特許第6588468号(P6588468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588468角度変位センサを含む組織除去カテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588468
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】角度変位センサを含む組織除去カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   A61B17/3207
【請求項の数】18
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-567469(P2016-567469)
(86)(22)【出願日】2015年2月3日
(65)【公表番号】特表2017-507002(P2017-507002A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】US2015014165
(87)【国際公開番号】WO2015117107
(87)【国際公開日】20150806
【審査請求日】2018年1月29日
(31)【優先権主張番号】14/170,869
(32)【優先日】2014年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー, ルーカス
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−532211(JP,A)
【文献】 特表2001−509038(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0270686(US,A1)
【文献】 特表2004−516073(JP,A)
【文献】 特開平03−205041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3207
A61B 17/22
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を有する身体管腔から組織を除去する組織除去カテーテルであって、
前記身体管腔に挿入するように構成されたカテーテル体であって、前記カテーテル体は、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延在する長手方向軸とを有し、前記カテーテル体の少なくとも第1の長手方向の本体部分は、前記カテーテル体の長さに沿って延びる回転軸の周りで回転可能である、カテーテル体と、
前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分に結合された組織除去要素と、
前記カテーテル体に結合された角度変位センサであって、前記角度変位センサは、前記第1の長手方向の本体部分が前記回転軸の周りを回転されるときに、前記回転軸に対する前記カテーテル体の少なくとも前記第1の長手方向の本体部分の角変位を検出するように構成されている、角度変位センサと、
前記角度変位センサに接続可能な制御回路であって、前記制御回路は、
前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分の基準角度位置に対する前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分の角変位を表す電気信号を前記角度変位センサから受け取ることと、
前記角度変位センサから受け取られた電気信号を使用して前記第1の長手方向の本体部分の角変位を計算することと
を行うように構成されている、制御回路と、
前記カテーテル体に接続可能な制御装置であって、前記制御装置は、前記制御回路と、前記制御回路に電気的に接続されたディスプレイとを備え、前記ディスプレイは、前記第1の長手方向の本体部分の前記計算された角変位を前記ディスプレイ上に角度として表示するためのものである、制御装置と
を備える組織除去カテーテル。
【請求項2】
前記角度変位センサは、前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分に結合されている、請求項1に記載の組織除去カテーテル。
【請求項3】
前記角度変位センサは、前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分と回転するように構成されている、請求項2に記載の組織除去カテーテル。
【請求項4】
前記組織除去要素は、前記回転軸の周りで前記第1の長手方向の本体部分と回転するように構成されており、
前記角度変位センサは、前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分に結合されており、前記角度変位センサは、前記第1の長手方向の本体部分と前記組織除去要素とともに前記回転軸の周りを回転するように構成されている、請求項1に記載の組織除去カテーテル。
【請求項5】
前記角度変位センサは、ジャイロスコープを備える、請求項1に記載の組織除去カテーテル。
【請求項6】
少なくとも1つの導電体をさらに備え、前記少なくとも1つの導電体は、前記組織除去要素が前記回転軸の周りを回転されるときに、前記回転軸に対して前記カテーテル体の少なくとも前記第1の長手方向の本体部分の角変位を表す電気信号を前記角度変位センサから受け取るために、前記角度変位センサに電気的に接続されており、かつ、前記制御回路に電気的に接続可能である、請求項1に記載された組織除去カテーテル。
【請求項7】
前記カテーテル体は、前記第1の長手方向の本体部分の近位の第2の長手方向の本体部分を含み、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の角度位置を調整するために、前記第1の長手方向の本体部分は、長さに沿って、かつ、前記第2の長手方向の本体部分に対して回転可能である、請求項6に記載の組織除去カテーテル。
【請求項8】
前記第1の長手方向の本体部分に操作可能に接続された角度位置決め機構をさらに備え、前記角度位置決め機構は、その長さに沿って、かつ、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分を回転させることにより、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の角度位置を調整するように構成されている、請求項7に記載の組織除去カテーテル。
【請求項9】
前記カテーテルは、前記組織除去要素を前記身体管腔の周辺部分に向かって方向付けるように構成された並置部材をさらに備え、前記角度位置決め機構は、原動機を備え、前記制御回路は、前記カテーテル体の前記第2の長手方向の本体部分に対して前記並置部材に回転を付与するように前記原動機の操作を制御するために、前記原動機に操作可能に接続可能である、請求項8に記載の組織除去カテーテル。
【請求項10】
記制御装置は、前記基準角度位置に対して選択された角度位置に前記第1の長手方向の本体部分を回転させるように前記制御回路に命令するために、前記制御回路に電気的に接続されたユーザ入力をさらに備える、請求項9に記載の組織除去カテーテル。
【請求項11】
長手方向軸を有する身体管腔から組織を除去する組織除去カテーテルであって、
被検体の前記身体管腔に挿入するように構成されたカテーテル体であって、前記カテーテル体は、近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延在する長手方向軸を有し、前記カテーテル体は、第1の長手方向の本体部分を含む、カテーテル体と、
織除去要素であって、前記組織除去要素は、前記組織除去要素が前記第1の長手方向の本体部分とともに回転するように前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分に結合されており、前記組織除去要素は、前記カテーテル体が前記身体管腔に挿入されるときに、前記身体管腔の前記長手方向軸に対して角度組織除去位置に配置されるように構成されており、前記組織除去要素は、前記カテーテル体が前記身体管腔内に挿入されるときに、前記身体管腔の前記長手方向軸に対して前記組織除去要素の角度組織除去位置を調整するために、回転軸の周りを回転可能である、組織除去要素と、
