(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588108
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
A24F 23/00 20060101AFI20191001BHJP
B65D 21/08 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
A24F23/00
B65D21/08
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-565151(P2017-565151)
(86)(22)【出願日】2016年6月1日
(65)【公表番号】特表2018-518958(P2018-518958A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016062386
(87)【国際公開番号】WO2016202591
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年12月21日
(31)【優先権主張番号】1510503.4
(32)【優先日】2015年6月16日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510033734
【氏名又は名称】フィードラー アンド ラングレン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ネルシング、ロヴィーサ
(72)【発明者】
【氏名】ベルグレン、アダム
【審査官】
西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−510260(JP,A)
【文献】
特開平08−244747(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0069829(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3070156(JP,U)
【文献】
実開平06−001216(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 23/00
B65D 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と蓋とを含み、それらの間に未使用のスヌースを保管するための第1コンパートメントを画定する容器であって、少なくとも蓋または基部が繰り返し変形可能な壁を含み、これによりユーザーが繰り返し変形可能な壁の第1コンパートメントとは反対側に使用済みスヌースを保管するための第2コンパートメントを形成または拡大することができ、
繰り返し変形可能な壁は、隣接する多角形で形成され、これら多角形は、第1の凸状形態および第2の凹状形態に配置されるように圧力が加えられると繰り返し変形可能な壁の境界に対してそして互いに対して動くように相対運動するよう構成されており、隣接する多角形が第2の凹状形態に配置されると第2コンパートメントが形成されるまたは拡大され、隣接する多角形の前記相対運動は、第1の凸状形態から第2の凹状形態へ、または、第2の凹状形態から第1の凸状形態へとパチンと音を立てて変化する動作である、容器。
【請求項2】
隣接する多角形は、全て同じ種類のものであることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
隣接する多角形は、少なくとも2種類の多角形を含むことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項4】
隣接する多角形は、複数の第2多角形に囲まれた第1多角形を含むことを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
第2多角形は全て同じ種類のものであることを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項6】
各第2多角形は二等辺四辺形であることを特徴とする請求項5記載の容器。
【請求項7】
各二等辺四辺形の平行な辺の短い方の辺は、第1多角形の辺の1つと隣接していることを特徴とする請求項6記載の容器。
【請求項8】
各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺は、第1多角形の辺の1つの反対に配置されていることを特徴とする請求項6または7記載の容器。
