(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バスバー(112)の各々は、前記ケーブル(114)の前記導電体(162)のうちの異なる導電体の前記露出部分(166)に電気的に接続されている、請求項1に記載のカバー組立体(104)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、一実施形態に従って形成されたバッテリモジュール100の上面斜視図である。バッテリモジュール100は、電気車両またはハイブリッド電気車両などの車両でバッテリシステムの一部として使用することができる。バッテリモジュール100は、代替実施形態では他の用途で使用することができる。
【0008】
バッテリモジュール100は複数のバッテリセル102を含む。バッテリセル102は、スタック軸103に沿ってスタック構成に横並びで配置される。一実施形態のバッテリセル102は角型バッテリセルであるが、他の実施形態では他のタイプのバッテリセルであってもよい。任意選択で、バッテリモジュール100は、スタック構成でバッテリセル102を保持するケース105を含むことができる。カバー組立体104が、バッテリセル102の上部を覆って設けられる。カバー組立体104は、バッテリセル102の各々に結合される。
【0009】
バッテリモジュール100は、正バッテリ端子106と負バッテリ端子108とを含む。バッテリ端子106、108は、外部電力ケーブルに結合するように構成され、または、代替として、バッテリモジュール100と同様の別のバッテリモジュールのバッテリ端子にバス接続されることもある。バッテリモジュール100のバッテリセル102の各々は、正セル端子(図示せず)と負セル端子(図示せず)とを含む。各バッテリセル102のセル端子は、一般に、バッテリセル102の外縁の近くで、隣接するバッテリセル102の対応するセル端子に整列される。一実施形態では、バッテリセル102は、1つのバッテリセル102の正セル端子が2つの隣接するバッテリセル102の負セル端子間に配置され、1つのバッテリセル102の負セル端子が2つの隣接するバッテリセル102の正セル端子間に配置されるように配置される。したがって、セル端子は、交互の正−負−正−負構成を有することができる。
【0010】
カバー組立体104は、バッテリセル102の端から端までの長さに及ぶハウジング110を含む。例えば、ハウジング110は、スタック軸103と平行に延びるように向けられてもよい。カバー組立体104は、ハウジング110によって保持される複数のバスバー112をさらに含む。バスバー112は、
図2においてより詳細に示される。バスバー112は、各々、2つのバッテリセル102間に電流経路を設けるために、互いに隣接して重ねられた2つの隣接するバッテリセル102に電気的に接続するように構成される。例えば、各バスバー112は、1つのバッテリセル102の正セル端子と、隣接するバッテリセル102の負セル端子とに係合し電気的に接続する。バスバー112により、電気エネルギー(例えば電流および電圧)は、1つのバッテリセル102に制限されることなく、バッテリモジュール100の複数のバッテリセル102を通って伝わることができる。
【0011】
カバー組立体104は、バスバー112を横切って延びる電気ケーブル114をさらに含む。電気ケーブル114は、スタック軸103と平行に延びることができる。電気ケーブル114およびバスバー112は、垂直方向にハウジング110の上部カバー124とバッテリセル102との間に配設することができる。電気ケーブル114は、
図3においてより詳細に示される。電気ケーブル114は、本明細書ではケーブル114と呼ばれる。いくつかの実施形態では、カバー組立体104は1つを超えるケーブル114を含む。例えば、第1のケーブル114Aはバッテリモジュール100の前側118に近接して配設され、第2のケーブル114Bはバッテリモジュール100の後ろ側120に近接して配設される。本明細書で使用される場合「上部」、「底部」、「前部」、「後部」、「左」、および「右」などの相対用語または空間用語は、参照する要素を区別するためにのみ使用され、バッテリモジュール100またはバッテリモジュール100の周囲環境の特定の位置または向きを必ずしも必要としない。
【0012】