前記組織除去要素に略隣接する角度変位センサであって、前記角度変位センサは、前記組織除去要素が前記回転軸の周りを回転されるときに、前記身体管腔の前記長手方向軸に対して前記組織除去要素の角変位を検出するように構成されている、角度変位センサと、
前記角度変位センサに接続可能な制御回路であって、前記制御回路は、
前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分の基準角度位置に対する前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分の角変位を表す電気信号を前記角度変位センサから受け取ることと、
前記角度変位センサから受け取られた電気信号を使用して前記第1の長手方向の本体部分の角変位を計算することと
を行うように構成されている、制御回路と、
前記カテーテル体に接続可能な制御装置であって、前記制御装置は、前記制御回路と、前記制御回路に電気的に接続されたディスプレイとを備え、前記ディスプレイは、前記第1の長手方向の本体部分の前記計算された角変位を前記ディスプレイ上に角度として表示するためのものである、制御装置と
を備える組織除去カテーテル。
【請求項12】
前記角度変位センサは、前記回転軸の周りを前記組織除去要素とともに回転するように構成されている、請求項11に記載の組織除去カテーテル。
【請求項13】
前記角度変位センサは、ジャイロスコープを備える、請求項12に記載の組織除去カテーテル。
【請求項14】
少なくとも1つの導電体をさらに備え、前記少なくとも1つの導電体は、前記回転軸に対する前記組織除去要素の角変位を表す電気信号を前記角度変位センサから受け取るために、前記角度変位センサに電気的に接続されており、かつ、前記制御回路に電気的に接続可能である、請求項11に記載の組織除去カテーテル。
【請求項15】
前記カテーテル体は前記第1の長手方向の本体部分の近位の第2の長手方向の本体部分をさらに含み、前記第1の長手方向の本体部分は、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の角度位置を調整するために、前記第2の長手方向の本体部分に対して長さに沿って回転可能である、請求項11に記載の組織除去カテーテル。
【請求項16】
前記第1の長手方向の本体部分に操作可能に接続された角度位置決め機構をさらに備え、前記角度位置決め機構は、その長さに沿って、かつ、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分を回転させることにより、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の角度位置を調整するように構成されている、請求項15に記載の組織除去カテーテル。
【請求項17】
前記角度位置決め機構は、原動機を備え、前記制御回路は、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分に回転を付与するように前記原動機の操作を制御するために、前記原動機に操作可能に接続可能である、請求項16に記載の組織除去カテーテル。
【請求項18】
記制御装置は、前記基準角度位置に対して選択された角度位置に前記第1の長手方向の本体部分を回転させるように前記制御回路に命令するために、前記制御回路に電気的に接続されたユーザ入力をさらに備える、請求項17に記載の組織除去カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、角度変位センサを含む組織除去カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
切除または組織除去用のカテーテルは、体から不必要な組織を除去するために使用される。一例として、アテローム切除用カテーテルは、血管から物質を除去し、血管を広げ血管内の血流を改善するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一態様では、組織を身体管腔から除去するための組織除去カテーテルは、組織除去要素を含む。組織除去要素は、カテーテル体の第1の長手方向部分に連結され得る。角度変位センサは、第1の長手方向の本体部分が回転軸の周りを回転されるときに、回転軸に対するカテーテル体の少なくとも第1の長手方向部分の角変位を検出するためにカテーテル体に連結され得る。
【0004】
別の態様では、組織除去要素は、回転軸の周りを回転され、カテーテル体が身体管腔内に挿入されるときに、身体管腔に対する組織除去要素の角度組織除去位置を調整し得る。この角度変位センサは、組織除去要素が回転軸の周りを回転されるときに、身体管腔に対する組織除去要素の角変位を検出するために、組織除去要素に略隣接し得る。
【0005】
その他の特徴は、以下で一部明白になり、一部指摘されるであろう。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
長手方向軸を有する身体管腔から組織を除去する組織除去カテーテルであって、
前記身体管腔に挿入するよう構成されたカテーテル体であって、前記カテーテルは、近位端と、遠位端と、前記近位端と遠位端との間で延在する長手方向軸とを有し、前記カテーテル体の少なくとも第1の長手方向の本体部分が前記カテーテル体の前記長さに沿って延びる回転軸の周りで回転可能であるカテーテル体と、
前記カテーテル体の前記第1の長手方向部分に連結される組織除去要素と、
前記カテーテル体に連結され、前記第1の長手方向の本体部分が前記回転軸の周りを回転されるときに、前記回転軸に対する前記カテーテル体の少なくとも前記第1の長手方向部分の角変位を検出するよう構成された角度変位センサと、を備える組織除去カテーテル。
(項目2)
前記角度変位センサが前記カテーテル体の前記第1の長手方向部分に連結される、項目1に記載の組織除去カテーテル。
(項目3)
前記角度変位センサが前記カテーテル体の前記第1の長手方向の本体部分と回転するよう構成された、項目2に記載の組織除去カテーテル。
(項目4)
前記組織除去要素が前記回転軸の周りで前記第1の長手方向の本体部分と回転するよう構成され、
前記角度変位センサが、前記カテーテル体の前記第1の長手方向部分に連結され、前記第1の長手方向の本体部分と前記組織除去要素とともに前記回転軸の周りを回転するよう構成された項目1に記載の組織除去カテーテル。
(項目5)
前記角度変位センサがジャイロスコープを備える、項目1に記載の組織除去カテーテル。
(項目6)
前記組織除去要素が前記回転軸の周りを回転されるときに、前記回転軸に対して、前記カテーテル体の少なくとも前記第1の長手方向部分の前記角変位を表す前記角度変位センサからの電気信号を受け取るために、前記角度変位センサに電気的に接続され、電気的に制御回路に接続可能である、少なくとも1つの導電体をさらに備える、項目1に記載された組織除去カテーテル。
(項目7)
前記角度変位センサに電気的に接続された前記少なくとも1つの導電体に接続可能な制御回路をさらに備え、前記制御回路は、
前記カテーテル体の前記第1の長手方向部分の基準角度位置に対する前記カテーテル体の前記第1の長手方向部分の角変位を表す前記角度変位センサからの電気信号を受け取り、
前記角度変位センサからの前記受け取られた電気信号を使用して前記第1の長手方向の本体部分の前記角変位を計算するよう構成されている、項目6に記載の組織除去カテーテル。
(項目8)
前記カテーテル体に接続可能な制御装置をさらに備え、前記制御装置は前記接続回路を備える、項目7に記載の組織除去カテーテル。
(項目9)
前記制御装置は、前記第1の長手方向の本体部分の前記計算された角変位を表示するために、前記制御回路に電気的に接続されているディスプレイを備える、項目7に記載の組織除去カテーテル。
(項目10)
