【文献】
HU Xing et al.,Fabrication of three dimensional interconnected porous carbons from branched anodic aluminum oxide template,Electrochemistry Communications,2011年10月,Volume 13, Issue 10,P.1082-1085,ISSN:1388-2481
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、特定の具体例について、所定の図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定される。記載された図面は、単に概略であり、限定するものではない。図面において、図示目的で、いくつかの要素の大きさは拡張され、縮尺通りに記載されていない。寸法と相対寸法は、本発明の実施の実際の縮小には対応していない。
【0024】
更に、開示や請求の範囲中の、第1、第2、第3等の用語は、類似の要素の間で区別するために使用され、時間的、空間的に、順位付けや他の方法での順位を記載する必要はない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明の具体例は、ここに記載や図示されたものと異なる順序によっても操作できることを理解すべきである。
【0025】
また、開示や請求の範囲中の、上、下、上に、下に等の用語は、記載目的のために使用され、相対的な位置を示すものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明の具体例は、ここに記載や図示されたものと異なる位置でも操作できることを理解すべきである。
【0026】
なお、請求の範囲で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に示される要素に限定して解釈されるべきではなく、他の要素や工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分は、その通りに解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含むデバイスに限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
【0027】
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例において(in one embodiment)」または「ある具体例において(in an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
【0028】
同様に、本発明の例示の記載中において、能率的に開示し、多くの発明の形態の1またはそれ以上の理解を助ける目的で、本発明の多くの長所は、時には1つの具体例、図面、またはその記載中にまとめられることが分かる。しかしながら、この開示の方法は、請求される発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が表すように、発明の態様は、1つの記載された具体例の全ての長所より少なくなる。このように詳細な説明に続く請求の範囲は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の具体例としてそれ自身で成立する。
【0029】
更に、ここで記載された幾つかの具体例は、幾つかの特徴で、他の具体例に含まれる以外の特徴を含み、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように、異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求の範囲では、請求された具体例は、他の組み合わせにおいても使用できる。
【0030】
更に、具体例のいくつかは、コンピュータシステムのプロセッサにより、またはその機能を実行する他の手段により実施できる方法または方法の要素の組み合わせとしてここに記載される。このように、そのような方法または方法の要素を実行するために必要な指示を備えたプロセッサは、方法または方法の要素を実行するための手段を形成する。更に、装置の具体例のここに記載された要素は、本発明を実行する目的のために、要素により行われる機能を実行する手段の例である。
【0031】
ここで与えられる記載において、多くの特定の細部が示される。しかしながら、本発明の具体例はそれらの特別な細部無しに実施できることを理解すべきである。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この記載の理解をわかりにくくしないために、詳細には示されていない。
【0032】
以下の用語は、本発明の理解を助けるためにのみ提供される。
【0033】
ここで使用されるように、特段の定めが無ければ、「ナノワイヤ(nanowire)」の用語は、ロッド形状で、アスペクト比が少なくとも20で、幅または直径が最大で500nmであるナノ構造をいう。ナノワイヤは平面でも中空でも良い。中空のナノワイヤは時にはナノチューブと呼ばれる。
【0034】
ここで使用されたように、特段の定めが無ければ、「陽極酸化(anodization)」の用語は、陽極酸化可能な材料(例えばアルミニウム含有層)に適用された場合、電極として働く(陽極酸化される)陽極酸化可能な材料(例えば、アルミニウム含有層)と、酸性の電解質の存在下での対向電極との間に電位を与える工程を含む電気化学プロセスをいう。この方法は、層の表面に垂直に古い形態(例えば六角形)で配置されたチャネルのクラスタを形成する。このクラスタは、一般に、配置の古い性質により、アレイと呼ばれる。
