特許第6588551号(P6588551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローバス メディカル インコーポレイティッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588551
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】脊椎インプラント及びその埋込み方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
   A61F2/44
【請求項の数】20
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-533449(P2017-533449)
(86)(22)【出願日】2015年12月23日
(65)【公表番号】特表2017-538551(P2017-538551A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】US2015000261
(87)【国際公開番号】WO2016105512
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2018年10月16日
(31)【優先権主張番号】14/580,273
(32)【優先日】2014年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ハワード,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ハイメルバーガー,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マクラフリン,コルム
(72)【発明者】
【氏名】ハンセル,ノア
(72)【発明者】
【氏名】ウェイマン,マーク
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0324687(US,A1)
【文献】 特表2013−523406(JP,A)
【文献】 特開2013−039370(JP,A)
【文献】 特表2002−525158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸みを帯びたヘッド部から延在するネック部を備える係止部材であって、前記ネック部がそれを通って延在する先細溝穴を備える、係止部材と、
丸みを帯びた圧縮可能本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、前記丸みを帯びた圧縮可能本体部が、空洞の中に前記係止部材の前記丸みを帯びたヘッド部を受容するように構成された前記空洞、及び開口部を通って前記係止部材の前記ネック部を受容するように構成された前記開口部を画定する、関節接合可能な板部材と、
一定直径部及び可変直径部を備える軸方向導管を備える受容部材であって、第1及び第2の先細穴が、前記導管と交差する先細チャネル、及び前記先細チャネルと交差するソケットを画定し、前記可変直径部が、その中に前記関節接合可能な板部材の前記丸みを帯びた圧縮可能本体部を受容するように構成された、受容部材と、
先細横断面を備え、前記受容部材の前記チャネル内に受容されるように構成された、楔部材と、
前記受容部材の前記ソケット内に受容されるように構成された、固定要素と、を備える、多軸エンドプレート組立体。
【請求項2】
前記先細溝穴が、前記係止部材の長手方向軸に対して横に延在するトラフを画定する、請求項1に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項3】
前記先細溝穴が、前記先細溝穴の深さが増加するにつれて減少する高さを有する、請求項1に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項4】
前記丸みを帯びた圧縮可能本体部が、溝穴によって隔てられた複数のタブを備える、請求項1に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項5】
前記丸みを帯びた圧縮可能本体部の前記開口部が、前記係止部材の前記ヘッド部の最大直径未満である直径を有する、請求項1に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項6】
丸みを帯びたヘッド部から延在するネック部を備える係止部材であって、前記ネック部が、それを通って延在する先細溝穴を備える、係止部材と、
丸みを帯びた本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、前記丸みを帯びた本体部が、凹形空洞及び中央開口部を画定する複数のタブを備える、関節接合可能な板部材と、
一定直径部及び可変直径部を備える軸方向導管、前記軸方向導管と交差する先細チャネル、及び前記先細チャネルと交差するソケットを備える、受容部材と、
先細横断面を備える、楔部材と、
前記受容部材に対して前記板部材の向きを安定化させるように構成された固定要素と、を備える、多軸エンドプレート組立体。
【請求項7】
前記関節接合可能な板部材が、前記本体部と前記板部との間の交わり部に円周方向溝を有する外表面を備える、請求項6に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項8】
前記軸方向導管の前記可変直径部が、前記受容部材の遠位端に凹形受け口を画定する、請求項6に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項9】
前記受容部材が、脊椎インプラントを係合させるように構成された少なくとも1つの結合要素をさらに備える、請求項6に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項10】
前記受容部材の前記ソケットが、前記軸方向導管の長手方向軸に対して垂直である長手方向軸を有する、請求項6に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項11】
前記受容部材の前記ソケットが、前記チャネルに対して垂直である、請求項6に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項12】
前記楔部材が、丸みを帯びた台形の横断面を有する、請求項6に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項13】
丸みを帯びたヘッド部から延在するネック部を備える係止部材であって、前記ネック部が、それを通って延在する先細溝穴を備える、係止部材と、
丸みを帯びた本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、前記丸みを帯びた本体部が、凹形空洞及び中央開口部を画定する複数のタブを備える、関節接合可能な板部材と、
一定直径部及び可変直径部を備える軸方向導管を備える受容部材であって、第1及び第2の先細穴が、前記導管と交差する先細チャネル、及び前記先細チャネルと交差するソケットを画定する、受容部材と、
前記受容部材及び前記係止部材に力をかけるように構成された、楔部材と、
前記楔部材に力をかけるように構成された、固定要素と、を備える、多軸エンドプレート組立体。
【請求項14】
前記第1及び第2の先細穴のそれぞれが台形状である、請求項13に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項15】
前記第1及び第2の先細穴のそれぞれが上壁及び下壁によって画定され、前記下壁が前記上壁より急勾配である、請求項13に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項16】
前記楔部材が、縦断面に沿って非対称である、請求項13に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項17】
前記楔部材が、上壁及び下壁を備え、前記下壁が前記上壁より急勾配である、請求項13に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項18】
前記楔部材の前記下壁が、前記係止部材と係合するように構成され、前記楔部材の前記上壁が、前記受容部材と係合するように構成される、請求項17に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項19】
前記固定要素が、前記楔部材と接触するように構成された端を備える、請求項13に記載の多軸エンドプレート組立体。
【請求項20】
前記固定要素が、止めネジを備える、請求項13に記載の多軸エンドプレート組立体。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、脊椎インプラント、インプラントトライアル(trial)、及びこれらのデバイスを埋込むのに使用される方法に関する。
〔背景技術〕
多くのタイプの脊髄の不規則性は、痛み、運動範囲の制限、または脊柱内部の神経系の損傷を引き起こす可能性がある。これらの不規則性は、以下に限定されないが、外傷、腫瘍、椎間板変性症、及び疾病に起因する可能性がある。脊髄の不規則性の一例は、脊髄または馬尾などの脊髄神経の圧迫をもたらし得る、脊柱管狭窄症、即ち脊柱管の狭細化である。次に、神経圧迫は、痛み、痺れ、または脱力をもたらし得る。脊柱管狭窄症は、骨棘の発達、靱帯の肥大、骨折、及び椎間板変性症(例えば、関節炎が原因)などの、1つ以上の状態によって引き起こされる可能性がある。
【0002】
脊柱管狭窄症の治療は、例えば、椎弓形成術、椎弓切除術、または椎体部分切除術におけるように、脊椎の少なくとも一部を修正または除去することによって、脊柱管を膨張させる外科的処置を含むことができる。椎体部分切除術において、圧迫された神経に隣接した1つ以上の脊椎の椎体は、除去されることができ、その結果、脊柱管を膨張させる。その後、ケージまたは他の補綴は、結果として生じた空洞に挿入され得、続いて、脊柱を安定化させるために、単独でも、また、ロッド、ネジ、及び/または板などの1つ以上の付加的デバイスとの組み合わせで、使用され得る。
〔発明の概要〕
本明細書におけるいくつかの実施形態は、丸みを帯びたヘッド部から延在するネック部材を備える係止部材であって、ネック部がそれを通って延在する先細溝穴を備える、係止部材と、丸みを帯びた圧縮可能本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、丸みを帯びた圧縮可能本体部が、そこに係止部材の丸みを帯びたヘッド部を受容するように構成された空洞、及び、それを通って係止部材のネック部を受容するように構成された開口部を画定する、関節接合可能な板部材と、一定直径部及び可変直径部を備える軸方向導管を備える受容部材であって、第1及び第2の先細穴が、導管と交差する先細チャネル、及び、先細チャネルと交差するソケットを画定し、可変直径部が、その中に関節接合可能な板部材の丸みを帯びた圧縮可能本体部を受容するように構成された、受容部材と、先細横断面を備え、受容部材のチャネル内に受容されるように構成された、楔部材と、受容部材のソケット内に受容されるように構成された、固定要素と、を含み得る、多軸エンドプレート組立体を対象とする。
【0003】
本明細書における他の実施形態は、丸みを帯びたヘッド部から延在するネック部を備える係止部材であって、ネック部がそれを通って延在する先細溝穴を備える、係止部材と、丸みを帯びた本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、丸みを帯びた本体部が、凹形空洞及び中央開口部を画定する複数のタブを備える、関節接合可能な板部材と、一定直径部及び可変直径部を備える軸方向導管、軸方向導管と交差する先細チャネル、及び先細チャネルと交差するソケットを備える、受容部材と、先細横断面を備える、楔部材と、受容部材に対して前記板部材の向きを安定化させるように構成された、固定要素と、を含み得る、多軸エンドプレート組立体を対象とする。
【0004】
