特許第6588119号(P6588119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588119風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588119
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 80/50 20160101AFI20191001BHJP
   B29C 73/04 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   F03D80/50
   B29C73/04
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-64102(P2018-64102)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-173679(P2019-173679A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2018年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直太
(72)【発明者】
【氏名】山崎 広一
(72)【発明者】
【氏名】林 禎彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英司
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1324978(KR,B1)
【文献】 特開2008−195744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 80/50
B29C 73/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一層の強化繊維とUV硬化型樹脂とを含む補修部材が満たすべき、風車翼の母材に対する前記補修部材の接着強度の基準を決定するステップと、
前記風車翼における補修対象部位の損傷状況に基づいて、前記補修部材の平面視における寸法、前記補修部材における前記強化繊維の層数、又は、前記強化繊維の繊維延在方向の少なくとも一つを含む施工条件を決定するステップと、
決定された前記施工条件に従って、前記強化繊維及び前記UV硬化型樹脂を前記補修対象部位上に配置するステップと、
前記補修部材の前記母材に対する接着強度が前記基準を満たすように、前記強化繊維及び前記UV硬化型樹脂を前記補修対象部位上に配置した状態で前記UV硬化型樹脂を硬化させて前記補修部材を得るステップと、
を備える風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法であって、
前記施工条件を決定するステップでは、前記補修、補強又は付属品取り付けの対象部位から、前記風車翼の母材における表面の被膜を除去して寸法を計測し、
前記配置するステップでは、
計測された前記寸法に基づき、少なくとも一種類のガラス繊維と前記UV硬化型樹脂とを含む樹脂組成物の表面に透明フィルムが貼付されたプリプレグ材を、遮光性を有する袋に前記プリプレグ材が内包された状態で前記袋ごと前記接着強度の前記基準を満たす大きさに裁断し、
裁断された前記袋を取り除いた後に、裁断された前記プリプレグ材を前記補修対象部位に密着させ、
前記硬化させるステップでは、前記プリプレグ材のうち前記風車翼の外皮との対向面と反対の面に前記透明フィルムが貼付された状態で、前記透明フィルム越しに前記プリプレグ材に対してUVを照射する
風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項2】
硬化後の前記プリプレグ材の剥離強度が3MPa以上であることを確認するステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項3】
前記UV硬化型樹脂は、ビニルエステルまたはポリエステルと、前記ビニルエステルまたはポリエステルに含浸されたUV硬化剤とを含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項4】
前記ガラス繊維は、前記繊維延在方向が一方向のUD、又は、各々が異なる方向に延在する少なくとも2層の繊維層を含むDBMのうち少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項5】
前記配置するステップの前に、不飽和ポリエステルおよびスチレンを主成分とし前記UV硬化型樹脂と結合するプライマを用いて前記母材を下地処理するステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項6】
前記硬化させるステップでは、光源と、前記光源の光路上に配置された集光器具又は拡散器具とを含むUV照射装置を用いる
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項7】
前記硬化させるステップでは、前記UV硬化型樹脂に波長が略380nm、光強度が150w/cm以上の前記UVを照射する
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項8】