【0035】
第1の形態では、本発明は、長手方向(X)に沿って配置された間隔をあけたナノワイヤのクラスタ(またはアレイ)に関し、このクラスタは、長手方向(X)に沿って続いて配置された少なくとも第1領域と第2領域とを含み、第1領域のナノワイヤは相互接続され、第2領域のナノワイヤは相互接続されない。
【0036】
相互接続されたナノワイヤからなる領域を有することは、第2領域のナノワイヤが崩壊することを防止するために有利である。しかしながら、相互接続されたナノワイヤからなる完全なクラスタ(第1領域および第2領域)は、少なくとも以下の理由のため十分ではない。
ナノワイヤの間に、あまりに多くの容量的および誘導的な接続がある。
相互接続されたナノワイヤは、均一に、そしてピンホール無しに被覆することは非常に困難である。これは、原子相堆積(ALD)のような表面が限定された堆積技術が用いられた場合でさえ、これは真実である。これはまた、ナノワイヤベースの金属−インシュレータ−金属(MIM)の形成を非常に困難にする。
【0037】
得られた崩壊しにくいナノワイヤのクラスタが、完全に相互接続されたナノワイヤネットワークに比較して(例えばALDにより)比較的容易に被覆できることは、本発明の具体例の長所である。例えば、薄膜スタック(例えば、MIMキャパシタスタック)は、均一に被覆でき、第2領域の上にはピンホールは無い。
【0038】
第1領域のナノワイヤの間の相互接続は、2つのそうでなければ分離されたナノワイヤの間の一般的な相互接続である。相互接続は、より一般に、そうでなければ分離された2つのナノワイヤの間の相互接続で、それぞれのナノワイヤは、2つのナノワイヤの間で共通して所有されない(一般には基板に接触する)それ自身のベースと、(一般には基板から離れた)それ自身の先端とを有する。これは、1つのナノワイヤに統合された2つのナノワイヤ、または2つのナノワイヤに分かれた1つのナノワイヤは、相互接続されたナノワイヤとは考えられないことを意味する。好適には、本発明のナノワイヤは、互いに統合されず、分岐しない。そのような分岐や統合は、クラスタを形成するために使用されるテンプレートにおいて、第2層が99.9原子%より少ないアルミニウムを含む材料からなる場合には、そのような分岐や統合が起きる。テンプレートのその層のアルミニウム濃度が高いほど、テンプレート中での、それゆえにそこから得られたクラスタ中での分岐/統合が減少する。純アルミニウムが使用された場合、分岐/統合は観察されない。アルミニウムや銅以外の材料を0.1%またはそれ以上含む場合、同様に、そのような分岐や統合が起きる。
【0039】
結果として、第2層の材料は、純アルミニウムから形成されることが好ましく、第1層の材料は、アルミニウム(およびテンプレートが第1の実現モードで形成される場合、選択的に銅)からのみ形成される。ナノワイヤは間隔をあける。これは、それらは、互いに空間で分離されることを意味する。第1領域では、ナノワイヤは、相互接続により間隔をあけ、一方、第2領域では、相互接続が存在せず、それゆえにナノワイヤは、(酸化アルミニウムのテンプレートの除去直後に構造が得られる場合は空気であり、より一般にはナノワイヤの間に続いて提供される興味のある固体材料である)周囲の媒体により間隔をあける(
図15の中央参照。SiO
2が囲む媒体である)。相互接続は、一般には、ナノワイヤそれ自身と同じ材料から形成される。最も一般的には、相互接続は、ナノワイヤそれ自身である。それゆえに、第1領域のナノワイヤは、3次元のナノワイヤのメッシュを形成し、一方、第2領域のナノワイヤは、相互接続されない。しかしながら、本開示の残りにおいて混乱を避けるために、特段の定めが無ければ、「ナノワイヤ(nanowire)」の用語は、長手方向(X)に沿うナノワイヤをいう。
【0040】
2つの隣り合ったナノワイヤの中央の長手方向の軸の平均間隔(ピッチとも定義される)は、例えば20nmから500nmで、一般には50nmから250nmである。
【0041】
ナノワイヤが基板に隣接する具体例では、長手方向(X)はナノワイヤがその上に隣接する基板に対して60°から90°の角度を形成する。好適には、ナノワイヤは、基板上に直交して立ってもよく、第2領域は、ナノワイヤが基板に接触する領域を含んでも良い。そのような具体例が、
図6に示される。相互接続が、ナノワイヤの崩壊、ナノワイヤのプロセス中のウエット工程およびドライ工程中に生じる問題を完全に防止するため、それらの具体例は有利である。
【0042】
具体例では、間隔をあけたナノワイヤのクラスタは、長手方向(X)に沿って順次配置された3つの領域を含んでもよく、第1領域および第3領域のナノワイヤは相互接続され、第2領域のナノワイヤは相互接続されず、第2領域は、第1領域と第3領域の間に挟まれる。それらの具体例ではナノワイヤは、基板上に垂直に立ち、第1(または第3)領域は、相互接続されたナノワイヤ(ナノワイヤの3次元メッシュ)は基板に接続する領域を含んでも良い。それらの具体例は、そのベースで構造的に強化し、それゆえに更に崩壊の性質を低減するナノワイヤのクラスタを提供する。
【0043】
他の具体例では、第1の相互接続領域は、2つの領域が相互接続されないように、長手方向(X)に沿っても良い。好ましくはないが、そのような具体例でも、ある程度ナノワイヤの崩壊を防止できる。
【0044】
他の具体例では、基板はなく、間隔をあけたナノワイヤのクラスタは自由に立つ。
【0045】
具体例では、第2領域(およびそれゆえに長手方向(X)に沿ったクラスタの相互接続されない領域中のナノワイヤ部分)は、1μmまたはそれ以上でも良い。一般に、それは、1μmから100μmまたは10μmから100μmの長さでも良い。崩壊するナノワイヤの問題は、少なくとも1μmのナノワイヤ長さで特に観察され、少なくとも10μmの長さで増加する。
