(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6587963
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】製函装置
(51)【国際特許分類】
B31B 50/78 20170101AFI20191001BHJP
B31B 50/60 20170101ALI20191001BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
B31B50/78
B31B50/60
B25J13/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-55660(P2016-55660)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-170624(P2017-170624A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2018年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】余吾 篤也
(72)【発明者】
【氏名】冨田 恵美
【審査官】
西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5545357(JP,B2)
【文献】
特開2002−011808(JP,A)
【文献】
特開平11−099569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B50/00−70/99
B31C1/00−99/00
B31D1/00−99/00
B25J13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体の胴部になる環状に接続された第1乃至第4パネル間における4つの接続部のうち、第1と第2の接続部を折って扁平にした段ボールからなるシートが段積み状態で収容される収容部と、
該収容部に収容されている前記シートの前記第2の接続部から離間した位置に設けられたシート押当体と、
第1吸着体と第2吸着体が配設されたロボットハンドと該ロボットハンドを可動領域内で自由移動させ得ると共に、前記収容部における前記段積みされた段ボールからなる前記シートの束における最上部の前記シートに接する位置まで前記第1吸着体を移動させ、該最上部の前記シートを移送する移送手段を有したロボットと、
前記移送手段による移動によって、前記収容部に収容されている前記最上部のシートから、該最上部の前記シートの前記第1の接続部に繋がった前記第1パネルを上方から前記第1吸着体で吸着する第1吸着手段と、
前記第1パネルを吸着した前記第1吸着体を上方へ移動して、前記第1の接続部を介して前記第1パネルに接続されて該第1パネルの下方側に位置している第2パネルを自重によって前記第1パネルから下方に離し、前記移送手段による前記第1パネルを吸着している前記第1吸着体の移動によって前記第1吸着体の下方側に前記第1パネルを位置させながら前記第1パネルから離間した位置に設けられた前記第2の接続部を前記シート押当体に押し付けて、前記第2の接続部の押し付け力と自重によって、前記第2パネルがさらに第1パネルから下方に離れて前記シートが展開することで前記胴部が角筒状になったフラップ成形前の半製函体に成形する押付手段と、
前記押付手段によって角筒状になった前記胴部のうち、前記第1の接続部を介して前記第1パネルに接続された第2パネルを前記第2吸着体で吸着する第2吸着手段と、
前記移送手段による前記ロボットハンドの移動によって、前記第1吸着手段と前記第2吸着手段による前記胴部の吸着を維持しながら前記半製函体の前記胴部のうち対向して配設された各パネルの一側に延在している内フラップを内側に夫々折り込む内フラップ折込手段と、
前記移送手段による前記ロボットハンドの移動によって、前記第1吸着手段と前記第2吸着手段による前記胴部の吸着を維持しながら各内フラップと接続しているパネルに隣接したパネルの一側に延在している外フラップを内側に折り込まれた一対の内フラップに重なるように夫々折り込む外フラップ折込手段と、
前記第1吸着手段と前記第2吸着手段による前記胴部の吸着を維持しながら、前記外フラップが折り込まれた半製函体を前記移送手段によって移送して前記内側に折り込まれて互いが対向している前記一対の外フラップの先端部にテープを貼り付けるテープ貼付手段を備える製函装置。
【請求項2】
前記第2吸着体は、支持体に配設されており、該支持体は、前記収容部において前記第1吸着体が前記第1パネルを吸着する際に前記収容部に干渉しない位置に前記第2吸着体と共に退避し、前記胴部が角筒状になった際に前記第2吸着体が前記第2パネルを吸着し得るよう該第2パネルに接近するよう前記ロボットハンドにスライド可能又は回動可能に支持されている請求項1に記載の製函装置。
【請求項3】
箱体の胴部になる環状に接続された第1乃至第4パネル間における4つの接続部のうち、第1と第2の接続部を折って扁平にしたシートが収容される収容部と、
該収容部に収容されている前記シートの前記第2の接続部から離間した位置に設けられたシート押当体と、
第1吸着体と第2吸着体が配設されたロボットハンドと該ロボットハンドを可動領域内で自由移動させ得ると共に、前記収容部における集積された扁平の前記シートの束における最も外側の前記シートに接する位置まで前記第1吸着体を移動させ、該最も外側の前記シートを移送する移送手段を有したロボットと、
