特許第6588618号(P6588618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588618情報処理プログラム、情報処理方法およびゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6588618
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法およびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/56 20140101AFI20191001BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20191001BHJP
【FI】
   A63F13/56
   A63F13/58
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-248069(P2018-248069)
(22)【出願日】2018年12月28日
【審査請求日】2018年12月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松永 和也
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲シン▼鵬
【審査官】 瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−113040(JP,A)
【文献】 特開2007−160003(JP,A)
【文献】 特開2009−153559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 − 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、前記特定の操作に応じた特定モーションを行わせる操作動作制御部と、
前記プレイヤオブジェクトが前記特定モーションを行っておらず、かつ、前記プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、前記特定モーションとは異なる特殊モーションを前記プレイヤオブジェクトに行わせる特殊動作制御部と、
前記特定モーションおよび前記特殊モーションを含む前記プレイヤオブジェクトのモーションに応じて前記プレイヤオブジェクトの外観についてパラメータの値を変更し、前記パラメータの値に応じて前記プレイヤオブジェクトの外観を変更可能である外観制御部と、
してコンピュータを機能させ
前記所定の条件には、少なくとも前記パラメータの値が閾値以上である情報処理プログラム。
【請求項2】
前記外観制御部は、
前記特定モーションが行われて所定の事象が発生したことに起因として前記パラメータの値を変更し、
前記特殊モーションが行われたことに起因して前記パラメータの値を変更する請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記プレイヤオブジェクトのモーションごとに、前記パラメータの変更値が設定されており、
前記外観制御部は、
前記プレイヤオブジェクトが、前記パラメータの変更値が設定されたモーションを行った場合、前記モーションに設定された変更値にしたがって前記パラメータの値を変更する請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記プレイヤオブジェクトの外観には、複数の部位ごとにそれぞれパラメータが設定されており、
前記プレイヤオブジェクトのモーションには、対象となる前記部位の前記パラメータの変更値が設定されており、
前記外観制御部は、
前記プレイヤオブジェクトのモーションに応じて、対象となる前記部位の前記パラメータの値を変更する請求項2または3に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、前記特定の操作に応じた特定モーションを行わせる操作動作制御部と、
前記プレイヤオブジェクトが前記特定モーションを行っておらず、かつ、前記プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、前記プレイヤオブジェクトに特殊モーションを行わせる特殊動作制御部と、
前記プレイヤオブジェクトが前記特殊モーションを行った場合、前記プレイヤオブジェクトの外観を変更可能である外観制御部と、
してコンピュータを機能させ、
前記操作動作制御部は、
前記特定の操作とは異なる所定の操作が行われた場合、前記所定の操作に応じた所定モーションを前記プレイヤオブジェクトに行わせ、
前記特殊動作制御部は、
前記プレイヤオブジェクトの部位ごとに前記所定モーションおよび前記特殊モーションを同時に行わせることが可能であり、
前記所定モーションまたは前記特定モーションが行われる前記部位は、少なくとも一部が共通している情報処理プログラム。
【請求項6】
特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、前記特定の操作に応じた特定モーションを行わせるステップと、
前記プレイヤオブジェクトが前記特定モーションを行っておらず、かつ、前記プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、前記特定モーションとは異なる特殊モーションを前記プレイヤオブジェクトに行わせるステップと、
前記特定モーションおよび前記特殊モーションを含む前記プレイヤオブジェクトのモーションに応じて前記プレイヤオブジェクトの外観についてパラメータの値を変更し、前記パラメータの値に応じて前記プレイヤオブジェクトの外観を変更可能であるステップと、
を含み、
前記所定の条件には、少なくとも前記パラメータの値が閾値以上である情報処理方法。
【請求項7】
特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、前記特定の操作に応じた特定モーションを行わせる操作動作制御部と、
前記プレイヤオブジェクトが前記特定モーションを行っておらず、かつ、前記プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、前記特定モーションとは異なる特殊モーションを前記プレイヤオブジェクトに行わせる特殊動作制御部と、
前記特定モーションおよび前記特殊モーションを含む前記プレイヤオブジェクトのモーションに応じて前記プレイヤオブジェクトの外観についてパラメータの値を変更し、前記パラメータの値に応じて前記プレイヤオブジェクトの外観を変更可能である外観制御部と、
を備え
前記所定の条件には、少なくとも前記パラメータの値が閾値以上であるゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが仮想のゲーム空間に配されるアクションゲームが知られている。このようなアクションゲームでは、プレイヤによるコントローラの操作に応じて、ゲーム空間内でプレイヤキャラクタを動作させる。
【0003】
また、アクションゲームでは、プレイヤによるコントローラの操作が行われていない場合、プレイヤキャラクタを所定の待機モーションで動作させるようになされている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−153559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の待機モーションでは、プレイヤによるコントローラの操作が行われていない間の埋め合わせの動作に過ぎず、現実感が欠けてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、現実感を向上することが可能な情報処理プログラム、情報処理方法およびゲーム装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、情報処理プログラムは、特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、特定の操作に応じた特定モーションを行わせる操作動作制御部と、プレイヤオブジェクトが特定モーションを行っておらず、かつ、プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、特定モーションとは異なる特殊モーションをプレイヤオブジェクトに行わせる特殊動作制御部と、特定モーションおよび特殊モーションを含むプレイヤオブジェクトのモーションに応じてプレイヤオブジェクトの外観についてパラメータの値を変更し、パラメータの値に応じてプレイヤオブジェクトの外観を変更可能である外観制御部と、してコンピュータを機能させ、所定の条件には、少なくともパラメータの値が閾値以上である。
