(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588644
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】核磁気共鳴プローブの多重共鳴回路の誘導結合および使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 24/00 20060101AFI20191001BHJP
【FI】
G01N24/00 570A
G01N24/00 580F
【請求項の数】17
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2018-526823(P2018-526823)
(86)(22)【出願日】2017年3月14日
(65)【公表番号】特表2019-508666(P2019-508666A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】JP2017010178
(87)【国際公開番号】WO2017159676
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2018年9月13日
(31)【優先権主張番号】62/307,570
(32)【優先日】2016年3月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ゼンス アルバート ピー.
【審査官】
田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−503431(JP,A)
【文献】
米国特許第05804969(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0124840(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0171885(US,A1)
【文献】
特開2009−025118(JP,A)
【文献】
特開2011−169781(JP,A)
【文献】
特開2003−302452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 24/00−24/14
G01R 33/28−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、
1つ以上の二次インダクタコイルを含み、前記1つ以上の二次インダクタコイルは前記一次インダクタコイルに電気接続され、該1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、該1つ以上の共鳴器は前記一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する1つ以上の二次回路と、
前記1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合され、前記少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する1つ以上の誘導結合ループと、を含むことを特徴とする核磁気共鳴プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のNMRプローブにおいて、前記1つ以上の共鳴器は並列するインダクタおよびコンデンサを含むことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項3】
請求項1に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに、並列するインダクタおよびコンデンサを備えた共鳴器を含み、該共鳴器は高周波ブロックとして働き、該高周波ブロックは前記一次共鳴モードと重ならないことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項4】
請求項1に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材と、1つ以上の共鳴器と、1つ以上の三次インダクタコイルを有する三次回路とを含むことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項5】
請求項4に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに、前記一次インダクタコイルおよび前記1つ以上の部材の1つ以上を支持する1つ以上の支持体を含むことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項6】
請求項4に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに上部絶縁体を含み、該上部絶縁体は前記一次インダクタコイルおよび前記1つ以上の部材の一方または両方を外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁することを特徴とするNMRプローブ。
【請求項7】
請求項6に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに下部絶縁体を含み、該下部絶縁体は前記一次回路および前記1つ以上の部材を前記1つ以上の二次回路から隔離することを特徴とするNMRプローブ。
【請求項8】
請求項1に記載のNMRプローブにおいて、前記距離は、下限約10−4mから上限約10−1mの間であることを特徴とするNMRプローブ。
【請求項9】
請求項1に記載のNMRプローブにおいて、下限約10−9m3から上限約10−1m3の間である第1の体積を有することを特徴とするNMRプローブ。
【請求項10】
請求項9に記載のNMRプローブにおいて、第2の体積を有し、前記第1の体積に対する前記第2の体積の比は、下限約101ないし上限約102の間であることを特徴とするNMRプローブ。
【請求項11】
請求項1に記載のNMRプローブにおいて、前記一次共鳴モードは、下限約3×106Hzから上限約3×109Hzまでの間であることを特徴とするNMRプローブ。
【請求項12】
一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、
前記一次インダクタコイルに電気接続された2つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、
前記2つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合する1つ以上の誘導結合ループ、および前記2つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つと結合され、前記一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する1つ以上の共鳴器のうちいずれかまたは両方とを含むことを特徴とする核磁気共鳴(NMR)プローブ。
【請求項13】
請求項12に記載のNMRプローブにおいて、前記1つ以上の共鳴器は並列するインダクタおよびコンデンサを含むことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項14】
請求項12に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに、並列するインダクタおよびコンデンサを有する共鳴器を含み、該共鳴器は高周波ブロックとして働き、該高周波ブロックは前記一次共鳴モードに重ならないことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項15】
請求項12に記載のNMRプローブにおいて、該プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材と、1つ以上の共鳴器と、1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路とを含むことを特徴とするNMRプローブ。
【請求項16】
(A)一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、
前記一次インダクタコイルに電気接続された2つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、
前記2つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合する1つ以上の誘導結合ループ、および前記2つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つと結合され、前記一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する1つ以上の共鳴器のうちいずれかまたは両方とを含むNMRプローブを誘導結合する工程と、
(B)前記1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)を調整して、前記少なくとも2つのモードを1つ以上検出する工程と、を含むことを特徴とする核磁気共鳴(NMR)信号の結合モードを検出する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、該方法はさらに、1つ以上の分路を用いて前記結合定数を調整する工程を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、磁気共鳴において多重共鳴回路を使用する方法およびNMRプローブ装置に関するものである。本発明では、結合コイルおよび共鳴器を原コイルまたはサンプルコイルに結合するのではなく、二次コイルに結合することにより、プローブ内の空間利用、原コイルのRF均一性および回路の信号雑音比を向上させる。
【0002】
合成物の構造の解明には、合成生成物であれ、天然源からの抽出物であれ、概ね、いくつかの解析手法が必要となる。赤外線分光法、質量分析法および核磁気共鳴(NMR)分光法により、詳細な化学情報を得ることができる。NMRでは、構造情報に加え、分子間動力学および分子内動力学のいずれの情報も得ることができる。NMRの応用範囲は、巨大タンパク質の三次元構造の割出しから、組合せ合成によるごく少量の生成物の分析にまで及ぶ。また、NMRは非破壊分析法である。
【0003】
NMRプローブは、一般的に、第1の核種の照射および検出を行う内挿コイル、および1つ以上の他の核種の照射または検出の少なくとも一方を行う、内挿コイルと同軸でより大きい第2のコイルを有する。2つのコイルは、互いに対し90度の位置に配置することで、2つのコイル間の結合を最小限にできる。また、磁気結合を企図する場合を除き、プローブ回路内のすべてのインダクタ間の結合を最小限にして(k<約0.03)、これらの要素間のクロストークを低減または解消する必要があることを理解されたい。容量結合を利用して、
1H−
2H、
13C−
15Nおよび
1H−
19Fの多重同調NMRプローブを形成することも可能である。近年、Zensにより2015年4月15日に出願された米国仮特許出願第62/148,137号、「デュアルプローブを用いたHFC測定値のNMR分析」では、磁気結合を用いてこれらの多重共鳴回路を改善することも可能であることを示している。当該出願全体を参照により本願に取り込む。
【0004】
サンプル領域は次のうちのいくつかまたはすべてを含むことができる。すなわち、1)複数のサンプルコイル、2)磁気結合ループ、3)結合共鳴器、4)可変同調コンデンサ、5)パルス磁場勾配、6)ファラデー遮蔽、7)ループギャップ遮蔽およびプローブ作製の技術分野における当業者が認識し得るプローブの動作および機能に関するその他の部材を含む。
【発明の概要】
【0005】
NMRの技術分野において、従来技術によるプローブ装置では、サンプルを取り囲むすべての部材に対し下部絶縁体の上側に十分な空間を持たせることができないという問題がある。これの部材には、1)複数のサンプルコイル、2)磁気結合ループ、3)結合共鳴器、4)可変同調コンデンサ、5)パルス磁場勾配、6)ファラデー遮蔽、7)ループギャップ遮蔽およびプローブ設計の技術分野における当業者に周知のその他の部材が含まれる。磁気結合ループ、結合共鳴器、可変同調コンデンサ、パルス磁場勾配、ファラデー遮蔽およびループギャップ遮蔽はいずれも、プローブの動作に何らかの好ましからざる影響を及ぼす可能性がある。B
0の均一性はこれらの物体の感受性の影響を受ける可能性があり、サンプルコイルのQ値が低下するおそれがある。サンプルコイルのRFの均一性は他の金属物体の存在、ならびにサンプルインダクタに結合する磁気結合ループまたは共鳴器の影響を受けるおそれがある。上述の遮蔽、結合ループ、可変コンデンサ、共鳴器、パルス磁場勾配などはすべて、わずかながらも、NMR実験における信号雑音比を弱める可能性がある。このことから、NMRプローブのサンプル領域におけるいくつかの物体は、磁気共鳴(NMR)検出装置を開発および改善するよう努力すべき要件であることは明白である。
【0006】
本発明の一実施例において、二次コイルへの誘導結合はサンプルコイルから離れた領域で実現でき、これにより、NMRプローブのサンプル領域における空間利用を改善しつつ、磁場(B
0)の均一性およびRFの均一性を向上させ、信号雑音比を増大できる。本発明の様々な実施例において、上記領域の外側に配置された結合コイルを、一次コイルではなく少なくとも1つの二次コイルに誘導結合することでサンプルインダクタに及ぶ不利な不均一性の影響を解消できる。これにより、NMRプローブの構成に関連する要素を配置して、磁場(B
0)の均一性、RFの均一性および信号雑音比を高めるとともに、当該領域における空間利用の制約を減少できる。
【0007】
本発明の別の実施例において、二次コイルへの誘導結合は下部絶縁体の下側で実行可能である。これにより、NMRプローブの下部絶縁体の上側における空間利用を改善でき、さらに磁場(B
0)均一性およびRF均一性を向上させ、信号雑音比を増大できる。本発明の様々な別の実施例において、下部絶縁体の下側に配され、一次コイルではなく少なくとも1つの二次コイルと誘導結合する部材を分離する。これによって、サンプルインダクタに及ぶ不利な不均一性の影響を解消でき、NMRプローブの構成に関連する要素を配置して、磁場(B
0)の均一性、RFの均一性および信号雑音比を高めるとともに、当該領域における空間利用の制約を減少できる。
【0008】
本発明のさらに別の実施例において、サンプルコイルから離れた位置にある共鳴器を二次コイルの1つに結合させて、共鳴を2つのモードに分割し、NMRプローブのサンプル領域における空間利用を改善するとともに、磁場(B
0)の均一性、RFの均一性および信号雑音比を高めることができる。
【0009】
本発明のさらなる実施例において、サンプルコイルが下部絶縁体の上側に配設された、下部絶縁体の下側に配設された共鳴器は、二次コイルの1つに結合され、これにより、共鳴を2つのモードに分割して、NMRプローブのサンプル領域における空間利用を向上させ、さらに磁場(B
0)の均一性およびRFの均一性を向上させて信号雑音比を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明について、特定の実施例に関して述べる。その他の態様は、添付の図面により理解できるであろう。
【
図1A】下部絶縁体を備えた
1H/
2Hの複同調回路の概略図である。
【
図1B】
1H/
2H回路のサンプル共鳴器の近傍に配設された複同調回路の概略図である。
【
