特許第6588453号(P6588453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日鐵住金株式会社の特許一覧 ▶ バローレック・オイル・アンド・ガス・フランスの特許一覧

<>
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000003
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000004
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000005
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000006
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000007
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000008
  • 特許6588453-鋼管用ねじ継手 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588453
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】鋼管用ねじ継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 15/04 20060101AFI20191001BHJP
   E21B 17/042 20060101ALI20191001BHJP
   F16L 15/00 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   F16L15/04 A
   E21B17/042
   F16L15/00
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-552827(P2016-552827)
(86)(22)【出願日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】JP2015005063
(87)【国際公開番号】WO2016056222
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2017年3月3日
【審判番号】不服2018-12982(P2018-12982/J1)
【審判請求日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】特願2014-205899(P2014-205899)
(32)【優先日】2014年10月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】595099867
【氏名又は名称】バローレック・オイル・アンド・ガス・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】杉野 正明
(72)【発明者】
【氏名】西川 幸弘
【合議体】
【審判長】 紀本 孝
【審判官】 平城 俊雅
【審判官】 槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520981(JP,A)
【文献】 特表2013−511672(JP,A)
【文献】 特表2004−504563(JP,A)
【文献】 特表2009−505003(JP,A)
【文献】 特表2013−536339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 15/00-15/04
E21B 17/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状のピンと、管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスが締結される鋼管用ねじ継手であって、
前記ボックスの外径が前記ピンの管本体の外径の104%未満であり、
前記ボックスは、先端から管本体に向けて順に、ショルダー面及びテーパ状のシール面を含むリップ部と、テーパねじの雌ねじ部と、を備え、
前記ピンは、締結が完了した状態で前記ボックスの前記ショルダー面に接触するショルダー面と、締結が完了した状態で前記ボックスの前記シール面に接触するシール面と、締結が完了した状態で前記雌ねじ部に嵌まり合うテーパねじの雄ねじ部と、を備え、
前記ボックス及び前記ピンそれぞれの前記ショルダー面は、管軸に対し垂直な面から前記ピンのねじ込み進行方向に傾倒し、
前記ボックスの前記リップ部は、前記ショルダー面と前記シール面との間に配置され、内周面が管軸方向に平行なノーズ部と、前記シール面と前記雌ねじ部との間に配置された環状部と、を有し、
前記ノーズ部と前記環状部は、それぞれ締結が完了した状態で前記ピンに接触してなく、
前記環状部の管軸方向の長さが前記雌ねじ部のねじピッチよりも長
