特許第6588765号(P6588765)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6588765
(24)【登録日】2019年9月20日
(45)【発行日】2019年10月9日
(54)【発明の名称】DNA吸着担体及びその利用方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/04 20060101AFI20191001BHJP
   C12N 15/00 20060101ALI20191001BHJP
   B01D 15/08 20060101ALI20191001BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20191001BHJP
   B01J 20/282 20060101ALI20191001BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20191001BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20191001BHJP
【FI】
   B01J20/04 B
   C12N15/00
   B01D15/08
   B01J20/34 G
   B01J20/282 C
   G01N30/88 D
   G01N30/26 A
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-157026(P2015-157026)
(22)【出願日】2015年8月7日
(65)【公開番号】特開2017-35651(P2017-35651A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】309010841
【氏名又は名称】学校法人 神野学園
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 章文
(72)【発明者】
【氏名】古川 彰
(72)【発明者】
【氏名】湊 健
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−512070(JP,A)
【文献】 特開2016−186036(JP,A)
【文献】 特表2006−509838(JP,A)
【文献】 米国特許第06645377(US,B1)
【文献】 特開平01−135792(JP,A)
【文献】 特開2005−283550(JP,A)
【文献】 特開2000−023668(JP,A)
【文献】 特開2013−003065(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/021037(WO,A1)
【文献】 米国特許第05296254(US,A)
【文献】 米国特許第05310548(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00− 20/34
B01L 1/00− 99/00
B04B 1/00− 15/12
C12M 1/00− 3/10
C12N 15/00− 15/90
C12Q 1/00− 3/00
B01D 15/00− 15/42
G01N 30/00− 30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロンチウムを含むアパタイト粒子を含み、ストロンチウムを含むアパタイト粒子が、通液性を有する繊維マトリックスに固定されているDNA吸着担体。
【請求項2】
液体採取用ピペットの吸液部内に設置される請求項に記載のDNA吸着担体。
【請求項3】
ストロンチウムを含むアパタイト粒子を含むDNA吸着担体を用いて、DNAを含む試料溶液からDNAを吸着分離し、濃度0.05〜0.3モル/Lでリン酸塩を含む水溶液を用いて吸着したDNAを脱着し、得られたDNAを含む水溶液を試料としてPCR法による核酸増幅に用いるDNA吸着担体の利用方法。
【請求項4】
請求項1に記載のDNA吸着担体を液体クロマトグラフィーの固定層として用いるDNA吸着担体の利用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれるDNAを効率的に分離し精製するために有効に用いることのできるDNA吸着担体とその利用方法に関する。特に、選択的にDNAを吸着し、かつ吸着したDNAを容易に脱着(溶出)することが可能なDNA吸着担体に関する。更に、PCR(polymerase chain reaction)法によるDNAの増幅に好適に利用することのできるDNA吸着担体とその利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞からDNAを分離する方法として従来から広く用いられる方法として、最初に細胞壁を界面活性剤やタンパク質分解酵素、あるいはアルカリなどの薬品を用いて分解し、次いでフェノール・クロロホルム処理によりタンパク質を除去後、アルコールを添加してDNAを沈殿回収する方法が用いられる。こうした方法では、試料中に含まれるDNAの量が十分多く、試料中に例えば100μgから数mg程度のオーダーで含まれている場合には回収が可能であるが、これ以下の濃度で含まれている場合には回収が困難であり、更にはこうした方法では、定量性をもってDNAを回収する必要がある場合に問題があった。加えて、操作方法において健康上及び環境上極めて有害なフェノール及びクロロホルムを使用すること自体が問題であり、取り扱い上、作業環境中における有機溶剤の吸入や皮膚への接触を防止する方策が必須であり、また発生する有機廃液の処理や保管についても問題があった。
【0003】
上記の問題を解決するための手段として、例えば非特許文献1に示されるように、ヒドロキシアパタイト粒子を吸着剤として用い、細胞壁を溶解してDNAを遊離した試料溶液にヒドロキシアパタイト粒子を加えることでDNAをこれに吸着させ、DNAを吸着したヒドロキシアパタイト粒子を試料溶液から分離することで、DNAを選択的に試料溶液から分離する方法が知られている。しかしながら、こうした方法ではヒドロキシアパタイト表面にDNAが強固に吸着するため、試料溶液からDNAを吸着によって分離した後に、DNAをヒドロキシアパタイト粒子表面から脱着させることが困難であり、そのため0.5モル/L前後の高濃度のリン酸ナトリウム水溶液を用いてDNAを脱着させる必要があった。こうした方法で単離されたDNAを含む水溶液は高濃度でリン酸ナトリウムなどの無機物を含有するため、そのままではPCR法に利用することができず、無機物濃度を低下させる目的で、例えば透析などでリン酸ナトリウムなどの低分子の無機物を取り除く必要があり、その過程でDNAの切断や変性が生じる問題があった。
【0004】
