特許第6588704号(P6588704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6588704工具刃先の検出方法及び装置並びに工具補正値の設定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588704
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】工具刃先の検出方法及び装置並びに工具補正値の設定装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/24 20060101AFI20191001BHJP
   G05B 19/19 20060101ALI20191001BHJP
   G05B 19/4155 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   B23Q17/24 B
   G05B19/19 H
   G05B19/4155 S
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-6088(P2015-6088)
(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公開番号】特開2016-132039(P2016-132039A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2017年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000212566
【氏名又は名称】中村留精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078673
【弁理士】
【氏名又は名称】西 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】西村 尚貢
【審査官】 久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−148219(JP,A)
【文献】 特開2012−091268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/24
G05B 19/19
G05B 19/4155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械が備える刃物台の位置精度と同程度の精度で当該工作機械の機内の定位置に設置された一個のカメラと、
当該カメラで前記刃物台に装着された検出対象となる一の工具の第1画像と第2画像とを取得する画像取得手段と、
前記カメラが取得した第1画像と第2画像のそれぞれから当該工具の刃先の位置を取得する刃先検出手段と、
刃先検出手段が前記第1画像から取得した刃先の位置と前記カメラの視野の中心とが一致するように前記刃物台を移動させる補正移動手段と、
当該移動させた後で前記カメラが取得した前記第2画像から取得した刃先の位置と当該第2画像を取得したときの前記刃物台の位置とから工具補正値を演算して、工具補正値メモリに登録する工具補正値設定手段とを備えている、工作機械における工具刃先の検出装置。
【請求項2】
前記一個のカメラが光学ズーム機能を備えたカメラであり、前記画像取得手段が、当該カメラをズームアップした後で再度画像を取得する、請求項1記載の工具刃先の検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の工具刃先の検出装置と、当該装置が取得した刃先位置と画像取得手段が正規画像を取得した時の刃物台の基準位置とから、直交2軸方向の工具補正値を演算して制御器に設定する前記工具補正値設定手段を備えている、工作機械の工具補正値の自動設定装置。
【請求項4】
工作機械が備える刃物台の位置精度と同程度の精度で当該工作機械の機内定位置に一個のカメラを設置し、このカメラで刃物台に装着された検出対象となる一の工具の第1画像を取得し、カメラが取得した前記第1画像から当該工具の刃先の位置を検出し、検出した刃先の位置と前記画像を取得したときの前記刃物台の位置から当該刃先が前記カメラの光軸上に位置するように刃物台を補正移動し、前記カメラで前記工具の第2画像を取得し、この第2画像から刃先位置を検出してそのデータを出力する、工作機械における工具刃先の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2次元平面上を移動する刃物台を備えた工作機械において、当該刃物台に装着した工具の刃先を検出する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械で加工されるワークの形状は、工具の刃先とワークの相対位置関係によって決定される。制御器が制御しているのは刃物台の位置であるから、ワークを正確な形状に加工するには、当該ワークの加工に使用される全ての工具について、刃先の位置と刃物台の基準位置(制御器が認識している位置、通常は工具取付ステーション17の中心)とを予め制御器に設定しておく必要がある。