前記硬化させるステップでは、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、Black Light Blueランプ、ケミカルランプ、蛍光管型紫外線ランプ及びエキシマランプのうち何れか一のランプを光源に含むUV照射装置を用いる
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項9】
前記硬化させるステップでは、前記光源としてのLEDから照射される前記UVを集光又は拡散するように構成されたレンズを含む前記UV照射装置を用いる
ことを特徴とする請求項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項10】
硬化した前記UV硬化型樹脂の表面のうち前記風車翼の外皮との境界部の段差をサンディングし、少なくともサンディング後の前記表面に表面コーティング剤を塗布するまたは、シート材を貼り付ける手入れステップをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【請求項11】
前記手入れステップでは、前記段差が200μm以下になるように平滑化する
ことを特徴とする請求項10に記載の風車翼の補修、補強又は部品の取り付け方法。
【請求項12】
前記配置するステップでは、転圧部材を用いて前記UV硬化型樹脂を前記補修対象部位に密着させる
ことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、雷撃等による風車翼の損傷への対応措置として、必要に応じて風車翼を補修又は補強(以下、補修等ともいう)する対応がとられている。
【0003】
風車翼の補修等に関し、例えば特許文献1には、補修用の繊維マトリクス複合材料の貼付け面側に二重層の支持フィルムが貼付され、上記複合材料の貼付け面と反対側の面にUV保護フィルムが貼付された補修部材が開示されている。この特許文献1では、補修の際、二重層の支持フィルムを除去して貼付け面を翼表面に貼付けた後、UV保護フィルムを除去してUVを照射し、複合材料を硬化させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9498923号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、張り付けた後の補修部材の強度を判断することが難しいという問題があった。
【0006】
上記問題に鑑み、本開示の少なくとも一実施形態は、張り付けた後の補修部材の強度を判断し得る風車翼の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法は、
少なくとも一層の強化繊維とUV硬化型樹脂とを含む補修部材が満たすべき、風車翼の母材に対する前記補修部材の接着強度の基準を決定するステップと、
前記風車翼における補修対象部位の損傷状況に基づいて、前記補修部材の平面視における寸法、前記補修部材における前記強化繊維の層数、又は、前記強化繊維の繊維延在方向の少なくとも一つを含む施工条件を決定するステップと、
決定された前記施工条件に従って、前記強化繊維及び前記UV硬化型樹脂を前記補修対象部位上に配置するステップと、
前記補修部材の前記母材に対する接着強度が前記基準を満たすように、前記強化繊維及び前記UV硬化型樹脂を前記補修対象部位上に配置した状態で前記UV硬化型樹脂を硬化させて前記補修部材を得るステップと、
を備える。
【0008】
上記(1)の方法によれば、補修部材が満たすべき、風車翼の母材に対する接着強度の基準が決定され、補修対象部位の損傷状況に基づいて施工条件が決定され、決定された施工条件に従って強化繊維及びUV(ultraviolet)硬化型樹脂が補修対象部位上に配置され、当該配置された状態で補修部材の母材に対する接着強度が上記基準を満たすようにUV硬化型樹脂を硬化させることで補修部材が得られる。つまり、風車翼の母材に対する補修部材の接着強度を予め確認して基準を決定し、この基準を満たすようにUV硬化型樹脂を硬化させるから、張り付けた後の補修部材の強度を判断することができる。これにより、必要強度を備えた補修部材を用いて低コストで補修等できるほか、例えば、貼付け後における風車翼の空力特性等への影響を必要最小限に抑えた補修部材で補修等することができる。
【0009】
(2)いくつかの実施形態では、上記(1)に記載の方法において、
前記硬化させるステップでは、少なくとも一種類のガラス繊維と前記UV硬化型樹脂とを含むプリプレグ材にUVを照射してもよい。
【0010】
上記(2)の方法によれば、プリプレグ材を用いることにより、現場でガラス強化繊維にUV硬化型樹脂を含浸させる必要がなく、作業期間を大幅に短縮することができる。また、プリプレグ材の構成を、風車翼の母材に応じて予め母材との接着強度の基準を満たすように設定したり選択したりすることができるため、工期の短縮化を図りつつ強度を満たした補修部材を得ることができる。
【0011】
(3)いくつかの実施形態では、上記(2)に記載の方法において、
前記プリプレグ材は遮光性を有する袋に内包され、
前記施工条件を決定するステップでは、前記補修、補強又は付属品取り付けの対象部位から、前記風車翼の母材における表面の被膜を除去して寸法を計測し、
