【実施例】
【0033】
次に、本発明を詳細に説明するため、具体的な実施例を挙げて説明する。これらの実施例は効果を具体的に説明するもので、発明の範囲を限定するものではない。実施例中の含有量は重量%である。
【0034】
[実施例1]
カンナの抽出物を以下のとおり製造した。
(製造例1)ハナカンナ根茎の熱水抽出物の調製
ハナカンナ(根茎の乾燥品)100gに精製水を2L加え、90〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ根茎の熱水抽出物1.5gを得た。
【0035】
(製造例2)ハナカンナ根茎の50%エタノール抽出物の調製
ハナカンナ(根茎の乾燥品)100gに50%エタノール水溶液を2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ根茎の50%エタノール抽出物1.3gを得た。
【0036】
(製造例3)ハナカンナ根茎のエタノール抽出物の調製
ハナカンナ(根茎の乾燥品)100gにエタノールを2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ根茎のエタノール抽出物0.9gを得た。
【0037】
(製造例4)ハナカンナ全草の熱水抽出物の調製
ハナカンナ(全草の乾燥品)100gに精製水を2L加え、90〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ全草の熱水抽出物1.7gを得た。
【0038】
(製造例5)ハナカンナ全草の50%エタノール抽出物の調製
ハナカンナ(全草の乾燥品)100gに50%エタノール水溶液を2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ全草の50%エタノール抽出物1.2gを得た。
【0039】
(製造例6)ハナカンナ全草のエタノール抽出物の調製
ハナカンナ(全草の乾燥品)100gにエタノールを2L加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を減圧濃縮し、凍結乾燥してハナカンナ全草のエタノール抽出物0.7gを得た。
【0040】
[実施例2]
ハナカンナの抽出物の効果の評価実験を次のとおり行った。
(試験例1)ケラチノサイトにおけるプロトンポンプ機能促進効果の評価
実施例1で製造したハナカンナの抽出物(製造例1〜6)のプロトンポンプ機能に及ぼす影響を、NHE1のmRNA発現量を指標に評価した。具体的方法について以下に記載する。
【0041】
ケラチノサイト由来HaCaT細胞を6wellプレートに1wellあたり5×10
4個播種し、10%FBSを含むDMEM培養液にて、37℃、5%CO
2条件下で4日間培養した。次に、各試料(最終濃度1、10μg/mL)を添加したDMEM培養液にて、24時間培養した後、総RNAの抽出を行った。細胞からの総RNAの抽出はTRIZOL Reagent(Invitrogen)を用いて行い、総RNA量は分光光度計(NanoDrop)を用いて260nmにおける吸光度により求めた。mRNA発現量の測定は、細胞から抽出した総RNAを基にしてリアルタイムRT−PCR法により行った。リアルタイムRT−PCR法には、SuperScriptIII Platinum Two−Step qRT−PCR Kit with SYBR Green(Invitrogen)を用いた。すなわち、500ngの総RNAを逆転写反応後、PCR反応(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を行った。その他の操作は定められた方法に従い、NHE1 mRNAの発現量を、内部標準であるβ−アクチン mRNAの発現量に対する割合として求めた。NHE1発現量は、コントロールのNHE1 mRNAの発現量に対する試料添加群のNHE1 mRNAの発現量の比率として算出した。尚、NHE1及びβ−アクチン用のプライマーは、以下に示したものを使用した。
【0042】
NHE1用のプライマーセット
GCCCTGTTAATCATTCCGTC(配列番号1)
CACATGGAAACCTATCTTCATGAG(配列番号2)
β−アクチン用のプライマーセット
CACTCTTCCAGCCTTCCTTCC(配列番号3)
GTGTTGGCGTACAGGTCTTTG(配列番号4)
【0043】
これらの試験結果を表1に示した。その結果、ハナカンナの抽出物(製造例1〜6)の全てに、比較品のダイズの抽出物を上回る顕著なプロトンポンプ機能促進効果が認められた。又、プロトンポンプ機能促進効果は、全草よりも根茎の抽出物の方が、エタノールよりも熱水抽出物の方が高かった。
【0044】
【表1】
【0045】
[実施例3]製品の処方例
製造例1〜6で製造したハナカンナの抽出物を含有した製品の処方例を以下に示す。
【0046】
(処方例1)ローション
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 残量
[製造方法]成分1〜6及び11と、成分7〜10をそれぞれ均一に溶解した後、両者を混合し濾過しローションを調製する。
【0047】
(処方例2) クリーム
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水 残量
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。次いで、油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0048】
(処方例3)乳液
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 残量
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0049】
(処方例4)ゲル剤
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.О.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 残量
[製造方法]成分2〜5と、成分1及び6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0050】
(処方例5)軟膏
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 2.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 残量
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0051】
(処方例6)パック
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 適量