前記ピンは、先端部に補助シール面を備え、
前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記補助シール面に接触する補助シール面を備える、鋼管用ねじ継手。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ノーズ部の管軸方向の長さは、前記ノーズ部の肉厚の0.5〜3.5倍である、鋼管用ねじ継手。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンは、先端に補助ショルダー面を備え、
前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記補助ショルダー面に接触する補助ショルダー面を備える、鋼管用ねじ継手。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンの前記雄ねじ部と前記ボックスの前記雌ねじ部は、管軸に沿って2つに分割されて成る2段ねじである、鋼管用ねじ継手。
【請求項5】
請求項4に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンは、1段目の雄ねじ部と2段目の雄ねじ部との間に中間シール面を備え、
前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記中間シール面に接触する中間シール面を備える、鋼管用ねじ継手。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンは、1段目の雄ねじ部と2段目の雄ねじ部との間に中間ショルダー面を備え、
前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記中間ショルダー面に接触する中間ショルダー面を備える、鋼管用ねじ継手。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ボックスの前記ノーズ部及び前記シール面の領域における周方向の引張降伏強度が、前記ボックスの管本体の領域における引張降伏強度の105%以上である、鋼管用ねじ継手。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
管軸に沿った縦断面において、前記ボックス及び前記ピンそれぞれの前記シール面の形状は、直線、円弧、楕円弧及び2次曲線のうちのいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせである、鋼管用ねじ継手。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンの管本体の外径が170mm以上である、鋼管用ねじ継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管の連結に用いられるねじ継手に関する。
【背景技術】
【0002】
油井、天然ガス井等(以下、総称して「油井」ともいう)においては、地下資源を採掘するために油井管(OCTG:Oil Country Tubular Goods)と呼ばれる鋼管が使用される。鋼管は順次連結され、その連結にねじ継手が用いられる。
【0003】
鋼管用ねじ継手の形式は、カップリング型とインテグラル型に大別される。カップリング型の場合、連結対象の一対の管材のうち、一方の管材が鋼管であり、他方の管材がカップリングである。この場合、鋼管の両端部の外周に雄ねじ部が形成され、カップリングの両端部の内周に雌ねじ部が形成される。そして、鋼管とカップリングとが連結される。インテグラル型の場合、連結対象の一対の管材がともに鋼管であり、別個のカップリングを用いない。この場合、鋼管の一端部の外周に雄ねじ部が形成され、他端部の内周に雌ねじ部が形成される。そして、一方の鋼管と他方の鋼管とが連結される。
【0004】
また、鋼管用ねじ継手の形式は、継手部の外径によって、フラッシュ型、セミフラッシュ型、スリム型等に分類されることもある。スリム型は、危険断面の断面積が管本体とほぼ同等であるカップリング(以下、「標準カップリング」ともいう)を指標にして定められる。具体的には、スリム型は、継手部の最大外径が標準カップリングの外径よりも小さいねじ継手のことを指す。フラッシュ型及びセミフラッシュ型は、管本体を指標にして定められる。具体的には、フラッシュ型は、継手部の最大外径が管本体の外径とほぼ同等であるねじ継手を指す。セミフラッシュ型は、継手部の最大外径がフラッシュ型とスリム型の中間であるねじ継手を指す。要するに、継手部の最大外径が小さいものから順に、フラッシュ型、セミフラッシュ型、及びスリム型となる。
【0005】
ここでいう危険断面とは、ねじ部の噛み合い領域の端部であって、引張荷重を負担する断面積が最小となる位置の断面を指す。危険断面の位置及びその断面積は、ねじ継手の引張強度を決定するための要素である。フラッシュ型、セミフラッシュ型、及びスリム型を明確に区分する定義はない。しかし、現在流通している鋼管用ねじ継手では、概ね、継手部の最大外径が管本体の104%程度までをフラッシュ型又はセミフラッシュ型と称し、継手部の最大外径が管本体の108%程度までをスリム型と称する。