さらに本明細書における他の実施形態は、丸みを帯びたヘッド部から延在するネック部を備える係止部材であって、ネック部がそれを通って延在する先細溝穴を備える、係止部材と、丸みを帯びた本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、丸みを帯びた本体部が、凹形空洞及び中央開口部を画定する複数のタブを備える、関節接合可能な板部材と、一定直径部及び可変直径部を備える軸方向導管、導管と交差する先細チャネルを画定する第1及び第2の先細穴、及び先細チャネルと交差するソケットを備える受容部材と、受容部材及び係止部材に力をかけるように構成された、楔部材と、楔部材に力をかけるように構成された固定要素と、を含み得る、多軸エンドプレート組立体を対象とする。
【0005】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、第1の係合部材を備える脊椎インプラントを含み得る脊椎インプラント組立体、ならびに、先細チャネルを有する第1の受容部材、受容部材内に関節接合可能に配置された第1の関節接合可能な板部材、関節接合可能な板部材内に配置された第1の係止部材、及び、先細チャネル内に摺動可能に配置された第1の楔部材を備える、第1の多軸エンドプレート組立体を提供することと、第1の多軸エンドプレート組立体を第1の係合部材に結合させることと、脊椎インプラントに対して第1の多軸組立体の関節接合可能な板部材の向きを安定化させるために、第1の楔部材に力をかけることと、を含み得る、脊椎インプラント組立体を埋込む方法を対象とする。
【0006】
本明細書における他の実施形態は、第1の多軸エンドプレート組立体及び第2の多軸エンドプレート組立体を備える、脊椎インプラントを提供することであって、第1の多軸エンドプレート組立体が、第1の関節接合可能な板部材及び第1の楔部材を備え、第2の多軸エンドプレート組立体が、第2の関節接合可能な板部材及び第2の楔部材を備える、脊椎インプラントを提供することと、脊椎インプラントに対して第1の関節接合可能な板部材の向きを安定化させるために、第1の楔部材に力をかけることと、脊椎インプラントに対して第2の関節接合可能な板部材の向きを安定化させるために、第2の楔部材に力をかけることと、を含み得る、脊椎インプラント組立体を埋込む方法を対象とする。
【0007】
さらに本明細書における他の実施形態は、第1の係合部材及び第2の係合部材を備える拡張可能な脊椎インプラントを提供することと、第1の多軸エンドプレート組立体を第1の係合部材に結合させることであって、第1の多軸エンドプレート組立体が、第1の受容部材、第1の関節接合可能な板部材、及び第1の楔部材を備える、結合させることと、第2の多軸エンドプレート組立体を第2の係合部材と結合させることであって、第2の多軸エンドプレート組立体が、第2の関節接合可能な板部材及び第2の楔部材を備える、結合させることと、第1の高さから第2の高さに脊椎インプラントを拡張することと、脊椎インプラントに対して第1の多軸エンドプレート組立体の第1の関節接合可能な板部材の向きを安定化させるために、第1の楔部材に力をかけることと、脊椎インプラントに対して第2の多軸エンドプレート組立体の第2の関節接合可能な板部材の向きを安定化させるために、第2の楔部材に力をかけることと、を含み得る、脊椎インプラント組立体を埋込む方法を対象とする。
【0008】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、丸みを帯びた圧縮可能本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、本体部がその中に空洞を画定する、関節接合可能な板部材と、中央ソケット及び板部材に係合するように構成された内面をそれぞれが備える、第1及び第2のクランプ部材、ならびに、第1及び第2のクランプ部材のソケット内に受容されるように構成された固定要素を備える、クランプ組立体と、本体部の空洞内に受容されるように構成された凸状外面を備える受容部材と、を含み得る、多軸エンドプレート組立体を対象とする。
【0009】
本明細書における他の実施形態は、丸みを帯びた本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、本体部が複数のタブを備え、その中に空洞を画定する、関節接合可能な板部材と、中央ソケット及び板部材に係合するように構成された内面をそれぞれが備える、第1及び第2のクランプ部材と、本体部の空洞内に受容されるように構成された丸みを帯びた部分を備える受容部材と、受容部材に対して板部材の向きを安定化させるように構成された固定要素と、を含み得る、多軸エンドプレート組立体を対象とする。
【0010】
さらに本明細書における他の実施形態は、丸みを帯びた本体部から延在する板部を備える関節接合可能な板部材であって、本体部が複数のタブを備え、その中に空洞を画定する、関節接合可能な板部材と、それぞれが板部材に係合するように構成された内面を備え、かつ、その中にソケットを有する中央突出部をさらに備える、第1及び第2のクランプ部材と、本体部の空洞内に受容されるように構成された、丸みを帯びた部分を備える受容部材と、第1及び第2のクランプ部材の両ソケット内に受容されるように構成された、固定要素と、を含み得る、多軸エンドプレート組立体を対象とする。
【0011】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、第1の係合部材を備える脊椎インプラントを含むことができる脊椎インプラント組立体と、第1の受容部材、第1の関節接合可能な板部材、及び第1のクランプ組立体を備える第1の多軸エンドプレート組立体と、を提供することであって、第1の受容部材が第1の関節接合可能な板部材の空洞内に少なくとも部分的に配置され、第1のクランプ組立体が第1の関節接合可能な板部材の本体部に係合している、提供することと、第1の多軸エンドプレート組立体を脊椎インプラントと結合させることと、第1の関節接合可能な板部材に力をかけて、脊椎インプラントに対する第1の関節接合可能な板部材の向きを安定化させることと、を含むことができる、脊椎インプラント組立体を埋め込む方法を対象とする。
【0012】
本明細書におけるさらなる他の実施形態は、脊椎インプラントデバイスの少なくとも一部に可逆的に係合するように構成された結合要素を含み得る、エンドプレートトライアルを対象とする。
【0013】
本発明のさらなる適応領域は、本明細書の以下に提供される詳細な説明から明らかになろう。詳細な説明及び具体例は、発明の特定の実施形態を示しつつ、例示目的のみを意図し、発明の範囲を限定する意図はない、ことが理解されるべきである。
〔図面の簡単な説明〕
本実施形態は、以下の詳細な説明及び添付図面からより十分に理解されることとなろう。
図1A〕本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の横断面図を示す。
図1B〜D〕本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の斜視図を示す。
図1E〕本明細書において説明されるように、脊椎インプラントと係合された多軸エンドプレート組立体の斜視図を示す。
図2A〕本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の斜視底面図を示す。
図2B〕本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の横断面図を示す。
図2C〕本明細書において説明されるように、関節接合可能な板部材に係合するクランプ組立体の横断面図を示す。
図2D〕本明細書において説明されるように、クランプ組立体の斜視図を示す。
図3A〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図3B〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの横断面図を示す。
図3C〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図3D〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアル及び拡張可能なトライアル組立体を示す。
図3E〕本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの横断面図を示す。
図3F〕本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図4A〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図4B〕本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの横断面図を示す。
図4C〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視底面図を示す。
図4D〕本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図5〜10〕本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
〔発明を実施するための形態〕
椎体部分切除術の処置において、脊柱管は拡張されることができ、圧迫された神経の圧力は、圧迫された神経に隣接する、1つ以上の椎体を部分的または完全に取り除くことによって、開放されることができる。1つ以上の椎間板及び他の関連した物質も取り除かれ得る。インプラント(例えば、ケージ、スペーサ、椎体置換、または他の補綴)は、脊柱をその後安定化させるために、結果として生じる空洞に挿入され得る。いくつかの例において、インプラントは、脊椎腔の輪郭に適応するように選択されている、上位及び下位のエンドプレートに結合された、任意に拡張可能な本体を含むことができる。挿入に先立ち、外科医または他の開業医は、エンドプレートの適切なサイズ及び前弯または後弯角度に接近し(例えば、キャリパーまたはインプラントトライアルなどの、画像及び/または身体測定デバイスを介して)、所望の角度に最も厳密に合致するエンドプレートを選択し、かつ、選択されたエンドプレートをインプラント本体と接続させることによってインプラントを組み立て得る。いったんインプラントが組立てられ、脊椎腔に挿入されると、外科医はエンドプレートの角度をさらに現場で調整することができなくなり得る。エンドプレートの角度と隣接する椎体の角度との間の不一致は、沈降または体軸方向の不均衡をもたらす可能性がある。その結果、本明細書において開示されるのは、新しく改良されたモジュール式脊椎インプラント及び多軸エンドプレートを有する組立体であり、その角度は、組立て及び/または埋込みの後、枢動可能に調整されることができる。
【0014】
本明細書において開示されたすべてのデバイスの構成要素は、金属(例えば、チタン)、金属合金(例えば、ステンレス鋼及びコバルトクロム)、セラミック、ポリマー(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール、または、その混合物またはコポリマー)、同種移植片、及び/または、その組み合わせを含む、当業者に知られる物質から作られることができる。いくつかの実施形態において、デバイスは、放射線透過性及び/または放射線不透性の物質を含み得る。構成要素は、当業者に知られた技術を使用して、機械で作られ、及び/または製造されることもできる。例えば、ポリマー構成要素は、射出成型またはブロー成型され得る。さらに、本明細書において開示されたデバイスは、骨補填材、脱灰された骨基質、細片骨、及び/または骨形成タンパク質などの、骨の成長を促す物質と共に使用され得る。いくつかの実施形態において、これらの物質が、本明細書において説明されたデバイスの中空領域に充填され得ることは有利である。
【0015】
本明細書において使用されるように、用語「近位の(proximal)」及び「遠位の(distal)」は、本明細書において説明される多軸エンドプレート組立体及びエンドプレートトライアル組立体が結合され得る、インプラントまたは他のデバイスに関連して概して使用される。例えば、インプラントまたは他のデバイスに近い、エンドプレート組立体の端は、組立体全体が組立てられた後、「近位」端と呼ばれ得、他方、インプラントまたは他のデバイスからより遠い、エンドプレート組立体の端(例えば、椎体に係合するように構成され得る端)は「遠位」端と呼ばれ得る。同様に、用語「上位の(superior)」、「下位の(inferior)」、「頂部の(top)」、「底部の(bottom)」などは、説明目的のために本明細書において使用され得、デバイスが使用され得る向きを限定しない。例えば、「上位」エンドプレートは下位の位置に埋込まれてもよく、逆も同様であることを、当業者は認識され得る。その結果、頂部にあるものとして説明された特徴は、埋込み後、実際には底部の方に配向される可能性がある。
