特許第6588251号(P6588251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588251
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】鉄道設備用電力線の位相判定装置
(51)【国際特許分類】
   B61L 1/18 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   B61L1/18 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-130550(P2015-130550)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-13576(P2017-13576A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000145954
【氏名又は名称】株式会社昭電
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 健太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久典
【審査官】 大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−207766(JP,A)
【文献】 特開2004−28773(JP,A)
【文献】 特開2007−325429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 1/00−99/00
B60M 1/00− 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道の設備に電力を供給する電力線の電圧位相を検出する電力線位相検出部と、
鉄道路線のき電線の電圧位相を検出するき電線位相検出部と、
検出された前記電力線の電圧位相と検出された前記き電線の電圧位相とを比較して、前記電力線の相順を判定する判定部と、
を備え、
前記き電線位相検出部は、
静電アンテナと、
前記き電線の送電周波数を通過帯域に含んだバンドパスフィルタとを含み、
前記静電アンテナにより検出された信号を前記バンドパスフィルタに入力し、前記バンドパスフィルタを通過した信号から前記き電線の電圧位相を検出することを特徴とする鉄道設備用電力線の位相判定装置。
【請求項2】
任意の基準時点に前記電力線位相検出部により検出された前記電力線の電圧位相と、前記基準時点に前記き電線位相検出部により検出された前記き電線の電圧位相との差を表わす基準位相差を記憶する基準記憶部をさらに備え、
前記判定部は、任意の検査時点に前記電力線位相検出部により検出された前記電力線の電圧位相、および、前記検査時点に前記き電線位相検出部により検出された前記き電線の電圧位相の位相差と、前記基準位相差とを比較して、前記電力線の相順を判定することを特徴とする請求項1記載の鉄道設備用電力線の位相判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の設備に電力を供給する鉄道設備用電力線の位相判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道路線には、信号機や踏切設備などの各設備に電力を供給する電力線が設けられている。鉄道路線によっては、1回線の単相2線式の電力線が設けられた区間があり、単相2線式の電力線には、例えばR相およびS相などの電圧が供給されている。
鉄道の設備の中には、電力線のS相とR相とを逆に接続すると、誤った動作を行うものがある。例えば信号機に電力線を逆に接続すると信号の現示に誤りが生じる場合がある。このため、電力線の張り替え工事を行った場合、電力線のS相とR相とが逆に接続されていないか確認する必要がある。
【0003】
従来、このような1回線の単相2線式の電力線が設けられている区間において電力線の極性を確認する装置として、特許文献1には極性確認装置が提案されている。この極性確認装置は、遠く離れた基準地点の電力線の位相を無線により確認地点に送り、確認地点において基準地点の電力線の位相と確認地点の電力線の位相とを比較して、極性が逆になっていないか判定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−207766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1にも記載されているように、鉄道の設備用の電力線として、単相2線式の1回線の電力線しかない鉄道路線の区間では、電力線の張り替えの際、比較の基準になる低電圧電源が近くにないため、電力線が逆に接続されていないか確認することは非常に難しい。そのため、例えば、電力線の張り替え後に、実際に信号等を動作させて誤った表示がされないか確認し、これにより電力線が逆に接続されていないか判断するのが現状である。しかも、このような確認工程は、信号の保安員の監督のもと、列車の運行の妨げにならないように、列車の運行のある時間を避けて行う必要がある。