【0006】
一般に、雄ねじ部が形成された管端部の継手部分は、雌ねじ部に挿入される要素を含むことから、ピンと称される。一方、雌ねじ部が形成された管端部の継手部分は、雄ねじ部を受け入れる要素を含むことから、ボックスと称される。これらのピンとボックスは、管材の端部であるため、いずれも管状である。
【0007】
使用環境において、鋼管用ねじ継手は、外部と内部に存在する流体(例:ガス、液体)から高い圧力を受ける。以下、外部からの圧力を外圧ともいい、内部からの圧力を内圧ともいう。このような状況から、鋼管用ねじ継手には、外圧及び内圧に対し、高い密封性能が要求される。
【0008】
鋼管用ねじ継手は、ピンの雄ねじ部とボックスの雌ねじ部とから構成されるねじとして、テーパねじを採用する。テーパねじを採用したねじ継手では、ピンの雄ねじ部とボックスの雌ねじ部とが嵌まり合って密着する。これによりねじシールが形成される。更に、ねじシールによる密封性能を補強するために、ねじシールとは別個に、外シールが設置されたり、内シールが設置されたりする。
【0009】
外シールは、ボックスの先端部の内周に形成されたシール面と、これに対応してピンの外周に形成されたシール面とから構成される。これらのシール面が互いに干渉して高い面圧で接触することにより、外シールが形成される。この外シールは、主として、外部の流体がねじシールの領域に不用意に浸入するのを防止する役割を担い、外圧に対する密封性能の確保に寄与する。
【0010】
内シールは、ピンの先端部の外周に形成されたシール面と、これに対応してボックスの内周に形成されたシール面とから構成される。これらのシール面が互いに干渉して高い面圧で接触することにより、内シールが形成される。この内シールは、主として、内部の流体がねじシールの領域に不用意に浸入するのを防止する役割を担い、内圧に対する密封性能の確保に寄与する。
【0011】
通常、外シールの領域においては、ボックスの肉厚はピンの肉厚よりも薄い。このため、ねじ継手に高い内圧が負荷されてねじ継手全体が径方向に膨らんだ場合、ボックスの外シール領域は容易に拡径し塑性変形する。この場合、内圧が除荷されても、ボックスの外シール領域は拡径したままであるため、外シールのシール面同士の接触面圧が著しく低下する。この状態で、ねじ継手に高い外圧が負荷されると、外シールのシール面同士が容易に離れる。すると、外部の流体が外シールを越えてねじシールの領域に浸入し、終にはねじ継手の内部に浸入する。この不具合は、外圧リークと称される。
【0012】
従来より、外シールの密封性能を確保する技術が様々提案されている。例えば、米国特許第7,506,900号明細書(特許文献1)、欧州特許出願公開第2325435号明細書(特許文献2)、国際公開第2009/083523号(特許文献3)、国際公開第2011/044690号(特許文献4)、米国特許出願公開第2010/181763号明細書(特許文献5)及び米国特許出願公開第2008/265575号明細書(特許文献6)は、外シールでの接触面圧を増幅させる技術を開示する。
【0013】
上記特許文献1及び2の技術では、ボックスの先端部にノーズ部が設けられる。このノーズ部は、外シールのシール面の先端側から管軸方向に延び出し、ピンに接触しない。このようなノーズ部自身の剛性により、外シール領域の変形抵抗が高まる。その結果、ボックスの外シール領域において、拡径の塑性変形が抑制され、シール面同士の接触面圧が確保される。
【0014】
上記特許文献3〜5の技術では、ボックスの先端にショルダー面が設けられる。ピンには、ボックスのショルダー面に対応するショルダー面が設けられる。それらのボックス及びピンのショルダー面は、ピンのねじ込みに伴って互いに接触して押し付けられ、ピンのねじ込みを制限するストッパの役割を担う。更にピン及びボックスのショルダー面は、締結が完了した状態では、ピンの雄ねじ部及びボックスの雌ねじ部それぞれの荷重フランク面に、いわゆるねじの締め付け軸力を付与する役割を担う。ボックス及びピンそれぞれのショルダー面は、管軸に対し垂直な面からピンのねじ込み進行方向に傾倒しており、フック状の形態で押圧接触する。このようにショルダー面同士がフック状の形態で押圧接触することにより、ボックスの外シール領域は、縮径する方向に反力を受ける。その結果、ボックスの外シール領域において、拡径の塑性変形が抑制され、シール面同士の接触面圧が確保される。
【0015】
上記特許文献6の技術では、上記特許文献1及び2の技術(すなわちボックスの先端部にノーズ部を設ける技術)及び上記特許文献3〜5の技術(すなわちボックスの先端にフック状の形態でピンと押圧接触するショルダー面を設ける技術)の両方が採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第7,506,900号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2325435号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/083523号