これに対して、例えば特開平7−143879号公報(特許文献1)には、ヒドロキシアパタイトに吸着したDNAを脱着する方法として、尿素を添加したリン酸ナトリウムで洗浄し、その後極めて高濃度のリン酸アンモニウム水溶液を用いてDNAを脱着させた後に、アルコールを用いてDNAを沈殿回収する方法も示されている。この場合、DNA分子を溶解したリン酸アンモニウム水溶液中のリン酸アンモニウムは、アルコールに沈殿しないことからDNAのみを沈殿回収することが可能であるが、やはり微量のDNAを分離精製し、定量的に回収することは困難であった。また特開平10−155481号公報(特許文献2)、特開平11−92494号公報(特許文献3)、特開2000−23668号公報(特許文献4)、特開2007−238479号公報(特許文献5)等にも、ヒドロキシアパタイトに吸着したDNAを脱着する方法が記載されているが、これらにおいても、表面にDNAが強固に吸着するヒドロキシアパタイトを用いる方法であるため、微量のDNAを分離精製し、定量的に回収することは困難であった。
【0005】
更には、通常ヒドロキシアパタイトはDNAだけでなく、様々なタンパク質に対しても相互作用を及ぼし、これらを強く吸着することが知られている。通常DNAを分離しようとする検体中には、DNAのみならず様々なタンパク質や糖類が存在し、これらがヒドロキシアパタイト粒子に競争的に吸着するため、DNAを選択的に吸着させ、これを分離精製することは困難である場合があった。
【0006】
上記のようにタンパク質などの様々な夾雑物を含有する検体試料中から微量のDNAを担体に吸着させて定量的に分離回収し、精製した後にこれを担体から脱着して得られたDNAは、通常PCR法等により増幅され、同定又は解析される。例えばDNAの増幅による同定を行うPCR法の具体的な用途として、各種臨床診断への応用が挙げられる。例えば各種細菌やウィルスの保有するDNAを同定することで、対象者がこれら細菌やウィルスに感染しているか否かの診断に利用することができる。特に近年リアルタイムPCR法の普及により、より迅速かつ正確に臨床診断が下されるようになり、例として、鳥インフルエンザ感染や各種ヘルペスウィルス感染の診断、麻疹の臨床診断、更に結核感染の診断法として既に広く普及している。これらのうちでも特に結核感染検査法としてリアルタイムPCR法を用いた検査方法(例えば非特許文献2)が保険適用されており、このようなリアルタイムPCR法やこれ以外にもTMA(transcription mediated amplification)法、TRC(transcription reverse transcription concerted reaction)法などの方法も含めた核酸増幅法は国内で年間100万件程度の検査が行われている。リアルタイムPCR法を用いる結核感染検査法として、具体的には、喀痰2mLを被験者から採取し、喀痰溶解剤を用いて、喀痰中に含まれる結核菌の細胞壁を溶解し均質化した後、前述したフェノール・クロロホルム処理でタンパク質を除き、次いでアルコール中にDNAを析出させて分離する方法が用いられる。こうした方法では、結核菌を4〜8週間かけて培養し同定していたかつての標準方法と比較すると飛躍的に検査時間が短縮されてはいるものの、それでも検査に要する所要日数は3〜5日間と依然長期間を要するのが現状である。リアルタイムPCR法自体は数時間程度で完了するため、こうした長期間の検査は、もっぱら検体からのDNAの分離精製に手間がかかることに起因している。
【0007】
近年国内のみならず国際的にも、結核感染の有無に関し、迅速かつ見落としのない正確性をもって診断検査を行う必要性が改めて認識されており、国内外を問わず結核感染撲滅対策が精力的に施策されているにもかかわらず、現実的には一向に感染数が減少しないのが現状である。このため、感染拡大を防止するには一刻も早い診断検査法の確立と、検査精度の向上が必須であることは言うまでもない。
【0008】
結核の最も重篤な病態の一つに結核性髄膜炎が挙げられる。この場合、初期には髄液所見が結核に典型的でない事例が多く、検出感度や検査に要する時間の長さに問題のある代表的な事例の一つに挙げられる。これに対する改良法として、近年、2組のプライマーペアを利用した2段階のPCR法を利用する高感度のNested PCR法が開発されている。例えば非特許文献3には、高感度Nested PCR法と迅速リアルタイムPCR法を組み合わせた新たな臨床検査方法が示されている。しかしながら、この場合においても検体からのDNAの分離精製方法は従来からの常法が用いられており、この部分における改良が必要であるのが現状である。
【0009】
また最近、LAMP(loop−mediated isothermal amplification)法という、PCR法のような装置を用いることなく簡便にDNAを増幅する方式が開発され、比較的安価に結核やマイコプラズマなどの感染に対する診断検査に用いられている。この方法は、溶菌後に溶出したDNAをそれ以外の夾雑物と分離するため、夾雑物に対する吸着剤を含んだチューブに検体を加えてDNAを精製して用いる方法で、DNAを比較的高純度に含む場合においてその増幅を有効に行うことのできる方法である。こうしたLAMP法は、検体に標的とするDNAが含まれているか否かを定性的に判定することを主たる目的とし、定量性がないため、検出感度限界付近にあるDNA濃度で検体中に含まれる場合、時として誤って陰性の判定が下される可能性が指摘される。このLAMP法を利用する場合においても、検体中に含まれる微量のDNAを効率よく高純度に分離精製する方法が望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−143879号公報
【特許文献2】特開平10−155481号公報
【特許文献3】特開平11−92494号公報
【特許文献4】特開2000−23668号公報
【特許文献5】特開2007−238479号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Britten, R.J. et al. Carnegie Inst. Wash. Yearbook 68, 400(1970)
【非特許文献2】楠ら、「感染症学雑誌」、66巻、12号、1682−1691、(1992)
【非特許文献3】高橋ら、「臨床神経」、53巻、1187−1190、(2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、試料中に含まれるDNAを効率的に分離し精製するために有効に用いることのできるDNA吸着担体とその利用方法を与えることを課題とする。特に、選択的にDNAを吸着し、かつ吸着したDNAを容易に脱着することが可能なDNA吸着担体及び、PCR法によるDNAの増幅に好適に利用することのできるDNA吸着担体とその利用方法を与えることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した本発明の課題は、下記1〜5に示す手段により本質的には解決される。
1.ストロンチウムを含むアパタイト粒子を含むDNA吸着担体。
2.ストロンチウムを含むアパタイト粒子が、通液性を有する繊維マトリックスに固定されている上記1に記載のDNA吸着担体。
3.液体採取用ピペットの吸液部内に設置される上記1または2に記載のDNA吸着担体。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載のDNA吸着担体を用いて、DNAを含む試料溶液からDNAを吸着分離し、濃度0.05〜0.3モル/Lでリン酸塩を含む水溶液を用いて吸着したDNAを脱着し、得られたDNAを含む水溶液を試料としてPCR法による核酸増幅に用いるDNA吸着担体の利用方法。