【0046】
具体例では、第1領域(および任意的に第3領域)は、20nmから1μmの長手方向(X)に沿った長さを有しても良い。第2領域の長さと、第1領域の長さとの間の比は、例えば、1から100の範囲の値、特に5から20の範囲の値でも良い。
【0047】
具体例では、ナノワイヤは20またはそれ以上、好適には30またはそれ以上、より好適には50またはそれ以上のアスペクト比を有しても良い。
【0048】
具体例では、ナノワイヤは、10nmから300nm、好適には50nmから200nmの直径を有しても良い。
【0049】
好適な具体例では、第2領域のナノワイヤは、第1領域の相互接続されたナノワイヤの延長である。これは、しかしながら、必ずしも事実にあてはまらない。例えば、陽極酸化されたアルミニウム酸化物(AAO)形成中に、2つの領域に異なる電圧を用いることにより、第2領域のナノワイヤの間隔は、第1領域の相互接続されたナノワイヤの間隔とは異なるように形成される。
【0050】
具体例では、ナノワイヤは崩壊しない。換言すれば、ナノワイヤの先端は、一体にならない。これは、
図15(右)に示される。具体例では、第2領域の隣接するナノワイヤのそれぞれのペアの間隔の分散は、長手方向(X)に沿って測定した第2領域の全長に沿って実質的に一定に維持される。具体例では、ナノワイヤの一端で測定された分散は、例えば、ナノワイヤの他端で測定した分散の30%以内、好適には20%以内、より好適には10%以内、最も好適には5%以内でも良い。換言すれば、ナノワイヤは、長手方向(X)に沿って実質的に平行でも良い。
【0051】
具体例では、ナノワイヤは、金属、半導体材料(例えばSi、InP、GaN、GaAs等)、誘電体材料(例えばSiO
2、TiO
2等)、ポリマ(例えばPMMA)、または生体分子(例えばDNA)から形成されても良い。好適には、ナノワイヤは、金属を含み、または金属から形成されても良い。好適には、金属は、テンプレートの中で電気化学堆積により成長できるように選択される。好適な金属の例は、Au、Ag、Pt、Cu、Ni、Al、Co、Fe、Sn、Tiおよびそれらの合金である。AlとTiは、電気化学堆積のためにイオン液体を必要とする。(例えば、長手方向(X)に沿って異なる成分の層を交互に有する)多層ナノワイヤも、可能である。コスト効率の高い技術応用のために、好ましい金属はCu、Ni、およびCoである。電解めっきおよび無電解めっきの双方が使用できる。例えば基板(例えばAlまたはTiN)が、第1金属層の核形成のための好ましい触媒や、触媒を形成する場合に、無電解めっきが使用される。次に、自動触媒無電解堆積プロセスは、この第1金属層から多孔質のテンプレートを埋めるまで続く。
【0052】
第2の形態では、本発明は、長手方向(X)に沿って間隔をあけたナノワイヤのクラスタを形成するためのテンプレートに関し、テンプレートは2つの連続した層のアセンブリを含み、第1層は整列した相互接続されたチャネルのネットワークを含み、第2層は整列した分離されたチャネルのクラスタを含む。
【0053】
具体例では、第1層は好適には第2層の上にある。第1層中の相互接続は、チャネルを接続する孔である。それらの孔は、一般には、長手方向(X)に垂直に延びて、チャネルのようである。
【0054】
また、孔が存在する長手方向(X)に沿ったチャネル上の全ての位置に対して、2つの追加の孔が一般には全て存在し、3つの孔は一般にその領域のそれぞれに存在し、この3つの孔はそれぞれのチャネルを3つの隣接するチャネルに接続する。3つの孔は、一般には互いから等しい距離にある。
【0055】
長手方向(X)に沿うチャネルの連続する位置に存在する孔は、一般には2つの隣り合うチャネルの中央の長手軸の間の平均間隔距離(Dic)の0.5から2.0倍に等しい距離(Dip)だけ、長手方向(X)に沿って互いに平均間隔を隔てる。具体例では、Dipは10nmから1μmであり、一般には25nmから500nmである。
【0056】
具体例では、2つの隣り合うチャネルの中央長手軸の間の平均間隔距離は、20nmから500nmであり、一般には50nmから250nmである。
【0057】
具体例では、整列した分離したチャネルは、整列した相互接続チャネルの延長である。換言すれば、整列した分離されたチャネルの中央長手軸は、整列した相互接続されたチャネルの中央長手軸の延長である。
【0058】
具体例では、第2層は、(方向(X)に測定した場合)1μmまたはそれ以上の膜厚を有しても良い。一般には、1μmから100μm、または10μmから100μmの膜厚を有しても良い。
【0059】
具体例では、第1層は、方向(X)に沿って、20nmから1μmの膜厚を有しても良い。第2層の膜厚と第1層の膜厚との間の比は、例えば1から100の範囲の値、好適には5から20の範囲の値でも良い。
【0060】
具体例では、アセンブリは、基板上でも良い。具体例では、無電解堆積のために、基板の上面は導電性でも良い。例えば、基板の上面は、AlまたはTiNを含んでも良い。この基板は、例えば、TiNで覆われたシリコンウエハを含んでも良い。特別な産業上の重要性の他の例では、基板は、(例えばスパッタで堆積させた)TiNで被覆され、アルミニウムを積層したプラスチックベースからなっても良い。特別な産業上の重要性の他の例では、基板はアルミニウムから形成されても良い。アルミニウムから形成される基板を有するために、テンプレート作製プロセスはアルミニウムホイルから開始し、このアルミニウムホイルは部分的に陽極酸化されてチャネルを形成し、陽極酸化されない部分を残してこれを基板にする。アルミニウムホイルから開始し、それゆえに基板として金属ホイルを有する利点は、非常に薄いチャネル(またはナノワイヤ)が得られることである。物理気相堆積層は、一般には数ミクロンまでの膜厚を有するが、イオン液からのAl電解めっきにより最大数10ミクロンまで延びることができる。一方、ホイルは、数100ミクロンの膜厚である。
