特許第6588021号(P6588021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588021電気化学反応を実施するために余熱を利用するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588021
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】電気化学反応を実施するために余熱を利用するシステム
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/02 20060101AFI20191001BHJP
   C25B 1/00 20060101ALI20191001BHJP
   C25B 1/04 20060101ALI20191001BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20191001BHJP
   F23G 5/46 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   C25B15/02 302
   C25B1/00 ZZAB
   C25B1/04
   F27D17/00 101Z
   F27D17/00 104G
   F23G5/46 Z
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-547250(P2016-547250)
(86)(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公表番号】特表2016-540897(P2016-540897A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】IL2014000049
(87)【国際公開番号】WO2015052695
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2017年9月12日
(31)【優先権主張番号】61/890,191
(32)【優先日】2013年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516109222
【氏名又は名称】ニュー シーオー2 フュエルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ハルパズ ロイ
(72)【発明者】
【氏名】シェイナー デイビッド
【審査官】 國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0041740(US,A1)
【文献】 特開2005−232521(JP,A)
【文献】 特表2013−522457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00−15/08
F27D 17/00−99/00
F23G 5/44− 5/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業工程により生成される余熱を電気化学工程において利用するシステムであって、前記システムが、
事前に規定された最小温度で実施されることを必要とする電気化学工程を実施するための電気化学反応器と、
前記工業工程において生成されるガス状供給流を受け入れ、前記ガス状供給流を前記システムに運ぶように作用する手段と、
前記電気化学反応器に1つ以上の化学反応物を導入するための入口と、前記電気化学反応器から出力生成物を排出するための少なくとも1つの反応ガス出口手段と、
前記電気化学反応器から排出された出力生成物を運ぶための生成物搬送手段と、
前記電気化学工程の生成物を導入するための少なくとも1つの入口手段を有する燃焼器と、
前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を燃焼器へ運ぶように動作するリサイクル手段と、
を含み、
前記電気化学反応器が反応領域及び熱交換領域を有し、前記熱交換領域は前記ガス状供給流により加熱され、そして、前記熱交換領域は対流又は放熱により反応領域に熱エネルギーを伝達し、
前記ガス状供給流は可変な高温であり、少なくとも一部の時間の間、前記電気化学工程を実施するために必要な前記事前に規定された最小温度よりも低い温度であり、