前記配置するステップでは、計測された前記寸法に基づき、前記袋に収納された前記プリプレグ材を前記袋ごと裁断し、裁断された前記袋を取り除いた後に前記プリプレグ材を前記補修対象部位に密着させてもよい。
【0012】
上記(3)の方法によれば、補修、補強又は付属品取り付けの対象部位から、風車翼の母材における表面の被膜を除去することで、対象部位の寸法を正確に計測することができる。また、計測された寸法に基づき袋に収納されたプリプレグ材を裁断することで、対象部位に張り付けるプリプレグ材を、母材への接着強度の基準を満たすために必要な寸法に裁断することができる。さらに、遮光性を有する袋ごとプリプレグ材を裁断することで、母材に密着させる直前までプリプレグ材に光が照射されることを防止できるから、風車翼の母材における表面の形状により合致するようにプリプレグ材を密着させることができ、基準を満たす適切な接着強度を確保することができる。
【0013】
(4)いくつかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の方法において、
硬化後の前記プリプレグ材の剥離強度が3MPa以上であることを確認するステップをさらに備えていてもよい。
【0014】
上記(4)の方法によれば、硬化後における剥離強度が3MPa以上であることを確認したプリプレグ材を用いて風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付けを行うことができるから、上記接着強度の基準を満たすべく、各ステップにおける判断をより適切に行うことができる。
【0015】
(5)いくつかの実施形態では、上記(2)〜(4)の何れか一つに記載の方法において、
前記UV硬化型樹脂は、ビニルエステルまたはポリエステルと、前記ビニルエステルまたはポリエステルに含浸されたUV硬化剤とを含んでいてもよい。
【0016】
上記(5)の方法によれば、ビニルエステルまたはポリエステルと、これらに含浸されたUV硬化剤とを含むUV硬化型樹脂を含む補修部材を用いて、上記(1)〜(4)の何れか一つで述べた効果を享受することができる。
【0017】
(6)いくつかの実施形態では、上記(2)〜(5)の何れか一つに記載の方法において、
前記ガラス繊維は、前記繊維延在方向が一方向のUD、又は、各々が異なる方向に延在する少なくとも2層の繊維層を含むDBMのうち少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0018】
上記(6)の方法によれば、施工条件を決定するステップにおいて風車翼における補修対象部位の損傷状況に基づいて、強化繊維の繊維延在方向が一方向のUD(unidirection)又はDBM(double bias mat)の少なくとも一方を含むように決定したり、配置するステップにおいて上記施工条件に従って強化繊維及びUV硬化型樹脂を補修対象部位上に配置したりすることができる。また、UD又はDBMの少なくとも一方を含むガラス繊維とUV硬化型樹脂とで補修部材を形成することで、例えばFRP(fiber reinforced plastic)材等を含む風車翼の母材に対する補修、補強又は付属部品の取り付けを、母材とより一体化し得る補修部材で実現することができる。
【0019】
(7)いくつかの実施形態では、上記(2)〜(6)の何れか一つに記載の方法において、
前記配置するステップでは、両面に透明フィルムが貼付された前記プリプレグ材を用い、
前記硬化させるステップでは、前記プリプレグ材のうち前記風車翼の外皮との対向面と反対の面に前記透明フィルムが貼付された状態で前記UVを照射してもよい。
【0020】
上記(7)の方法によれば、風車翼の外皮に密着させたプリプレグ材の上面を透明フィルムで覆った状態でUVを照射できるから、プリプレグ材の乾燥、酸化、型崩れ又は異物の付着等を防止しながら樹脂を硬化させることができる。また、硬化後に透明フィルムを剥がすことで、補修作業中にプリプレグ材を容易に取り扱うことができる。
【0021】
(8)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の方法において、
前記配置するステップの前に、不飽和ポリエステルおよびスチレンを主成分とし前記UV硬化型樹脂と結合するプライマを用いて前記母材を下地処理するステップをさらに備えていてもよい。
【0022】
上記(8)の方法によれば、プライマを用いて母材を下地処理することにより、補修部材と母材との接着性および接着強度を向上させることができる。
【0023】
(9)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の方法において、
前記硬化させるステップでは、光源と、前記光源の光路上に配置された集光器具又は拡散器具とを含むUV集光型照射装置を用いてもよい。
【0024】
上記(9)の方法によれば、光源から照射されたUVを集光器具で集光したり拡散器具で拡散させたりすることができる。このように、UV集光型照射装置を用いることで、補修部材に対してより適切にUVを照射して硬化させることができる。
【0025】
(10)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の方法において、
前記硬化させるステップでは、前記UV硬化型樹脂に波長が略380nm、光強度が150w/cm以上の前記UVを照射してもよい。
【0026】