図2A】サンプルコイルに誘導結合された、
1H/
2H回路の下部絶縁体を備えた二重共鳴回路の概略図である。
【
図2B】
1H/
2Hのサンプル共鳴器および誘導結合ループの近傍に配設された、サンプルコイルに誘導結合された二重共鳴回路の概略図である。
【
図3A】本発明の一実施例による、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルを備えた
1H/
2H複同調回路を、下部絶縁体の下側に配設された
1H/
2H誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図3B】本発明の一実施例による、サンプルの周囲に配設されたサンプルコイルを備えた
1H/
2H複同調回路を、サンプル共鳴器の外側に配設された
1H/
2H誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図3C】本発明の一実施例による、
図3Aおよび
図3Bに示す回路に基づく
1HのS(1,1)3094および
2HのS(2,2)3092の信号強度対周波数を示す2ポートプロットのオーバーレイシミュレーションである。
【
図4A】本発明の一実施例による、分割共鳴
1H/
19F回路の、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルを、下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図4B】
図4Aと同様の、本発明の一実施例による、分割共鳴
1H/
19F回路のサンプル共鳴領域に配設されたサンプルコイルを、サンプル共鳴領域の外側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図4C】本発明の一実施例による、
図4Aおよび
図4Bに示す回路に基づく、
1H4095および
19F4093の2つの共鳴器の信号強度対周波数を示す1ポートプロットS(1,1)のシミュレーションである。
【
図5A】本発明の一実施例による、分割共鳴回路の下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルおよび結合ループを、下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図5B】本発明の一実施例による、分割共鳴回路のサンプル共鳴領域に配設されたサンプルコイルおよび結合ループを、サンプル共鳴器の外側に配設された誘導結合回路とともに
図5Aと同様の形式で示す概略図である。
【
図6A】本発明の一実施例による、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルを下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図であり、ここでは、共鳴器が高周波共鳴を2つのモード、
1Hおよび
19Fに分割する。
【
図6B】本発明の一実施例による、サンプル共鳴器領域に配設されたサンプルコイルを、サンプル共鳴器領域の外側に配設された誘導結合回路とともに
図6Aと同様の形式で示す概略図である。
【
図7A】本発明の一実施例による、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルを下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図であり、ここでは
1Hポートはインダクタの誘導結合により発生する。
【
図7B】本発明の一実施例による、サンプル共鳴器領域に配設されたサンプルコイルをサンプル共鳴器の外側に配設された誘導結合回路とともに、
図7Aと同様の形式で示す。
【
図8A】本発明の一実施例による、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルおよび共鳴器を、下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図8B】本発明の一実施例による、サンプルコイル領域に配設されたサンプルコイルおよび共鳴器を、サンプルコイル領域の外側に配設された誘導結合回路とともに、
図8Aと同様の形式で示す概略図である。
【
図9A】本発明の一実施例による、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルおよび三次コイルを、下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図9B】本発明の一実施例による、サンプルコイル領域に配設されたサンプルコイルおよび三次コイルを、サンプルコイル領域の外側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図である。
【
図10A】本発明の一実施例による、下部絶縁体の上側に配設されたサンプルコイルを下部絶縁体の下側に配設された誘導結合回路とともに示す概略図であり、ここでは、共鳴器が高周波共鳴を3つのモード、
1H、
13Cおよび
15Nに分割する。
【
図10B】本発明の一実施例による、サンプル共鳴器領域に配設されたサンプルコイルを、サンプル共鳴器領域の外側に配設された誘導結合回路とともに、
図10Aと同様の形式で示す概略図である。
【
図10C】本発明の一実施例による、
図10Aおよび
図10Bに示す回路に基づく、
13C10097、
1H10098および
15N10099の3つの共鳴の信号強度対周波数を示すS(1,1)、S(1,1)、S(3,3)のシミュレーションである。
【0011】
定義
暫定的用語「含み」は、「包含する」、「含有する」または「〜を特徴とする」と同義であり、包括的または拡張可能な語であり、列記されていない付加的な要素または方法工程を除外するものではない。
【0012】
暫定的用語「からなる」は、特許請求の範囲で特定されていないあらゆる要素、工程または構成要素を除外するものであるが、一般的に組成に関連付けられる不純物など、本発明とは無関係の付加的な部材または工程は除外されない。
【0013】
暫定的用語「実質的に〜からなる」は、特許請求の範囲を特定の材料または工程、ならびに本願発明の基本的および新規の特徴に実質的な影響を及ぼさない事項に限定するものである。
【0014】
用語「配置された」は、取り付けられた、固定された、接着された、挿入された、配設された、またはその他の関連する語を意味する。
【0015】
「セル」とは、1つ以上の均質または不均質な液体、気体または個体のサンプルを収容する容器を表す。
【0016】
「スクリーン」は、2つ以上の連続するフィラメント、メッシュ、格子または薄板を意味する。本発明の様々な実施例において、スクリーンは3つ以上の連続するフィラメントを含み、少なくとも1つのフィラメントは別の1つのフィラメントとほぼ直交する。スクリーン厚さは、約20マイクロメートル超〜約1センチメートル未満であり、ここで「約」とは±20パーセントである。金属製スクリーンは、フィラメント、メッシュ、格子または薄板が誘導結合またはRF電磁場をブロックするスクリーンである。
【0017】
大きさおよび機能の異なる様々なコイルとの結合を利用して、回路を最適化できる。サンプルコイル、結合コイル、固定コイル、分割コイルおよび検出コイルは、ヘルムホルツコイルでよい。また、サンプルコイル、結合コイル、固定コイル、分割コイルおよび検出コイルは、ソレノイドコイルでよい。
【0018】
「分路」とは、誘導コイルまたは誘導コイル回路の少なくとも一方を別の誘導コイルに対して動かす移動工程を意味する。
【0019】
「フィラメント」は、直径が約20マイクロメートル超ないし約1センチメートル未満のワイヤを意味し、ここで「約」とは±20パーセントである。
【0020】
用語「モード」とは、回路における共鳴を意味する。回路におけるモードの数は、インダクタの数を上回ってはならない。
【0021】
用語または文言「結合する」、「結合モード」、「検出する」または「検出モード」は、回路のモードを整合させて臨界結合定数を得ることを意味する。臨界結合は、抵抗を50オームの同軸ケーブルに整合させる際に必要である。本発明の様々な実施例において、抵抗を別の同軸ケーブルの抵抗に整合させることができる。本発明の一実施例では、抵抗を75オームの同軸ケーブルに結合できる。本発明の様々な実施例の中では、77オームの同軸ケーブルにおける損失が最小となる。
【0022】
文言「原コイル」、「一次コイル」、「三次コイル」または「サンプルコイル」は、サンプル共鳴を監視するように構成されているインダクタを表す。
【0023】
文言「三次コイル」はインダクタを表し、第2の核種を有効にし、監視し、または照射するように構成されている。
【0024】
文言「サンプル共鳴器」は、誘導コイルおよびコンデンサを指す。サンプル共鳴器を使用して、サンプルから得た信号と共鳴している変動信号を検出できる。下限閾値がない場合、第1の距離がサンプル共鳴器と1つ以上の誘導結合ループとの間で規定される。共鳴回路は電気回路であり、エネルギーとして保存される振動電流を保持し、コンデンサおよびインダクタのインピーダンスはほぼゼロである。回路における唯一の損失は、要素、インダクタLおよびコンデンサCの純抵抗部からのものである。誘導結合は、磁気的に結合された2つのコイル間の電気エネルギーの近距離無線伝送である。
【0025】
分割共鳴器を使用して、信号を分割できる。また、分割共鳴器を使用して、一次共鳴を少なくとも2つの信号に分割できる。さらに、分割共鳴器を使用して、例えば、
13C/
27Al、
1H/
19F、
27Al/
65Cu、
17O/
63Cuおよび
63Cu/
65Cuを分割することも可能である。
【0026】
用語「磁化率」は、プローブを構成してサンプル領域の磁石のB
0の均一性を維持する際に使用される材料の磁化率を指す。本明細書中、「ゼロ磁化率」とは体積磁化率が非常に低いことを意味する。
【0027】
文言「誘導結合ループ」とは、モードを50オームの同軸ケーブルに整合させる誘導結合コイルを表す。
【0028】
文言「多重同調共鳴回路」とは、2つ以上の同調回路を指す。本発明の一実施例において、三重同調回路は、例えば、
13C、
2Hおよび
15Nの同調回路で構成される。また、本発明の別の実施例において、三重同調回路は、例えば、
13C、
1Hおよび
15Nの同調回路によって構成される。
【0029】
文言「下部絶縁体」は、一次回路を取り囲む領域とサンプルコイル領域の外側部分との間に設けられた仕切りを意味する。三次コイルは、一次回路と同じ領域に配設してもよい。二次回路は、サンプルコイル領域の外側に配設される。本発明の様々な実施例において、いくつかのNMRプローブ、例えば固体プローブは、形式的な下部絶縁体による仕切りを使用しない。
【0030】
文言「サンプル共鳴器」は、一次回路を取り囲むNMRプローブの領域を意味する。サンプルコイルと、1つ以上の二次インダクタコイル、誘導結合ループのいずれかとの間の距離は、約10
−4メートルから約10
−1メートルの間の、サンプルコイルと1つ以上の誘導結合回路のうちの一番近い回路との近似距離を表し、「約」とは±10パーセントである。
【0031】
文言「回路曲線因子(CFF)」とは、特定のモードkを表し、基準インダクタに関連するCFFの定義は、
【数1】
となる。ただし、iはインダクタの電流であり、インデックスjは特定のインダクタを識別するものであり、電流値はk番目のモードに対するものであることを示唆している。この定義は、相互インダクタンスの存在を受け入れるものではないことは明白である。CFFの定義から、回路が多くのインダクタを有することにより、多重同調プローブ回路のS/N比が小さくなることは明らかである。複数の接地点を有するプローブ回路では、どれが共通の接地点であるか分からないという問題がある。接地点の電位が共通の接地点と同電位ではない場合、各接地点は実質的に当該共通の接地点のインダクタであり、よって、回路のCFFを弱める電位となる。
【0032】
金属は、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、フランシウムおよびラジウムからなる、1つ以上の元素を含む。
【0033】
NMRは一般に、誘導を利用して磁場における核の歳差運動から振動する磁気モーメントを検出する。これらの歳差運動を行う核から発生する信号は本質的に弱いため、NMR実験で得られる信号雑音比を向上させることに研究努力が注がれてきた。信号雑音比を増大する一般的な方法が2つある。1つ目の方法は、誘電分極により磁気モーメントの大きさを増すことである。2つ目の方法は、信号の検出に使用するコイルおよび電子機器を冷却して、雑音を減衰することである。ここ20年、コイルの冷却は研究の主要な対象であった。例えば、感度を向上させるため、信号検出に使用する電子機器を極低温冷却しなければならない。これに対し、原コイルのRFの均一性の信号雑音比は、例えk(結合定数)値が低くても、コイルに誘導結合することで低下する可能性がある。
【0034】
NMRプローブは、磁場均一調整装置または磁場改善装置の複合アレイを含んで、磁場の不均一性を補正する。プローブは取外し可能なシリンダでよく、サンプルチューブホルダおよびエアスピナー放出口、信号検出、回転照射および磁場の固定を行う高周波コイル、サンプルを冷却および加熱する電子機器、デュワー瓶、ガス注入口および放出口、磁場の微調整を行う同調コイルおよび正確な磁場の勾配を作り出すコイルを含む。最も一般的な核では、磁気モーメントは、
1Hμ=2.7927、
2Hμ=0.8574、
19Fμ=2.6273、
31Pμ=1.1305および
13Cμ=0.7022である。これらのモーメントは核磁子の中にあり、5.05078×10
−27JTである。2つのスピン状態のエネルギーの差は、0.1cal/mol未満である。NMR実験におけるスピンは共鳴器によって検出され、共鳴器はすべての場合において、サンプルから得られる信号と共鳴している回路を用いて変動する信号を検出する。すなわち、回路は、インダクタおよびサンプルのスピンのラーモア周波数(共鳴周波数)で共鳴するコンデンサを含む。インダクタは、通常、サンプル量に密接に近接するように、NMRサンプルを取り囲む。共鳴器から得られる信号は必ず伝送線路に整合させることで、最小限の損失で信号の励起および検出を達成できる。NMR共鳴器は、簡易なソレノイドコイルから複雑に構築された静電容量型コイルアレイまで、様々な形状および形態に設計できる。多くの場合、実験の過程において、1つ以上のスピンの型または核が励起または検出される。これは複数のコイルを使用して達成され、サンプルの周囲の領域はNMR実験において信号検出を行うべき対象物の数の点において、空間集約的となり得る。空間の問題から、サンプルを取り囲むサンプルコイルは、多くの場合、複数のモードを有するように共鳴する。ただし、モードの数はインダクタの数を上回ることはできない。多重共鳴サンプルコイルの採用を実践することで、NMRプローブのサンプル領域の共鳴器の数を削減する効果がある。NMR実験において固定共鳴および3つの異なる共鳴周波数を要する一般的な多重共鳴プローブでは、サンプル領域のコイルの数が4つから2つに減る。しかし、このような共鳴器の数の削減は、信号雑音比の低下を伴うことなく実現することはできない。したがって、回路効率は依然として非常に重要である。
図1Aに示す容量性二重共鳴回路は回路内に補助的な共鳴器を有するが、これは回路内のインダクタに共通接地点がないためである。これらの補助的な共鳴器は、回路曲線因子を低減させる。
【0035】
