流入路と第1流出路を一連とする第1ガス供給流路と、第2流入路と共有流出路と共有流入路と第2流出路を一連とする第2ガス供給流路とを構成する。
【0016】
そして、ガス供給切替バルブは、前記第1ガス供給流路と、前記第2ガス供給流路とを、何れか一方に切替を行う構成としているので、例えば第1ガス供給流路を都市ガス専用の流路とし、第2ガス供給流路をLPG(液化石油ガス)専用の流路とした場合に、それぞれの供給源からのガスエンジンへのガス供給の操作ミス(誤操作)を防止できる。
【0017】
さらに、請求項1の発明では、発電用ガスエンジンには、通常(平時)は、都市ガスを使用し、地震等の災害発生の緊急時において都市ガスの供給が緊急停止してしまったときに、LPG(液化石油ガス)供給源からのLPGを発電用ガスエンジンのガス燃料として、災害発生直後から使用可能となり、発電用ガスエンジンを稼働し続けることができるものである。
【0018】
請求項2,請求項3及び請求項4の発明では、弁体がバルブボディの弁室で回転することによって、切替流入路及び共有流出路の方向切替ができる構成によって、構造が極めて簡単で且つ正確に動作させることができる。特に、請求項4の発明では、操作部の操作によって、弁体を回転させたときに、第1ガス供給流路と第2ガス供給流路の両方を同時に遮断することができる位置が存在する。これによって、ガス供給を一時的に停止でき、発電用ガスエンジン,ミキサ等の機器類の点検の際に、その点検作業を極めて効率的にできる。
【0019】
請求項5の発明では、低圧調整弁が設けられる回路が具備されることによって都市ガスとLPGとの仕切りと共に両ガスを適正な圧力にすることが容易にできる。請求項6の発明では、都市ガスとLPGの仕切りと共に両ガスの判別も同時にできる極めて便利なものにできる。請求項7乃至請求項9では、都市ガス及びLPG(液化石油ガス)の両方を使用できる発電用ガスエンジンにおける都市ガス及びLPGの仕切りが容易にできる回路を極めて簡単な構成にて行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明におけるガス供給切替バルブAは、発電用ガスエンジンのガス供給システムにおいて、2つの異なる種類のガスをガス燃料として使用することができる発電用ガスエンジンに異なる2種類のガス燃料を切替えて何れか一方のみを供給するものである。種類の異なるガス燃料は、具体的には都市ガス及びLPG(液化石油ガス)であり、LPG(液化石油ガス)は、LPガスとも称する。本発明において使用される発電用ガスエンジンは、往復動内燃機関(エンジン)に分類されるものである。したがって、本発明の発電用ガスエンジンにおいて、ガスタービンエンジンは含まれない。
【0022】
本発明における発電用ガスエンジンのガス供給システムでは、ガス供給切替バルブAによって通常は都市ガスが発電用ガスエンジン7に供給される構成とし、災害発生時等の緊急時では前記都市ガスに代わってLPG(液化石油ガス)が発電用ガスエンジン7に供給されるものである。
【0023】
本発明におけるガス供給切替バルブAが備わるガス供給システムでは、種類の異なる都市ガス供給源91又はLPG(液化石油ガス)供給源92を備え、これらのガス燃料を使用するときにはガス供給切替バルブAによって、両者が混じることなく、何れか一方のガス燃料を確実にミキサ6を介して発電用ガスエンジン7に供給するものである。また、ガス供給切替バルブAを使用した発電用ガスエンジンへのガス燃料供給を行うガス供給システムを提供するものである。
【0024】
まず、初めにガス供給切替バルブAについて説明する。ガス供給切替バルブAは、複数の実施形態が存在し、まず第1実施形態から説明する。第1実施形態のガス供給切替バルブAでは、バルブボディA1と、弁体A2と、操作部43とを備えている(
図3参照)。バルブボディA1は、筐体状のボディ本体1の内部に弁室14が形成されている。該弁室1
4は、後述する弁体A2が配置される部屋である(
図3参照)。バルブボディA1は、本体側部11,頂部12及び底部13を備えている。本体側部11と、頂部12と、底部13とによって、内部に空隙とした弁室14が構成される(
図3参照)。
【0025】
ボディ本体1の頂部12には、後述する弁体A2と操作レバー432とを連結する操作