上記(10)の方法によれば、波長が略380nm、光強度が150w/cm以上のUVによりUV硬化型樹脂を効率的に短時間で硬化させることができる。
【0027】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の方法において、
前記硬化させるステップでは、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、Black Light Blueランプ、ケミカルランプ、蛍光管型紫外線ランプ及びエキシマランプのうち何れか一の前記ランプを光源に含む前記UV集光型照射装置を用いてもよい。
【0028】
上記(11)の方法によれば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、Black Light Blueランプ、ケミカルランプ、蛍光管型紫外線ランプ及びエキシマランプのうち何れか一のランプを光源に含むUV集光型照射装置により、UV硬化型樹脂が硬化され、上記何れか一つの実施形態で述べた効果を享受することができる。
【0029】
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(9)の何れか一つに記載の方法において、
前記硬化させるステップでは、前記光源としてのLEDから照射される前記UVを集光又は拡散するように構成されたレンズを含む前記UV集光型照射装置を用いてもよい。
【0030】
上記(12)の方法によれば、光源としてのLEDから照射されるUVを集光又は拡散するレンズを含むUV集光型照射装置により、UV硬化型樹脂が硬化され、上記何れか一つの実施形態で述べた効果を享受することができる。
【0031】
(13)いくつかの実施形態では、上記(1)〜(12)の何れか一つに記載の方法において、
硬化した前記UV硬化型樹脂の表面のうち前記風車翼の外皮との境界部の段差をサンディングし、少なくともサンディング後の前記表面に表面コーティング剤を塗布するまたは、シート材を貼り付ける手入れステップをさらに備えていてもよい。
【0032】
上記(13)の方法によれば、硬化後のUV硬化型樹脂の表面と風車翼の外皮との段差をサンディングで薄くすることができるとともに、当該サンディング後の表面を表面コーティング剤又はシート材により滑らかに仕上げることができる。
【0033】
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)に記載の方法において、
前記手入れステップでは、前記段差が200μm以下になるように平滑化してもよい。
【0034】
上記(14)の方法によれば、補修部材と翼外皮との境界部を、段差がより薄くなるように平滑化することができる。
【0035】
(15)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(14)の何れか一つに記載の方法において、
前記配置するステップでは、転圧部材を用いて前記UV硬化型樹脂を前記補修対象部位に密着させてもよい。
【0036】
上記(15)の方法によれば、転圧部材を用いることにより、該転圧部材を用いない場合に比べてUV硬化型樹脂を風車翼の補修対象部位により効果的に密着させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、張り付けた後の補修部材の強度を判断し得る風車翼の補修方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】一実施形態における風車を示す概略図である。
図2】一実施形態に係る風車翼の全体を示す斜視図である。
図3】一実施形態に係る風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法を示すフローチャートである。
図4】一実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
図5】一実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
図6】一実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
図7】一実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
図8】一実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
図9】他の実施形態に係る風車翼の補修方法を示すフローチャートである。
図10】他の実施形態に係る風車翼の補修方法を示す斜視図である。
図11】他の実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0040】
図1は、一実施形態における風車を示す概略図であり、図2は、一実施形態における風車翼の全体を示す斜視図であり、図3は、一実施形態に係る風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、本開示の少なくとも幾つかの実施形態における風力発電設備(以下、風車1とする)は、複数(図1に示す例では3枚)の風車翼2及び該風車翼2が取り付けられるハブ3で構成されるロータ4と、ロータ4を図示しない主軸及び主軸受を介して回転自在に支持するナセル5と、ナセル5を水平旋回可能に支持するタワー6と、タワー6が設置されるベース7と、備える。なお、風車翼2は、3枚より多くてもよいし少なくても良い。