前記システムにより受け入れられた前記ガス状供給流の温度が、前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記燃焼器が、前記ガス状供給流の温度を上昇させるために、前記電気化学工程の生成物を燃焼するように動作し、それにより、前記ガス状供給流が、前記事前に規定された必要最小温度以上の温度で、前記電気化学反応器に導入されることを確実にする、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記システムが、直列に配置された複数の部分を含み、それぞれの部分が、少なくとも1つの電気化学反応器及び少なくとも1つの燃焼器を含み、前記電気化学反応器が反応領域及び熱交換領域を有し、前記熱交換領域は前記ガス状供給流により加熱され、そして、前記熱交換領域は対流又は放熱により反応領域に熱エネルギーを伝達し、前記燃焼器が前記電気化学工程の生成物を導入するための少なくとも1つの入口手段を有し、前記システムにより受け入れられた前記ガス状供給流の温度が、前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記燃焼器が、前記ガス状供給流の温度を上昇させるために、前記電気化学工程の生成物を燃焼するように動作し、それにより、前記ガス状供給流は、前記事前に規定された必要最小温度以上の温度それぞれの部分に属する少なくとも1つの前記電気化学反応器に導入されることを確実にしそして、前記システムが前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を燃焼器へ運ぶように動作するリサイクル手段を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ガス状供給流が、エネルギー含有化合物、可燃性化合物及び毒性化合物からなる群から選択された化合物の1つ以上の残渣を含み、前記システムがさらに、前記システムへの酸化剤の導入を可能にする予備入口と、前記残渣を燃焼するための燃焼器と、を含み、それにより、前記ガス状供給流の温度を前記事前に規定された必要最小温度以上の温度に上昇させることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電気化学反応器が、前記工業工程の余熱が生成されるチェンバの空洞内に少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記工業工程が、セメント製造工程、ガラス製造工程、製鋼工程、アルミニウム製造工程、ガス化、バイオガス燃焼、焼却、改質工程及び発電からなる群の一部であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
さらに、前記システムに電流を導入するように作用する手段を含み、前記電流導入手段が、前記ガス状供給流の流入エネルギーの減少に伴い、前記システムに導入する電流を増加するように作用することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
工業工程により生成される余熱を電気化学工程において利用する方法であって、前記方法が、
事前に規定された最小温度で実施されることを必要とする電気化学工程を実施するための電気化学反応器を提供するステップ、
前記工業工程において生成され、少なくとも一部の時間の間、前記電気化学工程を実施するために必要な前記事前に規定された最小温度よりも低い、可変な高温であるガス状供給流を受け入れるステップ、
前記電気化学反応器の熱交換領域を前記ガス状供給流により加熱し、前記電気化学反応器の反応領域に熱エネルギーを伝達するステップ、
前記電気化学反応器に1つ以上の化学反応物を導入するステップ、
前記電気化学反応器から前記電気化学工程の生成物を排出するステップ、
排出された前記電気化学工程の生成物の一部を燃焼器へリサイクルするステップ、
リサイクルされた前記電気化学工程の生成物を前記燃焼器へ導入するステップ、
を含み、
受け入れられた前記ガス状供給流の温度が、前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記燃焼器が、前記ガス状供給流の温度を上昇させるように動作し、それにより、前記ガス状供給流が、前記事前に規定された必要最小温度以上の温度で、前記電気化学反応器に導入されることを確実にする、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記方法がさらに、直列に配置された複数の部分を提供することを含み、それぞれの部分が、少なくとも1つの電気化学反応器及び少なくとも1つの燃焼器を含み、そして、前記方法が、前記ガス状供給流の温度が前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記ガス状供給流、燃焼器内で前記事前に規定された必要最小温度以上の温度に加熱た後に、電気化学反応器に導入することを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ガス状供給流を受け入れるステップが、エネルギー含有化合物、可燃性化合物及び毒性化合物からなる群から選択された化合物の1つ以上の残渣を含むガス状供給流を受け入れることを含み、そして、前記方法がさらに、前記残渣を燃焼するための酸化剤を導入するステップを含み、それにより、前記ガス状供給流の温度を前記事前に規定された必要最小温度以上の温度に上昇させることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記工業工程は、セメント製造工程、ガラス製造工程、製鋼工程、アルミニウム製造工程、ガス化、バイオガス燃焼、焼却、改質工程及び発電からなる群の一部であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記リサイクル手段が、前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