(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588458
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】折り曲げプレス機による曲げを補助する装置
(51)【国際特許分類】
B21D 5/02 20060101AFI20191001BHJP
B21D 43/00 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
B21D5/02 W
B21D43/00 S
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-557905(P2016-557905)
(86)(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公表番号】特表2017-507787(P2017-507787A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】AT2015050066
(87)【国際公開番号】WO2015139066
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2018年2月5日
(31)【優先権主張番号】A50193/2014
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】カール バーデグルーバー
(72)【発明者】
【氏名】カビール ゼシボビック
【審査官】
飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−276929(JP,A)
【文献】
特開昭52−135164(JP,A)
【文献】
実公昭53−010255(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/02
B21D 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げプレス機(2)のための支持装置(15)であって、該支持装置(15)は、
ベースフレーム(24)と、
ベースフレーム(24)に配置された、折り曲げプレス機(2)に支持装置(15)を固定するための少なくとも1つの結合プレート(19)であって、垂直に方向付けされた結合平面(22)を形成する結合プレート(19)と、
ベース位置(26)と最大位置(27)の間で位置決め可能な、載置面(18)を備えた支持載置部(17)と、
支持載置部(17)が配置されるレバーリンケージシステム(25)と、
レバーリンケージシステム(25)を駆動する駆動ユニット(32)と、を有し、
レバーリンケージシステム(25)が駆動ユニット(32)と結合され、かつ平行リンク機構として形成されており、かつ、前記レバーリンケージシステム(25)が、第1の回転リンケージ(38)と第2の回転リンケージ(39)とを備えた第1のメインレバーアーム(37)と、第3の回転リンケージ(41)と第4の回転リンケージ(42)とを備えた第2のメインレバーアーム(40)と、前記2つのメインレバーアーム(37、40)に第2の回転リンケージ(39)と第4の回転リンケージ(42)によって支承されて取り付けられた担持アーム(44)と、支持アーム(50)とを有し、前記2つのメインレバーアーム(37、40)が互いに対して平行に配置され、かつ、メイン支承平面(43)内に位置する第1の回転リンケージ(38)と第3の回転リンケージ(41)とによってベースフレーム(24)に軸承されており、かつ、第2のメインレバーアーム(40)が第1のメインレバーアーム(37)よりも載置面(18)に近く配置されており、第1の回転リンケージ(38)と第2の回転リンケージ(39)の間の垂直間隔(45)が第3の回転リンケージ(41)と第4の回転リンケージ(42)の間の垂直間隔(46)と同じ大きさであり、かつ、第2の回転リンケージ(39)と第4の回転リンケージ(42)が、第1の回転リンケージ(38)と第3の回転リンケージ(41)よりも結合平面(22)から離れており、かつ、前記担持アーム(44)に支持載置部(17)が第5の回転リンケージ(47)によって支承されており、前記第5の回転リンケージ(47)が担持アーム(44)の、第4の回転リンケージ(42)を越えて張り出す部分(48)に配置されており、前記支持載置部(17)が第6の回転リンケージ(49)によって支持アーム(50)と結合されており、前記支持アーム(50)が担持アーム(44)に対して平行になるように第7の回転リンケージ(52)によって第1のメインレバーアーム(37)又は第2のメインレバーアーム(40)と結合されており、かつ、担持アーム(44)が支持アーム(50)よりもメイン支承平面(43)に近く配置されており、かつ、第7の回転リンケージ(52)が、第1の回転リンケージ(38)と第2の回転リンケージ(39)の間の直線の延長上に、あるいは第3の回転リンケージ(41)と第4の回転リンケージ(42)の間の直線の延長上に配置されている、支持装置において、
前記駆動ユニット(32)が、回転ドライブ(34)として形成された位置決めドライブ(33)と、該位置決めドライブ(33)と結合されたクランク(35)と、該クランクとリンケージ結合された揺り腕(54)と、第8の回転リンケージ(55)と、第9の回転リンケージ(56)とを有し、該揺り腕(54)が、第8の回転リンケージ(55)によってクランク(35)と、第9の回転リンケージ(56)によってレバーリンケージシステム(25)とに結合されている、ことを特徴とする折り曲げプレス機のための支持装置。
【請求項2】
前記揺り腕(54)が第9の回転リンケージ(56)によってレバーリンケージシステム(25)の前記支持アーム(50)と結合している、ことを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記揺り腕(54)が前記支持アーム(50)の、第2の回転リンケージ(39)を越えて張り出す部分において前記支持アームと結合している、ことを特徴とする請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記クランク(35)が、前記支持載置部(17)のベース位置(26)において、前記揺り腕(54)に対して、互いに対して1°〜20°の間の鋭角(63)で配置されており、かつ
