(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
経路探索条件に基づいて経路探索を行うことにより得られた複数の候補経路を示す探索結果情報と、前記候補経路ごとにユーザにより選択された選択経路であるか否かを示すユーザ選択情報とを対応付けて記憶する分析用データベースを作成する分析用データベース作成手段と、
前記分析用データベースに基づいて、複数ユーザによる経路選択の傾向を分析可能な経路選択モデルを推定する経路選択モデル推定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
経路探索条件に基づいて経路探索を行い、1つまたは複数の候補経路を算出する経路探索手段であって、複数の候補経路が算出された場合、前記推定された経路選択モデルを用いて前記複数の候補経路の効用値をそれぞれ計算し、前記計算された各候補経路の効用値に基づいてユーザに提示する所定数の候補経路を決定する、経路探索手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
前記推定された経路選択モデルを用いて、所定の施策に応じて作成された施策経路の効用値を計算する施策経路評価手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理システム。
前記経路選択モデル推定手段は、前記候補経路の量的特性を示す量的変数および前記候補経路の質的特性を示す質的変数のうち少なくともいずれか一つの変数を説明変数とする経路選択モデルを推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理システム。
前記量的特性を示す変数は所要時間、運賃または乗換回数を含み、前記質的変数は、最遅ダミー、最安ダミーまたは第1経路ダミーを含むことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
前記経路選択モデルを構成する複数の説明変数のパラメータに基づいて、ユーザの価値指標を計算する価値指標計算手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理システム。
分析用データベース作成手段が、経路探索条件に基づいて経路探索を行うことにより得られた複数の候補経路を示す探索結果情報と、前記候補経路ごとにユーザにより選択された選択経路であるか否かを示すユーザ選択情報とを対応付けて記憶する分析用データベースを作成するステップと、
経路選択モデル推定手段が、前記分析用データベースに基づいて、複数ユーザによる経路選択の傾向を分析可能な経路選択モデルを推定するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
経路探索条件に基づいて経路探索を行うことにより得られた複数の候補経路を示す探索結果情報と、前記候補経路ごとにユーザにより選択された選択経路であるか否かを示すユーザ選択情報とを対応付けて記憶する分析用データベースを作成する分析用データベース作成手段と、
前記分析用データベースを用いて、前記候補経路の量的特性を示す量的変数および前記候補経路の質的特性を示す質的変数のうち少なくともいずれか一つの変数を説明変数とする経路選択モデルを推定する経路選択モデル推定手段と、
前記経路探索を識別するための経路探索識別情報と、前記探索結果情報とを対応付けて記憶する候補経路データベースを作成する候補経路データベース作成手段と、
前記経路探索識別情報と、前記選択経路を識別するための選択経路識別情報とを対応付けて記憶する選択結果データベースを作成する選択結果データベース作成手段と、 を備え、
前記分析用データベース作成手段は、前記経路探索識別情報をキーにして前記候補経路データベースおよび前記選択結果データベースを検索し、同じ経路探索識別情報を持つレコードを統合することにより前記分析用データベースを作成することを特徴とする情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム(経路選択モデル構築システム)1の概略的な構成を示している。
【0016】
情報処理システム1は、
図1に示すように、サーバ2および端末装置3を備えている。サーバ2と端末装置3とは、ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
【0017】
なお、サーバ2および端末装置3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。また、ネットワーク4は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0018】
まず、端末装置3について説明する。端末装置3は、例えば、携帯電話、スマートフォン、またはタブレット端末装置等のモバイル電子機器である。なお、端末装置3は、モバイル機器に限らず、デスクトップ型パソコン等の固定式の情報端末であってもよいし、あるいは、車両に設置され、サーバ2と通信可能に構成されたカーナビゲーション装置であってもよい。
【0019】
