(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を
図1〜
図37に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の蓋付きコンテナ10は、コンテナ本体10Aと、その上面に着脱可能な蓋体10Bとを備えてなる。
図2に示されたコンテナ本体10Aは、平面形状が長方形(例えば、900[mm]×500[mm])をなしかつ上面が開放した直方体状の、所謂、折畳コンテナであって、底壁11の外縁部のうち1対の長辺部分から突出した1対の第1土手部12,12に1対の第1側壁30,30が回動可能に連結される一方、1対の短辺部分から突出した1対の第2土手部17,17に1対の第2側壁20,20が回動可能に連結されている。第2土手部17は第1土手部12より低くなっていて、
図4に示すように、1対の第2側壁20,20を底壁11上に折り畳んで第2土手部17,17の間に収容してから、それら第2側壁20,20の上に1対の第1側壁30,30を折り畳んで第1土手部12,12の間に収容し、コンテナ本体10A全体を折畳状態とすることができる。
【0016】
第2側壁20及び第1側壁30は、それらの回動支持構造により起立姿勢より外側への回動が規制されている。また、
図3に示すように、第2側壁20は、第1側壁30から突出したサイド突壁36により両側縁部を外側から支持されることによっても、起立姿勢より外側への回動が規制され、第1側壁30は、第2側壁20の両側縁部から突出した図示しない突起がサイド突壁36に形成された突壁孔36Aに係合することによっても、起立姿勢より外側への回動が規制されている。
【0017】
第2側壁20の外面上部には、1対のロックバー29,29が左右対称に配置されて横方向に延び、それらロックバー29,29の先端部が第1側壁30,30に備えた図示しない横孔に係合している。これにより第2側壁20,20が内側への回動を規制されて起立姿勢に保持され、それら起立姿勢の第2側壁20,20によって第1側壁30,30が内側への回動を規制されて起立姿勢に保持される。また、第2側壁20の外面上部中央のロック操作部28を操作すると、1対のロックバー29,29が互いに接近する側に移動して第1側壁30の横孔(図示せず)との係合が外れ、第2側壁20を内側に倒すことができ、その結果、第1側壁30も内側に倒すことが可能になる。なお、ロックバー29,29は、ロック操作部28の操作を止めると、図示しない弾性部材の弾発力によって第1側壁30の横孔と係合可能なロック位置に復帰する。
【0018】
図3に示すように、第2側壁20の外面には、その上端から上端寄り位置に亘って第1〜第5の横リブ22Aが所定の間隔を空けて設けられている。それらのうち第3と第4の横リブ22A,22Aの横方向中央部は、1対の縦リブ22B,22Bによって分断され、それら1対の縦リブ22B,22Bの間が機構部屋20Hになっている。そして、機構部屋20Hに前述のロック操作部28が収容されると共に、機構部屋20Hの両側で第3と第4の横リブ22A,22Aに挟まれた部分に上述したロックバー29,29が直動可能に受容されている。
【0019】
ロック操作部28に下側から隣接する第5の横リブ22Aの下面側には、持手部20Zが設けられている。持手部20Zは、第5の横リブ22Aの横方向中央部の先端から横長の帯板壁22Dを垂下させて、その帯板壁22Dの両端部を第5の横リブ22Aから下方に延びた1対の縦リブ22E,22Eに接続してなり、下面開放のフード状になっている。
【0020】
第1の横リブ22Aは、横方向の両端部寄り位置において外縁側を切除され、これにより第2側壁20の上面に、本発明の「凹凸係合部」に相当する1対の第1係合凹部24,24が形成されている。また、各第1係合凹部24のうち第2側壁20の壁厚方向の中間に位置した内面は、後述する第1係合突部40と係合する係合面24Aになっている。その係合面24Aでは、第1の横リブ22Aより下側部分が空洞になっていて、その空洞が縦リブ22Fによって分割されている。また、第1係合凹部24の両側部にも第1と第2の横リブ22A,22Aの間を連絡する縦リブ22Fが設けられている。さらには、
図13に示すように、係合面24Aは、下方に向かうに従って外側に向かうように傾斜している。その係合面24Aの上下方向に対する傾斜角は、例えば2度程度になっている。
【0021】
図3に示すように、第1の横リブ22Aの外縁部は、第2側壁20の横方向の中央から両第1係合凹部24,24寄り位置に亘る範囲も切除され、これにより第2側壁20の上面に本発明の「凹凸係合部」に相当する第2係合凹部25が形成されている。第2係合凹部25のうち第2側壁20の壁厚方向の中間に位置した内面は、後述する第2係合突部45と係合する係合面25Aになっている。また、その係合面25Aにおいても、第1の横リブ22Aより下側が空洞になっていて、その空洞が複数の縦リブ22Fによって分割されている。さらには、第2係合凹部25の係合面25Aは、第1係合凹部24の係合面24Aより第2側壁20の外面側に僅かにずれた位置に配置されて、第1係合凹部24の係合面24Aと平行になっている。
【0022】