【0008】
また、外観制御部は、特定モーションが行われて所定の事象が発生したことに起因としてパラメータの値を変更し、特殊モーションが行われたことに起因してパラメータの値を変更してもよい。
【0009】
また、プレイヤオブジェクトのモーションごとに、パラメータの変更値が設定されており、外観制御部は、プレイヤオブジェクトが、パラメータの変更値が設定されたモーションを行った場合、モーションに設定された変更値にしたがってパラメータの値を変更してもよい。
【0010】
また、プレイヤオブジェクトの外観には、複数の部位ごとにそれぞれパラメータが設定されており、プレイヤオブジェクトのモーションには、対象となる部位のパラメータの変更値が設定されており、外観制御部は、プレイヤオブジェクトのモーションに応じて、対象となる部位のパラメータの値を変更してもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、情報処理プログラムは、特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、特定の操作に応じた特定モーションを行わせる操作動作制御部と、プレイヤオブジェクトが特定モーションを行っておらず、かつ、プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、プレイヤオブジェクトに特殊モーションを行わせる特殊動作制御部と、プレイヤオブジェクトが特殊モーションを行った場合、プレイヤオブジェクトの外観を変更可能である外観制御部と、してコンピュータを機能させ、操作動作制御部は、特定の操作とは異なる所定の操作が行われた場合、所定の操作に応じた所定モーションをプレイヤオブジェクトに行わせ、特殊動作制御部は、プレイヤオブジェクトの部位ごとに前記所定モーションおよび前記特殊モーションを同時に行わせることが可能であり、所定モーションまたは特定モーションが行われる部位は、少なくとも一部が共通している。
【0012】
上記課題を解決するために、情報処理方法は、特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、特定の操作に応じた特定モーションを行わせるステップと、プレイヤオブジェクトが特定モーションを行っておらず、かつ、プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、特定モーションとは異なる特殊モーションをプレイヤオブジェクトに行わせるステップと、特定モーションおよび特殊モーションを含むプレイヤオブジェクトのモーションに応じてプレイヤオブジェクトの外観についてパラメータの値を変更し、パラメータの値に応じてプレイヤオブジェクトの外観を変更可能であるステップと、を含み、所定の条件には、少なくともパラメータの値が閾値以上である。
【0013】
上記課題を解決するために、ゲーム装置は、特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、特定の操作に応じた特定モーションを行わせる操作動作制御部と、プレイヤオブジェクトが特定モーションを行っておらず、かつ、プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、特定モーションとは異なる特殊モーションをプレイヤオブジェクトに行わせる特殊動作制御部と、特定モーションおよび特殊モーションを含むプレイヤオブジェクトのモーションに応じてプレイヤオブジェクトの外観についてパラメータの値を変更し、パラメータの値に応じてプレイヤオブジェクトの外観を変更可能である外観制御部と、を備え、所定の条件には、少なくともパラメータの値が閾値以上である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現実感を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、情報処理システムの概略的な構成を示した説明図である。
図2図2は、ゲーム装置のハードウェアの構成を説明する図である。
図3図3Aは、ゲーム内容を説明する図である。図3Bは、敵キャラクタのボーン情報を説明する図である。図3Cは、コントローラを説明する図である。
図4図4は、プレイヤキャラの攻撃モーションを説明する図である。
図5図5は、プレイヤキャラの被ダメージモーションを説明する図である。
図6図6は、プレイヤキャラの回避モーションを説明する図である。
図7図7は、プレイヤキャラの特殊モーションの一例を説明する図である。
図8図8は、特殊モーション「剣を回す」を説明する図である。
図9図9は、特殊モーション「剣の血を振り払う」を説明する図である。
図10図10は、特殊モーション「ホコリを払う」を説明する図である。
図11図11Aは、剣の汚れ度と表示態様の関係を説明する図である。図11Bは、剣の汚れ度の変更値を説明する図である。
図12図12Aは、服の汚れ度と表示態様の関係を説明する図である。図12Bは、服の汚れ度の変更値を説明する図である。
図13図13は、ゲーム装置1におけるメモリ14の構成およびコンピュータの機能を説明する図である。
図14図14は、バトルゲーム制御処理を説明するフローチャートである。
図15図15は、特殊モーション決定処理を説明するフローチャートである。
図16図16は、汚れ度更新処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態の一態様について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
(情報処理システムSの全体の構成)
図1は、情報処理システムSの概略的な構成を示した説明図である。情報処理システムSは、ゲーム装置1と、サーバ2と、通信基地局3aを有する通信ネットワーク3とを含む、所謂クライアントサーバシステムである。
【0018】
ゲーム装置1は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと対戦するバトルゲームを実現する。ゲーム装置1は、例えば、ゲームをプレイするための専用のゲーム機器、スマートフォン等の携帯電話、タブレット装置、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。本実施形態では、ゲーム装置1が専用のゲーム機器で構成される場合について説明する。ゲーム装置1は、通信ケーブルを介してディスプレイ10と接続可能であり、ディスプレイ10における画像の表示制御を行う。
【0019】
なお、ゲーム装置1は、通信ネットワーク3を介してサーバ2との通信を確立することができる。ただし、ゲーム装置1において、通信機能は必須ではない。また、ここでは、ゲーム装置1とは別にディスプレイ10が設けられているが、ゲーム装置1がディスプレイ10を含んでもよい。
【0020】
サーバ2は、複数のゲーム装置1と通信接続される。サーバ2は、ゲームをプレイするプレイヤごとに各種の情報を蓄積する。また、サーバ2は、ゲーム装置1から入力される操作に基づき、蓄積された情報の更新を行う。
【0021】
通信基地局3aは、通信ネットワーク3と接続され、ゲーム装置1と無線による情報の送受信を行う。通信ネットワーク3は、携帯電話網、インターネット網、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、ゲーム装置1とサーバ2との無線もしくは有線による通信接続を実現する。
【0022】
(ゲーム装置1のハードウェアの構成)