5.上記1に記載のDNA吸着担体を液体クロマトグラフィーの固定層として用いるDNA吸着担体の利用方法。
【発明の効果】
【0014】
試料中に含まれるDNAを効率的に分離し精製するために有効に用いることのできるDNA吸着担体とその利用方法が与えられる。特に、選択的にDNAを吸着し、かつ吸着したDNAを容易に脱着することが可能なDNA吸着担体を与え、更に、PCR法によるDNAの増幅に好適に利用することのできるDNA吸着担体とその利用方法が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】比較例1において、ストロンチウムを含まないアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャート。
図2】実施例1において、カルシウムを含まずストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャート。
図3】実施例2において、カルシウムとストロンチウムを1:4のモル比で含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャート。
図4】実施例3において、カルシウムとストロンチウムを1:1のモル比で含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャート。
図5】実施例4において、カルシウムとストロンチウムを4:1のモル比で含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャート。
図6】比較例2において、市販のヒドロキシアパタイトを用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャート。
図7】実施例7において、段階的に希釈した濃度でBCG菌を含む試料から分離したBCG菌DNAをリアルタイムPCR法で増幅を行った際の、サイクル数に対する蛍光強度の増加の様子。
図8】比較例3において、段階的に希釈した濃度でBCG菌を含む試料から分離したBCG菌DNAをリアルタイムPCR法で増幅を行った際の、サイクル数に対する蛍光強度の増加の様子。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のDNA吸着担体は、ストロンチウムを含むアパタイト粒子を含む。
本発明は、DNA吸着担体としてストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いることで、各種DNAを選択的に効率よく吸着するとともに、吸着したDNAを比較的低濃度のリン酸塩を含む水溶液を用いて吸着担体から脱着することができることを見出したことにより成された。すなわち、本発明者らは、ストロンチウムを含むアパタイト粒子がタンパク質よりもDNAを優先的に吸着し、かつ吸着したDNAが、後述するように比較的低濃度のリン酸塩水溶液を用いることで容易に該アパタイト粒子から脱着することを見出した。このことは、ストロンチウムを含むアパタイト粒子に対するDNAの吸着が穏和な状態で維持されており、これに対して、該アパタイト粒子のタンパク質に対する吸着力が、DNAと比べて更にいっそう弱いことを意味している。具体的な吸着や脱着に関する条件については後述する実施例の中で詳しく説明する。
【0017】
本発明においてストロンチウムを含むアパタイト粒子とは、一般式Ca10−xSr(PO6−y(COにおいて、xが1〜10の範囲の任意の実数を表し、yが0〜2の範囲の任意の実数を表し、Xが水酸基またはハロゲン基である化合物からなる固体粒子を意味する。xが1未満である場合には、ストロンチウムを含む効果が顕著でなくなり、本発明の効果が認められない場合がある。また、本発明において用いることのできるストロンチウムを含むアパタイト粒子には炭酸イオンがリン酸イオンと置換する形で含まれるストロンチウムを含む炭酸アパタイトの粒子も好ましく用いることができ、この場合、式中においてyの値は0<y≦2の範囲の任意の数値をとることが好ましい。yが2を超える場合には、炭酸ストロンチウムの形で不純物が含まれる場合があり、こうした場合にはDNAを選択的に吸着する性質が認められない場合がある。xは、好ましくは7〜10である。
【0018】
本発明において用いることのできるストロンチウムを含むアパタイト粒子の合成方法については従来から知られている種々の合成方法を利用することが可能であり、例えば特開2014−180491号公報、特開2015−086081号公報、特開2015−086082号公報、特開2015−086084号公報、特開2015−086097号公報、特開2015−093825号公報などに開示される合成方法を利用して得られる各種ストロンチウムを含むアパタイト粒子を本発明に利用することが最も好ましい。
【0019】
本発明で用いることのできるストロンチウムを含むアパタイト粒子として、特開2015−086081号公報、特開2015−086082号公報、特開2015−086084号公報、特開2015−086097号公報などに記載される炭酸イオンを含む炭酸ストロンチウムアパタイトの粒子も好ましく用いることができる。あるいは、特開2015−093825号公報等に記載されるようなストロンチウムを含むフッ素アパタイト粒子を用いることも好ましく行われる。
【0020】
本発明においてストロンチウムを含むアパタイト粒子の大きさに関しては特に制限はないが、体積平均粒子径で10μmを超える場合には、顆粒状粒子としてこれをDNA吸着担体としてそのまま利用することも好ましく行うことができる。更にこれを液体クロマトグラフィーの固定層として用いることも好ましい。例えば、カラムに充填してカラムクロマトグラフィーの充填剤として利用することで、試料溶液からDNAを吸着分離するために利用することも好ましく行うことができる。
ストロンチウムを含むアパタイト粒子の体積平均粒子径の上限は特に限定されないが、例えば、1000μm以下であることが好ましい。なお本発明において、ストロンチウムを含むアパタイト粒子の体積平均粒子径は、光回折法又は光散乱法により測定される。
【0021】
ストロンチウムを含むアパタイト粒子の大きさとして体積平均粒子径が10μm以下である場合にはこれを微粉体として繊維マトリックスに担持させて用いることも好ましく行うことができる。ここで繊維マトリックスとは、ポリエステル繊維、ナイロン繊維などの各種プラスチック繊維や、木綿、綿花などの天然繊維、あるいは、ガラス繊維や金属繊維などの繊維の集合体で構成されるシート状、綿状、布状、帯状、紐状、袋状などの形状を有する3次元マトリックスが挙げられる。繊維マトリックスは、通液性を有することが好ましい。繊維マトリックスに微粉体である該アパタイト粒子が担持されていると、これにDNAを含む試料溶液を通液する際に、担持されている微粉体である該アパタイト粒子にDNAが吸着保持されることで、試料溶液からDNAを分離することが可能となる。この場合、該アパタイト粒子は繊維マトリックスから脱離しないように固定されていることが好ましい。
本発明においては、ストロンチウムを含むアパタイト粒子が、通液性を有する繊維マトリックスに固定されていることが好ましい。
【0022】