【0061】
好適には、第2層は基板に接触する。(第3領域を有するナノワイヤのクラスタを形成するために)第3層が存在する場合、第3層または第1層は、基板に接触しても良い。
【0062】
第3の形態では、本発明は、整列したナノワイヤのクラスタを形成(例えば成長)する方法に関し、この方法は、第2の形態のいずれかの具体例によるテンプレート中にナノワイヤを形成する工程を含む。
【0063】
具体例では、ナノワイヤを形成する工程は、金属、半導体、または誘電体材料を上記テンプレートの中に提供する工程を含む。様々な方法が、テンプレート中に材料を形成するために使用される。例えば、金属ナノワイヤ(例えばNi)は、電気化学堆積により形成でき、半導体ナノワイヤ(例えばSi)は、CVDまたはPE−CVDにより形成でき、誘電体材料は、(金属の)電気化学堆積工程と、(金属の)酸化工程とを含む2工程プロセスで形成される。金属コアと誘電体シェルを有するナノワイヤは、例えば、(例えば誘電体シェルのための)ALDと、(金属コアのための)電気化学堆積との組み合わせにより形成できる。2またはそれ以上の材料から形成されるナノワイヤもまた形成できる。例えば、磁気抵抗ナノワイヤは、磁性材料と非磁性材料をテンプレート中に交互に堆積して形成される。
【0064】
具体例では、この方法は、さらに、ナノワイヤの形成工程の後に、テンプレートを分解する工程を含んでも良い。
【0065】
第4の形態では、本発明は、第2の形態のいずれかの具体例にかかるテンプレートを作製する方法に関する。
【0066】
実施の第1のモード(
図22参照)では、この方法は、2つの接触する層のアセンブリを陽極酸化する工程を含み、第1層4は、陽極酸化中に相互接続されたチャネルネットワークを形成する材料からなり、第2層3は、陽極酸化中に整列して分離したチャネルのクラスタを形成する材料からなる。
【0067】
具体例では、陽極酸化は、定電位または定電流の制御下で行われても良い。
【0068】
具体例では、第2層3は、
98.0から100原子%のアルミニウム、および、
0.0から2.0原子%の他の材料であって、第2層の陽極酸化時に、相互接続されたチャネルのネットワークを形成しない他の材料、とを含む材料から形成され、
第1層4は、
95.0から99.9原子%のアルミニウム、および、
0.1から5.0原子%の銅を含む材料から形成されても良い。
【0069】
好適には、第2層3は、
99.0から100原子%のアルミニウム、および、
0.0から1.0原子%の他の材料であって、第2層の陽極酸化時に、相互接続されたチャネルのネットワークを形成しない他の材料、とを含む材料から形成されても良い。
【0070】
さらに好適には、第2層3は、
99.5から100原子%のアルミニウム、および、
0.0から0.5原子%の他の材料であって、第2層の陽極酸化時に、相互接続されたチャネルのネットワークを形成しない他の材料、とを含む材料から形成されても良い。
【0071】
最も好適には、第2層3は、
99.9から100原子%のアルミニウム、および、
0.0から0.1原子%の他の材料であって、第2層の陽極酸化時に、相互接続されたチャネルのネットワークを形成しない他の材料、とを含む材料から形成されても良い。
【0072】
純アルミニウムは、分岐することなく、よりまっすぐなチャネルを形成するため、第2層にとって理想的である。
【0073】
具体例では、上記他の材料は、例えばSi、Ge、Au、Fe、Moのような、Cu以外のいずれかの金属または非金属の不純物であり、好適には意図的な不純物ドーピングは無い。
【0074】
好適には、第1層4は、
98.0から99.9原子%のアルミニウム、および、
0.1から2.0原子%の銅、を含む材料から形成されても良い。
【0075】
より好適には、第1層4は、
99.0から99.9原子%のアルミニウム、および、
0.1から1.0原子%の銅、を含む材料から形成されても良い。
【0076】
好適には、第1層4は、
99.5から99.9原子%のアルミニウム、および、
0.1から0.5原子%の銅、を含む材料から形成されても良い。
【0077】
それらの原子%は、例えば、ラザフォード後方散乱分光(RBS)により測定される。
【0078】
実施の第2のモード(
図23参照)では、この方法は、
1)整列して分離されたチャネルを形成するような方法で、周期的な変調電圧(または電流)を用いて陽極酸化可能な材料の層の第1部分を陽極酸化する工程、
2)孔が上記チャネルに直交するような方法で、第1部分の中に孔を開口する工程、および、
3)整列した分離されたチャネルを形成するのに十分な時間、直流の電流(または電圧)を用いて、上記第1部分に接する、上記層の第2部分を陽極酸化する工程、とを含む。
【0079】
第4の形態の実施のいずれかのモードの具体例で使用するのに適した陽極酸化可能な材料の例は、アルミニウム、チタン、シリコン、およびGaAs、GaP、GaNのようなIII−V半導体であり、アルミニウムが好ましい。
【0080】
実施のいずれかのモードの具体例では、陽極酸化は、好適には、0から50℃の温度で、電解質の存在下で行われても良い。
【0081】
