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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588091
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】空気清浄機及びその空気流路構成
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/00 20060101AFI20191001BHJP
   F24F 13/08 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   F24F7/00 A
   F24F13/08 A
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-518816(P2017-518816)
(86)(22)【出願日】2016年12月21日
(65)【公表番号】特表2018-536822(P2018-536822A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】CN2016111307
(87)【国際公開番号】WO2018076510
(87)【国際公開日】20180503
【審査請求日】2017年4月6日
(31)【優先権主張番号】201610939658.8
(32)【優先日】2016年10月24日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】317008182
【氏名又は名称】北京智米科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘇 峻
(72)【発明者】
【氏名】王 毅
(72)【発明者】
【氏名】于 卓立
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101968065(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103574777(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第104456772(CN,A)
【文献】 中国実用新案第204447560(CN,U)
【文献】 韓国公開特許第10−2005−0121455(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00−46/54
F24F 1/00
F24F 3/00− 3/16
F24F 7/00− 7/10
F24F 13/00−13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機の空気流路構成であって、
前記空気流路構成の空気入口にはターボファンが設けられ、空気出口には軸流ファンが設けられ、
前記空気流路構成において、前記ターボファンと前記軸流ファンとの間の内壁に乱流部が形成され、前記乱流部は、前記ターボファンにより吸入されてから前記空気流路構成の内壁に沿って前記軸流ファンに向かって吹いて前記軸流ファンを介して排出される気流を乱流することで、少なくとも一部の前記気流を前記軸流ファンに向かって吹いたときに前記空気流路構成の内壁から離間させ、
前記乱流部は、前記空気流路構成の内壁が内方に形成される突起を含み、
前記突起は、一体の中空のリング状に形成され
前記突起はボス状に形成され、
前記ボスは前記ターボファンに向ける風上面を含み、前記風上面が円弧面に形成され、
前記乱流部の最低点と前記ターボファンとの間の間隔距離は、前記ターボファンと前記軸流ファンとの間の間隔距離の1/3〜2/3であり、
前記空気流路構成の内壁の最内側と内壁の最外側との間の間隔距離は、前記軸流ファンの直径長さの1/6〜1/2である、
空気清浄機の空気流路構成。
【請求項2】
前記乱流部は複数の突起を含み、複数の突起は、リング状に前記空気流路構成の内壁に間隔をおいて分布される
請求項1に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項3】
前記ボスが円弧面を有するボスである
請求項に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項4】