前記移送手段による移動によって、前記収容部に収容されている前記最も外側の前記シートの前記第1の接続部に繋がった前記第1パネルを前記第1吸着体で吸着する第1吸着手段と、
前記移送手段による前記第1パネルを吸着している前記第1吸着体の移動によって前記第2の接続部を前記シート押当体に押し付けて前記胴部が角筒状になったフラップ成形前の半製函体に成形する押付手段と、
前記押付手段によって角筒状になった前記胴部のうち、前記第1の接続部を介して前記第1パネルに接続された第2パネルを前記第2吸着体で吸着する第2吸着手段と、
前記移送手段による前記ロボットハンドの移動によって、前記第1吸着手段と前記第2吸着手段による前記胴部の吸着を維持しながら前記半製函体の前記胴部のうち対向して配設された各パネルの一側に延在している内フラップを内側に夫々折り込む内フラップ折込手段と、
前記移送手段による前記ロボットハンドの移動によって、前記第1吸着手段と前記第2吸着手段による前記胴部の吸着を維持しながら各内フラップと接続しているパネルに隣接したパネルの一側に延在している外フラップを内側に折り込まれた一対の内フラップに重なるように夫々折り込む外フラップ折込手段と、
前記第1吸着手段と前記第2吸着手段による前記胴部の吸着を維持しながら、前記外フラップが折り込まれた半製函体を前記移送手段によって移送して前記内側に折り込まれて互いが対向している前記一対の外フラップの先端部にテープを貼り付けるテープ貼付手段を備え、
前記ロボットハンドは前記第1吸着体を支持する支持体を備え、
該支持体には、前記第1吸着手段が吸着している前記第1パネルの厚み方向に沿って延在すると共に前記第1吸着体が前記第1パネルを吸着した際に前記第1の接続部に当接して、前記第1吸着体に対するシートの位置ずれを規制する係止体が配設されている製函装置。
【請求項4】
前記テープ貼付手段は、第1貼付手段と第2貼付手段を備えると共に、該第1貼付手段と該第2貼付手段におけるテープの有無に関する情報を検知する検知手段を備えており、
前記検知手段により得られた前記第1貼付手段と前記第2貼付手段の何れか一方のテープ無しに関する情報に基づき、前記第1貼付手段と前記第2貼付手段の何れか他方に前記外フラップが折り込まれた半製函体を移送して前記一対の外フラップにテープを貼り付けるように構成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の製函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール紙などからなるシートを製函する製函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、胴貼りされた段ボール紙などからなる扁平な折り畳みシートを集積したシートマガジンから、シートを一つずつ取り出すと共に取り出したシートを開いて角筒状に成形した後、角筒状に成形した半製函体の底面又は上面になる内外フラップを折り込んでテープを貼り付けて底面または上面の何れかのみが開口した箱体にする製函装置が様々知られている。
【0003】
このような製函装置では、シートマガジンからシートを一つずつ取り出す第1処理工程と、シートを各筒状に成形する第2処理工程と、該成形してなる半製函体の一方の開口側に延在している一対の内フラップを開口側に折る第3処理工程と、開口側に折られた内フラップに重なるように一対の外フラップを内側に折る第4処理工程と、内側に折った一対の外フラップにテープを貼り付ける第5処理工程と、を有する。ここで、何れかの処理工程から次の処理工程に向けてシートを移送する何れか一部の移送工程には、ロボットハンド部に配設された吸着手段がシートを吸着する技術が採用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、上記第1、2、4処理工程に対応する処理工程及び一部の移送工程において、吸着手段がシートを保持する技術が開示されている。特許文献2には、上記第1、2、3処理工程に対応する処理工程及び一部の移送工程において、吸着手段がシートを保持する技術が開示されている。特許文献3には、上記第2〜4処理工程に対応する処理工程及び一部の移送工程において、吸着手段がシートを保持する技術が開示されている。特許文献4には、上記第1、3〜5処理工程に対応する処理工程及び一部の移送工程において、吸着手段がシートを保持する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−290608号公報
【特許文献2】特開2005−1304号公報
【特許文献3】特許5545357号公報
【特許文献4】特開2014−162216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、何れの上記特許文献においても、第1処理工程から第5処理工程に至る間で、ハンド部に設けた吸着手段が常時、シートを保持しているものではなく、ハンド部とは別の処理装置が、シートを一時的に保持したり、シートを一時的に移送したりする態様であることから、製函装置の大型化や構成部品の増加を招き得る。
【0007】
本発明は、胴貼りされたシートの取り出しから一対の外フラップにテープを貼り付け完了するまで共通の吸着手段がシートを保持し続けて綺麗な形状に製函し得る製函装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の製函装置は次の手段をとる。先ず請求項1に係る発明は、箱体(10)の胴部(12)になる環状に接続された第1乃至第4パネル(P1〜P4)間における4つの接続部のうち、第1と第2の接続部(J1、J2)を折って扁平にした