実施のいずれかのモードの具体例では、陽極酸化はバリア層を形成し、このバリア層はテンプレートから除去される。このバリア層は、形成されたチャネルと基板との間の界面に存在する金属酸化物の層である。もしこのバリア層が除去されない場合、ナノワイヤは電気的に基板から分離され、これは多くの応用では望まれない。チャネルを金属で充填することは、基板の金属の性質を活用するために、最も一般に行われる。しかしながら、パルスめっきのような幾つかの方法では、なおも存在するバリアによりチャネルを充填する。
【0082】
第5の形態では、本発明は、請求項1から4のいずれかにかかる間隔をあけたナノワイヤ(17)のクラスタ、または相互接続(24)されず、長手方向(X)に整列した非崩壊性の間隔をあけたナノワイヤ(17)のクラスタ、のいずれかを含むデバイスに関する。
【0083】
具体例では、デバイスは、非崩壊性ナノワイヤの相互接続の無いクラスタを含んでも良い。そのような相互接続の無いクラスタを得る方法は、例5に記載される。
【0084】
具体例では、デバイスは、第1の形態のいずれかの具体例にかかる金属ナノワイヤのクラスタを含む金属−インシュレータ−金属(MIM)の超コンデンサでも良く、この金属ナノワイヤのクラスタは、誘電体材料(例えば、high−k誘電体材料)で覆われ、ナノワイヤの間に残った空間は金属で充填される。そのようなMIMを得るための方法は、例6に記載されている。
【0085】
具体例では、デバイスは、第1の形態のいずれかの具体例にかかるナノワイヤのクラスタを含んでも良く、このナノワイヤはコアを形成し、カーボンナノチューブはこのコアの周囲にシェルを形成する。例えば、それらの具体例のナノワイヤは、金属から形成される。好適には、金属は、CuおよびNiである。そのようなデバイスを得るための方法は、例7に記載される。
【0086】
具体例では、そのようなデバイスを得るための方法は、第1の形態の具体例にかかるナノワイヤのクラスタを提供する工程と、少なくとも1つのグラフェン層(例えば、化学気相堆積)で、ナノワイヤを被覆する工程と、被覆されたナノワイヤの間の空間に誘電体(例えば、SiO
2)を充填する工程と、(例えば、CMPにより)第1領域を除去する工程と、(化学エッチングにより)ナノワイヤを除去する工程とを含んでも良い。
【0087】
具体例では、デバイスは、第1の形態のいずれかの具体例にかかるナノワイヤのクラスタを含む抵抗スイッチングメモリでも良い。例えば、抵抗スイッチングメモリは、本発明の具体例にかかる遷移金属酸化物ナノワイヤ(例えば、ニッケル酸化物またはチタン酸化物)を含み、ナノワイヤの間の空間は誘電体材料(例えばSiO
2)で充填されても良い。そのようなデバイスを得るための方法は、例8に示される。
【0088】
具体例では、デバイスは、磁気抵抗ランダムアクセスメモリデバイスでも良い。例えば、本発明の具体例にかかるナノワイヤを含んでも良く、このナノワイヤは交互に磁性材料層と非磁性材料層を含む。そのようなデバイスを得るための方法は、例9に記載されている。
【0089】
具体例では、デバイスは、ナノワイヤが電流コレクタである薄膜リチウムイオン電池のような電池でも良い。ナノワイヤは、電池アセンブリの3D薄膜電極ハーフセルを形成する1つの活性電極層(例えば、MnO
2カソードまたはSnアノード)で覆われても、フルバッテリセルをすぐに形成する完全なカソード/電解質/アノード薄膜スタックで覆われても良い。そのような薄膜電池は、例10に更に詳しく記載されている。
【0090】
具体例では、デバイスは、本発明の具体例にかかるナノワイヤのクラスタを含む半導体デバイスでも良い。例えば、ナノワイヤは、シリコン、ゲルマニウム、またはIII−V半導体のナノワイヤ、またはセグメント化されたそれらのスタックでも良い。具体例では、半導体デバイスは、長手方向(X)に沿って整列した間隔をあけたナノワイヤのクラスタを含み、そのクラスタは、少なくとも長手方向(X)に沿って続いて配置された第1領域および第2領域を含み、第1領域のナノワイヤは相互接続され、金属から形成され、第2領域のナノワイヤは、相互接続無しで、半導体材料から形成される。具体例では、ナノワイヤは、基板に隣接しても良い。基板が存在する具体例では、第2領域は、金属層(例えば、TiN層)、または半導体層(例えば(111)Si)を介して基板に接続されても良い。具体例では、第1領域と第2領域は、金属層(例えば、金層)で分離され、この金属は、第1領域の金属とは異なっても良い。この具体例は、例12により詳細に記載されている。
【0091】
発明は、ここに、本発明の多くの具体例の詳細な説明により記載される。本発明の他の具体例が、本発明の技術的な教示から離れること無く、当業者の知識の知識により形成でき、本発明は添付された請求の範囲の用語によってのみ限定されることは明らかである。
【0092】
例1:陽極酸化電位へのチャネル間距離の依存性の研究
図1は、様々な陽極酸化材料についての、チャネル間距離(mm)と陽極酸化電圧(V)と関係のグラフを示す。純アルミニウムのデータ点は四角形で表される。1重量%のCuをドープしたAlのデータ点は三角形で表され、1重量%のSiをドープしたAlのデータ点は円形で表される。見られるように、3つの全ての材料は、同じ電圧で同じ間隔を形成することにより同様に振る舞う。20から50nmの範囲の小さいチャネル間距離が、10から約20Vの電圧で、H
2SO
4を電解質として用いて得られた。50から125nmの間隔が、20から約60Vの電圧で、H
2C
2O
4を電解質として用いて得られた。225nmまでのより大きな間隔が、90Vまでの電圧で、H
3PO
4中で得られた。より高いチャネル間距離は、ここには示さないより高い電圧で得られる。
【0093】
いずれかの2つの隣り合うチャネルの間の平均チャネル間距離は、電圧を10Vから90Vに増加することにより(および状況に応じて酸を加えることにより)、約25nmから約225nmの間で調整された。チャネル間距離は、電圧とともに増加し、アルミニウム中の不純物の純度や性質には依存しなかった。