図2は、ゲーム装置1のハードウェアの構成を説明する図である。図2に示すように、ゲーム装置1は、CPU(Central Processing Unit)12、メモリ14、バス16、入出力インタフェース18、ディスクドライブ20、記憶部22、通信部24、入力部26を含んで構成される。
【0023】
CPU12は、メモリ14に記憶されたプログラムを動作させ、ゲームの進行を制御する。メモリ14は、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)で構成され、ゲームの進行制御に必要となるプログラムおよび各種のデータを記憶する。メモリ14は、バス16を介してCPU12に接続されている。本実施形態では、メモリ14がRAMで構成されることとするが、メモリ14は、ROMで構成されてもよいし、RAMおよびROMの双方を含んで構成されてもよい。
【0024】
バス16には、入出力インタフェース18が接続される。入出力インタフェース18には、ディスクドライブ20、記憶部22、通信部24、入力部26が接続されている。
【0025】
ディスクドライブ20は、ゲームプログラムが記憶された記憶媒体を読み込む。記憶部22は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、各種プログラムおよびデータを記憶する。ゲーム装置1においては、ディスクドライブ20に挿入された記憶媒体、あるいは、記憶部22に記憶されたプログラムおよびデータが、CPU12によってメモリ14(RAM)にロードされる。
【0026】
通信部24は、通信基地局3aと無線により通信接続され、通信ネットワーク3を介して、サーバ2との間で各種データおよびプログラムといった情報の送受信を行う。ゲーム装置1においては、サーバ2から受信したプログラム等が、メモリ14または記憶部22に格納可能である。
【0027】
入力部26は、例えば、プレイヤの操作が入力される(操作を受け付ける)アナログコントローラ、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウス等で構成される。さらには、入力部26は、傾きや移動を検知する加速度センサ、または、プレイヤの音声を検知するマイクで構成されてもよい。すなわち、入力部26には、プレイヤの意思を識別可能に入力させることができる装置が広く含まれる。ここでは、入力部26として、後述するコントローラ30が設けられる。
【0028】
また、入出力インタフェース18には、上記のディスプレイ10およびスピーカ等で構成される出力部28が接続される。なお、ここでは、ゲーム装置1が出力部28を含まないものとして説明するが、ゲーム装置1が出力部28を含んで構成されてもよい。
【0029】
(ゲーム内容)
次に、本実施形態のゲーム装置1(情報処理システムS)により提供されるゲームの内容について、一例を用いて説明する。本実施形態では、所謂アクションRPG(Roll Playing Game)が提供される。
【0030】
図3Aは、ゲーム内容を説明する図である。プレイヤは、まず、操作対象となるプレイヤキャラクタ(プレイヤオブジェクト、以下、「プレイヤキャラPC」と呼ぶ)の装備(外観)を設定する。プレイヤは、敵キャラクタ(対象オブジェクト、以下、「敵キャラEC」と呼ぶ)を攻撃するための武器(剣)と、敵キャラECの攻撃を防御するための防具(盾、服)が設定可能である。
【0031】
そして、装備が設定されると、バトルゲームがプレイ可能となる。バトルゲームの目的は、プレイヤキャラPCによって、敵キャラECを撃退することである。バトルゲームでは、プレイヤがコントローラ30を操作し、プレイヤキャラPCを移動させたり、敵キャラECに対する攻撃モーションを行わせたりする。
【0032】
プレイヤキャラPCおよび敵キャラECには、それぞれライフポイントHPが設定されている。プレイヤキャラPCの攻撃が敵キャラECにヒットすると、敵キャラECにダメージポイントが付与され、敵キャラECのライフポイントHPからダメージポイントが減算される。一方、敵キャラECの攻撃がプレイヤキャラPCにヒットすると、プレイヤキャラPCにダメージポイントが付与され、プレイヤキャラPCのライフポイントHPからダメージポイントが減算される。バトルゲームは、敵キャラECのライフポイントHPが先に0になることでプレイヤの勝利となり、プレイヤキャラPCのライフポイントHPが先に0になることでプレイヤの敗北となる。
【0033】
図3Aに示すように、バトルゲームでは、仮想のゲーム空間GSが表示される。ゲーム空間GSには、プレイヤキャラPCと、敵キャラECとが配される。ゲーム装置1では、ゲーム空間GS、および、キャラクタ(プレイヤキャラPCおよび敵キャラEC)を生成してディスプレイ10に表示させる画像処理が行われる。
【0034】
例えば、ゲーム装置1は、各種のデータを読み出して、三次元の仮想のゲーム空間GSを生成する。そして、生成されたゲーム空間GSを所定の視点から仮想のカメラで撮像し、仮想的に見たときの二次元画像が生成される。この二次元画像がディスプレイ10に表示される。本実施形態において、ゲーム空間GSとは、画像処理の過程で生成される三次元データと、ディスプレイ10に表示される二次元画像との双方を含むものである。ゲーム空間GSには、図3Aに示すx軸、y軸、z軸の3軸の位置情報が規定されており、この位置情報に基づいて、キャラクタの動作が制御される。
【0035】
図3Bは、敵キャラECのボーン情報を説明する図である。敵キャラECには、複数の関節Jo(図3Bに黒塗りの円で示す)と、関節Joを繋ぐ骨部Boとを含むボーン情報が予め設定されている。関節Joの相対位置に応じて、3軸方向それぞれに対する骨部Boの傾き、すなわち、敵キャラECの姿勢および向きが変化する。敵キャラECは、ボーン情報に基づいて動作が制御される。
【0036】
例えば、敵キャラECの動作として、複数種類の攻撃モーションが設けられている。各攻撃モーションには、全ての骨部Boおよび関節Joの移動軌跡およびタイミングが規定された動作情報が予め設定されている。敵キャラECは、決定された攻撃モーション用の動作情報に基づいて動作が制御される。なお、骨部Boの周囲の一定範囲が、敵キャラECの表示範囲となり、かつ、プレイヤキャラPCの攻撃がヒットする衝突範囲となる。このように、ボーン情報は、敵キャラECの動作および表示を制御するための情報である。また、ボーン情報は、衝突範囲や、敵キャラECの攻撃がプレイヤキャラPCにヒットする攻撃範囲を設定するために用いられる。
【0037】
なお、詳しい説明は省略するが、プレイヤキャラPCにもボーン情報が設定されており、ボーン情報に基づいて、プレイヤキャラPCの動作および表示制御がなされる。すなわち、プレイヤの操作が入力された場合、ゲーム空間GS内におけるプレイヤキャラPCの動作が、ボーン情報に基づいて制御される。すなわち、後述する回避モーションを含むプレイヤキャラPCの動作(モーション)には、全ての骨部Boおよび関節Joの移動軌跡、タイミングが規定された動作情報が予め設定されている。そして、ゲーム空間GS内におけるプレイヤキャラPCの動作は、ボーン情報と動作情報とに基づいて制御される。
【0038】
図3Cは、コントローラ30を説明する図である。コントローラ30は、入出力インタフェース18に無線または有線により通信接続される。コントローラ30は、本体部30aを備える。本体部30aは、プレイヤが両手で把持可能な形状に構成されている。また、本体部30aには、プレイヤの操作を受け付ける複数の操作部が設けられる。ここでは、コントローラ30に設けられる一部の操作部について説明する。
【0039】
本体部30aには、第1ボタン32a、第2ボタン32b、第3ボタン32c、第4ボタン32d、第5ボタン32eが設けられる。第1ボタン32aは、攻撃操作(特定の操作)を受け付ける操作部である。第1ボタン32aの押下操作により、プレイヤキャラPCが剣を振り回す攻撃モーションを行う。第2ボタン32bは、抜刀および納刀用の操作部である。剣が鞘に納められた状態で第2ボタン32bが押下操作されると、プレイヤキャラPCが抜刀モーションを行い、剣が把持される。一方、剣を把持した状態で第2ボタン32bが押下操作されると、プレイヤキャラPCが納刀モーションを行い、剣が鞘に納められる。
