特許第6588390号(P6588390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上越電子工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000002
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000003
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000004
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000005
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000006
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000007
  • 特許6588390-携帯ゲーム機用カバー 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588390
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】携帯ゲーム機用カバー
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/98 20140101AFI20191001BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20191001BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   A63F13/98
   A63F13/24
   G06F3/041
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-112892(P2016-112892)
(22)【出願日】2016年6月6日
(65)【公開番号】特開2017-217157(P2017-217157A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2018年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】310013196
【氏名又は名称】上越電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】藤川 英希
【審査官】 松下 公一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−024738(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3190901(JP,U)
【文献】 特開2016−058820(JP,A)
【文献】 特開2010−108464(JP,A)
【文献】 特開2014−052666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − A63F 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面モニタに静電容量型の接触式入力デバイスを備えた携帯ゲーム機に着用する携帯ゲーム機用カバーであって、
前記接触式入力デバイスの左右上部の感知領域と接触する導電部材と、
前記導電部材と導通する操作ボタン部と、を有し、
前記導電部材が前記左右上部のそれぞれの感知領域と常時接触した状態で前記前面モニタの左右上部の角に設けられるとともに、前記操作ボタン部が前面の左右上側で且つ前記前面モニタを遮らない位置に設けられ、さらに前記操作ボタン部の押下方向が前記前面モニタに対して水平方向であり、
前記操作ボタン部の操作により前記導電部材と前記操作ボタン部とが導通することで、前記感知領域に対する入力操作を行うことを特徴とする携帯ゲーム機用カバー。
【請求項2】
前記操作ボタン部と、前記操作ボタン部と導通し前記導電部材と接触する接触面と、前記操作ボタン部と前記接触面とを有する本体部と、が導電性を有する部材で一体的に成形され、
前記本体部の内側の一端側は回転軸により回動可能に軸支されるとともに、弾性部材によって前記操作ボタン部を押し上げる方向に付勢されることを特徴とする請求項に記載の携帯ゲーム機用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面モニタに静電容量型の接触式入力デバイスを備えた携帯ゲーム機に着用する携帯ゲーム機用カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイと操作コントローラとを一体的に備えた携帯型ゲーム機は、各社から多数商品化され広く一般に普及している。この携帯型ゲーム機は据置型ゲーム機とは異なり持ち運びが可能なため、移動中や外出先の余暇時間にゲームを楽しむことができる。また、複数のプレーヤが集まって対戦プレイやマルチプレイを行うことができる。このような携帯型ゲーム機の一つとしてプレイステーションVita(登録商標)がある。