用貫通孔12aが設けられている。本体側部11は、筒状をなしており、さらに具体的には円筒状或いは直方体,立方体状の筒体である。弁室14は、断面円形状の円筒状の空隙室であり、さらに具体的には、円筒状の空隙室である。筒状の本体側部11の周壁には、ボディ本体1の外部と、内部の弁室14とを連通する貫通孔状の第1流入路21と第2流入路22と共有流出路23と共有流入路24と第1流出路25と第2流出路26とを備えている(
図3参照)。
【0026】
さらに、前記共有流出路23には、弁室14の内周側面14aにおける開口箇所には、周方向に流出内周凹部23aが形成されている(
図3参照)。該流出内周凹部23aは、弁室14の内周側面14aに周方向に沿う窪み状の溝部として形成された部位であり、共有流出路23の弁室14の内周側開口と連通する。そして、切替操作における弁体A2の
回転範囲において、該弁体A2の切替流入路41の流入側開口41mが、常に前記流出内
周凹部23aと連通できる範囲となるように、該流出内周凹部23aの周方向における形成範囲が設定される〔
図3(B)参照〕。
【0027】
さらに、前記共有流入路24には、弁室14の内周側面14aにおける開口箇所には、周方向に流入内周凹部24aが形成されている。該流入内周凹部24aは、弁室14の内周側面14aに周方向に沿う窪み状の溝部として形成された部位であり、共有流入路24の弁室14の内周側開口と連通する。そして、切替操作における弁体A2の回転範囲にお
いて、該弁体A2の切替流出路42の排出側開口42mが、常に前記流入内周凹部24a
と連通できる範囲となるように、該流入内周凹部24aの周方向における形成範囲が設定される〔
図3(C)参照〕。
【0028】
第1流入路21と第2流入路22と共有流出路15は、本体側部11の頂部12側寄りの位置で且つ同一周上に揃うように配置形成されている。具体的には、第1流入路21と第2流入路22と共有流出路15は、
図3(A)において、本体側部11の高さ(上下)方向の中間よりも上方に位置している。
【0029】
また、共有流入路16と第1流出路25と第2流出路26は、底部13側寄りの位置で同一周上に揃うようにして配置形成されている。具体的には、共有流入路16と第1流出路25と第2流出路26は、
図3(A)において、本体側部11の高さ(上下)方向の中間よりも下方に位置している。
【0030】
つまり、第1流入路21と第1流出路25とは、弁室14の高さ(上下)方向に沿ってずれる位置に存在し、同様に、第2流入路22と第2流出路26についても、弁室14の高さ(上下)方向に沿ってずれる位置に存在する〔
図3(A)参照〕。第1流入路21,第2流入路22,共有流出路15,共有流入路16,第1流出路25と第2流出路26は、ボディ本体1の高さ(上下)方向に対して直交(略直交も含む)する。
【0031】
また、第1流入路21と第1流出路25とは、その流路の方向は同一であり、同様に、第2流入路22と第2流出路26についても、その流路の方向は同一である〔
図3(B),(C)参照〕。そして、第1流入路21と第1流出路25の組の流路方向と、第2流入路22と第2流出路26との組の流路の方向は異なる。具体的には、第1流入路21と第1流出路25は、断面円形の弁室14の直径中心において角度として約90度程度異なる位置にある。
【0032】
同様に、第2流入路22と第2流出路26についても、断面円形の弁室14の直径中心において角度として約90度程度異なる位置にある。また、共有流出路15と共有流入路16における流路の方向は、同一である。頂部12には、操作部43のための貫通孔12aが形成されている。前記第1流入路21と前記第1流出路25とは、その流路の方向は同一である。
【0033】
弁体A2は、弁本体部3と、切替流入路41と、切替流出路42とからなる。そして、
弁本体部3に切替流入路41と切替流出路42とが軸芯線Lに沿ってずれるような位置関係で形成されている〔
図3(A)参照〕。弁本体部3は、円筒形状に形成されている。その円筒形状とした弁本体部3の軸方向に軸芯線Lを設定し、該軸芯線Lを回転中心として弁室14内で回転可能な構成となっている。弁体A2の弁本体部3の外周3aは、バルブ
ボディA1の弁室14の内周側壁面に密着しつつ且つ円滑に回転することができる構成と
なっている。
【0034】
弁本体部3は、軸方向に直交する断面が略真円であり、前記切替流入路41と前記切替流出路42は、弁本体部3の軸方向に直交し、且つ断面円形の直径中心を通過する直線状の貫通孔である。切替流入路41と切替流出路42とは、弁本体部3の軸方向において相互にずれた位置にあり、具体的には切替流入路41が弁本体部3の上下方向の上端寄りに位置し、切替流出路42が下端寄りの位置に形成され、両者は交わらない〔