段ボールからなるシート(10A)が
段積み状態で収容される収容部(20)と、該収容部(20)に収容されている前記シート(10A)の前記第2の接続部(J2)から離間した位置に設けられたシート押当体(30)と、第1吸着体(111)と第2吸着体(121)が配設されたロボットハンド(106)と該ロボットハンド(106)を可動領域内で自由移動させ得ると共に、前記収容部(20)における
前記段積みされた段ボールからなる前記シート(10A)の束における
最上部の前記シート(10A)に接する位置まで前記第1吸着体(111)を移動させ、該
最上部の前記シート(10A)を移送する移送手段(Ri)を有したロボット(100)と、前記移送手段(Ri)による移動によって、前記収容部(20)に収容されている
前記最上部のシートから、該最上部の前記シート(10A)の前記第1の接続部(J1)に繋がった前記第1パネル(P1)を
上方から前記第1吸着体(111)で吸着する第1吸着手段(Rk1)と、
前記第1パネル(P1)を吸着した前記第1吸着体(111)を上方へ移動して、前記第1の接続部(J1)を介して前記第1パネル(P1)に接続されて該第1パネル(P1)の下方側に位置している第2パネル(P2)を自重によって前記第1パネル(P1)から下方に離し、前記移送手段(Ri)による前記第1パネル(P1)を吸着している前記第1吸着体(111)の移動によって
前記第1吸着体(111)の下方側に前記第1パネル(P1)を位置させながら前記第1パネル(P1)から離間した位置に設けられた前記第2の接続部(J2)を前記シート押当体(30)に押し付けて
前記第2の接続部(J2)の押し付け力と自重によって、前記第2パネル(P2)がさらに第1パネル(P1)から下方に離れて前記シート(10A)が展開することで前記胴部(12)が角筒状になったフラップ成形前の半製函体(10B)に成形する押付手段(Ro)と、前記押付手段(Ro)によって角筒状になった前記胴部(12)のうち、前記第1の接続部(J1)を介して前記第1パネル(P1)に接続された第2パネル(P2)を前記第2吸着体(121)で吸着する第2吸着手段(Rk2)と、前記移送手段(Ri)による前記ロボットハンド(106)の移動によって、前記第1吸着手段(Rk1)と前記第2吸着手段(Rk2)による前記胴部(12)の吸着を維持しながら前記半製函体(10B)の前記胴部(12)のうち対向して配設された各パネル(P1〜P4)の一側に延在している内フラップ(Fa)を内側に夫々折り込む内フラップ折込手段(RFa)と、前記移送手段(Ri)による前記ロボットハンド(106)の移動によって、前記第1吸着手段(Rk1)と前記第2吸着手段(Rk2)による前記胴部(12)の吸着を維持しながら各内フラップ(Fa)と接続しているパネル(P2、P4)に隣接したパネル(P1、P3)の一側に延在している外フラップ(Fb)を内側に折り込まれた一対の内フラップ(Fa)に重なるように夫々折り込む外フラップ折込手段(RFb)と、前記第1吸着手段(Rk1)と前記第2吸着手段(Rk2)による前記胴部(12)の吸着を維持しながら、前記外フラップ(Fb)が折り込まれた半製函体(10C)を前記移送手段(Ri)によって移送して前記内側に折り込まれて互いが対向している前記一対の外フラップ(Fb)の先端部にテープ(T)を貼り付けるテープ貼付手段(Rh)を備える。
【0009】
この請求項1に係る発明によれば、胴貼りされたシート(10A)を取り出してから半製函体(10B、10C)に成形して、その半製函体(10C)の一対の外フラップ(Fb)にテープ(T)を貼り付け終えるまで第1吸着手段(Rk1)における第1吸着体(111)が第1パネル(P1)を保持し続けると共に、第1吸着体(111)と共にロボットハンド(106)に配設された第2吸着手段(Rk2)における第2吸着体(121)が半製函体(10B)の第2パネル(P2)に吸着してから、前記一対の外フラップ(Fb)にテープを貼り付け終えるまで第2パネル(P2)を保持し続けるため、綺麗な形状に製函することができる。そのため、製函装置の大型化や構成部品の増加を抑制し得る。
【0011】
また、前記押付手段(Ro)によって第1吸着体(111)に吸着されたシート(10A)の前記第2の接続部(J2)を前記シート押当体(30)に押し付ける際に、第2パネル(P2)が自重によって下方に垂れ下がるように第1パネル(P1)から離れるため、シート(10A)が接続部とは異なる箇所で折れ曲がり難くなり、安定してシート(10A)を綺麗に展開した角筒状の胴部(12)に製函することができる。
【0012】
次に、
請求項1に従属する
請求項2に係る発明は、前記第2吸着体(121)は、支持体(122)に配設されており、該支持体(122)は、前記収容部(20)において前記第1吸着体(111)が前記第1パネル(P1)を吸着する際に前記収容部(20)に干渉しない位置に前記第2吸着体(121)と共に退避し、前記胴部(12)が角筒状になった際に前記第2吸着体(121)が前記第2パネル(P2)を吸着し得るよう該第2パネルに接近するよう前記ロボットハンド(106)にスライド可能又は回動可能に支持されている。
【0013】
この