【請求項9】
各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺は、繰り返し変形可能な壁の境界の一部を形成していることを特徴とする請求項8記載の容器。
【請求項10】
各二等辺四辺形は、その非平行な辺に沿ってその隣の二等辺四辺形と隣接することを特徴とする請求項6乃至9いずれか1項記載の容器。
【請求項11】
第1多角形は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の辺を有することを特徴とする請求項4乃至10いずれか1項記載の容器。
【請求項12】
第1多角形は6または8つの辺を有することを特徴とする請求項11記載の容器。
【請求項13】
第1多角形は正多角形であることを特徴とする請求項4乃至12いずれか1項記載の容器。
【請求項14】
第1多角形は不規則多角形であることを特徴とする請求項4乃至12いずれか1項記載の容器。
【請求項15】
第2多角形は、全て同じ大きさおよび形状であることを特徴とする請求項4乃至13いずれか1項記載の容器。
【請求項16】
第2多角形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形のものであることを特徴とする請求項4乃至14いずれか1項記載の容器。
【請求項17】
第2コンパートメントは、側壁および繰り返し変形可能な壁によって画定され、
側壁は、繰り返し変形可能な壁の境界で繰り返し変形可能な壁に接続され、
側壁は、第1の凸状形態と第2の凹状形態との間で繰り返し変形可能な壁を変形する際に、繰り返し変形可能な壁の境界で側壁に加えられる力に応じて弾性的に撓むことを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スヌース用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載する「背景技術」は、本開示の内容を一般化して提示する目的で記載される。出願時において先行技術と見なされない明細書の態様並びに背景技術の項で説明されている程度の現発明者の業績は、本発明に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0003】
スヌースは、ばらばらの状態または透過性の袋に小分けされた状態のいずれかで販売され、スヌースの水分を維持するために再封止可能な蓋を有する箱に梱包される。スヌースは、通常、上唇の下に長時間入れて消費され、その後好ましくはゴミとして捨てないために適当な場所、例えばゴミ箱などに廃棄される。しかしながら、紙巻きタバコと異なり、スヌースの消費は、指定の場所に限定されず、従ってユーザーは、必ずしもゴミ箱の近くにいて使用済みスヌースを廃棄するとは限らないので、スヌースのポイ捨てが問題になっている。
【0004】
上述の問題を解消するために使用済みのスヌースを保持する容器を提供することが知られており、これはユーザーが適当なゴミ箱を利用できるようになるまで一時的に消費されたスヌースを収容するための別個のコンパートメントを含む。しかしながら、そのような容器の欠点の1つは、未使用のスヌースを保持するためのスペースを第2コンパートメントを組み入れるために利用することにより容器が同じ寸法の標準的な容器より少ない数の未使用スヌースしか梱包できない、または容器は使用済みのスヌースを収容するための空の別個のコンパートメントを設けるために通常より大きくならなければならないということである。
【0005】
この問題に対処するために提案された1つの解決策は、使用済みのスヌースを保管するための第2コンパートメントを形成するために第1の所定の位置から第2の所定の位置へ移動可能である可動壁を含む容器を提供することである。これにより容器のユーザーは、必要なときだけ(例えば、ユーザーがスヌースパウチの使用を終え、近くにゴミ箱がないとき)、第2コンパートメントを形成することが可能になる。その結果容器のスペースをより効率よく使用できる。しかしながら、既存の可動式壁構造は、ユーザーには扱いにくく、不便である。例えば、既存の可動式壁構造では、ユーザーが壁を第1から第2の位置へ移動させるために壁の特定のセクションまたは領域を押さなければならない。もしユーザーが壁の異なるセクションまたは領域を押すと、壁が第2の位置へと動かないまたは僅かにしか動かず、従ってユーザーが不便に感じる場合がある。さらに形成される第2コンパートメントの形状が既存の可動式壁構造より簡単に使用済みスヌースを第2コンパートメントから取り除けるようなものである可動式壁構造が望まれている。