【0040】
また、第3ボタン32cは、上り下り操作を受け付ける操作部である。第3ボタン32cが押下操作されると、プレイヤキャラPCが段差を上り下りする上り下りモーションを行う。第4ボタン32dは、回避操作(特定の操作)を受け付ける操作部である。第4ボタン32dの押下操作により、プレイヤキャラPCは回避モーションを行う。この回避モーション中の一部期間では、敵キャラECの攻撃、すなわち、ダメージを受けない無敵状態となる。
【0041】
第5ボタン32eは、ガード操作を受け付ける操作部である。第5ボタン32eが押下操作されている間、プレイヤキャラPCが盾を構えて敵キャラECの攻撃をガードするガードモーションを行う。このガードモーション中にプレイヤキャラPCが敵キャラECから攻撃を受けた場合、プレイヤキャラPCの被ダメージが低減される。
【0042】
また、本体部30aには、方向指示部34が設けられる。方向指示部34は、本体部30aから突出して設けられ、360°の全方向に傾倒可能に構成される。方向指示部34は、プレイヤの方向指示操作を受け付ける操作部であり、方向指示部34が操作されると、方向指示部34の傾倒方向(以下、「指示方向」という)にプレイヤキャラPCが動作する。
【0043】
例えば、方向指示部34のみが操作されると、ゲーム空間GS内において、プレイヤキャラPCは、指示方向に移動する移動モーションを行う。また、方向指示部34と第1ボタン32aとが同時に操作されると、プレイヤキャラPCは、指示方向に向けて攻撃モーションを行う。また、方向指示部34と第4ボタン32dとが同時に操作されると、プレイヤキャラPCは、指示方向に向けて回避モーションを行う。また、方向指示部34と第5ボタン32eとが同時に操作されると、プレイヤキャラPCは、盾でガードしながら向きを変えずに指示方向に向けて水平移動する。
【0044】
さらに、本体部30aには、アングル指示部36が設けられる。アングル指示部36は、本体部30aから突出して設けられ、360°の全方向に傾倒可能に構成される。アングル指示部36は、ディスプレイ10に表示されるゲーム空間GSのアングルを変更するための操作を受け付ける操作部である。アングル指示部36が操作されると、アングル指示部36の傾倒方向に応じて、ディスプレイ10に表示されるゲーム空間GSのアングルが変更される。
【0045】
(プレイヤキャラPCおよび敵キャラECのモーション)
次に、プレイヤキャラPCおよび敵キャラECのモーションについて説明する。バトルゲーム中は、コントローラ30の操作部に対する操作の入力、および、プログラムにしたがって、プレイヤキャラPCのモーションが決定される。プレイヤキャラPCのモーションには、敵キャラECを攻撃する攻撃モーション、敵キャラECの攻撃を回避する回避モーション、プレイヤキャラPCが移動する移動モーション、盾を構えて敵キャラECの攻撃をガードするガードモーション、敵キャラECから攻撃を受けた際の被ダメージモーション、プレイヤキャラPCが段差を上り下りする上り下りモーション、プレイヤキャラPCが高台から落ちる落下モーションが含まれる。
【0046】
また、プレイヤキャラPCのモーションには、特殊モーションが含まれる。本実施形態では、特定モーションとして、上記の攻撃モーション、回避モーション、被ダメージモーション、上り下りモーション、落下モーションが設定されている。特殊モーションは、特定モーションを行っていない場合に、操作部に対する操作の入力に関係なく行うモーションである。なお、特定モーションは、特殊モーションと同時に(並行して)行うことができないモーションである。一方、移動モーションおよびガードモーションは、特定モーションとして設定されておらず、特殊モーションとともに並行して行うことが可能なモーション(所定モーション)として設定されている。
【0047】
敵キャラECの動作には、プレイヤキャラPCを攻撃する攻撃モーション、プレイヤキャラPCからダメージを受けた場合の被ダメージモーション、移動する際の移動モーション等が含まれている。
【0048】
上記したようなモーションには、動作情報(タイムライン)が予め設定されている。この動作情報には、ディスプレイ10における画像の更新間隔(すなわちフレーム単位)で、関節Jo等の位置が規定されている。モーション中は、動作情報に基づいて、プレイヤキャラPCまたは敵キャラECの動作が制御される。したがって、各モーションには、動作の開始から終了までに要する時間であるモーション時間が設定されることとなる。
【0049】
(プレイヤキャラPCの攻撃モーション)
図4は、プレイヤキャラPCの攻撃モーションを説明する図である。プレイヤキャラPCの攻撃モーションは、複数種類設けられている。例えば、第1ボタン32aが1回のみ操作された場合、図4に示すように、プレイヤキャラPCは、前方に向けて剣を1回振る動作を行う。また、第1ボタン32aが予め決められたタイミングで2回連続して操作された場合、プレイヤキャラPCは、前方に向けて剣を2回振る(2連撃)動作を行う。また、第1ボタン32aが予め決められたタイミングで3回連続して操作された場合、プレイヤキャラPCは、前方に向けて剣を3回振る(3連撃)動作を行う。
【0050】
各攻撃モーションには、衝突判定タイミング(動作情報)が設定されている。衝突判定タイミングというのは、プレイヤキャラPCの攻撃が敵キャラECに衝突したか否かを判定するタイミングである。衝突判定タイミングでは、後述する衝突判定処理が実行される。この衝突判定タイミングは、攻撃モーションの開始から終了までの間の所定のタイミングに設定されている。
【0051】
また、各攻撃モーションには攻撃範囲(動作情報)が設定されており、衝突判定処理では、攻撃範囲に敵キャラECが含まれるか否かの判定が行われる。ここでは、攻撃範囲に、敵キャラECの少なくとも一部が含まれている場合に、攻撃がヒットしたと判定される(ヒット判定)。ただし、衝突判定処理では、例えば、敵キャラECの所定の部位が攻撃範囲に含まれている場合に、ヒット判定がなされてもよい。
【0052】
(プレイヤキャラPCの被ダメージモーション)
図5は、プレイヤキャラPCの被ダメージモーションを説明する図である。詳しい説明は省略するが、敵キャラECには、プレイヤキャラPCと同様に、複数種類の攻撃モーションが設けられている。また、敵キャラECの各攻撃モーションには、プレイヤキャラPCと同様に、動作情報が予め設定されており、衝突判定タイミングにおいて衝突判定処理が実行される。
【0053】
そして、例えば、図5に示すように、敵キャラECが右前足を払う攻撃モーションが行われ、衝突判定処理において敵キャラECの攻撃がプレイヤキャラPCにヒットしたと判定された場合、プレイヤキャラPCの現在のモーションに応じて、プレイヤキャラPCの被ダメージモーションが決定される。
【0054】
具体的には、プレイヤキャラPCがガードモーション中である場合、敵キャラECの攻撃を盾で防御する被ダメージモーションが行われる。一方、プレイヤキャラPCがガードモーション中でない場合、図5に示すように、敵キャラECの攻撃によりプレイヤキャラPCが飛ばされて床に転がる被ダメージモーションが行われる。
【0055】
(プレイヤキャラPCの回避モーション)
図6は、プレイヤキャラPCの回避モーションを説明する図である。回避操作が入力されると、回避モーションが行われる。回避モーションでは、図6に示すように、プレイヤキャラPCが例えば左方に向かってローリングを行う(床で1回転して立ち上がる)。そして、敵キャラECから一定距離離隔した位置で、敵キャラECの方向を向いて立ち上がる。
【0056】
(プレイヤキャラPCの特殊モーション)
図7は、プレイヤキャラPCの特殊モーションの一例を説明する図である。なお、図7には、特殊モーションの一部のみを示している。図7に示すように、特殊モーションは、剣が抜刀されている状態(抜刀中)で動作可能なモーションと、盾でガードしている状態(ガード中)で動作可能なモーションとが、それぞれ複数種類設けられている。
【0057】