例示的な実施形態では、ケーブル114は、バッテリセル102の各々を流れる電圧をモニタするためにバスバー112に電気的に接続される。ケーブル114は、バスバー112から中央コントローラ(図示せず)の方への電気信号経路を提供する。中央コントローラは、バスバー112およびケーブル114を介してバッテリセル102の電圧を分析およびモニタするために使用されるコンピュータ、プロセッサ、または別の処理デバイスとすることができる。任意選択で、ケーブル114は、ワイヤハーネス122またはケーブルに結合される電気コネクタ116に終端される。その結果、ケーブル114はバスバー112から中央コントローラまでの電気信号経路の第1の部分を提供し、ワイヤハーネス122は中央コントローラまでの電気信号経路の第2の部分を提供する。代替として、ケーブル114は、中央コントローラに直接係合し電気的に終端するようにカバー組立体104から遠隔に延びて、バスバー112と中央コントローラとの間の信号経路全体を提供することができる。
【0013】
図2は、一実施形態に従って形成されたバッテリモジュール100(
図1に示した)のカバー組立体104の底面斜視図である。カバー組立体104の目に見える底面126は、バッテリセル102(
図1に示した)の上部を横切って延び、バッテリセル102の上部に係合するように構成される。カバー組立体104は、第1の端部136と第2の端部138との間の長手軸191に沿った長さに及ぶ。カバー組立体104は、第1の側140と第2の側142との間の横軸192に沿った幅に及ぶ。長手軸191は横軸192に対して垂直である。
【0014】
ハウジング110は、バスバー112に結合しバスバー112をハウジング110に対して所定位置に保持するフレームを備える。例えば、ハウジング110は、バスバー112に係合しバスバー112をハウジング110に機械的に固定する偏向可能なラッチ、干渉逆とげ(interference barb)などの保持機構144を含む。バスバー112は、長手軸191に沿って延びる第1の平行な列146および第2の平行な列148に配置される。第1の列146および第2の列148は、カバー組立体104の幅に沿って互いに離間される。例えば、第1の列146はカバー組立体104の第1の側140に近接して配置され、第2の列148は第2の側142に近接して配置される。バスバー112は、各々、底面150と、反対側の上面152(
図1に示した)とを含む。底面150は、バッテリセル102(
図1に示した)に面するように構成される。上面152は、ハウジング110の上部カバー124(
図1に示した)に面する。
【0015】
各バスバー112は、基部部分128と、基部部分128から延びる端子部分130とを含む。各バスバー112は、基部部分128が(端子部分130よりも)カバー組立体104の幅を二分する中央長手軸154に近接して配設された状態で、全体的に横軸192に沿って延びるように向けられる。第1の列146のバスバー112の端子部分130は、対応する基部部分128からカバー組立体104の第1の側140まで延びる。同様に、第2の列148のバスバー112の端子部分130は、対応する基部部分128からカバー組立体104の第2の側142まで延びる。基部部分128は、ケーブル114に係合し電気的に接続するように構成される。端子部分130は、それぞれのバスバー112をバッテリセル102に電気的に接続するために、バッテリセル102(
図1に示した)のセル端子(図示せず)に係合するように構成される。例えば、対応するバスバー112の端子部分130の1つの区間は、第1のバッテリセル102の正セル端子に係合することができ、別の区間は、第1のバッテリセル102に隣接する第2のバッテリセル102の負セル端子に係合する。
【0016】
カバー組立体104は、バスバー112の第1の列146を横切って延びる第1のケーブル114Aと、バスバー112の第2の列148を横切って延びる第2のケーブル114Bとを含む。ケーブル114A、114Bの各々は、バッテリセル102(
図1に示した)を流れる電圧をモニタするために、それぞれの列146、148のバスバー112に電気的に接続される。一実施形態では、ケーブル114A、114Bは、対応するバスバー112の基部部分128を横切って延び、それに係合する。図示の実施形態では、ケーブル114A、11Bは、対応するバスバー112とハウジング110の上部カバー124(
図1に示した)との間に配設される。例えば、ケーブル114A、114Bは、対応するバスバー112の上面152(
図1に示した)および上部カバー124に物理的に接触して係合する。しかしながら、代替実施形態では、ケーブル114A、114Bは、対応するバスバー112の底面150に物理的に接触して係合することができ、その結果、バスバー112の基部部分128は、垂直において対応するケーブル114A、114Bと上部カバー124との間に配設される。
【0017】
カバー組立体104は、任意選択で、1つまたは複数の補足感知回路156を含む。補足感知回路156は、温度、圧力などのようなバッテリモジュール100(
図1に示した)の他のパラメータをモニタするためのセンサ158および関連回路160を含む。図示の実施形態では、2つのそのような感知回路156の回路160が、第1の列146のバスバー112の底面150を横切って延びている。