【0016】
次に図1A〜Eを参照すると、多軸エンドプレート組立体100は、本明細書において説明された実施形態に従って示される。図1Aに示されるように、多軸エンドプレート組立体100は、係止部材2、関節接合可能な板部材4、受容部材6、楔部材8、及び固定要素10を含むことができる。
【0017】
係止部材2は、丸みを帯びたヘッド部12及びそこから延在するネック部14を含むことができる。丸みを帯びたヘッド部12は、凹形外面を有することができる。いくつかの実施形態において、丸みを帯びたヘッド部12は、少なくとも部分的に、球形の、楕円体形の、または卵形の外面を含むことができる。丸みを帯びたヘッド部12の外径は、軸方向に変化させることができる(例えば、近位方向に減少させることができる)。係止部材2のネック部14は、円筒状外面を含むことができる。図1Aにおいて示されるように、ネック部14は、それを通って延在する先細溝穴16を含むこともできる。先細溝穴16は、係止部材2の長手方向軸24を横断するかまたは垂直に延在する、トラフを画定することができる。先細溝穴16は、可変高さを有することができる。例えば、先細溝穴16の高さは、長手方向に測定されるとき、先細溝穴16の深さほど、減少させることができ、横断的に測定されるとき、先細溝穴16の深さほど増加させることができる。
【0018】
図1Aにおいて示されるように、係止部材2は中空であり得る(例えば、遠位端20から近位端22に、長手方向軸24に沿って延在する導管18を含むことができる)。導管18は、円形の横断面を含むことができる。いくつかの実施形態において、導管18の直径は、長手方向軸24の少なくとも一部に沿って変化させることができる。いくつかの実施形態において、導管18は、可変直径部及び一定直径部を含むことができる。図1Aに示されるように、可変直径部は、丸みを帯びたヘッド部12内に配置され得、一定直径部は、ネック部14内に配置され得る。これらの実施形態において、導管18は、図1Aにおいて示されるように、丸みを帯びた長手方向断面を有する、丸みを帯びたヘッド部12内に空洞を画定することができる。他の実施形態において、空洞は、角張った(例えば、円錐形の)長手方向断面を有することができる。係止部材2のネック部14において、導管18は、中空の円筒を画定することができる。
【0019】
関節接合可能な板部材4は、丸みを帯びた本体部28から延在する、板部26を含むことができる。板部26は、図1Bにおいて示されるように、上部または遠位面34及び中央開口部36を含むことができる。遠位面34は、椎体に係合または接触するように構成され得る。したがって、遠位面34は、椎体の形状に対応して形成され得る。示されるように、遠位端34は平面状であり得る。しかしながら、他の実施形態において、遠位面34は、凸状または凹状であることができる。さらに、遠位面34は、インプラントと椎体または他の骨特徴との間の相互作用または摩擦を増強するための、1つ以上の特徴を含み得る。例えば、遠位面34は、粗面化されることができ、例えば、複数の、歯、隆起、山、溝、及び/または刻み付けを含むことができる。遠位面34は、少なくとも1つの係合部材を含むことができる。係合部材は、椎体に係合し、及び/または力をかけるように構成されることができる。例えば、係合部材は、スパイクであることができる。いくつかの実施形態において、遠位面34は、複数の係合部材を含むことができる。係合部材は、脊椎スペース内に埋込み後、組立体の滑り込み、または他の並進移動を防止することができることは有利である。他の実施形態において、遠位面34は、1つ以上のX線撮影マーカなどの、イメージング部材を含むことができる。
【0020】
図1Aにおいて示されるように、関節接合可能な板部材4の丸みを帯びた本体部28は、湾曲した内面42及び湾曲した外面44を含むことができる。湾曲した内面42は、その中に凹形空洞30を画定することができ、それを通して開口部32を含むことができる。板部26の中央開口部36は、空洞30内に通じ得る。空洞30は、係止部材2の丸みを帯びたヘッド部12を受容するように構成されることができる。湾曲した内面42は、係止部材2の丸みを帯びたヘッド部12の外面に接触するように構成され得る。開口部32は、それを通して係止部材2のネック部14を受容するように構成されることができ、したがって、ネック部14の外径より大きい直径を有し得る。開口部32は、係止部材2のヘッド部12の最大直径より小さい直径を有し得、その結果、係止部材2が、関節接合可能な板部材4を通って全体的に通過するのを防止する。
【0021】
図1C〜Dにおいて示されるように、丸みを帯びたヘッド部28は、複数のタブ38を含むことができる。タブ38は、溝穴40によって分離されることができる。丸みを帯びた本体部28を作っているタブ38の数は、変動する可能性があり、例えば、約2〜約12の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、タブ38及び溝穴40は、等寸法かつ等間隔であり得る。他の実施形態において、タブ38及び/または溝穴40は、可変寸法であり得る。丸みを帯びた本体部28が、圧縮性、屈曲性、可撓性、及び/または狭窄性であり得る(例えば、タブ38を内側に曲げさせる力がタブ38にかけられ得、その結果、空洞30の容積を減少させる)ことは、有利である。さらに、関節接合可能な板部材4の外面44は、本体部28と板部26との間の交差部において、円周方向溝46または錫メッキ部を含み得る。円周方向溝46が、タブ38の移動及び丸みを帯びた本体部28の全般的可撓性を増強し得ることは有利であり、その結果、係止部材2及び受容部材6との丸みを帯びた本体部28の係合を増強する。
【0022】
図1A〜Cにおいて示されるように、受容部材6は、円筒状側面68、遠位端58に隣接する頂面64、及び近位端60に隣接する底面65を含むことができる。受容部材6は、側面68と頂面64との間で、面取り縁66を含むこともできる。さらに、受容部材6は、軸方向導管48、先細チャネル56を画定する第1及び第2の先細穴50、52、ならびに、先細チャネル56と交差するソケット54を含むことができる。軸方向導管48は、図1Cにおいて示されるように、長手方向軸62に沿って、遠位端58から近位端60に延在することができる。軸方向導管48は、円形の横断面を含むことができる。いくつかの実施形態において、軸方向導管48の直径は、長手方向軸62の少なくとも一部に沿って変化させることができる。いくつかの実施形態において、軸方向導管48は、可変直径部及び一定直径部を含むことができる。いくつかの実施形態において、可変直径部は、図1Aにおいて示されるように、頂面64に囲まれた凹形受け口(例えば、丸みを帯びた、または湾曲した、長手方向断面を有する)を画定することができる。他の実施形態において、受け口は、角度のある(例えば、円錐形の)長手方向断面を有することができる。
【0023】
第1の先細穴50は、図1B〜Cにおいて示されるように、台形または丸みを帯びた台形であることができる。いくつかの実施形態において、第1の先細穴50は、水平面に沿って非対称であり得る(例えば、第1の先細穴50は、上壁及び下壁によって画定され得、下壁は上壁より急勾配であり、または逆もまた同様である)。他の実施形態において、それは対称であり得る。図1Bにおいて示されるように、第1の先細穴50は、高さ72を有し得、高さ72はソケット54から離れる方向に減少する。第2の先細穴52は、第1の先細穴50と同じ特徴の一部またはすべてを有し得、第1の先細穴50に対して対称であり得る。本明細書において説明されるように、先細チャネル56は、第1の先細穴50から第2の先細穴52に一直線に延在することができる。さらに、先細チャネル56は、軸方向導管48と交差することができる。図1Aにおいて示されるように、受容部材6のチャネル56は、組立てられた構成における場合、係止部材2の先細溝穴16に少なくとも部分的に重なり合うように構成されることができる。
【0024】
図1Cにおいて示されるように、ソケット54は、軸方向導管48の長手方向軸62に対して垂直、かつ交差する、長手方向軸を含むことができる。ソケット54の長手方向軸は、先細チャネル56に対して垂直でもあることができる。いくつかの実施形態において、ソケット54は、円筒状内面を含むことができる。ソケット54は、その中に固定要素10を受容するように構成されることができる。したがって、ソケット54は、固定要素10と係合、及び/または結合するように構成された係合特徴を含み得る。例えば、係合特徴は、ネジ切りまたはカム溝を含むことができる。ソケット54の向きが、例えば、固定要素10の左右交互の挿入を伴い得るソケットと比べて(例えば、軸方向導管48からオフセットされてもよく、かつ/または、それと交差しない可能性があるソケット)、ソケット54への直接アクセスを促進することができることは、有利である。
【0025】
図1Cにおいて示されるように、受容部材6は、例えば、その底面65から延在する、少なくとも1つの結合要素70を含むことができる。結合要素70は、脊椎インプラントに係合するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、結合要素は、図1Cに示されるように、タブなどの、突出部材であることができる。突出部材またはタブは、脊椎インプラントにおいて溝または逃げ溝内に受容されるように構成されることができる、ヘッドまたはフックなどの、突起部を含むことができる。他の実施形態において、結合要素70は、その中に脊椎インプラントの一部を受容するように構成された、溝または溝穴であることができる。図1Cにおいて示されるように、受容部材6は、複数の結合要素70を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、受容部材6は、図1A〜Cにおいて示されるように、近位端60から延在する、ネック部76を任意選択で含み得る。ネック部76は、軸方向導管48と流体連通し、かつそれと同軸である中空の円筒(例えば、一定の内径及び外径を有する)を含むことができる。これらの実施形態において、軸方向導管48は、受容部材6及びネック部76の両方を貫通すると考えられ得る。受容部材6は、ネック部76の外径より大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態において、ネック部76は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれている、McLaughlinらによる、「EXPANDABLE VERTEBRAL IMPLANT」と題された、米国特許出願公開第2011/0251691号に説明されているインプラントなどの、インプラント内に受容されるように構成され得る。
【0027】
図1A〜Cに示されるように、楔部材8は、先細横断面を含むことができ、かつ、受容部材6の先細チャネル56内に受容されるように構成されることができる。楔部材8は、細長の、及び/または直線のロッドであることができる。図1Aにおいて示されるように、楔部材8は、ほぼ台形(例えば、丸みを帯びた台形)の断面を有することができる。例えば、楔部材8の横断面は、丸みを帯びるかまたは面取りの隅部によって接続された5つの側を有することができる。楔部材8は、長方形の長手方向断面を有することもできる。いくつかの実施形態において、楔部材8は、長手方向平面(例えば、図1Dに示されるように、水平面78)に沿って非対称であり得る。例えば、楔部材8は、下壁82が上壁80よりも急勾配である、上壁80及び下壁82を含むことができる。他の実施形態において、上壁80は、下壁82よりも急勾配である。いくつかの実施形態において、下壁82の角度は、水平面78に比べて、少なくとも10度まで、上壁80の角度と異なることができる。他の実施形態において、下壁82の角度は、水平面78に比べて、少なくとも15度まで、上壁80の角度と異なることができる。さらに他の実施形態において、下壁82の角度は、水平面78に比べて、約5度から約20度までの範囲の量まで、上壁80の角度と異なることができる。図1Dにおいて示されるように、例えば、下壁82は係止部材2に係合するように構成され得、上壁80は受容部材6に係合するように構成され得る。さらに、楔部材8は、係止部材2及び受容部材6の両方に力をかけるように構成され得る。加えて、楔部材8は、受容部材6の先細チャネル56及び係止部材2の先細溝穴16内に適合(例えば、偏心的または同心的に)するように構成され得る。