請求項2に係る発明によれば、支持体(122)がロボットハンド(106)にスライド可能又は回動可能に支持されていることから、例えば、第1吸着体(111)が第1パネル(P1)を吸着する位置と収容部(20)との距離が短い状態でも、第2吸着手体(121)が収容部(20)と干渉することを防ぐことができる。即ち、前記胴部(12)を角筒状にするまでの間に必要に応じて支持体(122)及び第2吸着体(121)を前記収容部(20)に干渉しない位置に移動させておくことができる。
【0014】
次に、
請求項3に係る発明は、
箱体(10)の胴部(12)になる環状に接続された第1乃至第4パネル(P1〜P4)間における4つの接続部のうち、第1と第2の接続部(J1、J2)を折って扁平にしたシート(10A)が収容される収容部(20)と、該収容部(20)に収容されている前記シート(10A)の前記第2の接続部(J2)から離間した位置に設けられたシート押当体(30)と、第1吸着体(111)と第2吸着体(121)が配設されたロボットハンド(106)と該ロボットハンド(106)を可動領域内で自由移動させ得ると共に、前記収容部(20)における集積された扁平の前記シート(10A)の束における最も外側の前記シート(10A)に接する位置まで前記第1吸着体(111)を移動させ、該最も外側の前記シート(10A)を移送する移送手段(Ri)を有したロボット(100)と、前記移送手段(Ri)による移動によって、前記収容部(20)に収容されている前記最も外側の前記シート(10A)の前記第1の接続部(J1)に繋がった前記第1パネル(P1)を前記第1吸着体(111)で吸着する第1吸着手段(Rk1)と、前記移送手段(Ri)による前記第1パネル(P1)を吸着している前記第1吸着体(111)の移動によって前記第2の接続部(J2)を前記シート押当体(30)に押し付けて前記胴部(12)が角筒状になったフラップ成形前の半製函体(10B)に成形する押付手段(Ro)と、前記押付手段(Ro)によって角筒状になった前記胴部(12)のうち、前記第1の接続部(J1)を介して前記第1パネル(P1)に接続された第2パネル(P2)を前記第2吸着体(121)で吸着する第2吸着手段(Rk2)と、前記移送手段(Ri)による前記ロボットハンド(106)の移動によって、前記第1吸着手段(Rk1)と前記第2吸着手段(Rk2)による前記胴部(12)の吸着を維持しながら前記半製函体(10B)の前記胴部(12)のうち対向して配設された各パネル(P1〜P4)の一側に延在している内フラップ(Fa)を内側に夫々折り込む内フラップ折込手段(RFa)と、前記移送手段(Ri)による前記ロボットハンド(106)の移動によって、前記第1吸着手段(Rk1)と前記第2吸着手段(Rk2)による前記胴部(12)の吸着を維持しながら各内フラップ(Fa)と接続しているパネル(P2、P4)に隣接したパネル(P1、P3)の一側に延在している外フラップ(Fb)を内側に折り込まれた一対の内フラップ(Fa)に重なるように夫々折り込む外フラップ折込手段(RFb)と、前記第1吸着手段(Rk1)と前記第2吸着手段(Rk2)による前記胴部(12)の吸着を維持しながら、前記外フラップ(Fb)が折り込まれた半製函体(10C)を前記移送手段(Ri)によって移送して前記内側に折り込まれて互いが対向している前記一対の外フラップ(Fb)の先端部にテープ(T)を貼り付けるテープ貼付手段(Rh)を備え、前記ロボットハンド(106)は前記第1吸着体(111)を支持する支持体(112)を備え、該支持体(112)には、前記第1吸着手段(Rk1)が吸着している前記第1パネル(P1)の厚み方向に沿って延在すると共に前記第1吸着体(111)が前記第1パネル(P1)を吸着した際に前記第1の接続部(J1)に当接して、前記第1吸着体(111)に対するシート(10A)の位置ずれを規制する係止体(136)が配設されている。
【0015】
この
請求項3に係る発明によれば、第1吸着手段(Rk1)が第1パネル(P1)を吸着した際に、支持体(112)に配設された係止体136が、第1の接続部(J1)に当接するため、第1吸着体(111)に対するシート(10A)の位置ずれを規制することができる。そのため、より一層、シート(10A)を製函する品質を一定に保ち得る。
【0016】
次に、請求項1から
請求項3のいずれかに従属する
請求項4に係る発明は、前記テープ貼付手段(Rh)は、第1貼付手段(Rh1)と第2貼付手段(Rh2)を備えると共に、該第1貼付手段(Rh1)と該第2貼付手段(Rh2)におけるテープ(T)の有無に関する情報を検知する検知手段(54)を備えており、前記検知手段(54)により得られた前記第1貼付手段(Rh1)と前記第2貼付手段(Rh2)の何れか一方のテープ(T)無しに関する情報に基づき、前記第1貼付手段(Rh1)と前記第2貼付手段(Rh2)の何れか他方に前記外フラップが折り込まれた半製函体を移送して前記一対の外フラップ(Fb)にテープ(T)を貼り付けるように構成されている。
【0017】
この
請求項4に係る発明によれば、テープ貼付手段(Rh)は、検知手段(54)により得られたテープ貼付手段(Rh)における第1貼付手段(Rh1)と第2貼付手段(Rh2)の何れか一方のテープ(T)無しに関する情報に基づき、第1貼付手段(Rh1)と第2貼付手段(Rh2)の何れか他方に外フラップ(Fb)が折り込まれた半製函体を移送して一対の外フラップ(Fb)にテープ(T)を貼り付けることから、連続してテープ(T)の貼り付け作業が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記各発明の手段をとることにより、胴貼りされたシートの取り出しから一対の外フラップにテープを貼り付け完了するまで共通の吸着手段がシートを保持し続けて綺麗な形状に製函し得る製函装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る製函装置のロボットが扁平シートを吸着する状態を示した斜視図である。
