特許第6588208号(P6588208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588208フィルタ付EGRパイプの製造方法およびEGRパイプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588208
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】フィルタ付EGRパイプの製造方法およびEGRパイプ
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/14 20160101AFI20191001BHJP
   F02M 26/35 20160101ALI20191001BHJP
【FI】
   F02M26/14
   F02M26/35 B
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-932(P2015-932)
(22)【出願日】2015年1月6日
(65)【公開番号】特開2016-125433(P2016-125433A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 克尚
【審査官】 西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−122332(JP,A)
【文献】 特開2004−150586(JP,A)
【文献】 特開平08−240296(JP,A)
【文献】 特開平07−213823(JP,A)
【文献】 実開昭59−075546(JP,U)
【文献】 特開2011−202536(JP,A)
【文献】 特開2014−088776(JP,A)
【文献】 実開昭58−156155(JP,U)
【文献】 実開昭61−044095(JP,U)
【文献】 特開平09−096394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/11、26/14、26/35
F16L 55/12、55/24
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ付EGRパイプの製造方法であって、
EGRパイプを輪切りにしたときの内側断面形状に略一致し、EGRパイプの入口部分の内径よりも大きな外径である外側形状を有するフィルタを、前記入口部分から前記EGRパイプに圧入するフィルタ圧入工程、
を実施することを特徴とするフィルタ付EGRパイプの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ付EGRパイプの製造方法において、
EGRパイプの一部を拡管する拡管工程を実施し、
前記フィルタ圧入工程では、前記拡管によって生じる段差部分に前記フィルタを係止させること
を特徴とするフィルタ付EGRパイプの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタ付EGRパイプの製造方法において、
前記フィルタ圧入工程と前記拡管工程とを同時に実施し、
前記拡管工程では、EGRパイプの内径よりも外径が大きく設定されたポンチを前記EGRパイプに挿入することで前記EGRパイプを拡管すること
を特徴とするフィルタ付EGRパイプの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のフィルタ付EGRパイプの製造方法において、
圧入されたフィルタの排気の流れに対する上流側にて前記EGRパイプと前記フィルタとの溶接を行う溶接工程、
を実施することを特徴とするフィルタ付EGRパイプの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルタ付EGRパイプの製造方法において、
前記フィルタ圧入工程では、外周部分が該外周部分よりも内側の内側部分に対して前記 上流側に湾曲したフィルタを圧入すること
を特徴とするフィルタ付EGRパイプの製造方法。
【請求項6】
内燃機関による排気を吸気として再循環させる際の流路となるEGRパイプであって、
管として構成された通常管部と、
前記通常管部と同部材であり、かつ前記通常管部よりも太い管として構成された太管部と、
前記太管部および前記通常管部を接続する接続部と、
前記接続部に接して配置されたフィルタと、
を備え、
前記フィルタは、前記太管部における入口部分の内径よりも外径が大きく設定された圧入前のフィルタを前記入口部分から前記太管部内に圧入して配置された
ことを特徴とするEGRパイプ。
【請求項7】
請求項6に記載のEGRパイプにおいて、
前記フィルタは、前記太管部の内径よりも外径が大きく設定され、かつ外周部分が該外周部分よりも内側の内側部分に対して、排気の流れの上流側に湾曲した圧入前のフィルタを前記太管部内に圧入して配置された
ことを特徴とするEGRパイプ。
【請求項8】
請求項7に記載のEGRパイプにおいて、
前記太管部は、前記通常管部よりも排気の流れに対して上流側に位置していること
を特徴とするEGRパイプ。
【請求項9】
請求項6〜請求項8の何れか1項に記載のEGRパイプにおいて、
前記太管部は、排気経路を構成する排気部材において排気の一部を取り出す取出口に接続されること
を特徴とするEGRパイプ。
【請求項10】
請求項6〜請求項9の何れか1項に記載のEGRパイプにおいて、