図3(A)参照〕。また、切替流入路41と切替流出路42との流路の方向は同一である(
図3参照)。ここで、弁本体部3の上端側を弁上段側と称し、下端側を弁下段側と称する。
【0035】
弁体A2の弁本体部3には、操作部43が設けられている。該操作部43は、バルブボ
ディA1に対して、弁体A2をバルブボディA1の外部より回転操作する役目をなすもので
ある。操作部43は、操作軸431と操作レバー432とからなる。操作軸431は、弁体A2の軸方向に沿って弁本体部3の軸方向一端から突出するように形成された軸部材で
ある。操作軸431の軸端箇所には、操作レバー432が設けられている。
【0036】
該操作レバー432は、レバー部432aとボス部432bとから構成され、該ボス部432bに操作軸431が貫通し、両者は相互に固着されている。具体的には、操作軸431の軸端付近に螺子部が設けられ、該螺子部と螺合するナット433が具備され、該ナット433の締付によって、操作軸431と操作レバー432とが固着される。
【0037】
弁体A2は、バルブボディA1の弁室14内に配置される。そして、弁体A2は、バルブ
ボディA1の外部から操作レバー432の回転操作によって、バルブボディA1の弁室14内で回転させることができる。操作部43の操作レバー432を操作することによって、弁体A2は弁室14内にて軸芯線Lを回転中心として回転する。
【0038】
弁体A2の軸芯線Lとは、該弁体A2がバルブボディA1の弁室14内を回転するときの
回転中心軸となる線のことである。このように、弁体A2には、弁本体部3に切替流入路
41と切替流出路42が一体的に形成されている。これによって、作業員による操作部43の一度の操作で、第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2との流路の切替操作を行うことができ、しかも、誤操作を防止できるものである。
【0039】
本発明のガス供給切替バルブAは、2つの種類の異なるガス燃料を状況に応じて使い分けて稼働する発電用ガスエンジンのガス供給システムに適用される。まず、異なる種類のガス(都市ガス又はLPG)の切替仕切りを行い、要求されるガス燃料をミキサ6を介して発電用ガスエンジン7に供給する。そして、ガス供給切替バルブAは、ガス供給システムにおいて第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2と低圧調整流路Pcとを構成する。
【0040】
第1ガス供給流路P1は、都市ガス供給源91からミキサ6に都市ガスを供給する供給
流路を構成するものであり、第1流入路21,切替流入路41,共有流出路15,共有流入路16,切替流出路42,第1流出路25及び第1吸入流路631とを一連とする流路を構成する〔
図1,
図2(A)参照〕。また、第2ガス供給流路P2は、LPG(液化石油ガス)供給源92からミキサ6にLPG(液化石油ガス)を供給する供給流路を構成するもの
であり、第2流入路22,切替流入路41,共有流出路15,共有流入路16,切替流出路42,第2流出路26及び第2吸入流路641とを一連とする流路を構成する。
【0041】
ここで、都市ガスは、枝管,ガス管等の配管から供給される。また、LPG(液化石油ガス)供給源92は、LPG(液化石油ガス)がガスボンベ92aに充填され、このガスボンベ92aが設置される。さらに、ガスボンベ92aには手動バルブ92bが設けられている。そして、LPG(液化石油ガス)のガスボンベ92aは、都市ガスの供給が停止したときの緊急時における非常用のものであり、都市ガスが復旧するまでの期間を補完できるものである。
【0042】
また、共有流出路15と共有流入路16との間には低圧調整流路Pcが具備される。該
低圧調整流路Pcには低圧調整弁5が設けられている。低圧調整流路Pcは、第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2とにおいて共通の流路となる。つまり第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2は共に共通の低圧調整流路Pcを有するものである〔
図1,
図2(B)参照〕。
