特許第6588230号(P6588230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588230
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】収納式テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 5/04 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   A47B5/04
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-97477(P2015-97477)
(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公開番号】特開2016-209406(P2016-209406A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2018年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116596
【氏名又は名称】愛知株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀高
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−104117(JP,A)
【文献】 特開2011−255063(JP,A)
【文献】 特開2007−007329(JP,A)
【文献】 米国特許第5547247(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 5/04
A47C 7/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のテーブル板と、
床面に対して立てて設けられた基部に設けられ、前記テーブル板を、前記テーブル板の主たる面が略上下方向に拡がる収納位置と、該収納位置よりも前記テーブル板が上方に位置する上方位置と、前記上方位置にある前記テーブル板を回転させて前記主たる面が略水平方向に拡がる形態となる使用位置と、を含む範囲で変位可能に支持する可動機構部と、
前記基部に設けられ、前記収納位置に位置する前記テーブル板における前記基部側とは反対側の面の少なくとも一部を覆う被覆部と、
前記使用位置にあるテーブル板の下側に位置する面である下面に接触する接触部を有し、該接触部にて前記テーブル板を下方から支持する支持位置と、前記接触部が前記支持位置よりも前記基部側に変位した基部側位置と、を含む範囲で、所定の回転軸を中心として回転可能である支持部と、
前記支持部における前記回転軸の中心から離れた位置に備えられる当接部と、
前記支持部が所定方向に回転した際に、前記当接部と接触することによって前記支持部が予め設定した以上に前記所定方向に回転することを抑制する回転抑制部と、
を備え、
前記支持部の少なくとも一部は、前記テーブル板と、前記被覆部と、の間の領域に配置されている
ことを特徴とする収納式テーブル。
【請求項2】
板状のテーブル板と、
床面に対して立てて設けられた基部に設けられ、前記テーブル板を、前記テーブル板の主たる面が略上下方向に拡がる収納位置と、該収納位置よりも前記テーブル板が上方に位置する上方位置と、前記上方位置にある前記テーブル板を回転させて前記主たる面が略水平方向に拡がる形態となる使用位置と、を含む範囲で変位可能に支持する可動機構部と、
前記基部に設けられ、前記収納位置に位置する前記テーブル板における前記基部側とは反対側の面の少なくとも一部を覆う被覆部と、
所定の回転軸を中心として回転可能であって、それぞれ異なる方向に延び出す接触部及び延出部を有する支持部と、
前記支持部が所定方向に回転した際に、前記延出部と接触することによって前記支持部が予め設定した以上に前記所定方向に回転することを抑制する回転抑制部と、
を備え、
前記支持部は、前記接触部が前記使用位置にある前記テーブル板の下側に位置する面である下面に接触し、かつ前記延出部が前記回転抑制部に接触することにより、前記テーブル板を下方から支持する支持位置と、前記接触部が前記支持位置よりも前記基部側に変位した基部側位置と、を含む範囲で回転可能であり、
前記延出部は、前記収納位置に位置する前記テーブル板と、前記被覆部と、の間の領域に位置する
ことを特徴とする収納式テーブル。
【請求項3】
前記支持部の回転軸は、前記テーブル板が前記収納位置と前記使用位置のいずれに位置する場合においても前記主たる面と平行になる方向に長さを有しており、前記被覆部の上側の領域において、前記被覆部の上端部に沿って設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の収納式テーブル。
【請求項4】