NMRプローブはサンプル、サンプル検出コイルおよび関連する回路、サンプル検出コイルの支持体、パルス磁場勾配、遮蔽、1つ以上の結合コイルおよび関連する回路、1つ以上の結合コイルおよびインダクタの支持体、コンデンサおよび可変コンデンサを含んでいてもよい。サンプルコイルによって発生する磁場または磁束の乱れは、信号雑音比を低下させる可能性がある。そのため、NMRプローブのサンプル領域における部材の数を最小限にして、磁場(B
0)およびRF均一性の乱れを低減させることにより、信号雑音比を増大させることができる。
【0036】
図1Aは、サンプルインダクタ1010、サンプルコンデンサ1012が下部絶縁体1020の上側に配置された
1H/
2H共鳴の複同調回路を示す。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は、下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に結合する。本発明の様々な実施例において、第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032の長さは、必ずしも同一でなくてもよい。下部絶縁体1020の下側には、固定同調コンデンサ1022、同調可変コンデンサ1041、整合可変コンデンサ1040、50オームの
1Hポート1042、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調コンデンサ
1024、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092および接地(第4)1093が配設されている。高周波ブロック1086は、並列するインダクタおよびコンデンサを含み、共鳴器が高周波をブロックする。高周波ブロックを選択する際、一次共鳴周波数と重ならないようにする。
【0037】
図1Bは、サンプルインダクタ1010およびサンプルコンデンサ1012がサンプル共鳴器領域1018に配設された
1H/
2H共鳴の複同調回路を示す。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に結合するものであり、サンプル共鳴器領域1018からサンプル共鳴器領域1018の外側に通り抜けている。サンプル共鳴器領域1018の外側には、固定同調コンデンサ1022、同調可変コンデンサ1041、整合可変コンデンサ1040、50オームの
1Hポート1042、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調コンデンサ
1024、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092および接地(第4)1093が配設されている。
【0038】
NMR実験では、B
0場は、とくにNMRサンプルの領域において、きわめて均一でなければならない。一般に、高精度のNMRでは、約1ppbの均一性が求められる。サンプルの至近にある物質はすべて、磁化率を低くする必要がある。そのため、コイル材および内蔵コンデンサは、「磁化率ゼロ」の材料から構成される。市販のコンデンサは、一般的に、「磁化率ゼロ」の要件を満たしていないため、プローブの下部絶縁体の下側に設置して、B
0場が乱れないようにする。このように、サンプル領域の物体の数を削減することで、NMR実験を有利に行うことができる。当該回路では、可変コンデンサが下部絶縁体の下側に配設されているため、これらのリード線が磁束を発生させ、磁束はサンプルを透過しないため、S/N比を最低値にする損失機構(または回路曲線因子損失)を呈する。一般的に、コイルの同調に使用するすべてのコンデンサをサンプル共鳴器のごく間近に配置して上記の状態を解消することにより、S/N比が約10%向上する。ここで、「約」とは±2パーセントである。
【0039】
図1Aおよび
図1Bに示す回路を用いて信号を50オームに整合させることも1つの課題であり、これは、往々にして、整合コンデンサがかさばるうえに、一般的に磁化率が補正されていないためであることに留意されたい。
図1Aおよび
図1Bに示す同調コンデンサ(1022、1041)は、一般に、磁化率ゼロの素材で構成されていない。
【0040】
図2Aおよび
図2Bに示す整合回路を用いて信号を50オームに整合させることも1つの課題であるが、それは、往々にして、整合コンデンサがかさばるうえに、一般的に磁化率が補正されていないためであることに留意されたい。
図2Aおよび
図2Bに示す同調コンデンサ1045は、一般に、磁化率ゼロの素材で構成される。これらのコンデンサは通常は「内蔵」して構築され、一般に、同調範囲に制限があるため、一般的な適用性に欠ける。本発明の様々な実施例において、
図3A、
図3B、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、
図9Aおよび
図9Bに示す同調コンデンサ1045だけを、磁化率ゼロの素材で構築する必要がある。
【0041】
図2Aは、本発明の実施例による、下部絶縁体1020の上側に配置された磁気ピックアップループを示し、結合ループ2011はプローブのサンプル空間に影響を及ぼす。当該空間のコイルの順番が外部コイルの存在下で内部コイルに結合させたい順である場合、干渉を最低限に抑える方法で3つのコイルを配列することは非常に難しくなり得ることを理解されたい。NMRプローブに2つのピックアップループを設ける場合、各コイルに対し1つ設けることはさらに難題である。
【0042】
図2Aは、
サンプルインダクタ1010
に対して誘導結合
1087する、
1H/
2Hの下部絶縁体1020を備えた二重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010、結合ループ2011および同調可変コンデンサ1045が、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は、下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034も下部絶縁体1020を通り抜けて、サンプルインダクタ1010を、結合コンデンサ1025および50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
1Hポート2044に接続させる。本発明の様々な実施例において、左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034の長さは、同じでなくてもよい。下部絶縁体1020の下側には、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調コンデンサ
1024、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092および接地(第4)1093が配設されている。
【0043】
図2Bは
1H/
2H共鳴の誘導結合
1087による複同調回路の概略図を示し、サンプル共鳴器は、サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045を備え、結合ループ2011もまた、サンプル共鳴器領域1018に配設されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032はサンプルインダクタ1010およびサンプル共鳴器領域1018の同調可変コンデンサ1045を通り抜けて、サンプル共鳴器領域1018の外側に配置された第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続する。左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034もまたサンプル共鳴器領域1018の外側に通り抜けて、サンプルインダクタ1010を結合コンデンサ1025、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
1Hポート2044に接続させる。また、サンプル共鳴器領域1018の外側には、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086および50オームの
2Hポート1082が配設されている。
【0044】
本発明の一実施例において、多重同調回路に関し、回路のすべてのインダクタにモードが存在するため、サンプルインダクタの代わりにこれらのインダクタに結合できる。本発明の一実施例において、多重同調回路に関し、回路の任意のインダクタによって、回路を任意のモードに整合させることができる。その結果、これらのコイルを、(i)磁化率ゼロの素材から作成する必要がない、または(ii)空間集約的にする必要がないため、サンプル空間に配置されていない結合ループを有するNMR回路にとって利点がある。
【0045】
図2Aおよび
図2Bの回路の誘導結合は、サンプルインダクタ1010のRF均一性を乱す可能性がある。本発明の一実施例において、
図3Aおよび
図3Bに示す概略図に例示する回路では、本発明の様々な実施例に従って二次インダクタ1070および1071によって結合を行うため、上述のような問題は起こらない。他の利点として、あらゆる磁気結合により、2つのコイル間の相互インダクタンスによって、コイルから発せられる磁束の形状が乱される。明らかに、サンプルコイルのどのような乱れも望ましくない。したがって、本発明の様々な実施例では、二次コイルとの誘導結合は、(iii)サンプルコイルの磁束に影響を及ぼさないという利点がある。
図3Aおよび
図3Bは、本発明の一実施例による二次コイルを介した複同調回路との結合をすべて示す。当該回路構成を用いることにより、サンプル領域において空間問題のない、2つのコイルプローブの下限閾値を上回らない結合またはサンプル共鳴器領域の外側の少なくともいずれかでの結合が可能になる。
【0046】
図3Aは、本発明の一実施例による、
1H/
2H回路の、サンプルインダクタ1010に誘導結合する、下部絶縁体1020を備えた二重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、下部絶縁体の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。下部絶縁体1020の下側では、第1のインダクタ1070が1087によって結合ループ3087に誘導結合している。ここでは、整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
2Hポート3082を通じて回路を50オームに整合させる。第2のインダクタ1071は1087によって結合ループ3088に結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025、50オームの同軸ケーブル1092を介して、回路を50オームに整合して、50オームの
1Hポート3081に整合させる。コンデンサ1089を使用して、
2H共鳴を同調させる。
図3Aでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092および接地(第4)1093が配置されている。結合ループ3087、3088に対応する接地点1090、1091、1092、1093は、共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。高循環電流を有する回路自体は、接地点を有していない。
【0047】
図3Bは、本発明の一実施例による、
1H/
2H回路の、サンプル領域1018を備え、サンプルインダクタ1010に誘導結合する二重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、サンプル領域1018に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032はサンプル領域1018を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。サンプル領域1018の遠位にある第1のインダクタ1070は1087によって結合ループ3087に誘導結合する。整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
2Hポート3082を介して、回路を50オームに整合させる。第2のインダクタ1071は1087によって結合ループ3088に結合するものであり、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025、50オーム同軸ケーブル2046を介して、回路を50オームに整合し、50オームの
1Hポート3081に整合させる。コンデンサ1089を使用して、
2H共鳴を同調させる。
図3Aでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092および接地(第4)1093が配置されている。結合ループ3087、3088に対応する接地点1090、1091、1092、1093は、共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。高循環電流を有する回路自体は、接地点を有していない。
【0048】
図3Cは線形回路シミュレーションを示し、
図3Aおよび
図3Bに示す複同調回路に基づいて実行されたものである。
図3Cのプロットは、S(1,1)およびS(2,2)プロットのオーバーレイであり、S(1,1)プロットには符号3094を付し、S(2,2)プロットには符号3092を付してある。
図3Cにおいて、信号強度対周波数は、
1H3094の最低値600MHzおよび−29.39dB、ならびに
2H3092の最低値92.2MHzおよび−30.03dBの2つの明確な最低値を示している。
【0049】
図4Aおよび
図4Bは結合ループを示し、本発明の一実施例によると、誘導結合1087を利用して、回路を、50オームの高周波ポートの50オームの抵抗器に整合可能である。インダクタ3089および可変コンデンサ3080を備える共鳴器3090を使用して、分路を用いて当該共鳴を2つのモード
1Hおよび
19Fに分割し、結合定数kを調整することができる。重要なことは、当該回路構成では、共鳴器3090は磁化率ゼロの材料で構成する必要がなく、等価空間要件およびサンプルコイル磁束パターンが乱されない。さらに、二次コイルとの誘導結合により回路に別のモードが発生したとしても、本コイルのRF均一性が維持される。
【0050】
図4Aは、
1H/
19Fの、下部絶縁体1020を備え、誘導結合された分割共鳴誘導結合回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。下部絶縁体1020の下側では、第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071が、
1H結合ループ3088を通じて誘導結合1087される。ここで、
1H整合可変コンデンサ1021、結合コンデンサ1025および50オーム同軸ケーブル2046を使用して、50オームの
1Hポート3081を介して、高周波回路を50オームに整合させる。共鳴器3090は、インダクタ3089およびコンデンサ3080から構成され、1087によるインダクタ1070への結合によって、一次共鳴を2つのモード
1Hおよび
19Fに分割する。可変コンデンサ1045および1089を使用して、
1H共鳴を同調させる。
図4CはS(1,1)プロットであり、本発明の一実施例による
図4Aに示す同時複同調回路に基づいて実行される線形回路シミュレーションを示す。信号強度対周波数のプロットは、
1H4095の最低値600MHzおよび−28.55dB、ならびに
19F4093の最低値564.5 MHzおよび−27.36dBである2つのピーク値4093および4095を示している。