【0003】
このプレイステーションVitaは、据置型ゲーム機であるプレイステーション(登録商標)の移植版ソフトを購入してプレイしたり、プレイステーション4(登録商標)と無線接続してプレイステーション4のソフトをプレイしたりすることができる。尚、据置型ゲーム機のプレイステーション、プレイステーション4のコントローラには前面の左右にL1ボタン、L2ボタン、R1ボタン、R2ボタンの4つの操作ボタンを有しており、プレイするソフトによってはこれらのボタン操作が必要となる。そして、プレイステーションVitaでは、本体上部の左右に設置された左ボタンLと右ボタンRが据置型ゲーム機のL1ボタン、R1ボタンとそれぞれ対応する。しかしながら、L2ボタン、R2ボタンに対応するボタンは設置されておらず、替わりに背面に設置された静電容量型の接触式入力デバイスの右上部、左上部にL2ボタン、R2ボタンと対応するLボタン感知領域、Rボタン感知領域を割り当て、このLボタン感知領域、Rボタン感知領域へのタッチ操作によりL2ボタン、R2ボタンに対する入力操作を行う。
【0004】
しかしながら、接触式入力デバイスへのタッチ操作は、従来の押しボタン操作とは操作感覚が大きく異なり、ユーザは違和感を覚え入力操作にストレスを感じるという問題点がある。この問題点に対し、本願発明者らは背面カバー部に操作ボタン部を有し、この操作ボタン部を介して接触式入力デバイスのLボタン感知領域、Rボタン感知領域への入力操作を行う下記[特許文献1]に記載の考案を行った。これにより、ユーザは従来と同様のボタン操作にて入力操作を行うことが可能となり、ストレスなくゲーム等をプレイすることが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3190901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[特許文献1]に記載の考案により、背面の接触式入力デバイスのLボタン感知領域、Rボタン感知領域に対する押しボタン操作が可能となった。しかしながら、例えばプレイステーションVitaは前面モニタにも静電容量型の接触式入力デバイスを有しており、ソフトによってはこの前面モニタの接触式入力デバイスを使用して操作を行う場合がある。そして、この前面モニタへのタッチ操作も背面のタッチ操作と同様に従来の押しボタン操作とは操作感覚が大きく異なり、ユーザは入力操作にストレスを感じるという問題点がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、携帯ゲーム機の前面モニタの接触式入力デバイスへの入力操作をボタン操作によりストレスなく行うことができる携帯ゲーム機用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
(1)前面モニタDに静電容量型の接触式入力デバイス12を備えた携帯ゲーム機10に着用する携帯ゲーム機用カバーであって、
前記接触式入力デバイス12の左右上部の感知領域Aと接触する導電部材44bと、前記導電部材44bと導通する操作ボタン部42と、を有し、
前記導電部材44bが前記左右上部のそれぞれの感知領域Aと常時接触した状態で前記前面モニタDの左右上部の角に設けられるとともに、前記操作ボタン部42が前面の左右上側で且つ前記前面モニタDを遮らない位置に設けられ、さらに前記操作ボタン部42の押下方向が前記前面モニタDに対して水平方向であり、
前記操作ボタン部42の操作により前記導電部材44bと前記操作ボタン部42とが導通することで、前記感知領域Aに対する入力操作を行うことを特徴とする携帯ゲーム機用カバー80を提供することにより、上記課題を解決する。
)前記操作ボタン部42と、前記操作ボタン部42と導通し前記導電部材44bと接触する接触面64aと、前記操作ボタン部42と前記接触面64aとを有する本体部50cと、が導電性を有する部材で一体的に成形され、
前記本体部50cの内側の一端側は回転軸60により回動可能に軸支されるとともに、弾性部材52によって前記操作ボタン部42を押し上げる方向に付勢されることを特徴とする上記()に記載の携帯ゲーム機用カバー80を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば携帯ゲーム機の前面モニタの接触式入力デバイスへの入力操作を携帯ゲーム機用カバーに設けられた操作ボタン機構を介して行うことができる。このため、ユーザはゲーム等をストレスなくプレイすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る携帯ゲーム機用カバーの例を示す図である。