前記支持部を前記支持位置から前記基部側位置に向けて付勢する付勢手段を備え、
前記支持部は、前記テーブル板が前記上方位置から前記使用位置に向けて回転するときに、前記接触部が前記テーブル板の下面と接触して前記支持位置に向けて押圧され、前記下面における接触位置を変化しながら前記支持位置に移動する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の収納式テーブル。
【請求項5】
前記付勢手段は、スプリングコイルであって、
前記スプリングコイルは、該スプリングコイルの軸が前記回転軸と同じ方向となるように前記支持部の内部に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載の収納式テーブル。
【請求項6】
前記テーブル板における前記下面に設けられる突出部を備え、
前記テーブル板が前記収納位置のときに、前記突出部は、前記支持部と接触する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の収納式テーブル。
【請求項7】
前記支持部は、該支持部を前記支持位置から前記基部側位置に向けて回転させたときには、前記延出部が前記被覆部の内側面と接触することにより、その位置からの回転が抑制される
ことを特徴とする請求項2及び請求項2を引用する請求項3から請求項6、のいずれか1項に記載の収納式テーブル。
【請求項8】
前記テーブル板には、前記収納位置において、前記支持部よりも上方の位置において前記基部から離れる方向に延び出す手掛け部が設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の収納式テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子の背凭れの背面などに配置される収納可能なテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
椅子の背凭れの背面等に取り付けられる収納式テーブルとして、略水平な使用位置にあるテーブル本体を回動して略直立した収納位置とするように構成されているものがある。
このような収納式テーブルとして、左右にステーを配置し、ステーが椅子の背凭れから離れるように回転することで、テーブルを支える支点の距離を長くすることができる装置を備えるものがある。このようなステーが設けられている場合、ステーとテーブルの間に指などを挟みやすいという問題があった。
【0003】
従来、ステーとテーブルが独立しており、ステーがテーブルの下面に沿って動く収納式テーブルが提案されている(特許文献1参照)。このような収納式テーブルは指などが挟まりにくく、また仮に挟まったとしても大きな損傷を負う危険が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−104117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の収納式テーブルは使用時の危険を低減することができるが、当然ながら、完全に危険が無くなるわけではない。また、上記特許文献1の構成は収納時にテーブル本体を覆う箱型などの被覆部を有さない構成であり、被覆部を有する構成に特有の危険も存在する。よって、上記特許文献1の構成だけではなく、他にも様々な危険を低減するための工夫が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、安全性の向上を図ることができる収納式テーブルを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、板状のテーブル板と、床面に対して立てて設けられた基部に設けられ、上記テーブル板を、上記テーブル板の主たる面が略上下方向に拡がる収納位置と、該収納位置よりも上記テーブル板が上方に位置する上方位置と、上記上方位置にある上記テーブル板を回転させて上記主たる面が略水平方向に拡がる形態となる使用位置と、を含む範囲で変位可能に支持する可動機構部と、上記基部に設けられ、上記収納位置に位置する上記テーブル板における上記基部側とは反対側の面の少なくとも一部を覆う被覆部と、上記使用位置にあるテーブル板の下側に位置する面である下面に接触する接触部を有し、該接触部にて上記テーブル板を下方から支持する支持位置と、上記接触部が上記支持位置よりも上記基部側に変位した基部側位置と、を含む範囲で、所定の回転軸を中心として回転可能である支持部と、を備え、上記支持部は、上記テーブル板と、上記被覆部と、の間の領域に配置されていることを特徴とする収納式テーブルである。
【0008】
このような収納式テーブルでは、支持部がテーブル板と被覆部との間に配置されているため、支持部により被覆部とテーブル板との間の隙間を埋めることができ、その隙間を小さくすることができる。よって、その隙間に指などが進入する危険を低減することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0009】