【0028】
固定要素10は、第1の端74及び第2の端80を含むことができ、図1Dにおいて示されるように、第1の端74は、楔部材8に接触するように、及び/または、それに力をかけるように構成される。固定要素10は、図1Cにおいて示されるように、第2の端80において、工具受容凹部82を含むこともできる。固定要素10は、図1Aにおいて示されるように、受容部材6のソケット54内に受容されるように構成されることができる。いくつかの実施形態において、固定要素10は、ソケット54に螺入されるように構成されることができ、かつ、例えば、止めネジであることができる。他の実施形態において、固定要素10は、ソケット54と係止係合するように回転させられ得、かつ、例えば、カムロックであることができる。本明細書に説明されるように、固定要素10が、受容部材6に対して、関節接合可能な板部材4の向き(例えば、角度)を安定化させるように、構成されることができることは有利である。
【0029】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、多軸エンドプレート組立体100などの、脊椎インプラント及び第1(例えば、上位または下位)の多軸エンドプレート組立体を含むことができる、脊椎インプラント組立体を埋込む方法を対象とする。これらの方法は、組立てられていない状態、部分的に組立てられた状態、または、完全に組立てられた状態における、第1の多軸エンドプレート組立体100を提供すること含むことができる。第1の多軸エンドプレート組立体100が部分的または完全に組立てられる、いくつかの実施形態において、組立体100の構成要素の一部または全体は、結合または接続され得るが、構成要素の一部または全体は、まだ、互いに対して、回転、枢動、及び/または移動することが可能であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態は、組立てられた状態における第1の多軸エンドプレート組立体100を提供することを含むことができる。これらの実施形態において、第1の係止部材2の丸みを帯びたヘッド部12は、ネック部14が開口部32を貫通できるように、第1の関節接合可能な板部材4の空洞30内に配置または入れ子にされ得る。第1の関節接合可能な板部材4の本体部28は、第1の受容部材6の可変直径部内に配置または入れ子にされ得、第1の係止部材2のネック部14は、第1の受容部材6の軸方向導管48内に配置され得る。第1の係止部材2の先細溝穴16は、第1の受容部材6の先細チャネル56とほぼ整列され得、第1の楔部材8は、その中に摺動可能に配置され得る。第1の固定要素10は、ソケット54と緩い係合にあり得(例えば、第1の関節接合可能な板部材4が、第1の受容部材6内で関節接合可能または枢動可能であるように)、またはソケット54と係合されなくてもよい。組立てられた状態において、関節接合可能な板部材4は、係止部材2及び/または受容部材6に対して、関節接合または枢動が可能であり得ることを、当業者は認識し得る。
【0031】
方法は、第1の(例えば、上位の)係合部材及び/または第2の(例えば、下位の)係合部材を含むことができる、脊椎インプラントを提供することを含むこともできる。脊椎インプラントは、例えば、椎体部分切除術インプラント、椎体間インプラント、椎体交換、ケージ、またはスペーサを含むことができる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントは、可変的及び/または調整可能な高さを有することができる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントは、McLaughlinらによる米国特許出願公開第2011/0251691号に説明された、上下膨張可能または拡張可能なインプラントであり得る。本明細書において説明された多軸エンドプレート組立体は、前記公開において説明されたエンドプレートの代わりに、または代用として使用され得ることを、当業者は認識し得る。脊椎インプラントの一例は、図1Eにおいて示される。
【0032】
脊椎インプラントの上位の係合部材は、上位の面から延在する結合要素を含むことができる。下位の係合部材は、下位の面から延在する結合要素を含むことができる。上位及び/または下位の係合部材のいずれかに関して、結合要素は、例えば、タブ、ノッチ及び/または受け口であり得る。いくつかの実施形態において、上位及び/または下位の係合部材は、複数のタブを含むことができる。他の実施形態において、上位及び/または下位の係合部材は、複数のノッチを含むことができる。
【0033】
方法は、第1の(例えば、上位の)多軸エンドプレート組立体100を第1の(例えば、上位の)係合部材に結合させることを含むこともできる。これらの実施形態において、受容部材6は、近位端60から延在する結合要素70(例えば、タブ及び/またはノッチ)を含むことができる。本明細書において説明されるように、受容部材6は、複数の結合要素70を含むことができる。第1の多軸エンドプレート組立体を第1の係合部材に結合させるステップは、受容部材6の結合要素70を第1の係合部材の結合要素に係合させることを含むことができる。例えば、このステップは、受容部材6(例えば、タブまたはノッチ)の結合要素70を第1の係合部材(例えば、ノッチまたはタブ)の結合要素と、互いに組み合わせるか、またはあり継ぎにすることを含むことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、受容部材6は、円筒状ネック部76を付加的に含むことができる。これらの実施形態において、第1の多軸エンドプレート組立体を第1の係合部材に結合させるステップは、例えば図1Eにおいて示されるように、円筒状ネック部76を脊椎インプラントの受け口に挿入することを含むことができる。
【0035】
方法は、第2の(例えば、下位の)多軸エンドプレート組立体を第2の(例えば、下位の)係合部材に結合させることを含むこともできる。このステップは、第1の多軸エンドプレート組立体の第1の係合部材との結合と実質的に同じ方法で実行されることができる。いくつかの実施形態において、ただ1つの多軸エンドプレート組立体が使用され得るが(例えば、下位または上位の)、他の実施形態において、2つの多軸エンドプレート組立体が使用され得る(例えば、下位または上位の)。さらに、第1の多軸エンドプレート組立体に関して本明細書において説明されたステップは、第2の多軸エンドプレート組立体の埋込みに適用されることもできることを、当業者は認識し得る。
【0036】
組立体に対して、方法は、椎体部分切除術または他の処置によって作られた、2つの椎体間の空洞など、選択された位置の中に脊椎インプラント組立体を挿入することも含むことができる。膨張可能な脊椎インプラントを使用する実施形態において、このステップは、第1の高さから第2の高さに、例えば、多軸エンドプレート組立体が椎体に接触するまで、脊椎インプラントを膨張させることを付加的に含むことができる。脊椎インプラント組立体の関節接合可能な板部材が、組立てられた後でさえ、組立体に対して枢動または間接接合するように構成され得ることを、当業者は認識し得ることは有利である。したがって、多軸エンドプレート組立体の角度は、隣接する椎体のトポグラフィに対応するように、現場で調整され得る。
【0037】
方法は、第1楔部材8に力または圧力をかけることを含むこともできる。いくつかの実施形態において、力は、第1の固定要素10を通して、第1の楔部材8にかけられることができる。例えば、いくつかの実施形態において、第1の固定要素10は、止めネジであることができる。これらの実施形態において、第1の楔部材8に力をかけるステップは、止めネジが第1の楔部材8に接触するまで、第1の受容部材6のソケット54の中に、止めネジを螺入することを含むことができる。一緒に結合される場合、第1の受容部材6のソケット54の位置(例えば、角度)は、脊椎インプラント組立体全体に対して、枢動可能または関節接合可能でなくてもよい(例えば、固定されてもよい)ことを、当業者が認識し得ることは有利である。したがって、ソケット54が適所にほぼ保たれ得るので、この特徴は、第1の固定要素10がソケット54に簡単に導かれることを可能にし得る。止めネジが、先細溝穴16及び先細チャネル56に、第1の楔部材8を押し込むにつれ、第1の楔部材8の下壁82は、第1の係止部材2に力(例えば、下方に)をかけてもよく、上壁80は、第1の受容部材6に反対の力(例えば、上方に)にかけてもよく、その結果、それら間の第1の関節接合可能な板部材4に係合し、それを圧迫し、及び/または圧縮し、かつ、脊椎インプラント組立体に対して、第1の関節接合可能な板部材4の向き(例えば、角度)を係止し、安定化させ、及び/または固定する。係止、安定化、及び/または固定構成における場合、第1の関節接合可能な板部材4は、第1の係止部材2及び/または第1の受容部材6に対して、枢動、関節接合、及び/または回転を効果的にできない可能性がある。
【0038】
次に図2A〜Dを参照すると、多軸エンドプレート組立体200は、本明細書において説明された実施形態により示される。図2Aにおいて示されるように、多軸エンドプレート組立体200は、関節接合可能な板部材202と、第1のクランプ部材204、第2のクランプ部材206、及び固定要素210を備えるクランプ組立体203と、受容部材208とを含むことができる。
【0039】
図2Bにおいて示されるように、関節接合可能な板部材202は、板部212及び丸みを帯びた本体部214を含むことができる。本体部214は、その中に空洞216を画定することができる。板部212は、それを通って延在する開口部218を含むことができる。板部212は、様々なトポグラフィ特徴を有する外面220を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、板部212の外面220は平面状であり得、他の実施形態において、それは凸状であり得る。さらに他の実施形態において、それは凹状であり得る。さらに、外面220は、インプラントと椎体または他の骨特徴との間の係合または摩擦を高めるための1つ以上の特徴を含み得る。例えば、外面220は、粗面化されることができ、例えば、複数の、歯、隆起、山、溝、及び/または刻み付けを含むことができる。外面220は、少なくとも1つの係合部材を含むことができる。係合部材は、椎体に係合し、及び/または力をかけるように構成されることができる。例えば、係合部材は、スパイクであることができる。いくつかの実施形態において、外面220は、複数の係合部材を含むことができる。係合部材が、脊椎スペース内に埋込み後、組立体の滑り込み、または他の並進移動を防止することができることは有利である。他の実施形態において、外面220は、1つ以上のX線撮影マーカなどの、イメージング部材を含むことができる。
【0040】
関節接合可能な板部材202の本体部214は、図2Bにおいて示されるように、複数のタブ222を含むことができる。タブ222は、複数の溝穴224によって分離されることができる。本体部214を作るタブ222の数は、変化させることができ、例えば、約2〜約12の範囲にあることができる。いくつかの実施形態において、タブ222及び溝穴224は、等寸法かつ等間隔であり得る。他の実施形態において、タブ222及び/または溝穴224は、可変寸法であり得る。本体部214が、圧縮性、屈曲性、可撓性、及び/または狭窄性であり得る(例えば、タブ222を内側に曲げさせる力がタブ222にかけられ得、その結果、空洞216の容積を減少させる)ことは、有利である。
【0041】
本体部214は、丸みを帯びてもよい。例えば、図2Cにおいて示されるように、本体部214は、内面226及び外面228を含むことができ、そのうちの1つまたは両方は、湾曲してもよい(例えば、少なくとも部分的に湾曲した長手方向断面を含み得る)。さらに、外面228は、頂溝230及び底溝232などの、1つ、2つ、またはそれ以上の円周方向溝を含み得る。頂溝及び底溝230及び232は、同じまたは異なる寸法(例えば、高さ及び/または深さ)を有し得る。例えば、低溝232は、頂溝230の深さより小さい深さを有し得る。いくつかの実施形態において、頂溝及び底溝230、232は、本明細書において説明されるように、クランプ部材の内面上の対応する円周方向突出部に係合するように構成され得る。