【0043】
換言すれば、低圧調整流路Pcは、ガス供給切替バルブAにより第1ガス供給流路P1
が選択されているときには、低圧調整流路Pcは第1ガス供給流路P1の一部を構成する流路に含まれる〔
図2(A)参照〕。第2ガス供給流路P2が選択されているときには、低圧
調整流路Pcは第2ガス供給流路P2の一部を構成する流路に含まれる〔
図2(B)参照〕。そして、都市ガス供給源91或いはLPG(液化石油ガス)供給源92からのそれぞれのガスは、この低圧調整流路Pcを通過し、低圧調整弁5によって適正な圧力に設定され、後
述するミキサ及びガスエンジンにガス燃料を供給する。
【0044】
次に、ガス供給切替バルブAの第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、弁体A2が第1実施形態のガス供給切替バルブAの弁体A2とは構成が異なるものである。バルブボディA1については、第1実施形態と略同等である。第2実施形態における弁体A2の切替流入路41及び切替流出路42をそれぞれ2本としたものが存在する(
図4,
図5参照)。
【0045】
具体的には、切替流入路41は、第1切替流入路部41aと第2切替流入路部41bを有し、切替流出路42は第1切替流出路部42aと第2切替流出路部42bとを有する。第1切替流入路部41aと第2切替流入路部41bは、弁本体部3の弁上段側に位置し軸芯線Lを介して左右対称に設けられている。また、第1切替流出路部42aと第2切替流出路部42bとは弁本体部3の弁下段側に位置し軸芯線Lを介して左右対称に設けられている(
図5参照)。
【0046】
そして、他の構成は、前述した第1実施形態のガス供給切替バルブAの構成と略同様である。この第2実施形態では、第1ガス供給流路P1は、第1流入路21,第1切替流入
路部41a,共有流出路15,共有流入路16,第1切替流出路部42a,第1流出路25とを一連とする流路を構成する。また、第2ガス供給流路P2は、第2流入路22,第2切替流入路部41b,共有流出路15,共有流入路16,第2切替流出路部42b,第2流出路26とを一連とする流路を構成する。
【0047】
第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2とは、前述したように、操作部43の操作レバー432により2つの流路の切替ができる。ここで、第1ガス供給流路P1を、都市
ガス専用とし、第2ガス供給流路P2をLPG(液化石油ガス)専用とする。また、第2実
施形態において操作部43の操作レバー432を操作して第1ガス供給流路P1と第2ガ
ス供給流路P2との流路を切替える際に、第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2と
の何れも遮断される操作レバー432の位置が存在する。
【0048】
この位置は、都市ガス及びLPG(液化石油ガス)の両方の流れを一度に停止できる。これによって、操作部43の操作432によって、弁体A2を回転操作させることで、第1ガス供給流路P1と第2ガス供給流路P2の両方を同時に遮断することができ、両ガスの供給を一時的に停止させ、発電用ガスエンジン7,ミキサ6等の機器類の点検の際に、その点検作業を極めて効率的にできる。
【0049】
ミキサ6は、ミキサボディ61に、燃料ジェット62を備えた第1燃料入りロ63及び第2燃料入りロ64が設けられている。第1燃料入りロ63は、都市ガス専用の吸入口であり、ガス供給切替バルブAの第1流出路25と第1吸入流路631によって連通されている。つまり、第1ガス供給流路P1はミキサ6の第1燃料入りロ63までの第1吸入流
路631を含む〔
図1,
図2(A)参照〕。また、第2燃料入りロ64は、LPG(液化石
油ガス)専用であり、ガス供給切替バルブAの第2流出路26と連通している。つまり、
第2ガス供給流路P2はミキサ6の第2燃料入りロ64までの第2吸入流路641を含む
〔
図1,
図2(B)参照〕。
【0050】
ミキサボディ61内部には、スロットル65が軸支されたスロットルシャフト65aに固着されて開閉自在に取り付けられている〔
図6(A),(D)参照〕。また、ミキサボディ61には、アイドル燃料流量調整用のニードル66で調整可能に構成されている。本発明におけるミキサ6は、前述したように、第1燃料入りロ63及び第2燃料入りロ64を有し、それぞれがガス供給切替バルブAと別々に連通し、ガス供給切替バルブAの切替操作によって選択された第1ガス供給流路P1又は第2ガス供給流路P2の何れか一方のみからのガス燃料を吸入し、発電用ガスエンジン7にガス燃料を供給するものである。