図2第1の操作ボタン機構を説明する図である。
図3第2の操作ボタン機構を説明する図である。
図4】本発明に係る操作ボタン機構を説明する図である。
図5第4の操作ボタン機構を説明する図である。
図6】操作ボタン機構を8つ備えた本発明に係る携帯ゲーム機用カバーを示す図である。
図7】本発明に好適な携帯ゲーム機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る携帯ゲーム機用カバー80の実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、本発明に係る携帯ゲーム機用カバー80はプレイステーションVitaに好適なものであるが、前面モニタに接触式入力デバイスを備えた携帯ゲーム機10であれば適用が可能である。
【0012】
先ず、本発明に好適な携帯ゲーム機10の構成を、図7を用いて説明する。本発明に好適な携帯ゲーム機10は、図7に示すように、前面に静電容量型の接触式入力デバイス12を備えた前面モニタDと、十字キー、ジョイステック、プッシュスイッチ等の各種操作手段Pと、スピーカ孔SPと、前面カメラCと、を有している。また、携帯ゲーム機10の上側面、下側面には、図示しない操作手段と、メモリカード等を挿入するカードスロット孔と、マイク、ヘッドホン、及び各種接続ケーブル等を接続する接続端子と、を有している。さらに、携帯ゲーム機10の上側面の左右には左ボタンL、右ボタンRを有している。
【0013】
次に、本発明に係る携帯ゲーム機用カバー80を図1を用いて説明する。ここで、図1(a)は、本発明に係る携帯ゲーム機用カバー80の前面カバー部20を示す図である。また、図1(b)は、携帯ゲーム機用カバー80の側面を示す概略図である。
【0014】
図1(a)に示す携帯ゲーム機用カバー80の前面カバー部20は、携帯ゲーム機10の前面モニタDを露出させるディスプレイ開口部22aと、携帯ゲーム機10の前面モニタDの接触式入力デバイス12の特定の感知領域を反応させる操作ボタン機構40と、各操作手段P、スピーカ孔SP、前面カメラC等を露出させるデバイス開口部22bと、を有している。また、前面カバー部20の上部には携帯ゲーム機10の上側面に設置された操作手段、カードスロット孔、接続端子、左ボタンL、右ボタンR等を露出させる上面開口部22cを有しており、前面カバー部20の下部には携帯ゲーム機10の下側面に設置された操作手段、カードスロット孔、接続端子等を露出させる下面開口部22dを有している。尚、図1では操作ボタン機構40を左右二つ設けた例を示している
【0015】
また、携帯ゲーム機用カバー80は図1(b)に示すように背面カバー部30を備えており、この背面カバー部30は携帯ゲーム機10の背面側の各種デバイスを露出させる図示しないデバイス開口部を備えている。尚、背面カバー部30は[特許文献1]に記載した背面側の接触式入力デバイスへの操作ボタン部を備えていても良い。そして、この前面カバー部20と背面カバー部30とは例えばヒンジ部24aによって開閉可能に係合しており、携帯ゲーム機10を収容した状態で前面カバー部20と背面カバー部30とを閉じフック24b等で係止することで携帯ゲーム機10に着用する。このとき、携帯ゲーム機10の前面モニタDはディスプレイ開口部22aを通して露出する。また、携帯ゲーム機10の各操作手段P、カードスロット孔、接続端子、左ボタンL、右ボタンR、カメラC1、C2、スピーカ孔SP等は、各開口部22a〜22d等を通して露出する。また、携帯ゲーム機10の背面側の各種デバイスも背面カバー部30の図示しないデバイス開口部を通して露出する。これにより、ユーザによる携帯ゲーム機10の各種操作、メモリカードの出し入れ、各種ケーブルの接続等を可能とする。
【0016】
次に、作ボタン機構40a〜40dの構成を図2図5を用いて説明する。尚、ここで示す第1操作ボタン機構40a及び本発明に係る操作ボタン機構40cは、操作ボタン部42を携帯ゲーム機10の前面モニタDに対して水平に押下する構成例を示すものであり、第2操作ボタン機構40b及び第4操作ボタン機構40dは、操作ボタン部42を携帯ゲーム機10の前面モニタDに対して垂直に押下する構成例を示すものである。
【0017】
先ず、操作ボタン機構40aの構成を図2を用いて説明する。ここで、図2は、第1操作ボタン機構40aの内部構造の一例を示した図である。図2に示す操作ボタン機構40aは、この操作ボタン機構40aに対する操作により接触式入力デバイス12の特定の位置の感知領域Aと接触する導電部材44aと、この導電部材44aと常時導通した操作ボタン部42と、を有している。そして、導電部材44aと操作ボタン部42とは本体部50aに固定されるとともに、本体部50aの一端側は回転軸60により回動可能に軸支される。また、本体部50aはバネ等の弾性部材52によって操作ボタン部42を押し上げる方向に付勢される。尚、操作ボタン部42と本体部50aとは導電性プラスチック等で一体的に成形しても良い。