前記ボスは、前記ターボファンに近接する第1のエッジと、前記ターボファンから離間した第2のエッジとを含み、前記第1のエッジおよび前記第2のエッジには、円弧面状の面取り部がそれぞれ形成される
請求項に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項5】
空気清浄機の空気流路構成であって、
前記空気流路構成の空気入口にはターボファンが設けられ、空気出口には軸流ファンが設けられ、
前記空気流路構成において、前記ターボファンと前記軸流ファンとの間の内壁に乱流部が形成され、前記乱流部は、前記ターボファンにより吸入されてから前記空気流路構成の内壁に沿って前記軸流ファンに向かって吹いて前記軸流ファンを介して排出される気流を乱流することで、少なくとも一部の前記気流を前記軸流ファンに向かって吹いたときに前記空気流路構成の内壁から離間させ、
前記空気流路構成は、通常通路とインデント通路を含み、前記インデント通路の内径が前記通常通路の内径より小さく、
前記乱流部は、前記インデント通路が前記通常通路に近接されて形成された、前記ターボファンに向ける風上面を含み、前記風上面が円弧面に形成され、
前記乱流部の最低点と前記ターボファンとの間の間隔距離は、前記ターボファンと前記軸流ファンとの間の間隔距離の1/3〜2/3であり、
前記空気流路構成の内壁の最内側と内壁の最外側との間の間隔距離は、前記軸流ファンの直径長さの1/6〜1/2であ
空気清浄機の空気流路構成。
【請求項6】
前記インデント通路が2つの通常通路の間に位置する
請求項に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項7】
前記インデント通路の内壁は、内方に突起された円弧面に形成される
請求項に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項8】
前記インデント通路は、中央部に位置する円筒体を含み、前記円筒体の両端は、外部拡張のフレア端部がそれぞれ形成されて両端の通常通路に接続し、
前記円筒体と各フレア端部との接続箇所のエッジには円弧面状の面取り部がそれぞれ形成され、
前記ターボファンに近接する円弧面状の面取り部は前記風上面を構成し、
前記乱流部は、前記ターボファンから離間する円弧面状の面取り部をさらに含む
請求項に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項9】
前記インデント通路が前記通常通路の片側に位置し、前記インデント通路の端部が前記空気出口を形成する
請求項に記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項10】
前記空気入口が前記空気流路構成の底部に位置し、前記空気出口が前記空気流路構成の頂部に位置し、
前記乱流部の高さが前記ターボファンの高さよりも高いことにより、前記ターボファンから前記軸流ファンへ吹く気流を前記空気流路構成の内壁に沿って少なくとも所定距離を流動させてから前記乱流部で乱流する
請求項1またはに記載の空気清浄機の空気流路構成。
【請求項11】
空気清浄機であって、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気清浄機の空気流路構成を含む、前記空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願番号201610939658.8、出願日2016年10月24日の中国特許出願に基づいて提出され、この中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容がここに参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は空気清浄機の技術分野に関し、特に、空気清浄機及びその空気流路構成に関する。
【背景技術】
【0003】
空気清浄機は、周囲環境の空気に対して清浄処理を行うことで、室内の空気品質を有効に改善することができる。空気清浄機は、清浄構成と空気流路構成を含む。清浄構成は、フィルタ素子によるフィルタリング、高圧静電気吸着及び生物分解等の方式により、空気中の粒子状物質、病原菌等を清浄する。空気流路構成は、空気の流を形成し、周囲環境の空気を清浄構成へ吸い込み、清浄された空気を出力する。
【0004】