【0041】
図2に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼2は、翼根部2Aから翼先端部2Bに亘って長手方向(翼長方向)に延在する翼本体2Cを備える。
翼本体2Cは、風車1のハブ3に取り付けられる翼根部2Aと、ハブ3から最も遠くに位置する翼先端部2Bと、翼根部2A及び翼先端部2Bの間で翼長方向に延在する翼型部2Dと、を含む。また、翼本体2Cは、翼根部2Aから翼先端部2Bにかけて、前縁8Aと後縁8Bとを有する。そして、翼本体2Cの外形は、背面10(負圧面)と、背面10に対向する腹面12(正圧面)とによって形成される。
なお、本明細書において、「翼長方向」とは、翼根部2Aと翼先端部2Bとを結ぶ方向であり、「コード方向(翼コード方向)」とは、翼本体2Cの前縁8Aと後縁8Bとを結ぶ線(コード)に沿った方向である。また、「翼根部」とは、風車翼2において断面が概ね円形となる円筒状の部分であり、風車翼2の翼本体2Cにおける翼根側の端面を基準として例えば5mの翼長方向範囲(典型的には、前記端面から1〜3mの範囲)である。
【0042】
図3は、一実施形態に係る風車翼の補修、補強又は付属部品の取り付け方法による処理を示すフローチャートである。図4は、一実施形態に係る風車翼の補修方法を示す側断面図である。
図1図4に非限定的に例示するように、本開示の少なくとも一実施形態に係る風車翼2の補修、補強又は付属部品の取り付け方法は、少なくとも一層の強化繊維14とUV硬化型樹脂15とを含む補修部材11が満たすべき、風車翼2の母材17に対する補修部材11の接着強度の基準を決定するステップ(ステップS10)と、風車翼2における補修対象部位20の損傷状況に基づいて、補修部材11の平面視における寸法、補修部材11における強化繊維14の層数、又は、強化繊維14の繊維延在方向の少なくとも一つを含む施工条件を決定するステップ(ステップS20)と、決定された施工条件に従って、強化繊維14及びUV硬化型樹脂15を補修対象部位20上に配置するステップ(ステップS30)と、母材17に対する補修部材11の接着強度が上記基準を満たすように、強化繊維14及びUV硬化型樹脂15を補修対象部位20上に配置した状態でUV硬化型樹脂15を硬化させて補修部材11を得るステップ(ステップS40)と、を備えている。
接着強度の基準を決定するステップS10では、例えば複数回のピール試験により得られた試験結果における複数の剥離強度の平均値を上記接着強度の基準として採用してもよい。ここで、接着強度の基準は、風車翼2を補修又は補強するために設けられる補修部材11や、機能改善のために補修部材11を用いて(又は補修部材11を加工して)風車翼2に取り付けられる付属品(図示省略)が、一定以上の期間に亘り風車翼2から剥離することなく該風車翼2と一体に機能し得る程度の強度を考慮して任意の値に設定され得る。なお、基準とすべき接着強度は、上記試験において定量的に把握され得る。
施工条件を決定するステップS20では、補修対象部位20を補修又は補強するために必要とされる、補修部材11の大きさ(平面視における二次元的な寸法)、形状、厚さ(層数)及び繊維延在方向等が考慮され得る。強化繊維14の繊維延在方向は、補修対象部位20における母材17の繊維延在方向や損傷(例えば亀裂等)の延在方向を考慮し、適切な強度を確保し得るように決定され得る。
配置するステップS30では、例えば、固定具(テープ等を含む)やマスキングテープ等の補助具を適宜用いてもよい。
UV硬化型樹脂を硬化させるステップS40では、補修部材11の接着強度が上記基準を満たすようにして、必要な強度、波長及び照射時間を満たすようにしてUVを照射する。なお、本開示では、このようにUVを照射し、強化繊維14に含浸したUV硬化型樹脂15が硬化して得られる生成物がすなわち補修部材11と称する。
【0043】
上記方法によれば、補修部材11が満たすべき、風車翼2の母材17に対する接着強度の基準が決定され、補修対象部位20の損傷状況に基づいて施工条件が決定され、決定された施工条件に従って強化繊維14及びUV(ultraviolet)硬化型樹脂15が補修対象部位20上に配置され、当該配置された状態で母材17に対する補修部材11の接着強度が上記基準を満たすようにUV硬化型樹脂15を硬化させることで補修部材11が得られる。つまり、風車翼2の母材17に対する補修部材11の接着強度を予め確認して基準を決定し、この基準を満たすようにUV硬化型樹脂15を硬化させるから、張り付けた後の補修部材11の強度を判断することができる。これにより、必要強度を備えた補修部材11を用いて低コストで補修等できるほか、例えば、貼付け後における風車翼2の空力特性等への影響を必要最小限に抑えた補修部材11で補修等することができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、上記方法において、硬化させるステップS40では、少なくとも一種類のガラス繊維(例えば、強化繊維14)とUV硬化型樹脂15とを含むプリプレグ材30にUVを照射してもよい(例えば、図4参照)。
プリプレグ材30は、例えば、ガラス繊維や炭素繊維のような補強材料に樹脂等を予め含浸させた素材であり、強化プラスチックの材料として用いられ得る。
【0045】