図4Aでは、結合ループ3088に対応する接地点1091、1092は、共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。高循環電流を有する回路自体は、接地点を有していない。
【0051】
図4Bは、下部絶縁体を有さない、
1H/
19Fの、誘導結合された分割共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、サンプル領域1018に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は領域1018を通り抜けて、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。領域1018の外側では、第2のインダクタ1071が結合ループ3088を介して誘導結合1087され、整合可変コンデンサ
1021、結合コンデンサ1025および50オーム同軸ケーブル
2046が、回路を50オームの
1Hポート3081に整合させる。インダクタ3089およびコンデンサ3080を備えた高周波共鳴器3090を使用して、1087による第1のインダクタ1070との結合により、回路の一次モードを2つのモード
1Hおよび
19Fに分割する。可変コンデンサ1045および1089を使用して、回路を
1H共鳴に同調させる。
図4Bでは、結合ループ3088に対応する接地点1091、1092は、共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。
【0052】
図5Aは、本発明の一実施例による分割共鳴回路の概略図であり、下部絶縁体1020の上側に配設されたサンプルコイル1010および結合ループ2011を示す。サンプルインダクタ1010、結合ループ2011および同調可変コンデンサ1045は、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034もまた、下部絶縁体1020を通り抜けて、2011を、結合コンデンサ1025、整合可変コンデンサ1041、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
1Hポート
3081に接続させる。
1H回路は、可変コンデンサ
1041と整合させる。本発明の様々な実施例において、左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034の長さは、同じでなくてもよい。下部絶縁体1020の下側には、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1021、高周波ブロック1086、50オームの同軸ケーブル2046、50オームの
2Hポート3082、結合コンデンサ1023、接地(第1)1091、接地(第2)1092、接地(第3)1093および接地(第4)1094が配設されている。結合ループ2011は、サンプルコイル1010に1087によって誘導結合されて、50オームの
1Hポートを構成する。本発明の一実施例において、コンデンサ3080およびインダクタ3089によって構成される共鳴器3090は、1087によって第1のコンダクタ1070に結合し、分路を用いて、高周波共鳴モードを2つの特有の共鳴、すなわち
1Hおよび
19Fに分割し、結合定数kを調整する。分割は、共鳴器3090とインダクタとの近接度の影響を受ける場合があり、分路によって共鳴器3090を近位または遠位に動かして位置を変更することにより、所期の分割および結合定数kを達成できる。可変コンデンサ1089を使用して、
2H共鳴の同調を行う。
図5Aでは、符号1025および1023はそれぞれ、結合ループ2011および3088の結合コンデンサである。
図5Aにおいて、結合ループ3088および2011に対応する接地点
1091、1092、1093および1094は、共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。
【0053】
図5Bは、本発明の一実施例による分割共鳴回路の概略図であり、サンプル領域
1019に配設されたサンプルコイル1010および結合ループ2011を示す。サンプルインダクタ1010、結合ループ2011および同調可変コンデンサ1045は、サンプル領域
1019に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は領域
1019を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。また、左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034は領域
1019を通り抜けて、2011を結合コンデンサ1025、整合可変コンデンサ1041、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
1Hポート2044に接続させる。
1H回路は、可変コンデンサ1041に整合される。本発明の様々な実施例において、左側結合ループリード線1033および右側結合ループリード線1034の長さは、同じでなくてもよい。下部絶縁体1020の下側には、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1021、高周波ブロック1086、50オームの同軸ケーブル2046、50オームの
2Hポート3082、結合コンデンサ1023、接地(第1)
1090、接地(第2)1092、接地(第3)1093、接地(第4)1094が配設されている。結合ループ2011は、1087によりサンプルコイル1010に誘導結合され、50オームの
1Hポートを構成する。本発明の一実施例において、コンデンサ3080およびインダクタ3089で構成される共鳴器3090は、1087により、第1のインダクタ1070に結合し、分路を用いて、高周波共鳴モードを2つの特有の共鳴、すなわち
1Hおよび
19Fに分割し、結合定数kを調整する。分割は共鳴器3090とインダクタとの近接度の影響を受ける場合があり、分路によって共鳴器3090を近位または遠位に動かすことで位置を変更して、所期の分割および結合定数kを達成できる。可変コンデンサ1089を使用して、
2H共鳴の同調を行う。
図5Aでは、符号1025および1023はそれぞれ、結合ループ2011および3088の結合コンデンサである。
図5Bにおいて、結合ループ3088および2011に対応する接地点1090、1092、1093および1094は、共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。
【0054】
図6Aは、
図1Aと同様の概略図である。サンプルインダクタ1010およびサンプルコンデンサ1012は、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。本発明の様々な実施例において、第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032の長さは、必ずしも同じでなくてもよい。下部絶縁体1020の下側には、固定同調コンデンサ1022、同調可変コンデンサ1041、整合可変コンデンサ1040、50オーム
1Hポート1042、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調コンデンサ
1024、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)
1092、接地(第4)
1093が配設されている。本図では、
図1Aに示した部材に加え、インダクタ3089およびコンデンサ3080で構成された共鳴器3090を使用して、第2のインダクタ1071に誘導結合1087する。誘導結合1087により、本発明の一実施例に基づいて、分路を利用して、高周波モードを、例えば
19Fおよび
1Hの2つの共鳴に分割して、結合定数kを調整することができる。誘導結合ループ
3089を第2のインダクタ1071の近位または遠位に動かして当該結合1087に変更を加えることで、所期の分割および結合定数kを達成できる。
図6Aでは、接地点1090、1091、1092、1093は回路に対応している。
【0055】
図6Bは、
図1Aに類似する概略図を示し、サンプル共鳴器領域1018は、サンプルインダクタ1010およびサンプルコンデンサ1012で構成されている。サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は、サンプル共鳴器領域1018を通り抜ける。本発明の様々な実施例において、第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032の長さは、同じでなくてもよい。
図6Bにおいて、サンプル共鳴器領域1018の外側には、同調可変コンデンサ1041、整合可変コンデンサ1040、50オームの
1Hポート1042、第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調コンデンサ
1024、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)
1092、接地(第4)
1093が配設されている。
図6Bでは、接地点1090、1091、1092、1093は本回路に対応している。ここでは、これらの要素の他に、領域1018から離れた位置に共鳴器3090が設けられ、共鳴器3090を使用して、1087によって、第2のインダクタ1071に結合することで、
1H共鳴を2つのモード
1Hおよび
19Fに分割する。
【0056】
図7Aは、下部絶縁体1020の上側に配設されたサンプルコイル1010およびサンプルコンデンサ1045を示す概略図である。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。下部絶縁体1020の下側では、第2のインダクタ1071が結合ループ3088を介して同調回路に誘導結合1087し、整合可変コンデンサ1021、結合コンデンサ1025、50オームの同軸ケーブル
2046を使用して、50オームの
1Hポート3081を実現する。また、下部絶縁体1020の下側には、整合可変コンデンサ1083、同調コンデンサ
1023、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、接地(第1)1091、接地(第2)1092、接地(第3)1093、接地(第4)1094が配設されている。本回路では、結合ループ3088は第2のインダクタ1071に誘導結合している。
図7Aでは、結合ループ3088に対応する接地点1091および1092は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。接地点1093および1094は、共鳴回路の一部とみなされる。
【0057】
図7Bは、
図7Aと同様の概略図を示し、サンプル共鳴器領域1018は、サンプルインダクタ1010およびサンプルコンデンサ1045で構成されている。サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は、サンプル共鳴器領域1018からサンプル共鳴器領域1018の外側へと通り抜けている。本発明の様々な実施例において、第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032の長さは、必ずしも同じでなくてもよい。
図7Bにおいて、サンプル共鳴器領域1018の外側には第2のインダクタ1071が配設され、第2のインダクタは結合ループ3088を通じて同調回路に誘導結合1087し、整合可変コンデンサ1021、結合コンデンサ1025、50オームの同軸ケーブル
2046を使用して、回路の同調を行う。また、サンプル共鳴器領域1018の外側には、整合可変コンデンサ1083、高周波ブロック1086、同調コンデンサ1023、50オームの
2Hポート1082、接地(第1)1091、接地(第2)1092、接地(第3)1093、接地(第4)1094が配設されている。
図7Bでは、結合ループ3088に対応する接地点1091および1092は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。接地点1093および1094は、共鳴回路の一部とみなされる。
【0058】
図8Aは、
図3Aと同様の概略図を示しているが、その他に共鳴器3090が付加されていて、共鳴器は一次共鳴を2つのモード
1Hおよび
19Fに分割する。本図では、共鳴器3090は、1087によってサンプルインダクタに結合される。本発明の一実施例によると、
図8Aでは、インダクタ3089およびコンデンサ3080で構成される共鳴器3090、サンプルインダクタ1010およびサンプル可変コンデンサ1045は下部絶縁体1020の上側に配設され、検出回路(1または複数)が下部絶縁体の下側に配設されている。
図8Aは、本発明の一実施例による、分割共鳴回路の、サンプルインダクタ1010に誘導結合された、下部絶縁体1020を備えた三重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。下部絶縁体1020の下側において、第1のインダクタ1070が1087によって結合ループ3087に誘導結合する。ここで、整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、高周波ブロック1086、50オームの同軸ケーブル
2046および50オームの
2Hポート3082を介して、回路を50オームに整合させる。第2のインダクタ1071は、1087によって結合ループ3088に結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025、50オームの同軸ケーブル2046を介して、回路を50オームに整合して、50オームの
1Hポート3081に整合させる。可変コンデンサ1089を使用して、
2H共鳴の同調を行う。
図8Aでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、および接地(第4)1093が配設されている。結合ループ3087、3088に対応する接地点1090、1091、1092、1093は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。回路自体は高循環電流を含むため、接地点を有していない。
【0059】
図8Bは
図3Aに類似の概略図であるが、その他に共鳴器3090を含み、共鳴器は一次共鳴を2つのモード
1Hおよび
19Fに分割する。ここで、共鳴器3090は、1087によってサンプルインダクタ1010に結合される。本発明の一実施例によると、
図8Bにおいて、インダクタ3089およびコンデンサ3080で構成される共鳴器3090、サンプルインダクタ1010およびサンプル可変コンデンサ1045は、サンプル領域1018に配設され、検出回路(1または複数)が当該領域から離れた位置に配設されている。
図8Bは、本発明の一実施例による、サンプルインダクタ1010に誘導結合する多重共鳴回路の概略図を示す。サンプル領域1018のサンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032に接続され、両者は領域1018を通り抜けて、サンプルコンダクタ1010を第1のインダクタ1070および第2のインダクタ1071に接続させる。領域1018の外側では、第1のインダクタ1070が1087によって結合ループ
