【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
室外側面部と室内側面部を備えた複数枚のパネルを互いに回動可能に高さ方向に連結してなる扉体と、
室外側から遠い側の第1ガイド面と、室外側に近い側の第2ガイド面と、を備え、各パネルの幅方向両端部に設けたガイドローラが案内されるガイドレールと、
を備えたオーバーヘッドドアにおいて、
全閉状態において、各パネルの室外側面部の幅方向両端部と躯体とは隙間を存して離間対向しており、
前記躯体には、前記隙間において、少なくとも床面から所定高さに亘ってシール手段が設けてあり、
前記ガイドレールの前記第1ガイド面には、全閉状態において、最下位パネルのガイドローラが位置する高さに、凸部が形成されており、全閉状態では、ガイドレールの前記凸部に押圧されるガイドローラを介して最下位パネルが室外側に移動して前記シール手段が圧縮状態となり、前記最下位パネルに対応する前記隙間が密閉される、
オーバーヘッドドア、である。
【0007】
1つの態様では、前記最下位パネルは、上側のガイドローラ、下側のガイドローラを備えており、
全閉状態において、前記上側のガイドローラ、および/あるいは、前記下側のガイドローラが位置する高さに凸部が形成されている。
後述する実施形態では、前記第1ガイド面には、上側のガイドローラ及び下側のガイドローラにそれぞれ対応して2つの凸部、すなわち、上側の凸部、下側の凸部が形成されている。
【0008】
1つの態様では、前記シール手段は、
高さ方向に延びる第1シール材と、
床面から所定高さに亘って設けられた第2シール材と、
を備え、
全閉状態において、前記第1シール材の少なくとも部分は、前記隙間に位置して、前記パネルの室外側面部の幅方向端部に接触しており、
全閉状態において、前記第2シール材は、前記第1シール材と前記躯体との間で圧縮状態にあって、前記隙間の下方部位は、最下位パネルの室外側面部、前記第1シール材、前記第2シール材、前記躯体が重なり合うことで閉塞されており、前記最下位パネルの室内側への移動は、前記ガイドローラがガイドレールの前記第1ガイド面に形成された前記凸部に当接することで規制されている。
1つの態様では、前記躯体には、前記ガイドレールを支持するように高さ方向に延びる枠体が設けてあり、
前記シール手段は、
前記枠体に設けられ、高さ方向に延びる第1シール材と、
前記隙間において、前記第1シール材と前記枠体の第1辺との間に位置して、床面から所定高さに亘って第1辺に設けられた第2シール材と、
からなる。
1つの態様では、前記第1シール材は、弾性を有するフィン状のシール材であり、例えば、樹脂や硬質ゴムから形成される。
前記第1シール材において、少なくとも各パネルの室外側面部の幅方向両端部と接触する部位は摺動性(滑動性)の高い特性を備えている。
1つの態様では、前記第2シール材は、弾性を有するブロック状のシール材であり、例えば、発泡ゴム、より具体的には、EPDMゴム発泡体から形成される。なお、第2シール材は、シート状の形状でもよく、また、薄肉シートの積層構造であってもよい。
また、第1シール材と第2シール材を接続してもよい。この場合、第1シール材と第2シール材は常に密着状態にある。
【0009】
1つの態様では、前記枠体は、前記躯体に連結される第1辺と、前記第1辺から室内側に向かって延びる第2辺と、を備え、
前記隙間は、前記第1辺と各パネルの室外側面部の幅方向両端部との間に形成されており、
前記第2シール材は前記第1辺に設けてあり、当該第1辺と前記第1シール材との間で、最下位パネルの室外側への押圧力によって圧縮状態にある。
1つの態様では、前記ガイドレールは、前記第2辺に取り付けられる。
後述する実施形態では、前記第2辺は、2部材(支持枠6の第2辺61と支持プレート7)からなり、前記ガイドレールは前記支持プレートに取り付けられる。
【0010】
1つの態様では、前記ガイドレールの第1ガイド面及び第2ガイド面は、下方に向かって室外側に緩やかに傾斜しており、
全閉状態では、前記凸部とガイドレールの傾斜が協働して、最下位パネルのガイドローラを室外側に案内することで、最下位パネルが室外側に移動した状態となって前記第2シール材が圧縮状態となる。
【0011】
1つの態様では、最下位パネルの下端には、幅方向に亘って弾性変形可能なボトム水密部材が設けてあり、全閉状態において、前記ボトム水密部材が弾性変形して床面に密着する。
1つの態様では、前記ボトム水密部材の室外側部位には、前記隙間に面して水密ブロックが設けてあり、全閉状態において、前記ボトム水密部材の弾性変形に伴って、前記水密ブロックが前記第1シールに密着する。
1つの態様では、前記隙間の下方において、床面には、前記第1シール材の下方部位と前記ボトム水密部材との間に位置して、水密ブロックが設けてあり、全閉状態において、前記ボトム水密部材の弾性変形に伴って、前記水密ブロックと前記ボトム水密部材、前記水密ブロックと前記第1シール材が密着状態となる。1つの態様では、前記水密ブロックは前記第2シール材を圧縮した状態で、前記第1シール材に当接させて床面に設けられる。