従来技術では、空気流路構成は、通常に円筒状に構成され、空気流路構成の空気入口にはターボファンが設けられ、空気出口には軸流ファンが設けられている。ここで、ターボファンは清浄された空気を周方向へ吹くことで、生成された気流が空気流路構成の内壁に沿って螺旋状に上昇し、次に、軸流ファンにより気流が軸方向へ加速される。
【0005】
しかしながら、ターボファンにより発生された気流は、いずれも空気流路構成の内壁に沿って軸流ファンへ吹かれるため、軸流ファン羽根の周辺のみで気流を加速させることができ、軸流ファンを有効に利用しなく、空気清浄機の全体清浄効果に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、空気清浄機及びその空気流路構成を提供して、従来技術の課題を解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例における第1の形態によれば、空気清浄機の空気流路構成を提供し、前記空気流路構成の空気入口にはターボファンが設けられ、空気出口には軸流ファンが設けられ、前記空気流路構成において、前記ターボファンと前記軸流ファンとの間の内壁に乱流部が形成され、前記乱流部は、前記ターボファンにより吸入されてから前記空気流路構成の内壁に沿って前記軸流ファンに向かって吹いて前記軸流ファンを介して排出される気流を乱流することで、少なくとも一部の前記気流を前記軸流ファンに向かって吹いたときに前記空気流路構成の内壁から離間させる。
【0008】
任意的に、前記乱流部は、前記空気流路構成の内壁が内方に形成される突起を含む。
【0009】
任意的に、前記突起は、一体の中空リング状に形成される。
【0010】
任意的に、前記乱流部は複数の突起を含み、複数の突起は、リング状に前記空気流路構成の内壁に間隔をおいて分布される。
【0011】
任意的に、前記突起は板状に形成される。
【0012】
任意的に、前記突起はボス状に形成される。
【0013】
任意的に、前記ボスは前記ターボファンに向ける風上面(windward surface)を含み、前記風上面が円弧面に形成される。
【0014】
任意的に、前記ボスが円弧面を有するボスである。
【0015】
任意的に、前記ボスは、前記ターボファンに近接する第1のエッジと、前記ターボファンから離間した第2のエッジとを含み、前記第1のエッジおよび前記第2のエッジには、円弧面状の面取り部がそれぞれ形成される。
【0016】
任意的に、前記空気流路構成は通常通路とインデント通路を含み、前記インデント通路の内径が前記通常通路の内径より小さく、ここで、前記乱流部は、前記インデント通路が前記通常通路に近接されて形成された前記ターボファンに向ける風上面を含み、前記風上面が円弧面に形成される。
【0017】
任意的に、前記インデント通路が2つの通常通路の間に位置する。
【0018】
任意的に、前記インデント通路の内壁は内方に突起された円弧面に形成される。
【0019】
任意的に、前記インデント通路は、中央部に位置する円筒体を含み、前記円筒体の両端は、外部拡張のフレア端部(flared end)がそれぞれ形成されて両端の通常通路に接続し、前記円筒体と各フレア端部との接続箇所のエッジには円弧面状の面取り部がそれぞれ形成され、前記ターボファンに近接する円弧面状の面取り部は前記風上面を構成し、前記乱流部は、前記ターボファンから離間する円弧面状の面取り部をさらに含む。
【0020】
任意的に、前記インデント通路が前記通常通路の片側に位置し、前記インデント通路の端部は前記空気出口を形成する。
【0021】
任意的に、前記空気入口が前記空気流路構成の底部に位置し、前記空気出口が前記空気流路構成の頂部に位置し、前記乱流部の高さが前記ターボファンの高さよりも高いことにより、前記ターボファンから前記軸流ファンへ吹く気流を前記空気流路構成の内壁に沿って少なくとも所定距離を流動させてから前記乱流部で乱流する。
【0022】
任意的に、前記乱流部の最低点と前記ターボファンとの間の間隔距離は、前記ターボファンと前記軸流ファンとの間の間隔距離の1/3〜2/3である。
【0023】
任意的に、前記空気流路構成の内壁の最内側と内壁の最外側との間の間隔距離は、前記軸流ファンの直径長さの1/6〜1/2である。
【0024】
本発明の実施例における第2の形態によれば、空気清浄機を提供し、上記実施例のいずれか1つの空気清浄機の空気流路構成を含む。
【0025】
本発明の実施例に係る技術案は、以下の効果を実現する