端末装置3には、ナビゲーション用のアプリケーション(いわゆるナビアプリ)等のソフトウェアがインストールされており、ユーザから経路探索条件を受け付け、当該経路探索条件をサーバ2に送信する。そして、端末装置3は、当該経路探索条件に基づいて経路探索された結果をサーバ2から受信し、1つまたは複数の候補経路をユーザに提示する。
【0020】
なお、経路探索条件は、タッチパネル、キーボードまたは内蔵マイクロフォン等を介して端末装置3に入力される。また、経路探索により得られた候補経路は、液晶ディスプレイ等の映像表示手段、またはスピーカやイヤホン等の音声出力手段によりユーザに提示される。
【0021】
次に、サーバ2について詳しく説明する。サーバ2は、前述のように、端末装置3から経路探索条件を受信して経路探索を実行する。さらに、サーバ2は、経路探索の結果に基づいて、後述する各種データベースを作成するとともに、それらのデータベースを利用して経路選択モデルの推定を行う。
【0022】
図1に示すように、サーバ2は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを有している。
【0023】
まず、サーバ2の通信部21および記憶部23について説明する。
【0024】
通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置3とサーバ2の制御部22との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0025】
記憶部23は、経路ネットワークデータベース231と、経路探索条件データベース232と、候補経路データベース233と、選択結果データベース234と、分析用データベース235とを有している。
【0026】
記憶部23は、例えば、ハードディスク等の固定型データストレージである。なお、記憶部23は、必ずしもサーバ2内に設けられなくてもよく、ネットワーク4を介して通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。また、上記の各データベース231〜235は、それぞれ異なる記憶装置に格納されてもよい。
【0027】
経路ネットワークデータベース231は、経路探索を実行する際、候補経路を得るために使用されるデータベースであり、列車やバス等の交通機関に関する情報(路線網情報、時刻表、発着場所、行き先等)を含む。また、この経路ネットワークデータベース231は、車両を移動手段とする候補経路を探索するために、道路網に関する情報を含んでもよい。
【0028】
経路探索条件データベース232は、
図2に示すように、経路探索条件(経路探索のインプット情報)を記憶するデータベースである。経路探索条件データベース232は、全ての経路探索条件を格納してもよいし、経路選択モデルの推定に用いる条件を適宜選択して格納してもよい。
【0029】
図2の例では、経路探索条件データベース232は、1つのレコードに、経路探索ID、出発地、目的地、時刻指定、および候補経路の提示順を格納している。ここで、経路探索IDは、経路探索部225(後述)により実行された経路探索を一意に識別するための情報(経路探索識別情報)である。
【0030】
また、時刻指定には、
図2に示すように、到着、出発、始発および終発があり、到着時刻指定、出発時刻指定、始発電車指定および終発電車(終電)指定をそれぞれ意味している。
【0031】
また、候補経路の提示順は、例えば、運賃の安い順(運賃順)、所要時間の短い順(時間順)、乗換回数の少ない順(乗換回数順)、徒歩による移動の少ない順、または、移動によるCO2排出量の少ない順である。その他、候補経路の提示順は、定期券区間が含まれる候補経路を上位に提示するもの(定期券区間優先)や、エレベータ・エスカレータ等の駅の施設を利用可能な候補経路を上位に提示するもの(エレベータ優先、エレベータ・エスカレータ優先)であってもよい。
【0032】
なお、候補経路の提示順は、経路探索を行うたびにユーザにより入力されてもよいし、あるいは、経路探索に共通適用される設定としてナビアプリに予め設定されていてもよい。
【0033】
また、経路探索条件は、徒歩速度(標準、ゆっくり、せかせか等)、使用路線(飛行機、特急、フェリー、高速バス等)を含んでもよい。
【0034】
候補経路データベース233は、経路探索条件に基づいて経路探索を行うことにより得られた複数の候補経路を示す探索結果情報(経路探索のアウトプット情報)を記憶するデータベースである。より詳しくは、候補経路データベース233は、
図3に示すように、経路探索を一意に識別する経路探索識別情報と、探索結果情報とを対応付けて記憶する。
【0035】
図3は、4つの候補経路をユーザに提示する場合における、候補経路データベース233の一例を示している。各候補経路には、候補経路Noが割り振られている。候補経路Noの若い候補経路が上位に提示される。各候補経路は、出発時刻、到着時刻、所要時間、運賃および乗換回数に関する情報を含むが、その他、路線名や乗換駅などに関する情報を含んでもよい。
【0036】
選択結果データベース234は、経路探索識別情報と、選択経路を識別するための選択経路識別情報とを対応付けて記憶するデータベースである。
図4に示すように、経路探索識別情報は、例えば前述の経路探索IDであり、選択経路識別情報は、例えば候補経路の番号(
図3の“1”〜“4”)を示す選択経路Noである。この選択結果データベース234の作成方法については、後ほど詳しく説明する。