【0018】
図3は、一実施形態によるカバー組立体104の一部分の底面斜視図である。カバー組立体104の一部分は、
図2に示した第1の列146または第2の列148とすることができる共通列に沿って配置されたバスバー112を示す。図示の実施形態では、バスバー112のうちの1つが、ケーブル114をよりよく示すために取り除かれている。ケーブル114は、
図2に示した第1のケーブル114Aまたは第2のケーブル114Bとすることができる。ケーブル114は、複数の導電体162と、導電体162を囲む誘電体絶縁体164とを含む。誘電体絶縁体164は、導電体162を互いに電気的に隔離するために、導電体162のまわりおよびさらに導電体162間に延びる。
一実施形態では、ケーブル114は平面リボンケーブルであり、導電体162はケーブル114の幅を横切って横並びで配置される。誘電体絶縁体164は、導電体162を互いに電気的に隔離するために、隣接する導電体162間に幅を横切って散在される。導電体162は、銅などで形成された金属ストリップまたはワイヤである。誘電体絶縁体164は、1つまたは複数のプラスチックまたは他のポリマーなどの誘電体材料で形成することができる。別の実施形態では、ケーブル114はフレキシブルプリント回路基板である。導電体162は、誘電体絶縁体164を画定する非導電性基板の幅を横切って横並びで配置された金属トレースとすることができる。
【0019】
例示的な実施形態では、ケーブル114の導電体162は、誘電体絶縁体164を介して露出された露出部分166を含む。露出部分166は、ケーブル114をバスバー112に電気的に接続するために、対応するバスバー112に係合するように構成される。それぞれの導電体162は露出部分166に沿って誘電体絶縁体164によって完全には封入されず、その結果、露出部分166に沿った導電体162の少なくとも一部分が外部環境に露出する。図示の実施形態では、それぞれの導電体162の少なくとも1つの広い側168が、露出部分166に沿って誘電体絶縁体164を介して露出される。一実施形態では、ケーブル114の各導電体162は、1つのバスバー112に係合するように構成された1つの露出部分166を含む。それゆえに、各導電体162は、1つの対応するバスバー112にのみ電気的に接続される。その導電体162は、バスバー112を横切る電気エネルギーをモニタするために、対応するバスバー112から中央コントローラの方への電気信号経路を提供する。ケーブル114は、バスバー112の各々が導電体162のうちの異なる導電体の露出部分166に電気的に接続するように、ケーブル114が横切って延びるバスバー112の数と少なくとも同じ数の導電体162を含む。
【0020】
一実施形態では、導電体162の露出部分166は、誘電体絶縁体164に画定された窓170を通して延びる。例えば、露出部分166に沿った各導電体162の広い側168は、対応する窓170を通して外部環境に露出される。窓170は誘電体絶縁体164中の空所である。空所は、誘電体絶縁体164の外側表面から誘電体絶縁体164内の対応する導電体162の表面まで内側に延びる。各窓170は、導電体162のうちの1つの一部分に整列する。窓170は、それぞれの導電体162の露出部分166を画定する。例えば、各導電体162の露出部分166は、窓170に整列した導電体162の一部分である。一実施形態では、1つの導電体162しか各窓170を通して露出されない。例えば、窓170は、単一の窓170が2つの隣接する導電体162の部分を露出させないように、ケーブル114の幅に対して指定された幅および場所を有することができる。各窓170は、ケーブル114の形成と同時に形成することができ、またはケーブル114の形成の後でレーザ切削または同様のプロセスを介して材料を取り除くことによって形成することができる。
【0021】
図4は、一実施形態によるカバー組立体104の電気ケーブル114とバスバー112のうちの1つとの間の接合部の拡大断面上面図である。ケーブル114は、バスバー112の上面152を横切って延びる。
図4に示したそれぞれの導電体162の露出部分166は、導電体162をバスバー112に電気的に接続するために、接合部においてバスバー112に電気的に接続される。例示的な実施形態では、露出部分166は、露出部分166とバスバー112との間に付けられた接合層172を介して対応するバスバー112に電気的に接続される。接合層172は導電性であり、導電体162とバスバー112との間の電流経路を提供する。接合層172は接着剤でもあり、露出部分166(接合層172の一方の側の)とバスバー112(接合層172の他方の側の)の両方との物理的な係合を保持するように構成される。したがって、接合層172は、導電性ならびに接着性の両方を含む導電性接着材料から構成されてもよい。
【0022】