また、特殊モーションは、複数のカテゴリのいずれかに属している。プログラム上は、まず、プレイヤキャラPCが特定モーションを行っていないかが判定され、プレイヤキャラPCが特定モーションを行っていないと判定した場合に、特殊モーションが実行可能となる。
【0058】
プレイヤキャラPCが特定モーションを行っていないと判定した場合には、プレイヤキャラPCが抜刀中またはガード中のいずれかであるか判定される。そして、プレイヤキャラPCが抜刀中またはガード中であると判定した場合には、判定した状態に含まれるカテゴリのいずれかが決定される。例えば、プレイヤキャラPCが抜刀中であると判定した場合には、カテゴリ1〜11のいずれかが決定され、プレイヤキャラPCがガード中であると判定した場合には、カテゴリ12〜17のいずれかが決定される。
【0059】
各カテゴリには、発動条件および優先度が設定されている。発動条件は、プレイヤキャラPCの直前のモーション、プレイヤキャラPCと敵キャラECとの距離、プレイヤキャラPCのライフポイントHP、ゲーム空間GSにおけるプレイヤキャラPCの位置、プレイヤキャラPCの外観に関するパラメータ等に対して設定されている。なお、本実施形態では、プレイヤキャラPCの外観に関するパラメータとして、剣の汚れ度、および、服の汚れ度が設けられている。剣の汚れ度、および、服の汚れ度について、詳しくは後述する。
【0060】
例えば、カテゴリ1は、プレイヤキャラPCと敵キャラECとの距離が予め設定された中距離以上であり、かつ、プレイヤキャラPCのライフポイントHPが40%未満であることが発動条件として設定されている。また、カテゴリ9は、プレイヤキャラPCと敵キャラECとの距離が中距離以上であり、かつ、服の汚れ度が閾値(ここでは、「50」)以上であること(所定の条件)が発動条件として設定されている。また、カテゴリ11およびカテゴリ17は、プレイヤキャラPCと敵キャラECとの距離が中距離以上であり、かつ、剣の汚れ度が閾値(ここでは、「50」)以上であること(所定の条件)が発動条件として設定されている。
【0061】
優先度は、「高」、「中」、「低」の3種類が設けられている。各カテゴリは、優先度として「高」、「中」、「低」のいずれかが設定されている。
【0062】
そして、例えば、プレイヤキャラPCが抜刀中であると判定した場合には、まず、優先度が最も高い(優先度「高」)カテゴリ10およびカテゴリ11の発動条件を満たしているかが判定される。その結果、カテゴリ10およびカテゴリ11の双方の発動条件を満たしていると判定した場合、ランダム(等確率)でどちらかのカテゴリが決定される。また、カテゴリ10およびカテゴリ11の一方の発動条件を満たしていると判定した場合、発動条件を満たしているカテゴリが決定される。
【0063】
一方、優先度が最も高いカテゴリ10およびカテゴリ11の双方の発動条件を満たしていないと判定した場合には、優先度が次に高い(優先度「中」)カテゴリ4〜9の発動条件を満たしているかが判定される。その結果、優先度「中」に属するカテゴリ4〜9の発動条件を複数満たしていると判定した場合、発動条件を満たしているカテゴリの中からランダム(等確率)でいずれか1つのカテゴリが決定される。また、優先度「中」に属するカテゴリ4〜9のいずれかの発動条件を1つのみ満たしていると判定した場合、発動条件を満たしているカテゴリが決定される。
【0064】
一方、優先度「中」に属するカテゴリ4〜9のいずれも発動条件を満たしていないと判定した場合には、優先度が最も低い(優先度「低」)カテゴリ1〜3の発動条件を満たしているかが判定される。その結果、優先度「低」に属するカテゴリ1〜3の発動条件を複数満たしていると判定した場合、発動条件を満たしているカテゴリの中からランダム(等確率)でいずれか1つのカテゴリが決定される。また、優先度「低」に属するカテゴリ1〜3のいずれかの発動条件を1つのみ満たしていると判定した場合、発動条件を満たしているカテゴリが決定される。
【0065】
このように、優先度が高い順に、その優先度に属するカテゴリの発動条件を満たしているか判定され、発動条件を満たしているカテゴリがある場合には、発動条件を満たしているカテゴリの1つが決定される。
【0066】
そして、発動条件を満たしているカテゴリが1つ決定されると、そのカテゴリに属する特殊モーションのいずれかが決定される。例えば、決定されたカテゴリに1つの特殊モーションのみが属している場合、その特殊モーションが決定される。また、決定されたカテゴリに複数の特殊モーションが属している場合、ランダム(等確率)でいずれかの特殊モーションが決定される。
【0067】
また、特殊モーションが決定された場合、特殊モーションでプレイヤキャラPCを動作させるまでの待機時間が所定範囲(例えば、1秒〜5秒)の中からランダムで決定される。そして、待機時間が経過した後に、プレイヤキャラPCは、決定された特殊モーションを行うことになる。
【0068】
さらに、プレイヤキャラPCが特殊モーションを行う場合、その特殊モーションが属するカテゴリに対してクールダウン時間が所定範囲(例えば、5秒〜10秒)の中からランダムで設定される。クールダウン時間は、同一カテゴリに属する特殊モーションが短い期間で連続して行われることを防止するために設けられている。したがって、1つの特殊モーションが終了した後、クールダウン時間が経過するまでに、クールダウン時間が設定されているカテゴリに属する特殊モーションが行われない。
【0069】
なお、特殊モーションでプレイヤキャラPCが動作している間、コントローラ30の操作部に対する入力操作は受け付けている。つまり、特殊モーションには、操作無効期間が設定されていない。したがって、特殊モーションが行われている間に、例えば、攻撃操作、回避操作、ガード操作、上り下り操作が行われると、特殊モーションがキャンセルされ、攻撃操作、回避操作、ガード操作、上り下り操作に応じたモーションが行われることになる。また、プレイヤキャラPCが特殊モーションを行っている間に、敵キャラECの攻撃がプレイヤキャラPCにヒットすると、特殊モーションがキャンセルされ、被ダメージモーションが行われることになる。
【0070】
一方、特殊モーションが行われている間に、移動操作が行われると、特殊モーションがキャンセルされず、移動モーションとともに特殊モーションが行われる。このとき、プレイヤキャラPCの上半身で特殊モーションを行わせ、プレイヤキャラPCの下半身で移動モーションを行わせる。これにより、移動モーションと特殊モーションとが同時に行われる際の不自然さが低減され、現実感を向上させることができる。
【0071】
図8は、特殊モーション「剣を回す」を説明する図である。例えば、特殊モーションとして「剣を回す」が決定された場合、図8に示すように、プレイヤキャラPCが剣を半回転させる特殊モーションが行われる。
【0072】
図9は、特殊モーション「剣の血を振り払う」を説明する図である。例えば、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が決定された場合、図9に示すように、プレイヤキャラPCが剣を素早く動かし、剣に付着した血を払いのける特殊モーションが行われる。この「剣の血を振り払う」特殊モーションが行われると、剣に付着した血の一部または全部が剣から除かれる。
【0073】
図10は、特殊モーション「ホコリを払う」を説明する図である。なお、図10では、服の汚れ(ホコリ)をハッチングで示している。例えば、特殊モーションとして「ホコリを払う」が決定された場合、図10に示すように、プレイヤキャラPCが服についたホコリを払う特殊モーションが行われる。この「ホコリを払う」特殊モーションが行われると、服に付着したホコリの一部または全部が服から除かれる。
【0074】
ところで、プレイヤキャラPCが装備する剣および服には汚れ度が設定されている。そして、プレイヤキャラPCを表示する際に、剣および服は、汚れ度に応じて表示態様が変更される。換言すると、プレイヤキャラPCの外観は、汚れ度に応じて変更されて表示される。ゲーム装置1では、シェーディングを行うプログラムであるシェーダーが、汚れ度を参照することでプレイヤキャラPCの外観の表示態様を変更するようにしている。なお、ゲーム装置1は、例えば剣を表示する際に、汚れ度に応じて血のテクスチャを重ねたり、汚れ度に応じて血が付着しているテクスチャに変更したりしてもよい。