繊維マトリックスとして各種繊維から構成されるシート状、綿状、布状、帯状、紐状、袋状などの形状を有する3次元マトリックスの具体的な例として、各種不織布や濾布、綿等の通液性の良好な繊維基材を利用することが好ましい。また、繊維マトリックスを構成する繊維の繊維径としては1〜50μmの範囲にあることが好ましい。繊維マトリックスは、目付が平米当たり1〜200gの範囲にあるものが好ましい。
【0023】
本発明において繊維マトリックスに固定されるストロンチウムを含むアパタイト粒子の量には好ましい範囲が存在する。繊維マトリックスの単位面積あたりに固定される該アパタイト粒子の固形分量を以て表した場合、単位平方メートル当たり0.1〜50gの範囲にある場合が好ましく、0.5〜40gの範囲にある場合がより好ましい。単位平方メートル当たり0.1gを下回る量で該アパタイト粒子を繊維マトリックスに固定した場合、検体試料溶液からDNAを吸着し分離する際に、単位面積あたり吸着されるDNAの量が少なく、分離担体としての効率や利便性が低下する場合がある。あるいは、逆に単位平方メートル当たり50gを上回る量で該アパタイト粒子を繊維マトリックスに固定した場合、繊維マトリックスを構成する各繊維の間隙を該アパタイト粒子が埋めることで通液性が低下し、試料溶液が通液せず、DNAの回収に支障を来す場合がある。
【0024】
ストロンチウムを含むアパタイト粒子を繊維マトリックスに固定する方法として、例えば種々のバインダーを利用して繊維表面に該アパタイト粒子を接着する方法が好ましく利用される。特に、用いる該アパタイト粒子の大きさが体積平均粒子径で1μm以下である場合には、種々のバインダーを利用して繊維マトリックスを構成する繊維表面に接着することが極めて好ましい。こうした目的で利用可能であるバインダーとして、種々のアクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの疎水性ポリマーや、あるいはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性合成樹脂や、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系樹脂を好ましく用いることができる。特に各種水溶性樹脂をバインダーに利用する場合には、これを耐水化することで、該アパタイト粒子を繊維マトリックスに耐水固定化することが好ましい。耐水化を付与するために用いることのできる耐水化剤として、各種エポキシ系架橋剤やイソシアネート系架橋剤を各種水溶性樹脂とともに用いることを好ましく行うことができる。
【0025】
上記において、ストロンチウムを含むアパタイト粒子に対してバインダーを用いてこれを繊維マトリックスに固定する場合、該アパタイト粒子に対するバインダーの比率に好ましい範囲が存在する。好ましくは、ストロンチウムを含むアパタイト粒子に対してバインダーを10〜100質量%用いる。該アパタイト粒子に対してバインダーを10質量%未満で用いた場合には、バインダーを用いた効果が現れにくく、繊維マトリックスから該アパタイト粒子が脱落する場合がある。あるいは、該アパタイト粒子に対してバインダーを100質量%を超える範囲で用いた場合には、該アパタイト粒子の表面がバインダーで被覆されることからDNAの吸着が阻害され、本発明の効果が認められない場合がある。
【0026】
本発明において、ストロンチウムを含むアパタイト粒子は、体積平均粒子径が1μm以下である微粒子として用いることがより好ましい。該アパタイト粒子の粒子径が減少するに伴い、該アパタイト粒子の表面積が飛躍的に増大することから、該アパタイト粒子単位重量あたりに吸着保持できるDNAの量が格段に増大することからきわめて好ましく利用することができる。ストロンチウムを含むアパタイト粒子の体積平均粒子径の下限は、例えば、50nm以上であることが好ましい。これよりストロンチウムを含むアパタイト粒子の粒子径が小さい場合は、DNA吸着後に、溶液から粒子を遠心分離などの方法で分離することが困難となる場合がある。
【0027】
前述した各種合成方法を用いて得られるストロンチウムを含むアパタイト粒子は、これにボールミルなどを利用する乾式粉砕処理を施すことで、体積平均粒子径が10μm以下の微粉体、もしくは体積平均粒子径が1μm以下である微粒子に加工することが可能である。あるいは、水中もしくは各種有機溶剤中において各種メディアミル装置を利用した湿式分散処理を施すことで、体積平均粒子径が10μm以下の微粉体、もしくは体積平均粒子径が1μm以下である微粒子に加工することも好ましく利用することができる。
【0028】
本発明においてメディアミル装置を利用した上記の湿式分散処理とは、具体的には、水もしくは各種有機溶剤中にストロンチウムを含むアパタイト粒子を添加し、これに、分散処理用のメディアとしてガラスビーズやアルミナビーズ、その他のセラミックビーズ等を加えて振盪や撹拌を行い、該アパタイト粒子と該ビーズが機械的に衝突し、微粉砕されることであって、このように該アパタイト粒子の湿式分散処理を行う方法が好ましい。メディアを含まないで例えば超音波照射下で湿式分散処理を行った場合には、分散が十分に進行せず、粒子径が10μmを超える粗大粒子が混在するため、該アパタイト粒子を性状が整った微粉体もしくは微粒子として利用したい場合に支障を来す場合がある。あるいは、ホモジナイザーなどの高速撹拌装置を使用した場合でも、同様に粗大粒子が混在する場合があることから該アパタイト粒子の微粉体もしくは微粒子としての利用に支障を来す場合がある。
【0029】
メデイアミル装置の具体的な例を挙げると、少量をバッチ方式で湿式分散処理を行う場合には、メディアミル装置としてペイントコンディショナーを使用して数時間に亘る振盪を行うことで湿式分散処理を行うことができる。またメディアミル装置として、ダイノーミル(WAB社製)に代表される横型ビーズミルのような連続方式での湿式分散処理が可能である装置を用いて、これを複数台用いて直列に配置して1パスで湿式分散処理を行っても良く、あるいは1台のメディアミルを用いて複数回処理を繰り返すことも好ましく行うことができる。このような湿式分散処理を行うことで、水または各種有機溶剤中においてストロンチウムを含むアパタイト粒子の微粉体もしくは微粒子を製造することができる。メディアミル装置としては、これら以外にも様々な形状、タイプの装置が市販されるが、いずれの場合も、装置がメディアを用いて水中または各種有機溶剤中において湿式分散処理を行うことのできる装置であれば基本的には使用することができる。
【0030】
上記したメディアを利用してストロンチウムを含むアパタイト粒子の湿式分散処理を行う場合に、使用するメディアはセラミックビーズを用いることが好ましい。特に、ビーズが研磨されるなどしてビーズ由来の不純物が該アパタイト粒子中に混入することを防止することが好ましく、仮に、微細に粉砕されたビーズ由来の成分が混入した場合であっても、これが該アパタイト粒子に対するDNAの吸着挙動に影響を及ぼさないことが好ましい。こうした目的で利用できるセラミックビーズとして、具体的にはZrO、立方晶ジルコニア、イットリウム安定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナなどのジルコニアを含有するセラミックビーズを最も好ましく用いることができる。また、メディアの平均直径は0.01〜10mmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜5mmである。こうしたメディアを使用したメディアミルを用いる湿式分散処理の条件は、通常行われる室温での処理であり、特に処理時間や温度等に関する制限は無い。また、パス回数については1回で十分である場合もあるが、2〜7回程度のパス回数で処理を行うことで、より粒子径分布が狭く、かつ分散安定性に優れたストロンチウムを含むアパタイト粒子の微粉体もしくは微粒子を製造することができる。