【0037】
分析用データベース235は、
図5に示すように、経路探索により得られた複数の候補経路を示す探索結果情報と、候補経路ごとにユーザにより選択された選択経路であるか否かを示すユーザ選択情報とを対応付けて記憶するデータベースである。
図5の例では、左から3番目に“選択経路” のフィールドが設けられており、このフィールドに、候補経路ごとに“選択”または“非選択”が記載される。分析用データベース235の作成方法については、後ほど詳しく説明する。
【0038】
なお、
図5に示す分析用データベース235は経路探索条件を含んでいるが、これは必須ではなく、例えば後述のフィルタリング処理を行わない場合、分析用データベース235は経路探索条件を含まなくてもよい。
【0039】
次に、サーバ2の制御部22について説明する。
【0040】
図1に示すように、制御部22は、分析用データベース作成部221と、経路選択モデル推定部222と、価値指標計算部223と、施策経路評価部224と、経路探索部225と、候補経路DB(データベース)作成部226と、選択結果DB(データベース)作成部227とを有している。
【0041】
分析用データベース作成部221は、前述の分析用データベース235を作成する。具体的には、分析用データベース作成部221は、経路探索識別情報をキーにして候補経路データベース233および選択結果データベース234を検索し、同じ経路探索識別情報を持つレコードを統合することにより分析用データベース235を作成する。
【0042】
経路選択モデル推定部222は、分析用データベース235を用いて、所要時間、運賃および乗換回数を説明変数とする経路選択モデルを推定する。以下、所要時間、運賃および乗換回数のみを説明変数とする経路選択モデルのことを基本モデルともいう。なお、所要時間、運賃および乗換回数は、候補経路の量的特性を示すことから、量的変数である。経路選択モデル推定部222は、例えば最尤推定法により経路選択モデルの説明変数のパラメータを推定する。この場合、経路選択モデル推定部222は、式(1)で表される経路選択モデルを推定する。
【数1】
ここで、V:効用、a
1:x
1のパラメータ、a
2:x
2のパラメータ、a
3:x
3のパラメータ、x
1:所要時間(分)、x
2:運賃(円)、x
3:乗換回数(回)である。なお、効用Vは、ユーザにとっての候補経路の満足度(選ばれ易さ)を示す。
【0043】
好ましくは、経路選択モデル推定部222は、経路選択モデルを推定する際、選択経路の効用と非選択経路の効用との差が最も大きくなるようにパラメータセットa
1,a
2,a
3を決定する。
【0044】
なお、経路選択モデル推定部222は、所要時間、運賃および乗換回数の3つ全てを説明変数にする場合に限らず、所要時間、運賃および乗換回数のうち少なくともいずれか2つを説明変数とする経路選択モデルを推定するようにしてもよい。
【0045】
価値指標計算部223は、経路選択モデル推定部222により推定された経路選択モデルを構成する複数の説明変数のパラメータに基づいて、ユーザの価値指標を計算する。ユーザの価値指標は、式(2)で与えられる時間価値Tや、式(3)で与えられる乗換抵抗Rなどが挙げられる。
【数2】
【0046】
施策経路評価部224は、経路選択モデル推定部222により推定された経路選択モデルを用いて、所定の施策(直通列車の増便などのダイヤ施策、競合区間割引などの料金施策)に応じて作成された施策経路の効用値を計算する。また、施策経路評価部224は、施策経路の効用値と、比較対象の従来の経路の効用値から、施策経路が選択される確率を計算してもよい。
【0047】
経路探索部225は、経路探索条件に基づいて経路探索を行い、1つまたは複数の候補経路を算出する。なお、経路探索に使用する条件は、ユーザにより端末装置3に入力された条件のほか、予めナビアプリに設定された条件、端末装置に実装されたGPSセンサー等のセンサーの情報に基づいて生成された条件、ネットワーク4に接続された他のサーバから設定された条件であってもよい。
【0048】
なお、経路探索部225は、経路探索により複数の候補経路が算出された場合、経路選択モデル推定部222により推定された経路選択モデルを用いて、算出した複数の候補経路の効用値をそれぞれ計算してもよい。そして、経路探索部225は、計算された各候補経路の効用値に基づいてユーザに提示する所定数(
図3の例では4つ)の候補経路を決定するようにしてもよい。
【0049】
また、経路探索部225は、各候補経路の効用値に基づいて所定数の候補経路の提示順序を決定してもよい。例えば、効用値に基づいて計算された選択確率の高い候補経路から順に提示順位が高くなるように(ユーザに先に提示されるように)してもよい。
【0050】
候補経路DB作成部226は、経路探索部225が出力した経路探索結果に基づいて、前述の候補経路データベース233を作成する。選択結果DB作成部227は、前述の選択結果データベース234を作成する。
【0051】
ここで、
図6Aおよび
図6Bを参照して選択結果データベース234の作成方法の一例について説明する。
図6Aおよび
図6Bは、端末装置3の表示画面(タッチパネル)の画面例を示している。