を、前記生成物の一部が生成された前記電気化学反応器と同じ部分内に配置された燃焼器に運ぶように動作することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記リサイクル手段が、前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を中央貯蔵手段に運ぶように動作することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に余熱を利用するシステム及び方法に関し、より詳しくは、変化する運転状態で放出される余熱を利用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高温下で操業する多くの工業用工場における既知の問題の1つは、施設から放出され、有効に利用することが出来ない余熱の発生である。
【0003】
流出ガス内のエネルギー含有量にはかなりの潜在能力があるが、いまだに、この潜在能力を利用することに関する典型的な問題は、高温ガス状供給流は一時的な基準で、例えばバッチ処理、副産物高温ガスの一定でない生成等の結果、生成される副産物であることである。したがって、経済的な観点から望ましい、この熱を利用した継続的な工程を運転するために、実質的に一定でない高温ガス供給又は高温ガスの断続的な供給に頼ることは実質的に不可能である。
【0004】
この問題を解決するための1つの方法は、工程から放出される高温ガスを貯蔵するための貯蔵庫をシステム内に備えることにより、貯蔵庫から一定の高温ガス状供給を送出することである。しかしながら、この解決法は、高温でガスを貯蔵して圧縮する必要性に伴う費用により、非実用的である。
【0005】
中間貯蔵を備えるためのもう1つの方法は、熱を貯蔵する相変化材料を使用することである。しかしながら、同様にそのような工程に関係する費用並びに(貯蔵及び回収工程における温度の減少による)工程の効率損失により、この解決法は非実用的である。
【0006】
また、そのような貯蔵を備えるためのもう1つの方法は、高い熱容量を有する材料(例えば、余熱を含む高温ガスが通過して流れる耐火煉瓦)を使用することにより、そして、この媒体を加熱することにより、顕熱として余熱を貯蔵することである。同様に、この解決法も上記の解決法と同様の欠点に悩まされるものである。
【0007】
上記の点から見て、余熱を利用することを可能にし、その結果、余熱を生成する工程全体の効率を増加することを可能にする解決策を得る必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
添付の特許請求の範囲を参照することにより本開示を要約することが出来る。
【0009】
本開示の目的は、工業工程において放出される余熱を利用するシステム及び方法を提供することである。
【0010】
本開示のもう1つの目的は、余熱が可変条件で提供される間に、電気化学反応を実施するために余熱を利用するシステム及び方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、以下の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の第1の側面によると、工業工程により生成される余熱を電気化学工程において利用するシステムであって、前記システムが、
(妥当な工程効率を達成するために、)事前に規定された最小温度で実施されることを必要とする電気化学工程を実施するための電気化学反応器と、
前記工業工程において生成されるガス状供給流を受け入れ、前記ガス状供給流を前記システムに運ぶように作用する手段と、
前記電気化学反応器に1つ以上の化学反応物を導入するための入口と、前記電気化学反応器から出力生成物を排出するための少なくとも1つの反応ガス出口手段と、
前記電気化学反応器から排出された出力生成物を運ぶための生成物搬送手段と、
前記電気化学工程の生成物を導入するための少なくとも1つの入口手段を有する燃焼器と、
前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を燃焼器へ運ぶように動作するリサイクル手段と、
を含み、
前記電気化学反応器が反応領域及び熱交換領域を有し、前記熱交換領域は前記ガス状供給流により加熱され、そして、前記熱交換領域は対流又は放熱により反応領域に熱エネルギーを伝達し、
前記ガス状供給流は可変な高温であり、少なくとも一部の時間の間、前記電気化学工程を実施するために必要な前記事前に規定された最小温度よりも低い温度であり、
前記システムにより受け入れられた前記ガス状供給流の温度が、前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記燃焼器が、前記ガス状供給流の温度を上昇させるために、前記電気化学工程の生成物を燃焼するように動作し、それにより、前記ガス状供給流が、前記事前に規定された必要最小温度以上の温度で、前記電気化学反応器に導入されることを確実にする、ことを特徴とするシステムを提供する。
【0013】