【0006】
また、特許文献1の極性確認装置を用いた場合、遠く離れた基準地点に、装置と作業員とを配置する必要があり、この点、煩雑さが残るという課題がある。
本発明は、電力線の張り替え時等に、電力線の接続に間違いがないか、簡単に確認することのできる鉄道設備用電力線の位相判定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鉄道設備用電力線の位相判定装置は、上記目的を達成するために、
鉄道の設備に電力を供給する電力線の電圧位相を検出する電力線位相検出部と、
鉄道路線のき電線の電圧位相を検出するき電線位相検出部と、
検出された前記電力線の電圧位相と検出された前記き電線の電圧位相とを比較して、前記電力線の相順を判定する判定部と、
を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、き電線の電圧位相と電力線の電圧位相とが検出ならびに比較されて、これらの比較から、電力線の相順が判定される。よって、き電線を有する路線であれば、遠くに装置と作業員とを配置する必要なく、極めて容易な作業で電力線の相順の確認を行うことができる。よって、電力線の張り替えの際などに、電力線の相順(単相2線式であれば電力線の極性と呼んでもよい)を位相判定装置により判定させることで、電力線が間違って接続されていないか極めて容易な工程により確認することができる。
【0008】
好ましくは、任意の基準時点に前記電力線位相検出部により検出された前記電力線の電圧位相と、前記基準時点に前記き電線位相検出部により検出された前記き電線の電圧位相との差を表わす基準位相差を記憶する基準記憶部をさらに備え、
前記判定部は、任意の検査時点に前記電力線位相検出部により検出された前記電力線の電圧位相、および、前記検査時点に前記き電線位相検出部により検出された前記き電線の電圧位相の位相差と、前記基準位相差とを比較して、前記電力線の相順を判定する構成とするとよい。
き電線の電圧位相と電力線の電圧位相との関係が、場所ごとに異なるような路線である場合、き電線の電圧位相と電力線の電圧位相とを比較するだけでは、電力線の相順を判定することが難しい。よって、上記の構成では、任意の基準時点に検出されたき電線の電圧位相と電力線の電圧位相との差を、基準位相差として記憶する。さらに、検査時点に検出されたき電線の電圧位相と電力線の電圧位相との位相差と、記憶された基準位相差とを比較して、検査時点の電力線の相順を判定する。よって、基準時点の電力線の相順が既知である場合に、検査時点の電力線が基準時点の相順と同じであるか判定できる。これにより、例えば、電力線の張替え工事の際、張替工程より前の時点を電力線が正しく接続されている基準時点として基準位相差を記憶し、張替工程後の時点を検査時点として電力線の相順が基準時点の相順と異なっていないか判定することができる。これにより、例えば単相2線式の電力線が1回線のみ設けられた路線区間であっても、電力線の張り替えの前に基準位相差を検出および記憶し、電力線の張り替え後に電力線の相順の判定を行うことで、電力線が正しく接続されているか容易に確認することができる。
【0009】
また好ましくは、前記き電線位相検出部は、
静電アンテナと、
前記き電線の送電周波数を通過帯域に含んだバンドパスフィルタとを含み、
前記静電アンテナにより検出された信号を前記バンドパスフィルタに入力し、前記バンドパスフィルタを通過した信号から前記き電線の電圧位相を検出するとよい。
【0010】
このような構成によれば、静電アンテナにより簡単にき電線の電圧位相を検出できる。また、静電アンテナにノイズが多く混入するような場所でも、バンドパスフィルタにより正しくき電線の電圧位相を検出でき、よって、電力線の相順の判定の信頼度がより向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば鉄道路線における電力線の張り替え時などに、電力線の接続間違えがないか、容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態の位相判定装置を示す構成図である。
図2】位相判定装置の内部構成を示すブロック図である。
図3】鉄道路線の電力系統の構成を説明する図である。
図4】判定時に電力線を正しく接続していたときの動作を説明する図である。
図5】判定時に電力線を逆に接続していたときの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態の位相判定装置を示す構成図である。図2は、位相判定装置の内部構成を示すブロック図である。図3は、鉄道路線の電力系統の構成を説明する図である。
鉄道路線には、図3に示すように、路線に沿って、鉄道車両へ電力を伝送するき電線100が設けられている。また、路線の鉄道設備の設置箇所には、鉄道の設備に電力を供給する電力線110が設けられる。電力線110は、鉄道の信号、踏切設備、転轍装置などの設備に電力を供給する。電力線110は、路線に沿って電力を供給する信号高圧線から変圧された電圧を各設備に伝送する。
【0014】