【特許文献4】国際公開第2011/044690号
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/181763号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2008/265575号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記特許文献1〜6の技術は、カップリング型のねじ継手、スリム型であっても小径鋼管に用いられるねじ継手等のように、ボックスの肉厚がピンの肉厚に対して厚いねじ継手の場合、その効果を有効に発揮する。しかし、大径鋼管に多用されるフラッシュ型、セミフラッシュ型、又はスリム型のねじ継手のように、ボックスの外径の拡大が制限され、ボックスの外径がピンの外径と同程度のねじ継手の場合、上記特許文献1〜6の技術による効果の発現が不十分になり、外圧リークを防止することができない。ボックスの肉厚がピンの肉厚に対して著しく薄くなり、これに追従して、ボックス先端部のノーズ部の肉厚が薄くなり、また、ボックス先端のショルダー面の幅が狭くなるためである。
【0018】
本発明の目的は、下記の特性を有する鋼管用ねじ継手を提供することである:
外シールの密封性能を確実に確保すること。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施形態による鋼管用ねじ継手は、管状のピンと、管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスが締結される鋼管用ねじ継手であって、
前記ボックスの外径が前記ピンの管本体の外径の104%未満である。
前記ボックスは、先端から管本体に向けて順に、ショルダー面及びシール面を含むリップ部と、テーパねじの雌ねじ部と、を備える。
前記ピンは、締結が完了した状態で前記ボックスの前記ショルダー面に接触するショルダー面と、締結が完了した状態で前記ボックスの前記シール面に接触するシール面と、締結が完了した状態で前記雌ねじ部に嵌まり合うテーパねじの雄ねじ部と、を備える。
前記ボックス及び前記ピンそれぞれの前記ショルダー面は、管軸に対し垂直な面から前記ピンのねじ込み進行方向に傾倒する。
前記ボックスの前記リップ部は、前記ショルダー面と前記シール面との間に配置されたノーズ部と、前記シール面と前記雌ねじ部との間に配置された環状部と、を有する。
前記ノーズ部と前記環状部は、それぞれ締結が完了した状態で前記ピンに接触してなく、
前記環状部の管軸方向の長さが前記雌ねじ部のねじピッチよりも長い。
【0020】
上記のねじ継手において、前記ピンは、先端部に補助シール面を備え、前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記補助シール面に接触する補助シール面を備える構成とすることができる。
【0021】
上記のねじ継手において、前記ピンは、先端に補助ショルダー面を備え、前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記補助ショルダー面に接触する補助ショルダー面を備える構成とすることができる。
【0022】
上記のねじ継手において、前記ピンの前記雄ねじ部と前記ボックスの前記雌ねじ部は、管軸に沿って2つに分割されて成る2段ねじである構成とすることができる。このねじ継手の場合、前記ピンは、1段目の雄ねじ部と2段目の雄ねじ部との間に中間シール面を備え、前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記中間シール面に接触する中間シール面を備える構成とすることができる。また、前記ピンは、1段目の雄ねじ部と2段目の雄ねじ部との間に中間ショルダー面を備え、前記ボックスは、締結が完了した状態で前記ピンの前記中間ショルダー面に接触する中間ショルダー面を備える構成とすることができる。
【0023】
上記のねじ継手は、前記ボックスの前記ノーズ部及び前記シール面の領域における周方向の引張降伏強度が、前記ボックスの管本体の領域における引張降伏強度の105%以上である構成とすることが好ましい。
【0024】
上記のねじ継手は、管軸に沿った縦断面において、前記ボックス及び前記ピンそれぞれの前記シール面の形状は、直線、円弧、楕円弧及び2次曲線のうちのいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせである構成とすることができる。
【0025】
上記のねじ継手は、前記ピンの管本体の外径が170mm以上である構成とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の鋼管用ねじ継手は、下記の顕著な効果を有する:
外シールの密封性能を確実に確保できること。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の一実施形態による鋼管用ねじ継手を示す縦断面図である。