上記実施例からわかるように、本発明の実施例によれば、空気流路構成の内壁に乱流部が形成され、空気流路構成の内壁に沿って螺旋状に上昇する気流を乱流して、少なくとも一部の気流が空気流路構成の内壁から離間されるようにする。したがって、当該気流が軸流ファンを経由する時に軸流ファンの羽根の中央部にさらに近接でき、軸流ファンの軸方向への加速エネルギーを有効に利用し、同じ条件でより大きい風放出能力を実現し、浄化空気の被覆範囲を増大するだけでなく、空気対流を強化して、室内空気の清浄効率を向上することができる。
【0026】
以上の一般的な説明と下記の詳細な説明は、例示的および説明的なものに過ぎず、本開示を制限するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術における空気清浄機の空気流路構成の模式図である。
図2】本発明の例示的な実施例における空気清浄機の空気流路構成の模式図である。
図3】本発明の例示的な実施例における空気清浄機の空気流路構成の規格の模式図である。
図4】本発明の例示的な実施例における空気清浄機の空気流路構成の上面図である。
図5】本発明の例示的な実施例における空気清浄機のその他の空気流路構成の上面図である。
図6】本発明の例示的な実施例一における空気清浄機の空気流路構成の模式図である。
図7図6に示す空気流路構成の気流乱流の模式図である。
図8】本発明の例示的な実施例一におけるその他の空気清浄機の空気流路構成の模式図である。
図9図8に示す空気流路構成の気流乱流の模式図である。
図10】是本発明の例示的な実施例一における空気清浄機のその他の空気流路構成の模式図である。
図11図10に示す空気流路構成の気流乱流の模式図である。
図12】本発明の例示的な実施例二における空気清浄機の空気流路構成の模式図である。
図13図12に示す空気流路構成の気流乱流の模式図である。
図14】本発明の例示的な実施例二における空気清浄機のその他の空気流路構成の模式図である。
図15図14に示す空気流路構成の気流乱流の模式図である。
図16】本発明の例示的な実施例二における空気清浄機のその他の空気流路構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明と一致する実施例を示し、明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0029】
ここで例示的実施例について詳細な説明を行い、その例示は図面に示す。以下の記述は図面に関したときに、別に示されないと、異なる図面中の同じ数字は同じ又は類似した要素を示す。以下の例示的実施例に記述された実施の形態は本発明と一致する全ての実施の形態を代表しない。逆に、それらは特許請求の範囲に詳細に記述され、本発明のある方面と一致する空気清浄機の空気流路構成及び方法の例に過ぎない。
【0030】
図1は従来技術における空気清浄機の空気流路構成の模式図である。図1に示すように、当該図において、空気流路構成1’を容易に参照して説明するために、空気清浄機の清浄構成を省略する。空気流路構成1’は、円筒状に形成され、図1に示す空気清浄機に配置される。空気流路構成1’の底部が空気入口であり、ターボファン2’が設けられ、頂部が空気出口であり、軸流ファン3’が設けられている。動作状態において、ターボファン2’は気流を空気流路構成1’の内壁に向かって吹くので、気流が空気流路構成1’の内壁に沿って螺旋状に上昇し、軸流ファン3’へ吹かれる。
【0031】
しかしながら、気流が基本的に空気流路構成1’の内壁に沿って上昇するため、軸流ファン3’の回転過程において、軸流ファン3’の羽根31’の周辺(即ち端部)だけでターボファン2’からの気流を加速させることができる。羽根31’の中央部又は内部の気流への加速が限られて、軸流ファン3’の回転を有効に利用しなく、空気清浄機の全体清浄効果に影響を及ぼす。
【0032】
そして、本発明の実施例は、空気清浄機の空気流路構成1’を改良することで、従来技術における上記課題を解決しようとする。以下、実施例を参照して説明する。
【0033】
図2は本発明の例示的な実施例における空気清浄機の空気流路構成の模式図である。図2に示すように、本発明の実施例における空気流路構成1において、空気流路構成1の空気入口11にはターボファン2が設けられ、空気出口12には軸流ファン3が設けられている。当該ターボファン2によって生成した気流は、当該空気流路構成1の内壁に沿って当該軸流ファン3へ吹かれ、当該軸流ファン3により当該空気流路構成1から導出される。ここで、当該空気流路構成1において、当該ターボファン2と当該軸流ファン3との間の内壁上に乱流部10が形成され、当該乱流部10は、当該空気流路構成1の内壁に沿って当該軸流ファン3へ吹く気流を乱流することで、少なくとも一部の気流を当該軸流ファン3に向かって吹いたときに当該空気流路構成1の内壁から離間させる。