【0042】
図2Dにおいて示されるように、クランプ組立体203は、第1及び第2のクランプ部材204、206、及び固定要素210を含むことができる。第1及び第2のクランプ部材204、206はそれぞれ、ほぼC型横断面を有する本体を含むことができ、組立てられた場合、関節接合可能な板部材202の周りにカラーを形成することができる。本明細書において別段の定めがある場合を除き、第2のクランプ部材206は、第1のクランプ部材204と同じ特徴の一部またはすべてを共有し得る。第1のクランプ部材204は、本明細書において前方クランプとも呼ばれ、内面234及び外面236を含むことができる。いくつかの実施形態において、内面234は、円弧の形状をした横断面を有し得る。他の実施形態において、内面234は、楕円弧の形状をした横断面を有し得る。外面236は、円弧または楕円弧のいずれかの形状をした横断面も有し得る。いくつかの実施形態において、内面234は楕円形の横断面を有することができ、外面236は円形の横断面を有することができる。第1のクランプ部材204の本体は、内面及び外面234、236間で測定されるにつれて、可変厚さを有し得る。例えば、図2Aにおいて示されるように、第1のクランプ部材204は、中央部242における厚さより小さい、それぞれの端238、240における厚さを有し得る。その結果として、薄い端部238、240は、厚い中央部242よりさらに可撓性であり得る。第1のクランプ部材204の内径及び外径も変化し得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1のクランプ部材204の内径は、関節接合可能な板部材202の本体部214の外径より小さくあり得る。しかしながら、第1のクランプ部材204は、薄い端部238、240の可撓性が原因で、それでもまだ本体部214を包含することができ得る。クランプ部材の直径及び/または可変厚さにおける誤差は、クランプ組立体203によって適用された型締圧力を有利に増加または増強させ得、かつ、その円周の周りの型締圧力の均一分布を促進または可能にし得る。
【0043】
第1及び第2のクランプ部材204、206は、図2Cに示されるように、内に及び/または外に湾曲した長手方向断面も含み得る。内面234は、関節接合可能な板部材202に係合するように構成されることができる。その結果、内面234は、これら2つの部材間の係合を強化するための1つ以上の特徴を含み得る。例えば、内面234は、第1のクランプ部材204の底端において、第1の円周方向突起部またはリップ239を含むことができる。図2Cにおいて示されるように、円周方向突起部239は、関節接合可能な板部材202の底溝232に係合、かつ、それに力をかけるように構成され得る。関節接合可能な板部材202の底部近くの局所的な力の適用は、内面234に沿った力の均等配分に比べて、締結強度及びクランプ組立体203の効率性を有利に増加させ得る。内面234は、第1のクランプ部材204の頂端の近くに位置され得る、第2の円周方向突起部またはリップ241も含み得る。第2の円周方向突起部またはリップ241は、関節接合可能な板部材202の溝にも係合するように構成され、かつ、例えば、関節接合可能な板部材202に対して、第1のクランプ部材204の整列を手助けまたは促進し得る。
【0044】
第1のクランプ部材204は、図2Dにおいて示されるように、中央ソケット243を含むこともできる。ボス部材244などの中央突起部は、内面234から延在または突き出てもよい。中央ソケット242は、第1のクランプ部材204の本体部246及びボス部材244を貫通し得る。図2Dにおいて示されるように、中央ソケットは、本体246の外面236からボス部材244の内面248に、完全に貫通し得る。中央ソケット243は、その中に固定要素210を受容かつ係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、中央ソケット243は、ネジ部を含み得、かつ/または、完全に螺合され得る。いくつかの実施形態において、中央ソケット243は、一定内径を有し得る。他の実施形態において、中央ソケット243は、止めネジの拡大されたヘッドまたは他のタイプの固定要素210を収容するように構成されることができる、外面236に隣接した拡大された直径部を含み得る。
【0045】
第2のクランプ部材206は、後方クランプ部材とも呼ばれ、図2Dにおいて示されるように、本体250、及び、中央ソケット254が貫通し得る、ボス部材252または他の中央突起部も含むことができる。中央ソケット254は、その中に固定要素210を受容かつ/または係合するようにも構成され得る。組立てられた構成における場合、図2Dにおいて示されるように、中央ソケット242、254の軸は、固定要素210が、最初に第1の前方クランプ部材204の中に挿入され(例えば、螺合され)、続いて第2の後方クランプ部材206の中に、一直線に挿入され得るように、整列され得ることを、当業者は認識されよう。中央ソケット254は、中央ソケット242と同じ特徴の少なくともいくつかを含み得る。例えば、中央ソケット254は、少なくとも部分的に螺合され得る。いくつかの実施形態において、中央ソケット254は、1つ以上の固有の特徴を含み得る。例えば、中央ソケット254は、第2のクランプ組立体206の外面まで、完全に本体250を貫通するというわけではない。さらに、中央ソケット254は、止めネジまたは他の固定要素210の、拡張されたヘッドではないシャンクを受容するように構成され得る。
【0046】
本明細書において説明されるように、固定要素210は、第1及び第2のクランプ部材204、206の中央ソケット243、254の内に受容され、かつ/または、係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、固定要素210は、例えば、固定要素210が止めネジまたは寸切ボルトである場合、中央ソケット243、254に螺入され得る。いくつかの実施形態において、固定要素210は、工具受容ソケット及びネジ山付きシャンクを有するヘッドを含むことができる、止めネジであり得る。ヘッドは、ネジ山付きシャンクのネジ外径と等しいかまたは大きい直径を有し得る。使用中は、固定要素210は、第1のクランプ部材204に螺入されるか、あるいは係合されることができ、その次に、第2のクランプ部材206に螺入されることができる。図2Aにおいて示されるように、第1及び第2のクランプ部材204、206は、隙間278によって離間されることができる。固定要素210が、第1及び第2のクランプ部材204、206に螺入され続けるので、それは、第1及び第2のクランプ部材204、206を引き合せることができ、その結果、関節接合可能な板部材202に対して型締力を及ぼす。したがって、固定要素210は、受容部材208に対して、関節接合可能な板部材202の向き(例えば、角度)を安定化させるように、有利に使用されることができる。
【0047】
図2Bにおいて示されるように、受容部材208は、凸状外面256及び丸みを帯びるかまたは湾曲した長手方向断面を有する、丸みを帯びた部分266を含むことができる。受容部材208は、そこから近位に延在する円筒部268を含むこともできる。受容部材208は、ほぼ環状または中空であり得、かつ、遠位端面260から近位端面262まで軸方向に延在する通路258を含むことができる。丸みを帯びた部分266は、外面256と内面270との間で測定されるにつれて、軸方向可変厚さを含むことができる。円筒部268は、一定の厚さを有することができる。受容部材208の少なくとも一部は、関節接合可能な板部材202の本体部214の空洞216内に受容されるように構成され得、また、外面256の少なくとも一部は、本体部214の内面226に接触または係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、受容部材208の丸みを帯びた部分266は、内面270の少なくとも一部に沿って延在し、かつ/または、そこから突出するレッジ272を付加的に含むことができる。遠位端面260は、図2Aにおいて示されるように、少なくとも1つの軸方向ポケットまたは溝穴274を含むこともできる。図2A〜Bにおいて示されるように、受容部材208は、2つの溝穴274、276を含むことができる。図2Aにおいて示されるように、2つの溝穴は、互いから離間して、ほぼ180度に配向され得る。2つの溝穴274、276は、その中に第1及び第2のクランプ部材204、206のボス部材244、252を受容するように構成され得る。溝穴274、276が、ボス部材244、252を捕捉、束縛、または制限し得、かつ、受容部材208に対して、クランプ組立体203のスピンまたは回転を減少させ得ることは、有利である。
【0048】
いくつかの実施形態において、受容部材208は、1つ以上の結合要素264を含むことができる。結合要素264は、McLaughlinらによる米国特許出願公開第2011/0251691号に説明されたものなど、多軸エンドプレート組立体200を脊椎インプラントに結合または係合させるように構成されることができる。図2Bにおいて示されるように、いくつかの実施形態において、結合要素264は、近位端面262から延在するタブなどの、突出部材を含むことができる。さらに図2Bにおいて示されるように、突出部またはタブは、脊椎インプラントにおける溝または逃げ溝内に受容されるように構成されることができるヘッドまたはフックなどの、突起部を含むことができる。他の実施形態において、結合要素264は、その中に脊椎インプラントの一部を受容するように構成された、溝または溝穴であることができる。図2Bにおいて示されるように、受容部材208は、複数の結合要素264を含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、受容部材208は、近位端262から延在することができる、ネック部(図示なし)を任意選択で含み得る。ネック部は、通路258に流体連通し、それと同軸である、中空円筒(例えば、一定の内径及び外径を有する)を含むことができる。受容部材208は、ネック部の外径より大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態において、ネック部は、結合過程の一環として脊椎インプラント内に受容されるように構成され得る。
【0050】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、脊椎インプラント、及び多軸エンドプレート組立体200などの、第1の(例えば、上位または下位の)多軸組立体を含むことができる、脊椎インプラント組立体を埋込む方法を対象とする。これらの方法は、組立てられていない状態、部分的に組立てられた状態、または、完全に組立てられた状態における、第1の多軸エンドプレート組立体200を提供することを含むことができる。第1の多軸エンドプレート組立体200が、部分的または完全に組立てられた、いくつかの実施形態において、組立体200の構成要素の一部または全体は、結合または接続され得るが、構成要素の一部または全体は、まだ、互いに対して、回転、枢動、及び/または移動することが可能であり得る。
【0051】
いくつかの実施形態は、組立てられた状態における第1の多軸エンドプレート組立体200を提供すること含むことができる。これらの実施形態において、受容部材208の丸みを帯びた部分266は、例えば、受容部材208上に関節接合可能な板部材202をスナップ嵌めすることによって、関節接合可能な板部材202の空洞216内に少なくとも部分的に配置または入れ子にされ得る。クランプ組立体203は、例えば、関節接合可能な板部材202の周りに第1及び第2のクランプ部材204、206を位置付け、中央ソケット243を通して固定要素210を挿入することによって、関節接合可能な板部材202の本体部214に係合され得る。関節接合可能な板部材202の周りに第1及び第2のクランプ部材204、206を位置付けるステップは、受容部材208上の溝穴274、276の中にボス部材244、252を挿入することをさらに含み得る。組立てられた状態において、関節接合可能な板部材202は、受容部材208及び/または係止組立体203に対して、関節接合または枢動が可能であり得ることを、当業者は認識し得る。