前記クランク(35)と前記揺り腕(54)が、前記支持載置部(17)の最大位置(27)において互いに対して、160°〜179°の間の第1の鈍角(63)で配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項5】
前記位置決めドライブ(33)の前記クランク(35)が、前記支持載置部(17)のベース位置(26)において次のように、すなわち前記クランク(35)が、前記結合平面(22)に対して180°〜270°の間の第2の角度(64)で配置されるように回動する、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項6】
前記位置決めドライブ(33)の前記クランク(35)が、前記支持載置部(17)の最大位置(27)において次のように、すなわち前記クランク(35)が、前記結合平面(22)に対して0°〜45°の間の第2の角度(64)で配置されるように回動する、ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項7】
前記位置決めドライブ(33)がサーボモータを有している、ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項8】
前記支持アーム(50)が、前記担持アーム(44)よりもメイン支承平面(43)からより離れている、ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項9】
前記結合プレート(19)と前記ベースフレーム(24)との間に調節装置(29)が配置されており、該調節装置によって前記ベースフレーム(24)が前記結合プレート(19)に対するその位置に関して、前記結合平面(22)に対して平行に垂直方向(30)に変位可能である、ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項10】
調節装置(29)が駆動モータ(31)を有している、ことを特徴とする請求項9に記載の支持装置。
【請求項11】
前記結合プレート(19)が、前記折り曲げプレス機(2)に対するインターフェースにリニアガイド(20)を有し、前記支持装置(15)が前記折り曲げプレス機(2)に関して前記結合平面(22)に対して平行に水平方向(21)に変位可能である、ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項12】
前記支持装置(15)が保護カバー(57)を有しており、該保護カバー(57)が固定の部分セクション及び前記支持載置部(17)と連動可能な部分セクションからなり、かつ前記第1のメインレバーアーム(37)及び/又は前記担持アーム(44)が少なくとも部分的に、前記保護カバー(57)の内側輪郭(61)に適合した円弧状の外側輪郭(62)を有している、ことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項13】
第6の回転リンケージ(49)に対する第5の回転リンケージ(47)の間隔(65)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の25%〜60%の間であり、かつ、
第5の回転リンケージ(47)に対して第4の回転リンケージ(42)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)と同じ大きさの間隔(66)を有している、
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項14】
第7の回転リンケージ(52)に対する第9の回転リンケージ(56)の間隔(67)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の5%〜30%の間であり、かつ
第9の回転リンケージ(56)に対する第8の回転リンケージ(55)の間隔(68)が、第2の回転リンケージ(29)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の110%〜145%の間であって、かつ
第8の回転リンケージ(55)に対する位置決めドライブ(33)の回転中心点(36)の間隔(69)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の45%〜75%の間である、
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項15】
第3の回転リンケージ(41)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(70)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の25%〜60%の間であり、かつ
第3の回転リンケージ(41)に対する第1の回転リンケージ(38)の水平間隔(71)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の15%〜40%の間であって、かつ
第3の回転リンケージ(41)に対する前記位置決めドライブ(33)の回転中心点(36)の水平間隔(72)が、第2の回転リンケージ(39)に対する第1の回転リンケージ(38)の間隔(45)の35%〜65%の間である、
ことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の支持装置。
【請求項16】
第1の工具収容部(5)を有する第1の変位可能なプレスビーム(4)と、第2の工具収容部(8)を有する第2の固定のプレスビーム(7)とを備えた折り曲げプレス機(2)と、少なくとも1つの前記結合プレート(19)によって前記折り曲げプレス機(3)に固定可能な、加工すべきシート(3)を載置するための支持装置(15)とを有する、加工設備(1)において、