図2図2は、図1に示す鋼管用ねじ継手のボックス先端部を拡大した縦断面図である。
図3図3は、図1に示す鋼管用ねじ継手のねじ部の領域を拡大した縦断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による鋼管用ねじ継手に適用できるテーパねじの別例を示す縦断面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による鋼管用ねじ継手に適用できるテーパねじの更に別例を示す縦断面図である。
図6図6は、面接触によるシールの領域を模式的に示す縦断面図である。
図7図7は、図6と異なる形状のねじ継手の面接触によるシールの領域を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
上記のとおり、鋼管用ねじ継手においては、ボックスの外径の拡大が制限される。このため、ボックスの肉厚、特にその先端部の肉厚が自ずと薄くなる。ボックスの先端部にノーズ部を設けたねじ継手の場合、ボックス先端部の薄肉化に追従して、ノーズ部の肉厚が薄くなる。これにより、ノーズ部自身の剛性を十分に確保することができない。また、ボックスの先端にフック状の形態でピンと押圧接触するショルダー面を設けたねじ継手の場合、ボックス先端部の薄肉化に追従して、ショルダー面の幅が狭くなる。これにより、外シールの接触面圧を増幅するボックス先端のショルダー面の反力の半径方向成分が、限定的になる。したがって、いずれの場合も、外シールでの接触面圧の増幅効果が頭打ちとなる。
【0029】
そこで、本発明者らは、ボックス先端部の薄肉化を活用することを検討した。具体的には、本発明者らは、ねじ継手に高い外圧が負荷されたとき、ボックスの外シール領域をピンの外シール領域に押しつけることが可能になれば、外シールでの接触面圧を増幅できるのではないかと考えた。鋭意検討の結果、以下の構成が有効であることを見出した。
【0030】
ボックスの先端部の形態に関し、外シールのシール面の雌ねじ部側に隣接して環状の溝を形成する。この環状溝の形成によってシール面と雌ねじ部の間に肉厚の薄い環状部を造形する。環状部の管軸方向の長さはある程度長くする。この環状部の設置により、雌ねじ部から外シールのシール面までの距離が延長される。
【0031】
このような構成にすれば、ねじ継手に高い外圧が負荷されたとき、環状部及びこの環状部に連なる外シール領域が縮径するようになる。これにより、ボックスの外シール領域がピンの外シール領域に押しつけられ、外シールでの接触面圧を増幅させることができる。
【0032】
要するに、ボックスの先端部にノーズ部を設けるとともに、ボックスの先端にフック状の形態でピンと押圧接触するショルダー面を設ける。更に、ボックスの外シール領域と雌ねじ部との間に環状部を設ける。これらの相乗効果により、外シールでの接触面圧の増幅が著しく発現する。その結果、外シールの密封性能を確実に確保することが可能になる。
【0033】
本発明の鋼管用ねじ継手は、以上の知見に基づいて完成されたものである。以下に、本発明の鋼管用ねじ継手の実施形態を説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による鋼管用ねじ継手を示す縦断面図である。図2は、図1に示す鋼管用ねじ継手のボックス先端部を拡大した縦断面図である。図3は、図1に示す鋼管用ねじ継手のねじ部の領域を拡大した縦断面図である。図1図3に示すように、本実施形態のねじ継手は、インテグラル型のねじ継手であり、ピン10とボックス20とから構成される。もっとも、本実施形態のねじ継手は、カップリング型のねじ継手に適用することもできる。
【0035】
本実施形態のねじ継手は、ボックス20の先端部の肉厚が薄いものを対象とする。このため、ボックス20の外径は、ピン10の管本体の外径の100%を越え、104%未満である。また、本実施形態のねじ継手は、連結する鋼管のサイズは特に限定しないが、特に、ボックス20の先端部の肉厚が薄くなる大径鋼管の連結に好適である。大径鋼管とは、ピン10の管本外の外径が170mm以上であるものをいう。
【0036】
ボックス20は、ボックス20の先端から管本体に向けて順に、ショルダー面22及びシール面23を含むリップ部24と、雌ねじ部21と、を備える。リップ部24は、雌ねじ部21の先端側から管軸CL方向に延び出す。更に、リップ部は、ショルダー面22とシール面23との間に配置されたノーズ部25と、シール面23と雌ねじ部21との間に配置された環状部26と、を有する。環状部26には、雌ねじ部21は形成されない。
【0037】
環状部26は、雌ねじ部21の先端側から管軸CL方向に延び出し、シール面23につながる。この環状部26は、例えば、シール面23の雌ねじ部21側に隣接して環状の溝を形成することにより造形される。すなわち、図2に示すように、ボックス20の環状部26の内径は、シール面23の最小径、及び雌ねじ部21のねじ谷底面21bの最大径よりも大きい。
【0038】
ノーズ部25は、シール面23の先端側から管軸CL方向に延び出す。このノーズ部25の先端(リップ部24の先端及びボックス20の先端に相当)に、ショルダー面22が設けられる。