【0003】
そこで、刃物台や工具マガジンに工具を装着したときに、オペレータが刃物台の基準位置と工具の刃先との位置関係(工具補正値、工具オフセット値とも言う。)及び刃先の形状ないし工具の種類を制御器に登録し、それらの登録番号を加工プログラムで指定することにより工具を指定してワークの加工を行っている。
【0004】
例えば、タレット旋盤のタレットに新たな工具を装着したとき、オペレータは工具の種類とその工具を装着した工具取付ステーションの番号を入力して、工具補正値の設定作業を行う。工具補正値の設定は、予め定められた位置に工具の刃先を検出するセンサを備えたツールセッタを設置し、刃物台に工具を装着した後、刃物台を移動して工具の刃先を検出センサで検出し、その検出信号を受けたときの刃物台の位置に基づいて工具補正値を求めることによって行われている。
【0005】
また、加工プログラムに記述された手順に従ってワークの加工を行うNC旋盤では、加工プログラムが正しく記述されているかどうかを検査するために、NC装置に内蔵したコンピュータの仮想空間で加工プログラムの動作をチェックすることが行われている。このとき移動する刃物台や工具がワークや当該ワークを把持しているチャック、あるいは待機している他の刃物台やワークの排出装置などに衝突(干渉)しないことを確認する干渉チェックを行うことも多い。
【0006】
干渉チェックを行うには、互いに干渉するおそれのある部材について、それらの形状を予めコンピュータに登録しておく必要がある。従って、このような干渉チェックプログラムを備えた工作機械では、刃物台に新たに工具を装着する毎に、その工具の形状、特に他の部材との干渉が生じやすい工具の刃先の位置と形状とをその都度コンピュータに登録する必要がある。
【0007】
複雑な形状のワークの加工を可能にした工作機械では、刃物台に多数の工具が装着されるので、その多数の工具のそれぞれについて、前述した工具補正値の設定や工具形状の登録を人手により行うには多数の時間がかかり、登録ミスによる工具の破損事故なども発生するので、オペレータの作業負担が大きいという問題がある。
【0008】
この問題を解決するために、工作機械の機内に設置したカメラで工具を撮影し、その画像を解析することによって、工具補正値の設定や工具形状の登録を自動化することが考えられる。例えば特許文献1には、マシニングセンタの回転工具について、工具の周速が過大になって遠心力によりチップが飛散するのを防止するために、機内に設置したカメラの画像から工具の外径を演算して、当該工具を装着した工具軸の回転数を制限する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−24880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
カメラで工具の刃先の形状や位置を検出する場合、その前提として、カメラの画像に検出対象となる工具の刃先が写っている必要がある。回転工具の径を検出する場合は、工具の中心が当該工具を装着した工具軸の位置にあるので、当該工具軸の工具装着端を定位置に設置したカメラの光軸上に移動して撮影を行えば良い。
【0011】
しかし、旋盤のタレット刃物台などでは、装着される工具の方向が工具とタレットとの間に介装される工具ホルダの種類(ストレートホルダかアングルホルダか)によって異なり、外径バイトのように刃先までの距離が短い工具やボーリングバイトのように刃先までの距離が長い工具があるので、全ての工具の刃先が写るように、カメラの撮影領域を広くしなければならず、刃先が撮影領域の周辺部になって刃先が斜め方向から撮影されるために、工具の刃先がチップホルダ(バイトのシャンクなど)の陰になって刃先の位置や形状を正確に検出できないという問題が起こる。
【0012】
また、カメラが取得した画面のどこに刃先が写っているか分からないので、刃先の位置や形状を検出する際に高度の画像処理が必要になり、画像処理によって刃先の正確な位置や形状を取得することが困難になるという問題がある。
【0013】
この発明は、このような問題を解決して、刃物台に装着されている各種の工具の刃先を正確に検出することができる技術手段を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、工具2を装着した刃物台15を予め定めた定位置(撮影基準位置)に移動してカメラ4の画像(第1画像)E1を取得し、第1画像E1から得られた刃先21の位置がカメラ4の視野の中心(光軸)cから離れているときには、自動で工具の刃先21がカメラの視野の中心cに来るように刃物台15を移動(補正移動)し、好ましくはズームアップして、刃先21が視野の中心cにある第2画像(以下、「正規画像」と言う。)E2を取得し、取得した正規画像E2についての画像解析により、当該刃先21の位置や形状を検出することによって、上記課題を解決したものである。
【0015】
正規画像E2の刃先21の位置と正規画像E2を取得したときの刃物台15の位置から、工具補正値を演算することができる。また、工具の刃先21の形状から工具の種類や干渉チェックで使用する工具形状を取得することができる。