【0006】
本発明は、上述の問題を緩和することを目的とする。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、基部と蓋とを含み、それらの間に使用済みのスヌースを保管するための第1コンパートメントを画定する容器を提供し、少なくとも蓋または基部が繰り返し変形可能な壁を含み、これによりユーザーが繰り返し変形可能な壁の第1コンパートメントとは反対側に使用済みスヌースを保管するための第2コンパートメントを形成または拡大することができ、繰り返し変形可能な壁は、隣接する多角形で形成され、これら多角形は、第1の凸状形態および第2の凹状形態に配置されるように圧力が加えられると繰り返し変形可能な壁の境界に対してそして互いに対して動くように構成されており、隣接する多角形が第2の凹状形態に配置されると第2コンパートメントが形成されるまたは拡大される。
【0008】
隣接する多角形は、全て同じ種類のものであってもよい。この場合、多角形は、全て同じ大きさおよび形状であってもよく、またはこれとは別に多角形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形のものであってもよい。これとは別に隣接する多角形は、少なくとも2種類の多角形を含んでもよい。
【0009】
隣接する多角形は、複数の第2多角形に囲まれた第1多角形を含んでもよい。第2多角形は、全て同じ種類のものであってもよい。この場合第2多角形は、全て同じ大きさおよび形状であってもよく、これとは別に第2多角形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形のものであってもよい。これとは別に第2多角形は、少なくとも2種類の多角形を含んでもよい。
【0010】
第1多角形は、正多角形であってもよく、第2多角形は全て同じ種類のものであってもよい。この場合第2多角形は、全て同じ大きさおよび形状であってもよく、あるいはこれとは別に第2多角形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形のものであってもよい。これとは別に第2多角形は、少なくとも2種類の多角形を含んでもよい。
【0011】
第1多角形は、不規則多角形であってもよく、第2多角形は全て同じ種類のものであってもよい。これとは別に第2多角形は、少なくとも2種類の多角形を含んでもよい。
【0012】
各第2多角形は、二等辺四辺形であってもよく、第1多角形は、正多角形であってもよい。正多角形は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の辺を有してもよい。特に正多角形は、6または8個の辺を有してもよい。各二等辺四辺形の平行な辺の短い方の辺は、第1多角形の辺の1つと隣接してもよい。各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺は、第1多角形の辺の1つの反対に配置されてもよい。各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺は、繰り返し変形可能な壁の境界の一部を形成してもよい。各二等辺四辺形は、その非平行な辺に沿ってその隣の二等辺四辺形と隣接してもよい。二等辺四辺形は、全て同じ大きさおよび形のものであってもよい。これとは別に二等辺四辺形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形のものであってもよい。
【0013】
各第2多角形は、二等辺四辺形であってもよく、第1多角形は、不規則多角形であってもよい。不規則多角形は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の辺を有してもよい。特に不規則多角形は、6または8個の辺を有してもよい。各二等辺四辺形の平行な辺の短い方の辺は、第1多角形の辺の1つと隣接してもよい。各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺は、第1多角形の辺の1つの反対に配置されてもよい。各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺は、繰り返し変形可能な壁の境界の一部を形成してもよい。各二等辺四辺形は、その非平行な辺に沿ってその隣の二等辺四辺形と隣接してもよい。