図3の例では、各線にR相の電圧とS相の電圧とが出力される単相2線式の電力線110が路線に1回線のみ設けられている路線区間を示している。
本発明の実施の形態の位相判定装置1は、鉄道設備に電力を供給する電力線110の極性を判定する装置である。位相判定装置1は、図1に示すように、本体部2と、静電アンテナ3と、電力線110に接続して電圧を入力する接続部4とを備えている。
本体部2は、電力線110の接続の正誤を判定する装置であり、外部には、操作部21と、判定結果等を表示する出力部22とが設けられている。出力部22には、例えば、判定結果を円盤の回転方向により表わす判定結果表示部22a、または、検出された信号波形の表示部22bを設けてもよい。なお、信号波形の表示部は本体部2から切り離して設けてもよい。
【0015】
静電アンテナ3は、き電線100の電圧変化を、静電容量を介して非接触で取り込んで電気信号に変換する。き電線100の電圧は、信号高圧線の電圧と比較して非常に大きく、静電アンテナ3を路線の周辺に配置することで、静電アンテナ3にき電線100の電圧変化を示す信号が多く受信される。静電アンテナ3は、ケーブルを介して本体部2に接続され、受信した信号を本体部2に送る。なお、静電アンテナ3は、本体部2に固定した構成としてもよい。
接続部4は、電力線110の複数(2本)の線にそれぞれ接続されて、電力線110の電圧を入力する。図1図2の例では、接続部4としてクリップ形式の構成を示しているが、例えば、電気設備のコンセントに接続されて電力線110の電圧を入力するコンセントプラグの形式等、電圧の入力形態にとらわれない。
【0016】
本体部2は、図2に示すように、操作部21および出力部22に加えて、Z変換器23、バンドパスフィルタ24、A/D変換器25、位相検出部(電力線位相検出部に相当)26、データ処理部27を備えている。本実施の形態において、静電アンテナ3、Z変換器23、バンドパスフィルタ24およびA/D変換器25が、本発明に係るき電線位相検出部の一例に相当する。
Z変換器23は、静電アンテナ3と後段の回路とのインピーダンスを整合して、静電アンテナ3の信号が後段の回路へ多く取り込まれるように、信号伝送路のインピーダンスを変換する。Z変換器23は、静電アンテナ3の信号を入力し、バンドパスフィルタ24に信号を出力する。
【0017】
バンドパスフィルタ(BPF)24は、通過帯域に、き電線100の送電周波数(例えば60Hz)を含み、他の周波数帯のノイズ信号を減衰する。バンドパスフィルタ24は、通過した信号をA/D変換器25に出力する。
A/D変換器25は、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換してデータ処理部27へ出力する。
位相検出部26は、接続部4から入力された電力線110の電圧位相を検出する。位相検出部26は、ヒューズh1とトランスTr1とを介して電力線110の電圧(低電圧に変圧した電圧)を入力し、この電圧をA/D変換して、データ処理部27へ出力する。
【0018】
データ処理部27は、操作部21の信号を入力し、操作部21の操作に応じた処理を実行する。データ処理部27は、電力線110の接続の正誤を判定する判定部27aと、判定の基準となる基準位相差を記憶する基準記憶部27bとを有する。また、データ処理部27は、出力部22を介して、判定部27aの判定結果を出力したり、A/D変換器25と位相検出部26とから入力された信号の波形を表示出力したりする処理を行う。
データ処理部27およびデータ処理部27の各機能ブロックは、シーケンサなどのハードウェアとして実現してもよいし、CPU(中央演算装置)が制御プログラムを実行することで機能するソフトウェアとして実現してもよい。
【0019】
続いて、データ処理部27の具体的な処理内容を説明する。ここでは、電力線110の一部を張り替える工事を行い、工事後に電力線110の接続が正しいか判定する場合について説明する。
先ず、作業者は、電力線110の張り替え工事前、図3に示すように、基準位相差の計測と記憶とを行う。この工程では、作業者は、電力線110のR相の導線にR相用の接続部4を接続し、S相の導線にS相用の接続部4を接続する。また、作業者は、き電線100の電圧位相が検出されるように静電アンテナ3を配置する。そして、この状態で、作業者は、操作部21を操作して、基準位相差の計測および記憶を実行させる指令を位相判定装置1に入力する。
【0020】
この指令が入力されると、位相判定装置1のデータ処理部27は、静電アンテナ3、Z変換器23、BPF24、および、A/D変換器25を介して、き電線100の電圧変化が表れた信号を取り込み、また、接続部4と位相検出部26とを介して電力線110の電圧変化が表れた信号を取り込む。ここで、き電線100の電圧とは接地電圧を基準とした電圧であり、電力線110の電圧とはS相の電圧を基準としたR相の電圧を示す。
次に、データ処理部27は、取り込まれた両電圧の電圧波形から、これらの位相差を算出し、これを基準位相差として基準記憶部27bに記憶する。図3の例では、基準位相差が90°であり、この値が基準記憶部27bに記憶されている。