前記カテーテル体は、前記第1の長手方向の本体部分の近位の第2の長手方向の本体部分を含み、前記第1の長手方向の本体部分の前記角度位置を前記第2の長手方向の本体部分に対して調整するために、前記第1の長手方向の本体部分は、長さに沿って、かつ前記第2の長手方向の本体部分に対して回転可能である、項目7に記載の組織除去カテーテル。
(項目11)
前記第1の長手方向の本体部分に操作可能に接続され、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の前記角度位置を調整するために、前記第1の長手方向の本体部分を長さに沿って、及び前記第2の長手方向の本体部分に対して回転させるよう構成された角度位置機構をさらに備える、項目10に記載の組織除去カテーテル。
(項目12)
前記角度位置決め機構は原動機と、前記カテーテル体の前記第2の長手方向の本体部分に対して前記並置部材に回転を付与するために、前記原動機の操作を制御する前記原動機に操作可能に接続可能な前記制御回路とを備える、項目11に記載の組織除去カテーテル。
(項目13)
前記カテーテル体に接続可能な制御装置をさらに備え、前記制御装置は前記接続回路を備え、
前記制御装置は、前記第1の長手方向の本体部分の前記計算された角変位を表示するために、前記制御回路に電気的に接続されているディスプレイを備え、
前記制御装置は、前記基準角度位置に対して選択された角度位置に前記第1の長手方向の本体部分を回転するよう前記制御回路に命令するために、前記制御回路に電気的に接続されたユーザ入力を備える、項目12に記載の組織除去カテーテル。
(項目14)
長手方向軸を有する身体管腔から組織を除去する組織除去カテーテルであって、
被検体の前記身体管腔に挿入するよう構成されたカテーテル体であって、近位端と、遠位端と、前記近位端と遠位端との間で延在する長手方向軸を有するカテーテル体と、
前記カテーテル体に連結され、前記カテーテル体が前記身体管腔に挿入されるときに前記身体管腔の前記長手方向軸に対して角度組織除去位置に配置されるよう構成された組織除去要素であって、前記カテーテル体が前記身体管腔内に挿入されるときに、前記身体管腔の前記長手方向軸に対して前記組織除去要素の角度組織除去位置を調整するために、回転軸の周りを回転可能な組織除去要素と、
前記組織除去要素が前記回転軸の周りを回転されるときに、前記身体管腔の前記長手方向軸に対して前記組織除去要素の角変位を検出するよう構成された前記組織除去要素に略隣接する角度変位センサと、を備える組織除去カテーテル。
(項目15)
前記角度変位センサは前記回転軸の周りを前記組織除去要素とともに回転するよう構成された、項目14に記載の組織除去カテーテル。
(項目16)
前記角度変位センサがジャイロスコープを備える、項目15に記載の組織除去カテーテル。
(項目17)
前記角度変位センサに電気的に接続され、前記回転軸に対する前記組織除去要素の前記角変位を表す前記角度変位センサからの電気信号を受け取るための制御回路に電気的に接続可能な、少なくとも1つの導電体をさらに備える、項目14に記載の組織除去カテーテル。
(項目18)
前記角度変位センサに電気的に接続された前記少なくとも1つの導電体に接続可能な制御回路をさらに備え、前記制御回路は、
前記組織除去要素の基準角度位置に対する前記組織除去要素の角変位を表す前記角度変位センサからの電気信号を受け取り、
前記角度変位センサからの前記受け取られた電気信号を使用して前記組織除去要素の前記角変位を計算するよう構成された、項目17に記載の組織除去カテーテル。
(項目19)
前記カテーテル体に接続可能な制御装置をさらに備え、前記制御装置は前記接続回路を備える、項目18に記載の組織除去カテーテル。
(項目20)
前記制御装置は、前記組織除去要素の前記計算された角変位を表示するために、前記制御回路に電気的に接続されているディスプレイを備える、項目18に記載の組織除去カテーテル。
(項目21)
前記カテーテル体は、第1の長手方向の本体部分と、前記第1の長手方向の本体部分の近位の第2の長手方向の本体部分とを含み、前記第1の長手方向の本体部分は、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の前記角度位置を調整するために、前記第2の長手方向の本体部分に対して長さに沿って回転可能であり、
前記組織除去要素は、前記第1の長手方向の本体部分とともに回転するように前記組織除去要素は前記第1の長手方向の本体部分に連結されている、項目14に記載の組織除去カテーテル。
(項目22)
前記第1の長手方向の本体部分に操作可能に接続され、前記第1の長手方向の本体部分を長さに沿って、及び前記第2の長手方向の本体部分に対して回転させ、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分の前記角度位置を調整するよう構成された角度位置機構をさらに備える、項目21に記載の組織除去カテーテル。
(項目23)
前記角度位置決め機構は原動機を備え、前記制御回路は、前記第2の長手方向の本体部分に対して前記第1の長手方向の本体部分に回転を付与するために、前記原動機の操作を制御する前記原動機に操作可能に接続可能な、項目22に記載の組織除去カテーテル。
(項目24)
前記カテーテル体に接続可能な制御装置をさらに備え、前記制御装置は前記接続回路を備え、
前記制御装置は、前記第1の長手方向の本体部分の前記計算された角変位を表示するために、前記制御回路に電気的に接続されているディスプレイを備え、
前記制御装置は、基準角度位置に対して選択された角度位置に前記第1の長手方向の本体部分を回転するよう前記制御回路に命令するために、前記制御回路に電気的に接続されたユーザ入力を備える、項目23に記載の組織除去カテーテル。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】カテーテル体の透視図及びハンドルの概略図であり、そのそれぞれはカテ−テルの一部である。
図2】カテーテル体の拡大部分断面図であり、展開位置における組織除去要素を示す。
図3】カテーテル体の拡大部分側部正面図である。
図4】断面で示された血管内に受け入れられた、カテーテル体の拡大部分側部正面図である。
図5図4の線5−5によって画定された平面での血管内に受け入れられたカテーテル体の概略断面図である。
図6図8中の線6−6によって画定された平面での拡大区分図である。
図7】カテーテル体の組織除去要素の角度組織除去位置の変化を示している以外は図5に類似している。
図8】カテーテル体の拡大部分底部正面図である。
図9】1つ以上の実施形態による、カテーテルの電機部品の電気図面である。
図10図1のハンドルの拡大概略図である。
図11】1つ以上の実施形態による、カテーテルの電機部品の電気図面である。
図12】カテーテル体の拡大部分底部正面図であり、下にある構成要素を見せるために離脱している部分を含む。
図13図9に示す実施形態による、制御回路及び制御回路と通信する構成要素を示すブロック図である。
図14図11に示す実施形態による、制御回路及び制御回路と通信する構成要素を示すブロック図である。
図15】直線形状で示されたカテーテル体の概略である。
図16】1つ以上の実施形態による、制御回路及び制御回路と通信する構成要素を示すブロック図である。
図17図16に示された実施形態と共に使用するハンドルの一実施形態の拡大概略図である。
【0007】
対応する参照文字は、図面全体を通して対応部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
身体管腔から組織を除去するために、身体管腔内で角度組織除去の位置決めを改善した組織除去カテーテルの実施形態が開示されている。特に、図示されたカテーテルの実施形態は、特に、プラーク組織を血管(例えば、末梢動脈または末梢静脈壁)から除去(すなわち、切除)するために好適である。しかしながら、開示された実施形態の特徴もまた、血管、特に、末梢動脈の慢性完全閉塞(CTO)、ならびに尿管、胆管、呼吸器経路、膵管、リンパ管等、他の身体管腔の狭窄及び他の身体管腔内の他の過形成性及び腫瘍性疾患を治療するためにも好適であり得る。腫瘍性細胞成長は、多くの場合、身体管腔を囲み、かつその中へ侵入する腫瘍の結果として発生するであろう。そのような物質の除去は、したがって、身体管腔の開存性を維持するために有益であり得る。残りの議論は、血管から組織を除去し、かつその内の閉塞(例えば、動脈内のアテローム性または血栓症閉塞物質あるいは静脈内の他の閉塞)を穿通するためのカテーテルを対象とするが、本開示の教示は、限定ではないが、様々な身体管腔内の様々な閉塞、狭窄、または過形成物質を穿通し、及び/またはそこから組織を除去するためのカテーテルを含む、他のタイプの組織除去カテーテルにも等しく適用されることを理解されよう。