本発明の第2の態様は、板状のテーブル板と、床面に対して立てて設けられた基部に設けられ、上記テーブル板を、上記テーブル板の主たる面が略上下方向に拡がる収納位置と、該収納位置よりも上記テーブル板が上方に位置する上方位置と、上記上方位置にある上記テーブル板を回転させて上記主たる面が略水平方向に拡がる形態となる使用位置と、を含む範囲で変位可能に支持する可動機構部と、上記基部に設けられ、上記収納位置に位置する上記テーブル板における上記基部側とは反対側の面の少なくとも一部を覆う被覆部と、所定の回転軸を中心として回転可能であって、それぞれ異なる方向に延び出す接触部及び延出部を有する支持部と、上記支持部が所定方向に回転した際に、上記延出部と接触することによって上記支持部が予め設定した以上に上記所定方向に回転することを抑制する回転抑制部と、を備え、上記支持部は、上記接触部が上記使用位置にある上記テーブル板の下側に位置する面である下面に接触し、かつ上記延出部が上記回転抑制部に接触することにより、上記テーブル板を下方から支持する支持位置と、上記接触部が上記支持位置よりも上記基部側に変位した基部側位置と、を含む範囲で回転可能であり、上記延出部は、上記収納位置に位置する上記テーブル板と、上記被覆部と、の間の領域に位置することを特徴とする収納式テーブルである。
【0010】
このような収納式テーブルでは、テーブル板が収納位置にあるときに、延出部が被覆部とテーブル板との間に位置しているため、延出部は被覆部によって外部から指などで接触しにくい位置となる。よって、延出部と回転抑制部やテーブル板との隙間に指などが進入する危険を低減することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0011】
なお、上述した各収納式テーブルにおいて、上記支持部の回転軸は、上記テーブル板が上記収納位置と上記使用位置のいずれに位置する場合においても上記主たる面と平行になる方向に長さを有しており、上記被覆部の上側の領域において、上記被覆部の上端部に沿って設けられている構成としてもよい。
【0012】
このような収納式テーブルでは、支持部の回転軸が被覆部の上端部に沿って配置されているため、支持部が回転したときに支持部と被覆部との間の間隔が変化しにくい。よって、支持部の回転に伴う支持部と被覆部との隙間の大きさの変化が抑制されるため、その隙間が大きくなることを抑制でき、また仮にその隙間に指などが進入しても挟まれにくくなる。
【0013】
また、上述した各収納式テーブルは、上記支持部を上記支持位置から上記基部側位置に向けて付勢する付勢手段を備え、上記支持部は、上記テーブル板が上記上方位置から上記使用位置に向けて回転するときに、上記接触部が上記テーブル板の下面と接触して上記支持位置に向けて押圧され、上記下面における接触位置を変化しながら上記支持位置に移動する構成であってもよい。
【0014】
このような収納式テーブルでは、支持部が回転するときに支持部とテーブル板とが接触した状態となるため、その間に指などが挟まれてしまう危険を低減できる。
さらに、上記付勢手段は、スプリングコイルであって、上記スプリングコイルは、該スプリングコイルの軸が上記回転軸と同じ方向となるように上記支持部の内部に配置されている構成としてもよい。
【0015】
また、上述した収納式テーブルは、上記テーブル板における上記下面に設けられる突出部を備え、上記テーブル板が上記収納位置のときに、上記突出部は、上記支持部と接触するように構成されていてもよい。
【0016】
このような収納式テーブルでは、突出部と支持部とが接触することで、テーブル板のがたつきを抑制することができる。
また、上述した第2の態様の収納式テーブルにおいて、上記支持部は、該支持部を上記支持位置から上記基部側位置に向けて回転させたときには、上記延出部が上記被覆部の内側面と接触することにより、その位置からの回転が抑制されるように構成されていてもよい。
【0017】
このような収納式テーブルでは、延出部は被覆部の内側面と接触するため、その接触する領域に指などが進入しにくくなっている。よって、指などが延出部により挟まれる危険を低減できる。
【0018】
また、上述した収納式テーブルにおける上記テーブル板には、上記収納位置において、上記支持部よりも上方の位置において上記基部から離れる方向に延び出す手掛け部が設けられていてもよい。
【0019】
このような収納式テーブルでは、使用者は手掛け部を持ってテーブル板を操作することができる。特に使用者がテーブル板を上下に操作するときに都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】収納式テーブルが椅子に設けられた状態を示す側面図である。