第2係合凹部25の両側部には、第2係合凹部25の横方向中央に向かって下るように傾斜した傾斜リブ22G,22Gが設けられている。そして、各傾斜リブ22Gの上端部と各第1係合凹部24における第2係合凹部25側の縦リブ22Fの上端部との間が、第1の横リブ22Aから僅かに下方に段付き状にずれた上面壁22Jによって連絡され、これにより、第2係合凹部25と両第1係合凹部24,24との間に、後に詳説する第1乗越突部50と略同一形状の第2乗越突部59,59が設けられている。
【0023】
図2に示すように、第1側壁30の外面には、上端から上端寄り位置に亘って第1〜第4の横リブ32Aが所定の間隔を空けて設けられている。第1の横リブ32Aにおける第1側壁30の外面からの突出量は、第2〜第3の横リブ32Aにおける第1側壁30の外面からの突出量の半分程度になっている。これにより、第1側壁30の上部に段付き構造のレール部33が形成されている。そのレール部33の上段面33Aは、第2側壁20の上面と略面一になっている。
【0024】
第1側壁30の横方向の両端寄り位置においては、レール部33の下段面33Bから第1乗越突部50が上方に突出している。
図3に示すように、第1乗越突部50は、本発明に係る「乗越係合部」に相当し、第1の横リブ32Aより僅かに下方に段付き状にずれた上面壁52を上部に有する。そして、上面壁52のうちサイド突壁36側の一端部に第1側壁30の上下方向の全体に亘って延びた縦リブ53が連絡され、上面壁52の他端部と第2の横リブ32Aとの間は、サイド突壁36から離れるに従って下るように傾斜した傾斜リブ51によって連絡されている。また、第2の横リブ32Aは、上面壁52の一端部に連絡された縦リブ53と交差したところで途切れ、第1乗越突部50よりサイド突壁36側は、第2と第3の横リブ32A,32Aの中間位置まで陥没した陥没部33Dになっている。
【0025】
第4の横リブ32Aのうちその長手方向の中心に対して左右対称となる2位置には、持手部30H,30Hが形成されている。各持手部30Hは、第4の横リブ32Aの一部を所定長に亘って切除して開口部を形成し、その開口部と同じ長さの中間横リブ32Bを第3と第4の横リブ32A,32Aの中間でかつ開口部の真上に設けて、中間横リブ32Bの外縁部と開口部の開口縁との間をカバー壁32Cで連絡したフード構造をなしている。また、第1側壁30の内面上縁部には、帯状目印30Mが形成されている。各帯状目印30Mは、持手部30Hと同じ長さをなし、第1側壁30の横方向で各持手部30Hと同じ位置に配置されている。なお、第1側壁30の内面の上縁部全体は、第1側壁30の内面全体に対して僅かに陥没していて、帯状目印30Mは、その第1側壁30の上縁部全体に対して僅かに段付き状に突出している。
【0026】
図3に示すように、第1側壁30の外面の両側縁部からは側縁突条35が突出している。側縁突条35は、上下方向の中間でクランク状に屈曲していて、その屈曲部より上側の第1突条部35Aが下側の第2突状部35Bに対して第1側壁30の横方向中央側にずれている。また、第2突状部35Bの真上に位置する第1側壁30の外面と第1突条部35Aとの間に形成された段差部は、突部受容部34になっている。そして、
図11に示すように、コンテナ本体10Aを折畳状態で段積みした際に、上段側のコンテナ本体10Aの後述する第1及び第2の係合突部40,45が、下段側のコンテナ本体10Aの突部受容部34に受容されるようになっている。なお、第1突条部35Aの上端部は、上記した陥没部33Dの底に接続されている。
【0027】
図6に示すように、コンテナ本体10Aの下面(即ち、底壁11の下面)には、その外縁部分を除く全体から嵌合突部19が突出している。嵌合突部19は、格子状のリブの外縁部を環状のリブで包囲してなる。また、嵌合突部19の高さは、レール部33のうち下段面33Bより上側のレール突部33T(
図2及び
図3参照))の高さと略同一になっている。なお、嵌合突部19のうち外縁領域と長手方向の中央領域とを除いた部分は、僅かに陥没している。
【0028】
図6に示すように、底壁11の下面のうち1対の長辺側の外縁部には、両端部から中央寄り位置に向かって順番に、第1下面サイド突部14,14、第2下面サイド突部15,15、延長機構部16,16が順番に並べて形成されている。第1下面サイド突部14は、底壁11の長辺に沿って延びた直方体状をなしている。第2下面サイド突部15は、第1下面サイド突部14から離れた位置から底壁11の長辺の中央側へとレール状をなして延び、第1下面サイド突部14側に傾斜面を有する一方、延長機構部16側に垂直面を有している。延長機構部16は、第1土手部12の外側面から垂下された延長壁12Fの内面に複数の下面サイドリブ12Lを設けてなる。また、第1及び第2の下面サイド突部14,15と延長機構部16との間において、それらの下面同士、及び、それらの嵌合突部19側の内側面同士は面一になっている。なお、本実施形態では、第1下面サイド突部14が本発明に係る「スライド係合部」に相当し、コンテナ本体10Aの短手方向で対向する1対の第1下面サイド突部14,14が、本発明の「1対のスライド係合部」に相当する。
【0029】
図4に示すように、底壁11における各第1土手部12の上面には、その長手方向の中央に中央突部12Tが設けられている。中央突部12Tは、平面形状が第1土手部12の長手方向に延びた長方形をなして第1土手部12の幅方向の全体に亘って形成され、その中央突部12Tの高さは嵌合突部19と略同一になっている。
【0030】