【0009】
図1を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態によると、組織除去カテーテルは、全体的に参照番号10にて示されている。カテ−テル10は、それぞれ対向する近位端及び遠位端12a,12bを有する、全体的に12で示されている細長いカテーテル体と、近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸A1(図3)とを備える。全体的に14で示されているハンドルまたは制御装置は、カテーテル体12の近位端21aに取り付けられているが、ハンドルはその他の実施形態ではカテーテル体に固定して取り付けられ得る。組織除去要素は、全体的に16で示されており、全体的にカテーテル体12の遠位端12bに隣接し、組織を身体管腔から除去(例えば、切除)し、除去された組織を組織容器17に向けるよう構成されている。
【0010】
図2を参照すると、図示された実施形態では、組織除去要素16は、組織を切除するために回転軸RA1の周りで回転可能である、回転可能な切除要素を備えている。図示された切除要素16は、その他の実施形態では、刃先は近位を向き得るが、遠位に向いた刃先18と、カテーテル体12の組織容器17へと除去された組織を遠位に方向付けるためのカップ形状表面20とを有する。その他の実施形態では、組織除去要素は、組織を切除するためのその他の構成を有してよく、またはその他の方法で組織を除去するよう構成され得る。例えば、組織除去要素は、組織を切断、組織を剥がし、または別の方法で身体管腔から組織を除去するよう構成され得る。さらに、組織除去要素は、カテーテル体に対して回転可能でなくてよい。
【0011】
依然として、図2を参照すると、組織除去ドライブシャフト26は、組織除去要素に回転を付与するための(例えば、軸にしっかりと固定された)組織除去要素16の軸28に操作可能に接続されている。この組織除去ドライブシャフト26(例えば、コイルドライブシャフト)は、カテーテル体に対してドライブシャフトの回転を駆動し、そして次に組織除去要素16の回転を駆動するために、カテーテル体12を通って延在し、ハンドル14内で電動ドライブシャフトモータ30(図10)またはその他の原動機に操作可能に接続することができる。ドライブシャフトモータ30は、ハンドル14内で電源21(図10)に電気的に接続されている。図示された実施形態では、ドライブシャフト26は、カテーテル体に対して組織除去要素16の長手方向への移動を付与するように、カテーテル体12内部で長手方向に移動可能である。組織除去要素16が長手方向に移動することで、カテーテル体12の一部である組織除去容器34に対して組織除去要素を展開し、格納する。組織除去容器34(例えば、その近位端部分)は、カテーテル体の長手方向軸A1を全体的に横切る旋回軸PA(図3)の周りを旋回する。容器34の遠位部分は、組織収容器17を形成するが、容器及び組織収集室は、別に形成され得る。
【0012】
組織除去要素16は、格納された位置(図示せず)と展開位置(図1及び図2)との間で移動可能である。格納された位置においては、組織除去要素16は、容器34中に受け入れられ、容器の窓または側面開口部38を通って露出されない。組織除去要素16を展開するために、ドライブシャフト26は、ドライブシャフトに操作可能に接続されたハンドル14上のレバーまたはその他の作動装置40(図1)を移動させることによって等、カテーテル体12に対して近位に移動され、容器34に対して組織除去要素16の近位への移動を付与する。図2を参照すると、組織除去要素16を近位に移動するに従い、カムとして作動する組織除去要素は嵌合し、容器34の内部のカムフォロア42に沿って長手方向に移動して、容器を旋回軸PA(図4)の周りに旋回させ、組織除去要素をウインドウ38から部分的に延出させる。スイッチ43(図11)は、ドライブシャフトモータ30が作動(すなわち、オン)になるように、作動装置40に連結され、組織除去要素16が展開されるときにドライブシャフト26に回転を付与し得る。組織除去要素16を格納された非展開位置に戻すために、ドライブシャフト26は、作動装置40を遠位方向に移動することなどによって遠位に移動し、カムフォロア42に沿って組織除去要素16の遠位への移動を付与する。組織除去要素16を遠位に移動することにより、組織除去要素が容器34中に受け入れられウインドウ38から延出しないように、容器34を旋回軸PAの周りを旋回または後退させる。組織除去要素16が格納位置にあるときには、ドライブシャフトモータ30は作動が停止される(すなわち、オフになる)。本開示の原則によって組み立てられたカテ−テル10は、展開機構を含まなくてよい(例えば、組織除去要素またはその他の機能要素は、常に展開されてよく、またはカテーテル体内に留まってよい)と理解されている。
【0013】
図3を参照すると、カテーテル体12は、カテーテル体の遠位部分を画定する第1の(遠位)長手方向の本体部分46と、及び第1の(遠位)長手方向の本体部分の近位の第2の(近位)長手方向の本体部分48とを含む。図示された実施形態では、第2の(近位)長手方向の本体部分48は、第1の(遠位)長手方向の本体部分46の隣接する近位端からカテーテル体12の近位端12aに向かって延在する。以下でより詳細に説明するように、第1の(遠位)長手方向の本体部分46は長さに沿って、及び第2の回転軸A2(図5)の周りの第2の(近位)長手方向の本体部分48に対して、選択的に回転可能である。特に、第1の(遠位)長手方向の本体部分46は、第1の(遠位)長手方向の本体部分の長さに沿って、及び第2の(近位)長手方向の本体部分48に対して回転を付与するために、角度位置決め機構60に操作可能に接続されている。第1及び第2の(近位)長手方向の本体部分46、48のそれぞれは、身体管腔BL内の曲がりくねった経路を通ってカテーテル体12を誘導するために適切な可撓性がある。以下でより詳細に説明するように、第1の(遠位)長手方向の本体部分46は、近位端から遠位端に向かってトルクを送達するために、トルクチューブ(例えば、コイル部材)を備え得る。特に、第1の長手方向部分46のトルクチューブは、コイルドステンレス鋼またはその他の材料及び構造から形成され得る。第2の(近位)長手方向の本体部分48もまた、トルクチューブを備え得る。しかしながら以下でより詳細に説明される理由のため第2の(近位)長手方向の本体部分は、第2の(近位)長手方向の本体部分には近位端から遠位端に向かって効果的にトルクを送達できなくてもよい場合があるため、トルクチューブを含まなくてよい。
【0014】
依然として、図3を参照すると、カテ−テル10は、並置部材を備えており、全体的に52として示され、並置部材は、カテーテルが血管Vによって画定された身体管腔BL内に挿入される時に、カテーテル体12の長手方向軸A1に対して全体的に半径方向に並置力を印加するよう構成され、組織除去要素16を身体管腔の周辺(または周囲)部分に向かって方向付ける。図示された実施形態では、並置部材52は、ジョグまたは曲線状構成で付勢または予備形成されている第1の(遠位)長手方向の本体部分46のジョグ部分を備える。その他の実施形態では、並置部材52は、組織除去要素16を身体管腔BLの周辺部分に向かって方向付ける、その他の構造であってよい。例えば、その他の実施形態では、並置部材は、ウインドウ38に対向する容器34の側面上の組織除去要素16に隣接して固定された膨張可能な部材を備え得る。その他の実施形態では、容器34は、並置部材として機能し得る。それによって、容器を旋回することで組織除去要素16を身体管腔の周辺または円周部分に向かって方向付ける。この並置部材は、その他の構造であってよい。
