特許第6588129号(P6588129)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588129パイプハウスおよびパイプハウスの補強方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588129
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】パイプハウスおよびパイプハウスの補強方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20191001BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   A01G9/14 C
   A01G9/14 B
   E04H9/14 F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-103027(P2018-103027)
(22)【出願日】2018年5月30日
(65)【公開番号】特開2018-201500(P2018-201500A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2019年2月14日
(31)【優先権主張番号】特願2017-106462(P2017-106462)
(32)【優先日】2017年5月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】308020803
【氏名又は名称】有限会社グッドワーク
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】平井 信明
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−166974(JP,A)
【文献】 実開昭53−106449(JP,U)
【文献】 実開平02−143509(JP,U)
【文献】 特開2002−129780(JP,A)
【文献】 実公昭40−007180(JP,Y1)
【文献】 国際公開第01/096694(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14
E04H 9/14
E04H 15/36
E04B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に沿って間隔をあけて配置されて骨組みを構成する複数のアーチパイプを備えるパイプハウスであって、
複数の前記アーチパイプは、配列方向と直交する鉛直面に対して交互に逆方向に傾斜するように配置され、両側部の互いに交差する部分が連結固定されると共に、頂部同士が互いに接合されており、
設置面に固定される一対の支持部と、前記各支持部にそれぞれ着脱可能に取り付けられる取付具とを更に備え、
前記取付具は、前記アーチパイプの端部が装着されて前記アーチパイプを傾斜状態に支持し、
一対の前記支持部は、設置面に対して垂直に起立するように固定されるアーチ状の支持パイプの両端部から構成されるパイプハウス。
【請求項2】
一方向に沿って間隔をあけて複数配置されたアーチ状の支持パイプが、設置面に対して垂直に起立するように固定された既存のパイプハウスを補強する方法であって、
前記支持パイプの両端部にそれぞれ取付具を取り付ける工程と、
アーチパイプの端部を前記取付具に装着して前記アーチパイプを支持することにより、前記支持パイプの配列方向に沿って前記アーチパイプを配列する工程とを備え、
複数の前記アーチパイプは、配列方向と直交する鉛直面に対して交互に逆方向に傾斜するように配置され、両側部の互いに交差する部分が連結固定されると共に、頂部同士が互いに接合されるパイプハウスの補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプハウスおよびパイプハウスの補強方法に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
農業や園芸等に用いられる従来のパイプハウスは、間隔をあけて垂直に起立する複数のアーチパイプが、水平に延びる母屋パイプ等により連結固定された骨組構造を備えるものが一般的である。このような構成のパイプハウスは、台風の接近等による強風時に倒壊するおそれがあることから、耐風性を向上させることが従来から検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、パイプハウスを構成する骨組用の複数の支柱を間隔をあけて地面に立てる際に、妻面側において、支柱ピッチを狭くすると共に支柱の下端同士を地中において互いに連結することにより、風の影響を受け易い妻面側の支柱を強化することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−287477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来のパイプハウスは、強度を向上させるために支柱を増加させる必要があることから、製造コストが高くなるだけでなく、支柱の下端同士を地中で連結する作業が煩雑になるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、強度向上を図りつつ製造容易で安価なパイプハウスの提供を目的とする。