前記支持装置(15)が請求項1〜15の何れか一項に記載の支持装置である、ことを特徴とする加工設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されているような、折り曲げプレス機のための支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2からは、折り曲げプレス機において折り曲げ工程の間、曲げるべきシート工作物を支持するために設けられた、支持装置が知られている。それにおいて支持装置は、折り曲げプレス機の前側に取り付けることができる。支持装置には支持載置部が形成されており、その上に曲げるべきシート工作物、具体的にはシート工作物の折り曲げプレス機から張り出す部分セクション、を載置することができる。曲げ工程の間にシート工作物が上方へ移動する場合に、支持載置部が連動されるので、曲げ工程全体の間シート工作物の張り出した部分セクションが支持される。その場合にパラレルキネマティックは、支持載置部の揺動軸がシート工作物の曲げ軸線と実質的に一致するように形成されているので、支持プレートの表面は、シート工作物の表面に対して平行に案内することができる。その場合に支持装置の運動機構は、油圧シリンダ又は空気圧シリンダによって移動させることができるパラレルキネマティックによって形成される。パラレルキネマティックは個々のレバーアームを有しており、それらが回転ジョイントによって互いに対し、かつベースフレームと結合されている。パラレルキネマティックには、さらに、載置面を有する支持載置部が配置されている。
【0003】
特許文献1及び2から知られた形態における欠点は、支持装置が極めて大きく構成されており、それによって機械操作者に提供される立ちスペースが極めて制限されていることである。さらに、示される組立方法によって個々の部材の高い質量慣性が生じ、それによって、最近の折り曲げプレスにおいて必要とされる高ダイナミックな駆動方法が不可能であり、あるいは条件付きでしか可能とならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0542610(B1)号明細書
【特許文献2】独国特許公開第4126906(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、最近の折り曲げプレス機のダイナミックな駆動方法に適合しており、かつ高ダイナミックな位置決め運動を克服することができる、改良された支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこの課題は、請求項1に記載の措置によって解決される。
【0007】
本発明によれば、折り曲げプレス機のために支持装置が形成されており、支持装置はベースフレーム、ベースフレームに配置された、支持装置を折り曲げプレス機に固定するための少なくとも1つの結合プレート、載置面を備えた支持載置部を有し、結合プレートによって垂直の結合平面が形成される。支持載置部は、ベース位置と最大位置との間で位置決め可能であって、その場合に支持載置部はレバーリンケージシステムに配置されており、そのレバーリンケージシステムは位置決めドライブと結合され、かつパラレルキネマティックとして形成されている。レバーリンケージシステムは、第1と第2の回転リンケージを備えた第1のメインレバーアームと、第3及び第4の回転リンケージを備えた第2のメインレバーアームを有しており、それらメインレバーアームは互いに対して平行に配置され、かつメイン支承平面内に位置する第1と第3の回転リンケージによってベースフレームに支承されている。2つのメインレバーアームには、担持アームが第2及び第4の回転リンケージによって支承して取り付けられており、その場合に第1と第2の回転リンケージの間の垂直間隔は、第3と第4の回転リンケージの間の垂直間隔と等しい大きさである。第2と第4の回転リンケージは、第1及び第3の回転リンケージよりも結合平面からずっと離れている。担持アームには支持載置部が第5の回転リンケージによって支承されており、その第5の回転リンケージは担持アームの、第4の回転リンケージを越えて張り出す部分に配置されている。支持載置部は、第6の回転リンケージによって支持アームと結合されており、その支持アームは担持アームに対して平行に第7の回転リンケージによって第1又は第2のメインレバーアームと結合されている。第7の回転リンケージは、第1と第2の回転リンケージの間、あるいは第3と第4の回転リンケージの間の直線の延長上に配置されている。駆動ユニットは、回転ドライブとして形成された位置決めドライブと結合されたクランクと、そのクランクとリンケージ結合された揺り腕とを有しており、その揺り腕が第8の回転リンケージによってクランクと、そして第9の回転リンケージによってレバーリンケージシステムと結合されている。
【0008】
本発明に係る形成の驚くべき利点は、パラレルキネマティックの形式のレバーリンケージシステムの既知の利点を達成することができ、さらに支持装置の駆動方法における改良された動特性と位置決めドライブによる、より小さい組み込み空間を達成できることにある。その場合に好ましくは、位置決めドライブは、支持装置の組み込み空間を特に小さく抑えることができるように、位置決めすることができる。位置決めドライブによるレバーリンケージシステムの好ましいリンク結合によって、回転リンケージに作用する径方向力も減少させることができる。というのは、個々の部分の質量慣性及び加速に基づいて発生する力を最小限に抑えることができるからである。したがって支持装置全体が減少された質量を有し、それによって動的な駆動方法の向上が可能となる。
【0009】
さらに、揺り腕が第9の回転リンケージによってレバーリンケージシステムの支持アームと結合されていると、好ましい場合がある。揺り腕をレバーリンケージシステムの支持アームにリンク結合することによって、レバーリンケージシステムは、駆動運動を支持載置部の運動に変換するための効果的な変速比を有することができる。したがってわずかな駆動距離を有する位置決めドライブの比較的小さい駆動運動を支持載置部の比較的大きい走行運動に変換することができ、その場合に位置決めドライブによってもたらすべき、特に動的な負荷に基づいて発生する力を、小さく抑えることができる。
【0010】
展開においては、支持アームの、第2の回転リンケージを越えて張り出す部分において振り子支柱をこの支持アームと結合することができる。その場合に好ましくは、上で説明した改良された動的特性は、この形成によって特に良好に達成することができる。
【0011】