【0015】
図4に見ることができるように、カテ−テル10が身体管腔BL内に挿入されるとき、並置部材52は、血管Vによって画定される身体管腔BLの周辺部分に嵌合し、並置部材によって嵌合された周辺部分に対して、略正反対(例えば、180度)である身体管腔の対向する周辺部分に並置して、組織除去要素16及び/またはウインドウ38(図2)を保持する。身体管腔BLの長手方向軸A2に対する組織除去要素16のこの角度位置は、「角度組織除去位置」として本明細書では称されている。図5の概略図においては、組織除去要素16の角度位置は、身体管腔BLを貫通する基準面RPから0度オフセットしている。全体的に、組織除去要素16の角度をつけた組織除去位置は、並置部材によって身体管腔BLに印加される、力の位置から約180度のオフセットである。
【0016】
図6を参照すると、角度位置決め機構60は、ユーザが、カテーテル体の第2の(近位)長手方向の本体部分48を手動で回転させたりまたはトルクを与えたりせずに、身体管腔BL内の並置部材52(及び本組織除去要素16)を回転させ、身体管腔の長手方向軸A2に対する組織除去要素の角度組織除去位置を調整することを可能にする。特に、角度位置決め機構60は、並置部材52に操作可能に接続され、並置部材を、カテーテル体12の第2の(近位)長手方向の本体部分48に対して回転軸A2の周りを回転させるよう構成され、カテーテル10が身体管腔に挿入されるときに、身体管腔BLの長手方向軸A2に対して、組織除去要素の角度組織除去位置を調整する。図示された実施形態では、角度位置決め機構60は、第1の(遠位)及び第2の(近位)の長手方向の本体部分46と48との間に配置された電動モータのような原動機を含み、及び、ドライブシャフトモータ30に電気的に接続可能な類似の電源21のような電源または異なる電源に電気的に接続可能である。特に、図示された角度位置決めモータ60は、ロータ63、ステ−タ64及び第1の(遠位)長手方向の本体部分46に接続された中空出力シャフト65を含む貫通電動モータパスである。角度位置決めモータ60は、内腔70、72と同軸の開口部68を有し、第1(遠位)及び第2の(近位)長手方向の本体部分46、48のそれぞれによって画定されている。ドライブシャフト26は、角度位置決めモータ60内の開口部68と内腔70、72とを通る。角度位置モータ60は、その他の種類の電動モータまたはその他の種類の原動機であり得る。その他の実施形態では、角度位置決め機構60は、カテーテル体12上の別の場所またはハンドル14内のようなカテ−テル10上の何れかに配置されてよく、少なくとも第1の(遠位)長手方向の本体部分46をその長さの周りで回転させる。
【0017】
図7を参照すると、図示された並置部材52は、角度位置決め機構60の回転軸A2と同軸ではないため(すなわち、中心ではない)、偏心して機能する。本質的には、並置部材52を回転軸A2の周りで回転させることで、身体管腔BLに対して角度組織除去位置を調整し、ユーザが身体管腔の異なる周辺部分に向かって組織除去要素16を方向付けることができる。例えば、図7の概略図においては、並置部材52は、組織除去要素16(実線で示されている)の角度組織除去位置が、組織除去要素の基準組織除去位置(破線で示されている)から時計方向に約60度のオフセット角度αとなるように、身体管腔BLの軸A2に対して回転される。
【0018】
図8を参照すると、角度位置決めモータ60は、カテーテル体12に沿って通っているワイヤまたはフレックス回路のような、1つ以上の導電体74を介して電源21に電気的に接続可能である。図示された実施形態では、導電体74は、カテーテル体12のドライブシャフト内腔70、72と分離しかつ連通しないワイヤ内腔内78に収容されている。その他の実施形態では、導電体はドライブシャフト内腔70、72内に収容され得る。角度位置モータ60は、局部電池を含むその他の方法で動力を供給されてよく、その他の方法においてはそれによって導電体が省略され得る。
【0019】
電源21、ドライブシャフトモータ30及び角度位置決めモータ60を含む電気回路図は図9に示されている。カテ−テル10は、ドライブシャフトモータ30及び角度位置決めモータ60用に電源21をそれぞれのスイッチ43、80に選択的に接続するための電源スイッチ79を含む。この図示された実施形態では、図10に示されているように、作動装置81(例えば、図示されているように、トグル、レバー、スライドまたはボタン)がスイッチ79を選択的に作動するためにハンドル14上に提供されている。角度位置決めモータ60を、角度位置決めモータを操作するために、選択的に電源21に接続するためのスイッチ80は、メカニカルスイッチ(図示されている)、半導体スイッチまたはその他の種類のスイッチであり得る。この図示された実施形態では、図10に示されているように、作動装置82(例えば、図示されているように、トグル、レバー、スライドまたはボタン)がスイッチ80を選択的に作動するためにハンドル14上に提供されている。図9に図示された実施形態においては、スイッチ80は、ユーザが角度位置決めモータ60及び並置部材52の回転方向を選択的に制御することを可能にする。一例として、スイッチ80は、2極偏心スイッチであり得る。作動装置82が「オフ」の位置(すなわち、どの回転方向も選択されない)ときには、端末セット1A,1B,2C,及び2Dは開放され角度位置決めモータ60は作動されない。並置部材52を時計方向に移動する(かつ、したがって身体管腔BL内の組織除去要素16の角度組織除去位置を調整する)ために、ユーザは作動装置82で「時計回り」方向を選択する。例えば、ユーザは図示されたトグル作動装置82の右側面を押してよく、それによって、端末セット1A及び2Cは閉鎖され端末セット1B及び2Dが開放される。電流は閉鎖された端末セット1Aを通って流れ、2Dは並置部材52を時計方向に回転させるため角度位置決めモータ60を時計方向に回転させる動力を与える。並置部材52を反時計方向に移動する(かつ、したがって身体管腔BL内の組織除去要素16の角度組織除去位置を調整する)には、ユーザは作動装置82で「反時計回り」方向を選択する。例えば、ユーザは図示されたトグル作動装置82の左側面を押してよく、端末セット1B及び2Dの閉鎖を作動し、一方、端末セット1A及び2Cは解放される。電流は閉鎖された端末セット1Bを通って流れ、2Dは並置部材を反時計方向に回転させるため角度位置決めモータ60を反時計方向に回転させる動力を与える。
【0020】
依然として、図9を参照すると、1つ以上のパルス幅変調器(PWM)86は、電源21から角度位置決めモータに供給されるデューティサイクルを調節するために、角度位置決めモータ60に電気的に接続されている。本実施例では、電流はドライブシャフトモータ30として類似の電源21から受け取られる。変調器86は、双方向のモータの回転速度を調節するために角度位置決めモータ60に供給されるデューティサイクルを効果的に調節する。1つ以上の変調器86は、角度位置決めモータ60の速度をドライブシャフト26の速度よりも実質的に低く(例えば、約1rpmから約60rpm)調節するであろうことが想定される。1つ以上の変調器86は、ハンドル14またはカテーテル体12内に受け取られ得る。その他の実施形態では、カテ−テルは変調器86を備えたようなパルスを含まなくてよいと理解されている。
【0021】
スイッチ80はその他の種類のスイッチであってよい。例えば、図11に図示された実施形態においては、スイッチ80’は単極、単投スイッチであり、これによりスイッチがオンのときには(すなわち、回路パスが閉鎖されている)に供給され、電力が角度位置決めモータ60(角度位置決めモータがオンになり作動する)、スイッチがオフのときには(すなわち、回路パスが解放されている)に遮られ、電力が角度位置決めモータ(角度位置決めモータがオフになり作動を停止する)、本実施形態では、角度位置決めモータ60は1方向のみ(例えば、時計回り)に回転するよう構成されている。
【0022】