また、本発明は、既存のパイプハウスを容易且つ確実に補強することができるパイプハウスの補強方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、 一方向に沿って間隔をあけて配置されて骨組みを構成する複数のアーチパイプを備えるパイプハウスであって、 複数の前記アーチパイプは、配列方向と直交する鉛直面に対して交互に逆方向に傾斜するように配置され、両側部の互いに交差する部分が連結固定されると共に、頂部同士が互いに接合されており、 設置面に固定される一対の支持部と、前記各支持部にそれぞれ着脱可能に取り付けられる取付具とを更に備え、 前記取付具は、前記アーチパイプの端部が装着されて前記アーチパイプを傾斜状態に支持し、一対の前記支持部は、設置面に対して垂直に起立するように固定されるアーチ状の支持パイプの両端部から構成されるパイプハウスにより達成される。
【0009】
また、本発明の前記目的は、一方向に沿って間隔をあけて複数配置されたアーチ状の支持パイプが、設置面に対して垂直に起立するように固定された既存のパイプハウスを補強する方法であって、前記支持パイプの両端部にそれぞれ取付具を取り付ける工程と、アーチパイプの端部を前記取付具に装着して前記アーチパイプを支持することにより、前記支持パイプの配列方向に沿って前記アーチパイプを配列する工程とを備え、複数の前記アーチパイプは、配列方向と直交する鉛直面に対して交互に逆方向に傾斜するように配置され、両側部の互いに交差する部分が連結固定されると共に、頂部同士が互いに接合されるパイプハウスの補強方法により達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、強度向上を図りつつ製造容易で安価なパイプハウスを提供することができる。
また、本発明によれば、既存のパイプハウスを容易且つ確実に補強することができるパイプハウスの補強方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るパイプハウスの要部側面図である。
図2図1に示すパイプハウスの要部平面図である。
図3図1に示すパイプハウスの組立方法を説明するための拡大図である。
図4】本発明の他の実施形態に係るパイプハウスの要部側面図である。
図5】本発明の更に他の実施形態に係るパイプハウスの要部側面図である。
図6】本発明の更に他の実施形態のパイプハウスで使用する取付具の平面図である。
図7図6に示す取付具を使用したパイプハウスの一例を示す要部側面図である。
図8図6に示す取付具を使用したパイプハウスの補強方法の一例を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパイプハウスの要部側面図であり、図2は、図1に示すパイプハウスの要部平面図である。図1および図2に示すように、パイプハウス1は、複数のアーチパイプ2によって構成される骨組み4と、各アーチパイプ2を支持する支持部を構成する一対の延出部材6,6と、骨組み4に展張されるシート状部材8とを備えている。
【0013】
アーチパイプ2は、両端に開口部を有する筒状部材を平面に沿ってアーチ状に湾曲させた形状を有しており、アルミニウムや鋼等の金属材料や合成樹脂等から形成される。
【0014】
一対の延出部材6,6は、金属材料等からなる角筒状または角柱状の部材であり、設置面G上に間隔をあけて互いに平行に配置されている。各延出部材6は、長手方向に沿って適宜の間隔で配置された固定金具62を介して、アンカーピン63の打ち込みにより設置面Gに固定される。各延出部材6の上面には、長手方向に沿って複数の突部61が設けられている。
【0015】
突部61は、鉛直方向に対して延出部材6の略長手方向に傾斜するように斜め上方に突出しており、隣接する突部61同士で傾斜方向が交互に逆方向となるように、延出部材6に溶接等により固定されている。
【0016】
図3に示すように、突部61には、アーチパイプ2の端部が外嵌されることにより、アーチパイプ2が鉛直面Vに対して傾斜した状態で固定される。突部61の長さは、アーチパイプ2への挿入による固定を確実に行える程度であることが好ましく、突部61が長くなる場合には、突部61の基端側を補強板64等で補強することが好ましい。こうして、図1および図2に示すように、一対の延出部材6,6間に複数のアーチパイプ2が掛け渡され、各アーチパイプ2が、延出部材6,6の長手方向に沿って配列される。
【0017】
複数のアーチパイプ2は、いずれも同じ大きさ・形状を有しており、配列方向と直交する鉛直面Vに対して交互に逆方向に傾斜するように配置されている。逆方向に傾斜するアーチパイプ2,2の両側部が互いに交差する部分は、連結金具21によって連結固定される。連結金具21は、パイプ同士の連結に用いられる公知の金具を使用することができ、鋼板製金具や鋼線製金具等を例示することができる。なお、図2においては、一部の連結金具21の図示を省略している。
【0018】
アーチパイプ2の中央の頂部は、逆方向に傾斜する他のアーチパイプ2の中央の頂部と接合されており、この接合部が連結金具22によって固定されている。こうして、複数のアーチパイプ2が結合されて、骨組み4が構成される。アーチパイプ2の頂部同士の連結は必須ではなく、連結金具22を使用せずに単に当接状態で接合された構成であってもよい。
【0019】