もう1つの実施形態によると、前記システムが、直列に配置された複数の部分を含み、それぞれの部分が、少なくとも1つの電気化学反応器及び少なくとも1つの燃焼器を含み、前記電気化学反応器が反応領域及び熱交換領域を有し、前記熱交換領域は前記ガス状供給流により加熱され、そして、前記熱交換領域は対流又は放熱により反応領域に熱エネルギーを伝達し、前記燃焼器が前記電気化学工程の生成物を導入するための少なくとも1つの入口手段を有し、前記システムにより受け入れられた前記ガス状供給流の温度が、前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記燃焼器が、前記ガス状供給流の温度を上昇させるために、前記電気化学工程の生成物を燃焼するように動作し、それにより、前記ガス状供給流は、前記事前に規定された必要最小温度以上の温度それぞれの部分に属する少なくとも1つの前記電気化学反応器に導入されることを確実にしそして、前記システムが前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を燃焼器へ運ぶように動作するリサイクル手段を含む。
【0014】
もう1つの実施形態によると、前記ガス状供給流が、エネルギー含有化合物、可燃性化合物及び毒性化合物等からなる群から選択された化合物の1つ以上の残渣を含み、前記システムがさらに、前記システムへの酸化剤の導入を可能にする予備入口と、前記残渣を燃焼するための燃焼器と、を含み、それにより、前記ガス状供給流の温度を前記事前に規定された必要最小温度以上の温度に上昇させる。
【0015】
もう1つの実施形態によると、前記電気化学反応器が、前記工業工程の余熱が生成されるチェンバの空洞内に少なくとも部分的に配置される。また、前記チェンバ内に配置される電気化学反応器の周りにジャケットを配置することもでき、前記ジャケットは反応器温度を調節するためのバッファとして使用することができる。
【0016】
ここで特許請求の範囲及び明細書において使用されている単語「チェンバ」は、余熱が生成される囲いを示しているものである。
【0017】
また、もう1つの実施形態によると、前記工業工程が、セメント製造工程、ガラス製造工程、製鋼工程、アルミニウム製造工程、ガス化、バイオガス燃焼、焼却、改質工程及び発電からなる群の一部である。
【0018】
もう1つの実施形態によると、システムがさらに、前記システムに電流を導入するように作用する手段を有し、この手段が、前記ガス状供給流の流入エネルギーの減少に伴い、前記システムに導入される電流を増加するように作用する。
【0019】
本開示のもう1つに側面によると、工業工程により生成される余熱を電気化学工程において利用する方法が提供される。前記方法が、
事前に規定された最小温度で実施されることを必要とする電気化学工程を実施するための電気化学反応器を提供するステップ、
前記工業工程において生成され、少なくとも一部の時間の間、前記電気化学工程を実施するために必要な前記事前に規定された最小温度よりも低い、可変な高温であるガス状供給流を受け入れるステップ、
前記電気化学反応器の熱交換領域を前記ガス状供給流により加熱し、前記電気化学反応器の反応領域に熱エネルギーを伝達するステップ、
前記電気化学反応器に1つ以上の化学反応物を導入するステップ、
前記電気化学反応器から前記電気化学工程の生成物を排出するステップ、
排出された前記電気化学工程の生成物の一部を燃焼器へリサイクルするステップ、
リサイクルされた前記電気化学工程の生成物を前記燃焼器へ導入するステップ、
を含み、
受け入れられた前記ガス状供給流の温度が、前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記燃焼器が、前記ガス状供給流の温度を上昇させるように動作し、それにより、前記ガス状供給流が、前記事前に規定された必要最小温度以上の温度で、前記電気化学反応器に導入されることを確実にする、ことを特徴とする方法が提供される。
【0020】
この側面のもう1つの実施形態によると、前記方法がさらに、直列に配置された複数の部分を提供することを含み、それぞれの部分が、少なくとも1つの電気化学反応器及び少なくとも1つの燃焼器を含み、そして、前記方法が、前記ガス状供給流の温度が前記事前に規定された必要最小温度よりも低い場合、前記ガス状供給流、燃焼器内で前記事前に規定された必要最小温度以上の温度に加熱た後に、電気化学反応器に導入することを含む。
【0021】
もう1つの実施形態によると、前記ガス状供給流を受け入れるステップが、エネルギー含有化合物、可燃性化合物及び毒性化合物からなる群から選択された化合物の1つ以上の残渣を含むガス状供給流を受け入れることを含み、そして、前記方法がさらに、前記残渣を燃焼するための酸化剤を導入するステップを含み、それにより、前記ガス状供給流の温度を前記事前に規定された必要最小温度以上の温度に上昇させる。当業者には分かるように、工業工程からガス状供給流が放出された後に前記化合物をガス状供給流に加えた結果、又は工業工程から放出された時にガス状供給流に含まれる副産物として、ガス状供給流は1つ以上の残渣を含むことができる。
【0022】
また、本発明のこの側面のもう1つの実施形態によると、前記工業工程は、セメント製造工程、ガラス製造工程、製鋼工程、アルミニウム製造工程、ガス化、バイオガス燃焼、焼却、改質工程及び発電からなる群の一部である。