【0039】
ショルダー面22は、管軸CLに対し垂直な面からピン10のねじ込み進行方向(ピン10の先端に向けての方向)に傾倒した環状面である。言い換えると、ショルダー面22は、その外周側ほどピン10の先端側に向けて傾倒している。管軸CLに沿った縦断面において、ショルダー面22の形状は直線である。もっとも、管軸CLに沿った縦断面において、ショルダー面22の形状は、後述するピン10のショルダー面12の形状と一致することが必要である。この条件を満たす限り、ショルダー面22の形状は曲線であっても構わない。
【0040】
シール面23はテーパ状であり、リップ部24の内周に設けられる。シール面23は、先端側(ショルダー面22側)ほど直径が拡大した円錐台の周面に相当する面から成る形状、又はその円錐台の周面と、円弧等の曲線を管軸CL周りに回転して得られる回転体の周面に相当する面とを組み合わせた形状である。言い換えると、管軸CLに沿った縦断面において、シール面23の形状は、直線、円弧、楕円弧及び2次曲線のうちのいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせである。
【0041】
一方、ピン10は、管本体側から先端側に向けて順に、ショルダー面12と、シール面13と、雄ねじ部11と、を備える。これらのピン10のショルダー面12、シール面13及び雄ねじ部11は、それぞれ、ボックス20のショルダー面22、シール面23及び雌ねじ部21に対応して設けられる。
【0042】
ピン10の雄ねじ部11とボックス20の雌ねじ部21とは、テーパねじであり、互いに噛み合うねじ部を構成する。図3に示すように、ピン10の雄ねじ部11は、ねじ山頂面11a、ねじ谷底面11b、ねじ込みで先行する挿入フランク面11c、及びその挿入フランク面とは反対側の荷重フランク面11dを有する。一方、ボックス20の雌ねじ部21は、雄ねじ部11のねじ谷底面11bに対向するねじ山頂面21a、雄ねじ部11のねじ山頂面11aに対向するねじ谷底面21b、雄ねじ部11の挿入フランク面11cに対向する挿入フランク面21c、及び雄ねじ部11の荷重フランク面11dに対向する荷重フランク面21dを備える。本実施形態におけるテーパねじは、ダブテイル型のテーパねじである。したがって、荷重フランク面11d、21d及び挿入フランク面11c、21cはいずれも負のフランク角を有する。
【0043】
ピン10の雄ねじ部11とボックス20の雌ねじ部21とは、それぞれ互いのねじ込みを可能にする。締結が完了した状態では、雄ねじ部11のねじ谷底面11bと雌ねじ部21のねじ山頂面21aとが互いに密着した状態となり、荷重フランク面11d、21d同士も密着した状態になる。更に、締結が完了した状態では、雄ねじ部11のねじ山頂面11aと雌ねじ部21のねじ谷底面21bとの間、及び挿入フランク面11c、21c同士の間に隙間が形成され、これらの隙間に潤滑剤が充満する。これにより、ねじシールが形成される。シール面13、23は、ピン10のねじ込みに伴って互いに接触し、締結が完了した状態では互いに干渉して密着し、締まりばめの状態となる。これにより、面接触による外シールが形成される。ショルダー面12、22は、ピン10のねじ込みに伴って互いにフック状の形態で接触して押し付けられ、締結が完了した状態では、ピン10の雄ねじ部11の荷重フランク面11dに締め付け軸力を付与する。
【0044】
締結が完了した状態において、ボックス20のノーズ部25とピン10との間には隙間が形成され、ノーズ部25とピン10は接触しない。また、ボックス20の環状部26とピン10との間には隙間が形成され、環状部26とピン10は接触しない。
【0045】
このような構成の本実施形態の鋼管用ねじ継手では、ボックス20のノーズ部25自身の剛性により、このノーズ部25に連なるシール面23の領域(外シール領域)の変形抵抗が高まる。更に、ショルダー面12、22同士がフック状の形態で押圧接触しているので、ボックス20の外シール領域は、縮径する方向に反力を受ける。その結果、ボックス20の外シール領域において、拡径の塑性変形が抑制され、シール面13、23同士の接触面圧が増幅される。
【0046】
しかも、ねじ継手に高い外圧が負荷されたとき、ボックス20の環状部26及びこの環状部26に連なる外シール領域が縮径するようになる。これにより、外シール領域において、ボックス20のシール面23がピン10のシール面13に押しつけられ、シール面13、23同士の接触面圧を増幅させることができる。
【0047】
このように、外シールでの接触面圧の増幅効果が相乗して発現する。その結果、外シールの密封性能を確実に確保することが可能になり、外圧リークを防止することができる。
【0048】
なお、本実施形態のねじ継手は、補助的に内シールを備える。具体的には、図1に示すように、ピン10は、ピン10の先端部に補助シール面17を備える。ボックス20は、ピン10の補助シール面17に対応して補助シール面27を備える。補助シール面17、27は、ピン10のねじ込みに伴って互いに接触し、締結が完了した状態では互いに干渉して密着し、締まりばめの状態となる。これにより、面接触による内シールが形成される。