3087に誘導結合する。ここで、整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
2Hポート3082を介して、回路を50オームに整合させる。第2のインダクタ1071は、1087によって結合ループ3088に結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025および50オーム同軸ケーブル
2046を介して、回路を50オームに整合して、50オーム
1Hポート3081に整合させる。可変コンデンサ1089を使用して、
2H共鳴の同調を行う。
図8Bでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、および接地(第4)1093が配設されている。結合ループ3087、3088に対応する接地点1090、1091、1092、1093は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。回路自体は高循環電流を含むため、接地点を有していない。
【0060】
図9Aは、本発明の一実施例による2つのコイル1008および1010(互いに直交磁場に対し同軸である)の概略図であり、コイルはそれぞれ、下部絶縁体1020の上側に配設されたインダクタ1008および1010に対応する。
図9Aは、下部絶縁体1020を備えた2つの二重共鳴回路で構成されている。左側の回路は、
図3Aの回路と同様のものである。右側の回路は、
図1Aの回路と同様のものである。下部絶縁体の上側には、2つのサンプルコイル1010および1008が設けられていて、コイル1010は三次コイルである。左側の回路は、本発明の一実施例による、
13C/
15N複同調回路の、下部絶縁体1020を備えた、サンプルインダクタ1010に誘導結合された二重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1の結合インダクタ1070および第2の結合インダクタ1071に接続させる。下部絶縁体1020の下側では、第1の結合インダクタ1070が、1087により、結合ループ3087に誘導結合している。整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、50オームの同軸ケーブル2046、高周波ブロック1088および50オームの
15Nポート3082を介して、回路を50オームに整合させる。第2の結合インダクタ1071は、1087によって結合ループ3088に結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025、50オーム同軸ケーブル
2046を介して、回路を50オームに同調させて、50オームの
13Cポート3081に同調させる。コンデンサ1045を使用して、
13C共鳴の同調を行う。コンデンサ1089を使用して、
15N共鳴の同調を行う。
図9Aでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、および接地(第4)1093が配設されている。結合ループ3087、3088に対応する接地点1090、1091、1092、1093は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。回路自体は高循環電流を含むため、接地点を有していない。本発明の一実施例によると、右側の回路は
1H/
2H共鳴の複同調回路を示し、下部絶縁体1020の上側にサンプルインダクタ1008およびサンプルコンデンサ1013が配設されている。第1の共鳴器リード線1034および第2の共鳴器リード線1073は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1072および第2のインダクタ1073に接続させる。本発明の様々な実施例において、第1の共鳴器リード線1034および第2の共鳴器リード線
1033の長さは、同じでなくてもよい。下部絶縁体1020の下側には、固定同調コンデンサ1022、同調可変コンデンサ1041、整合可変コンデンサ1040、50オームの
1Hポート1042、第1のインダクタ1072、第2のインダクタ1073、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調可変コンデンサ1080、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、および接地(第4)1093が配設されている。高周波ブロック1086は、並列するインダクタおよびコンデンサを備え、共鳴器が高周波をブロックする。高周波ブロックの選択を行う際、一次共鳴周波数と重ならないようにする。
【0061】
図9Bは、サンプル領域1018から出る2つの二重共鳴回路の概略図を示す。左側の回路は、
図3Aの回路と同様のものである。右側の回路は、
図1Aの回路と同様のものである。サンプル領域には、2つのサンプルコイル1010および1008が設けられている。これら2つのサンプルコイルは同軸に配列されていて、1010は三次コイルである。左側の回路では、本発明の一実施例による、
13C/
15N複同調回路の、サンプル領域1018から遠位に配され、サンプルインダクタ1010に誘導結合された二重共鳴回路の概略図を示している。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、サンプル領域1018に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032はサンプル領域1018を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1の結合インダクタ1070および第2の結合インダクタ1071に接続させる。サンプル領域1018から離れた位置において、第1の結合インダクタ1070は、1087によって、インダクタ結合ループ3087に誘導結合する。本図では、可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、50オームの同軸ケーブル2046、高周波ブロック1088および50オームの
15Nポート3082を介して、回路を50オームに整合させる。第2の結合インダクタ1071は、1087により結合ループ3088に結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025、50オームの同軸ケーブル
2046を介して回路を50オームに整合することにより、50オームの
13Cポート3081に整合させる。可変コンデンサ1089を使用して、15N共鳴の同調を行う。また、可変コンデンサ1045を使用して、
13C共鳴の同調を行う。
図9Bでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、および接地(第4)1093が配設されている。結合ループ3087、3088に対応する第1の接地点1090、第2の接地点1091、第3の接地点1092、第4の接地点1093は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。高循環電流を含む回路自体は、接地点を有していない。本発明の一実施例による右側の回路は
1H/
2H共鳴の複同調回路を示し、サンプルインダクタ1008およびサンプルコンデンサ1013がサンプル領域1018に配置されている。第1の共鳴器リード線1034および第2の共鳴器リード線1073は領域1018を通り抜け、サンプルインダクタ
1008を第1の結合インダクタ1072および第2の結合インダクタ1073に接続させる。本発明の様々な実施例において、第1の共鳴器リード線1034および第2の共鳴器リード線1073の長さは、同じでなくてもよい。領域1018から離れた位置に、
1H固定同調コンデンサ1022、同調可変コンデンサ1041、整合可変コンデンサ1040、50オームの
1Hポート1042、第1のインダクタ1072、第2のインダクタ1073、整合可変コンデンサ1083、同調可変コンデンサ1080、高周波ブロック1086、50オームの
2Hポート1082、同調コンデンサ1080、接地(第5)1094、接地(第6)1095、接地(第7)1096および接地(第8)1097が配設されている。高周波ブロック1086は、並列するインダクタおよびコンデンサを備え、共鳴器によって高周波をブロックする。高周波ブロックを選択する際、一次共鳴周波数と重ならないようにする。
【0062】
図10Aは、本発明の一実施例による、
1H/
13C/
15N回路の、下部絶縁体1020を備え、サンプルインダクタ1010に誘導結合された三重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045が、下部絶縁体1020の上側に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032は下部絶縁体1020を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071および第3のインダクタ1072に接続させる。下部絶縁体1020の下側において、第1のインダクタ1070は、1087により結合ループ3087に誘導結合する。ここでは、整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、高周波ブロック1086、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
1Hポート3081を介して、回路を50オームに整合させる。高周波(
13C)共鳴を得るために、第2のインダクタ1071は結合ループ3088に1087によって結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025、50オーム同軸ケーブル2046を介して、回路を50オームに整合して、50オームの
13Cポート3082に整合させる。第3のインダクタ1072が、1087により結合ループ3089に結合し、整合可変コンデンサ1083を使用して、結合コンデンサ1024、高周波ブロック1038、50オームの同軸ケーブル2046を介して、回路を50オームに整合して、50オームの
15Nポート3083に整合させる。コンデンサ1089を使用して、
1H共鳴の同調を行う。コンデンサ1026および1029を使用して、
15N共鳴の同調を行う。
図10Aでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、接地(第4)1093、接地(第5)1094および接地(第6)1095が配設されている。結合ループ3087、3088および3089に対応する接地点1090、1091、1092、1093、1094、1095は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。高循環電流を含む回路自体は、接地点を有していない。
【0063】
図10Bは、本発明の一実施例による、
1H/
13C/
15N回路の、サンプル領域1018を備え、サンプルインダクタ1010に誘導結合する三重共鳴回路の概略図を示す。サンプルインダクタ1010および同調可変コンデンサ1045は、サンプル領域1018に配置されている。第1の共鳴器リード線1031および第2の共鳴器リード線1032はサンプル領域1018を通り抜け、サンプルインダクタ1010を第1のインダクタ1070、第2のインダクタ1071および第3のインダクタ1072に接続させる。1018から離れた位置において、第1のインダクタ1070が1087によって結合ループ3087に誘導結合している。ここでは、整合可変コンデンサ1085を使用して、結合コンデンサ1023、高周波ブロック1086、50オームの同軸ケーブル2046および50オームの
1Hポート3081を介して、回路を50オームに整合させる。高周波(
13C)共鳴を行うために、第2のインダクタ1071は1087によって結合ループ3088に結合し、整合可変コンデンサ1021を使用して、結合コンデンサ1025および50オームの同軸ケーブル2046を介して、回路を50オームに整合させて、50オームの
13Cポート3082に整合させる。第3のインダクタ1072は、1087によって結合ループ3089に結合し、整合可変コンデンサ1083を使用して、結合コンデンサ1024、高周波ブロック1038、50オームの同軸ケーブル2046を介して回路を50オームに整合させ、50オームの
15Nポート3083に整合させる。コンデンサ1089を使用して、
1H共鳴の同調を行う。コンデンサ1026および1029を使用して、
15Nの同調を行う。
図10Aでは、接地(第1)1090、接地(第2)1091、接地(第3)1092、接地(第4)1093、接地(第5)1094および接地(第6)1095が配設されている。結合ループ3087、3088および3089に対応する接地点1090、1091、1092、1093、1094、1095は共鳴回路に関連する高循環電流を含まないため、共鳴回路の一部とみなされない。高循環電流を含む回路自体は、接地点を有していない。本発明の別の実施例によると、
図10Aに示す下部絶縁体1020を備えた回路または
図10Bに示す下部絶縁体を有さない回路と同様の三重共鳴回路を、サンプルインダクタ1010に誘導結合する
13C/
2H/
15N回路に用いることも可能である。
【0064】
図10Cは本発明の一実施例によるS(1,1)、S(2,2)、S(3,3)プロットであり、
図10Aに示す同時三重同調回路に基づいて実行される線形回路シミュレーションを示す。信号強度対周波数のプロットは、
15N10097の最低値が50.48MHzおよび−35.0dB、
13C10098の最低値が125.7MHzおよび−37.87dB、ならびに
1H10099の最低値が500.1MHzおよび−37.97dBである、3つのピーク値10097、10098、10099を示す。
図10Cでは、
15N信号および
13C信号からそれぞれ小さな「トラップ」共鳴10091、10092も観測される。
【0065】
サンプルソレノイドコイルのRF均一性は乱れやすいため、提示した二次コイルの誘導結合を利用した回路構成は、固体状態のNMRプローブの設計において重要な意味をもつ。最終的には、提示した回路構成により、一般にCFFの維持に役立つ「接地点を有さない」プローブ構造がもたらされる。
【0066】
核磁気共鳴(NMR)信号は、通常、誘導無線周波(RF)ピックアップコイルによって検出される。これらの共鳴器はいずれも、本明細書においてこれらの共鳴器との誘導結合に関して示した概念から提案された概念の恩恵を受けることができる。
【0067】
以下に、本発明の様々な態様について述べる。ただし、本発明の態様の一部またはすべてを用いて本発明を実施できることは、当業者には明白であろう。本発明を十分に理解するために、説明を目的として、特定の数、材料および構成を定義する。しかしながら、本発明は具体的な詳述がなくとも実施可能であることは、当業者には明白であろう。その他の例では、周知の特徴を省略または簡略化して、本発明の明確化を図るものとする。
【0068】
記載の一部を、当業者がその研究の実体を他の当業者に伝えるために一般的に採択する方式に一致する、データ収集、選択、抽出、生成などのデータ処理に関して示す。これらの量(データ収集、選択、抽出、生成)は、プロセッサおよびそのサブシステムの電気、光学式または生物学的な部材の少なくとも一方を通じて保存、転送、結合された、ならびに、その他の方法で取り扱われる電気、磁気または光信号の形態を採るものでよいことは、当業者であれば十分に理解できよう。
【0069】