【0075】
図11Aは、剣の汚れ度と表示態様の関係を説明する図である。図11Bは、剣の汚れ度の変更値を説明する図である。剣の汚れ度は、0〜99の範囲内で変更される。また、図11Aに示すように、剣の表示態様は、「汚れなし」、「汚れ小」、「汚れ中」および「汚れ大」の4段階に分けられている。「汚れなし」は、剣に全く血が付着していない状態である。「汚れ小」は、「汚れ中」および「汚れ大」と比べて、剣に付着した血の量が少ない状態である。また、「汚れ中」は、「汚れ大」と比べて、剣に付着した血の量が少ない状態である。「汚れ大」は、剣に血が最も付着している状態である。
【0076】
剣の汚れ度が第1閾値(例えば「20」)未満である場合、剣の表示態様として「汚れなし」が決定され、剣に全く血が付着していない状態で表示される。また、剣の汚れ度が第1閾値以上でかつ第2閾値(例えば「40」)未満である場合、剣の表示態様として「汚れ小」が決定され、剣に少し血が付着した状態で表示される。また、剣の汚れ度が第2閾値以上でかつ第3閾値(例えば「60」)未満である場合、剣の表示態様として「汚れ中」が決定され、「汚れ小」よりも剣に多くの血が付着した状態で表示される。また、剣の汚れ度が第3閾値以上である場合、剣の表示態様として「汚れ大」が決定され、「汚れ中」よりも剣に多くの血が付着した状態で表示される。
【0077】
剣の汚れ度は、図11Bに示すように、敵キャラECに攻撃がヒットした場合、および、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が行われた場合に、変更(更新)される。プレイヤキャラPCが攻撃モーションを行い、敵キャラECに攻撃がヒットした場合、攻撃の累積回数ごとに剣の汚れ度が更新される。具体的には、プレイヤキャラPCの攻撃が1回ヒットした場合には、剣の汚れ度が「5」加算される。なお、プレイヤキャラPCが2連撃または3連撃した場合であっても、敵キャラECに攻撃が1回のみヒットした場合、剣の汚れ度が「5」加算される。
【0078】
また、プレイヤキャラPCの攻撃が2回連続してヒットした場合には、剣の汚れ度が「12」加算される。なお、プレイヤキャラPCが3連撃した場合であって、敵キャラECに攻撃が2回のみヒットした場合、剣の汚れ度が「12」加算される。また、プレイヤキャラPCの攻撃が3回連続ヒットした場合、つまり、プレイヤキャラPCが3連撃して全ての攻撃が敵キャラECにヒットした場合、剣の汚れ度が「20」加算される。
【0079】
このように、プレイヤキャラPCの攻撃が敵キャラECにヒットした累積回数に応じて、剣の汚れ度が加算されていく。なお、剣の汚れ度が「99」である場合、プレイヤキャラPCの攻撃が敵キャラECにヒットしても剣の汚れ度は加算されない。
【0080】
一方、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が行われた場合、剣の汚れ度が「−50」加算される。つまり、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が行われた場合、剣の汚れ度が「50」減算される。
【0081】
ただし、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が行われた場合、直ぐに剣の汚れ度が減算されるのではなく、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が行われてから所定時間が経過した後に、剣の汚れ度が減算される。この所定時間は、剣に付着した血をプレイヤキャラPCが振り払うタイミングに設定されている。したがって、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が行われ、剣に付着した血をプレイヤキャラPCが振り払ったときに、剣の汚れ度が減算され、剣に付着した血の量が減った、または、なくなった状態で剣が表示されることになる。
【0082】
なお、特殊モーションとして「剣の血を振り払う」が開始された後、所定時間が経過する前に、プレイヤによる入力操作、または、敵キャラECによる被ダメージ等によって特殊モーションがキャンセルされた場合、剣の汚れ度は減算されない。
【0083】
図12Aは、服の汚れ度と表示態様の関係を説明する図である。図12Bは、服の汚れ度の変更値を説明する図である。服の汚れ度は、0〜99の範囲内で変更される。また、図12Aに示すように、服の表示態様は、汚れ度に応じて無断階に設定されている。例えば、汚れ度が「0」である場合、服に全くホコリが付着していない状態である。そして、汚れ度が高くなるに連れて、服に付着したホコリの量が徐々に増えていき、汚れ度が「99」である場合、服に最もホコリが付着した状態となる。
【0084】
服の汚れ度は、図12Bに示すように、プレイヤキャラPCが床に接触した場合、および、特殊モーションとして「ホコリを払う」が行われた場合に、変更(更新)される。敵キャラECの攻撃がプレイヤキャラPCにヒットし、プレイヤキャラPCが床に接触するタイミングで、服の汚れ度が「20」加算される。また、プレイヤキャラPCが回避モーションを行い、床に接触するタイミングで、服の汚れ度が「10」加算される。なお、服の汚れ度が「99」である場合、プレイヤキャラPCが床に接触しても服の汚れ度は加算されない。
【0085】
一方、特殊モーションとして「ホコリを払う」が行われた場合、服の汚れ度が最大で「−30」加算される。つまり、特殊モーションとして「ホコリを払う」が行われた場合、服の汚れ度が最大で「30」減算される。
【0086】
ここで、特殊モーションとして「ホコリを払う」が行われた場合、直ぐに服の汚れ度が減算されるのではなく、特殊モーションとして「ホコリを払う」が行われてから第1時間が経過したタイミングで、服の汚れ度が「10」減算される。また、第1時間よりも長い第2時間が経過したタイミングで、服の汚れ度がさらに「10」減算される。また、第2時間よりも長い第3時間が経過したタイミングで、服の汚れ度がさらに「10」減算される。
【0087】
これら第1時間、第2時間および第3時間は、「ホコリを払う」特殊モーションが実行される時間よりも短く設定さている。また、第1時間、第2時間および第3時間は、服に付着したホコリをプレイヤキャラPCが振り払うタイミングに設定されている。したがって、特殊モーションとして「ホコリを払う」が行われ、服に付着したホコリをプレイヤキャラPCが振り払う毎に、服の汚れ度が減算され、服に付着したホコリの量が減った、または、なくなった状態で服が表示されることになり、現実感を向上させることができる。
【0088】
なお、特殊モーションとして「ホコリを払う」が開始された後、第1時間が経過する前に、プレイヤによる入力操作、または、敵キャラECによる被ダメージ等によって特殊モーションがキャンセルされた場合、服の汚れ度は減算されない。また、第1時間の経過後、第2時間が経過する前に、プレイヤによる入力操作、または、敵キャラECによる被ダメージ等によって特殊モーションがキャンセルされた場合、服の汚れ度は「10」のみ減算される。また、また、第2時間の経過後、第3時間が経過する前に、プレイヤによる入力操作、または、敵キャラECによる被ダメージ等によって特殊モーションがキャンセルされた場合、服の汚れ度は「20」のみ減算される。
【0089】
以上説明したように、本実施形態では、特定モーションでプレイヤキャラPCが動作しておらず、かつ、プレイヤキャラPCの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、プレイヤキャラPCを特殊モーションで動作させる。そして、プレイヤキャラPCが特殊モーションで動作した場合、プレイヤキャラPCの外観を変更可能である。例えば、特定モーションでプレイヤキャラPCが動作しておらず、かつ、プレイヤキャラPCの剣の汚れ度が閾値以上である場合、操作の入力に関係なく、プレイヤキャラPCを「剣の血を振り払う」の特殊モーションで動作させることができる。そして、プレイヤキャラPCが「剣の血を振り払う」の特殊モーションで動作した場合、剣の外観、つまり、剣の表示態様を変化させる。したがて、特殊モーションが、単なる時間の埋め合わせでなく、プレイヤキャラPCの外観を変化させるものであるため、現実感および臨場感を向上させることが可能となる。