さらに、クランク、特に位置決めドライブの回転中心点と第8の回転リンケージの間に引かれた結合ラインは、支持載置部のベース位置において、揺り腕に対し、特に第8と第9の回転リンケージの間に引いた結合ラインに対して、互いに対して1°と20°の間、好ましくは2°と10°の間、特に4°と8°の間の鋭角を有することができ、かつクランクと揺り腕は、支持載置部の最大位置において互いに対して160°と179°の間、好ましくは170°と178°の間、特に172°と176°の間の鈍角で配置することができる。その場合に好ましくはそれによって、2つの終端位置において所定の角速度を有する位置決めドライブの回転運動は、レバーリンケージシステムにおいて、中間位置における等しい角速度を有する位置決めドライブの回転運動よりも小さい線形速度をもたらす。位置決めドライブによってもたらすべき力は、まったく逆の挙動となる。言葉を換えて説明すると、位置決めドライブはレバーリンケージシステムのベース位置と最大位置において、わずかなトルク負荷において高い線形力をレバーリンケージシステムへもたらすことができる。というのは、クランクと揺り腕がニーレバーのように振る舞うからである。特にこれら2つの終端位置においては、最大の力が発生する。というのは、レバーリンケージシステムの質量慣性によってもたらされる力によって動特性が最大に達するからである。さらにそれによって質量加速度を減少させることができる。というのは、すでに説明したように、速度ないし速度推移も位置決めドライブによって改良されるからである。
【0012】
さらに、位置決めドライブのクランクは支持載置部のベース位置において次のように、すなわちクランク、特に位置決めドライブの回転中心点と第8の回転リンケージとの間に引いた結合ラインが、結合平面に対して180°と270°の間、好ましくは190°と250°の間、特に220°と240°の間の角度で配置されるように、回動されている。その場合に好ましくは、この配置によってクランクは次のように、すなわちできるだけ小さい組み込み空間においてクランクを効果的に収容することができ、かつ伝達すべき力、および走行運動を効果的に設計することができるように、位置決めされている。
【0013】
さらに、位置決めドライブのクランクは、支持載置部の最大位置において次のように、すなわちクランク、特に位置決めドライブの回転中心点と第8の回転リンケージとの間に引かれた直線が、結合平面に対して0°と45°の間、好ましくは5°と20°の間、特に7°と15°の間の角度で配置されるように、回動させることができる。その場合に好ましくは、この配置によってクランクは、できる限り小さい組み込み空間においてクランクを効果的に収容することができ、かつ伝達される力及び走行運動を効果的に設計することができるように、位置決めされる。
【0014】
位置決めドライブがサーボモータを有する形態も、効果的である。サーボモータは、特にこの種の機械内で使用するのに良く適している。というのは、高いトルクをもたらすことができ、保持力あるいは静止状態モーメントをもたらすことができ、したがって制動する必要がないからである。さらに、サーボモータはその走行運動と走行位置において正確に制御することができるので、支持載置部の正確な位置決めを可能にすることができる。この種のサーボモータは、さらに、機械制御によって良好に駆動することができる。
【0015】
さらに、支持アームは、メイン支承平面から担持アームよりもずっと離しておくことができる。その場合に好ましくは、それによって支持アームは、できる限り場所をとらずに収容されるように、メインリンケージシステム内に配置されている。
【0016】
展開によれば、結合プレートとベースフレームの間に調節装置を配置することが可能であって、その調節装置によってベースフレームがその、結合プレートに対する位置において、結合平面に対して平行に垂直方向に変位可能である。その場合に好ましくは、それによって支持装置が高さ調節可能となる。それによって種々の載置高さの曲げダイを有する種々の曲げ工具を折り曲げプレス機内で使用することができ、その場合に支持装置、特に支持載置部はそのベース位置においてシートの垂直の位置に適合させることができる。
【0017】
展開において、調節装置は駆動モータを有することができる。その場合に好ましくは、駆動モータによって結合プレートに関するベースフレームの変位運動を自動化することができる。
【0018】
さらに、支持装置が保護カバーを有すると好ましい場合があり、支持カバーは固定の部分セクションと、支持載置部によって連動可能な部分セクションとからなり、かつ、第1のメインレバーアーム及び/又は担持アームが少なくとも部分的に、支持カバーの内側輪郭に適した外側輪郭、特に円弧形状の外側輪郭を有している。その場合に好ましくは保護カバーによってレバーリンケージシステムの移動する部分が介入から保護されており、かつそれによってユーザーの損傷の危険が最小限に抑えられる。さらに、保護カバーによって、内側に位置する構成部品が周囲の影響から、かつ汚れから保護される。レバーリンケージシステムの個々の部材が保護カバーに適合されていることによって、保護カバーはできる限り小さく構成することができ、それによって組み込み空間が節約され、さらに、移動すべき質量をできる限り小さく抑えることができる。
【0019】
さらに、第6の回転リンケージに対する第5の回転リンケージの間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の25%と60%の間、好ましくは35%と50%の間、特に40%と45%の間とすることができ、かつ、第5の回転リンケージに対して第4の回転リンケージは、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージと同じ大きさの間隔を有することができる。その場合の驚くべき利点として、回転ドライブとの組み合わせにおいて、組み込み空間はできる限り小さく、さらに回転リンケージ内に発生する力はできるだけ小さく抑えることができる、レバーリンケージシステムのレイアウトを得ることができる。というのは、個々のコンポーネントの質量慣性に基づく動的な力をできるだけ小さく抑えることができるからである。それによってレバーリンケージシステムは、高ダイナミックに調節することができる。
【0020】