【0051】
ミキサ6は、通常又は平時においては、ガス供給切替バルブAによって第1ガス供給流路P1と連通し、第2ガス供給流路P2とは遮断されている。そして、ミキサ6の第1燃料入りロ63から都市ガスを吸入し、発電用ガスエンジン7に都市ガスを供給する。災害発生等の緊急時では、ガス供給切替バルブAの切替操作によって、第1ガス供給流路P1が
遮断され、第2ガス供給流路P2が開通してLPG(液化石油ガス)がミキサ6の第2燃料
入りロ64から吸入され、発電用ガスエンジン7にLPG(液化石油ガス)を供給する。
【0052】
本発明のガス供給切替バルブを備えた発電用ガスエンジンのガス供給システムの構成を説明する(
図1,
図2参照)。このシステムには、ECU(エンジンコントロールユニッ
ト)8が具備されており、ガス供給切替バルブAのバルブボディA1には、流通するガス燃料の種類を判別するセンサ81が具備されている。該センサ81によってECU8は、ガスの種別、つまり都市ガス又はLPG(液化石油ガス)であるか否かを判断する。
【0053】
本発明では、システム内に都市ガス供給源91とLPG(液化石油ガス)供給源92とが備わっている。そして、ガス供給切替バルブAは、都市ガス供給源91及びLPG(液化
石油ガス)供給源92の両方と連通されており、ガス供給切替バルブAの操作部43の操
作レバー432の切替操作によって、流路が切替えられて仕切られ第1ガス供給流路P1
又は第2ガス供給流路P2の何れか一方のみが開通され、他方は遮断される。ガス供給切
替バルブAにおける操作部43の操作レバー432の操作は、作業員により人為的に行われる。
【0054】
ここでは、第1ガス供給流路P1は、都市ガス専用とし、第2ガス供給流路P2はLPG(液化石油ガス)専用としている。通常時は、発電用ガスエンジン7には、都市ガスが使用され、ガス供給切替バルブAは、第1ガス供給流路P1を開通状態とし、都市ガスは、ミ
キサ6の第1燃料入りロ63を介して発電用ガスエンジン7に供給される。そして、通常時においては、ガス供給切替バルブAは、第2ガス供給流路P2を遮断状態としている〔
図2(A),(B)参照〕。
【0055】
緊急時には、都市ガスは供給を停止する。緊急時とは具体的には地震等の災害発生時である。このときには、LPG(液化石油ガス)供給源92のガスボンベ92aの手動バルブ92bを開き、次いで、ガス供給切替バルブAの操作部43の操作レバー432を操作して、第1ガス供給流路P1から第2ガス供給流路P2に切り替え、第1ガス供給流路P1
を遮断し、第2ガス供給流路P2を開通させる。これによって、LPG(液化石油ガス)は
、ミキサ6の第2燃料入りロ64を介して発電用ガスエンジン7に供給される。
【0056】
そして、発電用ガスエンジン7は、通常では該発電用ガスエンジン7が吸入する空気は図示しないエアクリーナのフィルタで濾過されてミキサ6に吸入される。ミキサ6には、ガス供給切替バルブAの切替操作によって仕切られた都市ガス又はLPG(液化石油ガス)の何れか一方が低圧調整流路Pcの低圧調整弁5を通過することによって減圧されたガス
燃料が流入し、ここで、混合されて吸気マニホールド71を通ってエンジン7に吸入される。排気は排気マニホールド71から三元触媒72を通ってマフラ(図示せず)に入り消音して大気に放出される。
【課題】都市ガス,LPG等のガス燃料にて稼働可能な発電用ガスエンジンに異なるガス供給源から何れか1つの種類のガスを分別し、発電用ガスエンジンにガス燃料を供給するガス供給切替バルブ及びそのガス供給システムを提供する。
【請求項1】弁室14と第1流入路21と第2流入路22と共有流出路23と、共有流入路24と第1流出路25と第2流出路26とを備えたバルブボディA1と、切替流入路41と切替流出路42とを備え弁室14に収納される弁体A2と、該弁体A2をバルブボディA1に対して切替操作する操作部43とを備えること。弁体A2の切替によって切替流入路41及び切替流出路42は、第1流入路21と共有流出路23と共有流入路24と第1流出路21を一連とする第1ガス供給流路P1、又は第2流入路22と共有流出路23と共有流入路24と第2流出路26を一連とする第2ガス供給流路P2の何れか一方に切替の構成とすること。