【
図2】同ロボットが扁平シートを吸着した状態でシート吸着位置から離間した状態を示した斜視図である。
【
図3】同ロボットが扁平シートを半製函体に成形する状態を示した全体斜視図である。
【
図4】半製函体のフラップを折り込む状態を示した全体斜視図である。
【
図5】半製函体のフラップに接着テープを貼り付ける状態を示した全体斜視図である。
【
図6】同ロボットが製函した箱体を排出コンベヤに載置する状態を示した全体斜視図である。
【
図7】同ロボットが扁平シートを半製函体に成形する状態を示した図であり、(A)図は、ロボットハンドが扁平シートを吸着した状態の図であり、(B)図は、ロボットハンドが扁平シートの罫線をシート押当体に押し付ける状態を示した図であり、(C)図は、第2吸着装置が姿勢を変更して第2パネルを吸着する状態を示した図である。
【
図8】別の態様のロボットハンドを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の製函装置における一実施形態について図面を用いて説明する。
【0021】
本実施形態における製函装置の説明に先立って、係る製函装置によって製函される
図1〜3に示す扁平シート10Aについて説明する。扁平シート10Aは、例えば、段ボール紙などからなり、幅広の第1パネルP1及び第3パネルP3に対し、幅狭の第2パネルP2及び第4パネルP4が罫線を介して夫々接続されて環状に繋がるよう胴貼りされて、2つの罫線J1、J2で折られて扁平に折り畳まれたシートであって、各罫線を基点にそのシートを角筒状に展開した際には、第1パネルP1と第3パネルP3が対向すると共に、第2パネルP2と第4パネルP4が対向して角筒状の胴部12を構成する。また、各パネルP1〜P4の両縁部には、罫線を介して夫々外方に延在するフラップFが接続されている。これらのフラップFは、角筒状になった胴部12によって形成された開口部14側(互いの先端が近接する方向)に折り込まれることで、開口部14を塞いで上面、底面を構成することになる。フラップFは、幅狭の第2パネルP2と第4パネルP4に延在するのが内フラップFaであり、幅広の第1パネルP1と第3パネルP3に延在するのが外フラップFbである。なお、接着テープTによって、開口部14の一方を塞いだ、製函体10(箱体)になる前、即ち扁平シート10Aを起こして角筒状に成形した状態で内フラップFa,外フラップFbを折り込む前の状態をフラップ成形前の半製函体10Bと呼び、内フラップFa、外フラップFbを折り込んで開口部14を塞いだ際の一対の外フラップFbに接着テープTを貼り付ける前の状態をテープ貼り前の半製函体10Cと呼ぶこととする。
【0022】
製函装置は、
図1〜6に示すように、シートマガジン20と、シート押当体30と、ロボット100と、フラップ折込装置40(内フラップ折込装置40a、外フラップ折込装置40b)と、ガイド45と、テープ貼付装置50と、排出コンベヤ60と、を有する。ここで、本実施形態の製函装置は、ロボット100におけるロボットハンド106の可動域内にシートマガジン20と、シート押当体30と、フラップ折込装置40と、テープ貼付装置50と、排出コンベヤ60と、が一列に処理する順番に配設されている。
【0023】
シートマガジン20(収容部)は、上方に積み重ねられて段積み状態にされた扁平シート10Aを収容する収容部がローラコンベヤによって構成されている。扁平シート10Aは、シートマガジン20上において、第1パネルP1側が上面、第2パネルP2が下面とし、且つ罫線J1(第1の接続部)が製函装置の上流側に位置し、罫線J2(第2の接続部)が下流側(排出コンベヤ60側)となる姿勢で貯留されている。
【0024】
シートマガジン20における扁平シート10Aの搬送終端には、シート押当体30が扁平シート10Aの罫線J2に対向するよう鉛直上方に起立して配設されている。
図7(A)〜
図7(C)に示すように、本実施形態におけるシート押当体30の高さ30Hは、扁平シート10Aの一束の積層高さ寸法10Hと、第2パネルP2における罫線J1に直交する方向の幅寸法P2Hと、を加えた高さ寸法より高くなるように設定されている。
【0025】
ロボット100は、複数の関節部の間を連結するアーム102と、アーム102の先端側の関節部に設けられたロボットハンド106と、アーム102及びロボットハンド106の作動を制御する制御部(不図示)を有する多関節ロボットである。これにより、ロボットハンド106は、シートマガジン20、シート押当体30、フラップ折込装置40、テープ貼付装置50、排出コンベヤ60が配設された領域を含む3次元空間における可動領域において自由移動可能な構成とされている。
【0026】
ロボットハンド106には、扁平シート10Aの第1パネルP1を吸着保持する第1吸着装置110と、第2パネルP2を吸着保持する第2吸着装置120を有する。第1吸着装置110は、複数(本実施形態では4個)の第1吸着体111と第1吸着体111を支持する第1の支持体112を備えている。第1の支持体112は、平板状部材がアーム102の先端側の関節部に回動可能に接続されており、第1の支持体112の板面上に複数の第1吸着体111が互いに間隔を開けて設けられている。第1吸着体111は、不図示のエア源により発生した負圧で扁平シート10Aの第1パネルP1を吸着するように構成されている。第2吸着装置120も第1吸着装置110と同様の構成として複数(本実施形態では2個)の第2吸着体121と第2の支持体122を有している。また、ロボットハンド106は、