さらに、第7の回転リンケージに対する第9の回転リンケージの間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の5%と30%の間、好ましくは10%と25%の間、特に15%と20%の間とすることができ、第9の回転リンケージに対する第8の回転リンケージの間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の110%と145%の間、好ましくは120%と135%の間、特に125%と130%の間とすることができ、かつ第8の回転リンケージに対する位置決めドライブの回転中心点の間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の45%と75%の間、好ましくは50%と60%の間、特に54%と64%の間とすることができる。その場合の驚くべき利点として、回転ドライブとの組み合わせにおいて、組み込み空間ができるだけ小さく抑えられ、さらに回転リンケージ内に発生する力をできる限り小さく抑えることができる、レバーリンケージシステムのレイアウトを得ることができる。というのは、個々のコンポーネントの質量慣性に基づく動的な力をできるだけ小さく抑えることができるからである。それによってレバーリンケージシステムは、高ダイナミックに調節することができる。
【0021】
付加的に、第3の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の25%と60%の間、好ましくは355と50%の間、特に40%と45%の間とすることができ、第3の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの水平間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の15%と40%の間、好ましくは20%と35%の間、特に25%と30%の間とすることができ、かつ第3の回転リンケージに対する位置決めドライブの回転中心点の水平間隔は、第2の回転リンケージに対する第1の回転リンケージの間隔の35%と65%の間、好ましくは40%と60%の間、特に45%と55%の間とすることができる。その場合の驚くべき利点として、回転ドライブとの組み合わせにおいて、組み込み空間ができる限り小さく、さらに回転リンケージ内に発生する力をできる限り小さく抑えることができる、レバーリンケージシステムのレイアウトを得ることができる。というのは、個々のコンポーネントの質量慣性に基づく動的な力をできるだけ小さく抑えることができるからである。それによってレバーリンケージシステムは、高ダイナミックに調節することができる。
【0022】
本発明をさらに良く理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】折り曲げプレス機及び支持装置を有する加工設備を示す側面図である。
【
図3】支持装置の好ましい実施変形例を示す斜視図である。
【
図4】遮蔽位置を外れた保護カバーを有する支持装置の好ましい実施変形例を示す他の斜視図である。
【
図5】支持装置の好ましくは実施変形例を最大位置で示す側面図である。
【
図6】支持装置の好ましい実施変形例をベース位置で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0025】
図1は、加工設備1を図式的に側面図で示している。加工設備1は、シート3を曲げるために設けられた折り曲げプレス機2を有している。
【0026】
折り曲げプレス機2は、第1の変位可能なプレスビーム4を有しており、その中に第1の曲げ工具6を収容するための第1の工具収容部5が形成されている。この場合に第1の曲げ工具6は、好ましくは曲げパンチ6として形成されている。さらに、折り曲げプレス機2は、第2の固定のプレスビーム7を有しており、そのプレスビームには第2の曲げ工具9を収容するための第2の工具収容部8が形成されている。第2の曲げ工具9は、好ましくは曲げダイとして形成されており、かつ第1の曲げ工具6と対応する。
【0027】
曲げるべきシート3が、第2の曲げ工具9のシート載置面10上に載置される。第1の曲げ工具6もしくは第1の変位可能なプレスビーム4が、プレス駆動ユニット11によって垂直方向上方もしくは下方へ向かって移動される。プレス駆動ユニット11を制御するために、計算器ユニット12が設けられており、その計算器ユニットは入力及び/又は表示ユニット13に接続することができる。
【0028】
さらに、加工設備1が操作装置14を有することができ、その操作装置によって加工すべきシート3を自動的に操作することができる。その代わりに、加工すべきシート3を手動で折り曲げプレス機3内へ挿入することもできる。
【0029】
大きいシート工作物3を加工することができるようにするために、さらに、折り曲げプレス機2に支持装置15を取り付けることができ、その支持装置は加工すべきシート3の、曲げ工具6、9に対してはるかに張り出すシート脚16を曲げ工程の間支持することができる。それによって、張り出しているシート脚16がその固有質量に基づき、かつ地球引力に基づいて下方へ曲がり、それに伴って不用意に変形することを、阻止することができる。
【0030】
支持装置15は、支持載置部17を有しており、その支持載置部に載置面18が形成されている。加工すべきシート3は、載置面18上に載置して、加工工程の間支持装置15によって案内し、かつ支持することができる。支持装置15は、さらに、結合プレート19を有しており、その結合プレートによって支持装置15は、折り曲げプレス機2に固定することができる。
【0031】
その場合に結合プレート19をどのように折り曲げプレス機2と結合することができるかについて、複数の異なる可能性が存在する。たとえば、結合プレート19は、リニアガイド20として形成されたガイドレールシステムによって折り曲げプレス機2と結合することができる。この種のリニアガイド20によって、支持装置15は水平方向21に変位することができる。水平方向21における支持装置15の変位は、それぞれ必要に応じて手動で、あるいは駆動ユニットによって行うことができる。
【0032】
結合プレート19と折り曲げプレス機2の間の代替的な固定可能性として、たとえばクィックカップリングユニット又はたとえばねじ結合を設けることができる。ここでは原則的に、当業者に知られたすべての固定部材を使用することができる。
【0033】
折り曲げプレス機2と支持装置15の間の移行インターフェースは、結合平面22によって表されている。この結合平面22は、支持装置15の駆動準備ができた状態において、好ましくは垂直に、したがって折り曲げプレス機2の前側の端面23に対して平行に方向付けされており、その端面に支持装置15が取り付けられている。したがって結合平面22は、支持装置15が折り曲げプレス機2に固定されている駆動状態における支持装置15の方向付けを定める。