前記フィルタと当該EGRパイプとの間には、前記フィルタよりも排気の流れに対して上流側に溶接部を有すること
を特徴とするEGRパイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ付EGRパイプの製造方法およびEGRパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のEGRパイプとして、EGRパイプ内にフィルタを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5625970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記EGRパイプでは、内部にフィルタを固定する際の作業が難しいという問題点があった。例えば、フィルタを溶接によって固定しようとすると、溶接を行う位置にてフィルタを位置決めすることが難しい。溶接を行う際にフィルタを正確に位置決めできないと溶接不良の原因となる。
【0005】
そこで、このような問題点を鑑み、フィルタ付EGRパイプにおいて、フィルタをEGRパイプの内部に良好に固定するための技術を提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面のフィルタ付EGRパイプの製造方法では、EGRパイプを輪切りにしたときの内側断面形状に略一致する外側形状を有するフィルタを、EGRパイプに圧入するフィルタ圧入工程を実施する。
【0007】
このようなフィルタ付EGRパイプの製造方法によれば、圧入によりフィルタを固定するので、フィルタをEGRパイプの内部に良好に固定することができる。
また、本発明の一側面のフィルタ付EGRパイプの製造方法では、EGRパイプの一部を拡管する拡管工程を実施し、フィルタ圧入工程では、拡管によって生じる段差部分にフィルタを係止させる。
【0008】
このようなフィルタ付EGRパイプの製造方法によれば、拡管によって生じる段差部分にフィルタを係止させるので、フィルタを移動しにくくすることができる。
また、本発明の一側面のフィルタ付EGRパイプの製造方法では、フィルタ圧入工程と拡管工程とを同時に実施する。
【0009】
このようなフィルタ付EGRパイプの製造方法によれば、フィルタ付EGRパイプを製造する際の工程数を削減することができる。
また、本発明の一側面のフィルタ付EGRパイプの製造方法では、圧入されたフィルタの排気の流れに対する上流側にてEGRパイプとフィルタとの溶接を行う溶接工程を実施する。
【0010】
このようなフィルタ付EGRパイプの製造方法によれば、溶接によって生じる可能性がある異物(スパッタ等)がフィルタによりせき止められるので、異物がフィルタよりも排気の流れに対する下流に移動しにくくすることができる。
【0011】
また、本発明の一側面のフィルタ付EGRパイプの製造方法では、フィルタ圧入工程にて、外周部分が該外周部分よりも内側の内側部分に対して上流側に湾曲したフィルタを圧入する。
【0012】
このようなフィルタ付EGRパイプの製造方法によれば、フィルタの外周部分をEGRパイプの内側に溶接すれば自然とフィルタの上流側で溶接する構成にすることができる。また、フィルタを圧入する際に外周部分がEGRパイプの入口に引っ掛かりにくくすることができるので、フィルタを圧入しやすくすることができる。
【0013】
また、本発明の一側面のEGRパイプは、管として構成された通常管部と、通常管部と同部材であり、かつ通常管部よりも太い管として構成された太管部と、太管部および通常管部を接続する接続部と、接続部に接して配置されたフィルタと、を備えている。
【0014】
このようなEGRパイプによれば、拡管によって生じる段差部分にフィルタを係止させるので、フィルタを移動しにくくすることができる。
また、本発明の一側面のEGRパイプは、太管部が、通常管部よりも排気の流れに対して上流側に位置している。
【0015】
このようなEGRパイプによれば、フィルタは排気により通常管部側に押されることになるため、フィルタが太管部側に押される構成と比較してフィルタが外れにくくすることができる。
【0016】
また、本発明の一側面のEGRパイプは、太管部が、排気経路を構成する排気部材において排気の一部を取り出す取出口に接続される。
このようなEGRパイプによれば、フィルタが取出口近傍に配置されることになる。この構成では、排気の熱がフィルタに伝わりやすいので、フィルタにてせき止められた煤等を、排気の熱によって燃焼することができる。また、寒冷地においてフィルタに付着した水分が凍結したとしても、排気の熱によって速やかに解凍させることができる。
【0017】
また、本発明の一側面のEGRパイプは、フィルタと当該EGRパイプとの間に、フィルタよりも排気の流れに対して上流側に溶接部を有する。
このようなEGRパイプによれば、溶接によって生じる可能性がある異物がフィルタによりせき止められるので、異物がフィルタよりも下流に移動しにくくすることができる。
【0018】
なお、各発明は、可能な限りにおいて任意に組み合わせることができる。この際、一部構成を除外してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明が適用された排気系の概略構成を示すブロック図である。
図2図1に示す排気系のII-II断面図である。
図3】EGRパイプの製造方法(フィルタ取付手順)を示す手順の説明図である。