上記方法によれば、プリプレグ材30を用いることにより、現場でガラス強化繊維14にUV硬化型樹脂15を含浸させる必要がなく、作業期間を大幅に短縮することができる。また、プリプレグ材30の構成を、風車翼2の母材17に応じて予め母材17との接着強度の基準を満たすように設定したり選択したりすることができるため、工期の短縮化を図りつつ強度を満たした補修部材11を得ることができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、上記方法において、プリプレグ材30は遮光性を有する袋31に内包され、施工条件を決定するステップS20では、補修、補強又は付属品取り付けの対象部位20から、風車翼2の母材17における表面17Aの被膜を除去して寸法を計測し、配置するステップS30では、計測された寸法に基づき、袋31に収納されたプリプレグ材30を袋31ごと裁断し、裁断された袋31を取り除いた後にプリプレグ材30を補修対象部位20に密着させてもよい(例えば、図5参照)。
【0047】
上記方法によれば、補修、補強又は付属品取り付けの対象部位20から、風車翼2の母材17における表面17Aの被膜を除去することで、対象部位20の寸法を正確に計測することができる。また、計測された寸法に基づき袋に収納されたプリプレグ材30を裁断することで、対象部位20に張り付けるプリプレグ材30を、母材17への接着強度の基準を満たすために必要な寸法に裁断することができる。さらに、遮光性を有する袋31ごとプリプレグ材30を裁断することで、母材17に密着させる直前までプリプレグ材30に光が照射されることを防止できるから、風車翼2の母材17における表面の形状により合致するようにプリプレグ材30を密着させることができ、基準を満たす適切な接着強度を確保することができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、上記何れかの方法において、硬化後のプリプレグ材30の剥離強度が3MPa以上であることを確認するステップ(ステップS1)をさらに備えていてもよい(例えば、図9参照)。
上記剥離強度は、例えば複数回のピール試験の平均値であってもよい。
【0049】
上記方法によれば、硬化後における剥離強度が3MPa以上であることを確認したプリプレグ材30を用いて風車翼2の補修、補強又は付属部品の取り付けを行うことができるから、上記接着強度の基準を満たすべく、各ステップにおける判断をより適切に行うことができる。
【0050】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、UV硬化型樹脂15は、ビニルエステル又はポリエステルと、該ビニルエステル又はポリエステルに含浸されたUV硬化剤15Aとを含んでいてもよい(例えば、図6参照)。
【0051】
上記方法によれば、ビニルエステルまたはポリエステルと、これらに含浸されたUV硬化剤15Aとを含むUV硬化型樹脂15を含む補修部材11を用いて、上記何れかの実施形態で述べた効果を享受することができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、ガラス繊維14は、繊維延在方向が一方向のUD、又は、各々が異なる方向に延在する少なくとも2層の繊維層を含むDBMのうち少なくとも一方を含んでいてもよい(例えば、図7参照)。
【0053】
上記方法によれば、施工条件を決定するステップS20において風車翼2における補修対象部位20の損傷状況に基づいて、強化繊維14の繊維延在方向が一方向のUD(unidirection)又はDBM(double bias mat)の少なくとも一方を含むように決定したり、配置するステップS30において上記施工条件に従って強化繊維14及びUV硬化型樹脂15を補修対象部位20上に配置したりすることができる。また、UD又はDBMの少なくとも一方を含むガラス繊維14とUV硬化型樹脂15とで補修部材11を形成することで、例えばFRP(fiber reinforced plastic)材等を含む風車翼2の母材17に対する補修、補強又は付属部品の取り付けを、母材17とより一体化し得る補修部材11で実現することができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、配置するステップS30では、両面に透明フィルム32が貼付されたプリプレグ材30を用い(例えば、図8(a)参照)、硬化させるステップS40では、プリプレグ材30のうち風車翼2の外皮(表面17A)との対向面と反対の面に透明フィルム32が貼付された状態でUVを照射してもよい(例えば、図8(b)参照)。
【0055】
上記方法によれば、風車翼2の外皮(表面17A)に密着させたプリプレグ材30の上面を透明フィルム32で覆った状態でUVを照射できるから、プリプレグ材30の乾燥、酸化、型崩れ又は異物の付着等を防止しながら樹脂を硬化させることができる。また、硬化後に透明フィルム32を剥がすことで、補修作業中にプリプレグ材30を容易に取り扱うことができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、配置するステップS30の前に、不飽和ポリエステルおよびスチレンを主成分としUV硬化型樹脂15と結合するプライマ34を用いて母材17を下地処理するステップ(ステップS22)をさらに備えていてもよい(例えば、図9及び図10参照)。