【0094】
この実験を行うことにより、発明者は、同じ陽極酸化条件の場合に、ドープした(2つの異なるタイプのドーピング)およびドープしないアルミニウムのチャネル間距離は同じであるという見識を得た。これは、2つの接触する層のアセンブリを含み、第1層は整列した相互接続されたチャネルのネットワークを含み、第2層は整列した分離したチャネルのアレイまたはクラスタを含み、整列され分離されたチャネルは、整列して相互接続されたチャネルの延長部分である整列したテンプレートの容易な作製を可能にする。これは、(例えば、テンプレートのウエットエッチング中に)ナノワイヤの崩壊を防止する。
【0095】
例2:テンプレート16の製造
このプロセスは、
図2〜4に記載される。100nmのTiN2で被覆されたシリコンウエハ1(200mm直径)が提供された。純アルミニウム層3(2μm)が、物理気相堆積(PVD)によりその上に形成された。銅含有アルミニウム4の500nm層(0.22原子%Cu)が、PVDにより純アルミニウム層3の上に堆積された。この2層(バイレイヤ)3、4は、
図14に示すように、電気化学セル6のバス6に接続された。バス5は、水漏れを無くすO−リング7を介して、銅含有アルミニウム層4に接続された。バス5は、室温で電解質8としてシュウ酸8(0.3M)と、Tiの対向電極9(5×3.5cmTiシート9)を含む。銅含有アルミニウム層4は、作用電極4として使用された。そのように作製された電気化学セル6は、バイレイヤ3、4の陽極酸化を行うために電位(60V)が制御された。電位は、AUTOLAB PGSTAT 100により与えられ、AUTOLAB電圧増倍器を用いるGpes電気化学ソフトウエアにより制御された。
【0096】
陽極酸化プロセスの完了において、サンプルは脱イオン化水中でリンスされ、窒素ガス中で乾燥される。そのようにして得られたサンプル(
図3)は、シリコンウエハ1、TiN層2、酸化アルミニウムバリア層10、垂直で(空の)整列した分離されたチャネル12を含む酸化アルミニウム層11、および垂直で(空の)整列した相互接続されたチャネル14を含む酸化アルミニウム層13とを含み、整列した分離されたチャネル12は、整列した相互接続されたチャネル14の延長部分である。相互接続されたチャネル14は、孔15で相互接続される。バリア層10は除去され、孔15は、室温で0.75MのH
3PO
4を用いた化学エッチングで拡張され、この結果、
図4に示す構造となる。この工程に続いて、35℃でHF蒸気(Pad−fame、Gemetec社)を用いてエッチングし、TiNの表面から残留酸化物を除去する(バリア層の除去)。この方法で、TiNは、例3の金属ナノワイヤのめっきの準備が行われる。
【0097】
例2のいくつかのバリエーション
例2は、例えば以下のように、多くのバリエーションで繰り返すことができる。
2%までの不純物を有するAlが、それらの不純物が、陽極酸化中に、相互接続されたチャネルのネットワークを形成しない限り、純アルミニウムの代わりに、層3として使用できる。発明者は、Siがそのような不純物であると認識している。しかしながらCuは、相互接続されたチャネルとなり、底面層には避けるべきである。
Si基板−TiN層の組み合わせ以外の他の基板、例えばAlホイルも、もちろん使用できる。
他の電解質も使用可能である。例えば、硫酸またはリン酸が使用できる。
表面層の洗浄のために、他のエッチャントを使用できる。例えば、過酸化水および硫酸との混合物が、TiN表面の洗浄と準備のために、HF蒸気に代えて使用できる。
異なる他の例が、本説明中に述べられる。
【0098】
例3:テンプレート16中でのクラスタ形成
2段階の定電流電着(ECD)技術が、サンプル2で得られたチャネル12、14、および孔15の中を充填するために使用され、これにより、ナノワイヤ17を形成する(
図5)。これは室温で行われ、10秒のオフ時間(0A)で分けられた2つの工程が使用された。第1工程は、−25mA/cm
2の強度密度を有して0.1秒続き、第2工程は、−5mA/cm
2の強度密度を有し充填が完了するまで続いた。終点は、電位の観察される変化により、および電荷により検出された。参照電極は、Ag/AgCl/3M NaCl(0.22V対SHE)電極であった。対向電極は、不活性なプラチナ網であった。作用電極は、陽極酸化された酸化アルミニウム(AAO)基板(AAO/TiN/Si)であった。スルファミン酸ニッケルバス(70g/Lスルファミン酸ニッケル、45g/Lホウ酸、および3.5g/L塩化物)が、撹拌無しの電着に用いられた。めっき工程後、サンプルは、脱イオン錘中でリンスされ、窒素ガス中で乾燥させた。
【0099】
例3のいくつかのバリエーション
例3は、例えば以下のように、多くのバリエーションで繰り返すことができる。
従来の2つの電極セルが、ここで述べるAg/AgCl/3M NaClとPtセル構造の代わりに使用できる。
いすれのNiめっきバスでも使用できる。
銅のような金属や、InSbのような化合物がめっきされても良い。
1つの工程からなるDC ECDまたは複数の工程からなるパルスめっきが、2つのパルスのECD工程の代わりに使用できる。
【0100】
例4:テンプレート除去
自由なナノワイヤ17のクラスタを得るために、AAOテンプレート11、13が、室温で3M NaOH溶液中で化学エッチングにより除去された。AAOテンプレート11、13のエッチング後、サンプルは脱イオン水中でリンスされ、窒素ガス中で乾燥させた。第1領域中に相互接続24を有し、第2領域中に相互接続の無い、得られたナノワイヤ17のクラスタが
図6(側面図)と
図7(上面SEM写真)に示される。
【0101】
比較例1