様々な動作を、複数の個別の工程として、本発明の理解に役立つ方法で順番に述べる。ただし、記載の順番は、これらの動作が必ず順序依存であることを暗示していると解釈すべきでない。
【0070】
様々な実施例を、オブジェクト指向プログラムパラダイムの代表的なクラスまたはオブジェクトの少なくともいずれかの観点から例示する。本発明は、本明細書に例示として含まれている分野/対象のみならず、異なる分野/対象を多数用いて実施できることは当業者には明らかであろう。
【0071】
添付図面の各図における本発明の態様は一例として示すものであり、これに制限するものではない。図中、類似の参照符号は、類似の要素を示している。本開示における「一」実施例とは、必ずしも同一の実施例を指すものではなく、また、このような指示は少なくとも1つという意味であることに留意されたい。
【0072】
種々のサンプルおよび様々な実験条件に関し、NMR技術に誘導結合プローブを採り入れるには依然として障害がある。一般に、デュアルプローブ回路は、複同調回路の実現に誘導結合を用いることがなく、どちらかというと、容量結合を利用して所望の同調特性を得る。本明細書では、誘導結合を用いた所期同調特性の達成について述べる。
【0073】
一次または二次(もしくはその他の)インダクタのいずれかにおいて抵抗を整合させて、回路の様々なモードを検出する。本発明の一実施例において、1つのインダクタを他のインダクタよりも優先して使用して、モードの検出を有利に行う。一次コイルではなく二次コイルを整合させて回路のモードの検出を行うことが有利である理由はいくつかある。
【0074】
第1に、原コイルは、検出コイルの存在の影響を受けやすい場合がある。
【0075】
第2に、空間要件において、信号は1つの空間位置対別の空間位置で検出することが望ましいとできる。
【0076】
第3に、検出コイルを原コイルの近傍に配置するとRF均一性に影響が及ぶ可能性があるが、検出コイルを二次コイルの近傍に配置した場合、原コイルのRFパターンが変化することはない。
【0077】
第4に、二次コイルに誘導結合することにより、原共鳴モードをサブモードに分割できる。アイドラコイルを使用して、原コイルの共鳴を2つのモードに分割できる。しかし、アイドラを二次コイル(
2H)に最も近い位置に配することで、複同調
1H/
2H回路を(
1H/
19F)に分割することも可能であろう。
【0078】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルのうち少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0079】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルのうち少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。1つ以上の共鳴器は、並列するインダクタおよびコンデンサを備える。
【0080】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は、一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、第2の領域に並列するインダクタおよびコンデンサを備えた共鳴器を備える。共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次共鳴モードと重ならない。
【0081】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される第1の領域に配設された1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。
【0082】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された複数の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される、第1の領域に配設された1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに、第1の領域に配設され、1つ以上の一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材を支持する1つ以上の支持体を備える。
【0083】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される、第1の領域に配設された1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁させる。
【0084】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される、第1の領域に配設された1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁させる。プローブはさらに下部絶縁体を備え、下部絶縁体は、一次回路および1つ以上の部材を第2の領域の1つ以上の二次回路から隔離する。
【0085】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。距離は、下限約10
−4mから上限約10
−1mまでの間である。
【0086】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。距離は、下限約10
−3mから上限約10
−1mまでの間である。
【0087】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。
【0088】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、NMRプローブの第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2である。
【0089】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−2m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0090】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−2m離れた第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含み、1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されて、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する1つ以上の誘導結合ループとを備える。
【0091】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器のうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0092】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、体積が下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3である第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器のうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0093】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から離れた第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2である。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方は、1つ以上の二次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に誘導結合される。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0094】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設され、第1の領域から下限約10
−3mないし上限約10
−1m離れた位置にあり、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器のうちいずれかまたは両方とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0095】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。
【0096】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器を備え、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、1つ以上の共鳴器は並列するインダクタおよびコンデンサを備える。
【0097】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、下部絶縁体の下側に配設された、並列するインダクタおよびコンデンサを含む共鳴器を備える。共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次共鳴モードと重ならない。
【0098】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。
【0099】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設され、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材のうち1つ以上を支持する1つ以上の支持体を備える。
【0100】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁する。
【0101】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。一次共鳴モードは下限約3×10
6Hzないし上限約3×10
9Hzの間である。
【0102】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。
【0103】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2である。
【0104】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程、および第1の体積の外側に配設された1つ以上の共鳴器の位置調整を行う工程を含む。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0105】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)測定キットは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードで共鳴する一次コンダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−3mないし上限約10
−1mの第1の距離を隔てて位置する第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを含むNMRプローブとを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、キットはさらに1つ以上の共鳴器の結合定数の調整命令を含んで少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。
【0106】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−2m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。
【0107】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備え、1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0108】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループを備える。
【0109】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、下部絶縁体の下側に配設された、並列するインダクタおよびコンデンサを含む共鳴器を備える。共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次共鳴モードと重ならない。
【0110】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。
【0111】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設され、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を支持する支持体を備える。
【0112】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁させる。
【0113】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、第1の領域は下限約10
−9m
3ないし10
−1m
3の第1の体積を有する。
【0114】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第1の領域は下限約10
−9m
3〜10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2である。
【0115】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程とを含む。第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の誘導結合ループの一方または両方の位置を調整することにより、回路の結合定数を低減する。
【0116】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)測定キットは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードで共鳴する一次コンダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−3mないし上限約10
−1mの第1の距離を隔てて位置する第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを含むNMRプローブを備える。キットはさらに1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)の調整命令を含んで、一次共鳴モードを検出する。