図7に示すように第1吸着装置110に対する第2吸着装置120の姿勢を変更する姿勢変更手段130を備えている。姿勢変更手段130は、第2の支持体122が第1の支持体112と平行する位置と直交する位置との間を回動するようにヒンジ構造にて連結されている。また、姿勢変更手段130は、第1の支持体112と第2の支持体122の間にエアシリンダ132等の各種の駆動手段とリンク機構134等の機械的伝達手段が介装されており、このエアシリンダ132とリンク機構134の作動によって第2の支持体122を回動可能に構成している。また第1の支持体112には、第1吸着装置110の第1吸着体111が吸着している扁平シート10Aにおける第1パネルP1の厚み方向に沿って延在すると共に、扁平シート10Aの罫線J1に当接して、第1吸着装置110に対する扁平シート10Aとの位置ずれを規制する係止体136が配設されている。なお、ロボット100において、第1吸着体111と第2吸着体121が配設されたロボットハンド106を可動領域内で自由移動させ得る構成が、本発明の「移送手段Ri」に相当する。
【0027】
フラップ折込装置40は、内フラップ折込装置40aと外フラップ折込装置40bからなる。内フラップ折込装置40a及び外フラップ折込装置40bは、エアシリンダ等の各種の駆動手段によって進退するそれぞれ一対のロッドの先端部を、内フラップFa及び外フラップFbの夫々の板面に順次突き当てることによって、一対の内フラップFa及び一対の外フラップFbを折り込むように構成されている。フラップ折込装置40は、
図1〜6に示すように、ロボット100によってフラップ成形前の半製函体10Bを吸着保持している際に、内フラップ折込装置40aによってフラップ成形前の半製函体10Bの一側縁側に延在している一対の内フラップFaを夫々折り込んだ後、これらの内フラップと同じ一側縁側に延在している一対の外フラップFbを外フラップ折込装置40bによって内側に夫々折り込む。なお、各種の駆動手段が、それぞれ一対のロッドを進退させるためのエア供給切替えタイミングの指令は、ロボット100の制御部によってなされるようになっている。
【0028】
ガイド45は、外フラップ折込装置40bによって折り込まれた外フラップFbの開きを防止しながらロボット100がテープ貼り前の半製函体10Cをテープ貼付装置50に移送するために、その移動の間ロボット100によって押付けられる外フラップFbを支持しながらテープ貼付装置50に向けて案内する。
【0029】
テープ貼付装置50は、
図1〜6に示すように、円環状の捲き芯の外周に巻きつけられた帯状の接着テープTを順次繰り出して、折り込まれた外フラップFbの先端部に貼り付ける装置である。テープ貼付装置50は、第1貼付装置51と第2貼付装置52を備える。この第1貼付装置51と第2貼付装置52は、上下に離間して配設されている。また、テープ貼付装置50は、第1貼付装置51と第2貼付装置52におけるテープの有無に関する情報を検知する非接触式センサ等からなる検知手段54を備えている。この検知手段54は、上述のロボット100における制御部と接続されている。検知手段54は、現在使用している第1貼付装置51と第2貼付装置52の何れか一方のテープが終了したことを検知すると、ロボット100は、その終了に関する情報に基づき、接着テープTが充填されている第1貼付装置51と第2貼付装置52の何れか他方の予備のテープ貼付装置50にフラップ成形前の半製函体10Bを移送して外フラップFbにテープを貼り付けることができるように構成されている。
【0030】
排出コンベヤ60は、製函体10を次工程に移載するコンベヤであり、例えばベルトコンベヤ等が適用される。
【0031】
次に、製函装置の動きについて
図1〜7を用いて説明する。
【0032】
図1、
図7(A)に示すように、ロボット100は、ロボットハンド106をシートマガジン20に収容される扁平シート10Aの束の上方に移動した後、第1吸着装置110の第1吸着体111を、一番上に積まれた扁平シート10Aの第1パネルP1を吸着するに接する吸着位置106Aまで下降させる。
【0033】
図2、
図7(A)(B)に示すように、ロボット100は、ロボットハンド106における第1吸着装置110の第1吸着体111が第1パネルP1を吸着すると共に、各アームを回動させて扁平シート10Aを吸着位置106Aから上方に離間した離間位置106Bまで持ち上げる。ここで、ロボット100が吸着位置106Aから離間位置106Bまでの離間長さLは、第2パネルP2における罫線J1に直交する方向の幅寸法P2Hを越える長さである。ロボットハンド106によって吸着保持された扁平シート10Aは、第1吸着装置110の下方側に第1パネルP1を位置させるため、第2パネルP2が自重によって下方に垂れ下がるように離れるため、扁平シート10Aが罫線とは異なる箇所で折れ曲がり難くなり、安定して綺麗に展開した角筒状の胴部12に製函する。ここで、ロボット100による移動によって、シートマガジン20に収容されている扁平シート10Aの罫線J1に繋がった第1パネルP1を第1吸着体111で吸着する構成が、本発明における「第1吸着手段Rk1」に相当する。
【0034】
図3、