図2に示すように、第1土手部12の上面のうちコンテナ本体10Aの組立状態で第1乗越突部50の真下となる位置には、第3乗越突部55が形成されている。
図5に示すように、第3乗越突部55は、第1乗越突部50と同一形状をなして上面壁57を有し、上面壁57の一端部に縦リブ53が連絡され、上面壁57の他端側に傾斜リブ56を備えている。また、第3乗越突部55は、第1土手部12の上面の幅方向における外側寄りに配置されている。さらには、第1土手部12のうち第3乗越突部55より第2土手部17側は陥没部12Dになっている。また、第1土手部12のうち陥没部12Dと第3乗越突部55より内側にはコーナー突部12Aが備えられている。コーナー突部12Aは、平面形状がL字状をなし、その一辺が第2土手部17の端部と一体になっている。さらには、コーナー突部12Aは、第3乗越突部55の上面より僅かに上方に突出している。
【0031】
コンテナ本体10Aが折畳状態になると、第1側壁30の側縁突条35の上面とコーナー突部12Aの上面とが略面一になる。そして、
図11に示すように、折畳状態のコンテナ本体10Aの上に別のコンテナ本体10Aを段積みすると、上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19が、下段側のコンテナ本体10Aにおけるコーナー突部12A群の内側に嵌合し、下段側のコンテナ本体10Aのコーナー突部12A及び側縁突条35が、上段側のコンテナ本体10Aの下面における嵌合突部19の周辺部に当接する。この状態で下段側のコンテナ本体10Aの中央突部12Tが、上段側のコンテナ本体10Aにおける延長機構部16,16間に備えた下面凹部12Sに受容され、前述の如く、上段側のコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合突部40,45が、下段側のコンテナ本体10Aの突部受容部34に受容される。
【0032】
図6に示すように、コンテナ本体10Aの下面のうち1対の短辺側の外縁部には、第2側壁20の上面における1対の第1係合凹部24,24と第2係合凹部25とに対応した1対の第1係合突部40,40と1つの第2係合突部45とが本発明に係る「凹凸係合部」として形成されている。そして、
図9に示すように、コンテナ本体10A,10A同士を段積みすると、
図17に示すように、下段側のコンテナ本体10Aの上面開口10Kに、上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19が嵌合すると共に、
図10に示すように下段側のコンテナ本体10Aの第1と第2の係合凹部24,25に、上段側のコンテナ本体10Aの第1と第2の係合突部40,45が凹凸係合する。
【0033】
詳細には、
図7に示すように、第1係合突部40は、内側(即ち、嵌合突部19側)を向いて上下方向に対して傾斜した内向斜面41と、外側(即ち、嵌合突部19と反対側)を向いて上下方向に対して傾斜した外向斜面42とを有する。内向斜面41は、第1係合突部40の下端から上端寄り位置に亘って形成されている。また、内向斜面41の上下方向に対する傾斜角は、コンテナ本体10A同士を段済み状態にして上段側のコンテナ本体10Aの一方の第2側壁20側を持ち上げ、その一方側の第2側壁20の下方の第1と第2の係合突部40,45が第1係合突部40及び第2係合突部45が下段側のコンテナ本体10Aの第1と第2の係合凹部24,25から丁度離脱したときの上段側のコンテナ本体10Aの傾斜角より大きくなっている。具体的には、内向斜面41の上下方向に対する傾斜角は、例えば、30〜60度(より正確には45度)になっている。
【0034】
一方、外向斜面42は、
図8に示すように、第1係合突部40の下端から下端寄り位置に亘って形成されている。また、外向斜面42の上下方向に対する傾斜角も、例えば、30〜60度(寄り正確には45度)になっている。また、
図7に示された第1係合突部40のうち内向斜面46より上側部分は、係止面43Aをなし、上下方向と略平行になっている。さらに、
図8に示された第1係合突部40のうち外向斜面47より上側に位置する外側面43Bも、上下方向と略平行になっている。
【0035】
図7及び
図8に示すように、第2係合突部45も、嵌合突部19側を向いて上下方向に対して傾斜した内向斜面46と、嵌合突部19と反対側を向いて上下方向に対して傾斜した外向斜面47とを有する。また、内向斜面46が、第1係合突部40の下端から上端寄り位置に亘って形成される一方、外向斜面47が、第1係合突部40の下端から下端寄り位置に亘って形成されている。また、
図7に示された第2係合突部45のうち内向斜面46より上側部分は、係止面48Aをなし、上下方向と略平行になっている。さらに、
図8に示された第2係合突部45のうち外向斜面47より上側に位置する外側面48Bも、上下方向と略平行になっている。
【0036】
なお、第2係合突部45の両側面は、下方に向かうに従って互い接近する側に傾斜して1対のサイド傾斜面49,49になっている。
【0037】
図示しないが、前述した第1係合凹部24の係合面24Aと、第2係合凹部25の係合面25Aとの位置関係と同様に、第2係合突部45の内向斜面46は、第1係合突部40の内向斜面41に対して平行でかつ嵌合突部19から離れる側に僅かにずれた配置になっている。なお、第2係合突部45の外向斜面47は、第1係合突部40の外向斜面42と面一になっている。