【0031】
上記のような方法を利用して、体積平均粒子径が10μm以下の微粉体、もしくは1μm以下の微粒子に加工したストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いて、これを繊維マトリックスに固定する具体的な方法としては、以下に述べる方法を好ましく用いることができる。例えば一つの方法として、該アパタイト粒子を水もしくは各種有機溶剤中に分散した液に必要に応じてバインダーを加えてこれを塗工液として用い、この塗工液中に繊維マトリックスを浸漬して引き上げ、余分な塗工液を除いた後、繊維マトリックスに保持された塗工液を乾燥して該アパタイト粒子を固定する方法を好ましく用いることができる。あるいは、スプレー噴霧やカーテン塗工などの方法で該塗工液を繊維マトリックスに満遍なく付着させ、その後に乾燥を行って該アパタイト粒子を固定する方法などを利用することが可能である。
【0032】
本発明のDNA吸着担体を用いると、DNAを含む試料溶液からDNAを効率的に分離し精製することができる。本発明のDNA吸着担体は、例えば、DNAの精製、PCR法による核酸増幅に用いるDNA試料の調製等において好適に用いられる。
本発明のDNA吸着担体を用いてDNAを含む試料溶液からDNAを分離し精製する方法は特に限定されない。例えば、DNA吸着担体を用いて、DNAを含む試料溶液からDNAを吸着分離し、リン酸塩を含む水溶液を用いて吸着したDNAを脱着することにより、DNAを分離精製して回収することができる。
上記DNA吸着担体を用いて、DNAを含む試料溶液からDNAを吸着分離する方法は特に限定されず、例えば、DNAを含む試料溶液と、該DNA吸着担体とを接触させてDNA吸着担体にDNAを吸着させ、次いで該DNAを吸着させたDNA吸着担体と、試料溶液とを分離することにより、DNAを含む試料溶液からDNAを吸着分離することができる。
DNA吸着担体に吸着したDNAの脱着は、DNAを吸着したDNA吸着担体を、リン酸塩を含む水溶液と接触させることにより行うことができる。リン酸塩を含む水溶液とDNA吸着担体とを接触させることにより、吸着していたDNAがストロンチウムを含むアタパイト粒子から脱着して、DNAを含む水溶液を得ることができる。
このような方法により、試料溶液に含まれるDNAを分離し精製することができる。得られるDNAを含む水溶液は、PCR法による核酸増幅に用いる試料等として好適に用いることができる。
【0033】
本発明のDNA吸着担体は、例えば、DNA吸着担体を液体採取用ピペット(液体を採取するピペット)の吸液部内に設置して使用することができる。このように液体採取用ピペットの吸液部内に設置されるDNA吸着担体は、本発明における好ましい実施態様の一つである。本発明のDNA吸着担体が吸液部内に設置された液体採取用ピペットを用いると、DNAを試料溶液から簡便な操作で効率よく分離し精製することができる。また、上述したようにDNA吸着担体を液体クロマトグラフィーの固定層として用いることもできる。このようなDNA吸着担体の利用方法も、本発明に包含される。
【0034】
本発明において、DNAを試料溶液から分離回収するためにストロンチウムを含むアパタイト粒子を利用するための好ましい態様として、上記のように繊維マトリックスに該アパタイト粒子を固定した状態で、該繊維マトリックスを、液体採取用ピペットの吸液部内に設置して用いることを極めて好ましく行うことができる。この場合、液体採取用ピペットの吸液部として、例えば、各種分注器、ピペット、マイクロピペットの先端に取り付けて吸液を行うためのチップである場合が好ましいが、ピペット自体が吸液部を兼ねるガラスピペットやディスポーザブルタイプのプラスチック製ピペットも同様に用いることができる。このようなピペットの吸液部の内部に該アパタイト粒子を固定した繊維マトリックスを設置し、ピペット吸液部内部から該アパタイト粒子やこれを固定した繊維マトリックスが脱離することなく用いた場合、該ピペットにより試料溶液を採取することで該アパタイト粒子に試料溶液中に含まれるDNAが吸着し、該DNAを分離精製することができる。後述する実施例において詳細に説明するように、具体的な手順として、下記(i)〜(v)を行うことで、検査しようとする試料溶液からDNAを分離精製して回収することができる。
(i)試料溶液を、該アパタイト粒子を設置したピペット吸液部に吸入する。
(ii)吸入した試料溶液をピペット吸液部外に排出する。
(iii)必要であれば手順(i)及び(ii)を複数回繰り返す。
(iv)純水(イオン交換水や蒸留水など)を用いてピペット吸液部内部を洗浄する。
(v)リン酸塩を溶解した水溶液を用いて、ピペット吸液部内部の該アパタイト粒子に吸着したDNAを脱着させる。
特に(iii)の段階で、複数の試料溶液からDNAの吸着を行うことで、これらに含まれるDNAを濃縮した状態で分離回収することが可能である。
【0035】
従来技術では、既存のアパタイトを利用した場合に、試料中の各種タンパク質や糖類がアパタイトの表面に競争的に吸着するため、試料中のDNAの吸着を阻害し、DNAの回収を困難にする場合があった。更には、既存のアパタイトにDNAが強固に吸着することから、吸着したDNAを脱着するために極めて高濃度のリン酸塩を溶解した水溶液を用いることが必要とされ、このことがPCR法などで回収したDNAの増幅や分析を行う際に妨げになる場合があった。
【0036】
試料溶液からDNAを分離する際に、試料溶液の温度には好ましい範囲が存在し、20〜80℃の範囲に調節した試料溶液に対して該アパタイト粒子もしくはこれを担持した繊維マトリックス、あるいは上記したピペット吸液部を接触させることで、該アパタイト粒子にDNAを吸着させることが好ましく行われる。例えば、DNA吸着担体として該アパタイト粒子を単体で用いる場合には、試料溶液中に該アパタイト粒子を懸濁させ、適当な時間を経て該アパタイト粒子を濾過により回収し、次いで粒子表面に吸着したDNAをリン酸塩水溶液を用いて脱着し、回収することが行われる。DNA吸着担体として該アパタイト粒子を担持した繊維マトリックスを用いる場合も、同様にして試料溶液からDNAを分離回収することが行われる。
【0037】
本発明において、ストロンチウムを含むアパタイト粒子に吸着したDNAを脱着する際に用いることのできるリン酸塩を含む水溶液として、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素アンモニウム等から選ばれるリン酸塩を全体で0.3モル/L以下の濃度で含む水溶液を用いることができる。好ましくは、濃度0.05〜0.3モル/Lでリン酸塩を含む水溶液を使用する。こうした場合においては、DNAとともに含まれるリン酸塩の影響は、PCR法などの分析方法において妨げとはならず、上記濃度のリン酸塩を含むDNA水溶液をPCR法の試料として好ましく利用することができる。