図8〜12を参照して、例2〜4が、バイレイヤ(純アルミニウム層3(2μm)−銅含有アルミニウム層4(0.22原子%Cu)(500nm))の形成工程を除いて繰り返され、単層の純アルミニウム3(2.6μm)がTiN2の上に堆積された(
図8参照)。定電流陽極酸化が、例2のように、垂直の孔構造を形成するために行われた。例3のように、Niがめっきされた。得られた自由なナノワイヤのクラスタは、崩壊したナノワイヤ17から形成された(
図12、13参照)。
【0102】
例5:非崩壊性金属ナノワイヤの相互接続の無いクラスタの形成
図15を参照して、例4の最後で得られたナノワイヤのクラスタが、以下のプロセスにより、金属ナノワイヤの非崩壊性の相互接続の無いクラスタを形成するために使用できる。第1に、SiO
219が、プラズマ誘起化学気相堆積(PE−CVD)により、ナノワイヤ17の間の開口部を少なくとも部分的に充填するために堆積される。SiO
2の品質は、当業者に知られた方法により変えることができる。代わりに、開口部はSiO
2以外の他の材料で充填され、この材料は、例6〜10に記載されたように、機能的目的または犠牲目的のいずれかを有しても良い。第2に化学機械研磨(CMP)が、相互接続領域の除去に用いられても良い。シリコン酸化物のCMPは、入手可能な商業的なスラリを用いたシリコンプロセスで知られた標準プロセスである。CMP工程は、相互接続領域が除去されるまで続く。研磨時間は、CMP条件(圧力、速度)および除去する相互接続層の膜厚に依存する。
【0103】
例6:金属−インシュレータ−金属(MIM)超コンデンサの形成
図16を参照して、例4の最後で得られたナノワイヤ17のクラスタが、MIM超コンデンサの形成に使用できる。第1に、金属ナノワイヤ17を隔離するために、ALD(ALD(1))により、ナノワイヤ17のクラスタは、high−k材料20により覆われる。次に、導電性シードの被覆がALD(ALD(2))により堆積され、続いて金属21の電気化学堆積が行われる。代わりに、金属21はALDで直接堆積できる。TiN層2が続いて底部電極として提供され、上部の金属21が上部電極18として提供される。high−k材料20および金属21は、容量を最大にし、一方でリークを最小にするために、マッチングした仕事関数を有するように選択されることが好ましい。
【0104】
使用されるhigh−k材料20の例は、Al
2O
3(AO)、HfO
2(HO)、ZrO
2(ZO)、La
2O
3(LO)、それらの組み合わせ、およびそれらとSiO
2との組み合わせである。ALD(2)層は、TiNまたはRuでも良く、これら双方は、例えばAO/ZO/AOスタックのための良好な仕事関数を有する金属であり、一方で、例えば銅またはニッケルのような電解めっきまたは無電解めっきのための導電性シードまたは触媒層として提供される。仕事関数のマッチングの同様の理由で、金属ナノワイヤは、最初に、ALDにより、例えばTiNまたはRuのような金属層で覆われても良い。誘電体スタックの膜厚は、目標とする容量およびリークに依存し、一般には2nmと30nmの間である。
【0105】
ウエット化学技術を用いることもできるが、均一で、薄く、等角の膜をそれらの高アスペクト比のナノ構造の上に形成できるため、原子層堆積(ALD)が好ましい方法である。
【0106】
例7:大きなカーボンナノチューブ直径と金属ナノチューブ直径により定められる内径を備えた、狭く高密度なシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、ダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)、または多重ウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)ベッドの作製
図17を参照すると、例4の最後で得られたナノワイヤ17のクラスタそれ自身が、カーボンナノチューブを形成するためのテンプレートとして使用できる。第1の工程では、ナノワイヤ17のクラスタは、CVDによりグラフェン22で覆われる。単層のグラフェンを成長する場合には、シングルウォールCNTが得られ、2層グラフェンを成長する場合には、ダブルウォールCNTが形成され、多層グラフェンまたは薄層グラフェンを成長する場合には、多層CNTが形成される。それらの設計されたCNTの新規性は、中空の内径が、ナノワイヤの直径により規定されることである。CNTの触媒CVDが行われた場合、CNTの内径は、一般には小さく、シングルウォールCNTおよびダブルウォールCNTでは、直径が数ナノメータより大きくない。ナノワイヤをテンプレートに使用すると、10〜100nmのチューブ内径を有するカーボンナノチューブが形成される。次に、SiO
223が、被覆されたナノワイヤ17の間に、PE−CVDまたはゾルゲル技術で堆積される。次に、相互接続領域が、化学機械研磨(CMP)で除去され、最後に、金属ナノワイヤ17が化学的にエッチングされ(E)、SiO
223に埋め込まれたカーボンナノチューブのみを残す。SiO
223自身は、エッチングされて、純粋なカーボンナノチューブが得られる。
【0107】
例8:抵抗スイッチングメモリの作製
図18を参照すると、例2の最後で得られたアルミニウムテンプレート16が、抵抗スイッチングメモリデバイスの作製中に提供できる。第1に、ニッケル28が、電気化学堆積(ECD)により、テンプレート16中に堆積される。次に、ニッケルが酸化ニッケルに酸化される(Ox)。次に、テンプレート16がウエットエッチングによりエッチングされ(E)、酸化されたニッケル構造が残される。次に、SiO
219が酸化ニッケル構造の間に、プラズマ誘起化学気相堆積(PE−CVD)またはゾルゲル技術により堆積される。最後に、相互接続領域が、化学機械研磨(CMP)により除去される。