【0038】
次に、コンテナ本体10Aを、蓋体10Bを用いずに単品で使用する場合の使用例を説明する。本実施形態のコンテナ本体10Aは、その長手方向を横にして持手部20Z,20Zに両手を掛けて持ち上げることもできるし、短手方向を横にして持手部30H,30Hに両手を掛けて持ち上げることもできる。以下、コンテナ本体10Aを短手方向を横にして扱う場合の段積み、段ばらし作業について説明する。
【0039】
コンテナ本体10Aを段積みする場合、作業者は、
図12及び
図13に示すように上段側となるコンテナ本体10Aを、長手方向の一端部を下げた傾斜姿勢にしてその下端部を、下段側となるコンテナ本体10Aにおける第1側壁30,30の上面の任意の中間位置に突き当てる。このとき、下段側のコンテナ本体10Aの第1側壁30,30が外側に拡がって、上段側のコンテナ本体10Aが下段側のコンテナ本体10A内に脱落することが懸念されるが、上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19とその両側の第1下面サイド突部14,14との間に、下段側のコンテナ本体10Aにおける第1側壁30,30の上部のレール突部33T,33Tが挟まれて、第1側壁30,30の拡がりが抑えられるので、上記した脱落の心配はない。
【0040】
次いで、傾斜姿勢の上段側のコンテナ本体10Aを下段側のコンテナ本体10Aの第1側壁30,30上でスライドさせて片寄せする。即ち、上段側のコンテナ本体10Aの長手方向の一端部を下段側のコンテナ本体10Aの長手方向の一端部に向けて移動する。すると、
図14に示すように、下段側のコンテナ本体10Aの一端寄り位置で上段側のコンテナ本体10Aの第1下面サイド突部14が下段側のコンテナ本体10Aの第1乗越突部50の傾斜リブ51に摺接して第1乗越突部50上に乗り上がる。そこで、さらに第1下面サイド突部14を第1乗越突部50上で移動すると、
図15に示すように、上段側のコンテナ本体10Aの第1係合突部40における外向斜面42と第2係合突部45の外向斜面47(
図8参照)とが、下段側のコンテナ本体10Aにおける一方の第2側壁20の内面上部に当接する。なお、第1下面サイド突部14を第1乗越突部50上で移動する際、第1乗越突部50の上面とレール部33の上段面33Aとの間に段差があるので(
図3参照)、第1下面サイド突部14がレール部33から外れることはない。
【0041】
この状態で上段側のコンテナ本体10Aを下段側のコンテナ本体10Aの第2側壁20に向けて押すと、外向斜面42,47と第2側壁20との摺接により第1と第2の係合突部40,45が第2側壁20の上面に乗り上がり、
図21に示すように第1及び第2の係合突部40,45の先端が第2側壁20の第1及び第2の係合凹部24,25の係合面24A,25Aを通過したところで第1下面サイド突部14が第1乗越突部50を通過する。すると、第1及び第2の係合突部40,45の内向斜面41,46が第2側壁20の第1及び第2の係合凹部24,25における上部に摺接して上段側のコンテナ本体10Aが降下しながら一端側にさらに移動し、
図10及び
図17に示すように第1及び第2の係合突部40,45が第1及び第2の係合凹部24,25に凹凸係合し、
図16に示すように、第1乗越突部50が第1下面サイド突部14と第2下面サイド突部15との間に凹凸係合する。この状態で、上段側のコンテナ本体10Aの他端部を下げると、その他端側においても上段側のコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合突部40,45が下段側のコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合凹部24,25に凹凸係合し、上段側のコンテナ本体10Aが水平姿勢になって下段側のコンテナ本体10Aの上に段積みされた状態になる(
図9参照)。
【0042】
コンテナ本体10Aの段積状態では、上記した第1及び第2の係合突部40,45と第1及び第2の係合凹部24,25との凹凸係合の他、上下のコンテナ本体10A,10Aの間で、第1下面サイド突部14と第1乗越突部50とが係合すると共に、嵌合突部19と上面開口10Kとが嵌合し、これらにより上下のコンテナ本体10A,10A同士の横ずれが防がれる。
【0043】
また、コンテナ本体10A,10Aの段積状態で下段側のコンテナ本体10Aの持手部20Zに手をかけて引っ張る操作が行われることがあり、このとき、下段側のコンテナ本体10Aの第2側壁20が膨らんでしまうことが懸念される。しかしながら、
図10に示すように、上段側のコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合突部40,45が下段側のコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合凹部24,25に凹凸係合していることで、下段側のコンテナ本体10Aの第2側壁20の大きな膨出変形が防がれる。
【0044】
段積状態のコンテナ本体10Aを段ばらしする際には、以下のように行う。作業者は、上段側のコンテナ本体10Aを傾けて、
図18に示すように第1下面サイド突部14における第2下面サイド突部15側の端部を、下段側のコンテナ本体10Aの第1乗越突部50の角部上に乗せる。この状態では、