図4】フィルタの平面図(A)およびフィルタのIVB-IVB断面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[EGRパイプ10の構成]
本発明が適用されたEGRパイプ10は、車両等の内燃機関を有する移動体における排気系1において配置される。ここで、EGRは、Exhaust Gas Recirculationの略であり、内燃機関の排気の一部を吸気に再循環して燃焼する周知の機能を示す。なお、排気系1とは、内燃機関の排気が通過する経路全般を示す。
【0021】
排気系1において、図1では、EGRパイプ10と、エキゾーストコンバータ20と、を図示している。エキゾーストコンバータ20は、管状に形成されており、内燃機関によって発生した排気を内部に備えられた触媒を介して浄化した後に、マフラー等に向けて排出する。
【0022】
また、エキゾーストコンバータ20には、EGRパイプ10に排気を取り出すための取出口22が設けられている。ここで、エキゾーストコンバータ20においては、図1の矢印21の方向に従って排気が流され、触媒による浄化後の排気が、取出口22においてEGRパイプ10側に分岐される。
【0023】
この取出口22には、EGRパイプ10が接続される。EGRパイプ10においては、図1の矢印11に示すように、取出口22側から内燃機関側に向かって排気が流される。
EGRパイプ10には、図2に示すように、フィルタ30が取り付けられている。なお、図2は、図1に示す取出口22近傍をEGRパイプ10における流れ方向に沿って仮想的に切断した断面図(II-II断面図)である。
【0024】
フィルタ30は、多数の網目を有する金属製の周知の構造であり、排気の熱に耐えられるだけの耐熱性を有する。そして、フィルタ30は、EGRパイプ10を輪切りにしたときの断面の全体を網目で覆うよう配置されている。また、フィルタ30は、網目において網目以上の大きさを有する煤等の異物をせき止め、網目以上の大きさの異物が吸気系に再循環されることを抑制する。
【0025】
EGRパイプ10は、図2に示すように、通常管部16と、太管部17と、接続部18と、を備えている。通常管部16は、金属製の円管として構成されている。太管部17は、通常管部16と同部材であり、かつ通常管部16よりも太い管として構成されている。
【0026】
この太管部17は、EGRパイプ10のエキゾーストコンバータ20側に設けられており、太管部17がエキゾーストコンバータ20の取出口22に接続される。つまり、EGRパイプ10においては、太管部17が、通常管部16よりも排気の流れに対して上流側に位置している。
【0027】
接続部18は、太管部17および通常管部16を接続する。そして、フィルタ30は、接続部18に接して配置されている。
また、フィルタ30においては、EGRパイプ10との間において、フィルタ30よりも排気の流れに対して上流側に溶接部35を有する。
【0028】
[EGRパイプ10の製造方法]
EGRパイプ10は、図3に示す製造方法(EGRパイプフィルタ取付手順)を実施することによって製造される。すなわち、図3に示すように、まず、パンチ50上にフィルタ30を載置する(S1)。パンチ50は、パンチ50の上部にて保持されたEGRパイプ10に対して相対的に上下方向に移動可能に構成されている。
【0029】
ここで、フィルタ30は、図4(A)および図4(B)に示すように、外周部分31が湾曲した形状を有している。このフィルタ30は、外周部分31よりも内側の内側部分32に対して外周部分31がEGRパイプ10内での排気の流れの上流側に向くように設定される。すなわち、外周部分31がパンチ50側に向くようにパンチ50上において載置される。
【0030】
なお、EGRパイプ10は全体として概ね均一の内径dを有している。そして、フィルタ30の外径Dは、EGRパイプ10の内径dよりも大きく設定される。また、パンチ50の外径φは、EGRパイプ10の内径dよりも大きく、かつ、フィルタ30の外径D以下に設定される。
【0031】
続いて、フィルタ30をパンチ50に載置した状態で、パンチ50をEGRパイプ10に挿入する(S2)。この際、EGRパイプ10のエキゾーストコンバータ20側となる開口部からパンチ50を挿入し、所定の位置までパンチ50が挿入されるとEGRパイプ10からパンチ50を引き抜く。
【0032】
この工程によって、フィルタ30がEGRパイプ10に圧入され、フィルタ30の周囲全体がEGRパイプ10に密着した状態となる。つまり、次の溶接工程のための位置決めもできている状態となる。
【0033】
また、この工程では、同時に、EGRパイプ10のエキゾーストコンバータ20側となる端部がパンチ50によって拡管される。この工程では、拡管によって生じる段差部分(接続部18)にフィルタ30が係止させられることになる。
【0034】
続いて、EGRパイプ10とフィルタ30との溶接を行う(S3)。この工程では、圧入されたフィルタ30の排気の流れに対する上流側にて溶接を行う。この際の溶接は、アーク溶接、スポット溶接、レーザ溶接等、任意の方法を採用することができる。この工程によって溶接部35が形成される。
【0035】
このような工程を実施すると、上記のフィルタ30が備えられたEGRパイプ10が得られる。
[本実施形態による効果]