【0014】
容器の第2コンパートメントは、側壁および繰り返し変形可能な壁によって画定されてもよい。側壁は、繰り返し変形可能な壁の境界で繰り返し変形可能な壁に接続してもよい。この場合側壁は、第1の凸状形態と第2の凹状形態との間で繰り返し変形可能な壁を変形する際に、繰り返し変形可能な壁の境界で側壁に加えられる力に応じて弾性的に撓んでもよい。
【0015】
上記段落は一般的な導入部によって記載されたものであり、以下の特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。説明された実施態様は、さらなる利点と共に、添付図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるはずである。
【0016】
本開示のより完全な理解およびそれに伴う利点の多くは、添付図面と関連づけて考慮した際に以下の詳細な説明を参照することによってより良好に理解されることと同じように容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図5A】蓋が容器の基部に取り付けられた際の容器の断面を簡単に示している。
【
図5B】蓋が容器の基部に取り付けられた際の容器の断面を簡単に示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図を参照すると、同じ参照番号はいくつかの図中で同一または対応する部品を示している。
【0019】
図1および2は、本発明の実施態様による容器1を示す。容器1は、基部2と、蓋3と、カバー4とを含む。後で説明するように基部2と蓋3は、新鮮なまたは未使用のスヌースを保管するための第1のスペースまたはコンパートメントを画定し、蓋3とカバー4は、消費されたまたは使用済みスヌースを保持するための第2のスペースまたは廃棄コンパートメントを画定する。
【0020】
図3は、容器1の断面を示している。基部2は、円形の底壁30と周側壁32とを含む。蓋3は、繰り返し変形可能な壁34と周側壁36とを含む。基部の周側壁32の上方部分38は、蓋の周側壁36の内部寸法と比較して小さい外径を有する。これにより基部2が蓋3を収容することができ、蓋3は基部2に取り外し自在に取り付けられる。
【0021】
基部2と蓋3は、未使用のスヌースを収容するための第1コンパートメント42を画定する。従って、ユーザーは、基部2から蓋3を外すことによって第1コンパートメント42から未使用のスヌースの1つを取り出すことができる。その後ユーザーは、通常は残りの未使用のスヌースの水分を保つために蓋3を基部2に再び取り付ける。さらに蓋3は、使用済みのスヌースを収容するための第2コンパートメント44を含む。第2コンパートメント44は、カバー4(
図3に示されていない)で閉じることができ、使用済みスヌースが第2コンパートメントからこぼれ落ちないようにしている。蓋は、第1および第2コンパートメントを隔てる繰り返し変形可能な壁34を含む。即ち、第1コンパートメント42は、繰り返し変形可能な壁34の一方の側にあり、第2コンパートメント44は、繰り返し変形可能な壁34のもう一方の側にある。実際には繰り返し変形可能な壁34は、側壁37と共に第2コンパートメントを画定する。繰り返し変形可能な壁34については以下により詳しく説明する。
【0022】
図4は、第2コンパートメント44と繰り返し変形可能な壁34とを含む蓋3の斜視図である。繰り返し変形可能な壁34は、隣接する多角形で形成されている。隣接する多角形は、全て同じ種類のものであってもよい(多角形の種類は、同じ数の辺を有する2つの多角形が同じ種類の多角形になるように辺の数によって決められる)。例えば、隣接する多角形は、全て三角形であってもよい。この場合全ての隣接する多角形は、同じ大きさおよび形(即ち、互いに合致する)であってもよく、これとは別に隣接する多角形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形(即ち、隣接する多角形の少なくとも2つは合致しなくてもよい)であってもよい。これとは別に隣接する多角形は、少なくとも2種類の多角形を含んでもよい。
【0023】
隣接する多角形は、複数の第2多角形に囲まれた第1多角形を含んでもよい。これは
図4に示す実施態様の場合であり、ここでは複数の第2多角形48に囲まれた第1多角形46がある。第2多角形は、それぞれ同じ種類のものであってもよい。この場合全ての第2多角形は同じ大きさおよび形状のものであってもよい(即ち、互いに合致し、これは