【0090】
(ゲーム装置1の制御部の説明)
以下に、特殊モーションを決定するためのゲーム装置1の制御部について説明する。
【0091】
図13は、ゲーム装置1におけるメモリ14の構成およびコンピュータの機能を説明する図である。メモリ14には、プログラム記憶領域14a、および、データ記憶領域14bが設けられている。CPU12は、バトルゲームの開始時に、バトルゲーム制御処理用のプログラム(モジュール)をプログラム記憶領域14aに記憶する。
【0092】
バトルゲーム制御処理用のプログラムには、ゲーム空間生成プログラム50、敵キャラ動作制御プログラム52、入力操作判定プログラム54、操作動作制御プログラム56、特殊動作制御プログラム58、外観制御プログラム60、衝突判定プログラム62が含まれる。なお、図13に列挙したプログラムは一例であり、バトルゲーム制御処理用のプログラムは、この他にも多数設けられている。
【0093】
データ記憶領域14bには、データを記憶する記憶部として、敵キャラ位置情報記憶部80、プレイヤキャラ位置情報記憶部82、敵キャラ動作情報記憶部84、プレイヤキャラ動作情報記憶部86、敵キャラHP記憶部88、プレイヤキャラHP記憶部90が設けられている。なお、上記の各記憶部は一例であり、データ記憶領域14bには、この他にも多数の記憶部が設けられている。
【0094】
CPU12は、プログラム記憶領域14aに記憶された各プログラムを動作させ、データ記憶領域14bの各記憶部のデータを更新する。そして、CPU12は、プログラム記憶領域14aに記憶された各プログラムを動作させることで、ゲーム装置1(コンピュータ)を、バトルゲーム制御部として機能させる。
【0095】
具体的には、CPU12は、ゲーム空間生成プログラム50を動作させ、コンピュータをゲーム空間生成部50aとして機能させる。同様に、CPU12は、敵キャラ動作制御プログラム52、入力操作判定プログラム54、操作動作制御プログラム56、特殊動作制御プログラム58、外観制御プログラム60、衝突判定プログラム62を動作させ、それぞれ敵キャラ動作制御部52a、入力操作判定部54a、操作動作制御部56a、特殊動作制御部58a、外観制御部60a、衝突判定部62aとして機能させる。
【0096】
ゲーム空間生成部50aは、ゲーム空間GSを生成してディスプレイ10に表示させる。
【0097】
敵キャラ動作制御部52aは、移動モーション、攻撃モーション、被ダメージモーション等、予め設定された動作(モーション)の中から、敵キャラECに実行させる動作を決定する。また、敵キャラ動作制御部52aは、決定したモーションの動作情報を示す敵キャラ動作情報を敵キャラ動作情報記憶部84に記憶する。
【0098】
入力操作判定部54aは、コントローラ30から操作が入力されたか否か、および、コントローラ30から入力される操作内容を判定する。すなわち、入力操作判定部54aは、攻撃操作、回避操作、ガード操作、上り下り操作を含む操作種別、および、指示方向を特定する。
【0099】
操作動作制御部56aは、コントローラ30から入力される操作内容に基づいて、プレイヤキャラPCを動作させるモーションを決定する。操作動作制御部56aは、例えば、攻撃操作が入力された場合、攻撃モーションを決定する。また、操作動作制御部56aは、決定したモーションの動作情報を示すプレイヤキャラ動作情報をプレイヤキャラ動作情報記憶部86に記憶する。
【0100】
特殊動作制御部58aは、特定モーションが行われていないか否かを判定する。そして、特殊動作制御部58aは、特定モーションが行われていないと判定した場合、プレイヤキャラPCに行わせる特殊モーションを決定する。また、特殊動作制御部58aは、決定した特殊モーションの動作情報を示すプレイヤキャラ動作情報をプレイヤキャラ動作情報記憶部86に記憶する。
【0101】
外観制御部60aは、プレイヤキャラPCのモーションに応じて、プレイヤキャラPCの外観、つまり、剣および服の汚れ度を更新する。また、外観制御部60aは、剣および服の汚れ度に基づいて剣および服を表示させる。
【0102】
衝突判定部62aは、敵キャラECおよびプレイヤキャラPCの攻撃モーション中、衝突判定タイミングになると、相手に攻撃がヒットしたかを判定する。また、衝突判定部62aは、攻撃がヒットしたと判定した場合に、ダメージポイントを決定する。さらに、衝突判定部62aは、決定したダメージポイントを、相手のライフポイントHPから減算する。
【0103】
(バトルゲーム制御処理の説明)
次に、ゲーム装置1のバトルゲーム制御処理について説明する。なお、以下では、プレイヤキャラPCの特殊モーションと関連する処理について説明し、プレイヤキャラPCの特殊モーションと関係のない処理については説明を省略する。
【0104】
図14は、バトルゲーム制御処理の一例を示すフローチャートである。ゲーム装置1におけるバトルゲーム制御処理は、ディスプレイ10における画像の更新間隔で行われる。画像の更新間隔、すなわち、フレーム数は、例えば60F/秒であるため、以下のバトルゲーム制御処理は、1秒間に60回行われる。なお、フレーム数は一例にすぎず、適宜設計可能である。
【0105】
バトルゲーム制御処理では、ゲーム空間生成部50aがゲーム空間GSを生成してディスプレイ10に表示させる(S1)。衝突判定部62aは、敵キャラECおよびプレイヤキャラPCの攻撃が相手にヒットしたかを判定する衝突判定処理(S2)を行う。具体的には、衝突判定部62aは、プレイヤキャラ動作情報記憶部86に記憶されたプレイヤキャラ動作情報に基づいて、プレイヤキャラPCが攻撃モーション中における衝突判定タイミングであり、攻撃範囲内に敵キャラECの少なくとも一部がある場合、プレイヤキャラPCの攻撃が敵キャラECにヒットしたと判定する。そして、衝突判定部62aは、敵キャラECのダメージポイントを決定し、敵キャラHP記憶部88に記憶された敵キャラECのライフポイントHPから、決定したダメージポイントを減算する。ここでは、攻撃モーションの種別、敵キャラECの位置、装備等、種々の情報に基づいて、ダメージポイントが決定される。また、敵キャラ動作制御部52aは、敵キャラECがダメージを受けた際の被ダメージモーションを決定して敵キャラ動作情報記憶部84に記憶する。
【0106】
同様に、衝突判定部62aは、敵キャラ動作情報記憶部84に記憶された敵キャラ動作情報に基づいて、敵キャラECが攻撃モーション中における衝突判定タイミングであり、攻撃範囲内にプレイヤキャラPCの少なくとも一部がある場合、プレイヤキャラPCが無敵期間でなければ、敵キャラECの攻撃がプレイヤキャラPCにヒットしたと判定する。そして、衝突判定部62aは、プレイヤキャラPCのダメージポイントを決定し、プレイヤキャラHP記憶部90に記憶されたプレイヤキャラPCのライフポイントHPから、決定したダメージポイントを減算する。ここでは、攻撃モーションの種別、プレイヤキャラPCの位置、装備等、種々の情報に基づいて、ダメージポイントが決定される。また、バトル制御部は、敵キャラECがダメージを受けた際の被ダメージモーションを決定してプレイヤキャラ動作情報記憶部86に記憶する。
【0107】
そして、プレイヤキャラPCまたは敵キャラECのライフポイントHPが0になると(S3のYES)、バトルゲーム制御部は、バトルゲームを終了させる際に必要な終了処理を実行する(S4)。一方、プレイヤキャラPCおよび敵キャラECのライフポイントHPが0でなければ(S3のNO)、敵キャラ動作制御部52aは、敵キャラECのモーションがセットされているかを判定する(S5)。敵キャラECのモーションがセットされていない場合(S5のNO)、敵キャラ動作制御部52aは、敵キャラECを動作させるモーションを決定して敵キャラ動作情報記憶部84に記憶する(S6)。
【0108】
敵キャラ動作制御部52aは、セットされている各種モーションのタイムラインにしたがって、ゲーム空間GS内における敵キャラECの表示制御を行う(S7)。
【0109】