図6Aのうち、(1)は経路探索条件の入力画面を示し、(2)は経路探索結果の候補経路の一覧画面を示し、(3)は4つの候補経路のうちの一つの詳細画面を示している。また、
図6Bのうち、(4)は経路の共有画面(「メールで送信」ボタンを選択する画面)を示し、(5)はメール送信画面を示している。
【0052】
まず、ユーザは、
図6A(1)に示すように、経路探索条件(出発駅、到着駅、出発時刻等)を入力し、経路探索実行ボタンをタップする。次に、
図6A(2)に示すように、ユーザは4つの候補経路から詳細を確認したい経路(図では2番目に表示された経路)をタップする。次に、
図6A(3)に示すように、ユーザは「結果をメール/カレンダーへ」ボタンをタップする。次に、
図6B(4)に示すように、ユーザは「メールで送信」ボタンをタップする。次に、
図6B(5)に示すように、ユーザはメール送信画面で宛先メールアドレスを入力する。これにより、ユーザが選択した経路の詳細が記載されたメールが作成され送信される。
【0053】
端末装置3から上記メールが送信されると、ユーザにより実行された経路探索を識別するための情報(経路探索識別情報)と、ユーザが選択した候補経路を識別するための情報(選択経路識別情報)とが端末装置3からサーバ2に送信される。選択結果DB作成部227は、端末装置3からサーバ2に送信された経路探索識別情報および選択経路識別情報に基づいて、選択結果データベース234を作成する。
【0054】
なお、経路探索識別情報および選択経路識別情報が端末装置3からサーバ2に送信されるタイミングは、メールが送信される時点に限られない。例えば、ユーザが
図6A(3)の「結果をメール/カレンダーへ」ボタンをタップした時点で送信してもよいし、
図6B(4)の「メールで送信」ボタンをタップした時点で送信してもよい。
【0055】
また、ユーザにより複数の候補経路から一つの経路が選択されたと判定するための判定材料は、経路情報をメールで送信する場合に限られず、他の経路共有手段(例えば
図6B(4)の「カレンダーに登録」、「ルートの詳細を送る」、「URLを送る」)を選択した場合であってもよい。その他、SNS(Social Networking Service)等の情報共有手段の利用記録に基づいて選択経路を判定してもよい。このように、複数の候補経路に対するユーザの選択操作等のアクションに基づいて、選択経路を判定することが可能である。
【0056】
あるいは、端末装置3の現在位置を示す現在位置情報、アプリケーションソフト(ナビアプリ等)の登録情報、または検索・探索履歴情報に基づいて、選択経路を判定してもよい。現在位置情報を用いる場合、経路探索実行後、現在位置情報に基づいてユーザが実際に乗車した列車を特定し、当該列車を含む候補経路を選択経路であると判定してもよい。また、アプリケーションソフトの登録情報を用いる場合、登録された情報(お気に入りの路線・駅、定期券区間等)を含む候補経路を選択経路であると判定してもよい。また、検索・探索履歴情報を用いる場合、直近に検索された検索ワードまたは検索回数の多い検索ワードを含む候補経路を選択経路であると判定してもよい。
【0057】
あるいは、ユーザによる候補経路の閲覧時間、閲覧回数などから選択経路であると判定してもよい。
【0058】
なお、選択経路の判定は、端末装置3で行ってもよいし、サーバ2(例えば選択結果DB作成部227)で行ってもよいし、あるいは別のサーバで行ってもよい。
【0059】
また、サーバ2は、上記のように、経路探索機能、各種データベースの作成機能、および経路選択モデルの推定機能等を有しているが、これらの機能はそれぞれ異なるサーバに振り分けて配置されてもよい。
【0060】
次に、
図7を参照して、上記の情報処理システム1の処理動作の一例について説明する。
【0061】
まず、分析用データベース作成部221は、前述の分析用データベース235を作成する(ステップS11)。
【0062】
次に、経路選択モデル推定部222は、分析用データベース235から、経路選択モデルの推定に適しないレコードを除去するクレンジング処理を行う(ステップS12)。ここで、経路選択モデルの推定に適しないレコードとは、重複探索、あるいは候補経路を選択する余地が少ない等の理由で、経路選択モデルの推定精度に悪影響を与えると思われるレコードのことである。
【0063】
クレンジング処理において、例えば、経路探索条件(少なくとも出発地および目的地)が全く同じであり且つ同日に経路探索が実行されたものについては、所定の(例えば最初の)経路探索結果以外のレコードを除去してもよい。
【0064】
また、移動距離が所定の値(例えば50km)以上のレコードを除去してもよい。これは、長距離移動の場合、経路探索前に予め指定席の予約等が行われており、経路探索結果が経路選択のためではなく、選択済みの経路の詳細を確認するために用いられることが多いと考えられるためである。
【0065】
また、運賃が所定の値(例えば2500円以上)以上のレコードを除去してもよい。この理由は長距離移動の場合と同じである。
【0066】
その他、経由地が指定されているレコードや、経路探索により得られた候補経路が1つのみのレコードを削除してもよい。
【0067】