10.精製水 残量
[製造方法]成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
【0052】
(処方例7)ファンデーション
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 1.0
2.ステアリン酸 2.4
3.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 1.0
4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.0
5.セタノール 1.0
6.液状ラノリン 2.0
7.流動パラフィン 3.0
8.ミリスチン酸イソプロピル 6.5
9.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
11.ベントナイト 0.5
12.プロピレングリコール 4.0
13.トリエタノールアミン 1.1
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
15.二酸化チタン 8.0
16.タルク 4.0
17.ベンガラ 1.0
18.黄酸化鉄 2.0
19.香料 適量
20.精製水 残量
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1及び11〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え、水相とする。水相を80℃に昇温し、油相に水相を徐々に加え乳化する。その後、撹拌しながら冷却し、45℃で成分19を加え、30℃まで冷却して製品とする。
【0053】
(処方例8)固形石鹸
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.石鹸素地(*) 80.0
3.グリセリン 10.0
4.ソルビトール 1.0
5.エデト酸 0.1
6.酸化チタン 0.1
7.香料 適量
8.精製水 残量
(*)ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムを含む高級脂肪酸ナトリウム混合物
[製造方法]全成分を混合して、ミキサー及びローラーで混練し、プロッダーで圧縮することによって棒状の成型物に型打ちし、次いで、成形物を冷却し、乾燥することによって、製品を得る。
【0054】
(処方例9)ボディ用洗浄料
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.2
2.ステアリン酸 10.0
3.パルミチン酸 8.0
4.ミリスチン酸 12.0
5.ラウリン酸 4.0
6.オレイルアルコール 1.5
7.精製ラノリン 1.0
8.ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0
9.グリセリン 10.0
10.水酸化カリウム 6.0
11.香料 適量
12.防腐剤 適量
13.金属イオン封鎖剤 適量
14.精製水 残量
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分14の適量に成分10を溶解し、油相に添加しケン化を行う。続いて、成分6〜9をケン化物に添加し、室温でさらに成分1、11〜13及び残りの成分14を添加する。
【0055】
(処方例10)ヘアローション
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.2
2.ステアリン酸 5.0
3.セチルアルコール 5.0
4.流動パラフィン 2.0
5.グリセリンモノステアレート 1.3
6.ソルビタンモノオレート 1.5
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(10E.O.) 0.8
8.グリセリン 6.0
9.防腐剤 適量
10.精製水 残量
[製造方法]成分2〜7を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1及び8〜10を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら冷却して製品とする。
【0056】
(処方例11)ヘアトニック
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 2.0
2.95%エタノール 60.0
3.グリセリン 2.0
4.精製水 残量
[製造方法]成分1を2に溶解し、成分3及び4を加え、十分撹拌混合し、製品とする。
【0057】
(処方例12)シャンプー
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.アルキル硫酸トリエタノールアミン 18.0
3.ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0
4.メチルセルロース 0.5
5.香料 適量
6.精製水 残量
[製造方法]成分6に成分4を均一に溶解した後、成分1及び2を加え、70〜75℃で加熱溶解した後、成分3を加え、冷却途中に成分5を加え30℃まで冷却し製品とする。
【0058】
(処方例13)浴用剤
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 5.0
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.黄色202号 適量
4.香料 適量
5.無水硫酸ナトリウム 残量
[製造方法]成分1〜5を均一に混合し製品とする。
【0059】
(処方例14)錠剤
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 1.0
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 24.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 7.0
6.タルク 3.0
[製造方法]成分1〜5を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒後乾燥する。成形した顆粒に成分6を加えて混合し打錠する。1錠0.52gとする。
【0060】
(処方例15)飲料
処方 含有量(重量%)
1.ハナカンナの抽出物 0.1
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.アスコルビン酸ナトリウム 1.0
5.香料 0.1
6.精製水 残量
[製造方法]成分1〜5を成分6の一部の精製水に撹拌溶解する。次いで、成分6の残りの精製水を加えて混合し、90℃に加熱して50mLのガラス瓶に充填する。