【0018】
次に、第1操作ボタン機構40aの動作を説明する。先ず、ユーザが操作ボタン部42を押下しない通常状態では、操作ボタン部42は弾性部材52によって図2(a)に示す待機位置に保持される。このとき、導電部材44aは接触式入力デバイス12の感知領域Aとは非接触の位置にある。次に、ユーザが操作ボタン部42を押下すると、操作ボタン部42と導電部材44aとがユーザ電位になると同時に、本体部50aが回転軸60を軸に下方に回動する。これにより、導電部材44aも回動し前面モニタD上を滑りながら移動して、図2(b)に示すように感知領域Aと接触する。これにより、感知領域Aはユーザ電位の導電部材44aが接触したことによる電位の変化を携帯ゲーム機10の制御部に出力する。携帯ゲーム機10の制御部は、この感知領域Aの電位の変化を受けて感知領域Aに対する入力操作が行われたことを認識し、この入力操作に応じた処理を行う。
【0019】
次に、操作ボタン機構40bの構成を図3を用いて説明する。ここで、図3は、第2操作ボタン機構40bの内部構造の一例を上側から示した図である。図3に示す操作ボタン機構40bは、この操作ボタン機構40bに対する操作により接触式入力デバイス12の特定の位置の感知領域Aと接触する導電部材44aと、この導電部材44aと常時導通した操作ボタン部42と、を有している。また、操作ボタン機構40bの導電部材44aは、前面モニタDに近い接触側と前面モニタDから遠い固定側との2段構造を有しており、導電部材44aの固定側が操作ボタン部42と接触することで両者は導通する。また、操作ボタン部42は底側に摺動軸62aを有しており、この摺動軸62aは本体部50b側の摺動孔62bに可動な状態で挿入する。そして、操作ボタン部42はバネ等の弾性部材52によって操作ボタン部42を押し上げる方向に付勢される。
【0020】
次に、第2操作ボタン機構40bの動作を説明する。先ず、ユーザが操作ボタン部42を押下しない通常状態では、操作ボタン部42は弾性部材52によって図3(a)に示す待機位置に保持される。このとき、導電部材44aは接触式入力デバイス12の感知領域Aとは非接触の位置にある。次に、ユーザが操作ボタン部42を押下すると、操作ボタン部42と導電部材44aとがユーザ電位になると同時に、操作ボタン部42が摺動軸62a、摺動孔62bに沿って本体部50b側に移動する。これにより、導電部材44aも移動し、図3(b)に示すように感知領域Aと導電部材44aとが接触する。これにより、感知領域Aはユーザ電位の導電部材44aが接触したことによる電位の変化を携帯ゲーム機10の制御部に出力する。携帯ゲーム機10の制御部は、この感知領域Aの電位の変化を受けて感知領域Aに対する入力操作が行われたことを認識し、この入力操作に応じた処理を行う。
【0021】
次に、本発明に係る操作ボタン機構40cの構成を図4を用いて説明する。ここで、図4は、本発明に係る操作ボタン機構40cの内部構造の一例を示した図である。図4に示す本発明に係る操作ボタン機構40cは、前面モニタD上に貼着等で固定され接触式入力デバイス12の特定の感知領域Aと常時接触した導電部材44bと、操作ボタン機構40cに対する操作により導電部材44bと導通する操作ボタン部42と、を有している。そして、操作ボタン部42は本体部50cに固定されるとともに、本体部50cの所定の位置には操作ボタン部42と導通した接触面64aが設けられる。また、導電部材44bの所定の位置には接触面64aと対応する接触面64bが設けられる。さらに、本体部50cの一端側は回転軸60により回動可能に軸支されるとともに、バネ等の弾性部材52によって操作ボタン部42を押し上げる方向に付勢される。尚、操作ボタン部42と本体部50cと接触面64aとは導電性プラスチック等で一体的に成形しても良い。
【0022】
次に、本発明に係る操作ボタン機構40cの動作を説明する。先ず、ユーザが操作ボタン部42を押下しない通常状態では、操作ボタン部42は弾性部材52によって図4(a)に示す待機位置に保持される。このとき、接触面64a、64bは離れた位置にあり、操作ボタン部42と導電部材44bとは絶縁状態にある。次に、ユーザが操作ボタン部42を押下すると、操作ボタン部42及び接触面64aがユーザ電位になると同時に、本体部50aが回転軸60を軸に下方に回動する。これにより、図4(b)に示すように、本体部50aの接触面64aが導電部材44b側の接触面64bと接触する。これにより、操作ボタン部42と導電部材44bとが接触面64a、64bを介して導通し、導電部材44bはユーザ電位となる。感知領域Aは導電部材44bのユーザ電位への変化を携帯ゲーム機10の制御部に出力する。携帯ゲーム機10の制御部は、この感知領域Aの電位の変化を受けて感知領域Aに対する入力操作が行われたことを認識し、この入力操作に応じた処理を行う。