【0034】
本実施例において、空気流路構成1の内壁には乱流部10が形成され、当該乱流部10は、空気流路構成1の内壁に沿って螺旋状に上昇される気流を乱流することで、少なくとも一部の気流を空気流路構成1の内壁から離間させる。したがって、当該一部の気流が軸流ファン3を経由する時に軸流ファン3の羽根31の中央部に更に近接し、当該羽根31の中央部によって加速される。他の気流が空気流路構成1の内壁に沿って上昇し、羽根31の端部によって加速される。そして、軸流ファン3の軸方向の加速エネルギーを有効に利用し、ファン規格、空気流路サイズ、フィルタ素子タイプ等の条件が同じである場合、より大きい風放出能力を実現し、浄化空気の被覆範囲を増大するだけでなく、空気対流を強化して、室内の空気清浄効率を向上し、空気清浄機のエネルギー消費を節約することができる。
【0035】
本実施例において、空気入口11が当該空気流路構成1の底部に位置し、空気出口12が当該空気流路構成1の頂部に位置し、乱流部10の高度がターボファン2よりも高い。そして、当該ターボファン2から軸流ファン3へ吹く気流が空気流路構成1の内壁に沿って所定距離を流動してその流速が所定速度に達した後、当該乱流部10により乱流されることで、乱流部10により気流の流速を低減して空気清浄機の風放出量を減少することを回避する。例えば、図3に示すように、ターボファン2と軸流ファン3の間の間隔距離がDであり、乱流部10の最低点とターボファン2との間の間隔距離がdであり、且つ1/3D≦d≦2/3Dであり、例えばd=1/2Dであるが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0036】
本発明の実施例に係る技術案において、乱流部10は複数の実現形態を含み、以下、例を挙げて当該乱流部10の実施構成を説明する。
【0037】
本発明の例示的な実施例一によれば、乱流部10は、空気流路構成1の内壁が内方に形成される突起を含む。ターボファン2によって気流が生成された後、気流が空気流路構成1の内壁を沿って螺旋に上昇する過程において、当該突起が流動経路において気流をある程度にブロッキングして、気流の流動方向を乱流し、当該気流への乱流作用を実現し、当該気流が空気流路構成1の内壁から離間することを促すことができる。
【0038】
1つの形態として、図4に示すように、乱流部10が突起を含む場合、当該突起が一体の中空リング状構成101に形成され、図4において、下瞰した(空気出口の軸流ファン3を除く場合)当該中空リング状構成101の構成が見える。
【0039】
また、乱流部10は複数の突起を含んでも良い。例えば、図5に示す構成において、乱流部10は、突起101A、突起101B、突起101C及び突起101D等を含む。これらの突起は、リング状に空気流路構成1の内壁に間隔で分布される。この場合、突起が設けられるエリアにおいて気流を乱流し、突起が設けられないエリアにおいて気流が通常に流動され、気流の乱流と気流の正常流動を両立することができる。ここで、複数の突起は、同一の高度で空気流路構成1の内壁に均等に分布され、ターボファン2によって生成された気流を均等に乱流することで、最終に、清浄された空気を空気清浄機から室内の各方向へ均等に出力し、清浄の「死角」又は「ウィークポイント」の発生を回避することができる。
【0040】
ここで、図5の乱流部10は突起101A、突起101B、突起101C及び突起101Dという4つの突起を含み、これらが例示的なものに過ぎない。実際には、本発明の実施例は、空気流路構成1のサイズ、ターボファン2の規則、軸流ファン3規則等の条件に応じて、乱流部10の突起の数、各突起の規則及び各突起の間の並び方を適当に調整することができるが、これらに限定されない。
【0041】
上記中空リング状構成101又は複数の突起が含まれる乱流部10について、当該乱流部10には含まれる突起は、以下のように構成される。
【0042】