【0034】
上方、下方などのような、すべての位置記載は、支持装置が折り曲げプレス機2に取り付けられている、支持装置15の駆動準備された状態に関するものである。
【0035】
図2は、
図1に相当する側面図において本発明に係る支持装置15の図式的な表示であって、それを用いて支持装置の機能方法もしくはその構造を明らかにし、かつ説明する。支持装置15は、個々のレバーの中心線を表す簡単な線で示されている。
【0036】
支持装置15は、ベースフレーム24を有しており、そのベースフレームにレバーリンケージシステム25が配置されており、そのレバーリンケージシステム25に支持載置部17が固定されている。この種のレバーリンケージシステム25によって、支持載置部17、特にその載置面18がベース位置26と最大位置27の間で揺動することができる。レバーリンケージシステム25の正しい寸法設計によって、揺動運動の揺動中心点28が第2の曲げ工具9の外側の載置エッジと一致し、したがって曲げ工程全体の間、もしくは揺動工程全体の間、曲げるべきシート3、特にシート脚16が支持載置部17の載置面18に充分に載置することが保証されている。
【0037】
支持載置部17の載置面18がそのベース位置26において第2の曲げ工具9のシート載置面10の高さにくるようにするために、結合プレート19とベースフレーム24の間に調節装置29を取り付けることができ、その調節装置によってベースフレーム24を垂直方向30に変位させることができる。これは、様々な寸法を有する種々の曲げ工具9が使用される場合に、必要となる。その場合に調節装置29は、手動で、たとえばクランクによって駆動することができる。他の実施変形例においては、駆動モータ31を設けることもでき、その駆動モータが計算器ユニット12と結合されており、したがって支持載置部17の自動的な高さ調節を可能にする。
【0038】
ベースフレーム24は、互いに固定されたプロフィール材から構成することができる。さらに、ベースフレーム24は、一体的に鋳造された、鋼構成部品又はアルミニウムブロックから形成することも、可能である。
【0039】
ベースフレーム24には、駆動ユニット32が固定されており、その駆動ユニットはレバーリンケージシステム25を変位させ、かつ位置決めするために設けられている。駆動ユニット32は、好ましくは位置決めドライブ33として形成されており、かつ回転ドライブ34を有している。この回転ドライブ34は、たとえばサーボモータを使用することによって実現することができる。この種のサーボモータは、付加的に、トルクもしくは位置決め精度を高めるために、ギア機構と結合することができる。サーボモータの使用は、そのために理想的であることが明らかにされている。というのは、サーボモータは高い位置決め精度をもたらすことができ、さらに、高いトルクを提供するからである。さらに、サーボモータは、然るべき中間エレクトロニクスを介して折り曲げプレス機2の計算器ユニット12に極めて良好に接続することができる。
【0040】
駆動ユニット32は、さらに、クランク35を有しており、そのクランクは回転ドライブ34によってその回転中心点36を中心に回転される。
【0041】
レバーリンケージシステム25は、第1のメインレバーアーム37を有しており、その中に第1と第2の回転リンケージ38、39が収容されている。
【0042】
レバーリンケージシステムのすべての構成部分は、支持装置15の好ましい実施形態において、以下の図もしくは説明部分を用いてさらに詳細に説明される。簡単にするために、
図2に機能モデルに従ってレバーアームは簡単に、2つの回転リンケージの間の中心線として示されており、かつこの種の中心線がこの出願の主旨におけるレバーアームを表す。
【0043】
第1のメインレバーアーム37は、この説明の主旨において、たとえば、第1の回転リンケージ38の中心点から第2の回転リンケージ39の中心点へ延びる直線によって形成される。第1のメインレバーアーム37の長さは、第1と第2の回転リンケージの間の、特にそれらの中心点の間の、垂直間隔と見なされる。
【0044】
2本のメインレバーアームが互いに平行であると言う場合に、それは、1本のレバーアームの、2つの回転リンケージの間の中心点を結合する直線が、他のレバーアームの、2つの回転リンケージの間の中心点を結合する直線に対して平行であることを意味する。
【0045】
しかし、説明のために利用されるこの簡単な機能モデルによって、メインレバーアーム又はレバーアームの形成についての可能性に対する制限は与えられない。レバーアームは、たとえば構造に基づいてたとえばアーチ形状の部材として形成することができ、その場合にレバーアームの機能のためには、レバーアーム内に配置されている回転リンケージの互いに対する位置のみが、重要である。
【0046】
第1のレバーアーム37は、第1の回転リンケージ38によってベースフレーム34に固定されている。その場合に記述される回転リンケージは、たとえばボルト、転がり軸受などのような、当業者に知られたすべての種類の回転リンケージによって実現することができる。
【0047】
レバーリンケージシステム25は、さらに、第2のメインレバーアーム40を有しており、それに第3の回転リンケージ41と第4の回転リンケージ42が配置されている。その場合に第2のメインレバーアーム40は、第3の回転リンケージ41によってベースフレーム24に固定されている。
【0048】
第1の回転リンケージ38と第3の回転リンケージ41は、メイン支承平面43内に位置している。メイン支承平面43は、さらに、揺動中心点28を通って延びている。
【0049】
レバーリンケージシステム25は、さらに、担持アーム44を有しており、その担持アームは第2の回転リンケージ39によって第1のメインレバーアーム37と、そして第4の回転リンケージ42によって第2のメインレバーアーム40と結合されている。その場合に担持アーム44は、組み込まれた状態において第1のメインレバーアーム37と第2のメインレバーアーム40が互いに対して平行であるように、形成されている。
【0050】
さらに、担持アーム44は、メイン支承平面43に対して平行である。換言すると、第1の回転リンケージ38と第2の回転リンケージ39の間の垂直間隔45は、第3の回転リンケージ41と第4の回転リンケージ42の間の垂直間隔46と等しい大きさである。