【0023】
次に、操作ボタン機構40dの構成を図5を用いて説明する。ここで、図5は、第4操作ボタン機構40dの内部構造の一例を上側から示した図である。図5に示す操作ボタン機構40dは、前面モニタD上に貼着等で固定され接触式入力デバイス12の特定の感知領域Aと常時接触した導電部材44bと、操作ボタン機構40dに対する操作により導電部材44bと導通する操作ボタン部42と、を有している。また、操作ボタン機構40dの導電部材44bは、感知領域Aと接触した接触部と操作ボタン部42側に延びた接触面64bとを有している。また、操作ボタン部42は底側に摺動軸62aを有しており、この摺動軸62aの端面は操作ボタン部42と導通した接触面64aとなっている。さらに、操作ボタン部42を保持する本体部50dは摺動孔62bを有しており、この摺動孔62bの底には導電部材44bの接触面64bが位置している。そして、摺動軸62aは本体部50dの摺動孔62bに可動な状態で挿入するとともに、操作ボタン部42はバネ等の弾性部材52によって操作ボタン部42を押し上げる方向に付勢される。尚、操作ボタン部42と摺動軸62a、接触面64aとは導電性プラスチック等で一体的に成形しても良い。
【0024】
次に、第4操作ボタン機構40dの動作を説明する。先ず、ユーザが操作ボタン部42を押下しない通常状態では、操作ボタン部42は弾性部材52によって図5(a)に示す待機位置に保持される。このとき、接触面64a、64bは離れた位置にあり、操作ボタン部42と導電部材44bとは絶縁状態にある。次に、ユーザが操作ボタン部42を押下すると、操作ボタン部42、摺動軸62a、接触面64aがユーザ電位になると同時に、操作ボタン部42が摺動軸62a、摺動孔62bに沿って本体部50dの側に移動する。これにより、図5(b)に示すように、摺動軸62aの接触面64aが導電部材44bの接触面64bと接触する。これにより、操作ボタン部42と導電部材44bとが接触面64a、64bを介して導通し、導電部材44bはユーザ電位となる。感知領域Aは導電部材44bのユーザ電位への変化を携帯ゲーム機10の制御部に出力する。携帯ゲーム機10の制御部は、この感知領域Aの電位の変化を受けて感知領域Aに対する入力操作が行われたことを認識し、この入力操作に応じた処理を行う。
【0025】
尚、操作ボタン部42としては導電性ゴム、導電性プラスチック、導電被膜をコートした部材等、導電性を有していれば如何なるものを用いても良い。また、導電部材44a、44bとしては、導電フィルム、導電シート、導電ゴム、導電性シリコンゴム、導電性プラスチック、金属板等、導電性を有していれば如何なるものを用いても良い。尚、導電部材44a、44bは前面モニタDの表示を遮蔽しないよう透明もしくは半透明の部材を用いることが好ましいが、前面モニタDの表示への影響が軽微であれば不透明な部材を用いても良い。特に、第1操作ボタン機構40aでは、操作ボタン部42の操作時のみ導電部材44aが前面モニタD側に移動するため、導電部材44aに不透明な部材を用いることで感知領域Aへの入力をユーザ自身が視認することができる。
【0026】
尚、本発明に係る操作ボタン機構40は、図6に示すようにいくつ設けても良い。ここで、図6では前面モニタD(接触式入力デバイス12)の4隅、左右中央、上下中央の8か所の感知領域Aにそれぞれ操作ボタン機構40を設けた例を示している。
【0027】
以上のように、本発明によれば携帯ゲーム機10の前面モニタD(接触式入力デバイス12)の特定の感知領域Aへの入力操作を携帯ゲーム機用カバー80に設けられた操作ボタン機構40を介して行うことができる。このため、ユーザは携帯ゲーム機10の前面モニタD(接触式入力デバイス12)に対する入力操作をボタン操作で行うことが可能となり、ゲーム等をストレスなくプレイすることができる。
【0028】
尚、上記に示した携帯ゲーム機用カバー80の形状、寸法、デザイン、機構等は一例であるから、これに限定されるわけではない。また、操作ボタン機構40の形状、寸法、デザイン、動作機構等も操作ボタン機構40の構成に限定される訳ではなく、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0029】
10 携帯ゲーム機
12 接触式入力デバイス
42 操作ボタン部
44a、44b 導電部材
80 携帯ゲーム機用カバー
A 感知領域
D 前面モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7