図2】収納式テーブルを示す斜視図であって、(A)が収納位置の場合を示す図であり、(B)が上方位置の場合を示す図であり、(C)が使用位置の場合を示す図である。
図3】収納式テーブルを示す右側面図であって、(A)が収納位置の場合を示す図であり、(B)が右側部を外した状態の収納位置の場合を示す図であり、(C)が右側部を外した状態の上方位置の場合を示す断面図である。
図4】(A)が収納式テーブルの平面図であり、(B)が収納式テーブルの正面図である。
図5】収納式テーブルを示す左側面図である。
図6】(A)〜(E)が、主板の変位にもとづく支持部の回転を説明する図である。
図7】支持部の分解斜視図である。
図8】(A)、(B)とも、支持部の左半分を示す斜視図である。
図9】主板の下端の形状を説明する図である。
図10】手掛け部の下方の挿入空間を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[実施形態]
(1)収納式テーブルの全体構成
本実施形態の収納式テーブル1は、図1に示すように、床面に設置された椅子3の背板5に設けられる。背板5は床面に対して立てて設けられた平板状の部材である。この背板5が本発明における基部の一例である。
【0022】
収納式テーブル1の詳細な構成を図2図5を用いて説明する。図2(A)、図3(A),(B)、及び図4(A),(B)の右半分は、後述するテーブル板11が収納位置にある状態を示す。また図2(B)、及び図3(C)はテーブル板11が上方位置にある状態を示す。また図2(C)、図4(A),(B)の左半分、及び図5の実線で示す部分はテーブル板11が使用位置にある状態を示す。
【0023】
収納式テーブル1は、テーブル板11と、背板5に設けられ、収納位置に位置するテーブル板11を収納する収納部21とを有する。
テーブル板11は、平板状の主板13と、手掛け部15と、左右一対の支持軸17と、を有する。手掛け部15は、収納位置にある主板13の上端に設けられ、左右方向に長さを有し、主板13よりも前方に突出している。
【0024】
支持軸17は、円柱形状であって、収納位置における主板13の下端側の左右側方において外側に突出する。この支持軸17は、後述する操作補助ユニット61の左右に設けられた腕部69に形成された貫通穴69aにて回転可能に軸支されている。操作補助ユニット61は上下方向にのみ移動するものであるため、支持軸17も上下方向にのみ移動する。
【0025】
テーブル板11は、収納位置、上方位置、下方位置を含む範囲で変位可能である。収納位置とは、テーブル板11が相対的に下方にあり、背板5と隣り合い、テーブル板11の主たる面(主板13)が略上下方向に拡がる位置である。また上方位置とは、収納位置よりも相対的に上方であり、前方への回転が可能となる位置である。また使用位置とは、上方位置にあるテーブル板11が前方に回転し、主板13が略水平方向に拡がる形態となった位置である。
【0026】
収納部21は、主板13の下面を覆う被覆板23と、左右に長さを有しており背板5に取り付けられる裏板25と、被覆板23の左右両端において被覆板23と裏板25とを繋ぐ右側部27及び左側部29と、支持部31と、操作補助ユニット61と、を有している。主板13の下面とは、使用位置においては下側の面に位置し、収納位置においては背板5とは反対側の前側となる面を意味するものとする。
【0027】
収納部21は被覆板23、裏板25、右側部27、左側部29、及び背板5によって箱状の形を構成するが、その上下は開放されている。被覆板23が、本発明における被覆部の一例である。
【0028】
右側部27及び左側部29それぞれには、収納部21の内側を向く面に設けられた上下に延びるレール35が設けられている。このレール35に沿って後述する操作補助ユニット61が移動するため、操作補助ユニット61に支持される支持軸17も上下方向に移動可能となり、これにより、テーブル板11の上下方向の変位が可能となる。
【0029】
図5に示すように、テーブル板11が上方位置にあるときは、テーブル板11は支持軸17を中心として前方に回転して使用位置に移動することができる。一方、テーブル板11が収納位置にあるとき、又は上方位置よりも下方に位置するときは、テーブル板11は支持部31と接触することで前方への回転が抑制されている。またテーブル板11の後方への回転は裏板25により抑制される。
【0030】
支持部31は、図3(B)などに示されるように、収納位置に位置するテーブル板11と、被覆板23と、の間の領域に配置されている。テーブル板11と被覆板23の間の領域とは、手掛け部15の前端と被覆板23の上端との間の領域を含むものである。
【0031】
また支持部31は回転軸41を中心として回転可能に構成されている。回転軸41は、テーブル板11が収納位置と使用位置のいずれに位置する場合においても主板13と平行になる方向に長さを有しており、被覆板23の上側の領域において、被覆板23の上端部に沿って設けられている。