【0016】
工具の種類によって刃物台の基準位置から工具の刃先21までの距離や方向が異なるため、第1画像E1を取得するときには、刃物台15にどのような工具が装着されていても、その刃先がカメラ4の視野に入るように、カメラ4の視野を広くしなければならない。一方、正規画像E2を取得するときは、工具の刃先21が視野の中心に位置するので、視野を狭くすることができる。
【0017】
従って、カメラ4として光学ズーム機能を備えたカメラを用い、正規画像E2を取得するときはズームアップ、すなわち視野を狭くした状態で正規画像を取得することにより、高解像度の画像を得ることができ、より正確に刃先21の位置や形状を検出することができる。
【0018】
機内のカメラ4で工具を撮影した画像には、工具の像の他に、工具と同様な金属光沢を有するベッドの上面や当該上面を保護する保護カバーなどが背景として写っている。これらの背景は、工具と同様な金属光沢を有するので、その画像から工具の像を抽出するには、高度な画像解析技術が必要である。
【0019】
この問題は、カメラの撮影領域から工具や刃物台を退避させた状態で撮影を行うことによって背景画像を取得し、工具が写っている画像と背景画像との差分和を取ることによって背景を消去することができる。背景画像は、予め撮影した画像を記憶しておいてもよいが、ベッド上面に切屑が付いていたり、外光の変化によって光沢面が異なる位置となることも考えられるので、工具をカメラの撮影領域に移動する前にその都度取得する方が、より正確な背景画像を得ることができる。
【0020】
刃物台15がタレット刃物台であると、上記のようにして背景の部材を消去しても、得られた画像には対象工具(検出対象となる工具)の像以外に隣接する工具(隣接工具)の像が写っており、一般的な構造のタレットでは、カメラから見た検出工具の前後に隣接工具が装着されているので、得られた画像には、隣接工具が対象工具に重なり合った状態で写ることもある。この隣接工具の像は、カメラの焦点から外れていわゆるピンぼけ状態で写るので、検出される工具の輪郭部における画素の輝度変化で検出して消去することができる。
【0021】
このようにし正規画像E2から検出した工具の刃先21の位置や形状と、正規画像E2を取得したときの刃物台15の位置から、工具補正値を演算することができる。また、取得した工具の画像から求めた工具形状を干渉チェックプログラムで使用する工具の形状データとすることができる。従って、面倒な工具補正値の設定作業や干渉チェックプログラムへの工具形状データの入力作業を自動化することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明の工具刃先の検出装置は、予め定めた定位置で撮影した画像で検出対象となる工具の刃先がカメラの視野中心から離れているときに自動で工具の刃先の位置をカメラの視野中心に移動して、再度撮影する。従って、種々の工具に対し、検出対象となる工具の刃先が視野の中心に位置している画像が得られる。
【0023】
そのため、検出対象となる刃先がチップホルダなどの陰になって写っていないために検出不能になったり、誤検出したりするおそれがない。また、刃先の形状が正確に撮影されるので、正確に工具刃先位置や工具形状を計測できるという効果がある。
【0024】
更に、工具の画像を取得するときにオペレータが工具の刃先の位置を指定する必要もなくなるので、工具補正値の設定や工具形状の入力時のオペレータの作業負担も大幅に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】NCタレット旋盤のブロック図
図2】第1画像と補正移動後の画像の例を示す図
図3】ズームアップした正規画像と刃先検出の説明図
図4】背景消去手順の例を示す図
図5】工具形状検出の具体例を示す図
図6】刃先検出プログラムのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、基本的な構造のNCタレット旋盤を例にして、この発明の実施形態を説明する。NCタレット旋盤は、機械本体1と、制御器5とを備えている。機械本体1は、ベッドに固定の主軸台11に軸支された主軸12と、刃物台15とを備えている。主軸12の先端には、ワークを保持するチャック13が装着されている。
【0027】
刃物台15は、タレット16を備えたタレット刃物台で、タレット16にはそれぞれ複数の工具2が工具ホルダ3を介して装着されている。刃物台15は、制御器5からの指令により、主軸軸線aの方向であるZ軸方向と、これと直交して主軸軸線aに近接離隔する方向であるX軸方向とに移動位置決め自在である。タレット16の割出回転の中心が移動するZ−X平面がカメラ4の検出対象となる刃先が移動する平面(カメラ4の撮像面)である。
【0028】
刃物台15の移動領域の上方には、その移動平面(Z−X平面)と直交する方向に光軸を向けたカメラ4が設置されている。カメラ4は、刃物台15の位置と同程度の精度で、Z−X平面の上方の定位置に設置されている。
【0029】