以上のように詳述したEGRパイプ10の製造方法においては、EGRパイプ10を輪切りにしたときの内側断面形状に略一致する外側形状を有するフィルタ30を、EGRパイプ10に圧入するフィルタ圧入工程を実施する。
【0036】
このようなEGRパイプ10の製造方法によれば、圧入によりフィルタ30を固定することができる。また、溶接等を行う場合においても、フィルタ30とEGRパイプ10とを密着させた状態で位置決めしておくことができる。
【0037】
また、上記のEGRパイプ10の製造方法では、EGRパイプ10の一部を拡管する拡管工程を実施し、フィルタ圧入工程では、拡管によって生じる段差部分にフィルタ30を係止させる。
【0038】
このようなEGRパイプ10の製造方法によれば、拡管によって生じる段差部分にフィルタ30を係止させるので、フィルタ30を移動しにくくすることができる。
また、上記のEGRパイプ10の製造方法では、フィルタ圧入工程と拡管工程とを同時に実施する。
【0039】
このようなEGRパイプ10の製造方法によれば、EGRパイプ10を製造する際の工程数を削減することができる。
また、上記のEGRパイプ10の製造方法では、圧入されたフィルタ30の排気の流れに対する上流側にてEGRパイプ10とフィルタ30との溶接を行う溶接工程を実施する。
【0040】
このようなEGRパイプ10の製造方法によれば、溶接によって生じる可能性がある異物(スパッタ等)がフィルタ30によりせき止められるので、異物がフィルタ30よりも下流に移動しにくくすることができる。
【0041】
また、上記のEGRパイプ10の製造方法では、フィルタ圧入工程にて、外周部分が該外周部分よりも内側の内側部分に対して上流側に湾曲したフィルタ30を圧入する。
このようなEGRパイプ10の製造方法によれば、フィルタ30の外周部分をEGRパイプ10の内側に溶接すれば自然と上流側で溶接する構成にすることができる。また、フィルタ30を圧入する際に外周部分がEGRパイプ10の入口に引っ掛かりにくくすることができるので、フィルタ30を圧入しやすくすることができる。
【0042】
また、上記のEGRパイプ10は、管として構成された通常管部16と、通常管部16と同部材であり、かつ通常管部16よりも太い管として構成された太管部17と、太管部17および通常管部16を接続する接続部18と、接続部18に接して配置されたフィルタ30と、を備えている。
【0043】
このようなEGRパイプ10によれば、拡管によって生じる段差部分にフィルタ30を係止させるので、フィルタ30を移動しにくくすることができる。
また、上記のEGRパイプ10は、太管部17が、通常管部16よりも排気の流れに対して上流側に位置している。
【0044】
このようなEGRパイプ10によれば、フィルタ30は排気により通常管部16側に押されることになるため、フィルタ30が太管部17側に押される構成と比較してフィルタ30が外れにくくすることができる。
【0045】
また、上記のEGRパイプ10は、太管部17が、排気経路を構成する排気部材において排気の一部を取り出す取出口22に接続される。
このようなEGRパイプ10によれば、フィルタ30が接続部18近傍に配置されることになる。この構成では、排気の熱がフィルタ30に伝わりやすいので、フィルタ30にてせき止められた煤等を、排気の熱によって燃焼することができる。また、寒冷地においてフィルタ30に付着した水分が凍結したとしても、排気の熱によって速やかに解凍させることができる。
【0046】
また、上記のEGRパイプ10は、フィルタ30と当該EGRパイプ10との間において、フィルタ30よりも排気の流れに対して上流側に溶接部35を有する。
このようなEGRパイプ10によれば、溶接によって生じる可能性がある異物がフィルタ30によりせき止められるので、異物がフィルタ30よりも下流に移動しにくくすることができる。
【0047】
[その他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態によって何ら限定して解釈されない。また、上記の実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、各請求項に係る発明の理解を容易にする目的で使用しており、各請求項に係る発明の技術的範囲を限定する意図ではない。上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【0048】
上述したEGRパイプ10やEGRパイプの製造方法の他、当該EGRパイプ10を構成要素とするシステム、EGRパイプ10におけるフィルタ取付方法、など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
【0049】
例えば、上記実施形態において説明したEGRパイプ10の製造方法では、圧入工程と拡管工程とを同時に実施したが、これらの工程は別々に実施してもよい。また、EGRパイプ10の製造方法では、少なくとも圧入工程を実施すればよく、拡管工程や溶接工程は省略してもよい。
【0050】
[実施形態の構成と本発明の手段との対応関係]
上記実施形態のEGRパイプ10の製造方法において、S2の工程は本発明でいうフィルタ圧入工程および拡管工程に相当し、S3の工程は本発明でいう溶接工程に相当する。
【符号の説明】
【0051】
1…排気系、10…EGRパイプ、16…通常管部、17…太管部、18…接続部、20…エキゾーストコンバータ、22…取出口、30…フィルタ、35…溶接部、50…パンチ。
図1
図2
図3
図4