【0038】
上記DNA吸着担体を用いて、DNAを含む試料溶液からDNAを吸着分離し、濃度0.05〜0.3モル/Lでリン酸塩を含む水溶液を用いて吸着したDNAを脱着し、得られたDNAを含む水溶液を試料としてPCR法による核酸増幅に用いるDNA吸着担体の利用方法も、本発明に包含される。
【0039】
本発明のDNA吸着担体は、上記した製造方法により製造され、その後に好ましくは滅菌処理されることが好ましい。滅菌方法としては、従来から行われているオートクレーブを用いた加熱滅菌処理や、エチレンオキサイドガスによる化学的滅菌処理、あるいはガンマ線照射や電子線照射による放射線滅菌処理方法など、いずれの方法によっても滅菌処理が可能である。
【0040】
以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の百分率は断りのない限り質量基準である。
【実施例】
【0041】
(実施例1〜4及び比較例1)
(各種アパタイトの合成)
1Lの三角フラスコ内に、塩化ストロンチウム六水和物(和光純薬工業社製)と塩化カルシウム二水和物(和光純薬工業社製)をそれぞれ表1に示す割合で秤取り、イオン交換水350gを加えて溶解した。これとは別に、500mLのガラスビーカー内にリン酸水素二アンモニウム(和光純薬工業社製)40g(0.3モル)及び炭酸ナトリウム(和光純薬工業社製)16g(0.15モル)を秤取り、イオン交換水300gを加えて溶解した。上記で作製した塩化ストロンチウムと塩化カルシウムの両方を溶解した水溶液を三角フラスコ中で、50℃に調整した水浴上で攪拌しながら滴下漏斗を用いて、これにリン酸水素二アンモニウム及び炭酸ナトリウムを溶解した水溶液を1時間に亘って徐々に滴下した。反応時の反応系のpHは6.5であった。滴下終了後更に1時間加熱攪拌を行った。その後水浴上から三角フラスコを移し、室温まで冷却した後、グラスフィルターを用いて生成した白色沈殿を吸引濾過した。フィルター上の白色沈殿は更に繰り返しイオン交換水で洗浄を行った後、60℃に調節した乾燥器内で1昼夜乾燥を行い、白色の粉体を得た。生成物の収量は、各々の理論収量に対してほぼ100%の収量であった。生成物を、X線回折装置(ミニフレックス、リガク社製)を用いて広角X線回折により解析した結果、アパタイトに特有の結晶回折パターンを示し、結晶性は比較的低いもののアパタイトに帰属される以外の回折ピークは認められなかった。更に、FT−IR測定において何れの試料も1460cm−1、1405cm−1及び870cm−1付近にB型炭酸アパタイトに特有の吸収が認められた。
【0042】
【表1】
【0043】
各々の実施例及び比較例で得られたアパタイトである粉体をメノウ乳鉢で磨り潰すことで体積平均粒子径が100〜300μmの範囲にある粒子を得た。これらを各々試験管に1gずつ添加した。濃度1モル/Lのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)にサケ精液由来デオキシリボ核酸ナトリウム(和光純薬工業社製)及びウシ血清由来アルブミン(和光純薬工業社製)を各々500ppmの濃度に溶解した溶液を、それぞれの試験管に10mLずつ添加し、40℃に調節した水浴中において十分に攪拌し、静置後、上澄み液を濾過して吸着処理後の試料溶液とし、次のHPLC測定を行った。また、サケ精液由来デオキシリボ核酸ナトリウム及びウシ血清由来アルブミンを含有するトリス塩酸緩衝液を濾過したものを吸着処理前の試料溶液とし、HPLC測定を行った。HPLC測定条件として、カラムは水系GPC用カラム3本(TSK−GEL G5000PWXL、G3000PWXL、G2500PWXL、全て東ソー製)を連結して使用し、移動相はpH6.7のリン酸緩衝液(濃度0.1モル/LでNaHPOと、濃度0.1モル/LでKHPOを含有。)を用い、流速1mL/分、カラム温度40℃で測定を行った。サンプルの導入量は20μLで行い、検出器は波長280nmにおける紫外検出器を用いた。各々のサンプルのHPLC測定を行った結果を図1〜5に示す。図1〜5中、実線が吸着処理前の試料のチャートであり、破線が吸着処理後の試料のチャートである。なお、アパタイト粒子の体積平均粒子径は、アパタイト粒子を水に添加し光散乱回折式粒度分布計(粒度分布測定装置LA−920、堀場製作所社製)を使用して測定した。
【0044】
図1は、比較例1において、ストロンチウムを含まないアパタイト粒子である炭酸アパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャートを示す。吸着処理前では、DNA及びアルブミンは図中に示す位置に分離して溶出されるが、吸着処理後においては、DNAはアパタイト粒子に吸着して溶出されず、一方アルブミンも、その大部分が吸着により試料溶液から取り除かれていることが分かった。この例では、ストロンチウムを含まないアパタイト粒子はDNA及びアルブミンの両方に対して高い吸着能力を示すことが明らかとなった。
【0045】
図2は、実施例1において、カルシウムを含まずストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャートを示す。この場合、吸着処理後においてDNAの大部分はアパタイト粒子に吸着して試料溶液より取り除かれており(約80%程度吸着して試料溶液から取り除かれている)、一方アルブミンは、その大部分がアパタイト粒子に吸着せずに試料溶液に残されていることが分かった。この実施例1では、ストロンチウムを含むアパタイト粒子はDNAに対する高い吸着能力を示す一方で、アルブミンに対する吸着能力が顕著に低下しており、DNAに対する高い選択吸着性を示すことが明らかとなった。
【0046】
図3は、実施例2において、カルシウムとストロンチウムを1:4のモル比で含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャートを示す。この場合、吸着処理後においてDNAの大部分は該アパタイト粒子に吸着して試料溶液より取り除かれ、一方アルブミンは、該アパタイト粒子に吸着せずにほぼ全量が試料溶液中に取り残されていることが明らかとなった。この実施例2では、ストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた場合、DNAに対する極めて高い選択吸着性を示すことが明らかとなった。
【0047】
図4は、実施例3において、カルシウムとストロンチウムを1:1のモル比で含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャートを示す。この場合、吸着処理後においてDNAはほぼ35%程度が該アパタイト粒子に吸着して試料溶液より取り除かれ、一方アルブミンは、該アパタイト粒子に吸着せずにほぼ全量が試料溶液中に取り残されていることが明らかとなった。この実施例3でも、ストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた場合、DNAに対する高い選択吸着性を示すことが明らかとなった。
【0048】