データ処理部27は、基準位相差の計測時、出力部22を介して、入力された電圧波形を表示出力したり、基準位相差の値を表示出力したりしてもよい。また、データ処理部27は、基準位相差の記憶完了時に処理完了の表示を行ってもよい。
【0021】
図4は、判定時に電力線を正しく接続していたときの動作を説明する図である。図5は、判定時に電力線を逆に接続していたときの動作を説明する図である。
電力線110の張替え工事後など、電力線110の接続が正しいか確認を要する場合には、作業者は、電力線110のうち、R相となるように予定された第1線にR相用の接続部4を接続し、S相となるように予定された第2線にS相用の接続部4を接続する。また、作業者は、き電線100の電圧位相が検出されるように静電アンテナ3を配置する。そして、この状態で、作業者は、操作部21を操作して、電力線110の各線の極性を判定する指令を位相判定装置1に入力する。
【0022】
なお、電力線110の各線の極性とは、電力線110の各線の相順と言い換えてもよい。図4に示すように、電力線110の第1線、第2線がR相、S相の順であれば正しい相順または正しい極性であり、図5に示すようにS相、R相の順であれば逆相順または逆極性である。
極性の判定指令が入力されると、位相判定装置1の判定部27aは、静電アンテナ3、Z変換器23、BPF24、および、A/D変換器25を介してき電線100の電圧の変化を表わす信号を取り込み、また、接続部4と位相検出部26とを介して電力線110の電圧の変化を表わす信号を取り込む。
【0023】
次に、判定部27aは、取り込まれた両電圧の電圧波形から、これらの位相差を判定時の位相差として算出する。
続いて、判定部27aは、判定時の位相差と、基準記憶部27bに記憶された基準位相差とを比較する。図4の例では、判定時の位相差が90°で、基準位相差が90°である。図5の例では、判定時の位相差が270°で、基準位相差が90°である。判定部27aは、これらの比較の結果が、所定の許容誤差以内であれば、正常の接続と判定し、所定の許容誤差を含めて180°異なれば、逆接続と判定する。
判定処理中、データ処理部27は、出力部22を介して、入力された電圧波形を表示出力したり、基準位相差の値、および、判定時の位相差の値を表示出力したりしてもよい。
【0024】
判定部27aが判定を遂行すると、この判定結果に基づいて、データ処理部27は、出力部22を介して、電力線110の接続が正常か逆かを表示出力する。作業者は、この表示を見て、電力線110が逆接続されていないか確認することができる。
以上のように、この実施の形態の位相判定装置1によれば、き電線100の電圧位相と、電力線110の電圧位相とが検出および比較されて、電力線110が逆に接続されていないか確認することができる。よって、き電線100を有する路線であれば、遠くに装置と作業員とを配置する必要なく、簡単な作業で電力線110の極性を確認することができる。
さらに、この実施の形態の位相判定装置1によれば、基準位相差を計測および記憶する機能により、き電線100と電力線110との電圧位相の関係が、鉄道路線に沿って、場所ごとに異なるような場合でも、正しい判定を行うことができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、上記の実施の形態では、電力線110の接続の正誤を判定する前に、予め基準位相差を計測し記憶する例を示した。しかしながら、基準位相差が場所によらず一定となる路線であれば、予め基準位相差のデータを位相判定装置1に設定しておくことで、基準位相差を計測し記憶する処理を省いた構成を採用できる。また、路線の場所ごとに基準位相差が異なる場合でも、場所毎の基準位相差のデータを予め設定しておくことで、基準位相差を計測し記憶する処理を省いた構成を採用できる。
その他、信号波形の表示を行う表示器を、本体部2と別体の構成としたり、判定結果を出力する方法として、表示灯の色で判定結果を出力したり、文字表示や音を出力する方法を採用してもよいなど、実施の形態で示した細部は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0026】
さらに、上記の実施の形態においては、単相2線式の電力線が1回線のみ設けられた路線区間に、本発明の位相判定装置を使用した例を説明したが、本発明の位相判定装置は、単相2線式の電力線が複数回線ある路線区間でも同様に使用することができる。また、上記実施の形態では、電力線として、信号高圧線の電圧を変圧器により低圧に変換した電圧が出力される構成として説明したが、本発明の位相判定装置は、低圧に変換される前の電圧が出力される電力線に対しても使用することが可能である。また、本発明の位相判定装置は、単相2線式の電力線に限られず、三相交流の電力を伝送する電力線に対しても使用することが可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 位相判定装置
2 本体部
3 静電アンテナ
4 接続部
21 操作部
22 出力部
24 バンドパスフィルタ
26 位相検出部
27 データ処理部
27a 判定部
27b 基準記憶部
図1
図2
図3
図4
図5