図7(C)に示すように、ロボット100は、第1吸着装置110が第1パネルP1を吸着した状態で、扁平シート10Aの罫線J2をシート押当体30に押し付けて扁平シート10Aを角筒状に成形する。このとき、扁平シート10Aの罫線J1が係止体136と当接している。そのため、扁平シート10Aは、第1吸着装置110に対し面方向の位置ずれが規制される。また、姿勢変更手段130におけるエアシリンダ132とリンク機構134の作動によって第2の支持体122を回動させて第1パネルP1に対し第2パネルP2が直交するように第2吸着装置120の姿勢を変更し、第2吸着体121によって第2パネルP2を吸着する。これにより、扁平シート10Aは、フラップ成形前の半製函体10Bとなる。なお、ロボット100における第1吸着装置110が第1パネルP1を吸着した状態で、第1吸着装置110をシートマガジン20から移動させると共に扁平シート10Aの罫線J2をシート押当体30に押し付けて扁平シート10Aをフラップ成形前の半製函体10Bに成形する構成が、本発明における「押付手段Ro」に相当する。また、押付手段Roによって角筒状になった胴部12のうち、罫線J1を介して第1パネルP1に接続された第2パネルP2を第2吸着体121で吸着する構成が、本発明における「第2吸着手段Rk2」に相当する。
【0035】
図4に示すように、ロボット100は、ロボットハンド106でフラップ成形前の半製函体10Bを第1吸着装置110及び第2吸着装置120で吸着した状態でフラップ折込装置40に移送する。フラップ折込装置40においては、まず内フラップ折込装置40aがエアシリンダ等の各種の駆動手段によって進退する一対のロッドの先端部を、内フラップFaの板面に順次突き当てることで開口部14に向かって折り込む。ついで、外フラップ折込装置40bが、一対のロッドを外フラップFbの板面に順次突き当てることで折り込み、内フラップFaの外側に重なるように折り込む。これにより、フラップ成形前の半製函体10Bからテープ貼り前の半製函体10Cとなる。ここで、ロボット100におけるロボットハンド106の移動によって、第1吸着装置110と第2吸着装置120による胴部12の吸着を維持しながらフラップ成形前の半製函体10Bの胴部12のうち対向して配設された各パネルP1〜P4の一側に延在している内フラップFaを内側に夫々折り込む構成が、本発明の「内フラップ折込手段RFa」に相当する。また、ロボット100におけるロボットハンド106の移動によって、第1吸着装置110と第2吸着装置120による胴部12の吸着を維持しながら各内フラップFaと接続しているパネルP2、P4に隣接したパネルP1、P3の一側に延在している外フラップFbを内側に折り込まれた一対の内フラップFaに重なるように夫々折り込む構成が、本発明の「外フラップ折込手段RFb」に相当する。
【0036】
図5に示すように、ロボット100は、ロボットハンド106でテープ貼り前の半製函体10Cを第1吸着装置110及び第2吸着装置120で吸着した状態でテープ貼付装置50に移送する。ここで、ロボット100は、第1貼付装置51と第2貼付装置52における検知手段54のテープ有無に関する情報を受けて、第1貼付装置51と第2貼付装置52のうち接着テープTが充填された方に移送する。テープ貼付装置50は、円環状の捲き芯の外周に巻きつけられた帯状の接着テープTを順次繰り出して、移送されたテープ貼り前の半製函体10Cの外フラップFbの先端部に接着テープTを貼り付けて封函し、製函体10とする。ここで、ロボット100におけるロボットハンド106の移動によって、第1吸着装置110と第2吸着装置120による胴部12の吸着を維持しながら、外フラップFbが折り込まれたテープ貼り前の半製函体10Cをロボット100によって移送して内側に折り込まれて互いが対向している一対の外フラップFbの先端部にテープTを貼り付ける構成が、本発明の「テープ貼付手段Rh」に相当する。
【0037】
図6に示すように、ロボット100は、製函体10を次工程に移載するため、排出コンベヤ60上に載置する。以上の動きを繰り返し行うことで連続して製函体10を次工程へ供給する。
【0038】
以上のような製函装置は、次のような効果がある。
・製函装置は、胴貼りされたシートの取り出しから一対の外フラップFbに接着テープTを貼り付け完了するまで共通の吸着手段である第1吸着装置110、第2吸着装置120がシートを保持し続けて製函することができる。
・胴貼りされた扁平シート10Aを取り出してからフラップ成形前の半製函体10B、テープ貼り前の半製函体10Cに成形して、そのテープ貼り前の半製函体10Cの一対の外フラップFbにテープTを貼り付け終えるまで第1吸着手段Rk1における第1吸着体111が第1パネルP1を保持し続けると共に、第1吸着体111と共にロボットハンド106に配設された第2吸着手段Rk2における第2吸着体121がフラップ成形前の半製函体10Bの第2パネルP2に吸着してから、一対の外フラップFbにテープを貼り付け終えるまで第2パネルP2を保持し続けるため、綺麗な形状に製函することができる。そのため、製函装置の大型化や構成部品の増加を抑制し得る。
・押付手段Roとしてのロボット100によって第1吸着体111によって吸着された扁平シート10Aの罫線J2をシート押当体30に押し付ける際に、第2パネルP2が自重によって下方に垂れ下がるように第1パネルP1から離れるため、扁平シート10Aが罫線J1〜J4とは異なる箇所で折れ曲がり難くなり、安定して扁平シート10Aを綺麗に展開した角筒状の胴部12に製函することができる。