【0023】
もう1つの実施形態によると、前記リサイクル手段が、前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を、前記生成物の一部が生成された前記電気化学反応器と同じ部分内に配置された燃焼器に運ぶように動作する。
【0024】
また、もう1つの実施形態によると、前記リサイクル手段が、前記電気化学反応器で生成された生成物の一部を中央貯蔵手段に運ぶように動作する。
【0025】
本発明のより完全な理解のために、添付の図面とともに、以下に記載の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態によるシステムの実施例の概略ブロック図である。
図2】本発明のもう1つの実施形態による、直列に設置され、それぞれが電気化学反応器及び燃焼器を有する複数の部分の使用を示す概略ブロック図である。
図3】流入供給流の圧力を増加させるベンチュリ型ポンプの使用を例示する図である。
図4】燃焼器に酸化剤を提供するベンチュリ型ポンプの使用を例示する図である。
図5】本発明の実施形態によって構成されるシステムと組み合わされた工業工程の実施例の一般的な概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の記載において、説明の目的で、本発明のより良い理解を提供するために、単なる例として多数の特定の詳細が記述されている。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細を含まずに実施することができることは明らかである。
【0028】
本開示により提供されるシステムは、高温工程が実施されている施設に電気化学反応器を組み合わせることを可能にすることを目的とし、これらの工程において生成される熱の少なくともいくつかは、現在は、放出されるガスに含まれるエネルギー的潜在能力を完全に利用することなく、高温ガス状出力の形で施設から放出されている。流出ガス内のエネルギー含有量にはかなりの潜在能力があるが、いまだに、この潜在能力を利用することに関する典型的な問題は、高温ガス出力は一時的な基準で、例えばバッチ処理、変化する温度における副産物高温ガスの一定でない生成等の結果、生成される副産物であることである。したがって、経済的な観点から望ましい、そして、商業ベースで実施するために最小運転温度を必要とする、継続的な工程を実施するために、実質的に一定でない高温ガス供給に頼ることは実質的に不可能である。
【0029】
したがって、本発明は、無駄にしていた(又は少なくとも部分的に無駄にしていた)工業工程の副産物である高温ガスの形のエネルギーを保存することを可能にする電気化学反応器を含む、余熱を利用するシステムを提供する。そのような工業工程は、例えばセメント工場、ガラス製造所、製鋼所、アルミニウム製造所、ガス化プラント、バイオガス燃焼器、焼却装置、改質器、化学プラント、発電プラントにおいて実施される。
【0030】
ここで提案されている解決策に固有の利点の1つは、可変温度の工業工程から回収された余熱を、最小温度閾値が必要であり、実質的に一定の作業条件下で実施される電気化学工程に使用することができることである。
【0031】
そのような電気化学反応器の1つの実施例は、CO及び/又はHOが入力ガスとして導入され、反応器の出力が(残留入力ガスに加えて)CO及び/又はH及びOであるガス解離反応器である。解離工程にエネルギーを供給するために、そして随意的に、前記解離工程に必要な電気エネルギーも供給するために、高温ガスの形で上記反応器に達する外部熱源が利用される。特定の場合においては、余熱が生成される工業工程から放出されるガスの1つである(又は唯一のガスである)CO内に余熱が含まれ、本開示の電気化学反応器はこのガスを解離するために有利に利用することができ、それにより、COが大気へ直接放出されることを防止する。
【0032】
以下の実施例は、工業工程から余熱を抽出するための様々な構成及び加熱電気化学反応器を有するシステムにおけるその利用を説明しており、そのようなシステムは、外部熱源から熱エネルギーを受け取り、電源から電気エネルギーを受け取る反応器を含むものである。
【0033】
余熱は、例えば溶鉱炉、燃焼室、処理室、焼却装置、ガス化装置等から抽出することができる。ここで明細書及び特許請求の範囲を通して単語「処理室」(又は単に「チェンバ」)が使用されており、その中で余熱が生成されるこれらの又は他の囲いを示している。
【0034】
チェンバから抽出される熱源は、チェンバ内の放熱、対流、又は導電媒体に由来する熱の形であることができる。
【0035】
特定の場合において、熱は、燃焼排ガスの空洞のようなチェンバの空洞から直接抽出することができる。熱は、対流、放熱又は伝導により、チェンバの空洞から抽出することができる。高温ガスを直接反応器の空洞内に移すことにより、ガス解離(電気化学)反応器内に直接熱を吸収することもできる。
【0036】
他の場合においては、熱はチェンバ内、例えば、耐火材の内層及び外部金属ケーシングの間から(例えばチェンバの空洞を取り囲んでいる壁から放散され)抽出することができる。熱は、対流、放熱、伝導、又はその組み合わせにより、抽出することができる。
【0037】