図12にて示されているように(及び図2にも示されているように)、図示されたカテ−テル10は、角度位置決め機構60に加え、角度変位センサ87を含む。その他の実施形態では、カテ−テル10は、角度位置決め機構60と角度変位センサ87のうち一方を含み、他方を含まなくてもよい。角度変位センサ87は、身体管腔BLの長手方向軸A2に対して組織除去要素16の角度組織除去位置を決定するために使用される。図示された実施形態では、角度位置決め機構60及び角度変位センサ87の双方は、カテーテル体12の第2の(近位)長手方向端部の本体部分48を手動で回転させたりまたはトルクを与えたりせずに、ユーザが、治療中の身体管腔BL内の組織除去要素の角度組織除去位置を決定し、本角度位置を選択された大きさ及び/または方向に調整することを可能にする。
【0023】
依然として、図12を参照すると(また図2にも示されている)、角度変位センサ87は、カテーテル体12の第1の(遠位)長手方向端部の本体部分46と関連し、並置部材52の角変位(及び身体管腔BLの長手方向軸A2に対する組織除去要素16の角度組織除去位置)を検出するよう構成されている。図示された実施形態では、角変位センサ16は、容器34にしっかりと固定されており、より詳細には、容器内のカムフォロアまたはランプ42に固定されている。ランプ42の底面は、角度変位センサ87が受け取られるカットアウトまたは凹み88(図2を参照)を有する。図示された実施形態においては、角度変位センサ87は、回路基板90上に搭載された集積回路のような、固体センサである。例えば、一実施形態では、角度変位センサ87はジャイロスコープであり得る。角度変位センサ87は、ジャイロスコープ以外のその他の種類のセンサであり得る。例えば、角度変位センサ87は磁気センサであってよく、地球の磁界に対する組織除去要素16の角度組織除去位置を決定するために使用される。角度変位センサ87は、並置部材52の角変位と、組織除去要素16の角度組織除去位置の変位とを検出するために、その他の位置でカテーテル体12に固定され得る。カテ−テル10は、角度変位センサ87に接続され、本体の近位端12aに向かってカテーテル体12に沿って通っている1つ以上の導電体92(例えば、ワイヤ)を含む。特に、導電体92は、第1の(遠位)長手方向の本体部分46でワイヤ内腔94に、及び第2の(近位)長手方向の本体部分48でワイヤ内腔78に受け取られている。内腔78、94は、ドライブシャフト内腔70、72から分離し、及び連通しない。導電体92は制御回路94及び電源21に電気的に接続可能である。制御回路94は、図示されているようにハンドル14にて提供されてよく、または制御回路は、角度変位センサ87と類似の回路基板91のように、カテーテル体12内に提供され得る。
【0024】
図13を参照すると、図示された実施形態では、制御回路94は、電気信号を角度変位センサ87から受け取り、組織除去要素16の角変位を計算するよう構成されており(例えば、プログラムされている)、ユーザインタフェース96を介して大きさと変位の方向をユーザに伝達する。図示された実施形態では、ユーザインタフェース96は、ハンドル14上にディスプレイ(例えば、LCDスクリーンまたはその他の電子表示スクリーン)を備える(図1及び図10を参照)。例示的な使用方法を述べる際に以下により詳細に説明されるように、制御回路94は、角度変位センサ87から受け取られた電気信号に基づいて、基準角度組織除去位置に対する組織除去要素16の角変位(及び/または並置部材52の角変位)を計算するよう構成されている(例えば、プログラムされている)。制御回路94は次に、図10に図示されているように、ユーザにディスプレイ96に計算された角変位を表示する。次に、ユーザが角度位置決めモータ60の操作を作動させると、ユーザは、身体管腔BL内の組織除去要素16の同時角度組織除去位置についての決定をするフィードバックとして、ディスプレイ96上に表示された角変位を確認することができる。図13にも示されているように、電源21及びパルス幅変調器(単数または複数)86は、制御回路94と電気的に通信し得る。制御回路は、角度位置決めモータ60及び/またはドライブシャフトモータ30によって引き出された、電力の量を監視する。モータ60、30の一方または両方に供給される電力の量に基づいて、制御回路94は、角度位置決めモータ60にパルス幅変調器(単数または複数)86と通信することで供給されるデューティサイクルを調節することができ、モータが所望の速度で回転するのを確実にする。
【0025】
図14は、図11に図示された実施形態の電気図を示す。図14に示すように、制御回路94は、図13で上述した方法でセンサ87とディスプレイ96を電気通信する。しかしながら、本実施例においては、カテ−テル10はパルス幅変調器を含まず、そのため制御回路は、モータに供給される動力を調節するために電源21または角度位置決めモータ60と通信しない。
【0026】
図示されたカテ−テル10を使用する例示的な方法においては、カテーテル体12の遠位端12bは、患者の足の末梢血管のような血管Vによって画定された身体管腔BL内に挿入され、標的部位に身体管腔を通って横断され得る。例えば、この標的部位は、血管V中の狭窄病変T(すなわち、プラークの形成)であり得る。血管V中の標的部位Tに到達すると、組織除去要素16を展開する前に、制御回路94は、組織除去要素16の同時角度組織除去位置を計算し、参照角度組織除去位置としてメモリ中に計算された角度位置を保存する。図示された実施例では、動力作動装置81は、角度位置センサ87を作動してよく、制御回路94は、基準角度組織除去位置として、組織除去要素16の計算された第1の同時角度組織除去位置を保存するためにプログラムされている。別の実施例においては、ユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ)96は、組織除去要素16の計算された同時角度組織除去位置を初期または基準角度組織除去位置としていつ保存するかを、ユーザが制御回路94に命令できるように構成され得る。例えば、ディスプレイ96は、参照角度組織除去位置として、組織除去要素16の計算された同時角度組織除去位置をいつ保存するか、ユーザが選択することができるための、グラフィカルイメージ(図示せず)を含むタッチスクリーンであり得る。さらに別の実施例においては、第1の組織除去要素16を展開し、ドライブシャフトモータ30を作動すると(作動装置40を近位にスライドすることによってのように)、制御回路94は、初期の角度組織除去位置として、組織除去要素16の計算された同時角度組織除去位置を計算し保存し得る。組織除去要素16の初期の角度組織除去位置を設定し保存するその他の方法は、本発明の範囲から逸脱しない。
【0027】
組織除去要素16の基準角度位置を計算後、制御回路94は、組織除去要素16が0度に配置されているとユーザに伝達するようプログラムされ得る。例えば、ディスプレイ96(例えば、LCDディスプレイまたはその他のディスプレイ)は、「0°」と表示し得る。初期または基準角度組織除去位置中の組織除去要素16では、ユーザは組織除去要素16を(上述のような方法で)展開し得、組織除去要素を回転させるドライブシャフトモータ30によって、ユーザは、身体管腔BL内で初期の角度位置で組織除去要素が狭窄病変を切除するように、カテーテル体12を、身体管腔BLを通って遠位に移動させることによって狭窄病変Tに到る初期の「組織除去パス」を作成し得る。
【0028】