制御器5は、刃先検出プログラム50、位置決め手段51、画像取得手段52、画像解析手段53、補正移動手段54、工具補正値設定手段55及び工具形状登録手段56を備えている。画像取得手段52は、背景消去手段521及び隣接工具消去手段522を備えている。画像解析手段53は、刃先検出手段531及び工具形状検出手段532を備えている。
【0030】
位置決め手段51は、位置決め指令を受けたときに、検出対象となる工具2が装着されている工具取付ステーション17を主軸軸線aに向く方向に割り出し、予め設定されている撮影基準位置に刃物台15を移動位置決めする。
【0031】
画像取得手段52は、撮影指令を受けたときに、カメラ4に撮影動作を行わせる。背景消去手段521は、図4に示すように、工具が写っている画像Aと写っていない背景画像Bの差分和をとることにより、背景が除去された刃物台及び工具のみの画像E(E1又はE2)を作成する。すなわち、工具2が写っている画像Aの輝度から背景画像Bの輝度を引いた差分画像Cと背景画像Bの輝度から画像Aの輝度を引いた差分画像Dとの両差分画像C、Dを合成して背景が除去された画像Eを取得する。
【0032】
隣接工具消去手段522は、背景が除去された画像Eに写っている画像の輪郭線のぼけの程度により、撮像面から外れた位置にある隣接工具の像を検出して消去する。これにより、対象工具、すなわちカメラ4の撮像面上にある工具のみが写っている画像を得ることができる。画像取得手段52は、上記の手順で取得した工具の画像を画像解析手段53に送る。
【0033】
画像解析手段53の刃先検出手段531は、画像取得手段52から送られて来た画像Eから、対象工具の刃先の位置を検出する。具体的には例えば、工具を撮影した図3に示す画像をX軸方向の走査線RでZ値を増加させながら走査し、工具2の像が検出された後、更にZ値を増加させながらXプラス側とXマイナス側から走査P、Qして、得られた多数の工具検出位置p1、p2、p3・・・、q1、q2、q3・・・の座標に最小二乗法を適用することにより、刃先を挟む2本の直線M、Nの方程式を求め、その交点を刃先21の位置とする。
【0034】
補正移動手段54は、検出された刃先21の位置がカメラ4の視野の中心に来るように刃物台15を補正移動し、カメラ4をズームアップする。
【0035】
工具形状検出手段532は、前述した刃先検出より細かいピッチの走査線で工具2の像の境界をプロットし、その多数の検出点から直線や円弧の式を求めることによって工具形状を検出する。
【0036】
工具補正値設定手段55は、画像解析手段53が検出したZ軸方向及びX軸方向の刃先の位置と正規画像を取得したときの刃物台15の位置とから、Z軸方向及びX軸方向の刃先の工具補正値を演算して、工具補正値メモリ57に登録する。工具形状登録手段56は、画像解析手段53が取得した工具形状データを干渉チェックプログラムが使用する工具形状としてNC装置に登録する。
【0037】
次に、図6のフローチャートを参照して、この発明の工具刃先検出方法を説明する。刃先検出プログラム50が実行されると、画像取得手段52は、刃物台15がカメラ4の視野の外にある状態で、背景画像Bを取得する。次に位置決め手段51が刃物台15を撮影基準位置に移動し、画像取得手段52がカメラ4で工具を含む画像Aを撮影して背景と隣接工具を消去した第1画像E1(図2(a))を取得する。
【0038】
刃先検出手段531で第1画像E1の刃先の位置が検出されると、補正移動手段54は、検出された刃先の位置がカメラの視野中心に位置するように刃物台15を移動させ、カメラ4をズームアップする。画像取得手段52は、背景と隣接工具の像を消去した正規画像E2を取得する。刃先が第1画像の視野中陰に位置しているときは(図2(b))、補正移動手段54は、カメラのズームアップのみを行い、画像取得手段52がカメラ4に撮影動作をさせて正規画像を取得する。
【0039】
画像解析手段の工具形状検出手段532は、Z軸方向及びX軸方向の走査線が工具2の像を検出した点をプロットすることによって、工具の形状及びZ軸方向及びX軸方向の工具刃先を検出する。検出された工具の形状は、干渉チェックプログラムに登録する当該工具の形状として用いることができ、また、Z軸方向及びX軸方向の工具の刃先位置と正規画像を撮影したときの刃物台の位置から、それぞれの軸方向の工具補正値を演算により求めることができる。
【0040】
そして、工具補正値設定手段55が、求めた工具補正値を制御器5の工具補正値メモリ57に登録する。また、工具形状登録手段56は、画像解析手段53が取得した工具形状を干渉チェックプログラムが使用する工具形状として制御器5のコンピュータに登録する。
【0041】
この発明によれば、工作機械の機内に設置したカメラで刃物台に装着した工具の刃先の位置や形状を正確に検出することができる。また、刃物台に装着されている工具の刃先の位置や形状を検出して工具補正値の設定や干渉チェックプログラムの工具形状の登録処理を全て自動で行うことができるので、オペレータの作業負担を大幅に軽減できると共に、オペレータの熟練も必要とせず、入力ミスによって機械を損傷するおそれもない。
【符号の説明】
【0042】
2 工具
4 カメラ
15 刃物台
21 刃先
E1 第1画像
E2 正規画像
c 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6