また、入力操作判定部54aは、コントローラ30からの入力信号を解析する入力操作判定処理を行う(S8)。コントローラ30から操作入力がある場合(S9のYES)、操作動作制御部56aは、入力操作の操作無効期間中であるかを判定する(S10)。なお、操作無効期間は、例えば、プレイヤキャラPCの攻撃モーションや被ダメージモーション等、動作ごとに予め設定されている。
【0110】
操作無効期間中でなければ(S10のNO)、入力操作判定部54aは、入力操作に応じて、プレイヤキャラPCを動作させるモーションを決定してプレイヤキャラ動作情報記憶部86に記憶する(S11)。ここでは、例えば、攻撃操作が入力されていれば、操作動作制御部56aは、プレイヤキャラPCの攻撃モーションを決定する。
【0111】
特殊動作制御部58aは、プレイヤキャラPCが特定モーションで動作しているかを判定する(S12)。プレイヤキャラPCが特定モーションで動作していない場合(S12のNO)、特殊動作制御部58aは、プレイヤキャラPCを動作させる特殊モーションを決定する特殊モーション決定処理を行う(S13)。また、特殊動作制御部58aは、決定した特殊モーションを示す動作情報をプレイヤキャラ動作情報記憶部86に記憶する。なお、特殊モーション決定処理について、詳しくは後述する。
【0112】
そして、操作動作制御部56aまたは特殊動作制御部58aは、セットされている各種モーションのタイムラインにしたがって、ゲーム空間GS内におけるプレイヤキャラPCの表示制御を行う(S14)。
【0113】
外観制御部60aは、プレイヤキャラPCが実行しているモーション、および、そのモーションのタイムラインにしたがって、剣および服の汚れ度を更新する汚れ度更新処理を実行する(S15)。そして、外観制御部60aは、更新した剣および服の汚れ度に応じて、図11Aおよび図12Aに示したように、剣および服の表示制御を行う(S16)。なお、汚れ度更新処理について、詳しくは後述する。
【0114】
図15は、特殊モーション決定処理を説明するフローチャートである。図15に示すように、特殊動作制御部58aは、プレイヤキャラPCが抜刀中またはガード中のいずれかであるか判定する(S13−1)。そして、プレイヤキャラPCが抜刀中またはガード中であると判定した場合(S13−1のYES)、特殊動作制御部58aは、プレイヤキャラPCの状態(抜刀中またはガード中)に応じたカテゴリについて、優先度が高い順に、その優先度に対応するカテゴリが発動条件を満たしているかを判定する(S13−2)。なお、クールダウン時間が設定されているカテゴリについては発動条件を満たしているかの判定がなされない。
【0115】
そして、発動条件を満たしているカテゴリがある場合(S13−2のYES)、特殊動作制御部58aは、発動条件を満たしているカテゴリから、1つのカテゴリを決定する(S13−3)。続いて、特殊動作制御部58aは、決定されたカテゴリに属する特殊モーションの中から、1つの特殊モーションをランダムに決定する(S13−4)。また、特殊動作制御部58aは、決定されたカテゴリに対してクールダウン時間を設定する(S13−5)。
【0116】
図16は、汚れ度更新処理を説明するフローチャートである。図16に示すように、外観制御部60aは、攻撃モーションが行われたかを判定し(S15−1)、攻撃モーションが行われた場合(S15−1のYES)、プレイヤキャラPCの攻撃が敵キャラECにヒットした累積回数を判定する(S15−2)。そして、外観制御部60aは、判定した累積回数に応じた変更値を剣の汚れ度に加算する(S15−3)。
【0117】
また、外観制御部60aは、回避モーションにおいてプレイヤキャラPCが床に接触するタイミングであるかを判定する(S15−4)。そして、外観制御部60aは、プレイヤキャラPCが床に接触するタイミングである場合(S15−4のYES)、服の汚れ度に、回避モーションの変更値を加算する(S15−5)。
【0118】
また、外観制御部60aは、被ダメージモーションにおいてプレイヤキャラPCが床に接触するタイミングであるかを判定する(S15−6)。そして、外観制御部60aは、プレイヤキャラPCが床に接触するタイミングである場合(S15−6のYES)、服の汚れ度に、被ダメージモーションの変更値を加算する(S15−7)。
【0119】
また、外観制御部60aは、特殊モーション「剣の血を振り払う」において、剣に付着した血をプレイヤキャラPCが振り払うタイミング(所定時間)になったかを判定する(S15−8)。そして、外観制御部60aは、所定時間になっていれば(S15−8のYES)、剣の汚れ度に、特殊モーション「剣の血を振り払う」の変更値を加算する(S15−9)。ここでは、変更値がマイナスの値であるため、剣の汚れ度が減算されることになる。
【0120】
また、外観制御部60aは、特殊モーション「ホコリを払う」において第1時間、第2時間または第3時間になったか(所定のタイミングか)を判定する(S15−10)。そして、外観制御部60aは、第1時間、第2時間または第3時間になった場合(S15−10のYES)、服の汚れ度に、特殊モーション「ホコリを払う」の変更値を加算する(S15−11)。ここでは、変更値がマイナスの値であるため、服の汚れ度が減算されることになる。
【0121】
以上、添付図面を参照しながら実施形態の一態様について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0122】
例えば、上記実施形態におけるプレイヤキャラPCおよび敵キャラECの表示態様は一例にすぎない。いずれにしても、仮想のゲーム空間GSに配されるプレイヤオブジェクトが、少なくとも特定モーションおよび特殊モーションを含むいずれかの動作を行えばよい。
【0123】
また、上記実施形態では、特定モーションとして、攻撃モーション、回避モーション、被ダメージモーション、上り下りモーション、落下モーションが設定されていた。しかしながら、特定モーションは、コントローラ30の操作部に対する特定の操作が行われた場合に、特定の操作に応じてプレイヤオブジェクトを動作させるモーションであればよく、例えば、攻撃モーション、回避モーションが特定モーションに設定されていなくてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、剣および服の汚れ度がプレイヤキャラPCのモーションに基づいて更新されるようにした。しかしながら、これらの汚れ度は、例えば時間の経過や、場面の転換など種々の条件によって更新されるようにしてもよい。
【0125】
また、上記実施形態に示す制御処理は一例に過ぎない。上記実施形態では、バトルゲームを実行するための制御処理が、ゲーム装置1において実行される。しかしながら、バトルゲームを実行するための制御処理は、例えば、ゲーム装置1とサーバ2とで並行して実行されてもよい。すなわち、クライアントサーバシステムである情報処理システムSが、上記の各制御処理を実行してもよい。
【0126】
また、上記実施形態において、バトルゲームを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。さらには、上記実施形態は、各機能およびフローチャートに示すステップを実現する情報処理方法としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法およびゲーム装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0128】
1 ゲーム装置
56a 操作動作制御部
58a 特殊動作制御部
60a 外観制御部
PC プレイヤキャラ(プレイヤオブジェクト)
【要約】
【課題】現実感を向上する。
【解決手段】特定の操作が入力された場合、仮想のゲーム空間に配されるプレイヤオブジェクトに、特定の操作に応じた特定モーションを行わせ、プレイヤオブジェクトが特定モーションを行っておらず、かつ、プレイヤオブジェクトの外観が所定の条件を満たしている場合、操作の入力に関係なく、プレイヤオブジェクトに特殊モーションを行わせ、プレイヤオブジェクトが特殊モーションを行った場合、プレイヤオブジェクトの外観を変更可能である。
【選択図】図11
図1
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