図5は、実施例4において、カルシウムとストロンチウムを4:1のモル比で含むアパタイト粒子を用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャートを示す。この場合、吸着処理後においてDNAはほぼ35%程度が該アパタイト粒子に吸着して試料溶液より取り除かれ、一方アルブミンはほぼ15%程度が該アパタイト粒子に吸着して試料溶液より取り除かれていることが明らかとなった。この実施例4でも、ストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた場合、DNAに対するある程度の選択吸着性を示すことが明らかとなった。
【0049】
(比較例2)
比較例2として、市販されるヒドロキシアパタイトであるHAP−100(医薬品グレード高純度ヒドロキシアパタイト:Ca10(PO(OH)、太平化学産業社製)を用いて、先の実施例及び比較例と同様にして試料作製及びHPLC測定を行った。図6に結果を示す。図6は比較例2において、市販のヒドロキシアパタイトを用いた際の、DNA及びアルブミンの吸着処理前後の試料溶液のHPLC測定チャートを示す。図6中、実線が吸着処理前の試料のチャートであり、破線が吸着処理後の試料のチャートである。この場合、吸着処理後においてDNAは該アパタイトに少量吸着されており、一方アルブミンに対する吸着性がより高い結果であった。この例では、試料溶液中からDNAを選択的に吸着分離することはできなかった。
【0050】
(実施例5)
実施例2で用いたカルシウムとストロンチウムを1:4のモル比で含むアパタイト粒子を用いて、乾式ボールミルにより微粉砕を行い、体積平均粒子径が5μmである微粉体を得た。次に、ガラス製パスツールピペットの先端内面部分にカット綿を詰めて層とし、これに水中でスラリーにした上記アパタイト微粉体を通液してカット綿上でろ過を行い、該アパタイト微粉体をカット綿の上面及び内部に固定化した。蒸留水を用いて数回このパスツールピペットの内部を洗浄した場合、内部に固定化された該アパタイト微粉体が流出しないことを確認した。次に、先の実施例及び比較例で使用したサケ精液由来デオキシリボ核酸ナトリウム及びウシ血清由来アルブミンを含有するトリス塩酸緩衝液10mLを液温20℃にして、このパスツールピペットのアパタイト微粉体を含むカット綿の層に通液し、回収した液について先と同様にしてHPLC測定を行った。その結果、試料溶液に含まれていたDNAのうち約50%が吸着により試料溶液から取り除かれていることが分かった。一方、アルブミンについては吸着の影響は認められず、ほぼ全量が試料溶液中に残されていた。
【0051】
次に、上記と同様にして作製した該アパタイト微粉体をカット綿に固定化して吸液部内部に設置したパスツールピペットを用いて、サケ精液由来デオキシリボ核酸ナトリウム及びウシ血清由来アルブミンを含有するトリス塩酸緩衝液の液温を50℃として通液する以外は上記と同様にして試料作製及びHPLC測定を行った。その結果、試料溶液に含まれていたDNAの全量が吸着により試料溶液から取り除かれていることが分かった。一方、アルブミンについては吸着の影響は認められず、ほぼ全量が試料溶液中に残されていた。
【0052】
上記で、試料溶液を液温50℃で通液したパスツールピペットの内部を、蒸留水を用いて繰り返し洗浄を行った場合、洗浄液中にはDNAが含まれず、蒸留水による該アパタイト微粉体からのDNAの脱着は生じないことを確認した。次に、試料溶液を液温50℃で通液したパスツールピペット内部に、濃度0.1モル/LでNaHPOと、濃度0.1モル/LでKHPOを含むリン酸塩水溶液50mLを通液し回収したところ、回収液中にDNAが含まれていることがHPLC測定により明らかとなった。回収液中にはアルブミンは含まれておらず、かつ回収されたDNAの量は元の試料溶液中に含まれているDNAの量とほぼ一致していたことから、試料溶液中のDNAがほぼ定量的に上記パスツールピペット内の該アパタイト微粉体に吸着され、吸着したDNAを比較的低濃度のリン酸塩を含む水溶液を用いて容易に脱着できることが明らかとなった。
【0053】
(実施例6)
実施例2で用いたカルシウムとストロンチウムをモル比で各々1:4の比率で含むアパタイト粒子を用いて、メディアミルにより湿式分散処理を行い、ストロンチウムを含むアパタイトの微粒子を作製した。すなわち、上記の実施例2で得たストロンチウムを含むアパタイト20gを0.2リットルのポリプロピレン容器に移し、更にポリメタクリル酸メチル4gとテトラヒドロフラン76g及び粒径0.3mmのジルコニアビーズを160g加えて密閉し、ペイントコンディショナーを使用して6時間湿式分散処理を行った。その後、濾布を使用して分散物からジルコニアビーズを分離した。得られた分散液に含まれる、ストロンチウムを含むアパタイト微粒子の大きさを測定するために、光散乱回折式粒度分布計(粒度分布測定装置LA−920、堀場製作所社製)を使用して測定したところ、体積平均粒子径は0.8μmであった。
【0054】
上記で得られたストロンチウムを含むアパタイト微粒子の分散液中に、平均繊維径20μmのポリエステル長繊維を使用して湿式不織布法で製造した厚み100μm、目付15g/mの不織布を浸漬し、引き上げて余分な液を落下させながら乾燥を行い、繊維表面にバインダーとしてポリメタクリル酸メチルを用いて上記アパタイト微粒子を固定化した不織布試料を得た。蛍光X線測定装置によりこの不織布試料の解析を行ったところ、不織布1平方メートル当たり約10gのストロンチウムを含むアパタイト微粒子が担持されていることが分かった。得られた不織布試料を直径1cmの円形に切り抜き、これを丸めてマイクロピペット用チップ(200μL)の内部に装填した。このようにして作製したチップを用いて、先の実施例及び比較例で使用したサケ精液由来デオキシリボ核酸ナトリウム及びウシ血清由来アルブミンを含有するトリス塩酸緩衝液を液温50℃にして、マイクロピペットを利用してチップ内に吸液し、1分間吸液した状態を保ってから排液した。排液した試料について、先と同様にしてHPLC測定を行ったところ、試料溶液中から大部分のDNAが取り除かれていることが判明した。一方、アルブミンについては吸着の影響は認められず、ほぼ全量が試料溶液中に残されていた。次に、DNAを吸着して含むチップ内を、濃度0.1モル/LでNaHPOと、濃度0.1モル/LでKHPOを含むリン酸塩水溶液1mLを用いて、繰り返し洗浄を行なったところ、ほぼ定量的にDNAが溶出し、アルブミンを含まない状態でリン酸溶液中に回収されていることが分かった。
【0055】
(実施例7及び比較例3)
(BCG菌を利用したPCR法による結核菌DNAの増幅試験)