【0117】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)測定キットは、下部絶縁体の上側に配設された、一次共鳴モードで共鳴する一次コンダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側に配設された、一次コンダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルと、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器とを含むNMRプローブを備える。1つ以上の二次インダクタコイルのうち少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。キットはさらに、1つ以上の共鳴器の結合定数の調整命令を含んで少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。
【0118】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。
【0119】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードを1つ以上検出する。プローブはさらに、下部絶縁体の下側に配設された、並列するインダクタおよびコンデンサを含む共鳴器を備え、共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次共鳴モードと重ならない。
【0120】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。
【0121】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。プローブはさらに、下部絶縁体の上側に配設され、一次インダクタおよび1つ以上の部材を1つ以上支持する1つ以上の支持体を備える。
【0122】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材を1つ以上、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁させる。
【0123】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。プローブはさらに下部絶縁体を備え、下部絶縁体は一次回路および1つ以上の部材を1つ以上の二次回路から隔離する。
【0124】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出し、第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。
【0125】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、下部絶縁体の上側の第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側の第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する。第1の領域は下限約10
−9m
3〜上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2である。
【0126】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号の結合モードを検出する方法は、下部絶縁体の上側に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループおよび下部絶縁体の下側に配設された1つ以上の共鳴器のうちいずれかまたは両方とを備え、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割するNMRプローブを誘導結合する工程と、1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)を調整して、少なくとも2つのモードを1つ以上検出する工程とを含む。
【0127】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)測定キットは、下部絶縁体の上側に配設された、一次共鳴モードで共鳴する一次コンダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを含むNMRプローブを備える。キットはさらに、1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)の調整命令を含んで、一次共鳴モードを検出する。
【0128】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)測定キットは、下部絶縁体の上側に配設された、一次共鳴モードで共鳴する一次コンダクタコイルを含む一次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、下部絶縁体の下側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを含むNMRプローブを備える。キットはさらに1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)の調整命令を含んで、一次共鳴モードを検出する。プローブはさらに1つ以上の共鳴器を備え、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0129】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。
【0130】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器を備え、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割し、1つ以上の共鳴器は並列するインダクタおよびコンデンサを備える。
【0131】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、第2の領域に配設された、並列するインダクタおよびコンデンサを含む共鳴器を備える。共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次共鳴モードと重ならない。
【0132】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む三次回路を備える。
【0133】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに、第1の領域に配設され、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材を1つ以上支持する1つ以上の支持体を備える。
【0134】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁する。
【0135】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた位置にある第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域では、1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、第2の領域に配設された1つ以上の誘導結合ループは1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合される。プローブはさらに、1つ以上の結合ループからなる群から選択される、第1の領域に配設された1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備え、プローブはさらに上部絶縁体を備える。上部絶縁体は1つ以上の一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材のうちいずれかまたは複数を外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁する。プローブはさらに下部絶縁体を備え、下部絶縁体は一次回路および1つ以上の部材を第2の領域の1つ以上の二次回路から隔離する。
【0136】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。第1の領域は、下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。
【0137】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備える。第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2である。
【0138】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループとを備え、一次共鳴モードは下限約3×10
6Hzないし上限約3×10
9Hzの間である。
【0139】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号のRFの不均一性を最小限に抑える方法は、NMRプローブの第1の体積内の下部絶縁体の上側に配された、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、下部絶縁体の下側に配された1つ以上の誘導結合ループに誘導結合された1つ以上の二次インダクタコイルを有する1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行うことにより、一次共鳴モードのRFの不均一性を最小限に抑える。
【0140】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを有する1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程、および第1の体積の外側に配設された1つ以上の共鳴器の位置調整を行う工程を含む。1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次回路の結合定数を低減させる。
【0141】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。
【0142】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にあり、1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、第2の領域に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された誘導結合ループを備える。
【0143】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、第2の領域に配設された、並列するインダクタおよびコンデンサを含む共鳴器を備える。共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次共鳴モードと重ならない。
【0144】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。
【0145】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに、第1の領域に配設され、一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材を1つ以上支持する1つ以上の支持体を備える。
【0146】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を、外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁する。
【0147】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割る。プローブはさらに、第1の領域に配設された、1つ以上の結合ループからなる群から選択される1つ以上の部材、1つ以上の共鳴器および1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路を備える。プローブはさらに上部絶縁体を備え、上部絶縁体は一次インダクタコイルおよび1つ以上の部材の1つ以上を外部磁場および外部電場の一方または両方から絶縁する。プローブはさらに下部絶縁体を備え、下部絶縁体は一次回路および1つ以上の部材を第2の領域の1つ以上の二次回路から隔離する。
【0148】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第1の領域は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。
【0149】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第2の領域は第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−1m離れた位置にある。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルおよび第2の領域に配設された1つ以上の共鳴器に電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第1の領域は下限約10
−9m
3〜上限約10
−1m
3の第1の体積を有する。第2の領域は第2の体積を有し、第1の体積に対する第2の体積の比は下限約10
1ないし上限約10
2の間である。
【0150】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号の結合モードを検出する方法は、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備え、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割するNMRプローブを誘導結合する工程と、1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)を調整して、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する工程とを含む。
【0151】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号の結合モードを検出する方法は、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から離れた第2の領域に配設され、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路と、1つ以上の二次インダクタコイルおよび1つ以上の共鳴器に誘導結合された1つ以上の誘導結合ループのうちいずれかまたは両方とを備え、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割するNMRプローブを誘導結合する工程と、1つ以上の誘導結合ループの結合定数(k)を調整して、少なくとも2つのモードのうち1つ以上を検出する工程とを含み、本方法はさらに、結合定数を1つ以上の分路を用いて調整する工程を含む。
【0152】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第1の領域の体積は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3である。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第2の領域に配設された1つ以上の誘導結合ループは1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合され、少なくとも2つのモードの1つ以上を検出する。