シート状部材8は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂等からなる透明フィルムから形成することができる。骨組み4に対するシート状部材8の取付方法は特に限定されないが、例えば、従来のパイプハウスと同様に、断面U字状のシート受け部材(図示せず)を骨組み4の長手方向に沿って固定し、このシート受け部材に対して、シート状部材8を挟み込むように蛇行状のバネ部材(図示せず)を嵌合させることにより、シート状部材8を骨組み4に固定することができる。シート状部材8は、必ずしも骨組み4の全体を覆う必要はなく、例えば、骨組み4の上部のみを覆うように配置されてもよい。
【0020】
骨組み4の中央上部には、各アーチパイプ2の頂部を通過してシート状部材8を支持する天パイプ23が設けられている。また、骨組み4の長手方向両側には、妻面を構成する直棒状の妻柱24が、延出部材6の差込口への差し込みによって固定されている。妻柱24は、風の抵抗を少なくするため、図1に示すように傾斜状態で設けられることが好ましい。パイプハウス1の出入口は、直立する複数のドアパイプ25の間に形成される。
【0021】
上記の構成を備えるパイプハウス1は、複数のアーチパイプ2が、配列方向と直交する鉛直面に対して交互に逆方向に傾斜するように配置され、両側部の互いに交差する部分が連結金具21によって連結固定されると共に、頂部同士が互いに接合されることにより、強固な骨組み4を容易に構成することができる。また、アーチパイプ2が傾斜することによって、骨組み4の上部の外形形状が緩やかな曲線状になるため、骨組み4に展張したシート状部材8が受ける風の抵抗を軽減することができ、骨組み4の倒壊やシート状部材8の損傷を防止することができる。更に、アーチパイプ2を傾斜配置することにより、従来のように直立配置した場合に比べて、アーチパイプ2の必要数量を減らすことができる。これらの結果、設置作業の負担や製造コストを抑制しつつ、パイプハウス1の強度向上を図ることができる。
【0022】
図3に示すアーチパイプ2の鉛直面Vに対する傾斜角θは、小さすぎると強度向上が困難になり易い一方、大きすぎるとパイプハウス1の内部空間を確保し難くなると共に強度が低下し易いことから、30〜60度の範囲が好ましく、45度がより好ましい。傾斜角θを45度に設定した場合、アーチパイプ2,2の両側部同士が直交することから、直交タイプの安価な連結金具21を用いてアーチパイプ2の連結を迅速確実に行うことができるため、製造作業性や製造コストの面からも好ましい。
【0023】
また、本実施形態のように、斜め上方に突出する突部61が長手方向に沿って複数設けられた一対の延出部材6,6を、アーチパイプ2の配列方向に沿って互いに平行に延びるように設置面Gに固定することにより、アーチパイプ2を所定の傾斜角度で容易に設置することができるため、パイプハウス1の設置作業や移動作業を迅速容易に行うことができる。この場合、アーチパイプ2の端部を突部61に単に装着するだけでアーチパイプ2を設置できるので、この点からも、パイプハウス1の設置作業性を向上させることができる。アーチパイプ2を一対の延出部材6,6に確実に固定できるように、アーチパイプ2は、若干の可撓変形が生じた状態で、両端部がそれぞれ突部61に装着されることが好ましい。なお、設置面に対するアーチパイプ2の固定は、従来のように、アーチパイプ2の両端部を地中に埋め込む方法で行うことも可能である。
【0024】
1つのアーチパイプ2の両側部に対して両側部が連結される他のアーチパイプ2の数量は、単一であってもよいが、これを複数にすることで骨組み4の強度をより確実に高めることができる。但し、1つのアーチパイプ2に対する他のアーチパイプ2の数量を3つ以上にすると、アーチパイプ2の配列が密になり過ぎて部品数の増加を招くことから、本実施形態のように、1つのアーチパイプ2に対して、逆方向に傾斜する2つのアーチパイプ2が連結された構成が好ましい。
【0025】
本発明のパイプハウスは、農業や園芸に好適に使用することができるが、必ずしもこの用途に限定されるものではなく、例えば、車庫や納屋等に適用することも可能である。
【0026】
また、図4に示すように、アーチパイプ2の端部が外嵌される突部61は、鉛直方向に対する傾斜角度が異なるものを複数設けて、補強板64等により延出部材6に固定してもよい。この構成によれば、アーチパイプ2の端部を装着する突部61を適宜選択することにより、アーチパイプ2の傾斜角度を容易に調整することができる。
【0027】
また、図5に示すように、延出部材6の上部から鉛直上方に突出する位置決め用のノブ65を設けると共に、ノブ65が挿通される貫通孔62aを固定金具62に形成して、固定した延出部材6の経時的な位置ずれを確実に防止するようにしてもよい。
【0028】
上記各実施形態のパイプハウスは、一対の延出部材6にそれぞれ固定された突部61に、アーチパイプ2の両端部が装着される構成としているが、一対の延出部材6に着脱可能に取り付けられる取付具を用いて、アーチパイプ2を傾斜状態に支持する構成であってもよい。図6は、このような取付具の一例を示す平面図である。
【0029】
図6(a)に示す取付具100は、基板110と、基板110に固定された装着部120とを備えている。基板110は、台形状に形成されており、下底部が下部となる向きで延出部材6に取り付けられるように、下底部に沿って複数の取付孔212が形成されている。取付孔212は、基板110の上底部の近傍にも形成されている。装着部120は、アーチパイプ2の端部が内部に挿入されるように円筒状に形成されており、基板110の下底部を下方とする向きで斜め上方に突出するように配置されている。基板110の下底部を水平に配置したときの装着部120の傾斜角θ(図3参照)は、特に限定されないが、本実施形態では45°としている。取付具100,200は、例えば金属製にすることができ、亜鉛メッキ処理等の防錆処理を施すことが好ましい。