BCG菌を利用した結核菌PCR検査に対するモデル試験を以下のように実施した。マクファーランドNo.1.0に調製したBCG菌液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)0.1mLを喀痰0.9mLに加えてBCG菌株含有喀痰A液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)を調製した。次いで、菌濃度が段階的に1/10ずつ低下するよう、喀痰にて希釈した喀痰液を調製し、順にB液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)、C液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)、D液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)、E液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)、F液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)、G液(BCG菌濃度3×10cfu/mL)とし、比較(ブランク)としてBCG菌液を加えない喀痰液をH液として使用した。これらの100μLを、各々ビーズ入りのマイクロチューブに加え、次いで濃度2%の水酸化ナトリウム100μLと濃度1モル/Lのジチオスレイトール20μLをそれぞれに加えて1分間振盪撹拌した。これを37℃で10分間加温後、濃度1モル/Lのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)200μLをそれぞれに加えて中和し、各々の試料溶液とした。次いで、各試料溶液200μLに対して実施例2で得られた、カルシウムとストロンチウムをモル比で1:4の比率で含むアパタイト粒子を50mg添加して攪拌しながら、37℃で10分間加温した。その後、アパタイト粒子を濾過により分離し、該粒子を1mLのTE緩衝液で3回洗浄を行った。次いで、濃度0.15モル/LでNaHPOと、濃度0.15モル/LでKHPOを含むリン酸塩水溶液(pH6.8)を100μL用いて吸着したDNAを溶出(脱着)し、得られたDNA溶出液中のBCG菌株DNAをリアルタイムPCR法で定量した。プライマー及びプローブはアプライドバイオシステムズ社製TaqMan(登録商標)プローブキット(蛍光色素:FAM)を使用した。結果を図7に示した。図7は、実施例7において、段階的に希釈した濃度でBCG菌を含む試料から分離したBCG菌DNAをリアルタイムPCR法で増幅を行った際の、サイクル数に対する蛍光強度の増加の様子を示す。この図より、BCG菌株含有喀痰のBCG菌濃度がE液に相当する3×10cfu/mL以上であれば、本方法で菌体の存在を検出することが可能であることが分かった。
【0056】
一方、比較例3として、市販されるヒドロキシアパタイト吸着担体(バイオゲル(登録商標)HTPハイドロキシアパタイト、バイオラッド社製)をDNAの吸着担体として用いて、上記実施例7と同様にしてリアルタイムPCR法によるBCG菌の検出感度を調べる実験を行ったところ、図8に示す結果を得た。図8は比較例3において、段階的に希釈した濃度でBCG菌を含む試料から分離したBCG菌DNAをリアルタイムPCR法で増幅を行った際の、サイクル数に対する蛍光強度の増加の様子を示す。この図より、BCG菌株含有喀痰のBCG菌濃度がC液に相当する3×10cfu/mL以上であれば、菌体の存在を検出することが可能であることが分かった。なお、図7及び図8において、太い横線より蛍光強度が上回れば、菌体の存在を検出することが可能な程度にDNAが増幅されたことを示す。実施例7と比較例3を比較することで、本発明のストロンチウムを含むアパタイト粒子をDNA吸着担体として利用することで、PCR法において検出感度が100倍程度向上することが明らかとなった。なお、図7及び図8において測定に用いたC液の結果がB液の結果と近接する数値を与えているが、これは試料溶液を調整する際の濃度に若干のフレが存在したためと推定される。
【0057】
(実施例8〜10及び比較例4、5)
(DNA吸着担体からのDNAの溶出性試験)
実施例8、9及び10として、各々実施例1、実施例2及び実施例4の合成方法で得られたストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた。実施例7と同様にして、BCG菌液を喀痰に加えて調整したBCG菌株含有喀痰を水酸化ナトリウムとジチオスレイトールで処理後、トリス塩酸緩衝液で中和処理を行った試料溶液を調製し、その試料溶液700μL中に、各々のアパタイト粒子0.2gを添加して37℃で10分間加温しながら撹拌を行い、試料中に含まれるDNAの吸着を行った。同様に、比較例4として比較例1の合成法で得られた炭酸アパタイトを用い、比較例5として比較例3で用いたヒドロキシアパタイトを用いて、上記と同様にして用いてDNAの吸着を行った。得られたそれぞれのDNAを吸着したアパタイト粒子に対し、リン酸塩濃度を0.1モル/L、0.2モル/L及び0.3モル/Lに調節した3水準の濃度のリン酸塩水溶液(NaHPOとKHPOをモル比1/1で含有)を用いて溶出(脱着)処理を行い、得られた溶出液を試料として用いて実施例7と同様にしてリアルタイムPCR法を用いてDNAの増幅試験を行った。その結果、比較例4では、濃度0.2モル/Lと濃度0.3モル/Lのリン酸緩衝液を用いて溶出した試料からは、PCRによるDNAの増幅が確認されたが、濃度0.1モル/Lの緩衝液を用いて溶出した場合には、溶出したDNA濃度が希薄なため、PCR法でサイクル数を増加させてもDNAの増幅は確認されなかった。また、比較例5では濃度0.3モル/Lのリン酸緩衝液を用いて溶出した試料からは、PCRによるDNAの増幅が確認されたが、濃度0.2モル/Lと濃度0.1モル/Lの緩衝液を用いて溶出した場合には、溶出したDNA濃度が希薄なため、PCR法でサイクル数を増加させてもDNAの増幅は確認されなかった。これに対して実施例8〜10では、何れの濃度のリン酸緩衝液を用いて溶出した試料でもPCR法で顕著なDNAの増幅が確認された。
【0058】
更に、比較例4で濃度0.2モル/Lのリン酸緩衝液を用いて溶出した試料と、比較例5で濃度0.3モル/Lのリン酸緩衝液を用いて溶出した試料、及び実施例8〜10で、濃度0.1モル/Lのリン酸緩衝液を用いて溶出した試料について、それぞれ紫外線分光光度計により260nm吸光度、280nm吸光度を測定し、260nm/280nm吸光度比を求めた。260nm吸光度は試料中に含まれるDNA濃度に比例し、280nm吸光度は試料中に含まれるタンパク質濃度に比例する値である。更に、260nm/280nm吸光度比は、タンパク質に対するDNAの濃度比を表し、この値が大きいほどDNA吸着担体の選択吸着性が高いことを表す。結果を表2に示した。表2より、ストロンチウムを含むアパタイト粒子を用いた場合には、比較例の場合と比べ、より選択性が高くDNAを吸着することが明らかとなり、更に担体に吸着したDNAを溶出できるリン酸緩衝液中のリン酸塩濃度も0.3モル/L以下の濃度で可能であることが実証された。
【0059】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のDNA吸着担体はPCR法への利用以外にも、アフィニティークロマトグラフィーをはじめとする様々なカラムクロマトグラフィーの充填剤等の、液体クロマトグラフィー用固定層に利用することで、核酸やタンパク質の分離に利用することが可能である。更には、遺伝子導入に際して利用される遺伝子のキャリヤーとしての遺伝子ベクターとしての利用にも用いることが可能である。
図1
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図7
図8