例示的な構成として、突起は板状に形成される場合、乱流部10は図6に示す仕切板102を含む。ここで、図4に示すような中空リング状構成101に対応する場合、当該仕切板102が1つの中空のリング状の仕切板であってもよい。図5に示すような複数の突起に対応する場合、当該乱流部10は間隔で配置された複数の仕切板102を含む。なお、仕切板102は、気流を乱流して一部の気流を空気流路構成1の内壁から離間させて軸流ファン3の羽根31の中央部へ吹く。しかし、仕切板102の1つの平面がターボファン2に向けて気流に直接的なブロッキング効果を有するため、気流の流速にある程度の影響を与える可能性があり、例えば、気流の流速をある程度に減少させる。
【0043】
その他の例示的な構成として、図7に示すように、突起がボス状に形成される。このように、図7に示すボス100を例として、当該ボス100は、ターボファン2に向ける風上面100A(図7において太い実線で風上面100Aを示し、風上面100Aでない部分が当該風上面100Aよりも突出され、図9図11図13及び図15も同様である)を含む。ここで、風上面100Aは、円弧面に形成されて、気流を当該風上面100Aに向かって吹いたときにコアンダ効果(Coanda effect)を実現する。この場合、気流が接線方向に沿って流動しなく、風上面100Aの表面に沿って少なくとも一定の距離を流動し、一部の気流からなる気流1と接線方向は角度αを形成する。当該気流1を軸流ファン3の羽根31の中央部に導き、他の気流からなる気流2が空気流路構成1の内壁に沿って継続に流動し、軸流ファン3の羽根31の周辺の端部へ導く。つまり、ターボファン2によって生成された気流が軸流ファン3の羽根31の各部位に分散され、当該羽根31の回転によって生成された加速エネルギーを十分に使用し、同じ条件でより強い風放出能力と空気清浄効率を実現することができる。同時に、風上面100Aが円弧面に形成される場合、図6に示すような仕切板102と比較し、当該円弧面の気流へのブロッキング作用が仕切板102の平面の気流へのブロッキング作用よりも小さいため、ボス100の風上面100Aの気流への流速影響が仕切板102の気流への流速影響よりも小さい。そして、ターボファン2の気流への加速作用を有効に利用し、空気清浄機は同じ条件でより大きい風放出能力を生成し、空気清浄効率を更に向上することができる。
【0044】
ここで、ボス100は多種の構成を含む。1つの実施例において、ボス100は、図8に示すような円弧面のボス103に形成されても良い。それに対応し、図9に示すような気流乱流の模式図において、円弧面のボス103がターボファン2に向ける風上面103Aを含み、当該風上面103Aが気流を気流1と気流2に導き、軸流ファン3の羽根31における異なる箇所に対応し、羽根31によって生成された加速エネルギーを有効に利用する。他実施例において、ボス100は図10に示すようなボス104に形成されても良い。それに対応し、図11に示すような気流乱流の模式図を参照する。当該ボス104は、ターボファン2に近接する第1のエッジ104Aと当該ターボファン2から離間する第2のエッジ104Bを含み、当該第1のエッジ104Aと当該第2のエッジ104Bにおいて、いずれも円弧面状の面取り部に形成される。そして、円弧面状の面取り部に形成されている第1のエッジ104Aは、当該ボス104の風上面を構成し、気流を気流1と気流2に導き、さらに、円弧面状の面取り部に形成されている第2のエッジ104Bは、コアンダ効果を同様に実現すし、気流2を当該第2のエッジ104Bによって気流21と気流22に導く。それによって、第1のエッジ104Aと第2のエッジ104Bの複数の導きによって、気流を羽根31の各部位に均等に対応し、より大きい風放出能力、より高い清浄効率及び良い清浄效果を実現することができる。
【0045】
本発明の例示的な実施例二において、空気流路構成1は通常通路とインデント通路を含み、当該インデント通路の内径が当該通常通路よりも小さい。ここで、乱流部10は、インデント通路が通常通路に近接されて形成された、ターボファン2に向ける風上面を含み、当該風上面が円弧面に形成されて、コアンダ効果で気流への適当な導きを実現する。
【0046】
1つの実施例において、インデント通路が2つの通常通路の間に位置する。図12に示すように、空気流路構成1は第1の通常通路11、第2の通常通路12及びインデント通路13を含み、インデント通路13が第1の通常通路11と第2の通常通路12との間に位置する。そして、第1の通常通路11が軸流ファン3に近接し、第2の通常通路12がターボファン2に近接する。乱流部10は、インデント通路13が第2の通常通路12の近接箇所に形成された風上面を含む。図13に示すように、乱流部10は、気流に対してコアンダ効果を生成し、気流を気流1と気流2に導き、羽根31の各部分にそれぞれ対応する。