【0032】
また支持部31は、回転軸41と直交する仮想的な平面に投影したときにそれぞれ異なる方向に延び出す接触部51及び延出部53を有している。
収納部21は、接触部51が前方に向かう方向に支持部31が回転した際に、延出部53と接触することによって支持部31が予め設定した以上に上記方向に回転することを抑制する回転抑制部55を裏板25に備えている。
【0033】
図6(A)〜(E)を用いて、支持部31の動作を説明する。なおこれらの図では、理解を容易にする目的で腕部69及び貫通穴69aの図示を省略している。
図6(A)は、テーブル板11が収納位置である状態である。テーブル板11を上方に引き上げると、図6(B)のように、前方に回転可能な位置である上方位置に移動する。なおこの位置では、支持軸17(即ち、支持軸17を支持する腕部69の貫通穴69a)はレール35の上端まで上がりきっていないが、前方に回転させることで支持軸17は上方に移動する。もちろん、支持軸17をレール35の上端まで移動させてから回転させてもよい。
【0034】
図6(A),(B)の状態において、支持部31の接触部51は背板5側に寄って位置している。後述するように、支持部31は接触部51が背板5側に向かう方向に付勢されているが、延出部53が被覆板23の後面に接触することで、上述した方向の回転は抑制される。
【0035】
テーブル板11を前方に回転させると、図6(C)〜(D)に示すように、接触部51は主板13に押されて回転軸41を中心に前方に回転する。このとき、接触部51の先端は主板13の下面13aの表面を摺動する。また同時に延出部53は後方に回転する。
【0036】
さらに支持部31が回転すると、図6(E)に示すように、延出部53が回転抑制部55に接触する。延出部53が回転抑制部55に接触することにより支持部31の回転が抑制され、接触部51がテーブル板11の下面13aに接触してテーブル板11を下方から支持する状態となる。上述した使用位置とはこの状態となる位置である。この使用位置において、テーブル板11は主板13が略水平となる。
【0037】
テーブル板11を使用位置から収納位置に戻す場合は、支持部31は上述した動作と逆に動作する。
なお、図6(A),(B)に示す支持部31の位置が本発明における基部側位置の一例であり、図6(E)に示す支持部31の位置が本発明における支持位置の一例である。支持部31は、支持位置と基部側位置とを含む範囲で回転可能である。基部側位置とは、接触部51が支持位置よりも背板5側に変位した位置である。
【0038】
延出部53は、テーブル板11が収納位置に位置するとき、テーブル板11と、被覆板23と、の間の領域に位置する。そして、テーブル板11が上方位置へ移動しさらに回転しても、延出部53は被覆板23より前方に移動することなく、常に被覆板23よりも後方側(背板5側)に位置する。
【0039】
また支持部31は、図6(A)〜(E)に示されるように、テーブル板11が収納位置から使用位置までのどの位置にあるときも、テーブル板11と、被覆板23と、の間の領域に位置している。
【0040】
テーブル板11の下には、操作補助ユニット61が設けられている。操作補助ユニット61は、左右方向に長さを有し、テーブル板11の主板13の下端面と接触する本体部63と、定荷重ばね65と、ダンパー67と、本体部63の左右両端から上方向に伸びだす腕部69と、を有している。
【0041】
本体部63の左右両端にはローラー63aが設けられ、また左右の腕部69にはローラー69bが設けられている。これらのローラーが右側部27及び左側部29のレール35に沿って回転移動することにより、操作補助ユニット61がレール35の間を上下にスライドして移動する。
【0042】
定荷重ばね65は、テーブル板11の重量よりも小さい力でテーブル板11に上方への荷重を加えており、テーブル板11が収納位置へ移動する際の落下速度を緩めるとともに、使用者のテーブル板11の引き上げ操作を補助する。
【0043】
また、ダンパー67は定荷重ばね65の引き出し動作の速度を緩め、テーブル板11がゆっくりと下方位置へ下がるようにしている。なお、ダンパー67はいわゆるワンウェイダンパであって、テーブル板11を引き上げる際には作用しない。
【0044】
定荷重ばね65の先端は、図4(B)などに示されるように、延出部53の係止棒53aに係止されている。よって、接触部51には延出部53が下方に向かう方向の荷重が常時加えられている。
【0045】
支持部31の内部構成を、図7図8に基づいて説明する。なお支持部31は左右略対象であるため、図8(A),(B)では左側のみを説明する。
支持部31には左右方向の貫通穴81が形成されており、その内部に、筒状部85、回転軸41、巻きばね87、連結パーツ89、揺動ダンパ91、連動パーツ93が挿入される。支持部31の左右両側の側面には、それら各部を支持部31の側面から覆う側面カバー83が固定されている。