【0049】
以下に、主要な部位の好適な態様を説明する。
[ノーズ部]
ボックスのノーズ部の管軸方向の長さが短すぎると、ノーズ部自身の剛性が不十分になるため、外シールでの接触面圧の増幅効果が有効に発現しない。一方、ノーズ部の長さが長すぎると、延長した分の素材コストが上昇し、製造コストも上昇する。しかも、ショルダー面からシール面までの距離が長くなるため、フック状の形態で押圧接触するショルダー面からの反力が、外シール領域に有効に作用しなくなる。したがって、ノーズ部の長さは、ノーズ部の肉厚の0.5〜3.5倍とするのが好ましい。ノーズ部の長さのより好ましい下限は、ノーズ部の肉厚の1.5倍である。ノーズ部の長さのより好ましい上限は、ノーズ部の肉厚の3.0倍である。
【0050】
[シール面]
締結が完了した状態において、シール面同士の管軸方向の接触長さが短すぎると、密封性能が不十分になる。一方、シール面同士の接触長さが長すぎると、平均した接触面圧が低下し、かえって密封性能が不十分になる。したがって、シール面同士の接触長さは、0.5〜5mmとするのが好ましい。その接触長さのより好ましい下限は1mmである。その接触長さのより好ましい上限は3.5mmである。
【0051】
[ショルダー面]
ショルダー面のフック角(管軸に垂直な面からの傾斜角)が小さすぎると、フック状の形態で押圧接触するショルダー面からの反力が小さくなる。そのため、外シールでの接触面圧の増幅効果が有効に発現しない。一方、フック角が大きすぎると、ピンのショルダー面を含む領域の剛性が低下し、そのショルダー面領域が塑性変形し易くなるため、外シールにも悪影響がある。したがって、ショルダー面のフック角は、5〜25deg(°)とするのが好ましい。そのフック角のより好ましい下限は9degである。そのフック角のより好ましい上限は20degである。
【0052】
[環状部]
ボックスの環状部は、上記のとおり、外圧の負荷時にボックスの外シール領域を縮径させ、外シールでの接触面圧の増幅効果をもたらす。更に、ボックスの環状部は、その内部空間によって、雌ねじ部のねじ切り加工時に切削工具を逃がす役割を担う。
【0053】
環状部の管軸方向の長さが短すぎると、外シール領域の縮径が不十分となるばかりか、切削工具の逃げ代の確保も困難になる。したがって、環状部の長さは、雌ねじ部のねじピッチよりも長くする。より好ましい環状部の長さは、雌ねじ部のねじピッチの1.2倍以上である。一方、環状部の長さが長すぎると、延長した分の素材コストが上昇し、製造コストも上昇する。したがって、環状部の長さの好ましい上限は、雌ねじ部のねじピッチの4倍であり、より好ましくは2.5倍である。
【0054】
ここで、本実施形態の鋼管用ねじ継手は、以下の構成を採用することが好ましい。図1及び図2に示すように、ボックス20のノーズ部25及びシール面23の領域における周方向の引張降伏強度が、ボックス20の管本体の領域における引張降伏強度の105%以上である。より好ましくは、110%以上である。このようにボックス20のノーズ部25及びシール面23の領域の引張降伏強度を局部的に高めることにより、ボックス20の外シール領域の拡径変形が抑制される。その結果、シール面13、23同士の接触面圧の増幅効果がより一層発現するようになる。
【0055】
引張降伏強度を局部的に高める手法としては、ボックス20に施す一連の機械加工の前に、ボックス20の端部を冷間加工で拡径し、ひずみ時効によって強化させる手法がある。その他に、ボックス20の端部を高周波焼入れによって強化させる手法もある。
【0056】
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、ねじ継手のねじ部を構成するテーパねじは、ダブテイル型のテーパねじに限らず、テーパねじである限り限定はない。例えば、テーパねじは、図4及び図5に示すようなバットレスのテーパねじであっても構わない。図4に示すテーパねじは、ねじ山頂面11a、21aとねじ谷底面11b、21bとが管軸CLに対して傾斜するタイプのものである。図5に示すテーパねじは、ねじ山頂面11a、21aとねじ谷底面11b、21bが管軸CLに対して平行なタイプのものである。
【0057】
また、本実施形態のねじ継手は、補助的に内シールの近傍にショルダー面を備えることができる。具体的には、ピンは、先端に補助ショルダー面を備える。ボックスは、ピンの補助ショルダー面に対応して補助ショルダー面を備える。補助ショルダー面は、締結が完了した状態で互いに押圧接触し、外シールの近傍のショルダー面と同様の機能を果たす。
【0058】
また、本実施形態のねじ継手において、ピンの雄ねじ部とボックスの雌ねじ部で構成されるねじ部が、管軸に沿って2つに分割されて成る2段ねじであっても構わない。2段ねじを採用したねじ継手の場合、ピンは、1段目の雄ねじ部と2段目の雄ねじ部との間に中間シール面を備え、ボックスは、ピンの中間シール面に対応して中間シール面を備えることができる。中間シール面は、締結が完了した状態で互いに干渉して密着し、面接触による中間シールを形成する。更に、2段ねじを採用したねじ継手の場合、1段目の雄ねじ部と2段目の雄ねじ部との間に中間ショルダー面を備え、ボックスは、ピンの中間ショルダー面に対応して中間ショルダー面を備えることができる。中間ショルダー面は、締結が完了した状態で互いに押圧接触し、外シールの近傍のショルダー面と同様の機能を果たす。