【0108】
例9:磁気抵抗ランダムアクセスデバイスの作製
図19を参照すると、例2の最後で得られたアルミニウムテンプレート16が、磁気抵抗ランダムアクセスデバイスの作製中に提供できる。第1に、磁性材料の層25と、非磁性材料の層26がテンプレート16中に交互に堆積され、これにより磁気抵抗ナノワイヤを形成する。次に、テンプレート16は、ウエットエッチングにより除去される(E)。次に、SiO
219が、磁気抵抗ナノワイヤの間に堆積される。最後に、相互接続領域が、化学機械研磨(CMP)により除去される。
【0109】
例10:ホイル上の薄膜バッテリ
第1に、アルミニウムテンプレートが、30〜150μmのアルミニウムホイルの上に形成される。この目的のために、
図22または
図23のプロセスが使用される。
図22は、ロールトゥロールスパッタにより、0.1〜5原子%の銅を含む200〜1000nm膜厚のアルミニウム層4が重ねられた、アルミニウムホイル3を示す。得られたアセンブリは、次に、例2と同様に陽極酸化される。しかしながら、この場合、いまだ酸化されないアルミニウムホイルの残り膜厚が、基板として提供するアルミニウムホイルとして適当と考えられた時に、陽極酸化は停止される。
図23は、その中にチャネルを含む200〜1000nm膜厚の酸化アルミニウム層が形成されるまで、変調電圧または電流を用いて最初に陽極酸化されたアルミニウムホイル3を示す。チャネルの長手方向に直交するチャネルのような孔が、次に、(例えば、5%H
3PO
4溶液のようなH
3PO
4溶液を用いて)化学エッチングにより形成される。得られた構造は、次に、例2と類似した電位制御の下で陽極酸化される。しかしながら、この場合、先のプロセスのように、陽極酸化は、いまだ酸化されないアルミニウムホイルの残り膜厚が、基板として提供するアルミニウムホイルとして適当と考えられた時に、陽極酸化は停止される。
【0110】
図22または
図23のプロセスが使用されるか否かに関係なく、陽極酸化プロセスの完了において、サンプルは脱イオン水中でリンスされ、窒素ガス中で乾燥させる。そのように得られたテンプレートは、基板がアルミニウムホイルであることを除いて、例2で得られたテンプレートと類似している。そのようなアルミニウムホイルの上のテンプレートは、ロールトゥロールプロセスと互換性がある。このテンプレートは、次に、例3、4のように、その中にナノワイヤクラスタを形成する役目を果たす。テンプレート除去後に得られたテンプレートは、次に、電解2酸化マンガンを用いて被覆され、リンスされ、そして乾燥される。被覆されたクラスタは、次に、100℃から350℃の温度で、3時間から1時間アニールすることにより達成される。結果の構造は、リチウム電池およびリチウムイオン電池で正電極として使用できる3次元薄膜電極である。
【0111】
例11:内部孔距離と内部チャネル距離との間の関係の決定
例1に見られるように、内部孔の距離は、陽極酸化電圧を変えることにより制御できる。
図21は、内部チャネルの距離と、内部孔の距離の間の測定された関係を示す。この図に見られるように、内部チャネルの距離(Dic)と内部孔の距離(Dip)の双方は、陽極酸化電圧により同様に制御される。DicとDipの間の比は、一定に近い。
図20は、チャネルと孔を示し、同時に、本発明の具体例にかかるテンプレート中の、このチャネル(Dic)とこの孔(Dip)の間の相互距離を示す。
【0112】
例12:半導体デバイスの作製
第1に、アルミニウムテンプレートが、半導体(例えばSi)基板の上に形成される。第2に、電気化学堆積または無電解堆積によりテンプレートの底部に金が堆積される。次に、第1(無し)および第2(相互接続された)層の間の移行がSi材料により達成されるまで、CVDによる温度アシスト気相−液相−固相(VLDS)成長により、Siナノワイヤが、テンプレート中に形成される。次に、電解めっきまたは無電解めっきにより、Siナノワイヤの上に金が堆積される。次に、金属が、テンプレートの第2層の中に堆積される。アルミニウムのウエットエッチングが半導体デバイスを提供する。
【0113】
例13:層間剥離によるナノワイヤホイル構造の作製
図24が参照される。第1に、アルミニウム含有層の順序が逆である点を除いて例2と類似の方法で、アルミニウムテンプレートが形成される。基板のTiN2は、500nmの銅含有アルミニウム4で覆われ、それ自身は、2μmの純アルミニウム層3で覆われる。次に、テンプレート形成が、例2に示されるように続けられる。次に、ナノワイヤ17を所望の膜厚の金属層27で重ねてめっきするためにめっきプロセスが続けられることを除き、クラスタの形成が例3のように行われる。陽極酸化された酸化アルミニウムテンプレートは、次に溶解され、これにより、金属ナノワイヤクラスタから基板を分離する。結果の構造は、新しい基板のための金属層27を有する。我々は、
図25を参照する。類似のプロセスが、周期的な陽極酸化(即ち、電圧または電流が繰り返すまたは周期的に変調する)を用いて行われ、垂直チャネル17の下に、(通常の1工程の定電位または定電流の陽極酸化により)相互接続領域を形成することができる。これは、
図25の第1工程に示される。以下の工程は、
図24の第2および以下の工程と同じである。
【0114】
好適な具体例、特定の構造が、材料と同様に、本発明にかかるデバイスのためにここで検討されるが、形態や細部における様々な変化または変形は、本発明の範囲および精神から離れることなく行えることは理解されるべきである。例えば、上述のいずれの手段も、単に使用できる手続きの代表に過ぎない。本発明の範囲内で記載された方法に、工程が加えられまたは削除されても良い。