さらに、熱は管を使用して抽出することができ、大表面積の装置においては、フィン、複数の管、熱交換器等を使用して抽出することができる。
【0038】
熱は、高温ガス、(溶融塩のような)相変化材料又は加熱固体粒子の流れのような加熱流体により伝達することができる。
【0039】
本開示の実施形態によると、図1に示されているシステムは、反応領域である電気化学反応器(例えば、ガス解離反応器)と、熱交換領域と、熱流(例えばガス状供給流)入口及び出口手段と、反応ガス入口及び少なくとも1つの反応ガス出口手段と、システムに電流を導入するための入口及び出口手段と、を有する。この装置内に複数のセンサが設置され、反応器温度、加熱率、流体及びガス流量、反応速度、ガス組成及び圧力のようなパラメータを制御することを可能にする。
【0040】
上述のように、熱はチェンバから様々な方法で抽出することができる。例えば、熱は、管又は熱交換器を空洞内に挿入することにより、又は熱源の壁から、抽出することができ、ガス状供給流は放熱及び/又は対流により加熱され、断熱管を通して、反応器部分又は熱発電機のような熱エネルギーが必要な熱消費ステーションに運ばれる。もう1つの実施形態においては、流体(例えば、チェンバ内に存在するガス)は熱流として使用することができ、断熱管を通して熱消費ステーションに運ぶことができる。様々な使用ステーションが連続して又は同時に熱流を受け取ることができる。当業者には認められるように、熱消費ステーションが熱エネルギーを受け取る順番は、例えば、それぞれのステーションで消費されるべき熱の温度により、様々な実施において異なることができる。また、熱消費ステーションの1つに熱エネルギーを提供した後、ガス状供給流は、熱源に循環されるか、1つ以上の追加の熱消費ステーションに向かって下流に運ばれるか、システムから放出される。
【0041】
もう1つの実施形態においては、ガス状供給流は電気化学反応器の熱交換領域に入り、対流又は放熱により反応領域に熱エネルギーを伝達する。特定の実施形態においては、ガス状供給流からの熱エネルギーは、対流熱伝達により、上記反応器の反応領域で直接抽出することができる。
【0042】
もう1つの実施形態において、電気化学反応器は、少なくとも部分的に電源に由来する電気エネルギーにより、又は熱流に由来する熱エネルギーにより動力を供給される。1つの実施形態においては、溶鉱炉を出る高温煙道ガスが直接熱流として使用される。更なる実施形態においては、熱エネルギーは、高温煙道ガスを有する熱交換機構を通して熱流により吸収される。セメント工場、ガラス製造所、製鋼所、アルミニウム製造所、ガス化プラント、バイオガス燃焼器、焼却装置、改質器、化学プラント及び発電プラントのような、様々な工業において特定の溶鉱炉が見つけられる。熱流は、例えば溶鉱炉内の環境を酸化又は還元する必要性から、残留酸素又は残留燃料を含むことができる。熱流が残留燃料を含む場合、放出工業プラントは、残留燃料が放出されないことを確実にするために、したがって、利用可能なエネルギーを無駄にしないことを確実にするために、多くの場合フレア内で熱流を燃焼する必要がある。
【0043】
熱流(ガス状供給流)は、反応器又は他の熱消費ステーションに、高温の熱エネルギーを提供し、そして、熱エネルギーを提供する工程の間、熱流は明らかにクールダウンされる。したがって、図2に示されているように、(例えば反応器を出た後)いずれかの電気化学反応器に入る前に、熱流は燃焼器により再加熱され、反応器内で熱流から取り除かれた熱エネルギーが実施的に補填され、したがって、熱流の温度はその元の値(反応器との相互作用の前)まで上昇される。その後、熱流はもう1つの反応器へと転換され、もう1つの燃焼器が続き、等々、それにより、それぞれの反応器の後に燃焼器が続く、一連の少なくとも1つの高温部分が形成される。燃焼器は、燃焼工程に酸素を加えながら、熱流内に含まれる残留燃料を燃焼することに依存することができ、又は、その代わりに、燃焼器は、熱流に燃料を加えながら、熱流内に含まれる残留酸素を燃焼することに依存することができる。もう1つの代替案においては、燃料及び酸素の両方を燃焼に加えることができる。更なる実施形態においては、余剰燃料及び余剰酸素を直列構成に配置されている代替ユニットに加えることができる。さらに、本システムに入る前に(本発明の電気化学反応器に達する前に)、チェンバから受け取るガス状供給流の温度は低すぎてもよい。したがって、図2に示されているように、電気化学反応器に入る前に(チェンバから出た後に)、熱流は燃焼器により予熱されることができる。
【0044】
ここに記載のシステムは、高温源から得られる熱エネルギーを再利用し、そして、反応器により利用される最高温熱部分だけを補填し、したがって、さもなければ周囲温度から必要作業温度にそれぞれの反応器の熱源を加熱することにより消費されてしまうエネルギーの消費を回避することができるという利点を有するものである。
【0045】
熱流内の圧力低下が、1つ又は一連の反応器及び燃焼器を通過する自由流を可能にするほど大きすぎる場合、必要な流れを提供するために直列する少なくとも1つのポンプが必要となる。ポンプは一連の反応器及び燃焼器に沿った様々な箇所に配置することができる。例えば、そのようなポンプはベンチュリ効果(図3)に依存することができ、さらに、そのようなポンプは酸化剤(例えば空気、酸素)(図4)を引き入れるために使用することができ、その後、酸化剤は(上述の方法で)燃焼器への供給材料として使用される。