【0052】
方法は、第1の(例えば、上位の)係合部材及び/または第2の(例えば、下位の)係合部材を含むことができる、脊椎インプラントを提供することも含むことができる。脊椎インプラントは、例えば、椎体部分切除術インプラント、椎体間インプラント、椎体交換、ケージ、またはスペーサを含むことができる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントは、可変的及び/または調整可能な高さを有することができる。いくつかの実施形態において、脊椎インプラントは、McLaughlinらによる米国特許出願公開第2011/0251691号に説明された、上下膨張可能または拡張可能なインプラントであり得る。本明細書において説明された多軸エンドプレート組立体は、前記公開において説明されたエンドプレートの代わりに使用され得ることを、当業者は認識し得る。
【0053】
脊椎インプラントの上位の係合部材は、上位の面から延在する結合要素を含むことができる。下位の係合部材は、下位の面から延在する結合要素を含むことができる。上位及び/または下位の係合部材のいずれかに関して、結合要素は、例えば、タブ、ノッチ及び/または受け口であり得る。いくつかの実施形態において、上位及び/または下位の係合部材は、複数のタブを含むことができる。他の実施形態において、上位及び/または下位の係合部材は、複数のノッチを含むことができる。
【0054】
方法は、第1の(例えば、上位の)多軸エンドプレート組立体200を第1の(例えば、上位の)係合部材に結合させることを含むこともできる。これらの実施形態において、受容部材208は、近位端262から延在する結合要素264(例えば、タブ及び/またはノッチ)を含むことができる。本明細書において説明されるように、受容部材208は、複数の結合要素264を含むことができる。第1の多軸エンドプレート組立体を第1の係合部材に結合させるステップは、受容部材208の結合要素264を第1の係合部材の結合要素に係合させることを含むことができる。例えば、このステップは、受容部材208(例えば、タブまたはノッチ)の結合要素264を第1の係合部材(例えば、ノッチまたはタブ)の結合要素と、互いに組み合わせるか、またはあり継ぎにすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、結合要素264は、突起部を含む突出部材であることができ、第1の係合部材は、脊椎インプラントにおける逃げ溝であることができる。これらの実施形態において、結合ステップは、例えば、結合要素264を偏向させ、撓わせ、または曲げるように瞬間的に圧力をかけることによって、突起部を逃げ溝の中にスナップ嵌めすることと、結合要素264が中立位置に戻る場合、突起部が逃げ溝内に受容されることを可能にすることと、を含むことができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、受容部材208は、円筒状ネック部を付加的に含むことができる。これらの実施形態において、第1の多軸エンドプレート組立体を第1の係合部材と結合するステップは、円筒状ネック部を脊椎インプラントの受け口に挿入することを含むことができる。
【0056】
方法は、第2の(例えば、下位の)多軸エンドプレート組立体を第2の(例えば、下位の)係合部材に結合させることを含むこともできる。このステップは、第1の多軸エンドプレート組立体の第1の係合部材との結合と実質的に同じ方法で実行されることができる。いくつかの実施形態において、ただ1つの多軸エンドプレート組立体が使用され得るが(例えば、下位または上位の)、他の実施形態において、2つの多軸エンドプレート組立体が使用され得る(例えば、下位または上位の)。さらに、第1の多軸エンドプレート組立体に関して本明細書において説明されたステップは、第2の多軸エンドプレート組立体の埋込みに適用されることもできることを、当業者は認識し得る。
【0057】
組立体に対して、方法は、椎体部分切除術または他の処置によって作られた、2つの椎体間の空洞など、選択された位置の中に脊椎インプラント組立体を挿入することも含むことができる。膨張可能な脊椎インプラントを使用する実施形態において、このステップは、第1の高さから第2の高さに、例えば、多軸エンドプレート組立体が椎体に接触するまで、脊椎インプラントを膨張させることを付加的に含むことができる。脊椎インプラント組立体の関節接合可能な板部材が、組立てられた後でさえ、組立体に対して枢動または間接接合するように構成され得ることを、当業者は認識し得ることは有利である。したがって、多軸エンドプレート組立体の角度は、隣接する椎体のトポグラフィに対応するように、現場で調整され得る。
【0058】
方法は、脊椎インプラントに対して第1の関節接合可能な板部材202の向きを安定化させるために、第1の関節接合可能な板部材202に力をかけることを含むこともできる。このステップは、第1の関節接合可能な板部材202の本体部214の周りに、第1及び
第2のクランプ部材204、206を収縮かつ/または圧縮することを含むことができる。第1及び第2のクランプ部材204、206は、それと共に固定要素210と係合することによって、収縮され得る。本明細書において説明されるように、固定要素210が止めネジであり、また、第1及び第2のクランプ部材204、206がネジ山付き中央ソケットを含む、実施形態において、止めネジが中央ソケット243、254に螺入されるにつれて、止めネジは、事実上、第1及び第2のクランプ部材204、206を一緒に圧縮し得るかまたはまとめ得る。本体部214が収縮、圧迫かつ/または圧縮される場合、タブ222は、受容部材208との強化された摩擦係合において、内側に曲がり得、その結果、脊椎インプラント組立体に対して第1の関節接合可能な板部材202の向き(例えば、角度)を係止、安定化、かつ/または固定することを、当業者は認識し得る。係止、安定化、かつ/または固定された構成における場合、第1の関節接合可能な板部材202は、事実上、第1のクランプ部材203及び/または第1の受容部材208に対して、枢動、関節接合、かつ/または回転することは可能ではない。
【0059】
本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体は、椎体間でカスタマイズされた調整可能な適合を可能または促進するように、脊椎インプラントと組み合わせて使用され得ることが有利である。それにも関わらず、使用中、脊椎インプラント組立体キットは、多数の交換可能なエンドプレート組立体、及び多種多様な個人に適合するように構成された変化する特性(例えば、高さ、エンドプレート寸法、及び、角形成)を有する脊椎インプラントを含み得る。エンドプレート組立体及び椎体の適切な組み合わせを選択するために、外科医または他の開業医は、椎間腔の様々なパラメータを測定し得る。これは、手術中には、定規またはキャリパーなどの身体測定具を使用して、かつ/または、手術前には、X線、CTまたはMRIなどの映像技術と併用したソフトウェアを使用して、なされ得る。いくつかの例において、異なる方法が異なる特性を測定するために使用され得る。例えば、高さ及び足型(例えば、幅)は、物理的に測定され得、角形成は画像を使用して測定され得る。潜在的に手間のかかることに加え、これらの精密さを制限する、これらの方法に問題点があり得る。例えば、キャリパーデバイスは、手術部位内に適合し得ず、または、隣接する解剖学的構造によって遮断され得、さらに一般には脊椎インプラント組立体と同じ形状ではあり得ないので、椎間腔の高さは物理的に測定することが難しい可能性がある。さらに、キャリパーデバイスは、高さ及び/または整列を潰された脊髄分節に戻すのに十分な力を及ぼすことはできず、それ故に、脊椎インプラント組立体に対して適切な寸法を測定することは現実的にはできない。画像もまた、制限され得る。例えば、脊柱の術前画像は、脊椎インプラント組立体に対して必要とされる実測寸法を反映し得ない。その結果、本明細書において説明されるのは、足型、角形成、及び高さを1つのステップですべて測定することができる、脊椎エンドプレートトライアルデバイスであり、それ故に、複合的な測定技術を要求し得る他の方法と比較して、時間を省く。本明細書においてさらに説明されるように、エンドプレートトライアルは、椎体に力を及ぼし、かつ/または高さを潰された分節に戻すように構成され得、したがって、脊椎インプラント組立体に対する適切な寸法のさらなる精密定量を提供し得る。いったん挿入されると、X線または他の画像は、適合を確認するために現場で撮影され得る。
【0060】
また図3A〜10を参照すると、エンドプレートトライアルは、本明細書において説明される実施形態により示される。エンドプレートトライアルは、頂面、底面、及びそれらの間の側面を含むことができる。「頂部の(top)」、「底部の(bottom)」、「側部の(side)」、「前部の(front)」、「後部の(back)」などの、本明細書において使用される方向用語は、記述的目的のために使用され、エンドプレートトライアルが使用され得る方向を必ずしも限定するわけではない。例えば、本明細書において説明されるエンドプレートトライアルは、上位または下位の脊椎面のいずれかと係合するように構成され得る。さらに、エンドプレートトライアルは、脊椎インプラントデバイス(例えば、脊椎インプラント処置において使用するためのデバイス)に可逆的に係合するように構成された、結合要素を含むことができる。任意の適切な脊椎インプラントデバイスが使用され得る。例えば、脊椎インプラントデバイスは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「EXPANDABLE TRIAL ASSEMBLY FOR EXPANDABLE VERTEBRAL IMPLANT」と題された、Davenportによる、米国特許出願公開第2012/0232660号に説明されるものなどの、脊椎トライアルであり得る。他の実施形態において、脊椎インプラントデバイスは、以下に限定されないが、米国特許出願公開第2011/0251691号、及び/または米国特許出願公開第2012/0232660号において説明されたような、ケージ、スペーサ、椎体置換、椎体間インプラント、または膨張可能な脊椎インプラントなどの、脊椎補綴物であり得る。
【0061】
図3A〜Fは、エンドプレートトライアル300を示す。図3Aにおいて示されるように、エンドプレートトライアル300は、頂面302、底面304、及びそれらの間の側面306を含むことができる。エンドプレートトライアル300は、側面306と頂面及び/または底面302、304との間に、面取り端308も含み得る。頂面302は、椎体に係合(例えば、接触、及び/または力をかける)するように構成され得る。例えば、頂面302は、側面から見られると、凸面、凹面、及び平面から選択された、湾曲を有し得る。底面304も、側面から見られると、凸面、凹面、及び平面から選択された、湾曲を有し得る。さらに、エンドプレートトライアル300は、頂面302と底面304との間で測定されると、その長さまたは幅に沿って変わる、高さを有し得る。エンドプレートトライアル300の形状も、頂面302及び/または底面304から見られると、変化し得る。例えば、エンドプレートトライアル300は、円形、楕円形、正方形、台形、長方形、及び腎臓形から選択された形状を有し得る。
【0062】
本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルは、エンドプレートトライアルを脊椎インプラントデバイスに可逆的に係合させるように構成された、結合要素を含み得ることが有利である。いくつかの実施形態において、結合要素は、その中に脊椎インプラントデバイスの少なくとも一部を摺動可能に受容するように構成され得る。例えば、結合要素は、図3Aにおいて示されるように、横逃げ溝310などの、逃げ溝であり得る。
【0063】