【0030】
装着部120は基板110に対して溶接等により固定してもよいが、本実施形態のようにUボルト122等を用いて装着部120を基板110に着脱可能とすることで、装着部120を基板110の表裏面のいずれにも取り付けることができるので、装着部120が突出する向きを容易に変更して汎用性を高めることができる。また、Uボルト122の挿入孔を複数設けてUボルト122の取付角度を変更できるように構成することで、装着部120の傾斜角を調整できるように構成してもよい。装着部120に対するアーチパイプ2の装着は、アーチパイプ2の端部を装着部120の内部空間に挿入する代わりに、アーチパイプ2の端部を装着部120に外嵌して行うこともできる。
【0031】
図6(b)に示す取付具200は、台形状の基板210に対して、複数の円筒状の装着部220a,220bが左右対称に配置されており、傾斜状態で互いに逆方向に突出するように、Uボルト222a,222bによって固定されている。基板210に形成された取付孔212の配置は、図6(a)に示す基板110の取付孔112と同様である。
【0032】
図7に示すパイプハウス1は、図1等に示すパイプハウス1において、一対の延出部材6に突部61を設ける代わりに、図6に示す取付具100,200を用いてアーチパイプ2を支持したものであり、取付具100,200以外の構成については図1に示すパイプハウス1と同様である。図7に示す取付具100,200は、図6に示す状態から表裏を反転させて、一対の延出部材6のそれぞれ外面側に固定されている。延出部材6に対する取付具100,200の固定方法は特に限定されないが、例えば、取付具100,200の取付孔112,212にタッピングボルト66を挿入して、延出部材6を外面側から貫通することにより、延出部材6の長手方向に沿った任意の箇所に取付具100,200を固定することができる。こうして、複数の取付具100,200を延出部材6の所定位置に固定した後、それぞれの装着部120,220a,220bにアーチパイプ2の端部を挿入することで、図7に示すパイプハウス1が完成する。装着部120,220a,220bの下端側は、予め閉塞するか、ハンマで叩く等して縮径することで、アーチパイプ2の抜けを防止することができる。2種類の取付具100,200は、必ずしも併用する必要はなく、いずれか一方のみを使用してもよい。取付具100,200は、アーチパイプ2との干渉が問題にならなければ、延出部材6の内面側や上面側に取り付けてもよい。
【0033】
このように、延出部材6と、延出部材6に着脱可能に取り付けられる取付具100,200とを用いることで、パイプハウス1の持ち運びが容易になると共に、組立作業や撤収作業を迅速に行うことができる。また、アーチパイプ2は、従来技術のように端部を地面に埋設して固定する必要がないため、コンクリート面等への設置も可能であり、用途を広げることができる。
【0034】
取付具100,200が着脱可能に取り付けられる一対の支持部は、必ずしも上記のような一対の延出部材6に限定されるものではない。例えば、図8(a)に示すように、一方向に沿って間隔をあけて複数配置されたアーチ状の支持パイプSが、設置面Gに対して垂直に起立するように固定された既存のパイプハウスPが存在する場合には、支持パイプSの両端部を、それぞれ一対の支持部として利用することができる。このパイプハウスPは、複数の支持パイプSの中央頂部が、配列方向に沿って延びる母屋パイプUに連結具Mによって連結された公知の構成である。
【0035】
パイプハウスPを補強する方法は、下記のとおりである。まず、図8(a)に示すように、取付具100,200を支持パイプSの両側下部となる両端部に内側から取り付ける。支持パイプSへの取付具100,200の取り付けは、例えば、支持パイプSに形成された挿通孔、および、取付具100,200の中央の取付孔112,212に、ボルト66を挿通して行うことができる。ついで、図8(b)に示すように、各取付具100,200の装着部120,220a,220bにアーチパイプ2の両端部を装着して、アーチパイプ2を支持することにより、支持パイプSの配列方向に沿ってアーチパイプ2を配列する。複数のアーチパイプ2は、図1等に示す構成と同様に、配列方向と直交する鉛直面に対して交互に逆方向に傾斜するように配置され、両側部の互いに交差する部分が連結固定されると共に、頂部同士が互いに接合される。こうして、パイプハウスPが複数のアーチパイプ2によって内側から補強されたパイプハウス1’が完成する。
【0036】
上記のパイプハウス1’は、既存のパイプハウスPを有効利用して、低コストで迅速容易に製造することができる。取付具100,200は、支持パイプSの両端部に外側から取り付けることも可能であり、支持パイプSを外側から補強してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 パイプハウス
2 アーチパイプ
4 骨組み
6 延出部材(支持部)
61 突部
8 シート状部材
100,200 取付具
P パイプハウス
S 支持パイプ(支持部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8