【0047】
ここで、図12〜13に示すような実施例において、インデント通路13の内壁は、内方へ突起された円弧面に形成される。そして、図12〜13に示すようなインデント通路13は、実際に、図8〜9に示すような円弧面のボスと同様に、乱流効果を実現することができ、図8〜9に示すような空気流路構成1の内径と一致するが、図12〜13に示すような空気流路構成1の外径について、インデント通路13において外径が変化される。
【0048】
図14〜15に示すような実施例において、インデント通路13は、中央部に位置する円筒体131を含む。当該円筒体131の一端は、外部拡張のフレア端部132に形成されて第2の通常通路12に接続され、当該円筒体131の他端は、外部拡張のフレア端部133に形成されて第1の通常通路11に接続される。ここで、円筒体131とフレア端部132との接続箇所にあるエッジ10Aは円弧面状の面取り部に形成され、上記風上面を構成する。また、円筒体131とフレア端部133との接続箇所にあるエッジ10Bは円弧面状の面取り部に形成されても良い。そして、図10〜11に示すような実施例と同様に、エッジ10Aを風上面とし、コアンダ効果でターボファン2からの気流を気流1と気流2に導き、さらに、エッジ10Bにおいて、コアンダ効果で気流2を気流21と気流22に導き、羽根31の各部分に対応する。
【0049】
その他の実施例において、インデント通路が当該通常通路の片側に位置し、且つ当該インデント通路の端部が空気出口12に形成される。図16に示すように、通常通路14が下端に位置し、インデント通路15が上端に位置し、インデント通路15の底部が通常通路14の頂部に接続されて、インデント通路15の底部において、通常通路14に近接する箇所に風上面を含む乱流部10が形成され、ターボファン2からの気流を乱流する。
【0050】
なお、上記図4〜16に示すような実施例において、乱流部10は、突起又は変形により空気流路構成1の内径を変更し、空気流路構成1における小さい内径のエリアにおいてターボファン2によって生成された気流を乱流し、軸流ファン3の羽根31に対応する。ここで、図3に示すように、軸流ファン3の羽根31の直径長さがTであり、空気流路構成1の内壁の最内側と内壁の最外側との間の間隔距離がtであり、且つ1/6T≦t≦1/2であるが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0051】
当業者は、明細書を考慮してここに開示される発明を実践した後に、容易に本開示の他の実施形態を考える。本発明は、本開示のいかなる変形、用途または適応性変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途または適応性変化が本開示の一般的な原理に従い且つ本開示に開示されない本技術分野における公知の常識または慣用技術手段を含む。明細書と実施形態は、ただ例示的なものだけと見なされ、本開示の真の範囲および精神が以下の特許請求の範囲によって示される。
【0052】
本開示は、以上に説明され且つ図面に示す正確な構造に限られなく、且つその範囲から逸脱しなくて各種類の変更と変化を行うことができると理解すべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の実施例によれば、空気流路構成の内壁に乱流部が形成され、空気流路構成の内壁に沿って螺旋に上昇された気流を乱流することで、少なくとも一部の気流が空気流路構成の内壁から離間される。当該気流が軸流ファンを経由する時に軸流ファンの羽根の中央部にさらに近接し、軸流ファンの軸方向への加速エネルギーを有効に利用し、同じ条件でより大きい風放出能力を実現し、浄化空気の被覆範囲を増大するだけでなく、空気対流を強化して、室内空気の清浄効率を向上することができる。
図1
図2
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図8
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図10
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図12
図13
図14
図15
図16