図3Bにおいて示されるように、横逃げ溝310は、エンドプレートトライアル300の側面306上の第1または前面開口部312を含むことができる。前開口部312は、エンドプレートトライアル300の第1または前端314に位置し得、かつ、横逃げ溝310内に受容されるように、脊椎インプラントデバイスの一部の幅より大きい幅を有し得る。横逃げ溝310は、エンドプレートトライアル300の第2または後端318において、側面306上の第2または後開口部316をさらに含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、横逃げ溝310は、側面306の一部分から側面306の別の部分へ、エンドプレートトライアル300を完全に貫通し得る。他の実施形態において、横逃げ溝310は、エンドプレートトライアル300を部分的にのみ貫通し得る。さらに、横逃げ溝310は、エンドプレートトライアルの内面324を画定し得る。第2または後開口部316は、横逃げ溝310内に受容されるように、脊椎インプラントデバイスの一部の幅より小さい幅を有し得る。横逃げ溝310は、前開口部312と後開口部316との間の丸みを帯びた空洞320を付加的に含むことができる。丸みを帯びた空洞320は、後開口部316の幅より大きい直径を有し得る。横逃げ溝310は、丸みを帯びた空洞320と前開口部312との間に、移行領域322も含み得る。移行領域322は、横逃げ溝310内に受容されるように、脊椎インプラントデバイスの一部の幅より小さい幅を有するように構成され得るのは、有利である。逆に、移行領域322は、図3Bに示されるように、エンドプレートトライアル300の内側壁342、344上で、第1及び第2の突起部338、340を画定し得る。
【0064】
エンドプレートトライアルは、保持要素を付加的に含み得る。保持要素は、結合要素との係合において(例えば、丸みを帯びた空洞320内に)、脊椎インプラントデバイスの一部を保持するように構成され得る。いくつかの実施形態において、保持要素は、バネ要素を含み得る。バネ要素は、第1及び第2の偏向可能な部材を含み得、それぞれの偏向可能な部材は、脊椎インプラントデバイスに係合するように構成された突起部を含む。図3Cにおいて示されるように、いくつかの実施形態において、保持要素は、上下方向溝326を含み得る。図3B〜Cにおいて示されるように、上下方向溝326は、横逃げ溝310に流体連通し、重なり、かつ/または平行に延在し得る。上下方向溝326は、頂面302から底面304にエンドプレートトライアルを通って完全に延在する深さを有することができる。上下方向溝326は、開口部328を含む第1の端、丸みを帯びた終端330を含む第2の端、及びそれらの間の細長空所332も有し得る。図3Cにおいて示されるように、開口部328は、エンドプレートトライアル300の前端314に隣接して位置付けられ得、側面306を貫通し得る。
【0065】
図3Cに示されるように、上下方向溝326は、エンドプレートトライアル300を、第1及び第2の偏向可能な部分334、336に分割し得る。第1及び第2の偏向可能な部分334、336は、柔軟に接続され得、例えば、互いに対して、曲がる、撓う、偏向する、かつ/または枢動するように構成され得る。上下方向溝326は、第1の偏向可能な部分334と第2の偏向可能な部分336との間の距離だけ画定されるような幅を有し得る。図3Cに示されるように、上下方向溝326の幅は、変わり得、いくつかの実施形態では、上下方向溝326は、一定幅部分(たとえば、細長空所332に対応する)、及び可変幅部分(例えば、丸みを帯びた終端部330に対応する)を含むことができる。したがって、丸みを帯びた終端部330の最大幅すなわち直径は、細長空所332の幅よりも広くなり得る。相対的に広い丸みを帯びた終端部330は、第1及び第2の偏向可能な部分334、336を曲がるかまたは撓うよう仕向ける、かつ/または促すことによって、かつ/または、それらの可動域を広げることによって、エンドプレートトライアル300のバネ機構に貢献し得る。
【0066】
使用中、エンドプレートトライアル300は、インプラントトライアル組立体、例えば、図3Dに示されるインプラントトライアル組立体356の先端と係合または結合されるように構成され得る。インプラントトライアル組立体356は、ほぼディスク形状のエンドプレート360を含む膨張可能な先端組立体358を含むことができる。これらの実施形態において、インプラントトライアル組立体先端358のディスク360は、横逃げ溝310中に横方向に挿入され得る(例えば、摺動され得る)。ディスク360の最も幅の広い部分が、狭い移行領域332に入るにつれて、ディスク360は、突起部338、340に接触し、第1及び第2の偏向可能な部分334、336を外向きに偏向させるかまたは広げさせる。第1の偏向可能な部分334と第2の偏向可能な部分336とが離れて広がるにつれて、移行領域322の幅は、一時的に膨張し、それにより、ディスク360が丸みを帯びた空洞320を通過することを可能にする。突起部338、340から圧力が解放された時点で、偏向可能な部分334、336は、それらの中立位置に戻るかまたは跳ね返り、それにより、図3Eに示されるように、丸みを帯びた空洞320にディスク360を捕捉するかまたは保持する。
【0067】
エンドプレートトライアル300の底面304が、例えば、図3Cに示される。本明細書に示されるように、底面304は、隙間346によって分けられた第1の部分343及び第2の部分345に分割され得る。隙間346は、1つ以上の真っ直ぐな(例えば線形)部分及び1つ以上の曲がった部分を含み得る。反対に、第1の底部分343と第2の底部分345は、それぞれ、曲がったまたは部分的に円形の切欠部348、350を含み得る。切欠部348、350は、そこに脊椎インプラントデバイスの一部(例えば、図3Dに示されるような、膨張可能なトライアル組立体356の円筒状本体364)を受容するように構成され得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、エンドプレートトライアルは、1つ以上の安定化部材も含み得る。安定化部材は、例えば、デバイスが特定の構成にある場合のみ、脊椎インプラントデバイスの少なくとも一部に係合するように構成され得る。例えば、図3Dに示される、膨張可能なトライアル組立体356の膨張可能な先端組立体358は、膨張した構成と収縮した構成との間を可逆的に移行するように構成され得る。これらの実施形態において、安定化部材は、膨張可能なトライアル組立体356が収縮した構成にある場合、膨張可能な先端組立体358の少なくとも一部に係合するように構成され得る。エンドプレートトライアルと脊椎インプラントデバイスとの間に追加の係合をもたらすことにおいて、安定化部材は、脊椎インプラントデバイスからのエンドプレートトライアルの不注意な取り外しまたは解放を阻止し得るのが有利である。いくつかの実施形態において、安定化部材は、エンドプレートトライアルの底面上に1つ以上の突起部または突出部を含み得る。図3Cに示されるように、エンドプレートトライアル300の第1の底部分343及び第2の底部分345は、それぞれ、それら間に延在する突出部352、354を含み得る。突出部は、球形、円形、四角形、長方形、五角形、及び環状など、様々な形状を有し得、丸みを帯びた隅部及び/または端を含み得る。図3Cに示されるように、突出部352、354は、それぞれ、円形または曲がったリング部分の形状を取り得る。突出部352、354は、一緒に部分円または部分楕円を形成し得る。部分円または部分楕円の幅または直径は、それとエンドプレートトライアル300が係合され得る脊椎インプラントデバイスの寸法により変わり得る。いくつかの実施形態において、部分円または部分楕円は、図3Fに示されるように、膨張可能なトライアル組立体356の一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成され得る。例えば、円形リングセグメント352、354は、膨張可能なトライアル組立体356の歯車部材362の直径より長い最大距離だけ離間され得る。
【0069】
次に図4A〜4Dを参照すると、本明細書に説明される実施形態による、エンドプレート400が示される。本明細書において別段の定めがない限り、エンドプレート400は、エンドプレート300に関連して説明されたのと同じ特徴のうちのいくつかまたはすべてを含み得る。図4Aに示されるように、エンドプレート400は、頂面402、底面404、及びそれら間の側面406を含み得る。エンドプレート400は、脊椎インプラントデバイスの少なくとも一部(例えば、膨張可能なトライアル組立体356)に解放可能に係合するように構成された結合要素も含み得る。エンドプレートトライアル400の結合要素は横逃げ溝410を含み得る。横逃げ溝410は、エンドプレートトライアル400を部分的にまたは完全に貫通し得る(例えば、図4Bに示される前端414と後端416との間で)。例えば、図4Bに示されるように、横逃げ溝410は、第1の開口部すなわち前開口部418及び丸みを帯びた空洞420を含み得る。したがって、横逃げ溝410は、エンドプレートトライアル400の内部表面412を画定し得る。いくつかの実施形態において、エンドプレートトライアル400は、図4A及び4Bに示されるように、横逃げ溝410の長さに沿って延在することができる、内部表面412上に長細穴411をさらに含むことができる。長細穴411は、横逃げ溝410内への脊椎インプラントデバイスの摺動を促し得るのが有利である。
【0070】
エンドプレートトライアル400は、追加で保持要素を含み得る。図4Bに示されるように、保持要素は、第1の溝すなわち左上下方向溝422及び第2の溝すなわち右上下方向溝424を含むことができる。これらの上下方向溝のそれぞれは、頂面402から底面404まで、エンドプレートトライアル400を完全に貫通して延在し得る。図4Bに示されるように、上下方向溝422、424のそれぞれは、頂面402及び底面404から見て、ほぼU字形であり得、第1及び第2の(例えば、左右の)偏向可能なアーム426、428を画定し得る。第1及び第2の偏向可能なアーム426、428は、それぞれ、横逃げ溝410中に突出する突起部すなわちプロング430、432を含むことができる。
【0071】
使用中、エンドプレートトライアル404は、インプラントトライアル組立体、例えば、図4Dに示されるインプラントトライアル組立体356の先端と係合または結合されるように構成され得る。本明細書に説明されるように、インプラントトライアル組立体356は、ほぼディスク形状のエンドプレート360を含む膨張可能な先端組立体358を含むことができる。これらの実施形態において、ディスク360は、横逃げ溝410中に横方向に挿入され得る(例えば、摺動され得る)。ディスク360の最も幅の広い部分が突起部430、432に接触する、またはそれらに力をかけるに従って、それは、第1及び第2の偏向可能なアーム426、428を外向きに反らせるかまたは広げさせる。第1の偏向可能なアーム426と第2の偏向可能なアーム428とが、離れて広がるのに従って、横逃げ溝410の幅が、一時的に膨張し、それにより、ディスク360を、丸みを帯びた空洞420へと通過させることを可能にする。突起部430、432から圧力が放出されると、偏向可能なアーム426、428は、それらの中立位置に戻るかまたは跳ね返り、それにより、図4B及び4Dに示されるように、丸みを帯びた空洞420内にディスク360を捕捉または保持し得る。
【0072】
エンドプレートトライアル400の底面404が、図4Cに示される。底面404は、曲がった切欠部434を含み得る。曲がった切欠部434は、開口部436、線形通路438、及び丸みを帯びた終端部440を含み得る。丸みを帯びた終端部440は、丸みを帯びた空洞420と同軸であり得る。曲がった切欠部434は、脊椎インプラントデバイスの一部(例えば、図4Dに示される円筒状本体364)を収容するように構成され得る。
【0073】
エンドプレート400は、1つ以上の安定化部材を含み得る。図4C及び4Dに示されるように、安定化部材は、底面404から延出する第1の突出部442及び第2の突出部444を含み得る。突出部442、444は、5辺形状(たとえば、五角形)を有し得る。突出部442、444は、それとエンドプレートトライアル400が係合され得る脊椎インプラントデバイスの寸法に応じて変わることができる距離だけ離間され得る。本明細書に説明されるように、また図4Dに示されるように、膨張可能なトライアル組立体356は、とりわけ、歯車部材362を含む膨張可能な先端組立体358を含み得る。第1の突出部442及び第2の突出部444は、膨張可能な先端組立体358が収縮した構成にある場合、歯車部材362に係合するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態において、突出部442、444は、図4Dに示されるように、歯車部材362の直径より短い距離だけ離間され得る。しかしながら、円筒状の本体364が切欠部434に沿って自由に通ることを可能するために、突出部442、444は、円筒状本体364の直径よりも長い距離にも離間され得る。