図19に示すように、第1及び第2の係合突部40,45の係止面43A,48Aが第1及び第2の係合凹部24,25の係合面24A,25Aに係合している。そこで、
図20に示すように、上段側のコンテナ本体10Aを水平姿勢に近づけるように倒す。すると、
図21に示すように、第1及び第2の係合突部40,45のうち内向斜面41,46のみが第1及び第2の係合凹部24,25の係合面24A,25Aに係合した状態になる。この状態で上段側のコンテナ本体10Aをさらに引くと、内向斜面41,46が係合面24A,25Aに摺接して第1及び第2の係合突部40,45が第1及び第2の係合凹部24,25から離脱する。そして、第1下面サイド突部14が第1乗越突部50の傾斜リブ51に案内されてスムーズに第1乗越突部50から降下し、そのまま上段側のコンテナ本体10Aを手間に引いて持ち上げることができる。
【0045】
さて、
図22には、上述したコンテナ本体10Aの上面開口10K(
図2参照)を閉塞可能な本発明の蓋体10Bが示されている。蓋体10Bは、長方形状の主板60の外周部から環状土手部61が上方に突出した構造になっている。なお、以下では、蓋体10Bの上面側を表側、下面側を裏側と、適宜呼ぶこととする。
【0046】
環状土手部61は、主板60の外周部から起立した内側包囲壁61Aと、内側包囲壁61Aに外側から対向する外側対向壁61Bと、内側包囲壁61Aと外側包囲壁61Bの上端部同士を連絡する上端連絡壁61Cと、を備えてなる。また、
図23に示すように、環状土手部61の裏側は、環状溝61Mとなっていて、環状溝61Mの内側には、複数のリブ61Lが形成されている。なお、外側対向壁61Bの下端面及びリブ61Lの下端面は、主板60の下面と面一になっている。
【0047】
また、蓋体10Bにおける主板60の下面には、主板60の外縁寄り位置に、その外縁に沿った環状をなして下方に突出した環状枠部62が形成されている。そして、
図32及び
図35に示すように、蓋体10Bをコンテナ本体10Aの上に装着すると、コンテナ本体10Aにおける第1及び第2の側壁20,30の最上端面に、蓋体10Bの主板60の下面、外側対向壁61Bの下端面及びリブ61Lの下端面が当接すると共に、蓋体10Bの環状枠部62がコンテナ本体10Aの上面開口10Kに受容され、蓋体10Bがコンテナ本体10Aに対して位置決めされる。なお、このとき、環状土手部61は、コンテナ本体10Aにおける第1及び第2の側壁20,30の最上端面に接する面からさらに上方へ突出していることとなる。
【0048】
図22に示すように、環状土手部61における蓋体10Bの短辺部分に位置する短辺土手部63,63のうち両端寄り部分の上面には、短辺土手部63の幅方向の中間位置より外側部分が陥没した1対の第1係合凹部64,64が形成されている。また、短辺土手部63の中央部分にも、短辺土手部63,63の幅方向の中間位置より外側部分が陥没した第2係合凹部65が形成されている。これら1対の第1係合凹部64,64及び第2係合凹部65は、本発明の「蓋用凹凸係合部」に相当し、蓋体10Bをコンテナ本体10Aに重ねた際に、コンテナ本体10Aの第2側壁20の第1係合凹部24,24及び第2係合凹部25の上方に配される位置に形成されている。
【0049】
図23に示すように、蓋体10Bの裏側のうち1対の短辺側の外縁部には、蓋体10Bをコンテナ本体10Aに装着したときに、コンテナ本体10Aの第2側壁20の1対の第1係合凹部24,24及び第2係合凹部25と係合する1対の第1係合突部70,70と1つの第2係合突部75とが形成されている。
【0050】
詳細には、
図24及び
図25に示すように、第1係合突部70は、短辺土手部63のうち第1係合凹部64の底壁となる第1凹部底壁64Uから下方に突出し、短辺土手部63の長手方向に沿って延びている。第1係合突部70は、短辺土手部63の長手方向の両端部に第1凹部底壁64Uから垂下した1対の幅リブ70A,70Aと、1対の幅リブ70A,70Aにおける短辺土手部63の幅方向の内側端面を連絡する背面連絡リブ70Bと、1対の幅リブ70A,70A及び背面連絡リブ70Bの下端面を連絡する下端連絡壁70Cとからなるフード構造をなしていて、1対の幅リブ70A,70Aの間には、これら幅リブ70A,70Aと平行に延びる中間リブ70Dが設けられている。
【0051】
1対の幅リブ70A,70A及び中間リブ70Dにおける短辺土手部63の幅方向の外側端面は、短辺土手部63における外側包囲壁61Bの外面と面一になっていて、背面連絡リブ70Bは、第1凹部底壁64Uから鉛直下方に延びている。また、
図25及び
図26に示すように、下端連絡壁70Cは、内側(即ち、環状枠部62側)を向いて上下方向に対して傾斜した内向斜面71と、外側(即ち、環状枠部62と反対側)を向いて上下方向に対して傾斜した外向斜面72とを有する。また、背面連絡リブ70Bのうち短辺土手部63における長手方向の両端側端部には、環状枠部62へ向けて突出した内側突片70Eが形成されている。内側突片70Eの先端面は、下端連絡壁70Cの内向斜面71から面一に延長した第1斜面70Lと、第1斜面70Lの端部から第1凹部底壁64Uへ向けて第1斜面70Lよりも急勾配で傾斜した第2斜面70Mとを有している。
【0052】
図24及び