次に、経路選択モデル推定部222は、ステップS12のクレンジング処理後の分析用データベースから所定の経路探索条件に合致するレコードを抽出するフィルタリング処理を行う(ステップS13)。このフィルタリング処理は、分析の観点に応じて、クレンジング処理後の分析用データベースのデータ(レコード)を分析に必要なもののみに絞り込むことである。例えば、始発指定で経路探索されたデータのみを抽出して経路選択モデルを推定することで、始発指定を行ったユーザによる経路選択の傾向を分析することが可能になる。
【0068】
フィルタリング処理でレコードの抽出に用いられる経路探索条件は、例えば、時刻指定条件および/または候補経路の提示順条件である。ここで、時刻指定条件は、到着時刻指定、出発時刻指定、発着時刻指定(到着時刻指定または出発時刻指定)、始発指定および終発指定のうち少なくともいずれか一つである。候補経路の提示順条件は、運賃順、時間順、乗換回数順、徒歩移動の少ない順、またはCO2排出量の少ない順などである。
【0069】
なお、上記のクレンジング処理およびフィルタリング処理は、経路選択モデル推定部222により実行される場合に限らず、他の構成要素、例えば、分析用データベース作成部221により実行されてもよいし、あるいは、制御部22に別途設けたクレンジング処理部およびフィルタリング処理部により実行されてもよい。
【0070】
また、クレンジング処理およびフィルタリング処理は、必須の処理ではない。例えば、経路選択モデル推定部222は、クレンジング処理を行った後、フィルタリング処理を行うことなく、クレンジング処理後の分析用データベースを用いて経路選択モデルを推定してもよい。あるいは、経路選択モデル推定部222は、分析用データベースが作成された後、クレンジング処理を行うことなく、フィルタリング処理を行ってもよい。
【0071】
次に、経路選択モデル推定部222は、フィルタリング処理により抽出されたレコードを有する新たな分析用データベースを用いて経路選択モデルを推定する(ステップS14)。これにより、前述の式(1)のパラメータセットa
1,a
2,a
3が求まる。
【0072】
図8は、経路選択モデル(基本モデル)の推定結果の一例を示している。
図8において、「基本データ」はフィルタリング処理を行っていないデータ(分析用データベース)を使用したことを意味し、「推定値」は推定されたパラメータの値を示し、「サンプル数」はモデル推定に用いた分析用データベース中のレコード数を示している。
図8に示すように、本モデル推定における尤度比(経路選択モデルの適合性)は0.483である。
【0073】
図9は、フィルタリング処理の条件(時刻指定・提示順)別に経路選択モデル(基本モデル)の尤度比を示している。
図9において、「全部」は時刻指定によるフィルタリング処理を行わなかった場合であり、「全提示順」は候補経路の提示順によるフィルタリング処理を行わなかった場合である。「全部」かつ「全提示順」(尤度比0.483)は、フィルタリング処理を全く行わずにモデル推定した場合(
図8の場合)と同じである。また、
図9の「発着」は、到着時刻または出発時刻を指定したデータを使用してモデル推定した場合を示している。
【0074】
図9に示すように、「全部」、「発着」および「到着」については、提示順に関わらず尤度比が比較的高い。一方、「出発」、「始発」および「終発」については、尤度比が比較的低い。このことは、出発時刻指定、始発指定、終発指定を行っているユーザの経路選択行動には、基本モデルの説明変数(所要時間、運賃、乗換回数)以外の要因が強く影響していることを示唆している。これについては、後ほど派生モデルの説明において説明する。
【0075】
次に、経路選択モデルが推定された後、価値指標計算部223は、パラメータセットa
1,a
2,a
3に基づいて、ユーザの価値指標を計算する(ステップS15)。ユーザの価値指標として、前述の時間価値T(式(2))や乗換抵抗R(式(3))が計算される。例えば、
図8の場合、時間価値は23.0円/分であり、乗換抵抗は6.15分/回である。このように計算された価値指標を検討することで、例えば、現状の経路よりもユーザにとって価値のある(選択され易い)施策経路を導くことが可能になる。
【0076】
図10は、フィルタリング処理の条件別に計算された価値指標(時間価値、乗換抵抗)を示している。
図10によれば、運賃順に経路表示をしているユーザにとっての時間価値は、他の表示順の場合に比べて低くなる傾向にある。例えば、運賃を優先して経路選択を行うユーザは、所要時間順に経路表示をしているユーザに比べて、時間価値が1時間当たり約900円低い。さらに、乗換回数順で経路を表示しているユーザの乗換抵抗が高い傾向にあり、乗換1回が所要時間13分程度に相当する。これらの結果から、表示条件の設定には、ユーザの経路選択の嗜好が反映されていると考えられる。
【0077】
図11は、発着地が空港である場合における、フィルタリング処理の条件別に計算された価値指標(乗換抵抗)を示している。
図11によれば、到着時刻指定および出発時刻指定のいずれの場合においても、関西空港および成田空港に発着する経路を探索したユーザの乗換抵抗は、羽田空港に発着する経路を探索したユーザよりも大きい。これは、関西・成田空港は国際線が主体であり、これらの空港を利用するユーザの荷物が多いことから、乗換の負担が国内線主体の羽田空港に比べて大きいためであると考えられる。よって、乗換回数の少ない直通列車を設定することが施策案として考えられる。
【0078】