【0057】
上記方法によれば、プライマ34を用いて母材17を下地処理することにより、補修部材11と母材17との接着性乃至接着強度を向上させることができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、硬化させるステップ(ステップS40)では、光源41と、該光源41の光路上に配置された集光器具(又は拡散器具)42とを含むUV集光型照射装置40を用いてもよい。
【0059】
上記方法によれば、光源41から照射されたUVを集光器具42で集光したり拡散器具で拡散させたりすることができる。このように、UV集光型照射装置40を用いることで、補修部材11に対してより適切にUVを照射して硬化させることができる。
【0060】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、硬化させるステップS40では、UV硬化型樹脂15に波長が略380nm、光強度が150w/cm以上のUVを照射してもよい。
【0061】
上記方法によれば、波長が略380nm、光強度が150w/cm以上のUVによりUV硬化型樹脂15を効率的に短時間で硬化させることができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、硬化させるステップS40では、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、Black Light Blueランプ、ケミカルランプ、蛍光管型紫外線ランプ及びエキシマランプのうち何れか一のランプを光源41に含むUV集光型照射装置40を用いてもよい。
【0063】
上記方法によれば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、Black Light Blueランプ、ケミカルランプ、蛍光管型紫外線ランプ及びエキシマランプのうち何れか一のランプを光源に含むUV集光型照射装置40により、UV硬化型樹脂15が硬化され、上記何れか一つの実施形態で述べた効果を享受することができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、硬化させるステップS40では、光源41としてのLEDから照射されるUVを集光又は拡散するように構成されたレンズ44を含むUV集光型照射装置40を用いてもよい。
【0065】
上記方法によれば、光源41としてのLEDから照射されるUVを集光又は拡散するレンズ44を含むUV集光型照射装置40により、UV硬化型樹脂15が硬化され、上記何れか一つの実施形態で述べた効果を享受することができる。
【0066】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、硬化したUV硬化型樹脂15の表面のうち風車翼2の外皮(表面17A)との境界部28の段差28Aをサンディングし、少なくともサンディング後の表面17Aに表面コーティング剤51を塗布するまたは、シート材52を貼り付ける手入れステップ(ステップS50)をさらに備えていてもよい(例えば、図9参照)。
【0067】
上記方法によれば、硬化後のUV硬化型樹脂15の表面17Aと風車翼2の外皮(表面17A)との段差28Aをサンディングで薄くすることができるとともに、当該サンディング後の表面17Aを表面コーティング剤51又はシート材52により滑らかに仕上げることができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、上記方法において、手入れステップS50では、上記段差28Aが200μm以下になるように平滑化してもよい(例えば、図11参照)。
【0069】
上記方法によれば、補修部材11と翼外皮(表面17A)との境界部28を、段差28Aがより薄くなるように平滑化することができる。
【0070】
幾つかの実施形態では、上記何れかの実施形態に記載の方法において、配置するステップS30では、転圧部材36を用いてUV硬化型樹脂15を前記補修対象部位20に密着させてもよい(例えば、図10参照)。
【0071】
上記方法によれば、転圧部材36を用いることにより、該転圧部材36を用いない場合に比べてUV硬化型樹脂15を風車翼2の補修対象部位20により効果的に密着させることができる。
【0072】
以上述べた方法によれば、張り付けた後の補修部材11の強度を判断し得る風車翼2の補修方法を提供することができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0074】
1 風車(風力発電設備)
2 風車翼
3 ハブ
4 ロータ
5 ナセル
6 タワー
7 ベース
8A 前縁
8B 後縁
9 損傷部
10 背面(負圧面)
11 補修部材
12 腹面(正圧面)
14 ガラス繊維(強化繊維/UD/DBM)
15 UV硬化型樹脂
15A UV硬化剤
17 母材
17A 表面
20 補修対象部位
28 境界部
28A 段差
30 プリプレグ材
31 袋
32 透明フィルム
34 プライマ
36 転圧部材(ローラ)
40 UV集光型照射装置
41 光源
42 集光器具/拡散器具
44 レンズ
51 表面コーティング剤
52 シート材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11