図4の実施態様の場合である)またはこれとは別に第2多角形の少なくとも2つは、互いに異なる大きさおよび/または形(即ち、第2多角形の少なくとも2つは合致しなくてもよい)であってもよい。これとは別に第2多角形は、少なくとも2種類の多角形を含んでもよい。
【0024】
図4の実施態様では第1多角形46は、正多角形であり、第2多角形48は、同じ大きさおよび形の二等辺四辺形である。各二等辺四辺形の平行な辺の短い方の辺48Bは、第1多角形の辺の1つと隣接している。各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺48Aは、第1多角形の辺の1つ反対に配置されている。この実施態様では各二等辺四辺形の平行な辺の長い方の辺48Aは、繰り返し変形可能な壁34の境界50の一部も形成している(繰り返し変形可能な壁34の境界50は、第1多角形46と同じ正多角形形状を有することを意味している)。各二等辺四辺形は、その非平行
な辺48C、48Dに沿ってその隣の二等辺四辺形と隣接する。
図4の実施態様の第1多角形46は、正多角形であるが、当然のことながら規則的または不規則な任意の多角形を第1多角形46に使用してもよく、第2多角形48の数および大きさおよび形状は、多角形間の連続的な関係を維持し、繰り返し変形可能な壁34を形成するためにそれに応じて調節される。注目すべきことは繰り返し変形可能な壁34は、その境界50で側壁37に接続されており、隣接する多角形46、48の相対移動が繰り返し変形可能な壁34のこの境界50で制約される。
【0025】
繰り返し変形可能な壁34は、隣接する多角形46、48が凸状形状を形成するように配置される第1の形態と隣接する多角形46、48が凹状形状を形成するように配置される第2の形態との間で繰り返し変形可能である。第1の形態では凸状形状は、未使用のスヌースを保管するための第1コンパートメントの容積を最大にする役割を果たす。第2の形態では凹状形状は、使用済みのスヌースを保管するための第2コンパートメントの容積を最大にする役割を果たす。繰り返し変形可能な壁34は、
図5Aおよび5Bを参照して説明するようにユーザーによって加えられる圧力に応じて第1および第2の位置間で繰り返し変形可能である。
【0026】
図5Aおよび5Bは、蓋3が基部2に取り付けられている際の容器1の断面を簡単に示している。
図5Aは、第1の形態の繰り返し変形可能な壁34を示し、隣接する多角形46、48が第1コンパートメント42の容積を最大にするために凸状形状を形成するように配置されている。
図5Bは、第2の形態の繰り返し変形可能な壁34を示し、隣接する多角形46、48が第2コンパートメント44の容積を最大にするために
凹状形状を形成するように配置されている。
【0027】
繰り返し変形可能な壁34は、ユーザーが
図5Aの矢印52で示す方向に圧力を繰り返し変形可能な壁34に加えると、
図5Aの第1の形態から
図5Bの第2の形態へと変形可能である。より具体的には矢印52の方向に繰り返し変形可能な壁34に加えられる圧力が閾値を超えると、連続する多角形46、48の境界での繰り返し変形可能な壁34の弾力性に勝る。これにより隣接する多角形46、48を繰り返し変形可能な壁の境界50に対してそして互いに対して動かし、
図5Bの第2の形態の凹状形状を形成する。
【0028】
注目すべきことは矢印52の方向の圧力は、繰り返し変形可能な壁34を変形するために直接的に加えてもよい。例えば、ユーザーは、一本以上の指で繰り返し変形可能な壁34を押すことによって直接的に圧力を加えてもよい。これとは別に矢印52の方向の圧力を間接的に加えて繰り返し変形可能な壁34を変形させてもよい。例えば、繰り返し変形可能な壁34が
図5Aの第1の形態にある時、ユーザーは、使用済みスヌースをコンパートメント44に入れ、カバー4を蓋3に取り付けてもよい。充分な量の使用済みスヌースがコンパートメント44に入っている場合、カバー4がユーザーによって蓋3に取り付けられる際、カバーが使用済みスヌースを押し、順に使用済みスヌースが繰り返し変形可能な壁を押すことになる。従って、カバー4が蓋3に取り付けられる際に使用済みスヌースを介して圧力が繰り返し変形可能な壁34に間接的に加えられる。
【0029】
同様に繰り返し変形可能な壁34は、ユーザーが繰り返し変形可能な壁34に
図5Bの矢印54で示す方向に圧力を加えると、
図5Bの第2の形態から