【0046】
筒状部85は、その内部を回転軸41が通過する筒状の部材であって、その外周には軸方向に延びる複数の突条85aが形成されており、この突条85aが貫通穴81に形成されている溝81aに係止する。
【0047】
回転軸41は、サイドブロック95に対して回転不能に固定される。サイドブロック95は、右側部27と左側部29の上側部分に設けられる部材である。
巻きばね87は、一端が回転軸41の先端に回転不能に係止され、他端が筒状部85に係止される。
【0048】
揺動ダンパ91の回動軸部91aは、連結パーツ89を介して回転軸41の先端に取り付けられる。また揺動ダンパ91の本体部91bは、連動パーツ93を介して支持部31に取り付けられる。連動パーツ93は貫通穴81に小さなクリアランスをもって挿入される円筒状の形状であって、その外周には軸方向に延びる複数の突条93aが形成されており、この突条93aが貫通穴81に形成されている溝81aに係止する。
【0049】
上述した構成である支持部31は、回転軸41を中心として回転する。支持部31が回転しても回転軸41自体は回転しないため、支持部31は筒状部85を介して巻きばね87による付勢力を受ける。巻きばね87の付勢方向は支持部31が起き上がる方向、つまりテーブル板11を使用位置から上方位置に戻す方向である。つまり、巻きばね87は、テーブル板11が使用位置へ倒れる際の速度を緩めるとともに、使用者が使用位置から上方位置へテーブル板11を起き上がらせる操作を補助する。
【0050】
また、揺動ダンパ91が作用することで支持部31が使用位置へ倒れる際の回転速度が抑制される。なお揺動ダンパ91はいわゆるワンウェイダンパであるため、テーブル板11が起き上がるときには作用しない。
【0051】
ところで、テーブル板11の上述した収納位置、上方位置、使用位置への変位は、収納部21におけるレール35、支持部31、裏板25、操作補助ユニット61などの構成により実現される。このような機構を有する収納部21が、本発明における可動機構部の一例である。
【0052】
(2)効果
[2A]本実施形態の収納式テーブル1では、支持部31がテーブル板11と被覆板23との間に配置されているため、支持部31により被覆板23とテーブル板11との間の隙間を埋めることができ、その隙間を小さくすることができる。よって、その隙間に指などが進入する危険を低減することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0053】
[2B]本実施形態の収納式テーブル1では、テーブル板11が収納位置にあるときに、延出部53が被覆板23とテーブル板11との間に位置しているため、延出部53は被覆板23によって外部から指などで接触しにくい位置となる。よって、延出部53と回転抑制部55やテーブル板11との隙間に指などが進入する危険を低減することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0054】
[2C]本実施形態の収納式テーブル1では、支持部31の回転軸41が被覆板23の上端部に沿って配置されているため、支持部31が回転したときに支持部31と被覆板23との間の間隔が変化しにくい。よって、支持部31の回転に伴う支持部31と被覆板23との隙間の大きさの変化が抑制されるため、その隙間が大きくなることを抑制でき、また仮にその隙間に指などが進入しても挟まれにくくなる。
【0055】
[2D]本実施形態の収納式テーブル1では、支持部31が回転するときに支持部31の接触部51とテーブル板11とが接触した状態で摺動するため、その間に指などが挟まれてしまう危険を低減できる。
【0056】
[2E]本実施形態の収納式テーブル1では、延出部53は被覆板23の内側面と接触するため、その接触する領域に指などが進入することが抑制される。これにより、安全性の向上を図ることができる。
【0057】
(3)その他の特徴部分
(3−1)テーブル板11の下端部の形状
図9に示すように、支持軸17の中心からテーブル板11の端部までの距離L1と、支持軸17の中心から主板13の表面までの距離L2と、を比較すると、L1>L2となる。
【0058】
このように支持軸17が配置されているため、テーブル板11が使用位置のときは、図6(E)に示すように下端面と裏板25との隙間が小さくなりその隙間から紙などが落下してしまうことを抑制できる。また上方位置や下方位置のときは図6(B)などに示すように主板13と被覆板23又は裏板25との間に隙間ができ、上下方向への移動をスムーズに実現できる。
【0059】
なおテーブル板11の下端部のうち、上方位置から使用位置に回転するときに上に上がる側の端面13cは、その断面形状が、支持軸17の中心からの距離がL1からL2へ徐々に変化するような曲面状になっている。
【0060】
(3−2)手掛け部15の下方の挿入空間101の形成