組織除去パス中に、カテーテル体12が回転し、組織除去パス中に角度をつけて配置される傾向があり得る。というのは、遠位端12bは身体管腔BL中でほぼ抵抗のないパスに沿って移動する傾向があるためである。組織除去要素16が角度組織除去位置から逸脱する場合、カテーテル体12の遠位端12bがほぼ抵抗のないパスに沿って移動するという、この傾向は、「ガターリング」と呼ばれることもある。一実施例では、制御回路94は、信号を角度変位センサ87から受け取り、身体管腔BL内で組織除去要素の角変位を計算し表示し続けるよう構成(例えば、プログラム)され得る。したがって、ユーザがカテーテル体12を遠位に移動する際に、ユーザは角度組織除去位置を確認することができ、この角度組織除去位置は身体管腔BL内の「組織除去パス」の角度位置に対応する。一実施例では、制御回路94は、組織除去要素16が展開される場合に角度位置決めモータ60に動力を供給しないようにし、それによって、ユーザが組織除去パスの間、組織除去要素の角度組織除去位置を調節できないようにプログラム(すなわち、構成)され得る。したがって、ユーザが、組織除去要素16が所望の角度位置から逸脱したと通知される場合には、ユーザは組織除去要素16を格納し、カテーテル体12を近位に移動し、次にガターリングを避けるために別の組織除去パスを作成することを試みることができる。あるいは、制御回路94が、組織除去要素16が展開される場合に、角度位置決めモータ60に動力を供給しないようにプログラムされていない場合には、ユーザは角度組織除去位置を作動装置82を使用するなどによって調節し、組織除去パスの間、所望の角度組織除去位置で組織除去要素16を保持し得る。別の実施例においては、制御回路94は、組織除去要素16が身体管腔内の所望の角度位置から逸脱した(すなわち、20度、15度、10度または5度のような、選択された閾値の大きさから逸脱した)とユーザに示すよう構成(例えば、プログラム)され得る。例えば、制御回路94は、ディスプレイ96上で表示を点滅するか、またはハンドル上のLEDのような、別の聴覚または視覚インジケータを作動するように構成(すなわち、プログラム)され得る。
【0029】
初期の組織除去パスを作成した後、組織除去要素16は、非展開位置に(上述した方法などで)移動されてよく、カテーテル体12は、身体管腔BL内の標的部位の近位端に向かって近位に移動されてよい。ユーザは、蛍光の下で、またはその他の撮像方法の下で傷Tを点検し、傷に至る次の組織除去のパスの所望の角度位置の决定を行い得る。ユーザは次に、作動装置82を使用することによって、組織除去要素16の角度組織除去位置を調整し得る。また、次に組織除去要素を展開し、所望の第2の組織除去パスを行うためにカテーテル体12を遠位に移動する。第2の組織除去パスを作成した後、i)組織除去要素16を格納し、ii)身体の傷Tの近位位置にカテーテルを近位に移動し、iii)蛍光の下で傷Tを点検し、傷に至る次の組織除去の所望の角度位置の决定を行い、iv)所望の位置に組織除去要素の角度組織除去位置を調節し、及びv)傷に至る追加の「組織除去パス」を作成するという上記の工程は、所望の回数繰り返される。組織除去要素16の所望の角度組織除去位置は、第1の組織除去パスの初期の基準角度位置に対して行われ得る。あるいは、制御回路94は、ユーザが選択的に、次の組織除去パスに使用される、記憶された基準角度位置を変更することを可能にするよう構成され得る。例えば、第2の組織除去パスを作成した後、ユーザは、第1の組織除去パスの角度位置とは対照的に、第2の組織除去パスの角度位置になるように、第3の組織除去パスの基準角度組織除去位置を変更することを選択し得る。
【0030】
一例として、図7に概略的に示されているように、ユーザは、初期の組織除去パスから約30度時計回りのオフセットである身体管腔BLの周辺部位で第2の組織除去パスを作成することを望み得る。したがって、ユーザは、トグル作動装置82の右側を押して原動機60を作動し、並置部材52を時計回りに回転させ得る。そのように、組織除去要素16の角度組織除去位置を調節する。ユーザはトグル作動装置82の右側を押したままにする(あるいは、トグルの右側を押し下げたままにし得る)と、並置部材52及び第1の(遠位)長手方向の本体部分46は時計回りに回転し、ユーザはディスプレイ96上の表示を読み、この表示は組織除去要素16の組織除去位置の角度配置の大きさ及び方向を示す。例えば、「+」は組織除去要素16の角度組織除去位置の角変位が時計方向にあること、「−」は角度組織除去の変位が反時計方向であることを示す。ディスプレイ96が「+30°」を表示するとき、または所望の角変位に対応する、いくつかのその他の表示を表示するとき、または所望の角変位に対応する、いくつかのその他の表示を表示するとき、ユーザがトグル作動装置82の右側を離す(あるいは、ユーザはトグル作動装置を中心から「外れた」位置に移動する)ことにより、角度位置決めモータ60は作動を停止し、並置部材52の回転を止める。次に、組織除去要素16が、第1の組織除去パスの身体管腔の周辺部位から時計方向に約30度のオフセットの身体管腔BLの周辺部位に嵌合し、ユーザが第2の組織除去パスを作成するように、組織除去要素16が展開される。その後の組織除去パスは、類似の方法で作られ得る。
【0031】
上記で開示されたように、その他の実施形態では、カテ−テル12は、角度位置決め機構60を含むが、角度変位センサ87は含まない。代わりに、ユーザは、蛍光またはその他の撮像方法のみを通して、組織除去要素16の角度組織除去位置を决定し得る。本カテーテル12は、ユーザが自動的に(すなわち、手動ではなく)組織除去要素16の角度組織除去位置を調節するという利益を有する。さらに、図15にて示すように、角度位置決め機構60(例えば、角度位置決めモータ)がカテーテル体12の第1の4分の3の長さL3内(例えば、並置部材に隣接する)にあるため、角度位置決め機構によって適用されたねじり荷重は、カテーテル体12の全体の長さLに沿って適用されない。それによって、ねじり荷重の一部またはすべてが第1の(遠位)長手方向の本体部分(「ラグ」として既知)内に格納され、その後場合により解放される(「ウィップ」として既知)のではなく、ねじり荷重は、第1の(遠位)長手方向の本体部分46長さの実質上全体に沿って付与される(すなわち、第1の(遠位)長手方向の本体部分と、及びこれにより並置部材の回転は、実質的に原動機の回転と対応する)の可能性がより高くなる。例えば、角度位置決めモータ60と第1の(遠位)長手方向の本体部分46との割合が1:1のねじり荷重である場合、(すなわち、モータの1旋回が第1の(遠位)長手方向の本体部分と並置部材の1旋回と等しい)モータの回転度は、ねじり荷重がカテーテル体12の近位端12aで加えられる場合よりも、回転軸A2の周りの第1の(遠位)長手方向の本体部分と並置部材52の両方に30度の回転を付与する可能性がよりあり得る。
【0032】
上記でも開示されたように、その他の実施形態では、カテ−テル10は、角度変位センサ87を含むが、角度位置決め機構60は含まない。このような実施形態では、組織除去要素87の角度組織除去位置は、患者の体外のカテーテル体12の近位端12aを回転させるまたはトルクを与えることなどによって、従来方式で身体管腔BL内で調整され得る。ユーザは、ディスプレイ96を通して、または聴覚、視覚または触覚を使ったその他の通信手段で、組織除去要素16の角度組織除去位置に関するフィードバックを受け取る。ユーザは、カテ−テルは身体管腔BLから組織を除去する際に、組織除去要素16の角度組織除去位置に関するリアルタイムのフィードバックを受信する能力を有するため、角度変位センサ87を含むカテ−テル10は、より正確でかつ精密に組織を除去することを促進する利点を有する。例えば、前述したように、ユーザは、カテーテル体12の遠位端12bが「ガターリング」しているかどうかを判断し、次に上記のように、カテ−テル10に必要な調整を行うことが可能であり得る。
【0033】
別の実施形態では、カテーテル10の制御回路94(または別の制御回路)は、モータの操作を制御するための角度位置決めモータ60と、組織除去要素16の角度組織除去位置に関するフィードバックを受け取るための角度変位センサ87の双方に、電気的に接続(すなわち、通信)され得る。したがって、ユーザが角度位置決めモータ60の操作を直接制御する場合の第1の実施形態とは対照的に、本実施形態では、ユーザは、組織除去要素16の所望の(すなわち、入力された)角度組織除去位置を制御回路94に入力し、制御回路は、角度位置決めモータを制御して組織除去要素16を所望の角度組織除去位置へと移動させる。特に指示がない限り、カテーテルの本実施形態は、第1の実施形態と同一であり、参照番号に対応して示されている類似の構成要素、及び第1の実施形態に関して示された類似の教示は、平等に本実施形態に適用する。
【0034】