図5Aの第1の形態へ再度変形可能である(この場合ユーザーは、繰り返し変形可能な壁34に圧力を加えるために基部2から蓋3を取り外さなければならない)。より具体的には矢印54の方向に繰り返し変形可能な壁34に加えられる圧力が閾値を超えると、連続する多角形46、48の境界での繰り返し変形可能な壁34の弾力性に勝る。これにより隣接する多角形46、48を繰り返し変形可能な壁の境界50に対してそして互いに対して動かし、
図5Aの第1形態の凸状形状を形成する。
【0030】
再度注目すべきことは矢印54の方向の圧力は、繰り返し変形可能な壁34を変形するために直接的に加えてもよい。例えば、ユーザーは、一本以上の指で繰り返し変形可能な壁34を押すことによって直接的に圧力を加えてもよい。これとは別に矢印52の方向の圧力を間接的に加えて繰り返し変形可能な壁34を変形させてもよい。例えば、繰り返し変形可能な壁34が蓋3を基部2に取り付ける前に
図5Bの第2の形態にある場合、および充分な量の未使用のスヌースがコンパートメント42に入っている場合、蓋3がユーザーによって(またはこれとは別に製造者によって)基部2に取り付けられると、未使用のスヌースが繰り返し変形可能な壁34に対して押すことになる。従って、蓋3が基部2に取り付けられると、未使用のスヌースを介して繰り返し変形可能な壁34に圧力が間接的に加えられる。
【0031】
隣接する多角形46、48は、繰り返し変形可能な壁34の弾性部分56によって形成されている。より具体的には弾性部分56は、隣接する多角形46、48の境界を画定する。弾性部分56は、各多角形がその境界のそれぞれを中心に枢動またはヒンジ動させることによって隣接する多角形が上述の相対移動をできるようにする。また弾性部分56は、圧力が加えられていない場合(または加えられた圧力が閾値未満の場合)、第1および第2の形態が安定(即ち、変化しないように)するように隣接する多角形の相対移動を付勢する。充分な圧力が加えられて繰り返し変形可能な壁を第1の形態から第2の形態へと変形させる場合(またはその逆)、弾性部分56の弾性がその形状を突然「ポン」または「パチン」と音を立てて変化させる。
【0032】
隣接する多角形を相対移動させ、第1および第2の形態が安定するように相対移動を付勢する繰り返し変形可能な壁34の弾性部分56に加えて、使用済みスヌースコンパートメントの側壁37も弾性的に撓ませて第1および第2の形態が安定するように隣接する多角形の相対移動および相対移動の付勢に貢献できるようにしてもよい。この場合、側壁37は、第1の凸状形状と第2の凹状形状間の繰り返し変形可能な壁の変形時に繰り返し変形可能な壁34の境界50で側壁に加えられる力に応じて弾性的に撓ませる。これは
図5Aおよび5Bに例示されている。
【0033】
圧力を
図5Aの矢印52の方向に繰り返し変形可能な壁に加えて繰り返し変形可能な壁を第1の形態から第2の形態に変形させる際、力が矢印41の方向に境界50で側壁37に加えられる。これにより繰り返し変形可能な壁が最初に第1の形態から離れるように変形されると、側壁を矢印41の方向にその上方縁部の周囲で(側壁37を蓋3の外方部分に接続する上縁部39)撓ませ、その元の位置から離れるように移動させる。側壁37の矢印41の方向に撓ませた際の弾力性は、繰り返し変形可能な壁の変形に対する初期の抵抗を生じさせるのに役立ち、第1の形態が安定するように隣接する多角形の相対移動を付勢するのに役立つ。その後繰り返し変形可能な壁が第2の形態(ユーザーによって繰り返し変形可能な壁に加えられる圧力が弾性部分56の弾力性および側壁37によって供される抵抗を上回るために必要とされる閾値を超えると生じるような)に近づくと、側壁37の弾力性が側壁を上縁部39の周囲で矢印43の方向に撓ませ、その元の位置に戻らせる(側壁37は、繰り返し変形可能な壁が第2の形態に到達した際に元の位置に戻る)。側壁37がそれ自体の弾力性によりその元の位置に戻ると、力を繰り返し変形可能な壁の境界50に加えて繰り返し変形可能な壁が第2の形態に到達するのを補助する。
【0034】
同様に圧力を