図25に示すように、第2係合突部75は、短辺土手部63の外側包囲壁61Bが下方に延長された延設壁75Aと、延設壁75Aの内側面及び短辺土手部63のうち第2係合凹部65の底壁となる第2凹部底壁65Uの下面から突出した突出リブ75Bと、からなる。突出リブ75Bは、延設壁75Aの下端部から内側(即ち、環状枠部62側)を向いて上下方向に対して傾斜した第1斜面75Dと、第1斜面75Dの端部から第2凹部底壁65Uへ向けて第1斜面75Dよりも急勾配で傾斜した第2斜面75Eとを有している。なお、第2係合突部75の両側面(つまり、延設壁75Aの両側面)は、下方に向かうに従って互い接近する側に傾斜した1対のサイド傾斜面79,79になっている。
【0053】
図22に示すように、環状土手部61のうち蓋体10Bの長辺部分に位置する長辺土手部66には、外側包囲壁61Bの下端から水平に延びた張出壁66Fが設けられていて、この長辺土手部66により、本発明の蓋用レール部67が段付き構造をなして構成されている。なお、長辺土手部66の幅は、コンテナ本体10Aのレール部33の上段面33Aの幅より小さくなっていて、蓋体10Bの主板60の下面及び外側対向壁61Bの下端面がコンテナ本体10Aのレール部33の上段面33Aに当接しやすくなっている。
【0054】
なお、長辺土手部66における長手方向の中央部は、張出壁66Fが上方に隆起した隆起部66Uとなっていて、この隆起部66Uにより長辺土手部66の長手方向において蓋用レール部67が二分されている。また、隆起部66Uの上面は、長辺土手部66の上端連絡壁61Cの上面と面一になっている。
【0055】
長辺土手部66の長手方向の両端寄り位置においては、張出壁66Fから本発明の「蓋用乗越係合部」に相当する第4乗越突部80が上方に突出している。
図24に示すように、第4乗越突部80は、上端連絡壁61Cより僅かに下方に段付き状にずれた上面壁82を上部に有すると共に、上面壁82のうち短辺土手部63側の一端部から鉛直下方に延びた縦リブ83と、上面壁82の他端部から下方に進むに従って縦リブ83から離れるように傾斜した傾斜リブ81と、上面壁82,縦リブ83及び傾斜リブ81の外側端面を連絡する連絡壁84と、を有している。この第4乗越突部80は、蓋体10Bをコンテナ本体10Aに重ねた際に、コンテナ本体10Aの第1乗越突部50の上方に配される位置に形成されている(
図1参照)。
【0056】
また、
図25及び
図26に示すように、第4乗越突部80の裏側には、縦リブ83と傾斜リブ81との間に、縦リブ83と平行な2つの中間リブ85,85が設けられている。これら縦リブ83,傾斜リブ81及び中間リブ85,85は、主板60の下面と面一になっている。縦リブ83とその隣の中間リブ85との下端面には、主板60の下面より下方へ僅かに突出し、蓋体10Bをコンテナ本体10Aに重ねた際に、コンテナ本体10Aにおける第1乗越突部50の上面壁52の上面に当接する小突起66Tが形成されている。
【0057】
図24に示すように、張出壁66Fの外縁からは、本発明の覆壁66Gが垂下していて、この覆壁66Gは、
図35に示すように、蓋体10Bをコンテナ本体10Aに重ねた際に、コンテナ本体10Aのレール突部33Tの上部を外方から覆う。なお、
図22に示すように、張出66Fのうち長手方向の中央部には、覆壁66Gが設けられておらず、蓋体10B同士を重ねた際の隆起部66Uとの干渉が避けられる(
図29参照)。また、
図27に示すように、覆壁66Gのうち長辺土手部66の中央側端部には、環状枠部62側へ向けて突出した覆壁リブ86が形成されている。
【0058】
図28に示すように、蓋体10Bを装着したコンテナ本体10A(つまり、蓋付きコンテナ10)の上にさらにコンテナ本体10Aを段積みすると、
図35に示すように、上段側のコンテナ本体10Aの下面が蓋体10Bの環状土手部61の上端連絡壁61Cに受け止められ、環状土手部61の内側に上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19が嵌合する。環状土手部61のうち長辺土手部66の蓋用レール部67は、上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19とその両側の第1及び第2の下面サイド突部14,15との間に挟まれる。また、
図28に示すように蓋体10Bの第1と第2の係合凹部64,65に、上段側のコンテナ本体10Aの第1と第2の係合突部40,45が凹凸係合する。
【0059】
また、
図29に示すように、折り畳まれた状態のコンテナ本体10Aの上に蓋体10Bを重ねた場合、蓋体10Bの環状枠部62(
図23参照)がコンテナ本体10Aにおけるコーナー突部12A(
図4参照)群の内側に嵌合すると共に、蓋体10Bの第1と第2の係合突部70,75がコンテナ本体10Aの突部受容部34に受容される。さらに、蓋体10B,10B同士を積み重ねると、上側の蓋体10Bの環状枠部62が下側の蓋体10Bの環状土手部61の内側に受容されると共に、上側の蓋体10Bの第1と第2の係合突部70,75が下側の蓋体10Bの第1と第2の係合凹部64,65に受容される。
【0060】
本実施形態の蓋付きコンテナ10の構成に関する説明は以上である。次に、この蓋付きコンテナ10の作用効果について説明する。上述したように、本実施形態の蓋付きコンテナ10におけるコンテナ本体10Aは、コンテナ本体10A同士を段積みする際に、上段側のコンテナ本体10Aを、下段側のコンテナ本体10Aの第1側壁30,30上のレール部33に沿ってスライドさせて段積みすることが可能となっている。