【0153】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブは、第1の領域に配設された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4mないし上限約10
−1m離れた第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。第1の領域の体積は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3である。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第2の領域に配設された1つ以上の誘導結合ループが1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合され、少なくとも2つのモードの1つ以上を検出する。第2の領域の体積は第1の領域の体積の下限約10
1ないし上限約10
2倍である。
【0154】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程、および第1の体積の外側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程を含む。第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の誘導結合ループの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。
【0155】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程、および第1の体積の外側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程を含む。第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の誘導結合ループの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。本方法はさらに、1つ以上の共鳴器を備えて、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つが1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する工程を含む。
【0156】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程、および第1の体積の外側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程を含む。第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の誘導結合ループの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。本方法はさらに、1つ以上の誘導結合ループの抵抗を50オームの同軸ケーブルに適合させる工程を含む。
【0157】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程、第1の体積の外側の、一次インダクタコイルに電気接続された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程、および第1の体積の外側に配設され、1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程を含む。第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の誘導結合ループの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。本方法はさらに、第1の領域において、1つ以上の三次インダクタコイルを含む1つ以上の三次回路の位置調整を行う工程を含む。
【0158】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブのサンプルコイルの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルおよびコンデンサを備えた一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積から第1の距離だけ離れている、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割して、第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の二次インダクタコイルの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。
【0159】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブのサンプルコイルの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルおよびコンデンサを備えた一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積から第1の距離だけ離れている、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割して、第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の二次インダクタコイルの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。本方法はさらに、第1の体積の外側において1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程を含む。
【0160】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブのサンプルコイルの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルおよびコンデンサを備えた一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積から第1の距離だけ離れている、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割して、第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の二次インダクタコイルの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。本方法はさらに、第1の体積の外側において1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合された1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行う工程を含み、1つ以上の誘導結合ループの抵抗を50オームの同軸ケーブルに適合させる。
【0161】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブのサンプルコイルの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルおよびコンデンサを備えた一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積から第1の距離だけ離れている、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割して、第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の二次インダクタコイルの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。第1の距離は下限約10
−4mないし上限約10
−2mの間である。
【0162】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)プローブのサンプルコイルの体積を縮小する方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルおよびコンデンサを備えた一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積から第1の距離だけ離れている、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合される。1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割して、第1の体積の外側の1つ以上の二次回路および1つ以上の二次インダクタコイルの一方または両方の位置調整を行うことにより、第1の体積を縮小する。第1の体積は下限約10
−9m
3ないし上限約10
−1m
3である。
【0163】
本発明の別の実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号のRFの不均一性を最小限に抑える方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側に第1の距離を隔てて配された、1つ以上の誘導結合ループに誘導結合された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行うことにより、一次共鳴モードのRF不均一性を最小限に抑える。
【0164】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号のRFの不均一性を最小限に抑える方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側に第1の距離を隔てて配された、1つ以上の誘導結合ループに誘導結合された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続される。1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行うことにより、一次共鳴モードのRF不均一性を最小限に抑える。本方法はさらに、1つ以上の二次インダクタコイルの少なくとも1つを1つ以上の共鳴器に結合させ、1つ以上の共鳴器が一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する工程を含む。
【0165】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号のRFの不均一性を最小限に抑える方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側に第1の距離だけ離れて配された、1つ以上の誘導結合ループに誘導結合された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行うことにより、一次共鳴モードのRF不均一性を最小限に抑える。本方法はさらに、並列するインダクタおよびコンデンサを含む共鳴器の調整を含む。共鳴器は高周波ブロックとして働き、高周波ブロックは一次インダクタコイルの共鳴周波数と重ならない。
【0166】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号のRFの不均一性を最小限に抑える方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側に第1の距離だけ離れて配された、1つ以上の誘導結合ループに誘導結合された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行うことにより、一次共鳴モードのRF不均一性を最小限に抑える。第1の距離は下限約10
−4mないし上限約10
−2mである。
【0167】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴(NMR)信号のRFの不均一性を最小限に抑える方法は、NMRプローブの第1の体積内の、一次共鳴モードで共鳴する一次インダクタコイルを含む一次回路の位置調整を行う工程と、第1の体積の外側に第1の距離だけ離れて配された、1つ以上の誘導結合ループに誘導結合された1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路の位置調整を行う工程とを含む。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続され、1つ以上の誘導結合ループの位置調整を行うことにより、一次共鳴モードのRF不均一性を最小限に抑える。本方法はさらに、第1の体積を下限約10
−9m
3ないし上限約10
−3m
3の間で調整することを含む。
【0168】
本発明の一実施例において、核磁気共鳴プローブは、第1の領域に配置された、一次共鳴モードを有する一次インダクタコイルを含む一次回路と、第1の領域から下限約10
−4m〜上限約10
−2m離れた第2の領域に配設された、1つ以上の二次インダクタコイルを含む1つ以上の二次回路とを備える。1つ以上の二次インダクタコイルは一次インダクタコイルに電気接続される。1つ以上のインダクタコイルの少なくとも1つは1つ以上の共鳴器に結合され、1つ以上の共鳴器は一次共鳴モードを少なくとも2つのモードに分割する。第2の領域に配設された1つ以上の誘導結合ループは1つ以上の二次インダクタコイルに誘導結合されることにより、少なくとも2つのモードが検出される。
【0169】
上述の構想は、液体状および固体状のサンプルNMRプローブのどちらの構成においても利用可能である。また、電子スピン共鳴、磁気共鳴断層撮影、油井検層を含む地質学的研究、および磁気共鳴断層撮影医療機器で使用される磁気共鳴回路に応用することも可能である。本発明の教示に応じてこれらの磁気共鳴の用途をどのように変更するかは、当業者であれば理解の及ぶところであろう。
【0170】
システム、方法および装置は説明の例として示したものであり、また、いくつかの例についてきわめて詳細に述べてきたが、出願人の発明を限定するものではなく、あるいは本願特許請求の範囲を何らかの形でこれらの記載に限定するものではない。当然のことながら、本明細書に示すシステム、方法および装置の詳細な説明を目的として、構成要素または方法の考え得るすべての組み合わせについて述べることは不可能である。また、当業者であれば、容易に他の利点および改良例を考え付くであろう。よって、本発明は、そのより広い態様において、特定の詳細な説明、典型的なシステム、方法または装置、および図示および説明した実例に限定するものではない。したがって、出願人の一般的な発明の概念の意図または範囲から逸脱することなく、詳細な説明を展開することもできよう。このように、本願は、本願特許請求の範囲内で、代替形態、変更形態および変形形態を包含することを意図している。また、上記記載は本発明の範囲を限定するものでなく、むしろ、発明の範囲は、本願特許請求の範囲およびそれに相当するものによって特定される。任意の複同調回路において、モードの数は少なくともインダクタと同じ数だけ設けられる。