【0046】
もう1つの実施形態においては、電気化学反応器はガス解離反応器であり、解離による出力産物はCO及び/又はH及び酸素であり、燃焼器に供給される燃料及び/又は酸素の供給源は、部分的に反応器の出力の再生利用であることができる。しかしながら、そのような場合、解離工程の効率はより高い作業温度において増加するので、それにより、出力産物の部分的な消費が補填される。
【0047】
再生利用は、同じ部分内の反応器から燃焼器へ直接実施することができ、又は、同じ一連の反応器に属するいくつかの反応器から回収された出力の組み合わせを含む中央貯蔵庫を利用して実施することができる。代替案においては,燃料及び/又は酸素は外部供給源から供給することができる。
【0048】
以下の実施例を考慮すると、本開示のシステムが関連付けられている工業用工場がガス化プラントであり、チェンバが石炭又はバイオマス又は他の利用可能な材料をガス化するためのガス化装置であり、ガス化装置の空洞内で生成される熱の温度領域が1000℃〜1600℃である。余熱は燃焼領域及び/又は放熱領域及び/又は燃焼領域及び放熱領域の間に配置された領域及び/又はガス化装置の壁から、及び/又はその他の領域から直接抽出することができる。余熱の抽出は、ガス化装置の上記領域内の管を通って流れる流体を使用することにより、実施することができ、流体はガス、液体又は固体粒子の流れであることができる。
【0049】
作業中、ガス化プラントは、ガス化工程の副産物としてCOを放出し、上記COは本開示の電気化学工程のための入力ガスとして利用することができる。電気化学反応器において、COはCO及びOに解離される。特定のガス化プラントにおいて、Oは空気分離ユニットを使用することにより生成され、その後、燃焼工程の酸化剤として使用される。電気化学反応器により生成されたOは、Oの流れに加えることができ、したがって、施設のためのO生成の費用を減少することができる。HOは、電気化学反応のための入力ガスに、単独で又はCOと同時に加えることができる。電気化学反応器の出力産物は、合成ガスと呼ばれるCO及びHの混合物であることができ、ガス化装置により生成された合成ガスに加えることができる。様々なガス(CO、HO、O,合成ガス)を使用することによる効果は、熱源とガス使用箇所の間の管に沿って貯蔵バッファを配置することによりさらに促進することができる。
【0050】
以下の実施例は、本発明の実施形態によるシステムを含む施設に関する。しかしながら、本発明のシステムを設置するよりも前に、チェンバから放出される余熱のいくらかは、例えば施設によって使用される流入原料の回収予熱のために、既に利用されている。本発明のシステムを設置した後に、余熱の一部は、ガス解離反応器を通して熱流が転換することにより、ガス解離反応器内で必要とされる熱エネルギーとして使用され、そして、(解離反応により消費される熱により、いくらかより低い温度で)解離反応から出る熱流は、その通常の進路を再び取り、流入原料を予熱するために使用される。高温チェンバが関係する多くの場合、通常運転状態下では全ての熱は利用されず、その代わり、回収熱交換器により流入材料に熱を伝達する前に、温度はまずより都合の良い水準まで減少される。本発明のシステムの使用が、無駄になる高温の熱の利用を可能にし、したがって、生成される余熱の特定部分を無駄にすることを減少する。
【0051】
ガス解離工程に必要な電気は追加の動力源に由来することができる。動力源は、電力系統又は光電池、風力タービン等のような再生可能な動力源であることができる。
【0052】
電気化学工程への電力供給が実質的に一定に保持されない場合、ガス解離反応器の生成速度を制御するために、施設に由来する余熱を含む熱流の流量を調節するための熱調節モジュールが使用される。この調節は、材料不適合性問題又は汚染問題のような理由により、チェンバからの熱流が電気化学反応器において直接利用することができない時にも使用することができる。この場合、例えば2つの異なる流体の間の熱伝達を可能にするために、2段熱交換器を使用することができる。また、当業者には分かるように、熱調節モジュールは、熱流の含まれる熱エネルギーが実質的に一定に保持されない場合、電気取入量を調節するために使用することができる。
【0053】
本開示のもう1つの実施形態において、本発明のシステムは、ガス解離工程に必要な熱エネルギーを消費し、その後、(減少した温度の)熱流が発電ブロックへ転換され、ここで、熱が、例えば1つ以上のタービン及び/又は1つ以上の熱機関を使用することにより、ガス解離工程に必要な電気を発電するために使用される。上述の選択肢に加えて、いくつかの場合、ガス解離反応器から出る反応生成物を施設にフィードバックすることができる。例えば、燃焼特性を改善するために、燃焼室及びガス化装置のような要素で使用される空気流に酸素を加えることができる。
【0054】
以下の実施例は、加熱電気化学システムにおいて使用するために、施設から余熱を抽出するための特定構成を示すものである。
【0055】