【0061】
ここで、このようなコンテナ本体10Aは蓋体を装着した蓋付きコンテナとして使用されることが考えられるが、蓋体が装着されるとコンテナ本体10Aのレール部33が蓋体に覆われてしまうため、その上方で別の蓋付きコンテナをスライドさせる際に、上段側の蓋付きコンテナが横にずれるなどして、作業をスムーズに行うことができなくなるという問題が生じ得る。
【0062】
これに対して、本実施形態の蓋付きコンテナ10では、コンテナ本体10Aに装着される蓋体10Bに、蓋用レール部67が形成されているので、蓋体10Bが装着された状態でも、上段側の蓋付きコンテナ10(コンテナ本体10A)をスムーズにスライドさせることが可能となっている。以下、コンテナ本体10Aに蓋体10Bが装着された蓋付きコンテナ10の作用効果及び蓋付きコンテナ10の段積み、段ばらし作業について説明する。
【0063】
図32及び
図35に示すように、蓋体10Bをコンテナ本体10Aの上に装着すると、コンテナ本体10Aの最上端面に蓋体10Bの主板60の下面が当接すると共に、蓋体10Bの環状枠部62がコンテナ本体10Aの上面開口10Kに受容され、蓋体10Bがコンテナ本体10Aに対して位置決めされる。ここで、蓋体10Bをコンテナ本体10Aに対して位置決めするための環状枠部62が、コンテナ本体10Aの内側に受容される構成となっているので、環状枠部62がコンテナ本体10Aを外側から囲む構成のものよりも、蓋体10Bをコンパクトにすることが可能となる。このとき、コンテナ本体10Aの側壁20,30と蓋体10Bとの隙間から蓋付きコンテナ10内に埃等が進入することが懸念されるが、コンテナ本体10Aの第1側壁30におけるレール突部33Tの上部が蓋体10Bの覆壁66Gにより覆われるので、蓋付きコンテナ10内やレール部33における各リブ間への埃等の進入が防がれる。
【0064】
また、蓋体10Bの第1及び第2の係合突部70,75がコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合凹部24,25に係合するので、コンテナ本体10Aの第2側壁20が外側へ倒れることが防がれると共に、コンテナ本体10Aの第1側壁30の外方に蓋体10Bのリブ延設部86が配されるので、コンテナ本体10Aの第1側壁30が外側へ倒れることも防がれる。
【0065】
蓋付きコンテナ10,10同士の段積みは、コンテナ本体10A,10A同士の段積みと同様の作業により行われる。即ち、作業者は、
図30に示すように上段側の蓋付きコンテナ10のコンテナ本体10A(以下、段積み作業の説明において、単に「コンテナ本体10A」という)を、長手方向の一端部を下げた傾斜姿勢にして、その下端部を、下段側の蓋付きコンテナ10の蓋体10B(以下、段積み作業の説明において、単に「蓋体10B」という)における長辺土手部66のうち隆起部66Uより奥側の任意の位置に突き当てる。このとき、コンテナ本体10Aの嵌合突部19とその両側の1対の第1下面サイド突部14,14との間に、蓋体10Bの1対の蓋用レール部67,67が挟まれる。
【0066】
次いで、傾斜姿勢のコンテナ本体10Aの長手方向の他端部を蓋体10Bの長手方向の一端部に向けて押し込む。すると、上段側のコンテナ本体10Aが蓋体10Bの蓋用レール部67に案内されて、蓋体10Bの長手方向の一端部に向けて移動する。そのまま上段側のコンテナ本体10Aが押し込まれると、コンテナ本体10A同士を段積みするときに上段側のコンテナ本体10Aの第1下面サイド突部14が下段側のコンテナ本体10Aの第1乗越突部50上に乗り上がる(
図14参照)のと同様に、コンテナ本体10Aの第1下面サイド突部14が蓋体10Bの第4乗越突部80上に乗り上がる(
図31参照)。このとき、第4乗越突部80の裏側に形成された小突起66Tが下段側のコンテナ本体10Aの第1乗越突部50に当接しているので、第4乗越突部80が受ける負荷が分散される。
【0067】
そして、
図33に示すようにコンテナ本体10Aの第1と第2の係合突部40,45が短辺土手部63の上端連絡壁61Cを乗り越えたところで、第1下面サイド突部14が第4乗越突部80を通過する。なお、コンテナ本体10Aの第1側壁30の上部と同様、蓋体10Bにおける第4乗越突部80の上面と環状土手部61の上端連絡壁61Cとの間に段差があるので(
図24参照)、第1下面サイド突部14が第4乗越突部80上で移動する際第1下面サイド突部14が蓋用レール部67から外れることはない。
【0068】
そして、コンテナ本体10Aの第1及び第2の係合突部40,45が蓋体10Bの短辺土手部63の第1及び第2の係合凹部64,65における上部に摺接してコンテナ本体10Aが降下しながら一端側にさらに移動し、
図28に示すように第1及び第2の係合突部40,45が第1及び第2の係合凹部64,65に凹凸係合し、
図34に示すように、第4乗越突部80が第1下面サイド突部14と第2下面サイド突部15との間に凹凸係合する。この状態で、コンテナ本体10Aの他端部を下げると、その他端側においてもコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合突部40,45が蓋体10Bの第1及び第2の係合凹部64,65に凹凸係合し、上段側のコンテナ本体10Aが水平姿勢になって蓋付きコンテナ10,10同士が段積みされた状態になる(