【0074】
本明細書に説明されるエンドプレートトライアルが、様々な特性を有する脊椎インプラントデバイスと解放可能に結合するための他の結合機構または要素を含み得ることを、当業者は認識し得る。代替的な結合要素の例は、図5〜10に示される。図5〜10に示されるエンドプレートトライアルの特徴が、互いに、また本明細書に説明されるエンドプレートトライアル300及び400の1つ以上の特徴と、組み合わされ得ることを、当業者は認識し得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、脊椎インプラントデバイスは、中空レセプタクル(たとえば、中空円筒体)を含み得、エンドプレートトライアルは、中空レセプタクル内に受容されるように構成される結合要素を含み得る。図5及び6に示されるように、エンドプレートトライアル500、600は、それの底面504、604から延出する複数の偏向可能なアーム502、602を含み得る。各アーム502、602は、中空レセプタクルの内部表面に係合またはそれを押圧するように構成され得る突起部506、606を含み得る。いくつかの実施形態において、中空レセプタクルは、突起部506、606を受容するように構成された溝または窪みをさらに含み得る。エンドプレートトライアル500のアーム502は、スナップ嵌めで中空レセプタクルに係合するように構成され得る。例えば、アーム502は、中空レセプタクルに押し込まれ、突起部506が溝に位置付けられると解放され得る。図6に示されるように、エンドプレート600は、ネジ山付き通路608、及び留め具すなわちネジ部材610をさらに含み得る。使用中、ネジ部材610は、アーム602を押し開く、または広げて離すように、ネジ山付き通路608中を進行させられ得、それにより、突起部606を中空レセプタクルの内部表面と係合させる。
【0076】
他の実施形態において、脊椎インプラントデバイスは、ネジ山付き拡張部材を含み得る。したがって、図7は、それの底面704を貫通して延在する雌ネジ空洞702を含むエンドプレートトライアル700を示す。雌ネジ空洞702は、脊椎インプラントデバイスに、螺着可能に係合するように(例えば、それに螺合するように)構成され得る。図8は、別の実施形態、すなわち、エンドプレートトライアル802及びカラー804を含むエンドプレートトライアル800を示す。カラー804は、雌ネジ空洞を含むことができ、脊椎インプラントデバイスに、螺着可能に係合するように(例えば、それに螺合するように)構成され得るとともに、エンドプレートトライアル802に係合するように構成され得る。カラー804は、リップ808など、エンドプレートトライアル802の一部を受容するように構成された溝すなわち逃げ溝806も含み得る。エンドプレート802は、カラー804上を摺動またはそれにスナップ嵌めするように構成され得る。このタイプのエンドプレートトライアル設計は、エンドプレートトライアル802が非円形である場合に、その場合はエンドプレートトライアル802が脊椎インプラントデバイスに直接螺合され得ないので、有利であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、脊椎インプラントデバイスは、図9及び10に示されるような固体拡張部材を含み得る。図9に示されるように、固体拡張部材は、逃げ溝をさらに含み得る。これらの実施形態において、エンドプレートトライアル900は、底面904から延出する1つ以上のアーム902を含み得る。各アーム902は、突起部906をさらに含み得る。アーム902は、例えばスナップ嵌めで、固体拡張部材の外側表面に係合するように構成され得る。使用中、エンドプレートトライアル900は、脊椎インプラントデバイスにスナップ嵌めまたは押し付けられ得る。アーム902は、一時的に、外向きに広がるかまたは反ってもよく、中立位置に戻ると、突起部906が、固体拡張部材の逃げ溝内に保持され得る。
【0078】
図10は、空洞1002を含む結合要素を含むことができるエンドプレートトライアル1000を示す。空洞1002は、そこに脊椎インプラントデバイスの少なくとも一部を受容するように構成され得る。エンドプレートトライアル1000は、空洞の側面から延出し、また、そこに留め具1006を受容するように構成される通路1004を含む、保持要素をさらに含むことができる。留め具1006には、例えば、ボールプランジャ、スプリングプランジャ、またはネジが含まれ得る。使用中、エンドプレートトライアル1000は、止めネジカラーのように構成され得、そこでは、留め具1006は、それが脊椎インプラントデバイスに接触し、それに摩擦嵌めで係合するまで、通路1004に螺入され得る。
【0079】
本明細書における実施形態は、脊椎インプラントを挿入する方法も対象とする。いくつかの実施形態において、方法は、膨張可能なトライアル組立体356、また、エンドプレートトライアル300またはエンドプレートトライアル400など、本明細書に説明されたような少なくとも1つのエンドプレートトライアルなどの脊椎トライアルを提供することを含むことができる。膨張可能なトライアル組立体356は、例えば、部分的に収縮した構成において提供され得る。方法は、例えば、脊椎トライアルの一部(たとえば、ディスク360)をエンドプレートトライアル上の逃げ溝の中に横方向に摺動させ、ディスク360をそれの丸みを帯びた空洞内に保持することによって、エンドプレートトライアルを脊椎トライアルと結合させることをさらに含むことができる。方法は、例えば椎体部分切除術処置の一環として、2つの脊椎間に組立体全体(例えば、少なくとも1つのトライアルエンドプレートに結合された膨張可能なトライアル組立体)を位置付けることをさらに含むことができる。膨張可能なトライアル組立体356の膨張可能な先端組立体358は、例えば、歯車部材362を回転させることによって、膨張させられ得る。膨張可能な先端組立体358は、エンドプレートトライアルの頂面が脊椎本体に接触する、かつ/または所望の螺旋状に位置が揃うまで、膨張させられ得る。方法は、例えば、膨張可能なトライアル組立体356の近位端にある目盛りを用いて、組立体全体の膨張を測定することをさらに含むことができる。本明細書に説明されるように、エンドプレートトライアルは、1つのステップまたは手順における足型、角形状、及び高さの測定を可能にするまたは促進することができるのが有利である。測定が行われた時点で、組立体全体が脊椎スペースから取り除かれ得る。このステップは、次に、組立体全体を収縮するまたは引っ込めることを含み得る。本明細書に説明されるように、収縮した構成においての場合、エンドプレートトライアルの底面上の突起部は、膨張可能な先端組立体の一部(たとえば、歯車部材362)に係合し、それにより、安定性の向上をもたらし、取り外しステップ中に、エンドプレートトライアルが膨張可能なトライアル組立体356から不意に離脱する可能性を低減し得る。特定のエンドプレートトライアルの1つ以上のパラメータが受け入れられない場合、エンドプレートトライアルが、膨張可能なトライアル組立体356から離脱または取り外され、異なるエンドプレートトライアルと交換され得ることを、当業者は認識し得る。したがって、本明細書に説明されたエンドプレートトライアルの容易に交換可能な性質は、外科医に、様々なエンドプレートトライアルを簡単に試してみて、適切な測定値を素早く得ることを可能にさせ得る。正しい測定値が得られた時点で、これらの測定値に基づき、インプラント(例えば、任意選択で、本明細書に説明される1つ以上の多軸エンドプレート組立体を含む、膨張可能なインプラント)が、選択され得る。その後、方法は、脊椎骨間に選択されたインプラントを位置付けることと、膨張可能なトライアル組立体356の測定された膨張に基づき、インプラントを膨張させることと、をさらに含むことができる。
【0080】
上述のシステム及びデバイスのいずれも、安定化ロッド、板、及びネジを含むがこれらに限定されない、様々な他の脊柱インプラントと共に使用され得る。いくつかの実施形態において、上述のデバイスは、スペーサ及びケージと共に使用され得る。さらに、融合を促進するために、上述のシステム及びデバイスに、様々な骨成長物質が挿入され得る。
【0081】
このように本発明が説明されたが、本発明が様々に変えられ得ることが明らかであろう。このような変更は、本発明の趣旨及び範囲からの逸脱として見なされるべきではなく、当業者に明らかであると考えられるような修正のすべては、以下の特許請求の範囲内に含まれると意図される。本明細書において個々の実施形態が述べられたが、本発明は、すべてのそれらの実施形態のすべての組み合わせに及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1A】本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の横断面図を示す。
図1B】本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の斜視図を示す。
図1C】本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の斜視図を示す。
図1D】本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の斜視図を示す。
図1E】本明細書において説明されるように、脊椎インプラントと係合された多軸エンドプレート組立体の斜視図を示す。
図2A】本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の斜視底面図を示す。
図2B】本明細書において説明されるように、多軸エンドプレート組立体の横断面図を示す。
図2C】本明細書において説明されるように、関節接合可能な板部材に係合するクランプ組立体の横断面図を示す。
図2D】本明細書において説明されるように、クランプ組立体の斜視図を示す。
図3A】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図3B】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの横断面図を示す。
図3C】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図3D】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアル及び拡張可能なトライアル組立体を示す。
図3E】本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの横断面図を示す。
図3F】本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図4A】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図4B】本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの横断面図を示す。
図4C】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの斜視底面図を示す。
図4D】本明細書において説明されるように、拡張可能なトライアル組立体と係合したエンドプレートトライアルの斜視図を示す。
図5】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
図6】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
図7】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
図8】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
図9】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
図10】本明細書において説明されるように、エンドプレートトライアルの代替的な実施形態を示す。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10