1つの実施例によると、電気化学反応器と、チェンバから余熱を伝えるための手段と、電源からシステムに電気エネルギーを伝えるための手段と、を有するシステムであって、高温領域が電気化学反応器に存在し、電気化学反応器が、電気化学反応を実施する為に、チェンバ及び電気エネルギー源の両方から伝えられる熱を利用するように構成されているシステムが提供される。例えば余熱が生成される工程の変化により、熱エネルギーの流入率が変化すると、システムは電源からより多くの電気エネルギーを引き入れるように適合し、それにより、電気化学反応を実施するために利用可能なエネルギーの不足を補填し、そして、電気化学反応の生成物の実質的に一定な流れを維持することを可能にする。
【0056】
図5に示される)以下の実施例には、合成ガス及びOを生成するための本発明の実施形態によるCO+HO解離反応を実施するためのシステムが記載されている。
【0057】
電気化学反応器は電気エネルギー及び熱エネルギーを動力とするものである。熱エネルギーは、ガス状燃料を燃焼する溶鉱炉から出る高温煙道ガスにより、上記反応器に供給される。煙道ガスは、燃焼が完全には完了していない煙道管の領域から抽出することができ、その結果、煙道ガスは、CO及びHのようなエネルギー/可燃性/毒性化合物の残渣を含んでいる。熱流として作用する煙道ガスは、電気化学反応器に入り、例えば熱交換器を使用して、反応領域にその熱エネルギーの少なくとも一部を伝達する。残留エネルギー化合物の燃焼を完了するために、空気又は酸素のような酸化ガスを熱流に加えることができ、それにより、煙道ガスの熱エネルギー含有量(及び温度)を増加し、同時に、これらの残留化合物を除去することができる。煙道ガス内に含まれるこれらの残留化合物の燃焼は、さもなければチェンバからの既存の煙道ガスの取り扱いに必要な安全対策も減少させるものである。上記反応器内の煙道ガスに酸化剤を加えることができ、又は上記反応器への流入前に(例えば燃焼器内で)煙道ガスに酸化剤を加えることができる。上記反応器内の熱流に加えられる追加の熱エネルギーは、システムに関連する熱損失を補填することができ、又は工程温度を利用可能な熱源の温度よりも高い温度に増加することができる。例として、この実施形態は、還元環境を必要とする材料の熱処理に使用される溶鉱炉を利用することができる。そのような溶鉱炉においては、残渣の酸化を確実にするために、煙道ガスが処理領域を出た後に、煙道ガスに空気が通常加えられる。
【0058】
以下の実施例には、合成ガス及びOを生成するための本発明のもう1つの実施形態によるCO+HO解離反応を実施するためのシステムの実施例が記載されている。
【0059】
ここでもまた、電気化学反応器は電気エネルギー及び熱エネルギーを動力とするものである。熱流は(工業工程の)チェンバから反応器に運ばれ、そして、その含有熱エネルギーは、上記反応器の熱交換領域を所望の作業温度に加熱するために使用される。反応ガスは、CO及び/又はHOの解離反応を実施するために、上記反応器のガス入口から導入される。反応ガスにCO及びHが加えられ、反応ガス混合物が形成される。その後、反応ガス混合物は、反応領域に入る前に、好ましくは熱交換領域で、熱流を含む熱交換機構により、反応温度に近い温度まで加熱される。特定の実施形態においては、反応領域に入る前に、反応ガス混合物に酸素を加えることもできる。反応ガス混合物に含まれるCO及びHの少なくとも一部と酸素の燃焼は、熱エネルギーを加え、その結果、反応領域に入る反応ガス混合物の温度を増加する。上記反応器内の反応ガス混合物に加えられる追加の熱エネルギーは、工程の効率を上げ、システム内の熱損失を補填し、及び/又は、利用可能な熱源の温度よりも高い温度まで温度を増加することができる。
【0060】
もう1つの実施形態によると、反応ガス混合物は、CO及び/又はHOの反応ガスに加えて酸素を含むことができる。反応ガス混合物は、反応領域に入る前に、好ましくは熱交換領域で、熱流と熱交換することにより、反応温度に近い温度まで加熱される。反応領域に入る前に、CO及び/又はHのような可燃性ガスを反応ガス混合物に加えることができる。反応ガス混合物に含まれるCO及び/又はHの少なくとも一部と酸素の燃焼は、熱エネルギーを加え、その結果、反応領域に入る反応ガス混合物の温度を増加する。
【0061】
この開示において、単語「含む」は制限のない意味を有することを意図しており、したがって、第1の要素が第2の要素を含むと記載されていた場合、第1の要素は、ここで認定及び記載されていない、又は特許請求の範囲に列挙されていない1つ以上の他の要素をも含むことができる。
【0062】
本発明は、単なる例として提供されているその実施形態の詳細な説明を利用して記載されているが、何ら本発明の範囲を限定することを意図しているものではない。記載されている実施形態は複数の異なる特徴を含み、本発明の全ての実施形態においてその全ての特徴が必要とされるわけではない。本発明のいくつかの実施形態は、複数の特徴のいくつかだけ又は複数の特徴の可能な組み合わせだけを利用するものである。記載されている本発明の実施形態の変形及び記載の実施形態で言及されている複数の特徴の異なる組み合わせを含む本発明の実施形態は、当業者が想到できるものである。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5