【0051】
その場合に第3の回転リンケージ41は、水平方向に見て、第1の回転リンケージ38よりも結合平面22の近くに配置されている。さらに、第3の回転リンケージ41は、第1の回転リンケージ38よりもずっと上に配置されている。その場合に2本のメインレバーアーム37、40は次のように、すなわち担持アーム44と結合されるその第2の回転リンケージ39と第4の回転リンケージ42が、メイン支承平面43上に位置するその第1の回転リンケージ38及び第3の回転リンケージ41よりも結合ライン22からずっと離れているように、方向付けされている。
【0052】
担持アーム44には、第5の回転リンケージ47によって支持載置部17が固定されている。その場合に支持載置部17は担持アーム44の、第4の回転リンケージ42を越えて張り出す部分に取り付けられている。さらに、支持載置部17には、第6の回転リンケージ49によって支持アーム50が配置されており、その支持アームが支持載置部17の安定化をもたらす。
【0053】
載置面18が、第5の回転リンケージ47と第6の回転リンケージ49の間の結合ラインに対して平行に延びることは、必ずしも必要ではない。
【0054】
図2に示すように、支持載置部17、特に今説明した第5の回転リンケージ47と第6の回転リンケージ49の間の結合ラインと載置面18の延長とが、互いに対してくさび状に延び、したがって載置角度51を形成すると、効果的であり得る。それによって支持装置15のための組み込み空間は、できる限り小さく抑えることができる。しかしその場合にこれら2本のラインの延長が、揺動中心点28内で交わるように注意しなければならない。
【0055】
支持アーム50は、第7の回転リンケージ52によって第1のメインレバーアーム37と、あるいは第2のメインレバーアーム40と結合されている。その場合に、支持アーム50が担持アーム44に対して平行に延びるように、第7の回転リンケージ52が位置決めされ、もしくは個々のレバーアームの長さが選択されている。第7の回転リンケージ52は、さらに、第1と第2の回転リンケージ38、39の間の、あるいは第3と第4の回転リンケージ41、42の間の直線53の延長上に配置されている。
【0056】
レバーリンケージシステム25の機能性にとって、第7の回転リンケージ52が第1のメインレバーアーム37に配置されているか、第2のメインレバーアーム40に配置されているか、は重要ではない。説明した構造によって、第5の回転リンケージ47と第6の回転リンケージ49の間をつなぐ直線が生じ、その直線は揺動中心点28を通って延びており、かつ第1及び第2のメインレバーアーム37、40に対して平行である。
【0057】
したがって、レバーリンケージシステム25がベース位置26と最大位置27の間で揺動運動する場合に、仮想の揺動中心点28が生じる。
【0058】
レバーリンケージシステム25を駆動ユニット32によって位置決めすることができるようにするために、揺り腕54が設けられており、その揺り腕は第8の回転リンケージ55によってすでに説明したクランク35と、そして第9の回転リンケージ56によってレバーリンケージシステム25と結合されている。
【0059】
その場合にレバーリンケージシステム25のどの接続点に第9の回転リンケージ56が配置されているか、は重要ではない。第9の回転リンケージ56が支持アーム50に配置されていると、効果的であることが明らかにされている。しかし、第9の回転リンケージ56が、たとえば担持アーム44に、あるいは第1又は第2のメインレバーアーム37、40に配置されることも、考えられる。
【0060】
図3は、支持装置15を斜視図で示しており、その場合に支持装置はその最大位置27に位置している。その場合に、保護カバー57が形成されていることがよく認識され、その保護カバーによって、特にレバーリンケージシステム25の、内側に位置する部分が介入から保護される。その場合に保護カバー57は、複数の個別セグメントに分割されており、それによってこの保護カバーは支持載置部17と伸縮可能に連動することができる。
【0061】
さらに、支持装置15の下方の端部に支持じゃばら58が取り付けられており、その支持じゃばらは、結合プレート19に対してベースフレーム24の高さを調節する場合に、支持装置15の内側に位置する部分を充分に覆うことができるようにするために、設けられている。
【0062】
さらに、保護カバー57が開放可能な側壁59を有していると、効果的な場合があって、それを通して保守目的で回転ドライブ34に接近することができる。
【0063】
図4は、支持装置15を他の斜視図で示しており、この視点において保護カバーは、レバーリンケージシステム25を見えるようにするために、遮蔽位置から外されている。その場合に、レバーリンケージシステムは1つの平面内に構築されているのではなく、所定の幅を有しており、それによって三次元の構造が生じ、したがってシステム全体に所定の安定性を与えられることが、よく理解できる。
【0064】
見てわかるように、回転ドライブ34はギア機構60に配置することができる。このギア機構は2本の出力軸を有しており、その場合に2本の出力軸の各々にクランク35が配置されている。この2つのクランク35は、2つの揺り腕54と結合することができ、それらの揺り腕は、2つの支持アーム50と結合することができる。
【0065】
ここに示す実施例に従って、レバーリンケージシステム25と駆動ユニット32のすべての個別部品は、できる限り軽構造として形成されており、その場合に個々のレバーの内部に切り抜きを形成することができ、その切り抜きによって軽構造が達成される。システム全体をできるだけ小さく組み立てることができるようにするために、付加的に、個々のレバーが単純なまっすぐな構成部品として形成されるのではなく、それらがたとえば屈曲した部品として形成されており、あるいは個々の部品をできる限り良好に入れ子にすることができるようにするために、切り欠きを有していると、好ましい場合があり得る。
【0066】
たとえば第2のメインレバーアーム40又は担持アーム44が少なくとも部分的に、保護カバー57の内側輪郭61に適合した外側輪郭62を有していると、好ましい場合がある。
【0067】
回転リンケージと称される、レバーアーム間の個々の結合は、実施例に示されるように、ボルトによって形成することができ、そのボルトが滑り軸受又は転がり軸受内に収容されている。
【0068】