図28参照)。なお、コンテナ本体10Aのみをスライド移動により段積みした後に蓋体10Bを被せてもよいし、予め蓋体10Bを装着した状態のコンテナ本体10A(つまり、蓋付きコンテナ10)をスライドさせて段積みするようにしてもよい。
【0069】
蓋付きコンテナ10,10の段積状態では、上記した第1及び第2の係合突部40,45と第1及び第2の係合凹部64,65との凹凸係合の他、第1下面サイド突部14と第4乗越突部80とが係合すると共に、嵌合突部19が環状枠部62の内側に嵌合し、これらにより上下の蓋付きコンテナ10,10同士の横ずれが防がれる。
【0070】
段積状態の蓋付きコンテナ10,10の段ばらしも、コンテナ本体10A,10A同士の段ばらしと同様の作業により行われる。即ち、上段側の蓋付きコンテナ10を傾けて、第1下面サイド突部14における第2下面サイド突部15側の端部を、下段側の蓋付きコンテナ10の蓋体10Bの第4乗越突部80の角部上に乗せる(
図36参照)。そして、
図37に示すように上段側の蓋付きコンテナ10を水平姿勢に近づけるように倒し、手前に引くと、上段側のコンテナ本体10Aの第1及び第2の係合突部40,45が下段側の蓋付きコンテナ10の蓋体10Bの第1及び第2の係合凹部64,65から離脱する(
図33参照)。そして、第1下面サイド突部14が第4乗越突部80の傾斜リブ81に案内されてスムーズに第4乗越突部80から降下し、そのまま上段側の蓋付きコンテナ10を手間に引いて持ち上げることができる。
【0071】
このように本実施形態の蓋付きコンテナ10によれば、蓋体10Bに、上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19とその両側の1対の第1下面サイド突部14,14との間に挟まれて係合する蓋用レール部67が設けられているので、上段側のコンテナ本体10Aが蓋体10Bの蓋用レール部67に案内され、蓋付きコンテナ10,10同士のスライドスタック操作が可能となる。
【0072】
また、コンテナ本体10Aに設けられた第1乗越突部50と同様に、上段側のコンテナ本体10Aの第1下面サイド突部14を上方に案内する第4乗越突部80が蓋体10Bに設けられているため、コンテナ本体10A,10A同士を段積みするときと同様に、蓋付きコンテナ10,10同士を段積みするときも、上段側の蓋付きコンテナ10を逐一持ち上げることなく段積みすることができ、効率良く蓋付きコンテナ10,10同士の段積み作業を行うことが可能となる。
【0073】
なお、
図38に示すように本発明の蓋付きコンテナ10Vは、蓋体10Bが、蓋用レール部67がコンテナ本体10Aのレール部33に肉接するように構成されていてもよいが、この場合、蓋用レール部67と上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19及び第1下面サイド突部14,14との間に生じるクリランスと、コンテナ本体10A同士を段積みするときに下段側のコンテナ本体10Aのレール部33と上段側のコンテナ本体10Aの嵌合突部19及び第1下面サイド突部14,14との間に生じるクリランスと、の差が大きくなる。このため、例えば、コンテナ本体10A同士を段積みするときに係合しやすいクリアランスとなるようにコンテナ本体10Aの嵌合突部19と第1下面サイド突部14とを設計すると、蓋付きコンテナ10V,10V同士を段積みするときに、十分なクリアランスがとれず、スライドスタック操作を行うときに不具合が生じると考えられる。
【0074】
しかしながら、本実施形態では、蓋体10Bの蓋用レール部67がコンテナ本体10Aのレール部33の上面に当接する主板60から上方に突出していて、レール部33の幅と蓋用レール部67の幅との差を小さくすることができるので、上述したような問題が防がれる。
【0075】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0076】
(1)上記実施形態では、コンテナ本体10Aの上面に凹状の第1及び第2の係合凹部24,25が形成される一方、コンテナ本体10Aの下面に突状の第1及び第2の係合突部40,45が形成されていたが、それらを逆にして、コンテナ本体10Aの上面に突状の凹凸係合部を設ける一方、コンテナ本体10Aの下面に凹状の凹凸係合部を設けてもよい。
【0077】
(2)上記実施形態では、コンテナ本体10Aが折り畳み可能な蓋付きコンテナ10に本発明を適用した例を示したが、コンテナ本体が折り畳み不可能なコンテナに本発明を適用してもよい。
【0078】
(3)上記実施形態では、第1側壁30の外側に乗越係合部としての第1乗越突部50が設けられていたが、例えば、第1側壁30の内側に乗越係合部を設けると共に、コンテナ本体10Aの下面における嵌合突部19の一部に乗越係合部が受容される凹部を設けて、嵌合突部19がスライド係合部として乗越係合部を乗り越える構成にしてもよい。
【0079】
(4)上記実施形態では、レール部33又は蓋用レール部67が、第1下面サイド突部14と嵌合突部19との間に挟まれる構成であったが、コンテナ本体10Aが嵌合突部19を有さず、1対のレール部33,33又は1対の蓋用レール部67,67が1対の第1下面サイド突部14,14に挟まれる構成であってもよい。