接合層172は、テープ、ペースト、ゲルなどの形態とすることができる。接合層172の接着性は、カバー組立体104の生成の間に温度または圧力活性化することができる。接合層172は、窓170の表面区域よりも小さい表面区域を有することができる。例えば、接合層172は、接合層172が導電体162の露出部分166に係合するが、露出部分166を囲むケーブル114の誘電体絶縁体164に係合しないように、選択した場所および選択した量で適用することができる。代替実施形態では、接合層172は、導電体162の露出部分166に係合することに加えてケーブル114の誘電体絶縁体164の少なくとも一部分に係合する。
【0023】
一実施形態では、接合層172は、導電体162の露出部分166および対応するバスバー112の両方に接合する導電性エポキシである。導電性エポキシは、エポキシ樹脂基材と、導電性を与えるためにエポキシ樹脂基材の全体にわたって分散された金属粒子とを含むことができる。金属粒子は、粉末、薄片、繊維などの形態とすることができる。
【0024】
接合層172は、たとえ導電体162とバスバー112が異なる導電性材料で形成されていても、導電体162とバスバー112の両方に係合し接合するように構成される。例えば、導電体162は銅で形成することができ、バスバー112はアルミニウムで形成することができる。2つの金属間に発生する脆い金属間層に部分的に起因して、はんだ付けおよび溶接などの従来の接続方法を介して銅導電体162とアルミニウムバスバー112との間の確実な電気接続を生成することは困難なことがある。接合層172は、銅導電体162とアルミニウムバスバー112の両方を、それらの間に脆い金属間層を形成することなしに接合するように構成される。その結果、接合部の電気接続は、2つの異なる金属をはんだ付けまたは溶接することによって形成される電気接続よりも確実なものとなる(例えば、より長い実効寿命にわたってより一貫した電流伝達を行う)ことができる。
【0025】
図5は、一実施形態による3つのバスバー212を横切って延びる電気ケーブル214を含むカバー組立体204の一部分の上面図である。バスバー212およびケーブル214は、
図1〜
図4に示したそれぞれのバスバー112およびケーブル114と同様とすることができる。ケーブル214は、
図1に示した電気コネクタ116と同様とすることができる電気コネクタ216に終端される。ケーブル214は、電気コネクタ216と遠位端274との間の長手軸291に沿った長さに及ぶ。ケーブル214は、ケーブル214(横軸292に沿って延びる)の幅に沿って互いに離間した3つの導電体262を含む。各導電体262は、ケーブル214の全長に及ぶ。一実施形態では、各導電体262は、バスバー212のうちの対応するものに電気的に接続される。
例えば、第1の導電体262Aは、電気コネクタ216に最も近い第1のバスバー212Aに電気的に接続され、第2の導電体262Bは、第1のバスバー212Aと第3のバスバー212Cとの間にある第2のバスバー212Bに電気的に接続され、第3の導電体262Cは、電気コネクタ216から最も遠い第3のバスバー212Cに電気的に接続される。図示の実施形態では、第2の導電体262Bが第1の導電体262Aと第3の導電体262Cとの間にあるが、他の実施形態では、導電体262A〜262Cは、他の相対的配置であってもよい。
【0026】
導電体262の露出部分266は、対応するバスバー212の基部部分228に長手方向に(長手軸291に沿って)整列される。したがって、第1の導電体262Aの露出部分266は、第2の導電体262Bおよび第3の導電体262Cの露出部分266から長手軸291に沿って離間される。上述のように、露出部分266は、対応するバスバー212にそれぞれの接合部において接合層172(
図4に示した)を介して電気的に接続することができる。バスバー212A〜212Cの各々は、ケーブル214の導電体262A〜262Cのうちの異なる導電体の露出部分266に電気的に接続される。
【0027】
一実施形態では、ケーブル214の導電体262は、それぞれの露出部分266と電気コネクタ216との間に延びる電流経路を画定する。電流経路は電圧モニタ経路276と呼ばれる。その理由は、これらの長さの導電体262が、電気コネクタ216と、対応するバスバー212との間で電気信号を伝えて、バスバー212によって係合されたバッテリセル102(
図1に示した)を流れる電圧をモニタするために使用されるからである。第1の導電体262Aの電圧モニタ経路276Aは第2の導電体262Bの電圧モニタ経路276Bよりも短く、第2の導電体262Bの電圧モニタ経路276Bそれ自体が第3の導電体262Cの電圧モニタ経路276Cよりも短い。
【0028】