図10に示すように、テーブル板11が収納位置にあるとき手掛け部15は主板13から前方に突出している。また支持部31の接触部51は、被覆板23の上方に位置する回転軸41よりも後方側の位置において上方に延び出している。これにより、接触部51の前方であって手掛け部15の下方には手を挿入できる挿入空間101が形成される。
【0061】
このように挿入空間101が形成されることで、使用者が手掛け部15の下側面を操作しやすくなり、テーブル板11をスムーズに移動させることができる。
(3−3)テーブル板11の収納部21に対する着脱機構
図4(B)を参照してテーブル板11の収納部21に対する着脱機構を説明する。支持軸17は、固定ネジ17aを締めることにより固定されており、また固定ネジ17aを緩めることで左右方向の移動が可能に構成されている。支持軸17を中心側(内側)に引っ込めた状態においては、支持軸17の貫通穴69aによる軸支が解除されるためテーブル板11を操作補助ユニット61から取り外すことができる結果、テーブル板11を収納部21から取り外すことが可能となる。
【0062】
なお本実施形態では支持軸17は固定ネジ17aにより固定される構成を例示したが、外側に突出した状態を維持しうる様々な手段を用いることができる。例えば、支持軸17はバネなどの弾性体により外側に押し出されており、荷重を加えることで内側に押し込むことができるように構成されていてもよい。
【0063】
(3−4)巻きばね87によるトルク調整
貫通穴81の溝81aおよび筒状部85の突条85aは、複数箇所に形成されており、軸方向に相対的に回転させて嵌めることができるように構成されている。よって、筒状部85を貫通穴81に挿入する際に、予め筒状部85の回転角度を調整して巻きばね87により支持部31に加えられる荷重を調整して取り付けることができる。このように、支持部31は巻きばね87によるトルクの調整を容易に実行することができる。
【0064】
(3−5)左右方向に長さを有する支持部31
支持部31はテーブル板11の左側領域から右側領域に亘って延び、テーブル板11の左右方向の幅と略同じ幅の長さを有している。そのため、貫通穴81は横方向に長く形成されており、巻き数が多いため長くなった巻きばね87を用いることができる。巻き数が多い巻きばね87は、回転方向の荷重を受けたときの変位量に対するトルクの変化が小さいため、支持部31に比較的安定したトルクを与えることができる。
【0065】
また、左右に長さを有する支持部31にてテーブル板11を支持することができ、さらに、収納状態においては支持部31にて左右に広くテーブル板11を覆うことができる。これらによって、テーブル板11のがたつきの発生を抑制できる。
【0066】
(3−6)突出部13bによるがたつきの低減
主板13の下面13aには、突出部13bが形成されている。そして、図6(A)に示すように、収納位置においては支持部31の接触部51が突出部13bに接触する。また、接触部51は突出部13b側に付勢されている。したがって、突出部13bにより収納位置にあるときの主板13の前後方向の可動範囲を縮小でき、テーブル板11のがたつきの発生を抑制できる。
【0067】
なお、テーブル板11を上昇させると突出部13bと支持部31との接触は解除され、また図6(B)に示すように、その状態においてテーブル板11と支持部31とが接触しないように構成されている。そのため、テーブル板11を収納位置から上昇させると、支持部31と突出部13bとが接触してテーブル板11の上下動を阻害すること無く都合がよい。
【0068】
[変形例]
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0069】
例えば、上記実施形態においては、支持部31は収納位置に位置するテーブル板11と、被覆板23と、の間の領域に配置されている構成を例示したが、支持部31の一部がその領域からはみ出している構成であってもよい。
【0070】
また上記実施形態においては、延出部53は被覆板23の裏面側に位置する構成を例示したが、延出部53の主要部が被覆板23の裏面側にあれば、その一部が被覆板23の前方に位置する構成であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0072】
1…収納式テーブル、3…椅子、5…背板、11…テーブル板、13…主板、13a…下面、13b…突出部、15…手掛け部、17…支持軸、21…収納部、23…被覆板、25…裏板、27…右側部、29…左側部、31…支持部、35…レール、41…回転軸、51…接触部、53…延出部、55…回転抑制部、61…操作補助ユニット、81…貫通穴、81a…溝、85…筒状部、85a…突条、91…揺動ダンパ、91a…回動軸部、91b…本体部、93…連動パーツ、93a…突条、101…挿入空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10