・押付手段Roとしてのロボット100は、シートマガジン20に収容される他の扁平シート10Aと干渉することがなく、円滑に扁平シート10Aをフラップ成形前の半製函体10Bにすることができる。また、第2吸着装置120は、第1パネルP1に対する第2パネルP2の角度が垂直になった際に、第2パネルP2を吸着するため、扁平シート10Aの各パネルP1〜P4に対する角度を直角に保った角筒状に成形することができ、扁平シート10Aを製函する品質を一定に保つことができる。
・製函装置は、姿勢変更装置130を有することで、第1吸着装置110が第1パネルP1を吸着する位置とシートマガジン20との距離が短い状態でも、第2吸着装置120が載置面と干渉することを防ぐことができる。
・第1の支持体112には、第1吸着装置110に対する扁平シート10Aとの位置ずれを規制する係止体136が配設されている。そのため、第1吸着装置110が第1パネルP1を吸着する際に、第1吸着装置110と罫線J1との相対的な位置ずれを規制することができる。
・テープ貼付手段Rhは、第1貼付装置51と第2貼付装置52及びテープTの有無に関する情報を検知する検知手段54を備えている。また、テープ貼付手段Rhは、検知手段54により得られた第1貼付装置51と第2貼付装置52の何れか一方のテープT無しに関する情報に基づき、移送手段Riによって第1貼付装置51と第2貼付装置52の何れか他方にシートを移送して外フラップFbにテープTを貼り付ける。そのため、テープ貼付手段Rhは、第1貼付装置51と第2貼付装置52において、テープTが充填されている貼付装置を選択する態様となり、いずれか一方の貼付装置のテープTが無くなってもテープTのあるテープ貼付装置50へ移送させてテープTの貼付作業を持続することができる。そのため、テープTの充填の際に製函装置を止める必要が無く連続したテープTの貼り付け作業が可能となる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の製函装置は、実施形態に限定されず、以下のようにその他各種の形態で実施することができるものである。
・本実施形態における製函体10は略直方体について説明したが立方体の箱体であってもよい。
・本実施形態の製函装置における各装置のレイアウトは一例に過ぎず、各装置は、直列的な配設に限られず種々の配設位置を適用できる。例えば、各装置を環状に配設するレイアウトであってもよい。
・シートマガジン20(収容部)は、扁平シート10Aを水平方向に段積みして貯留する態様に限られない。例えば、複数の扁平シート10Aを複数積層した状態で立て掛けて貯留する態様であってもよい。
・シートマガジン20(収容部)とシート押当体30必ずしも一体に構成される必要はなく互いを離間して配設してもよい。
・シート押当体30は、平板状に限られず、罫線J2に押し付ける態様であればよく、例えば、棒状の部材が立設された態様であってもよい。
・ロボット100は、扁平シート10Aを吸着位置106Aから離間位置106Bに移動する動きと、扁平シート10Aの罫線J2をシート押当体30に押し付ける動きは、別々であったが、これらを同時に行う動きであってもよい。
・第2吸着装置120が第2パネルP2を吸着した際に第1パネルP1と第2パネルP2が垂直であればよい。すなわち、第2吸着装置120が第2パネルP2を吸着する前のフラップ成形前の半製函体10Bの状態においては、必ずしも第1パネルP1に対する第2パネルP2が垂直である態様に限られない。
・姿勢変更手段130は、第2吸着装置120が、第1吸着装置110に対して回動する態様を示したがこれに限られない。例えば、第2吸着装置120を第1吸着装置110に対し直交する方向に直線移動可能に構成して、扁平シート10Aの第1パネルP1に対し第2パネルP2が直角に成形された際に、第2吸着装置120を第2パネルP2に沿って直線移動させた後に第2パネルP2を吸着するよう構成してもよい。
・
図8に示すように、ロボットハンドに配設された第1吸着装置210と第2吸着装置220の角度が垂直固定の態様であってもよい。係る態様の場合、第2吸着装置220そのものが上記実施形態における係止体と同様に第1吸着装置210に対する扁平シート10Aの位置ずれ防止機能を備える。
・外フラップFbに接続された第3パネルP3を第1吸着装置110が吸着した状態で吸着位置106Aから離間すると共に、扁平シート10Aの一端を押し付けて角筒状のフラップ成形前の半製函体10Bに成形し、内フラップに接続された第1パネル又は第4パネルを第2吸着装置120が吸着するように構成されてもよい。この場合には、ロボット100によるフラップ成形前の半製函体10Bを上下方向に移送しながら一対の外フラップFbの先端に接着テープTを貼り付けることが可能になるようにテープ貼付装置50を配設することが好ましい。
【符号の説明】
【0040】
10:製函体(箱体) 12:胴部 10A:扁平シート(扁平にしたシート)
10B:フラップ成形前の半製函体 10C:テープ貼り前の半製函体
P1:第1パネル P2:第2パネル P3:第3パネル P4:第4パネル
J1:罫線(第1の接続部) J2:罫線(第2の接続部) Fa:内フラップ
Fb:外フラップ 20:シートマガジン(収容部) 30:シート押当体
Ri:移送手段 100:ロボット 106:ロボットハンド
Rk1:第1吸着手段 111:第1吸着体
Rk2:第2吸着手段 121:第2吸着体 Ro:押付手段
Rh:テープ貼付手段 Rh1:第1貼付手段 Rh2:第2貼付手段
Rfa:内フラップ折込手段 Rfb:外フラップ折込手段 54:検知手段
112:第1の支持体(支持体) 122:第2の支持体(支持体)
136:係止体 T:接着テープT(テープ)