次に、派生モデルについて説明する。ユーザの経路選択行動に影響を与える要因を明らかにするために、式(4)に示すように、分析の観点に応じた説明変数を追加して経路選択モデルを推定してもよい。
【数3】
ここで、V:効用、a
1:x
1のパラメータ、a
2:x
2のパラメータ、a
3:x
3のパラメータ、a
4:x
4のパラメータ、x
1:所要時間(分)、x
2:運賃(円)、x
3:乗換回数(回)、x
4:第4の説明変数である。
【0079】
式(4)のように、基本モデルの効用関数に新たな説明変数を組み込んだモデルを「派生モデル」と呼ぶことにする。この派生モデルとしては、以下に説明する終発指定モデル、最安モデルおよび第1経路モデル等が挙げられる。なお、派生モデルは、2以上の説明変数(第5の説明変数,第6の説明変数,・・・)を新たに追加したモデルであってもよい。
【0080】
第4の説明変数として、候補経路の質的特性を示すダミー変数を追加してモデル推定する場合について説明する。この場合、経路選択モデル推定部222は、分析の観点に応じて追加されたダミー変数をさらに説明変数とする経路選択モデルを推定する。なお、ダミー変数は、以下に説明する最遅ダミー、最安ダミーおよび第1経路ダミーのように候補経路の質的特性を示すことから質的変数とも呼ばれる。
【0081】
終発指定モデルでは、第4の説明変数は最遅ダミーである。この最遅ダミーは、複数の候補経路のうち出発時刻が最も遅い最遅経路では“1”をとり、それ以外の候補経路では“0”をとる。
【0082】
図12は、終発指定モデルの推定結果の一例を示している。比較用に基本モデルの推定結果も示している。いずれのモデル推定においても、時刻指定として終発を指定したデータ(終発指定データ)をフィルタリング処理により基本データから抽出して作成した分析用データベースを使用した。
【0083】
図12によれば、終発指定データを使用した基本モデルの推定結果(尤度比0.446)は、基本データを使用した推定結果(尤度比0.483)よりも尤度比が低い。よって、終発指定を行うユーザの経路選択行動は、基本モデル内の説明変数だけでなく、別の要因も影響していると考えられる。これに対し、終発指定データを使用した終発指定モデルの推定結果(尤度比0.517)は、基本モデルよりも尤度比が高い。
【0084】
また、最安モデルでは、第4の説明変数は最安ダミーである。この最安ダミーは、複数の候補経路のうち運賃が最も安い最安経路では“1”をとり、それ以外の候補経路では“0”をとる。
【0085】
図13は、最安モデルの推定結果の一例を示している。比較用に基本モデルの推定結果も示している。いずれのモデル推定においても、出発時刻または到着時刻を指定したデータ(発着指定データ)をフィルタリング処理により基本データから抽出して作成した分析用データベースを使用した。
【0086】
図13によれば、発着指定データを使用した最安モデルは、基本モデルよりも尤度比が高く、モデルの適合性が高い結果となった。従って、出発時刻または到着時刻を指定しているユーザの経路選択行動には、最安の経路かどうかが経路選択に影響を与えており、最安の経路であれば選択されやすいと考えられる。
【0087】
なお、運賃と最安ダミーには相関があるため、両者を一つの非線形パラメータに統合することや、両者の相関を考慮したロジットモデル以外のモデルを採用等することで、より精度の高い推定が可能になる。
【0088】
第1経路モデルでは、第4の説明変数は第1経路ダミーである。この第1ダミーは、複数の候補経路のうちユーザへの提示順位が最も高い経路では“1”をとり、それ以外の候補経路では“0”をとる。
【0089】
図14は、第1経路モデルの推定結果の一例を示している。比較用に基本モデルの推定結果も示している。いずれのモデル推定においても、出発時刻または到着時刻を指定したデータ(発着指定データ)をフィルタリング処理により基本データから抽出して作成した分析用データベースを使用した。
図14によれば、発着指定データを使用した第1経路モデルは、基本モデルよりも尤度比が高く、モデルの適合性が高い結果となった。
【0090】
上記のように、分析の観点に応じた説明変数を基本モデルに組み込むことで、より適合度の高いモデルを推定することができる。また、ユーザの経路選択に影響があると思われる説明変数を追加してモデル推定を行い、尤度比が基本モデルよりも高くなるか否かで仮説を検証することができる。
【0091】
さらに、モデル推定の結果を利用して既存の経路の問題点を把握することで改善施策を検討することが可能になる。例えば、終発指定モデルの推定結果(
図12)は、終発指定しているユーザの経路選択行動には出発時刻が最も遅い経路が影響しており、また、出発時刻が最も遅い経路の効用が高いことを示唆している。このことから、鉄道会社が採りうる施策として、競合路線よりも終電を遅くする等の施策を採ることが有効である。
【0092】
また、最安モデルの推定結果(
図13)から、やみくもに運賃を下げるのではなく、競合路線を意識して最安運賃となるように運賃を設定する施策をとることが利用者を獲得する上で有効である。また、
図13によれば時間価値は最安モデルの方が基本モデルよりも高いことから、最安経路だけでなく、高価格・高付加価値経路へのニーズも示唆された。
【0093】