システムの幅に関して個々のレバー部材の対称もしくは左右対称の配置が選択されているので、走行運動によって応力もしくは内的な力がもたらされることがないと、好ましい場合があり得る。その場合に個々の結合ボルトは、好ましくは一貫したボルトとして形成されており、それによって望ましくないトルク形成が回避される。唯一、クランク35と揺り腕54の間の結合ボルトは、スペース上の理由から一貫したボルトとして形成しないこともできる。ここでは好ましくは、クランク35又は揺り腕54が少なくとも領域的にフォークとして形成されるので、第8の回転リンケージ55内に生じる力を良好に伝達することができ、かつここでは望ましくない負荷がもたらされることはない。
【0069】
図5と6は、支持装置15を側面図で示しており、その場合に
図5内の支持載置部17はその最大位置27にあり、
図6においてはそのベース位置26にある。ここでは、この実施変形例に示されるレバーリンケージシステム25の好ましい寸法が極めてわかりやすい。個々の長さの最適な値領域は、すでに冒頭で利点の説明において挙げられている。特に本発明に係る駆動ユニット32との組み合わせにおいて、レバーリンケージシステム25の幾何学配置の値記載がもたらす実施形態において、発生する内的な力を最小限に抑えることができ、さらに組み込み空間を節約することができる。
【0070】
重要な幾何学的寸法は、クランク35と揺り腕54の間に形成される第1の角度63である。冒頭で説明したように、個々の回転リンケージの間の結合ラインが幾何学的に重要なコンポーネントである。さらに、クランク35と垂直に延びる結合平面22との間に形成される第2の角度64が重要である。レバーリンケージシステム25の特性にとって重要な幾何学的寸法は、さらに、第5の回転リンケージ47と第6の回転リンケージ49の間の垂直間隔65、第4の回転リンケージ42と第5の回転リンケージ47の間の垂直間隔66、第9の回転リンケージ56と第7の回転リンケージ52の間の垂直間隔67、第8の回転リンケージ55と第9の回転リンケージ56の間の垂直間隔68、回転ドライブ34の回転中心点36と第8の回転リンケージ55との間の垂直間隔69、第1の回転リンケージ37と第2の回転リンケージ40の間の垂直間隔70並びに第1の回転リンケージ37と第3の回転リンケージ41の間の水平間隔71及び第1の回転リンケージ37と回転ドライブ34の回転中心点36との間の水平間隔72である。
【0071】
さらに、
図5と6にはガイドレール73が示されており、そのガイドレール内で保護カバー57の個々のセグメントを案内することができる。
【0072】
図3から6には、支持装置15の他の、そして場合によってはそれ自体自立した実施形態が示されており、その場合にここでも先行する
図1及び2内と同じ部分については、同じ参照符号もしくは構成部品名称が使用されている。不必要な繰り返しを避けるために、先行する
図1及び2内の詳細な説明を参照するよう指摘し、もしくは参照することができる。
【0073】
実施例は、支持装置15の可能な実施変形例を示しており、その場合にここで記録しておくが、本発明は、具体的に図示されたその実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であって、この変形可能性は、対象となる発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0074】
さらに、図示され、かつ説明された様々な実施例に基づく個別特徴あるいは特徴の組み合わせも、それ自体自立した、進歩的又は発明に係る解決を表すことができる。
【0075】
自立した発明に係る解決の基礎となる課題は、説明から読み取ることができる。
【0076】
具体的な説明内の値領域についてのすべての記載は、その任意の部分領域とすべての部分領域を共に含むものであって、たとえば記載1から10は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分領域、すなわち下限の1またはそれ以上で始まり、上限の10またはそれ以下で終了する、たとえば1から1.7、または3.2から8.1、あるいは5.5から10のすべての部分領域、を一緒に含んでいるものとする。
【0077】
特に、
図1−2、3−6に示される個々の形態は、自立した、発明に係る解決を形成することができる。これに関する、発明に係る課題は、これらの図の詳細な説明から読み取ることができる。
【0078】
最後に、形式的に指摘しておくが、支持装置15の構造を理解しやすくするために、支持装置もしくはその構成部分は、一部寸法にとらわれず、かつ/または拡大かつ/または縮小して示されている。
【符号の説明】
【0079】
1 加工設備
2 折り曲げプレス機
3 シート
4 第1の変位可能なプレスビーム
5 第1の工具収容部
6 第1の曲げ工具
7 第2の固定のプレスビーム
8 第2の工具収容部
9 第2の曲げ工具
10 シート載置面
11 プレス機駆動ユニット
12 計算器ユニット
13 入力−表示ユニット
14 操作装置
15 支持装置
16 シート脚
17 支持載置部
18 載置面
19 結合プレート
20 リニアガイド
21 水平方向
22 結合平面
23 端面
24 ベースフレーム
25 レバーリンケージシステム
26 ベース位置
27 最大位置
28 揺動中心点
29 調節装置
30 垂直方向
31 駆動モータ
32 駆動ユニット
33 位置決めドライブ
34 回転ドライブ
35 クランク
36 回転中心点
37 第1のメインレバーアーム
38 第1の回転リンケージ
39 第2の回転リンケージ
40 第2のメインレバーアーム
41 第3の回転リンケージ
42 第4の回転リンケージ
43 メイン支承平面
44 担持アーム
45 垂直間隔1−2
46 垂直間隔3−4
47 第5の回転リンケージ
48 張り出す部分
49 第6の回転リンケージ
50 支持アーム
51 載置角度
52 第7の回転リンケージ
53 直線
54 揺り腕
55 第8の回転リンケージ
56 第9の回転リンケージ
57 保護カバー
58 保護じゃばら
59 側壁
60 ギア機構
61 内側輪郭
62 外側輪郭
63 第1の角度
64 第2の角度
65 垂直間隔5−6
66 垂直間隔4−5
67 垂直間隔9−7
68 垂直間隔8−9
69 垂直間隔 中心点−8
70 垂直間隔1−3
71 水平間隔1−3
72 水平間隔 中心点−1
73 ガイド