図5Bの矢印54の方向に繰り返し変形可能な壁に加えて繰り返し変形可能な壁を第2の形態から第1の形態に変形させると、力が矢印41の方向に境界50で側壁37に加えられる。これにより側壁を繰り返し変形可能な壁が最初に第2の形態から離れるように変形されると、矢印41の方向にその上方縁部の周囲で(側壁37を蓋3の外方部分に接続する上縁部39)撓ませ、その元の位置から離れるように移動させる。側壁37の矢印41の方向に撓ませた際の弾力性は、繰り返し変形可能な壁の変形に対する初期の抵抗を生じさせるのに役立ち、第1の形態が安定するように隣接する多角形の相対移動を付勢するのに役立つ。その後繰り返し変形可能な壁が第1の形態(ユーザーによって繰り返し変形可能な壁に加えられる圧力が弾性部分56の弾力性および側壁37によって供される抵抗を上回るために必要とされる閾値を超えると生じるような)に近づくと、側壁37の弾力性が側壁を上縁部39の周囲で矢印43の方向に撓ませ、その元の位置に戻らせる(側壁37は、繰り返し変形可能な壁が第1の形態に到達した際に元の位置に戻る)。側壁37がそれ自体の弾力性によりその元の位置に戻ると、力を繰り返し変形可能な壁の境界50に加えて繰り返し変形可能な壁が第1の形態に到達するのを補助する。
【0035】
従って、繰り返し変形可能な壁の弾性部分56の弾力性と共に側壁37の弾力性は、圧力が最初に繰り返し変形可能な壁に加えられ、変形が開始されると(繰り返し変形可能な壁に加えられる圧力が所定の閾値を超えると生じる)、繰り返し変形可能な壁をその最終的な新しい形態への変形の補助に続くように初期の抵抗を再構成させる。それは繰り返し変形可能な壁が第1および第2の形態の間で変形される際の「ポン」または「パチン」と音がする作用を生じさせるその後の補助が続くこの初期の抵抗である。ここで留意すべきは弾性部分56および弾性の側壁37によってもたらされる抵抗は、繰り返し変形可能な壁の第1および第2の形態の間の約半分(即ち、繰り返し変形可能な壁がほぼ平面であり、容器1の平坦な基部30と平行になるとき)まで到達すると補助に変化する。
【0036】
図に示す実施態様では、繰り返し変形可能な壁34を含む蓋3全体は、単独の材料から形成される。材料の厚さは、連続する多角形46、48の境界で弾性部分56を画定するために繰り返し変形可能な壁34の所定の領域で薄くなっている。これにより蓋3を射出成形などによって簡単に製造できるので有利である。使用する材料は、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)などの厚さの薄い所で好適な弾力性を有するあらゆる材料であってもよい。注目すべきことは側壁37は、一般に弾性部分56より弾性が小さくなり(弾性部分と異なり側壁は、ヒンジ動または枢動を良好に画定するためにそれほど弾性を有する必要はないので)、例示した実施態様のように隣接する多角形46、48のそれぞれの中央部分(即ち、弾性部分56の一部を形成しない各隣接する多角形の部分)と同じまたは類似の厚さであってもよい。このような厚さは、側壁に充分な弾性を持たせ、繰り返し変形可能な壁の変形時に適度な抵抗および補助を供し(上述のように)、同時に蓋3に構造的完全性を付与するので有利である。
【0037】
使用時、容器1が最初に新しい未使用のスヌースで満たされると、繰り返し変形可能な壁34は、
図5Aの第1の凸状形態になる。これは未使用のスヌースを保管するための第1コンパートメント42に最大容積を付与する。その後にユーザーが容器1内に使用済みスヌースを保管したいと思ったら(適当な廃棄容器を見つけられるまで)、ユーザーは使用済みスヌースを第2コンパートメント44に入れる。第2コンパートメント44の容積を大きくしてより多くの使用済みスヌースを保管できるようにするためにユーザーは、繰り返し変形可能
な壁34が「ポン」または「パチン」と音を立てて
図5Bの第2の凹状形態になるようにユーザーは繰り返し変形可能な壁34に圧力を加える。更にその後ユーザーが、使用済みスヌースを廃棄するために適当な廃棄容器を見つけると、ユーザーは、繰り返し変形可能な壁34が「ポン」または「パチン」と音を立てて
図5Aの第1の凸状形態に戻るように圧力を繰り返し変形可能な壁34に加えてもよい。これにより再度第1コンパートメント42に最大容積を付与し、ユーザーは、新しい未使用のスヌースを補充してもよい。従って、繰り返し変形可能な壁34は、容器1の全容積を使用済みおよび未使用のスヌースの相対的な量に応じて効率的に使用できるようにするので有利である。
【0038】
隣接する多角形を含む上述の繰り返し変形可能な壁34は、ユーザーが第1の形態から第2の形態へと(またはその逆)壁を変形するために繰り返し変形可能な壁の任意の領域に圧力を加えられるので有利である。なぜならこのような隣接する多角形の使用は、多角形の1つ以上に圧力を加える際に繰り返し変形可能な壁34に加えられる圧力が繰り返し変形可能な壁34に亘ってより均一に配分されるからである。従って、ユーザーは、隣接する多角形の任意の1つ(即ち繰り返し変形可能な壁34上の任意の箇所)に圧力を加えることによって繰り返し変形可能な壁34を簡単に変形することができる。これはユーザーが繰り返し変形可能な壁34を変形することをより簡単かつ便利に行えるようにする。このことは第1多角形46が複数の第2多角形48に囲まれた多角形構成であって、特に第2多角形48が全て同じ種類であ