なお、鉄道会社がとり得る施策には、大きく分けてダイヤ施策と料金施策がある。ダイヤ施策には、運行本数の増減、停車駅の調整、直通列車の設定、時刻の変更などがある。料金施策には、有料料金の変更、競合区間の割引などがある。
【0094】
経路選択モデルの推定結果に基づいて作成された施策経路については、前述の施策経路評価部224により効用値を計算することが可能である。そして、施策経路評価部224は、施策経路を既存の候補経路と組み合わせて経路選択肢集合を構成し、当該施策経路の選択確率を算出してもよい。これにより、施策経路の有効性を客観的に評価することができる。
【0095】
なお、派生モデルにおいて追加される説明変数は、上記のものに限られず、分析の観点に応じて様々なものを選択することが可能である。例えば、路線ダミー(特定の路線を含む経路であれば“1”をとる。)、車両種別ダミー(特定の車両種別を利用する経路であれば“1”をとる。)も考えられる。
【0096】
あるいは、アプリケーションソフトに登録されたユーザの登録情報(性別、年齢(あるいは年代)、住所、職業等)を新たな説明変数として追加して派生モデルを推定してもよい。これにより、性別や年齢等のユーザの属性に応じた経路選択モデルを推定することができる。その結果、所定の属性を有するユーザ(例えば30歳以下の若者)の経路選択行動を説明するモデルを推定することができる。
【0097】
以上説明したように、第1の実施形態では、分析用データベース作成部221により作成された分析用データベース235を用いて、経路選択モデル推定部222が所要時間、運賃および乗換回数を説明変数とする経路選択モデルを推定する。
【0098】
より一般的には、経路選択モデル推定部222は、分析用データベース235を用いて、量的変数および質的変数のうち少なくともいずれか一つの変数を説明変数とする経路選択モデルを推定する。なお、説明変数が一つの場合の経路選択モデルは、候補経路の相対的な効用ではなく、絶対値としての効用を導く場合に推定される。
【0099】
モデル推定に利用する分析用データベース235は、従来のアンケート等の手法で作成されたデータベースに比べて質・量ともに格段に優れている。データの質の点について言えば、前述のように複数の候補経路に対するユーザのアクション等に基づいて選択経路を判定することから、ユーザの認識違いやアンケートへの記入ミスのおそれがない。また、データの量の点について言えば、一日に数百万件もの経路探索が実行されており、そのうち選択経路を判定可能なデータだけでも一日に一万件以上存在し、従来のアンケート等による集計手法に比べて桁違いのデータ量である。さらに、分析用データベース235は、従来の集計方法では取得困難であった選択経路以外の候補経路(非選択経路)の情報も有する。
【0100】
よって、第1の実施形態によれば、従来よりも格段に適合性の高い経路選択モデルを推定することができる。また、本実施形態により推定された経路選択モデルを用いることで、従来のモデルよりも格段に精度良くユーザの経路選択を予測することができる。
【0101】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態と第1の実施形態との間の相違点の一つは、分析用データベースの利用方法である。第1の実施形態では分析用データベースを用いて経路選択モデルを推定したが、第2の実施形態では分析用データベースをシェア分析に利用する。
【0102】
以下、第2の実施形態について第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0103】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システム(経路選択モデル構築システム)1Aの概略的な構成を示している。
図15において、第1の実施形態と同様の機能を有する構成要素については同じ参照符号を付している。
【0104】
情報処理システム1Aは、
図15に示すように、サーバ2Aおよび端末装置3を備えている。サーバ2Aと端末装置3とは、ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
【0105】
図15に示すように、サーバ2Aは、通信部21と、制御部22Aと、記憶部23Aとを有している。
【0106】
制御部22Aは、経路探索部225と、候補経路DB作成部226と、選択経路DB(データベース)作成部227Aと、分析用データベース作成部228と、レコード抽出部229と、算出部230とを有している。
【0107】
選択経路DB作成部227Aは、後述の選択経路データベース236を作成する。分析用データベース作成部228は、後述の分析用データベース237を作成する。
【0108】
レコード抽出部229は、分析用データベース237から所定の経路探索条件を有するレコードを抽出する。所定の経路探索条件は、例えば、所定の出発地(例えば上野駅)もしくは所定のエリア(例えば首都圏)に含まれる出発地、および/または、所定の目的地(例えば成田空港)もしくは所定のエリア(例えば近畿圏)に含まれる目的地である。
【0109】
算出部230は、レコード抽出部229により抽出されたレコードに基づいて、路線および/または移動手段(列車、バス、タクシーなど)ごとに選択比率(シェア)または選択数量(レコード数)を算出する。