それぞれの電圧モニタ経路276の外側の残りの長さの導電体262は、電圧モニタ目的の信号の伝送に使用されない。導電体262のそのような部分は、電圧モニタ経路276に電気的に接続されている場合、導電体262を横切る電気的干渉および沿面漏れ(creepage)に起因する電圧モニタ信号品質への有害作用があることがある。例えば、ケーブル214の遠位端274などにおいて導電体262を横切って電流が漏洩またはクリープする(creep)可能性がある。それが、電圧モニタを妨害することがあり、さらに、潜在的にケーブル214を損傷することがある。
【0029】
一実施形態では、ケーブル214は、電圧モニタ経路276の外側に、導電体262を通って延びる多数の開口278を画定する。開口278は、そのような電気的干渉および沿面漏れが電圧モニタを妨害しないように電流経路を切断するように構成される。例えば、開口278は、各々、導電体262のうちの1つを通って延び、対応する導電体262を、互いに電気的に隔離された2つの非接続の部分に分離する。図示の実施形態では、ケーブル214は、各々が導電体262のうちの異なる導電体を通って延びる3つの開口278を画定している。各開口278は、対応する導電体262の長さに沿って、それぞれの電圧モニタ経路276の外側に(例えば、露出部分266と電気コネクタ216との間の電流経路の部分の外側に)配置される。導電体262による電流経路を切断する開口278により、ケーブル214の遠位端274の導電体262の部分は、電圧モニタ経路276および電気コネクタ216から電気的に隔離される。それゆえに、遠位端274でのいかなる干渉または沿面漏れも電圧モニタを妨害しない。
【0030】
次に
図3に戻って参照すると、一実施形態では、ケーブル114は、導電体162がバスバー112に電気的に接続される接合部においてストレインリリーフをケーブル114に設けるために、固定場所でカバー組立体104に(ハウジング110および/またはバスバー112などに)機械的に固定される。図示の実施形態では、ハウジング110は、ケーブル114に画定された対応する開口178を通って延びるように構成されたポスト(post、棒)182を含む。開口178は
図5に示した開口278と同様とすることができ、その結果、開口178は、それぞれの導電体162を2つの非接続の電気的に隔離された部分に分離する。
したがって、開口178は、電気的目的(例えば、導電体162間の干渉および沿面漏れを低減する)と、さらに、機械的目的(例えば、ケーブル114をハウジング110に固定するためにポスト182を受け取る)とのために使用することができる。各固定場所において、1つのポスト182が、ケーブル114をカバー組立体104に機械的に固定するためにケーブル114における対応する開口178を通って延びる。ポスト182は、電気的接合部にストレインリリーフを設ける。その理由は、ポスト182と開口178との間の機械的相互作用が、応力、歪み、および振動などのケーブル114に印加される力を吸収して、接合部で受ける力を低減するように構成されるからである。したがって、接合層172(
図4に示した)で受ける力を低減することができる。
【0031】
任意選択で、ポスト182は、各々、ポスト182から延びる突起184を含み、その結果、ポスト182は、突起184を含む部分に沿って異なる形状および/または増大した直径を有する。突起184は、対応する開口178のまわりのケーブル114の表面に係合してポスト182にケーブル114を保持するように構成される。例えば、突起184は、ケーブル114がポスト182に装填されたときに開口178の縁部に係合するように構成された傾斜表面186を有することができる。突起184は、さらに、ポスト182が延びるハウジング110の基部(図示せず)から離間しそれと向き合うキャッチ面(図示せず)を含むことができる。キャッチ面は、ケーブル114をポスト182から取り外すのに必要とされる力を増加させるために、対応する開口178のまわりのケーブル114の表面に係合するように構成される。
【0032】
図6は、代替実施形態によるカバー組立体104の一部分の拡大上面図である。図示の実施形態では、カバー組立体104は、対応するバスバー312に圧着される圧着端子302をさらに含む。各圧着端子302がケーブル114に係合して、ケーブル114を対応するバスバー312に機械的に固定し、接続部にストレインリリーフを設ける。圧着端子302は、ケーブル114の開口178(
図3)を通って延びるハウジング110のポスト182(
図3に示した)の代わりにまたはそれに加えて、ケーブル114をカバー組立体104に機械的に固定するために使用することができる。例えば、
図6に示されていないが、ケーブル114は、導電体162に開口178を画定して、たとえ開口178がケーブル114をカバー組立体104に機械的に固定するために使用されなくても、導電体162を各々2つの非接続の電気的に隔離された部分に分割することができる。