図16は、本実施形態の例示的なブロック図を示し、制御回路94と通信するカテ−テル10の電気部品を示す。本実施例では、制御回路94は、次の構成要素からそれぞれ入力信号を受信し、角度位置モータ60への電力を調整するための電源21と、組織除去要素16の同時角度組織除去位置を決定する角度変位センサ87と、ユーザが制御回路94に組織除去要素の所望の角度組織除去位置を入力することを可能にするためのユーザ入力98とである。電源21は、ドライブシャフトモータ30(例えば、ハンドル内の電池)または異なる電源に、電気的に接続されている類似の電源であり得る。角度位置センサ87は、ジャイロスコープのような上述したものと、図2及び図12に示されているものと類似してよい。制御回路94は、以下の構成要素にそれぞれ出力信号を送信する。組織除去要素16の同時角度組織除去位置を表示する同時角度ディスプレイ96と、組織除去要素の所望の組織除去位置を表示する所望の角度ディスプレイ104と、並びに、電圧が、時計方向及び反時計方向のどちらの方向にも選択的にモータを駆動する角度位置決めモータ60にわたって印加されることを可能にするHブリッジ100。
【0035】
図17を参照すると、図16に示されている電気部品のいくつかを含むハンドル(または制御装置)の一実施形態は、全体的に14’で示されている。特に指示がない限り、ハンドル14’の本実施形態は、第1のハンドル14と同一であり、参照番号に対応して示されている類似の構成要素、及び第1の実施形態に関して示された類似の教示は、平等に本実施形態に適用する。図示されてはいないが、制御回路94、電源21、ドライブシャフトモータ30及びHブリッジ100は、ハンドル14’にて提供されてよい。図示された実施形態では、ユーザ入力98は、ハンドル14’上にあるタッチスクリーンディスプレイ(例えば、LCDタッチスクリーン)の形態である。制御回路94は、ユーザ入力ディスプレイ98上に、図示されているように、上矢印(↑)106、下矢印(↓)108及び「ENTER」という用語110のようなグラフィカルアイコンを生成するよう構成され、ユーザが、制御回路と身体管腔BL内の組織除去要素16の所望の回転量を通信することができる。制御回路94は、ユーザに組織除去要素16の同時角度組織除去位置を伝達するよう同時角度ディスプレイ96上にグラフィカルイメージ(単数または複数)111を生成し、ユーザに選択された所望の角度組織除去位置を伝達するよう所望の角度ディスプレイ104上にグラフィカルイメージ(単数または複数)112を生成するよう構成されている。
【0036】
制御回路94及びユーザ入力98は、ユーザが、ディスプレイ上に生成された上矢印及び下矢印106、108のそれぞれのうちそれぞれ1つを触れて、制御回路にユーザが組織除去要素16の角度組織除去位置を変更したいと望む大きさと方向を伝達するよう構成されている。図示された実施形態では、上矢印106は時計方向への角度位置の変更を示し、下矢印108は反時計方向への角度位置の変更を示す。一実施形態では、選択された矢印106、108が触れられる離散時間の数及び/または選択された矢印が継続的に触れられた時間が制御回路94に選択された大きさを伝達し、選択された方向における組織除去要素16の角度組織除去位置を変更する。この大きさはメモリに記憶され、制御回路94は、所望の角度位置ディスプレイ104上のグラフィカルイメージ112を変更して調節を反映する。図示した実施形態では、正のグラフィカルシンボル(「+」)は、基準角度位置に対する時計方向の組織除去要素16の角変位を示し、負のグラフィカルシンボル(「−」)は、基準角度位置に対する反時計方向の角変位を示す。
【0037】
所望の角度がディスプレイ96上に表示されると(図17でグラフィカル番号「+30」で表されている)、ユーザは「ENTER」のアイコンに触れてよく、それによって制御回路94に組織除去要素16をディスプレイ104上に表示された角度組織除去位置に移動するよう命じ、これもまたメモリに記憶される。制御回路94は角度位置決めモータ60と通信して組織除去要素16を調節する。ディスプレイ96は、前のハンドルの実施形態の対応するディスプレイと類似または同一であり得るが、角度位置センサ87からの信号を使用して制御回路94によって計算されて、組織除去要素16の同時角度組織除去位置を出力する。制御回路94は、組織除去要素を位置決めするためのフィードバックとして、角度位置センサ87からの信号を使用し得る。別の実施例においては、制御回路94は、その他の方法で、組織除去要素16の角度組織除去位置を調整するよう構成され得る。例えば、制御回路94は、予め選択された時間で角度位置決めモータ60に予め選択された量の動力を供給し、組織除去要素16を所望の(すなわち、入力された)角度組織除去位置に調節するよう構成(例えばプログラム)され得る。
【0038】
制御回路94は組織除去要素16の角度組織除去位置を制御するため、1つ以上の実施形態において、制御回路は、ユーザは身体管腔BL内の組織除去パスを作成しているときに、組織除去要素16を実質的に所望の(すなわち、入力された)角度組織除去位置に保持するよう構成され得る。本実施形態では、制御回路94は、角度位置センサ87からの信号を、組織除去要素を身体管腔BL内で選択された角度組織除去位置に保持するためのフィードバックとして使用する。本実施形態は、組織除去パス中にガターリングするというカテーテル体12の遠位端12bの傾向を抑制して、組織除去要素16を組織除去パスの所望及び選択された角度位置から逸脱させないことを意味する。
【0039】
一実施形態では、カテーテル10は、回転軸A2の周りの並置部材52と第1の(遠位)長手方向の本体部分46の回転量を制限または限定するよう構成され得る。例えば、制御回路94は、ユーザが約360度を超えて回転させないようにプログラムされ得る。すなわち、制御回路94は、角度位置センサ87からの信号をフィードバックとして使用し、ユーザが組織除去要素の角度位置を初期の基準位置から約360度を超えて増加させないようプログラムされ得る。カテーテル10はまた、ハンドル14’上に視覚インジケータ(例えば、LED付)、聴覚インジケータまたは触覚インジケータのようなインジケータを含み、ユーザに組織除去要素16が最大可能角変位に達しており、組織除去要素16を同一方向にさらに回転することができないことを伝達してもよい。第1の(遠位)長手方向の本体部分46の回転量を制限しないと、ガイドワイヤ(図示せず)がカテーテル体12に巻きつき絡みつく可能性がある。さらに、並置部材52及び第1の(遠位)長手方向の本体部分46を360度を超えて回転させることにより、無理な張力がセンサ87をハンドル14に接続する導電体92(ワイヤ)にかかり、導電体とセンサとの間の接続を損傷する可能性がある。回転軸A2の周りの並置部材52と第1の(遠位)長手方向の本体部分46の回転を制限するその他の方法は、本発明の範囲から逸脱しない。一実施例では、カテ−テル10は、原動機が約360度を超えて回転することを妨げるため、原動機60に隣接する止具のような機械的停止を含み得る。
【0040】
図面及び上述の実施形態を通して、制御回路94は単一の集積回路として図示されているが、制御回路は、分離した個別の制御回路(例えば、分離したマイクロコントローラ)を含み、それぞれは原動機及び角度変位センサのうちの1つに供されると理解されている。
【0041】
本発明を詳細に述べてきたが、修正及び変更は、添付された特許請求の範囲に定められた本発明の範囲を逸脱することなく可能であることは明らかであろう。
【0042】
本発明の要素またはその好ましい実施形態を導入するに際し、冠詞「1つの」、「その」及び「前記」は、1つ以上の要素があることを意味することを意図している。「備える」、「含む」及び「有する」という用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外に追加の要素があり得ることを意味している。
【0043】
本発明の範囲を逸脱することなく上述の構造、製品及び方法で様々な変更が行われてよく、上述の説明に含まれ、添付図面において示されたすべての事項は、例証として解釈されるものであって、限定的な意味で解釈されるべきではないことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17