【0059】
なお、上記した面接触によるシール(外シール、内シール及び中間シール)を構成する各シール面は、一連の機械加工によって他の部位とともに造形される。その際、各シール面を加工するときの工具の送り速度は、他の部位を加工するときよりも低速にされる。これにより、各シール面は他の部位の加工表面と比べて著しく滑らかになっている。
【0060】
図6及び図7は、面接触によるシールの領域を模式的に示す縦断面図である。図6及び図7には、外シールが例示される。図6及び図7に示すように、シール面13、23は、締結が完了した状態で互いに接触している領域Saのみを指すのではなく、シール面として滑らかな表面に加工された領域Sb、Scの全域を指す。すなわち、シール面13、23は、締結の過程で互いに接触しながら摺動する領域(摺動の可能性のある領域も含む)であり、締結が完了した状態で互いに接触している領域Saと同等の表面精度に加工された領域Sb、Scの全域を含む。内シール及び中間シールでも同様である。
【0061】
ピン10をボックス20から取り外し、シール面を観察すれば、シール部を認識できる。シール面にはシール部(締結が完了した状態での接触領域Sa)の痕跡(強く摺動した領域)が残るからである。
【実施例】
【0062】
本発明による効果を確認するため、弾塑性有限要素法による数値シミュレーション解析(FEM解析)を実施した。
【0063】
<試験条件>
FEM解析では、前記図1に示す鋼管用ねじ継手のモデルを複数作製した。これらのモデルについて、ボックスのノーズ部、ショルダー面のフック角、及び環状部の長さを種々変更した。更に、その一部のモデルを活用し、管端部への冷間加工の付与を模擬して、ノーズ部及びシール面の領域の引張降伏強度をボックスの管本体の領域における引張降伏強度の110%に高めた。変更した条件は下記の表1のとおりである。
【0064】
【表1】
【0065】
鋼管の材質及び寸法に関する共通の諸特性は下記のとおりである。
・鋼管の寸法:14[inch]、112.6[lb/ft](外径が355.6mm、肉厚が20.32mm)
・鋼管のグレード:API規格のQ125(API 5CTで規定される油井管用炭素鋼で、引張降伏強度が125ksi(862N/mm2))
・ねじ形状:ダブテイル型のテーパねじで、雄ねじ部のねじ山頂面と雌ねじ部のねじ谷底面との間、及び挿入フランク面同士の間に隙間有り。ねじ高さが約2mm、ねじピッチが8.47mm
・シール面:テーパ10%で、接触長さが4mm
・ショルダー面の幅:5mm
【0066】
<評価方法>
FEM解析では、各モデルについて、ショルダリング(ショルダー面同士が突き当たること)の時点から更にピンを0.01ターン締め込んだ。この状態で、ISO13679 2002年版のSeries A試験(常温下の繰返し内圧、外圧負荷試験)を模擬した荷重ステップを順次負荷した。その荷重ステップ履歴の内圧サイクル(第一、第二象限)及び外圧サイクル(第三、第四象限)における外シールのシール面の平均接触面圧の最小値(この値が高いほどシール面の密封性能が良いことを意味する)を比較することにより、外シールの密封性能を評価した。
【0067】
外シールの密封性能の評価は、外シールの接触面圧の最小値が最も低かった試験No.4の値を1とし、この試験No.4に対する比率を指標として行った。評価基準として、指標が4以上を良好とした。結果は上記表1のとおりである。
【0068】
<試験結果>
上記表1に示す結果から、本発明で規定する条件を全て満たす本発明例の試験No.1及び2は、本発明で規定する条件のいずれかを満足しない比較例の試験No.3〜6よりも外シールの接触面圧の最小値が大きかった。このことから、外シールの密封性能について、本実施形態の鋼管用ねじ継手の有用性が実証された。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のねじ継手は、油井管として用いる鋼管の連結に有効に利用できる。
【符号の説明】
【0070】
10:ピン、 11:雄ねじ部、
11a:雄ねじ部のねじ山頂面、 11b:雄ねじ部のねじ谷底面、
11c:雄ねじ部の挿入フランク面、 11d:雄ねじ部の荷重フランク面、
12:ショルダー面、 13:シール面、 17:補助シール面、
20:ボックス、 21:雌ねじ部、
21a:雌ねじ部のねじ山頂面、 21b:雌ねじ部のねじ谷底面、
21c:雌ねじ部の挿入フランク面、 21d:雌ねじ部の荷重フランク面、
22:ショルダー面、 23:シール面、 24:リップ部、
25:ノーズ部、 26:環状部、 27:補助シール面、
CL:管軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7