【0033】
一実施形態では、各圧着端子302は、ケーブル114の窓170内の導電体162のうちの1つの露出部分166に係合する。したがって、ケーブル114がカバー組立体104に機械的に固定される固定場所は、導電体162が、対応するバスバー312に電気的に接続される接合部に少なくとも部分的に重なることができる。圧着端子302は、基部304と、基部304の対向縁部308から延びるウィング306とを含む。任意選択で、基部304は導電体162の露出部分166に係合することができ、ウィング306は基部304から延びてバスバー312に係合する。したがって、圧着端子302は、各々、導電体162および対応するバスバー312の両方のまわりに延びてそれらに係合する。圧着端子302は導電性金属材料で形成される。一実施形態では、機械的ストレインリリーフを設けることに加えて、圧着端子302は、導電体162を対応するバスバー312に電気的に接続するために導電性電流経路を提供する。圧着端子302は、導電体162とバスバー312との間に付けられる接合層172(
図4に示した)に加えてまたはそれの代替として使用することができる。
【0034】
図7は、
図6に示した実施形態によるカバー組立体104の一部分の底面斜視図である。
図7に示すバスバー312は、バスバー312が、各々、少なくとも2つのスロット310と、隣接するスロット310間に配設されたブリッジ314とを画定する点で、
図3に示したバスバー112と異なる。図示の実施形態のスロット310は、各バスバー312の基部部分328に沿って延びる列316で配置される。スロット310間のブリッジ314は、各々、一般に、ケーブル114の導電体162のうちの1つに整列される。スロット310は、各々、それを通して圧着端子302(
図6)の少なくとも1つのウィング306(
図6に示した)を受け取るように構成される。任意選択で、各バスバー312はケーブル114の1つの導電体162にのみ圧着されるように構成され、その結果、2つのスロット310および1つのブリッジ314のみが使用される。しかし、図示の実施形態のバスバー312は、各々、ケーブル114の幅にわたって導電体162のいずれかに係合するように十分な数のスロット310およびブリッジ314を画定してバスバー312の各々が同一形状を有することができるようにし、それによって、スロット310およびブリッジ314が異なる場所にあるバスバー312を特別に製造するのを避けることができる。
【0035】
図8は、
図6および
図7に示した実施形態によるカバー組立体104の一部分の側面断面図であり、導電体162および対応するバスバー312の両方に圧着された圧着端子302を示している。図示の実施形態では、導電体162の露出部分166は、露出部分166とブリッジ314との間に付けられた接合層172を介してバスバー312のブリッジ314に電気的に接続される。圧着端子302の基部304は、露出部分166の上面318に係合する。圧着端子302のウィング306は、基部304から、誘電体絶縁体164の窓170と、ブリッジ314のまわりのバスバー312中の対応するスロット310との両方を通って延びる。ウィング306の遠位先端部320は、ブリッジ314の底面322上にねじ曲げられ、それに係合する。このように、圧着端子302は、接合層172が露出部分166とブリッジ314との間に配設されているか否かにかかわらず、ケーブル114をバスバー312に機械的に固定するために露出部分166およびブリッジ314のまわりに延びてそれらに係合する。任意選択で、圧着端子302の金属材料は、例えばアルミニウムなどのバスバー312の金属材料よりも固い金属とすることができ、ウィング306の遠位先端部320は、圧着プロセスの間にブリッジ314の底面322に入り込むことができる。
【0036】
上述の説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は互いに組み合わせて使用することができる。加えて、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形を加えることができる。本明細書に記載した様々な構成要素の寸法、材料の種類、向き、ならびに様々な構成要素の数および位置は、特定の実施形態のパラメータを規定するように意図されており、決して限定ではなく、例示的な実施形態にすぎない。特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある他の多くの実施形態および変形が、上述の記載を再検討すればすぐに当業者には明らかになるであろう。それゆえに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに参照して、決定されるべきである。