る場合(説明した実施態様に示すように)に顕著である。
【0039】
さらに隣接する多角形を含み、複数の第2多角形48によって囲まれた第1多角形46を含み、第2多角形のそれぞれが同じ種類のものである上述の繰り返し変形可能な壁34は、第1および第2コンパートメント42、44に好ましい形状を付与する。特にこのことは第2の形態での繰り返し変形可能な壁34の凹形形状がユーザーが使用済みスヌースを廃棄するための適当な汚物容器を見つけた際に使用済みスヌースを第2コンパートメント44から簡単に取り除けるようにする第2コンパートメント44について言える。
【0040】
第1多角形46として正多角形そして複数の第2多角形48として複数の同一の二等辺四辺形を使用することは、圧力を繰り返し変形可能な壁34に亘ってより均一に配分し、かつ、上述の効果を達成するのに特に効果的である。第1多角形46としてあらゆる正多角形を使用してもよく、第2多角形48としての二等辺四辺形の数は、選択された正多角形の辺の数に等しい。5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16個の辺を有する正多角形を使用することは、これが第1および第2の壁の形態の凸および凹状形状(それぞれの)を良好に画定し、かつ、壁の構造的完全性を維持し、製造を簡単にすることから特に有利である(隣接する多角形の境界での繰り返し変形可能な壁の弾性部分間の良好なバランスが得られ、硬くなるほど、隣接する多角形の中央部分を画定する繰り返し変形可能な壁の弾性部分は小さくなることにより)。実際には6または8個の辺を有する正多角形を使用することが特に効果的である。
【0041】
注目すべきことは図に示す実施態様では、第2コンパートメント44は、常に存在するが、繰り返し変形可能な壁34が
図5Aの第1凸状形態にあるとき、容積が小さくなる。別の構成では繰り返し変形可能な壁は、第2コンパートメント44が繰り返し変形可能な壁34が第1の凸状形状から第2の凹状形状へ変形されたときにだけ形成されるように配置されてもよい(即ち、第2コンパートメント44は、繰り返し変形可能な壁34が第1凸状形態にあるとき、容積が0になる)。
【0042】
注目すべきことは容器1自体の構成は、本発明の1つの実施態様だけに関連し、繰り返し変形可能な壁34および第1および第2コンパートメントは異なる構成にしてもよい。例えば、蓋3に配置する代わりに第2コンパートメント44を基部2に配置してもよい。この場合基部2の円形の底壁30は、代わりに側壁と共に基部2の底部に第2コンパートメント44を画定する繰り返し変形可能な壁34を含んでもよい(図示しないが図中の実施態様の側壁37と類似する)。第2コンパートメント44は、使用済みスヌースが落下しないように別個の底部カバー(図示せず)で閉じられる。
【0043】
この別の構成では繰り返し変形可能な壁34および側壁37を含む基部2全体が単独の材料から形成されてもよい(蓋3が上述したように繰り返し変形可能な壁34を含む場合の蓋3のように)。ここでも材料の厚さは、連続する多角形46、48の境界で弾性部分56を画定するために繰り返し変形可能な壁34の所定の領域で薄くなっている。これは射出成形などによって基部2を簡単に製造できるので有利である。ここでも使用する材料は、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)などの厚さの薄い所で好適な弾力性を有するあらゆる材料であってもよい。
【0044】
勿論、容器1のさらに別の構造も可能である。
【0045】
当然のことながら多くの本開示の変更例および変形例が上記の教示に照らして可能である。従って、当然のことながら添付の特許請求の範囲内で本開示をここで具体的に説明したもの以外でも実施可能である。
【0046】
本開示をいくつかの実施態様と関連させて説明したが、本開示はここで説明した特定の形態に限定されるものではない。加えてある1つの特徴が特定の実施態様に関連づけて説明されているように見えても、当業者は説明した実施態様の種々の特徴を本技術を実行するために任意の好適な方法で組み合わせてもよいことを認識するはずである。