【0110】
記憶部23Aは、経路ネットワークデータベース231と、経路探索条件データベース232と、候補経路データベース233と、選択経路データベース236と、分析用データベース237とを有している。
【0111】
選択経路データベース236は、
図16に示すように、選択経路情報を記憶するデータベースである。ここで、選択経路情報は、経路探索条件に基づいて経路探索を行うことにより得られた複数の候補経路からユーザにより選択された選択経路を示す。
図16は、選択経路データベース236の一例を示している。なお、
図16に示すように、各選択経路は、経路探索IDと対応付けて記憶されている。また、各選択経路は、出発時刻、到着時刻、所要時間、運賃、乗換回数および路線に関する情報を含むが、その他、乗換駅等に関する情報を含んでもよい。
【0112】
分析用データベース237は、
図17に示すように、選択経路情報と、経路探索条件とを対応付けて記憶するデータベースである。なお、
図17に示すように、選択経路情報および経路探索条件は、経路探索IDと対応付けて記憶されている。なお、
図17の例では、経路探索条件として出発地および目的地のフィールドが設けられているが、その他の探索条件のフィールドが設けられていてもよい。
【0113】
分析用データベース作成部228は、例えば、経路探索識別情報(経路探索ID)をキーにして経路探索条件データベース232および選択経路データベース236を検索し、同じ経路探索識別情報を持つレコードを統合することにより分析用データベース237を作成する。
【0114】
次に、
図18を参照して、上記の情報処理システム1Aの処理動作の一例について説明する。
【0115】
まず、分析用データベース作成部228は、前述の分析用データベース237を作成する(ステップS21)。なお、分析用データベース作成部228は、第1の実施形態で説明した、ユーザにより選択されなかった候補経路(非選択経路)の情報を含む分析用データベース235を作成してもよい。
【0116】
次に、レコード抽出部229は、分析用データベース237から所定の経路探索条件を有する選択経路のレコードを全て抽出する(ステップS22)。例えば、出発地が首都圏にある駅であり、目的地が成田空港である経路探索条件のレコードを抽出する。
【0117】
次に、算出部230は、レコード抽出部229により抽出されたレコードに基づいて、路線別のシェアを計算する(ステップS23)。例えば、首都圏にある駅から成田空港に向かう列車のシェアを計算する。これにより、Aエクスプレスx%、Bライナーy%、普通列車z%のように路線別のシェアを把握することができる。シェアの算出は、列車ごとに計数されたレコードの本数を用いて行われる。なお、列車だけでなく、バスやタクシー等の他の移動手段もシェアの計算対象に含めてもよい。また、移動手段ごとのシェア(列車x%、バスy%、タクシーz%など)を計算してもよい。また、例えば特定の交通機関の傾向を分析するために、特定の移動手段(例えば列車)のうち特定の路線(例えば路線A)について選択数量を算出してもよい。
【0118】
なお、算出部230は、運賃差および/または所要時間差別に選択比率を算出してもよい。運賃差および所要時間差別にシェアを算出する場合、シェアの算出結果は、例えば
図19に示す表によりディスプレイに出力されてもよい。
【0119】
また、制御部22Aは、算出部230による算出結果を円グラフや棒グラフなどの各種グラフを用いてディスプレイに出力するシェア算出結果出力部(図示せず)をさらに備えてもよい。
図20は、空港を目的地とする選択経路を抽出し、どの駅からどれくらいのユーザが乗車しているかについて移動種別ごとにシェアを算出し、移動種別ごとに算出されたシェアを示す円グラフを地図上に表示した画面例を示している。なお、
図20のように移動種別ごとのシェアを表示する他、所定の移動種別(例えば列車A)についての選択数量を算出してもよい。
【0120】
以上説明したように、第2の実施形態では、分析用データベース作成部228により作成された分析用データベース237を用いて、路線および/または移動手段ごとにシェアを算出する。分析用データベース237は、第1の実施形態の分析用データベース235と同様、従来のアンケート等の手法で作成されたデータベースに比べて質・量ともに格段に優れている。よって、第2の実施形態によれば、路線および/または移動手段別の正確なシェアを算出することができる。
【0121】
以上、本発明に係る2つの実施形態について説明した。なお、
図1や
図15の構成は一例であり、サーバ2,2A内の構成要素の少なくとも一部が端末装置3内にあってもよい。また、サーバ2,2A内の構成要素を、互いに通信可能に接続された複数のサーバに分散配置してもよい。
【0122】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0123】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0124】
さらに、1または複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0125】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。